(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記の特許文献1に開示されたジッパ貼り付け装置では、ジッパを所定長さのジッパ片に切断するための繰り出しとジッパ片のフィルム貼り付け位置への移動とを1つの把持部材によって連続して行っているため、ジッパテープの繰り出しと切断したジッパ片の貼り付け位置への搬送とを高速化できなかった。そのため、フィルムの製袋作業をジッパ片の貼り付け作業の速度に合わせて比較的低速で行わなければならず、効率的な製袋作業を行えなかった。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ジッパテープの繰り出しから切断したジッパの貼り付け位置への搬送を高速で行えるようにしたジッパ貼り付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるジッパ貼り付け装置は、所定長さのジッパをフィルムに貼り付けるジッパ貼り付け装置において、ジッパテープを繰り出すジッパリールと、繰り出された前記ジッパテープを
前記ジッパテープが切断される切断位置を備えた受け渡し位置に移動させる繰り出し部材と、前記ジッパテープが
前記切断位置で所定長さに切断された前記ジッパを前記受け渡し位置で前記繰り出し部材から受け渡されてフィルムへの貼り付け位置まで移動させる搬送部材と、前記繰り出し部材と前記搬送部材との間での前記ジッパの受け渡し及び移動をガイドするガイド部材と、前記繰り出し部材及び搬送部材をそれぞれ移動制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ジッパテープを繰り出し部材によって受け渡し位置に繰り出し、ジッパテープを所定長さに切断したジッパを繰り出し部材から搬送部材に受け渡してフィルムへの貼り付け位置に搬送することができ、搬送部材によるジッパの搬送時に繰り出し部材はジッパテープを把持するために移動することができるため、ジッパテープの繰り出しと切断されたジッパの貼り付け位置への搬送を高速で行うことができる。
【0010】
また、フィルムの幅方向の位置を検知するフィルムセンサを更に備えており、制御手段によって、センサで検知した
フィルムの位置に基づいて搬送部材によるジッパの貼り付け位置を調整するようにしてもよい。
搬送するフィルムに蛇行が生じた場合でもフィルムセンサで検知し、フィルムの位置に基づいて搬送部材によるジッパの貼り付け位置への移動を制御手段によって調整することができる。
【0011】
本発明によるジッパ端部形成装置は、繰り出されたジッパテープにおける所定長さのジッパの端部となる位置を押し潰して溶着するジッパ端部押し潰し手段と、ジッパテープの送り方向におけるジッパ端部押し潰し手段からその下流側にジッパの長さ以上離間した位置に設けた下流側ローラと、を備えたことを特徴とする。
ジッパテープにおける所定長さのジッパの送り方向後端部をジッパ端部押し潰し手段で押し潰して溶着する際、そのジッパ部分はジッパ端部押し潰し手段と下流側ローラとの間に平面状に位置するため精度良くジッパ端部を押し潰し溶着できる。そのため、ジッパの先端部が下流側ローラに巻回されて内輪差を生じて嵌合部が外れたりすることを防止できる。
【0012】
本発明によるジッパ端部形成装置は、繰り出されたジッパテープにおける所定長さのジッパの端部となる位置を押し潰して溶着するジッパ端部押し潰し手段と、ジッパ端部押し潰し手段で押し潰されたジッパテープの嵌合凸部及び嵌合凹部に対向する位置にエアの吹き出し口が設置されたジッパクリーナと、を備えたことを特徴とする。
ジッパ端部押し潰し手段で押し潰されたジッパテープの嵌合凸部及び嵌合凹部に溶着カスが生じたとしてもジッパクリーナのエア吹き出し口から吹き出すエアによって吹き飛ばすことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のジッパ片貼り付け装置によれば、繰り出し部材と搬送部材とを個別に移動制御できるため、搬送部材によるジッパ搬送中に繰り出し部材をジッパテープの繰り出し開始位置に移動すること等ができるため、高速でジッパの移動と貼り付けを行える。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態によるジッパ貼り付け装置及びジッパ端部形成装置を備えたジッパ付き袋の製造装置について添付図面を参照して説明する。
第一実施形態によるジッパ付き袋の製造装置1について
図1乃至
図7により説明する。
図1は、本実施形態によるジッパ付き袋の製造装置1の概略構成を示すものである。ジッパ付き袋の製造装置1は、製袋装置2とジッパ貼り付け装置3を備えている。ジッパ付き袋の製造装置1は、フィルムロールFから繰り出したフィルムfをテンションローラ4等を介してジッパ貼り付け装置3に搬送して、後述するジッパ片Jaをフィルムfに仮止めして製袋装置2の製袋チューブ6に搬送する。
【0016】
製袋装置2は例えば縦型製袋充填機であり、製袋チューブ6の上部側には製袋ガイド7が取付けられ、その上部にはジッパ付き袋内に内容物を充填するホッパ6aが設置されている。製袋チューブ6の外周面と製袋ガイド7との間をフィルムfが通過することでシート状のフィルムfが曲げられて製袋チューブ6の外周面に沿って筒状に成形される。
製袋チューブ6において、筒状に成形されたフィルムfの両端部を縦シーラ8で縦シールすると共に繰り出しベルト9によって下方に断続的に搬送する。製袋チューブ6の下方には内容物を充填したジッパ付き袋(図示せず)の底部と次のジッパ付き袋の上部をシールすると共にその間を切断するカッタを備えた横シーラ10が設置されている。その下流側には仮付けされたジッパ片Jaをフィルムfに本付けするためのジッパ本付けヒータ11が設置されている。
【0017】
図2は
図1に示すジッパ貼り付け装置3の要部拡大図である。
図2において、テンションローラ4を通して繰り出されたフィルムfは固定ローラ12と挟持ローラ13との間でテンションを架けられ、その間にジッパ貼り付け装置3が設置されている。固定ローラ12と挟持ローラ13の間にフィルムfの走行方向を所定角度、例えば略90度変更する断面略L字型のヒータガイド部14が設置されている。ヒータガイド部14の下方には所定長さのジッパ片Jaを把持して搬送する後述の搬送部材43が設置されている。搬送部材43に設けたグリップ爪51でジッパ片Jaを把持してヒータガイド部14上のフィルムfに当接または近接する位置に保持することができる。
【0018】
また、ヒータガイド部14との間でフィルムf及びジッパ片Jaを挟む一方のサイドにヒータ受台支持部18に設けたヒータ受け台19が設置されている。ヒータ受台支持部18とヒータガイド部14に設けた保持部材18aとでジッパ片Jaを保持できる。ヒータガイド部14の背面側にはヒータ用シリンダ20が設置され、ヒータ用シリンダ20に進退可能に設けられたロッド21の先端にヒータヘッド22が設置されている。
そのため、ヒータ用シリンダ20を作動してヒータヘッド22を突出させてヒータ受け台19との間にフィルムfとジッパ片Jaを熱圧着させることで、フィルムfにジッパ片Jaを仮止めすることができる。
【0019】
次にジッパ片Jaの構成を
図3により説明する。
ジッパ片Jaは、
図3(a)、(b)に示すように、雄側ジッパ片(雄側ジッパテープ)24と雌側ジッパ片(雌側ジッパテープ)25からなる。雄側ジッパ片24は長手方向に線状に延びる嵌合凸部24aを備えるとともに、この嵌合凸部24aの幅方向片側にフランジ部24bを備えている。雌側ジッパ片25は長手方向に線状に延びる嵌合凹部25aを備えるとともに、嵌合凹部25aを挟んで幅方向両側にフランジ部25b、25cを備えている。
これら雄側ジッパ片24と雌側ジッパ片25は、ジッパ付き袋の対向する内面にフランジ部24b、フランジ部25b及び25cをそれぞれ溶着することになる。ジッパ片Jaは、嵌合凸部24aと嵌合凹部25aが着脱可能に嵌合する嵌合部26を有すると共に、その長手方向両端部(ジッパ端部)に嵌合凸部24aと嵌合凹部25aを嵌合状態で圧縮したかしめ部27と、かしめ部27の周囲から両端にかけてより扁平で幅広に溶融圧着された押し潰し部28とを備えている。ジッパ片Jaは
図3(c)に示すようにジッパテープJの先端側のジッパ片Jaの後端側の2つ分の押し潰し部28の中央を切断線Sで切断したものである。
【0020】
次にジッパ貼り付け装置3におけるジッパ形成装置23について
図4乃至
図6により説明する。ジッパ形成装置23は、ジッパ端部形成装置30とジッパ供給装置31とを備えている。
図4に示すジッパ端部形成装置30において、図示しないジッパリールからジッパテープJが繰り出されてテンション付与部材32に搬送される。ジッパテープJは嵌合凸部24aと嵌合凹部25aが着脱可能に嵌合した雄側ジッパテープ24と雌側ジッパテープ25からなっている。
【0021】
テンション付与部材32は、横方向に並設された上段の複数の固定ローラ34aと、横方向に延設され、上流側端部を回転中心に上下に回動自在とされたテンションレバー34bと、このテンションレバー34bに支持された下段の複数の揺動ローラ34cとを備えている。ジッパリールから繰出されたジッパテープJが、上流側から上段の固定ローラ34aと下段の揺動ローラ34cに交互に巻き掛けられて支持されている。テンションレバー34bには、テンションレバー34bを下方に回動して揺動ローラ34cを下方に揺動させるように付勢するスプリング34dが取り付けられている。
【0022】
これにより、テンション付与部材32の各ローラ34a、34cに巻き掛けられたジッパテープJは、スプリング34dの付勢力に応じたテンションレバー34bの回動によって下方に引っ張られ、一定のテンションが付与される。
また、テンション付与部材32の最も下流側の固定ローラ34aにはテンション遮断手段35が設置されている。テンション遮断手段35はシリンダ35aの先端に設けた弾性部材35bを進出させてジッパテープJを固定ローラ34aに圧接してそのテンションを遮断できる。
【0023】
テンション付与部材32から繰り出されたジッパテープJは上流側ローラ37aで方向変換されて超音波端部押し潰し装置36に送られる。ジッパテープJは横方向に並設された上流側ローラ37aと下流側ローラ37bとの間で直線状に搬送される。超音波端部押し潰し装置36は、上流側ローラ37aと下流側ローラ37bとの間に設置されている。この超音波端部押し潰し装置36は、上流側ローラ37aに巻回されて供給されるジッパテープJを挟んで上下に対向配置された超音波ヘッド38aとアンビル38bとを備えている。
ジッパテープJに超音波を発振する超音波ヘッド38aは例えば略円柱状に形成され、ジッパテープJと接触する接触面が平面で形成されている。一方、アンビル38bは、進退可能に設けられ、超音波ヘッド38a側に移動した際にジッパテープJを超音波ヘッド38aとの間に押圧して挟持する。アンビル38bは、ジッパテープJとの接触面に、かしめ部27を形成するためのかしめ室と、押し潰し部28を形成するための溶融室とがそれぞれ凹部として形成されている。
【0024】
超音波端部押し潰し装置36は、テンション遮断手段35でジッパテープJの張力を遮断し且つ繰出しが停止した状態のジッパテープJを超音波ヘッド38aとアンビル38bとで挟持する。そして、超音波ヘッド38aから超音波を発振することで、
図7に示すように、2つ分のかしめ部27と押し潰し部28を一体に形成する。また、各2つ分のかしめ部27と押し潰し部28の形成は、ジッパテープJの繰出し方向の所定間隔で行われ、隣り合う2つ分のかしめ部27と押し潰し部28のそれぞれの中央を切断することで、
図3(a)に示すように両端部にかしめ部27と押し潰し部28を1つずつ備えた1袋分の長さのジッパ片Jaが形成される。
【0025】
ここで、超音波端部押し潰し装置36とその下流側に設置された下流側ローラ37bとの距離は1枚のジッパ片Jaの長さより大きく設定されている。そして、超音波端部押し潰し装置36と下流側ローラ37bとの間をジッパテープJが搬送される間に1枚のジッパ片Jaの両端のかしめ部27及び押し潰し部28が形成されるようになっている。
これにより、1枚のジッパ片Jaの後部のかしめ部27及び押し潰し部28が超音波溶着される際に前部のかしめ部27及び押し潰し部28が下流側ローラ37bに曲げられないため平面状に支持されており、内輪差が生じることを防止できる。超音波端部押し潰し装置36によってジッパ片Jaの間隔で各2つ分のかしめ部27と押し潰し部28が形成されたジッパテープJは
図5及び
図6に示すジッパ形成装置23のジッパ供給装置31に搬送される。
【0026】
図5に示すジッパ供給装置31にはジッパ片Jaの受け渡し支持部40が設置されている。受け渡し支持部40に沿って例えばLMガイドからなるガイドレール41が設置され、このガイドレール41に繰り出し部材42と搬送部材43とが摺動可能に設置されている。繰り出し部材42は、かしめ部27及び押し潰し部28が所定間隔で形成されたジッパテープJを把持して
図7に示す切断位置Tを備えた受け渡し位置まで搬送する。切断位置TでジッパテープJはカッタ44によって2つ分の押し潰し部28の中央で切断されて所定長さのジッパ片Jaが形成される。このジッパ片Jaは搬送部材43によって繰り出し部材42から受け渡されて、フィルムfへの貼り付け位置まで搬送される。
受け渡し支持部40には繰り出し部材42を往復移動させる第一モータM1と搬送部材43を往復移動させる第二モータM2とが例えば上下段に設置されている。第一モータM1はその駆動力を第一駆動軸45によって繰り出し部材42に伝達し、繰り出し部材42をガイドレール41に沿って前後動させる。同様に、第二モータM2はその駆動力を第二駆動軸46によって搬送部材43に伝達し、搬送部材43をガイドレール41に沿って前後動させる。
【0027】
繰り出し部材42はその基板42a上に一対のシリンダが内蔵されたエアチャック49が設置され、このエアチャック49によってジッパテープJを把持する一対のグリップ爪48を開閉可能に保持している。同様に、搬送部材43はその基板43a上に一対のエアチャック50が設置され、このエアチャック50によってジッパテープJを把持する一対のグリップ爪51を開閉可能に保持している。
図6において、繰り出し部材42及び搬送部材43の移動とジッパ片Jaの受け渡しを制御する制御手段53が設置されている。制御手段53は入力手段54から入力されるジッパ付き袋、フィルムf及びジッパ片Jaの幅や長さ寸法データ等に応じて繰り出し部材42及び搬送部材43を駆動制御するものである。また、搬送されるフィルムfの蛇行をその端部で検知するフィルムセンサ55が設置され、その検出結果が制御手段53に入力されて搬送部材43によるフィルムfに対するジッパ片Jaの仮止め位置を調整する。
【0028】
制御手段53によれば、
図7に示すように、ジッパテープJを繰り出し部材42のグリップ爪48で把持して受け渡し位置まで繰り出す。受け渡し位置では繰り出し部材42の左側で搬送部材43がグリップ爪51によってジッパテープJを把持する。そして、ジッパテープJの先端から1枚のジッパ片Jaをカッタ44で切断し、繰り出し部材42はジッパ片Jaを離し、搬送部材43によってジッパ片Jaをフィルムf上の仮付け位置に搬送する。
その際、本実施形態では、フィルムfの中心線Oにジッパ片Jaの中心が一致するように繰り出し位置を設定する。フィルムfに蛇行が生じた場合には、その幅方向の蛇行量Xをフィルムセンサ55で検知すると、ジッパ片Jaの移動位置を距離Xだけ補正することでフィルムfの中心線Oにジッパ片Jaの中心が一致するように調整できる。
【0029】
本実施形態によるジッパ貼り付け装置3を備えたジッパ付き袋の製造装置1は、上述の構成を備えており、次にそのフィルムfに対するジッパ片Jaの貼り付け方法について
図7を中心に説明する。
図1において、フィルムfがフィルムロールFから繰り出されてジッパ貼り付け装置3に搬送される。
図4において、ジッパロールから断続的に繰り出されたジッパテープJはテンション付与部材32を介してジッパ形成装置23のジッパ端部形成装置30に搬送される。ジッパ端部形成装置30では、テンション付与部材32の下流側で上流側ローラ37aと下流側ローラ37bの間に超音波端部押し潰し装置36の超音波ヘッド38aとアンビル38bがジッパテープJを挟んで対向配置されている。
図4に示すように、ジッパテープJに連続して形成されるジッパ片Jaにおいて、上流側のかしめ部27及び押し潰し部28を形成する際、下流側のかしめ部27及び押し潰し部28は下流側ローラ37bの上流側に位置する。
【0030】
そのため、少なくても1つ分のジッパ片Jaを含むジッパテープJは下流側ローラ37b及び超音波端部押し潰し装置36の間で平面状に保持されている。この状態で超音波端部押し潰し装置36の超音波ヘッド38aに対してアンビル38bが作動してジッパテープJを超音波で圧着溶融し、上流側の2つ分のかしめ部27及び押し潰し部28を形成する。
従って、超音波端部押し潰し装置36で断続的に搬送されるジッパテープJの1枚分のジッパ片Jaを形成する際に、下流側ローラ37bに巻き付いて方向変換される際の内輪差を生じないため、平面状で精度の良いジッパ片Jaを連続して形成できる。こうしてジッパ片Ja毎に両側端部に2つ分のかしめ部27及び押し潰し部28を形成したジッパテープJはジッパ供給装置31に搬送される。
【0031】
超音波端部押し潰し装置36から
図5に示すジッパ供給装置31に搬送されたジッパテープJは、制御手段53からの指示によって繰り出し部材42のグリップ爪48で把持される。そして、
図7(a)〜(c)に示すように、繰り出し部材42はジッパテープJを引き出して受け渡し位置に保持する。
この状態でジッパテープJの先端側のジッパ片Jaの後端部は切断位置Tに保持され、搬送部材43が移動して繰り出し部材42の先端側でジッパテープJを把持する。そして、カッタ44によって、ジッパ片Jaの後端側にある2つ分の押し潰し部28の中央で切断し、先端側のジッパ片Jaを分離する。
【0032】
そして、
図7(d),(e)に示すように、繰り出し部材42は後方に戻り、繰り出し開始位置にあるジッパテープJの先端を把持する。これと同時に搬送部材43はジッパ片Jaをグリップ爪51で把持してフィルムfの左側に前進移動し、フィルムfの中心線Oとジッパ片Jaの中心線が一致する位置を貼り付け位置として互いに重ねる。一方、フィルムfはジッパ貼り付け装置3のヒータガイド部14に移動させられて停止状態に保持される。
次いで、
図2に示すように、ジッパ貼り付け装置3におけるヒータ用シリンダ20を作動させてヒータヘッド22を固定保持されたヒータ受け台19に押圧してジッパ片Jaとフィルムfを熱圧着して、仮付けする。その後、繰り出し部材42はジッパテープJの先端を把持して前方に引き出して受け渡し位置に移動させる。また、搬送部材43はグリップ爪51をジッパ片Jaから離して、ジッパテープJの受け渡し位置に戻る。
こうして、繰り出し部材42によるジッパテープJの受け渡し位置への繰り出しと搬送部材43によるジッパ片Jaの受け取り、ジッパ片Ja毎の切断とフィルムfの貼り付け位置への移動とを繰り返して行う。
【0033】
また、フィルムfをジッパ片Jaの貼り付け位置のヒータガイド部14に搬送する際、フィルムfが幅方向に蛇行することがある。フィルムfの蛇行量をXとしてフィルムセンサ55によって検知されると、検知信号が制御手段53に出力される。制御手段53ではフィルムfの蛇行量Xに応じてフィルムfの中心線Oに対してジッパ片Jaの幅方向の補正量がXとなるように搬送部材43によるジッパ片Jaの移動位置を設定する。これによって、フィルムfの蛇行によるジッパ片Jaの仮止め位置のずれを補正して中心線Oを中心としたジッパ片Jaの取り付け位置の精度を確保できる。
ジッパ片Jaを仮止めしたフィルムfは製袋装置2に搬送され、製袋チューブ6と製袋ガイド7との隙間を通して筒状に成形され、フィルムfの両端部を縦シーラ8で縦シールすると共に繰り出しベルト9によって下方に搬送する。製袋チューブ6の下方では横シーラ10でジッパ付き袋の底部とその上のジッパ付き袋の上部を横シールして切断する。その後、仮止めされたジッパ片Jaを本付けヒータ11で加熱シールして固定する。
【0034】
上述のように本第一実施形態によるジッパ付き袋の製造装置1のジッパ貼り付け装置3によれば、受け渡し時を除いて繰り出し部材42と搬送部材43とを個別に移動制御できるため、従来のジッパ貼り付け装置と比較して、繰り出し部材42によるジッパテープJの繰り出しと搬送部材43によるジッパ片Jaのフィルムf上の取り付け位置までの搬送作業とを高速で行うことができる。そのため、ジッパ付きフィルムfの製袋作業を高速で行える。
しかも、繰り出し部材42と搬送部材43は1本のガイドレール41に沿ってそれぞれ往復移動することで、ジッパテープJの繰り出しと、切断したジッパ片Jaの受け渡し及び貼り付け位置への搬送とを行うことができるため、部品点数が少なく低コストである。
【0035】
フィルムセンサ55によってフィルムfの蛇行を検知してジッパ片Jaの貼り付け位置を補正することができるため、フィルムfが蛇行してもジッパ片Jaをフィルムf上の正確な位置に貼り付けることができる。これによってフィルムfを製袋した際の不良品の発生を防止できる。
また、本実施形態によるジッパ貼り付け装置3では、超音波端部押し潰し装置36と下流側ローラ37bとの間で平面状に保持されたジッパテープJにジッパ片Ja両端部の各2個分のかしめ部27及び押し潰し部28を順次溶着形成することができるため、嵌合保持された雄側ジッパテープ24及び雌側ジッパテープ25の内輪差によるずれの発生と嵌合外れを防止できる。
【0036】
以上、本発明の第一実施形態によるジッパ付き袋の製造装置1のジッパ貼り付け装置3について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能であり、これらはいずれも本発明に含まれる。以下に、本発明の他の実施形態や変形例等について説明するが、上述の実施形態と同一または同様な部分、部材には同一の符号を用いて説明を省略する。
【0037】
図8乃至
図10は本発明の第二実施形態によるジッパ貼り付け装置3を示すものである。
本第二実施形態において、上述したように超音波端部押し潰し装置36でジッパテープJの嵌合部26を押し潰した際に発生することのある溶着カスを確実に排除できる。即ち、
図4に示すジッパ端部形成装置30において、ジッパテープJから溶着カスを回収する溶着カス回収装置58を超音波端部押し潰し装置36と下流側ローラ37bの間に設置した。
【0038】
この溶着カス回収装置58について
図8乃至
図10により説明する。
図8及び
図9に示す溶着カス回収装置58において、所定間隔で嵌合部26を押し潰したジッパテープJと略平行に基板59が起立状態で固定され、基板59にはジッパテープJの搬送方向に直交する方向に支持板60が設置されている。
支持板60には開孔60aが形成され、開孔60aを挟む両側には一対のジッパクリーナ61が対向して配設されており、一対のジッパクリーナ61の間をジッパテープJが搬送される。各ジッパクリーナ61は給気管62に接続されており、対向する面の突出部61aにはジッパテープJの搬送方向に沿って複数の吹き出し口61bが所定間隔で形成されている。
【0039】
図9及び
図10(a)に示すように、各ジッパクリーナ61の突出部61aはジッパテープJの嵌合部26にそれぞれ対向すると共に、嵌合部26から幅方向に延びるフランジ部24b、フランジ部25b及び25cの間に挿入されている。しかもジッパクリーナ61は支持板60を囲って設置されたカバーボックス63内に納められている。支持板60の下部には開孔60aを通して溶着カス等を回収する回収ボックス64が取り付けられている。
そのため、各ジッパクリーナ61の突出部61aの吹き出し口61bから吹き出すエアによって嵌合部26のかしめ部27及び押し潰し部28に付着する溶着カスをカバーボックス63内で吹き飛ばしてカバーボックス63に衝突し、開孔60aから回収ボックス64に回収できる。
【0040】
また、基板59には支持板60をジッパクリーナ61と共に移動させるガイド穴59aが形成され、その下部にはガイド穴59aの長手方向に沿ってラック67が固定されている。支持板60はガイド穴59aを通してハンドル68に連結されており、ハンドル68に設けたピニオン69がラック67に噛合している。そのため、ハンドル68を正逆回転させることで支持板60及びジッパクリーナ61を基板59に沿って前後動させて位置調整できる。また、支持板60をラック67に固定するロック部材70が設置されている。
本実施形態において、ジッパ付き袋の幅が変更されるとジッパ片Jaの長さも変更されるため押し潰し部28同士の間隔も変更される。また、ジッパクリーナ61は常時エアを吹出すものではなく、超音波押し潰し装置36がジッパテープJの端部を押し潰すタイミングで直前に押し潰したジッパテープJの各端部にエアを吹き付ける。そのため、ジッパクリーナ61は超音波端部押し潰し装置36からジッパ片Jaの長さ分離れた位置にある必要があり、ジッパ付き袋及びジッパ片Jaの幅の変更に伴って超音波押し潰し装置36の設置位置を変更する必要があるため、ハンドル68で位置調整を行うものである。
【0041】
なお、
図10(b)はジッパテープJの変形例を示すものであり、例えば雄側ジッパテープ24のフランジ部24bが嵌合凸部24aの両側に形成されている。そのため、ジッパクリーナ61の吹き出し口61bから吐出するエアにより溶着カスは吹き飛ばされるが、カバーボックス63に衝突して開孔60a内に落下する。
従って、超音波端部押し潰し装置36でジッパテープJの嵌合部26を押し潰した際に溶着カスが発生してもジッパテープJの周囲に残すことなく確実に回収できる。
【0042】
また、ジッパ端部形成装置30において、溶着カスをジッパクリーナ61で吹き飛ばす際に、溶着カスの飛散を抑えるカバーボックス63や、支持板60の開孔60aを通して溶着カスを回収する回収ボックス64は必ずしも設置しなくてもよい。この場合でも、ジッパクリーナ61で吹き飛ばされた溶着カスはジッパテープJの搬送ラインの下方や床面等に落下するため、ジッパテープJaから離れてしまい、ジッパ付き袋に付着することを防止できる。
【0043】
また、ジッパ供給装置31において、繰り出し部材42と搬送部材43を1本のガイドレール41に沿ってそれぞれ往復移動させて、ジッパテープJの繰り出しと、切断したジッパ片Jaの受け渡し及び貼り付け位置への搬送とを行うようにしたが、別々のガイドレールで移動するようにしてもよい。
また、フィルムfに対するジッパ片Jaの設置位置は中心線O合わせでなくてもよく、フィルムfの端部等、適宜の位置で貼り付けできる。
なお、ジッパ片Jaはジッパに含まれる。超音波端部押し潰し装置36はジッパ端部押し潰し手段に含まれる。