特許第6894519号(P6894519)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6894519無線通信システムにおけるグラントフリーベースのアップリンクデータを送信する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6894519
(24)【登録日】2021年6月7日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおけるグラントフリーベースのアップリンクデータを送信する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20090101AFI20210621BHJP
   H04W 72/12 20090101ALI20210621BHJP
【FI】
   H04W74/08
   H04W72/12 150
【請求項の数】18
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2019-541453(P2019-541453)
(86)(22)【出願日】2018年1月30日
(65)【公表番号】特表2020-507281(P2020-507281A)
(43)【公表日】2020年3月5日
(86)【国際出願番号】KR2018001261
(87)【国際公開番号】WO2018143637
(87)【国際公開日】20180809
【審査請求日】2019年7月31日
(31)【優先権主張番号】62/454,058
(32)【優先日】2017年2月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】ピョン イルム
(72)【発明者】
【氏名】イ ユンチョン
(72)【発明者】
【氏名】ファン テソン
(72)【発明者】
【氏名】ペ ドクヒョン
【審査官】 吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/191833(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0150525(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第102612852(CN,A)
【文献】 特表2016−514416(JP,A)
【文献】 Huawei, HiSilicon,Support of URLLC in UL[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1701 R1-1700024,2017年 1月20日
【文献】 Guangdong OPPO Mobile Telecom,Uplink grant-less transmission for URLLC[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1701 R1-1700571,2017年 1月20日
【文献】 Ericsson,Framework for grant-free acess for URLLC[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1701 R1-1700689,2017年 1月20日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおけるアップリンクトランスポートブロック(transport block)を送信する方法において、
端末が、基地局から半静的(semi−static)にスケジューリングされる第1のグラントフリー(grant−free)アップリンクリソースに対する割当情報を受信するステップと、
前記端末が、第1の参照信号を使用して前記第1のグラントフリーアップリンクリソースを介して第1のトランスポートブロックを繰り返し送信するステップと、
前記端末が、前記第1のトランスポートブロックの送信が完了する前に第2の参照信号を使用して第2のトランスポートブロックを送信するステップと、を含み、
前記第2のトランスポートブロックは、前記第1の参照信号から前記第2の参照信号への変更を介して前記第1のトランスポートブロックと区別され、
前記第2のトランスポートブロックが送信される時、前記第1のトランスポートブロックは、それ以上送信されない、または前記第2のトランスポートブロックと同時に送信される、方法。
【請求項2】
前記第2のトランスポートブロックは、前記第1のグラントフリーアップリンクリソースを介して送信され、
前記第2の参照信号のシーケンスは、前記第1の参照信号のシーケンスと異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のトランスポートブロックの最初送信時点は、前記基地局により前記第1の参照信号を使用して確認され、
前記繰り返し送信された第1のトランスポートブロックは、前記基地局により結合して復号され、
前記第2のトランスポートブロックの最初送信時点は、前記基地局により前記第2の参照信号を使用して確認され、
前記第2のトランスポートブロックは、前記基地局により前記第1のトランスポートブロックと結合せずに復号される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記端末が、前記基地局から前記第1の参照信号に対する割当情報及び前記第2の参照信号に対する割当情報を受信するステップをさらに含み、
前記第1の参照信号に対する割当情報及び前記第2の参照信号に対する割当情報は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングを介して受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記端末が、前記基地局から半静的にスケジューリングされる第2のグラントフリーアップリンクリソースに対する割当情報を受信するステップをさらに含み、
前記第1のグラントフリーアップリンクリソースに対する割当情報及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースに対する割当情報は、RRCシグナリングを介して受信され、
前記第1のグラントフリーアップリンクリソース及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースは、周波数ホッピング(frequency hopping)され、
前記第1のグラントフリーアップリンクリソースの周期の開始時点及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースの周期の開始時点は、互いに異なり、
前記第2のトランスポートブロックは、前記第2の参照信号を使用して前記第2のグラントフリーアップリンクリソースを介して送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のトランスポートブロックが送信される時、前記端末が、スケジューリング要求(scheduling request)またはプリアンブルを追加で送信するステップをさらに含み、
前記第2のトランスポートブロックは、前記前記スケジューリング要求または前記プリアンブルを介して前記第1のトランスポートブロックと区別される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記端末が、前記基地局から前記第1の参照信号に対する割当情報及び前記第2の参照信号に対する割当情報を受信するステップ、または、
前記端末が、前記第1の参照信号及び前記第2の参照信号を任意に選択するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のトランスポートブロックの復号が失敗する場合、前記端末が、前記基地局からアップリンクグラント(uplink grant)を受信するステップと、
前記端末が、前記アップリンクグラントに基づいて前記第1のトランスポートブロックを再送信するステップと、をさらに含み、
前記第2のトランスポートブロックが送信され、または前記アップリンクグラントが受信される場合、前記第1のトランスポートブロックは、前記第1のグラントフリーアップリンクリソースを介してそれ以上送信されない、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記端末が、前記基地局から半静的にスケジューリングされる第2のグラントフリーアップリンクリソースに対する割当情報を受信するステップをさらに含み、
前記第2のトランスポートブロックは、前記第2の参照信号を使用して前記第2のグラントフリーアップリンクリソースを介して送信され、
前記第1のグラントフリーアップリンクリソース及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースは、互いに異なるサブフレームに割り当てられる、請求項に記載の方法。
【請求項10】
無線通信システムにおけるアップリンクトランスポートブロック(transport block)を送信する端末において、
無線信号を送信または受信するRF部と、
前記RF部を制御するプロセッサと、を含み、前記プロセッサは、
基地局から半静的(semi−static)にスケジューリングされる第1のグラントフリー(grant−free)アップリンクリソースに対する割当情報を受信し、
前記端末が、第1の参照信号を使用して前記第1のグラントフリーアップリンクリソースを介して第1のトランスポートブロックを繰り返し送信し、及び
前記端末が、前記第1のトランスポートブロックの送信が完了する前に第2の参照信号を使用して第2のトランスポートブロックを送信し、
前記第2のトランスポートブロックは、前記第1の参照信号から前記第2の参照信号への変更を介して前記第1のトランスポートブロックと区別され、
前記第2のトランスポートブロックが送信される時、前記第1のトランスポートブロックは、それ以上送信されない、または前記第2のトランスポートブロックと同時に送信される、端末。
【請求項11】
前記第2のトランスポートブロックは、前記第1のグラントフリーアップリンクリソースを介して送信され、
前記第2の参照信号のシーケンスは、前記第1の参照信号のシーケンスと異なる、請求項10に記載の端末。
【請求項12】
前記第1のトランスポートブロックの最初送信時点は、前記基地局により前記第1の参照信号を使用して確認され、
前記繰り返し送信された第1のトランスポートブロックは、前記基地局により結合して復号され、
前記第2のトランスポートブロックの最初送信時点は、前記基地局により前記第2の参照信号を使用して確認され、
前記第2のトランスポートブロックは、前記基地局により前記第1のトランスポートブロックと結合せずに復号される、請求項10に記載の端末。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記基地局から前記第1の参照信号に対する割当情報及び前記第2の参照信号に対する割当情報を受信し、
前記第1の参照信号に対する割当情報及び前記第2の参照信号に対する割当情報は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングを介して受信される、請求項10に記載の端末。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記基地局から半静的にスケジューリングされる第2のグラントフリーアップリンクリソースに対する割当情報を受信し、
前記第1のグラントフリーアップリンクリソースに対する割当情報及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースに対する割当情報は、RRCシグナリングを介して受信され、
前記第1のグラントフリーアップリンクリソース及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースは、周波数ホッピング(frequency hopping)され、
前記第1のグラントフリーアップリンクリソースの周期の開始時点及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースの周期の開始時点は、互いに異なり、
前記第2のトランスポートブロックは、前記第2の参照信号を使用して前記第2のグラントフリーアップリンクリソースを介して送信される、請求項10に記載の端末。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記第2のトランスポートブロックが送信される時、スケジューリング要求(scheduling request)またはプリアンブルを追加で送信し、
前記第2のトランスポートブロックは、前記前記スケジューリング要求または前記プリアンブルを介して前記第1のトランスポートブロックと区別される、請求項10に記載の端末。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記基地局から前記第1の参照信号に対する割当情報及び前記第2の参照信号に対する割当情報を受信し、または
前記プロセッサは、前記第1の参照信号及び前記第2の参照信号を任意に選択する、請求項15に記載の端末。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記第1のトランスポートブロックの復号が失敗する場合、前記基地局からアップリンクグラント(uplink grant)を受信し、及び
前記プロセッサは、前記アップリンクグラントに基づいて前記第1のトランスポートブロックを再送信し、
前記第2のトランスポートブロックが送信され、または前記アップリンクグラントが受信される場合、前記第1のトランスポートブロックは、前記第1のグラントフリーアップリンクリソースを介してそれ以上送信されない、請求項15に記載の端末。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記基地局から半静的にスケジューリングされる第2のグラントフリーアップリンクリソースに対する割当情報を受信し、
前記第2のトランスポートブロックは、前記第2の参照信号を使用して前記第2のグラントフリーアップリンクリソースを介して送信され、
前記第1のグラントフリーアップリンクリソース及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースは、互いに異なるサブフレームに割り当てられる、請求項15に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信に関し、より詳しくは、無線通信システムにおけるグラントフリーベースのアップリンクデータを送信する方法及びこれを使用した機器に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、音声やデータなどのような多様な種類の通信サービスを提供するために広範囲に展開している。無線通信システムの目的は、多数の端末が位置と移動性に関係なく信頼できる(reliable)通信が可能にすることにある。
【0003】
次世代移動通信システムの要求条件は、大いに、爆発的なデータトラフィックの収容、ユーザ当たり送信率の画期的な増加、大幅増加された連結デバイス個数の収容、非常に低い端対端遅延(End−to−End Latency)、高エネルギ効率がサポート可能でなければならない。そのために、二重接続性(Dual Connectivity)、大規模多重入出力(Massive MIMO:Massive Multiple Input Multiple Output)、全二重(In−band Full Duplex)、非直交多重接続(NOMA:Non−Orthogonal Multiple Access)、超広帯域(Super wideband)サポート、端末ネットワーキング(Device Networking)等、多様な技術が研究されている。
【0004】
基地局は、スケジューリングを介してセル内の端末毎に無線リソースを適切に割り当てる。端末は、割当を受けた無線リソースを利用して基地局に制御情報を送信し、またはユーザデータを送信することができる。しかし、制御情報転送方式とユーザデータ送信方式は異なることがある。また、制御情報のための無線リソース割当方式とユーザデータのための無線リソース割当方式も異なることがある。したがって、制御情報のための無線リソースとユーザデータのための無線リソースは互いに異なることがある。基地局は、制御情報のために予約された無線リソースとユーザデータのために予約された無線リソースとを区分して管理できる。
【0005】
移動通信システムではリソース活用を最大化するために基地局スケジューリングベースのリソース割当過程を介してデータを送受信し、これは端末のアップリンクデータ送信の遅延(latency)を増加させる原因となることができる。したがって、端末の遅延を最小化するための多重レベルスケジューリング要求を実行する方法が提案される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書は、無線通信システムにおけるグラントフリーベースのアップリンクデータを送信する方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書は、無線通信システムにおけるグラントフリーベースのアップリンクデータを送信する方法及び装置を提案する。
【0008】
前記装置は、無線信号を送信及び受信するRF(radio frequency)部及び前記RF部に連結されるプロセッサを含む。
【0009】
本実施例は、端末が事前にスケジューリングされたgrant−free ULリソースを介してアップリンクトランスポートブロックを繰り返し送信する場合を仮定する。このとき、基地局が、繰り返し送信されたトランスポートブロックを結合して復号するためにはトランスポートブロックの最初送信時点を知らなければならない。本実施例は、端末が基地局にトランスポートブロックの最初送信時点を知らせる多様な実施例を含む。
【0010】
Grant−free UL送信は、アップリンクグラント無しでアップリンクデータを送信する方式に対応できる。したがって、アップリンクグラントベースのアップリンク送信方式よりは速くデータを送信することができるとう長所がある。また、Grant−free ULリソースは、端末共通リソースであって、互いに異なる端末が同じリソースで同時に信号を送信して衝突現象が発生できる。しかし、本実施例では一つの端末が信号を送信する場合を仮定する。
【0011】
まず、端末は、基地局から半静的(semi−static)にスケジューリングされる第1のグラントフリー(grant−free)アップリンクリソースに対する割当情報を受信する。このとき、端末は、一つのグラントフリーアップリンクリソースの割当を受けた場合を仮定することができる。
【0012】
端末は、第1の参照信号を使用して前記第1のグラントフリーアップリンクリソースを介して第1のトランスポートブロックを繰り返し送信する。
【0013】
端末は、前記第1のトランスポートブロックの送信が完了する前に第2の参照信号を使用して第2のトランスポートブロックを送信する。端末は、前記第1のトランスポートブロックの送信が完了する前に第2のトランスポートブロックを送信することができるため、第1のトランスポートブロックを繰り返し送信して第1のトランスポートブロックに対する応答信号(ACK/NACK信号)を受信するために待機する時間にも、第2のトランスポートブロックを送信することができる。このとき、第1の参照信号及び第2の参照信号は、DMRS(DeModulation Reference Signal)に対応できる。
【0014】
前記第2のトランスポートブロックは、前記第1のグラントフリーアップリンクリソースを介して送信されることができる。前記第2の参照信号のシーケンスは、前記第1の参照信号のシーケンスと異なることがある。したがって、前記第2のトランスポートブロックは、前記第1の参照信号から前記第2の参照信号への変更を介して前記第1のトランスポートブロックと区別される。即ち、端末は、第1のトランスポートブロックと異なる第2のトランスポートブロックが送信されることを基地局に知らせるために第1のグラントフリーアップリンクリソース内で第1の参照信号(第1の参照信号のシーケンス)を第2の参照信号(第2の参照信号のシーケンス)に変更できる。
【0015】
また、前記第2のトランスポートブロックが送信される時、前記第1のトランスポートブロックは、それ以上送信されない、または前記第2のトランスポートブロックと同時に送信されることができる。第1のトランスポートブロックと第2のトランスポートブロックは、互いに異なる参照信号を使用するため、同じリソースを介して同時に送信されることができる。
【0016】
また、端末は、前記基地局から前記第1の参照信号に対する割当情報及び前記第2の参照信号に対する割当情報を受信することができる。前記第1の参照信号に対する割当情報及び前記第2の参照信号に対する割当情報は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングを介して受信されることができる。前記割当情報は、新しいトランスポートブロックが送信される時、参照信号がどのように変化されるかに対する規則を含むことができる。
【0017】
また、端末は、基地局から半静的にスケジューリングされる第2のグラントフリーアップリンクリソースに対する割当情報を受信することができる。このとき、端末は、複数のグラントフリーアップリンクリソースの割当を受けた場合を仮定することができる。
【0018】
前記第1のグラントフリーアップリンクリソースに対する割当情報及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースに対する割当情報は、RRCシグナリングを介して受信されることができる。
【0019】
前記第1のグラントフリーアップリンクリソース及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースの各々は、周期的に割り当てられ、周波数ホッピング(frequency hopping)されることができる。前記第1のグラントフリーアップリンクリソースの周期の開始時点及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースの周期の開始時点は、互いに異なることがある。このとき、前記第2のトランスポートブロックは、前記第2の参照信号を使用して前記第2のグラントフリーアップリンクリソースを介して送信されることができる。
【0020】
他の実施例として、前記第2のトランスポートブロックが送信される時、端末は、スケジューリング要求(scheduling request)またはプリアンブルを追加で送信することができる。このとき、前記第2のトランスポートブロックは、前記前記スケジューリング要求または前記プリアンブルを介して前記第1のトランスポートブロックと区別されることができる。
【0021】
端末は、前記基地局から前記第1の参照信号に対する割当情報及び前記第2の参照信号に対する割当情報を受信することができる。この場合、端末は、前記第1の参照信号及び前記第2の参照信号を任意に選択することもできる。
【0022】
前記第1のトランスポートブロックの復号が失敗する場合、端末は、前記基地局からアップリンクグラント(uplink grant)を受信することができる。端末は、前記アップリンクグラントに基づいて前記第1のトランスポートブロックを再送信することができる。前記第2のトランスポートブロックが送信され、または前記アップリンクグラントが受信される場合、前記第1のトランスポートブロックは、前記第1のグラントフリーアップリンクリソースを介してそれ以上送信されない。即ち、第1のトランスポートブロックは、前記第1のグラントフリーアップリンクリソースを介して初期送信または繰り返し送信されることができた。しかし、端末が再送信のためのアップリンクグラントを受信すると、端末は、アップリンクグラントでスケジューリングされたリソースを介して第1のトランスポートブロックを再送信し、または繰り返し送信できる。
【0023】
また、端末は、前記基地局から半静的にスケジューリングされる第2のグラントフリーアップリンクリソースに対する割当情報を受信することができる。前記第2のトランスポートブロックは、前記第2の参照信号を使用して前記第2のグラントフリーアップリンクリソースを介して送信されることができる。前記第1のグラントフリーアップリンクリソース及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースは、互いに異なるサブフレームに割り当てられることができる。前記第1のグラントフリーアップリンクリソース及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースが互いに同じサブフレームに割り当てられると、端末が第1のトランスポートブロックと第2のトランスポートブロックを送信する時に使用することができる最大電力が制限されるためである。
【0024】
下記では、端末が基地局に第1のトランスポートブロック及び第2のトランスポートブロックの最初送信時点を知らせた以後に基地局での動作を説明する。
【0025】
具体的に、前記第1のトランスポートブロックの最初送信時点は、前記基地局により前記第1の参照信号を使用して確認されることができる。前記第2のトランスポートブロックの最初送信時点は、前記基地局により前記第2の参照信号を使用して確認されることができる。基地局は、参照信号が第1の参照信号から第2の参照信号へ変化されたことを介して新しいトランスポートブロックが受信されたことを把握することができる。
【0026】
それによって、前記繰り返し送信された第1のトランスポートブロックは、前記基地局により結合して復号されることができる。基地局は、復号を実行するために繰り返し送信された第1のトランスポートブロックを全て結合しなければならない。前記第2のトランスポートブロックは、前記基地局により前記第1のトランスポートブロックと結合せずに復号される。基地局が第2の参照信号を介して第1のトランスポートブロックと第2のトランスポートブロックを区別することができるため、第2のトランスポートブロックは、第1のトランスポートブロックと別途に復号されることができる。
【発明の効果】
【0027】
提案する技法を利用すると、端末がgrantベースのリソースとgrant−freeリソースを利用したアップリンク送信を選択的に実行することによって送信信号の信頼度を高めることができる。また、基地局に繰り返し送信の開始時点を知らせることによって、基地局の複雑度を低くしてアップリンク信号の結合利得を得ることができるようにするという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本明細書が適用される無線通信システムを示す。
図2】ユーザ平面に対する無線プロトコル構造を示すブロック図である。
図3】制御平面に対する無線プロトコル構造を示すブロック図である。
図4】動的無線リソース割当方式を説明するための図面である。
図5】半静的スケジューリング方式を説明するための図面である。
図6】self−containedサブフレーム構造を示す。
図7】URLLCデータとeMBBデータが同じセルの同じ周波数リソースで多重化されて送信される場合、リソース活用の一例を示す。
図8】本明細書の実施例によってgrant−free ULリソースの割当を受けた端末がUL grantを受信する一例を示す。
図9】本明細書の実施例に係るgrant−free ULリソースを介してアップリンクトランスポートブロックを送信する手順を示す。
図10】本明細書の実施例が具現される機器を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の技術は、CDMA(code division multiple access)、FDMA(frequency division multiple access)、TDMA(time division multiple access)、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)、SC−FDMA(single carrier−frequency division multiple access)などのような多様な無線通信システムに使われることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)で具現されることができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)のような無線技術で具現されることができる。OFDMAは、IEEE802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術で具現されることができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(long term evolution)は、E−UTRAを使用するE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、ダウンリンクでOFDMAを採用し、アップリンクでSC−FDMAを採用する。
【0030】
説明を明確にするために、3GPP LTE/LTE−Aを中心に記述するが、本発明の技術的思想がこれに制限されるものではない。
【0031】
図1は、本発明が適用される無線通信システムを示す。これはE−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)、またはLTE(Long Term Evolution)/LTE−Aシステムとも呼ばれる。
【0032】
E−UTRANは、端末(User Equipment、UE)10に制御平面(control plane)とユーザ平面(user plane)を提供する基地局(Base Station、BS)20とを含む。端末10は、固定されてもよいし、移動性を有してもよく、MS(Mobile station)、UT(User Terminal)、SS(Subscriber Station)、MT(mobile terminal)、無線機器(Wireless Device)等、他の用語で呼ばれることもある。基地局20は、端末10と通信する固定局(fixed station)を意味し、eNB(evolved−NodeB)、BTS(Base Transceiver System)、アクセスポイント(Access Point)等、他の用語で呼ばれることもある。
【0033】
基地局20は、X2インターフェースを介して互いに連結されることができる。基地局20は、S1インターフェースを介してEPC(Evolved Packet Core)30、より詳しくは、S1−MMEを介してMME(Mobility Management Entity)と連結され、S1−Uを介してS−GW(Serving Gateway)と連結される。
【0034】
EPC30は、MME、S−GW及びP−GW(Packet Data Network−Gateway)で構成される。MMEは、端末のアクセス情報や端末の能力に対する情報を有しており、このような情報は、端末の移動性管理に主に使われる。S−GWは、E−UTRANを終端点として有するゲートウェイであり、P−GWは、PDNを終端点として有するゲートウェイである。
【0035】
端末と基地局との間の無線インターフェースをUuインターフェースという。端末とネットワークとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の階層は、通信システムで広く知られた開放型システム間相互接続(Open System Interconnection;OSI)基準モデルの下位3個階層に基づいてL1(第1の階層)、L2(第2の階層)、L3(第3の階層)に区分されることができ、このうち、第1の階層に属する物理階層は、物理チャネル(Physical Channel)を利用した情報転送サービス(Information Transfer Service)を提供し、第3の階層に位置するRRC(Radio Resource Control)階層は、端末とネットワークとの間に無線リソースを制御する役割を遂行する。そのために、RRC階層は、端末と基地局との間にRRCメッセージを交換する。
【0036】
図2は、ユーザ平面(user plane)に対する無線プロトコル構造(radio protocol architecture)を示すブロック図である。図3は、制御平面(control plane)に対する無線プロトコル構造を示すブロック図である。ユーザ平面は、ユーザデータ送信のためのプロトコルスタック(protocol stack)であり、制御平面は、制御信号送信のためのプロトコルスタックである。
【0037】
図2及び図3を参照すると、物理階層(PHY(physical)layer)は、物理チャネル(physical channel)を利用して上位階層に情報転送サービス(information transfer service)を提供する。物理階層は、上位階層であるMAC(Medium Access Control)階層とはトランスポートチャネル(transport channel)を介して連結されている。トランスポートチャネルを介してMAC階層と物理階層との間にデータが移動する。トランスポートチャネルは、無線インターフェースを介して、データが、どのように、どのような特徴に送信されるかによって分類される。
【0038】
互いに異なる物理階層間、即ち、送信機と受信機の物理階層間は、物理チャネルを介してデータが移動する。前記物理チャネルは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式に変調されることができ、時間と周波数を無線リソースとして活用する。
【0039】
MAC階層の機能は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間のマッピング及び論理チャネルに属するMAC SDU(service data unit)のトランスポートチャネル上に物理チャネルで提供されるトランスポートブロック(transport block)への多重化/逆多重化を含む。MAC階層は、論理チャネルを介してRLC(Radio Link Control)階層にサービスを提供する。
【0040】
RLC階層の機能は、RLC SDUの連結(concatenation)、分割(segmentation)及び再結合(reassembly)を含む。無線ベアラ(Radio Bearer;RB)が要求する多様なQoS(Quality of Service)を保障するために、RLC階層は、透明モード(Transparent Mode、TM)、非確認モード(Unacknowledged Mode、UM)及び確認モード(Acknowledged Mode、AM)の三つの動作モードを提供する。AM RLCは、ARQ(automatic repeat request)を介してエラー訂正を提供する。
【0041】
ユーザ平面でのPDCP(Packet Data Convergence Protocol)階層の機能は、ユーザデータの伝達、ヘッダ圧縮(header compression)及び暗号化(ciphering)を含む。制御平面でのPDCP(Packet Data Convergence Protocol)階層の機能は、制御平面データの伝達及び暗号化/完全性保護(integrity protection)を含む。
【0042】
RRC(Radio Resource Control)階層は、制御平面でのみ定義される。RRC階層は、RBの設定(configuration)、再設定(re−configuration)及び解除(release)と関連して論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルの制御を担当する。
【0043】
RBは、端末とネットワークとの間のデータ伝達のために、第1の階層(PHY階層)及び第2の階層(MAC階層、RLC階層、PDCP階層)により提供される論理的経路を意味する。RBが設定されるとは、特定サービスを提供するために、無線プロトコル階層及びチャネルの特性を規定し、各々の具体的なパラメータ及び動作方法を設定する過程を意味する。また、RBは、SRB(Signaling RB)とDRB(Data RB)の二つに分けられる。SRBは、制御平面でRRCメッセージを送信する通路として使われ、DRBは、ユーザ平面でユーザデータを送信する通路として使われる。
【0044】
端末のRRC階層とE−UTRANのRRC階層との間にRRC接続(RRC Connection)がある場合、端末は、RRC接続状態(RRC connected state)になり、そうでない場合、RRCアイドル状態(RRC idle state)になる。
【0045】
ネットワークから端末にデータを送信するダウンリンクトランスポートチャネルには、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)と、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信するダウンリンクSCH(Shared Channel)がある。ダウンリンクマルチキャストまたはブロードキャストサービスのトラフィックまたは制御メッセージの場合、ダウンリンクSCHを介して送信されることもでき、または別途のダウンリンクMCH(Multicast Channel)を介して送信されることもできる。一方、端末からネットワークにデータを送信するアップリンクトランスポートチャネルには、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)と、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信するアップリンクSCH(Shared Channel)がある。
【0046】
トランスポートチャネルの上位にあり、トランスポートチャネルにマッピングされる論理チャネル(Logical Channel)には、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast トラフィック Channel)などがある。
【0047】
以下、半静的スケジューリング(Semi−Static Scheduling)または半永続的スケジューリング(Semi−Persistent Scheduling)に対して説明する。以下では半静的スケジューリングという用語として統一して説明する。
【0048】
次世代無線通信システムでは、多数端末のために半静的スケジューリングが必要である。次世代無線通信システムでは、多様な産業のIoT(Internet of Things)サービスが導入されることが予想される。代表的なサービスでは自動車とドローンなどがあり、それらのサービスでは自律走行管理及び事故予防のために位置情報が100msから1秒単位でアップデートされることが予想される。周期的に位置情報がアップデートされる場合は、不必要な制御チャネルのオーバーヘッドを減少させることができるようにSPSを適用することが一般的である。
【0049】
図4は、動的(または、ダイナミック)無線リソース割当方式を説明するための図面である。図5は、半静的スケジューリング方式を説明するための図面である。
【0050】
一般的に、端末が基地局にデータを送信する過程(動的無線リソース割当方式)を図4を参照すると、次の通りである。まず、端末は、生成されたデータの送信のために必要な無線リソースを基地局に要求できる(S401)。それによって、基地局は、端末の無線リソース要求によって制御信号を介して無線リソースを割り当てることができる(S402)。LTEシステムにおいて、端末のアップリンクデータ送信のための基地局のリソース割当は、PDCCHを介して送信されるアップリンクグラント(UL grant)形態で送信されることができる。それによって、端末は、割当を受けた無線リソースを介して基地局にデータを送信することができる(S403)。このような端末の無線リソース要求、基地局のリソース割当及びこれに対応する端末のアップリンクデータ送信は、必要な場合に繰り返しされることができる(S408−S410)。
【0051】
一方、基地局が端末にダウンリンクデータを送信する場合は、PDCCHを介して端末にダウンリンク割当(DL Assignment)を送信することで端末に送信されたデータがどの無線リソースを介して送信されるかを知らせることができ(S404)、このようなダウンリンク割当メッセージに対応する無線リソースを介して、基地局は、端末にデータを送信することができる(S405)。このとき、ダウンリンク割当情報転送とこれに対応する無線リソースを介したダウンリンクデータ送信は、同じTTI(Transmission Time Interval)内に行われる。また、図4に示すように、このようなダウンリンクデータ送信過程は、繰り返しされることができる。
【0052】
半静的スケジューリング技法は、基地局にデータを送信する3ステップ((1)端末のリソース要求、(2)基地局のリソース割当、(3)リソース割当による端末のデータ送信)で1番目と2番目のステップを省略する方式である。それによって、端末は、このような無線リソースの設定によって前記説明した1番目と2番目のステップである無線リソースの要求ステップ及び無線リソースの割当ステップ無しでデータを送信する過程を実行することができる。図5は、このような半静的スケジューリング方式を概念的に示している。即ち、半静的スケジューリング方法では、基地局がPDCCHを介して無線リソース割当情報を毎度送信する必要がない。
【0053】
以下、3GPP 5G(New RAT)と関連した技術を説明する。
【0054】
より多くの通信機器がより大きい通信容量を要求するにつれて、既存のRAT(radio access technology)に比べて向上したモバイルブロードバンド(mobile broadband)通信に対する必要性が台頭されている。また、多数の機器及びモノを連結していつでもどこでも多様なサービスを提供するmassive MTC(Machine Type Communications)も次世代通信で考慮される主要案件のうち一つである。それだけでなく、信頼度(reliability)及び遅延(latency)に敏感なサービス/端末を考慮した通信システムデザインが論議されている。このようにeMBB(enhanced mobile broadband communication)、mMTC(massive MTC)、URLLC(Ultra−Reliable and Low Latency Communication)などを考慮した次世代RATの導入が論議されており、本明細書では、便宜上、該当技術をnew RATと呼ぶ。
【0055】
以下、説明の便宜のために、new RATシステムに基づいて提案方式を説明する。しかし、提案方式が適用されるシステムの範囲は、new RATシステム外に3GPP LTE/LTE−Aシステムなど、他のシステムにも拡張可能である。
【0056】
New RATシステムは、OFDM送信方式またはこれと類似する送信方式を使用し、代表的として表1のOFDMヌメロロジー(numerology)を有することができる。または、既存のLTE/LTE−Aのヌメロロジーをそのまま適用する一方、より大きいシステム帯域幅(例えば、100MHz)を有することができる。または、一つのセルは、複数個のヌメロロジーをサポートすることができる。即ち、互いに異なるヌメロロジーで動作する端末が一つのセル内で共存できる。以下の表1は、new RATシステムのOFDMパラメータである。
【0057】
【表1】
【0058】
以下、self−containedサブフレーム構造を説明する。
【0059】
図6は、self−containedサブフレーム構造を示す。
【0060】
TDDシステムにおいて、データ送信遅延を最小化するために、new RATでは図6のようなself−containedサブフレーム構造を考慮している。
【0061】
図6において、self−containedサブフレームの前にある領域610は、DCI(Downlink Control Information)伝達のための物理チャネルPDCCHの送信領域を示す。self−containedサブフレームの後にある領域620は、UCI(Uplink Control Information)伝達のための物理チャネルPUCCHの送信領域を示す。ここで、DCIを介してeNBがUEに伝達する制御情報として、端末が知っているべきセル構成(cell configuration)に対する情報、DLスケジューリングなどのDL特定情報、そして、UL grantなどのようなUL特定情報などを含む。また、UCIを介してUEがeNBに伝達する制御情報として、DLデータに対するHARQのACK/NACK報告、DLチャネル状態に対するCSI報告、そして、SR(Scheduling Request)などを含む。
【0062】
図6において、self−containedサブフレームの中央にある領域630は、ダウンリンクデータ送信のために物理チャネルPDSCHが使われることもでき、アップリンクデータ送信のために物理チャネルPUSCHが使われることもできる。このような構造の特徴は、一個のサブフレーム内でDL送信とUL送信が順次進行され、サブフレーム内でDLデータを送り、UL ACK/NACKも受けることができる。結果的に、データ送信エラー発生時にデータ再送信までかかる時間を減らすようになって、それによって、最終データ伝達の遅延を最小化することができる。
【0063】
このようなself−containedサブフレーム構造で、基地局とUEが、送信モードから受信モードに転換する過程または受信モードから送信モードに転換する過程のための時間差(time gap)が必要である。そのために、self−containedサブフレーム構造で、DLからULに転換される時点の一部OFDMシンボルがGP(guard period)に設定されるようになる。
【0064】
以下、アナログビームフォーミング(analog beamforming)に対して説明する。
【0065】
ミリ波(Millimeter Wave;mmW)では波長が短くなって同じ面積に多数個のアンテナ要素の設置が可能になる。即ち、30GHz帯域における波長は1cmであって、5by5cmのパネルに0.5ラムダ(lambda、波長)間隔に2次元配列形態で総100個のアンテナ要素設置が可能である。したがって、mmWでは多数個のアンテナ要素を使用してBF(beamforming)利得を高めてカバレッジを増加させ、またはスルーフット(throughput)を高めようとする。
【0066】
この場合、アンテナ要素別に送信パワー及び位相調節が可能にTXRU(Transceiver Unit)を有すると、周波数リソース別に独立的なビームフォーミングが可能である。しかし、100余個のアンテナ要素の全てにTXRUを設置するには価格側面で実効性が低下させる問題を有するようになる。したがって、一つのTXRUに多数個のアンテナ要素をマッピングし、アナログ移相器(analog phase shifter)でビームの方向を調節する方式が考慮されている。このようなアナログビームフォーミング方式は、全帯域において一つのビーム方向のみを作ることができて周波数選択的ビームフォーミングをすることができないという短所を有する。
【0067】
デジタルBFとアナログBFの中間形態でQ個のアンテナ要素より少ない個数であるB個のTXRUを有するハイブリッドBFを考慮することができる。この場合、B個のTXRUとQ個のアンテナ要素の連結方式によって異なるが、同時に送信できるビームの方向は、B個以下に制限されるようになる。
【0068】
本明細書では、説明の便宜のために、ダウンリンクデータが送信されるチャネルをPDSCHと命名し、アップリンクデータが送信されるチャネルをPUSCHと命名する。本明細書では、説明の便宜のために、ダウンリンク環境(PDSCHの送信)を中心に発明の内容を記述するが、本明細書の内容がアップリンク環境(PUSCHの送信)にも適用されることができることは自明である。
【0069】
図7は、URLLCデータとeMBBデータが同じセルの同じ周波数リソースで多重化されて送信される場合、リソース活用の一例を示す。
【0070】
このとき、遅延が重要なデータ(例えば、URLLCデータ)と相対的に遅延の重要度が足りないデータ(例えば、eMBBデータ)が同じセルの同じ周波数リソースで多重化(multiplexing)されて送信されることができる場合、二つのデータの送信リソースが衝突する場合が発生できる。このとき、一般的に遅延(latency)が重要なデータの送信が優先されるため、図7のように遅延が重要なデータ(PDSCH2)が遅延の重要度が足りないデータ(PDSCH1)リソースをパンクチャリング(puncturing)することで送信されることができる。この場合、一般的に遅延の重要度が足りないデータ(PDSCH1)は、遅延がもっと重要なデータ(PDSCH2)に比べて長いTTI長さで送信され、したがって、一般的に遅延の重要度が足りないデータ(PDSCH1)の一部OFDMシンボル領域が、遅延がもっと重要なデータ(PDSCH2)の送信のためにパンクチャリングされるようになる。
【0071】
この場合、一部リソース領域がパンクチャリングされたデータは、該当リソースで干渉を経験して大きい性能低下が発生するようになる。したがって、他のデータの送信のためにパンクチャリングされたデータの送信を受信性能を向上させるための方案が要求される。
【0072】
以下、Grant−free UL送信に対して説明する。
【0073】
Grant−free UL送信技法は、端末が事前にスケジューリングされた端末共通リソースでアップリンクデータを送信する技法である。端末が事前にスケジューリングされたリソースでアップリンクデータを送信するため、UL grant受信後に信号を送信するトリガリングされたSR(SR−triggered)UL送信技法より速くデータを送信することができるという長所がある。しかし、端末共通リソースで信号を送信するため、互いに異なる端末が同じリソースで信号を送信する衝突(contention)現象が発生できるという短所がある。
【0074】
また、Grant−free ULリソースは、再割り当てられる必要がある。Grant−free ULリソースは、端末データが発生する前に必要なリソースを予測して基地局が端末にリソースを割り当てる特徴を有する。もし、基地局がGrant−free ULリソースを必要より多く割り当てる場合、衝突確率は減少するが、リソースが浪費されるという短所がある。それに対し、Grant−free ULリソースを必要より少なく割り当てる場合、リソース消耗は減少するが、衝突確率が増加して目標信頼度を満たすことができなくなる。したがって、端末数、端末トラフィック特性、チャネル状態などを考慮してGrant−free ULリソースを調整することが必要である。目標信頼度を満たすためにGrant−free ULリソースを割り当てる時に考慮すべき要素では下記のようなものがある。
【0075】
1)信号衝突確率−Grant−free ULリソースで信号が衝突する確率は、端末の数と端末が発生させたトラフィックの量によって決定される。端末の数は、基地局が把握できるが、各端末が発生させるトラフィックを正確に予測しにくい。端末のトラフィック発生は、トラフィックの統計的特徴を利用することが一般的である。また、統計的予測の限界を克服するために衝突発生確率が高まる場合は、Grant−free ULリソースの量を増加させ、衝突発生確率が低まる場合は、Grant−free ULリソースの量を減少させる技法を利用することができる。
【0076】
2)データ大きさ増加−データサイズが予想より増加すると、既に割り当てられたGrant−free ULリソースで信号送信時に適用できるコード率(code rate)とシンボル変調順序(symbol modulation order)が増加する。それによって、Grant−free UL送信の受信成功確率が減少するようになるため、これを克服するための技法が必要である。
【0077】
3)ダイナミック(Dynamic)TDD−NRでは、サブフレーム毎にDLとULを選択することができるダイナミックTDD技法が導入されることが予想される。Grant−free UL送信リソースが半静的(semi−static)であり、且つ周期的にスケジューリングされた場合を仮定すると、grant−free ULリソースが、既に割り当てられたサブフレームがダイナミックTDDではDLサブフレームに変更されてgrant−free ULリソースが省略される現象が発生する。周期的なgrant−free ULリソースのうち一部が省略されると、それによって、ULデータ送信時に追加遅延が発生し、端末待機時間が長くなるため、以後grant−free UL送信時にデータ衝突確率が増加する。したがって、これを解決するための技法が必要である。
【0078】
4)チャネル変化−端末と基地局との間のアップリンクチャネルが劣化された場合、これを考慮してGrant−free ULリソースの量を増加させることが必要である。基地局が、アップリンクチャネルを推定するために端末にアップリンク参照信号(例えば、SRS)を送信するように要求できる。
【0079】
現在3GPP NR(New RAT)スタディアイテム(Study Item)ではgrant−free UL送信に対する議論が行われている。Grant−free送信は、半永続的(semi−persistent)にスケジューリングされたアップリンクリソースで送信を実行することを意味する。Grant−free送信は、互いに異なる端末が同じ時間−周波数リソースを共有するコンテンションベースの(contention−based)送信と専用リソースを利用した送信とに分けられる。既存LTEでは専用リソースを利用したgrant−free送信のみをサポートしたが、NRではコンテンションベースのgrant−free UL送信も導入されることが予想される。即ち、多数の端末がコンテンションベースのgrant−freeリソースでアップリンクデータを送信することができる。
【0080】
NRにコンテンションベースのgrant−free UL送信が導入されるにつれて、コンテンションベースのgrant−freeリソースの割当を受けた端末が追加でUL grantを受信した場合の動作を定義する必要性が提起された。また、UL送信の繰り返しが実行されるにつれて、端末は、複数のコンテンションベースのgrant−free ULリソースの割当を受けることができ、また、このように専用grant−free ULリソースも割当を受けることができる。したがって、多様な状況を考慮してUL grant受信時の端末動作を開発する必要性がある。
【0081】
本明細書で使われるサブフレームは、スロットまたはミニスロットに代替されることができる。本明細書の内容は一つの実施例に過ぎず、類似動作を利用する他の実施例にも適用が可能である。
【0082】
1.grantベースのUL送信とgrant−free UL送信との間のスイッチング(switching)方法
【0083】
第1の実施例として、端末がgrant−free ULリソースを半永続的(semi−static)に割当を受けた状態でUL grantを受信すると、端末は、UL grantでスケジューリングされたリソースでTB(transport block)を送信し、且つコンテンションベースのgrant−free ULリソースではTBを一時的に送信しない。端末がUL grantを受信しない場合はgrant−free ULリソースでアップリンク送信を実行する。
【0084】
Grant−free ULリソースの衝突発生可否は、基地局が端末にRRCシグナリングのような上位階層シグナリングで伝達できる。または、基地局は、grant−free ULリソースの割当を受けた端末がUL grantを受けた時の動作をRRCのような上位階層シグナリングで指示できる。
【0085】
第1の実施例の動作をgrant−free ULリソースがコンテンションベースのリソースである場合にのみ適用することもできる。または、第1の実施例の動作を、UL grantに含まれている第1の臨時識別子がgrant−free ULリソースを活性化する時に利用した第2の臨時識別子と同じ場合にのみ適用することもできる。または、UL grantが再送信のためのUL grantである場合にのみ第1の実施例の動作を実行することができる。基地局は、第1の実施例の動作と臨時識別子による動作の端末実行可否をRRCシグナリングで指示できる。ここで、第1の実施例の動作は、端末がgrant−free ULリソースを半永続的に割当を受けた状態でUL grantの受信可否によるアップリンク送信動作に対応できる。臨時識別子による動作は、端末がUL grantを受信し、且つUL grantに含まれている臨時識別子が自分の臨時識別子と同じ場合のアップリンク送信動作に対応できる。
【0086】
コンテンションベースのgrant−freeリソースでは互いに異なる端末が送信した信号間の衝突が発生できる。したがって、端末がgrantベースのアップリンクリソースの割当を受けると、該当リソースで信号を送信することによって衝突を避ける技法を考慮することができる。また、スケジューリングを受けた端末がgrant−free ULリソースと異なるリソースでアップリンク信号を送信することによってgrant−free ULリソースでの衝突確率が減少する効果がある。また、端末が割当を受けたgrant−free ULリソースが一時的に利用されることができない(unavailable)場合にも基地局がUL grantを介して臨時リソースを割り当てることができる。一例として、grant−free ULリソースをgrantベースのUL送信のために先占した場合を考慮することができる。
【0087】
また、第1の実施例に加えて、端末が受信したUL grantに含まれている端末の第1の臨時識別子(例えば、C−RNTI)が、コンテンションベースのgrant−freeリソースを活性化する時に利用した端末の第3の臨時識別子と同じ場合、第1の実施例の動作を実行する。もし、異なる臨時識別子が含まれているUL grantを受信する場合、端末は、既存のgrant−freeリソースとgrantベースのリソースの両方ともでアップリンク送信を実行する。
【0088】
端末が多数個の臨時識別子の割当を受けた場合、各臨時識別子は、互いに異なるサービス(または、ベアラ)にマッピングされることができる。もし、UL grantがgrant−freeリソースで送信中であるサービスとは異なるサービスのアップリンク送信のために送信されたものである場合、端末が、前記UL grantがスケジューリングするgrantベースのリソースでgrant−free送信用TBを送信することは適しない。
【0089】
第1の実施例に加えて、端末は、UL grantを受信したサブフレーム(または、スロットまたはミニスロット)以後n番目のサブフレームに割り当てられたgrant−free ULリソースでTBを送信せずに、前記TBをUL grantでスケジューリングされたリソースで送信する。ここで、nは、0より大きい整数である。一例として、self−containedフレーム構造が適用されてUL grantを受信したサブフレームでアップリンクデータ送信が直接可能な場合にn=0になることができる。
【0090】
一般的に、UL grantを受信した後、k番目後のサブフレームで、端末は、アップリンクデータを送信することができる。したがって、UL grant受信後、アップリンクデータ送信までの遅延時間を考慮してgrant−free UL送信を実行しない区間を定めることができる。
【0091】
第2の実施例として、端末が受信したUL grantが再送信のためのものである時、端末は、再送信または繰り返し送信をgrant−free ULリソースで実行せずに、UL grantでスケジューリングされたリソースで送信する。一例として、端末は、TBを最初送信する場合にのみgrant−free ULリソースで信号を送信することができる。他の一例として、端末がgrant−freeリソースでUL送信をn回繰り返すことができる時、n回の繰り返し送信が完了する前に再送信のためのUL grantを受信すると、grant−free ULリソースでの送信を止め、その後、繰り返し送信は、UL grantでスケジューリングされたリソースで送信する。
【0092】
Grant−free ULリソースでの繰り返し送信は、端末間の信号送信時に衝突確率を増加させるようになる。したがって、端末が再送信のためのUL grantを基地局から受信すると、UL grantでスケジューリングされたリソースでアップリンクデータを送信することが好ましい。
【0093】
第3の実施例として、端末がgrant−free ULリソースのリリース(release)シグナルやストップ(stop)シグナルを受信したサブフレーム(または、スロットまたはミニスロット)でUL grantを受信した場合、端末は、UL grantを利用してTBを送信する。それに対し、端末がリリースシグナルやストップシグナルを受信しないサブフレーム(またはスロット、またはミニスロット)でUL grantを受信した場合、端末は、grant−freeとgrantベースのリソースの両方ともまたはgrant−freeとgrantベースのリソースの中から一つを選択してアップリンク送信を実行することができる。
【0094】
前記動作は、端末が基地局からスケジューリングを受けたリソースの全てで信号が送信できるようにすることによって、アップリンク信号の信頼度を最大化することを目的とする。
【0095】
図8は、本明細書の実施例によってgrant−free ULリソースの割当を受けた端末がUL grantを受信する一例を示す。
【0096】
図8のように、URLLC DL送信のためにgrant−free ULリソースが存在しないサブフレームで、端末がSRを送信することによってgrant−based UL送信を試みることができる。もし、self−containedフレーム構造が適用された場合、UL grantを受信したサブフレームで、端末はアップリンク送信を試みることができるため、端末が事前に割当を受けたgrant−free ULリソースとgrantベースのリソースの中から端末が送信するリソースを選択することができる。端末が割当を受けたgrant−free ULリソースがコンテンションベースのリソースである場合、端末は、grantベースのリソースでは信号の送信を試みることが妥当である。
【0097】
また、第3の実施例において、端末がgrant−free ULリソースとgrantベースのULリソースで同じTBを送った場合は、同じTBが送信されたことを知らせるための技法が必要である。
【0098】
端末がgrant−free ULリソースとgrantベースのULリソースで送信したTBが同じTBである場合、これを知らせるためのシグナリングが必要である。一例として、grant−free ULリソースで端末がDMRS1の割当を受けた場合、端末は、grantベースのULリソースでもDMRS1を利用して同じ信号を送信する。一例として、grant−free ULリソースで端末が任意にDMRS1を選択した場合、grantベースのULリソースでもDMRS1を利用して同じ信号を送信する。一例として、端末がgrant−free UL送信時に端末識別子を送信するために別途のシグナル(例えば、プリアンブルまたはスケジューリング要求(Scheduling request))を送信する場合を仮定する。前記別途シグナルとgrantベースのUL送信時に使用するDMRS間のマッピング関係を基地局が事前にRRCシグナリングで指定し、またはシステム的に約束できる。前記実施例と逆に、端末がgrant−free ULとgrantベースのULで送信するTBが異なる場合は、端末は、互いに異なるDMRSを利用して信号を送信し、または事前に約束されないDMRSを利用しgrantベースのULリソースで信号を送信する。
【0099】
Grant−free ULリソースを多数の端末が共有する場合、各端末に互いに異なるDMRSを割り当てて各端末のDMRSの衝突を防止することができる。このとき、チャネル推定の歪曲は発生しないため、grant−free UL送信信号とgrantベースのUL送信信号を結合して復号することが好ましい。一般的に、grantベースのULリソースは、端末専用(dedicated)リソースであるため、各端末がgrantベースのULリソース内のDMRSをgrant−free ULリソースで自分が割当を受けたDMRSと同じ値を利用して信号を送信することによって同じTBが送信されたことを知らせることができる。このとき、基地局がUL grantを利用して端末に割り当てたDMRSは、grant−free ULリソースで送信されるTBとgrantベースのULリソースで送信されるTBが異なる場合にのみ、利用されるように設定できる。
【0100】
Grant−free ULリソースを多数の端末が共有しながら、各端末がDMRSを任意に選択する場合が存在できる。このとき、端末は、自分の信号送信可否を基地局に知らせるために、スケジューリング要求またはプリアンブルのような追加的な信号を送信することができる。端末が任意にDMRSを選択するため、互いに異なる端末が同じDMRSを利用して信号を送信することができる。この場合、チャネル推定が歪曲されてgrantベースのUL信号とgrant−free UL信号を結合しないことが好ましい。結合可否は、基地局が決定できる。一例として、基地局が互いに異なる端末からUL送信を意味するシグナリングを受信したが、DMRSが一つのみが検出された場合に衝突があると見なし、grant−ベースの信号とgrant−free信号を結合しない。
【0101】
また、第3の実施例において、grant−free ULリソースとgrantベースのULリソースの間隔がnサブフレーム(またはスロット、またはミニスロット)内でのみ重複送信を実行することができる。
【0102】
Grant−free ULリソースは、一般的に周期的に割り当てられる。先行のgrant−free ULリソースと後行のgrant−free ULリソースの両方ともで信号が送信される場合も考える必要がある。したがって、GrantベースのULリソースで、grant−free ULリソースで送信されたTBが繰り返し送信された場合、基地局がどのgrant−free ULリソースで送信されたTBであるかを把握することが必要である。
【0103】
第3の実施例の動作は、grant−free ULリソースがコンテンションベースのリソースである場合にのみ適用することもできる。または、第3の実施例の動作は、UL grantに含まれている臨時識別子がgrant−free ULリソースを活性化する時に利用した臨時識別子と同じ場合にのみ適用することもできる。
【0104】
2.繰り返し送信された信号の開始時点を指示する方法
【0105】
端末がgrant−free ULリソースで繰り返し送信を実行する場合、基地局は、繰り返し送信された信号を結合するために、繰り返し送信された信号の開始時点を把握することが必要である。したがって、本実施例では繰り返し信号の開始時点を知らせる技法を提案する。
【0106】
本実施例ではアップリンクTBがn回送信される場合を仮定する。ここで、nは、1より大きい整数である。また、繰り返し送信するたびにRV(Redundancy Version)などは、変化する場合もあり、変化しない場合もある。
【0107】
第4の実施例として、端末がgrant−free ULリソースで新規TBを送信する場合、DMRSリソースを変えて信号を送信する。基地局は、DMRSの変化を介して新規TBの送信可否を把握する。一例として、端末は、新規TB送信を知らせるためにgrant−freeリソース1内でDMRSのシーケンスを変化することができる。他の一例として、端末は、新規TBの送信を知らせるために、同じDMRSシーケンスを互いに異なるgrant−freeリソースで送信できる。新規TB送信時にDMRSが変化される規則は、基地局が端末にRRCシグナリングと同じ上位階層シグナリングで知らせることができる。
【0108】
前記第4の実施例において、一つのgrant−free ULリソースは、周期的に割り当てられ、周波数ホッピングされることができる。基地局は、同じ端末が同じDMRSを利用して送信した信号に対しては復号時に結合を実行し、同じ端末が異なるDMRSを利用して送信した信号に対しては復号時に結合を実行しない。
【0109】
第4の実施例において、端末が一つのgrant−free ULリソースの割当を受けた場合を仮定する。一つのgrant−free ULリソースは、周期的に割り当てられ、周波数ホッピングされることができる。
【0110】
端末1がTB1をDMRS1を利用して繰り返し送信を実行中にTB2を送信する場合、端末は、DMRS2を利用して送信する。このとき、端末は、TB1の送信を止めることもでき、止めずにTB1とTB2を互いに異なるDMRSを利用して同時に送信することもできる。前記のような動作を端末に指示するために、基地局は、上位階層シグナリングを介して一つのgrant−free ULリソース内で新規TB送信時に利用するDMRSを追加で指示できる。
【0111】
第4の実施例において、端末が多数個のgrant−free ULリソースの割当を受けた場合を仮定する。一つのgrant−free ULリソースは、周期的に割り当てられ、周波数ホッピングされることができる。また、互いに異なるgrant−free ULリソースは、周期の開始時点が互いに異なることがある。
【0112】
端末がリソース1でTB1の送信を繰り返して実行中である時、TB2を送信すべき場合、リソース2でTB2の送信を始める。このとき、端末は、基地局が事前に指定したリソース1のDMRSとリソース2のDMRSを利用して信号を送信する。前記のような動作を端末に指示するために、基地局は、上位階層シグナリングを介して各grant−free ULリソースで端末が利用するDMRSを指示することができる。
【0113】
第5の実施例として、端末がgrant−free ULリソースで新規TBを送信する場合にのみ、スケジューリング要求またはプリアンブルのような追加的な信号を送信する。端末がTBに対する繰り返し送信または再送信を実行する場合は、追加的な信号を送信しない。基地局は、追加的な信号を受信すると、新規TBの送信が始まったことを把握する。
【0114】
前記第5の実施例は、端末がgrant−free ULリソースのDMRSを任意に選択する場合と事前に指定された場合を両方とも含む。
【0115】
前記第5の実施例において、端末が一つのgrant−free ULリソースの割当を受けた場合を仮定する。一つのgrant−free ULリソースは、周期的に割り当てられ、周波数ホッピングされることができる。端末がTB1に対する繰り返し送信を実行中にTB2が到着すると、端末は、TB1の繰り返し送信を中断し、TB2を新規に送信する。また、端末は、追加的な信号を送信して新規TBの送信が始まったことを基地局に知らせる。
【0116】
基地局は、繰り返し送信中であるTBを復号する可能性がある。基地局がTBの復号に失敗すると、再送信のためのUL grantを送信することができる。それによって、端末は、既存に送信中である信号を中断して新規TBを送信することが好ましい。もし、基地局が端末のTB1の復号に失敗した状況で新規TBの送信を把握した場合、基地局は、再送信のためのUL grantを端末に伝達できる。
【0117】
また、前記のような動作を実行するためには、追加的な信号の割当周期がgrant−free ULリソースの割当周期と同じでなければならない。
【0118】
前記第5の実施例において、端末が多数個のgrant−free ULリソースの割当を受けた場合を仮定する。一つのgrant−free ULリソースは、周期的に割り当てられ、周波数ホッピングされることができる。互いに異なるgrant−free ULリソースは、周期の開始時点が互いに異なることがある。端末がTB1に対する送信をリソース1で繰り返し実行中にTB2がバッファされると、端末は、TB1の繰り返し送信をそのまま実行しながら、リソース2でTB2の送信を始める。また、TB2の送信を始める時、追加的な信号を送信し、新規TBの送信が始まったことを基地局に知らせる。
【0119】
もし、リソース1とリソース2が同じサブフレームに割り当てられている場合、端末がTB1とTB2の送信時に各々使用することができる最大電力が制限される。したがって、リソース1とリソース2を互いに異なるサブフレームに割り当てることが好ましい。
【0120】
また、前記のような動作を実行するためには追加的な信号が各grant−free ULリソース別に行われなければならない。一例として、grant−free ULリソース1が単位時間にN1回割り当てられ、grant−free ULリソース2が単位時間にN2回割り当てられる場合、追加的な信号は、単位時間にN1+N2回割り当てられなければならない。もし、アップリンク送信時にK回繰り返しされ、繰り返し送信時に新規TBを送信することができない場合、追加的な信号は、単位時間に(N1+N2)/K回割り当てられなければならない。
【0121】
図9は、本明細書の実施例に係るgrant−free ULリソースを介してアップリンクトランスポートブロックを送信する手順を示す。
【0122】
本実施例は、端末が事前にスケジューリングされたgrant−free ULリソースを介してアップリンクトランスポートブロックを繰り返し送信する場合を仮定する。このとき、基地局が繰り返し送信されたトランスポートブロックを結合して復号するためにはトランスポートブロックの最初送信時点を知らなければならない。本実施例は、端末が基地局にトランスポートブロックの最初送信時点を知らせる多様な実施例を含む。
【0123】
Grant−free UL送信は、アップリンクグラント無しでアップリンクデータを送信する方式に対応できる。したがって、アップリンクグラントベースのアップリンク送信方式よりは速くデータを送信することができるという長所がある。また、Grant−free ULリソースは、端末共通リソースであって、互いに異なる端末が同じリソースで同時に信号を送信して衝突現象が発生できる。しかし、本実施例では一つの端末が信号を送信する場合を仮定する。
【0124】
まず、ステップS910において、端末は、基地局から半静的(semi−static)にスケジューリングされる第1のグラントフリー(grant−free)アップリンクリソースに対する割当情報を受信する。このとき、端末は、一つのグラントフリーアップリンクリソースの割当を受けた場合を仮定することができる。
【0125】
ステップS920において、端末は、第1の参照信号を使用して前記第1のグラントフリーアップリンクリソースを介して第1のトランスポートブロックを繰り返し送信する。
【0126】
ステップS930において、端末は、前記第1のトランスポートブロックの送信が完了する前に第2の参照信号を使用して第2のトランスポートブロックを送信する。端末は、前記第1のトランスポートブロックの送信が完了する前に第2のトランスポートブロックを送信することができるため、第1のトランスポートブロックを繰り返し送信して第1のトランスポートブロックに対する応答信号(ACK/NACK信号)を受信するために待機する時間にも、第2のトランスポートブロックを送信することができる。このとき、第1の参照信号及び第2の参照信号は、DMRS(DeModulation Reference Signal)に対応できる。
【0127】
前記第2のトランスポートブロックは、前記第1のグラントフリーアップリンクリソースを介して送信されることができる。前記第2の参照信号のシーケンスは、前記第1の参照信号のシーケンスと異なることがある。したがって、前記第2のトランスポートブロックは、前記第1の参照信号から前記第2の参照信号への変更を介して前記第1のトランスポートブロックと区別される。即ち、端末は、第1のトランスポートブロックと異なる第2のトランスポートブロックが送信されることを基地局に知らせるために、第1のグラントフリーアップリンクリソース内で第1の参照信号(第1の参照信号のシーケンス)を第2の参照信号(第2の参照信号のシーケンス)に変更できる。
【0128】
また、前記第2のトランスポートブロックが送信される時、前記第1のトランスポートブロックは、それ以上送信されない、または前記第2のトランスポートブロックと同時に送信されることができる。第1のトランスポートブロックと第2のトランスポートブロックは、互いに異なる参照信号を使用するため、同じリソースを介して同時に送信されることができる。
【0129】
また、端末は、前記基地局から前記第1の参照信号に対する割当情報及び前記第2の参照信号に対する割当情報を受信することができる。前記第1の参照信号に対する割当情報及び前記第2の参照信号に対する割当情報は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングを介して受信されることができる。前記割当情報は、新しいトランスポートブロックが送信される時、参照信号がどのように変化されるかに対する規則を含むことができる。
【0130】
また、端末は、基地局から半静的にスケジューリングされる第2のグラントフリーアップリンクリソースに対する割当情報を受信することができる。このとき、端末は、複数のグラントフリーアップリンクリソースの割当を受けた場合を仮定することができる。
【0131】
前記第1のグラントフリーアップリンクリソースに対する割当情報及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースに対する割当情報は、RRCシグナリングを介して受信されることができる。
【0132】
前記第1のグラントフリーアップリンクリソース及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースの各々は、周期的に割り当てられ、周波数ホッピング(frequency hopping)されることができる。前記第1のグラントフリーアップリンクリソースの周期の開始時点及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースの周期の開始時点は、互いに異なることがある。このとき、前記第2のトランスポートブロックは、前記第2の参照信号を使用して前記第2のグラントフリーアップリンクリソースを介して送信されることができる。
【0133】
他の実施例として、前記第2のトランスポートブロックが送信される時、端末は、スケジューリング要求(scheduling request)またはプリアンブルを追加で送信できる。このとき、前記第2のトランスポートブロックは、前記前記スケジューリング要求または前記プリアンブルを介して前記第1のトランスポートブロックと区別されることができる。
【0134】
端末は、前記基地局から前記第1の参照信号に対する割当情報及び前記第2の参照信号に対する割当情報を受信することができる。この場合、端末は、前記第1の参照信号及び前記第2の参照信号を任意に選択することができる。
【0135】
前記第1のトランスポートブロックの復号が失敗する場合、端末は、前記基地局からアップリンクグラント(uplink grant)を受信することができる。端末は、前記アップリンクグラントに基づいて前記第1のトランスポートブロックを再送信することができる。前記第2のトランスポートブロックが送信され、または前記アップリンクグラントが受信される場合、前記第1のトランスポートブロックは、前記第1のグラントフリーアップリンクリソースを介してそれ以上送信されない。即ち、第1のトランスポートブロックは、前記第1のグラントフリーアップリンクリソースを介して初期送信または繰り返し送信されることができた。しかし、端末が再送信のためのアップリンクグラントを受信すると、端末は、アップリンクグラントでスケジューリングされたリソースを介して第1のトランスポートブロックを再送信し、または繰り返し送信できる。
【0136】
また、端末は、前記基地局から半静的にスケジューリングされる第2のグラントフリーアップリンクリソースに対する割当情報を受信することができる。前記第2のトランスポートブロックは、前記第2の参照信号を使用して前記第2のグラントフリーアップリンクリソースを介して送信されることができる。前記第1のグラントフリーアップリンクリソース及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースは、互いに異なるサブフレームに割り当てられることができる。前記第1のグラントフリーアップリンクリソース及び前記第2のグラントフリーアップリンクリソースが互いに同じサブフレームに割り当てられると、端末が第1のトランスポートブロックと第2のトランスポートブロックを送信する時に使用することができる最大電力が制限されるためである。
【0137】
ステップS940とステップS950は、端末が基地局に第1のトランスポートブロック及び第2のトランスポートブロックの最初送信時点を知らせた以後に基地局での動作を説明する。
【0138】
具体的に、前記第1のトランスポートブロックの最初送信時点は、前記基地局により前記第1の参照信号を使用して確認されることができる。前記第2のトランスポートブロックの最初送信時点は、前記基地局により前記第2の参照信号を使用して確認されることができる。基地局は、第1の参照信号から第2の参照信号に、参照信号が変化されたことを介して新しいトランスポートブロックが受信されたことを把握することができる。
【0139】
それによって、ステップS940において、前記繰り返し送信された第1のトランスポートブロックは、前記基地局により結合して復号されることができる。基地局は、復号を実行するために繰り返し送信された第1のトランスポートブロックを全て結合しなければならない。ステップS950において、前記第2のトランスポートブロックは、前記基地局により前記第1のトランスポートブロックと結合せずに復号されることができる。基地局が第2の参照信号を介して第1のトランスポートブロックと第2のトランスポートブロックを区別することができるため、第2のトランスポートブロックは、第1のトランスポートブロックと別途に復号されることができる。
【0140】
図10は、本明細書の実施例が具現される機器を示すブロック図である。
【0141】
無線装置1000は、プロセッサ1010、メモリ1020、RF(radio frequency)部1030を含むことができる。
【0142】
プロセッサ1010は、前述した機能、手順、方法を具現するように設定されることができる。無線インターフェースプロトコル(radio interface protocol)の階層(layer)は、プロセッサに具現されることができる。プロセッサ1010は、前述した動作を駆動するための手順を実行することができる。メモリ1020は、動作的にプロセッサ1010に連結され、RFユニット1050は、プロセッサ1010に動作的に連結される。
【0143】
プロセッサ1010は、ASIC(application−specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路及び/またはデータ処理装置を含むことができる。メモリ1020は、ROM(read−only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、格納媒体及び/または他の格納装置を含むことができる。RF部1030は、無線信号を処理するためのベースバンド回路を含むことができる。実施例がソフトウェアで具現される時、前述した技法は、前述した機能を遂行するモジュール(過程、機能など)で具現されることができる。モジュールは、メモリ1020に格納され、プロセッサ1010により実行されることができる。メモリ1020は、プロセッサ1010の内部または外部にあり、広く知られた多様な手段でプロセッサ1010と連結されることができる。
【0144】
前述した一例に基づいて本明細書による多様な技法が図面と図面符号を介して説明された。説明の便宜のために、各技法は、特定順序によって多数のステップやブロックを説明したが、このようなステップやブロックの具体的順序は、請求項に記載された発明を制限するものではなく、各ステップやブロックは、異なる順序で具現され、または他のステップやブロックと同時に実行されることが可能である。また、通常の技術者であれば、各ステップやブロックが限定的に記述されたものではなく、発明の保護範囲に影響を与えない範囲内で少なくとも一つの他のステップが追加または削除可能であるということがわかる。
【0145】
前述した実施例は、多様な一例を含む。通常の技術者であれば、発明の全ての可能な一例の組み合わせが説明されることができないことがわかり、また、本明細書の記述から多様な組み合わせが派生することができることがわかる。したがって、発明の保護範囲は、請求項に記載された範囲を外れない範囲内で、詳細な説明に記載された多様な一例を組み合わせて判断しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10