【実施例】
【0030】
以下、実施例を通じて本発明の構成および効果をさらに詳しく説明する。これら実施例はひたすら本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれら実施例によって限定されるのではない。
【0031】
<実施例1:Colo205異種移植モデルでの本発明による調合物の坑癌効果確認>
1−1)実験方法
a.動物腫瘍モデル準備
人の大腸癌細胞株であるColo205をATCC(米国)で購入した。Colo205細胞株は10% fetal bovine serum(FBS;Gibco、Grand Island、NY、USA)と1% antibiotics(Gibco、USA)を含むRPMI1640(Gibco、USA)で維持された。
【0032】
BALB/c−nu/nu雄マウスに人間大腸癌細胞(human colorectal carcinoma)であるColo205細胞を皮下投与(5×10
6cell/head)して腫瘍平均大きさが165〜167mm
3になるように群を構成した後、実験に使用した。
【0033】
b.有効成分の準備
化学式1の化合物は、国際公開特許公報WO2009−119980号に開示された製造方法によって製造し、精製水で溶かして0.4mg/ml濃度で準備した。
イリノテカン(保寧、韓国)は、5%ブドウ糖生理食塩水で希釈して2mg/ml濃度で準備した。使用溶液は使用当日準備し、残った溶液は廃棄した。
【0034】
c.抗腫瘍活性確認
化学式1の化合物およびイリノテカンの坑癌効果はColo205異種移植モデルで評価された。実験群は下記の投与群に分けた。
−対照群:vehicle
−化学式1の化合物単独投与群:化学式1の化合物(4mg/kg、毎日、経口)
−イリノテカン単独投与群:イリノテカン(20mg/kg、4日に1回、注射)
−併用投与群:化学式(I)の化合物(4mg/kg、毎日、経口)、イリノテカン(20mg/kg、4日に1回、注射)
【0035】
全ての実験群は10週間経口および腹腔投薬された。毒性はマウスの体重測定で観察し、腫瘍成長は実験期間の間にキャリパーを用いて測定された。腫瘍体積は下記の計算式によって計算された。
tumor volume=(length×width
2)/2
【0036】
d.定量分析(Statistical analysis)
腫瘍の大きさ、腫瘍の退縮(Regression)および体重変化データはバートレット検定(Bartlett’s test)を用いて有意水準α=0.05で検定し、検定の結果、有意性がないデータは一元配置分散分析(one−way analysis of variance)を用いて有意水準α=0.05で検定し、有意性があるデータはクラスカル−ワリス検定(Kruskal−Wallis test)を用いて有意水準α=0.05で検定した。
【0037】
各群間の統計処理は、GraphPad PRISM(登録商標) Version 5.0(GraphPad Software、USA)を用いて実施した。
【0038】
1−2)実験結果−Colo205異種移植モデルで化学式1の化合物の坑癌活性
化学式1の化合物の経口投与およびイリノテカン注射剤の併用投与による抗腫瘍効果を評価するために、異種移植マウスは各物質の投与を受け、85日間体重と腫瘍成長が観察された。Vehicle投与群は、癌が過度に大きくなって、43日目に安楽死させた。
【0039】
化学式1の化合物およびイリノテカン併合投与群では6日目および44日目にそれぞれ1匹でやせることなどが観察された後、死亡した。化学式1の化合物単独投与群では8匹が死亡し、死亡発見個体の中の3匹では個体間の争い(fighting)痕跡が観察され、残りの5匹ではやせることなどの症状が観察された。Vehicle投与群およびイリノテカン単独投与群では死亡個体がなかった。
【0040】
腫瘍成長抑制効果面で、化学式1の化合物投与群およびイリノテカン投与群の腫瘍大きさは、投与期間の間に賦形剤投与群と比較して大幅に減少した。特に、化学式1の化合物とイリノテカンの併用投与群で腫瘍大きさの減少幅が最も大きく、投与後78日目には10匹のうちの2匹で完全寛解が観察され、6匹で部分寛解が観察された。
このような結果は化学式1の化合物とイリノテカンの併用療法の坑癌効果が非常に大きいのを示唆する。
【0041】
<実施例2:HCT116異種移植モデルでの本発明による調合物の坑癌効果確認>
2−1)実験方法
a.動物腫瘍モデル準備
人の大腸癌細胞株であるHCT116をATCC(米国)で購入した。HCT116細胞株は10% fetal bovine serum(FBS;Gibco、USA)を含むRPMI1640(Gibco、USA)で維持された。
【0042】
Athymic nude mouse(Hsd:Athymic Nude−Foxn1
nu)雄マウスに人間大腸癌細胞(human colorectal carcinoma)であるHCT116細胞を皮下投与(5×10
6cell/head)して腫瘍大きさが150〜200mm
3になった時、実験に使用した。
【0043】
b.有効成分の準備
化学式1の化合物は、国際公開特許公報WO2009−119980号に開示された製造方法によって製造し、0.9%食塩水で溶かして0.5mg/ml濃度で準備した。
イリノテカン(第一薬品、韓国)は、5%デキストロース(dextrose)溶液で希釈して2mg/ml濃度で準備した。
使用溶液は使用当日準備し、残った溶液は廃棄した。
【0044】
c.抗腫瘍活性確認
化学式1の化合物およびイリノテカンの坑癌効果は、HCT116異種移植モデルで評価された。実験群は下記の投与群に分けた。
−対照群:vehicle
−化学式1の化合物単独投与群:化学式1の化合物(5mg/kg、週1回、注射)
−イリノテカン単独投与群:イリノテカン(20mg/kg、4日に1回、注射)
−併用投与群:化学式(I)の化合物(5mg/kg、週1回、注射)、イリノテカン(20mg/kg、4日に1回、注射)
【0045】
全ての実験群は4週間腹腔投薬された。毒性はマウスの体重測定で観察し、腫瘍成長は実験期間の間にキャリパーを用いて測定された。腫瘍体積は下記の計算式によって計算された。
tumor volume=(length×width
2)/2
【0046】
d.定量分析(Statistical analysis)
腫瘍の大きさ、腫瘍の退縮(Regression)および体重変化データは一元配置分散分析(One−way ANOVA test)を用いて有意水準α=0.05で検定し、有意性があるデータはダネット多重比較検定(Dunnett’s multiple comparison test)を用いて有意水準α=0.05で検定した。
各群間の統計処理は、PRISM(登録商標) Version 5.03(GraphPad Software、USA)を用いて実施した。
【0047】
2−2)実験結果−HCT116異種移植モデルで化学式1の化合物の坑癌活性
化学式1の化合物およびイリノテカン注射剤の併用投与による抗腫瘍効果を評価するために、異種移植マウスは各物質の投与を受け、4週間の体重と腫瘍成長が観察された。
全ての群で死亡や瀕死、体重減少は観察されなかった。
【0048】
腫瘍成長抑制効果面で、化学式1の化合物投与群およびイリノテカン投与群の腫瘍大きさは、投与期間の間に賦形剤投与群と比較して大幅に減少した。特に、化学式1の化合物とイリノテカンの併用投与群で腫瘍の大きさの減少幅が最も大きく、3匹で部分寛解が観察された。
【0049】
このような結果は、化学式1の化合物とイリノテカンの併用療法の坑癌効果が非常に大きいのを示唆する。