特許第6894530号(P6894530)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6894530トルエン、p−キシレン及び軽質オレフィンのうちの少なくとも1種を製造するための触媒のインサイチュ製造方法及び反応プロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6894530
(24)【登録日】2021年6月7日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】トルエン、p−キシレン及び軽質オレフィンのうちの少なくとも1種を製造するための触媒のインサイチュ製造方法及び反応プロセス
(51)【国際特許分類】
   B01J 31/00 20060101AFI20210621BHJP
   C07C 15/08 20060101ALI20210621BHJP
   C07C 1/20 20060101ALI20210621BHJP
   C07C 11/04 20060101ALI20210621BHJP
   C07C 11/06 20060101ALI20210621BHJP
   C07C 2/66 20060101ALI20210621BHJP
   B01J 29/06 20060101ALI20210621BHJP
   B01J 37/04 20060101ALI20210621BHJP
   B01J 37/00 20060101ALI20210621BHJP
   B01J 37/08 20060101ALI20210621BHJP
   B01J 37/10 20060101ALI20210621BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20210621BHJP
【FI】
   B01J31/00 Z
   C07C15/08
   C07C1/20
   C07C11/04
   C07C11/06
   C07C2/66
   B01J29/06 M
   B01J37/04
   B01J37/00 F
   B01J37/08
   B01J37/10
   !C07B61/00 300
【請求項の数】20
【全頁数】83
(21)【出願番号】特願2019-555921(P2019-555921)
(86)(22)【出願日】2017年4月27日
(65)【公表番号】特表2020-517427(P2020-517427A)
(43)【公表日】2020年6月18日
(86)【国際出願番号】CN2017082222
(87)【国際公開番号】WO2018195865
(87)【国際公開日】20181101
【審査請求日】2019年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】503190796
【氏名又は名称】中国科学院大▲連▼化学物理研究所
【氏名又は名称原語表記】DALIAN INSTITUTE OF CHEMICAL PHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,チョンミン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,チェンシー
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,シュークイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ユエ
【審査官】 森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04950835(US,A)
【文献】 国際公開第2015/184600(WO,A1)
【文献】 特表平10−502908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 − 38/74
C07C 1/20
C07C 2/66
C07C 11/04
C07C 11/06
C07C 15/08
C07B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒のin−situ製造方法であって、
前記方法は、改質剤を反応器における分子篩と接触させて、メタノール及び/又はジメチルエーテルを含有する原料からp−キシレン、トルエン及び/又は軽質オレフィンを製造するための触媒をインサイチュ(in−situ)で製造し、
前記反応器は、メタノール及び/又はジメチルエーテルを含有する原料からp−キシレン、トルエン及び/又は軽質オレフィンを製造するための反応器であり、
前記分子篩は、反応器の種類に応じて成形された成形分子篩であり、
前記成形分子篩は分子篩で構成されている、または
前記成形分子篩中に分子篩及びバインダーを含有し、
前記触媒のin−situ製造方法は、少なくとも
(1)成形分子篩を反応器に入れる
(2)反応器へ改質剤を含有する材料を導入する
(3)反応器への前記改質剤を含有する材料の導入を停止し、反応器の温度を400℃以上に上昇して空気を導入して焼成する
工程を含む、ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記改質剤が、
改質剤I:リン試薬及びシリル化試薬
改質剤II:シリル化試薬
改質剤III:シリル化試薬及び水蒸気
改質剤IV:リン試薬、シリル化試薬及び水蒸気
のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記触媒は、
反応I:メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する
反応II:メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとからトルエン、p−キシレン、軽質オレフィンのうちの少なくとも1種を製造する
のうちの少なくとも1種の反応のための触媒であり、
前記反応器は、反応I又は反応IIのうちの少なくとも1種の反応を行うための反応器である
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記リン試薬が、式Iで表される化学式を有する化合物のうちの少なくとも1種から選択され
【化1】

(式I中、R、R、Rは独立してC〜C10のアルキル基若しくは〜C10のアルコキシ基から選択され、または、R、R、Rのうちの少なくとも一が、C〜C10のアルコキシ基から選択される)
または
記リン試薬が、トリメトキシホスフィン、トリエトキシホスフィン、トリプロポキシホスフィン、トリブトキシホスフィン、メチルジエトキシホスフィンのうちの少なくとも1種から選択される
ことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記シリル化試薬が、式IIで表される化学式を有する化合物のうちの少なくとも1種から選択され
【化2】

(式II中、R、R、R、Rは独立してC〜C10のアルキル基若しくはC〜C10のアルコキシ基から選択され、または、R、R、R、Rのうちの少なくとも一が、C〜C10のアルコキシ基から選択される)
または
記シリル化試薬が、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラプロピルシリケート、テトラブチルシリケートのうちの少なくとも1種から選択される
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記反応器が、固定床、流動床、移動床反応器のうちの少なくとも1種から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記成形分子篩は、分子篩を打錠破砕成形する方法、分子篩をバインダーと混合して押出した後にカット成形する方法、分子篩をバインダーと混合してスプレー乾燥成形する方法のうちの1つの方法により製造され、
記分子篩が、MFI骨格構造を有する分子篩、MEL骨格構造を有する分子篩のうちの少なくとも1種から選択されまたは
記分子篩が、HZSM−5分子篩及び/又はHZSM−11分子篩である
ことを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項8】
工程(2)において、130℃〜500℃の温度で、反応器へ改質剤Iを含有する材料Aを導入し、前記改質剤Iは、リン試薬とシリル化試薬とを含有し、
程(2)において前記材料Aにおけるリン試薬とシリル化試薬との質量比が、シリル化試薬:リン試薬=1:2〜5:1であり、
程(3)において、焼成温度が500℃〜700℃であり、焼成時間が1〜6時間である
ことを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記触媒のin−situ製造方法は
(1)成形分子篩を反応器に入れる
(2)反応器へリン試薬とシリル化試薬とを含む改質剤を含有する材料Fを導入する
(3)反応器への材料Fの導入を停止し、反応器の温度を500℃以上に上昇して空気を導入して焼成する
(4)不活性ガスを導入してパージした後、反応器の温度を550℃以上に上昇し、水蒸気を含有する材料Gを導入して水蒸気処理を行
工程を含むことを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項10】
工程(2)において、130℃〜500℃の温度で、反応器へリン試薬シリル化試薬とを含む改質剤を含有する材料Fを導入し、
程(2)において、前記材料Fにおけるシリル化試薬とリン試薬との質量比が、シリル化試薬:リン試薬=1:2〜5:1であり、
程(3)において、焼成温度が500℃〜700℃であり、焼成時間が1〜6時間であり、
程(4)において、前記不活性ガスが、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスのうちの少なくとも1種から選択され、
程(4)において、水蒸気処理の温度が550℃〜800℃であり、処理時間が1〜10時間である
ことを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項11】
工程(4)における材料Gは、水蒸気とベンゼンとを含有することを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項12】
反応Iを実行する方法であって、
前記方法は、メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとを含有する原料を、反応器において請求項1に記載の方法によってin−situ且つオンラインで製造された反応Iの触媒と接触させて、軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産し、
前記反応Iは、メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する反応である、あるいは、
前記反応Iは、メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとから、p−キシレンを製造する反応である、あるいは、
前記反応Iは、メタノールとトルエンとから、p−キシレンを製造する反応である、
ことを特徴とする、方法。
【請求項13】
前記原料を前記触媒と接触させ、反応温度が350℃〜650℃であり、
記メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとを含有する原料において、メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとの比は、メタノール及びジメチルエーテルの炭素数:トルエンのモル数=0.5〜10であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
物質流れIを反応システムにおいて触媒と接触させ、物質流れIIを得、物質流れIIからCオレフィン又はC5+鎖状炭化水素を分離して前記反応システムに戻し、物質流れIIから軽質オレフィン及びp−キシレンを分離して製品とし、
前記物質流れIは、メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとを含有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記反応システムは、第1の反応ゾーンと第2の反応ゾーンとを含み、物質流れIを第1の反応ゾーン内で触媒と接触させて物質流れII−Aを得、物質流れII−AからCオレフィン又はC5+鎖状炭化水素を分離して第2の反応ゾーン内に導入して触媒と接触させて物質流れII−Bを得、
物質流れII−BからCオレフィン又はC5+鎖状炭化水素を分離して第2の反応ゾーンに戻し、
物質流れII−A及び物質流れII−Bから分離した軽質オレフィン及びp−キシレンを製品とする
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記反応システムは、第1の反応ゾーンと第2の反応ゾーンとを含み、前記物質流れIを第1の反応ゾーン内で触媒と接触させて物質流れII−Aを得、前記物質流れII−Aを分離システムに導入してCオレフィン又はC5+鎖状炭化水素、軽質オレフィン及びp−キシレンを分離し、
前記分離システムから分離したCオレフィン又はC5+鎖状炭化水素を第2の反応ゾーン内に導入して触媒と接触させて物質流れII−Bを得、前記物質流れII−Bを前記分離システムに導入し、
前記分離システムから分離した軽質オレフィン及びp−キシレンを製品とする
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記反応システムは、第1の反応ゾーンと第2の反応ゾーンとを含み、前記第1の反応ゾーンは触媒Aを含有し、前記第2の反応ゾーンは触媒Bを含有し、
前記触媒Aは、リン試薬及びシリル化試薬で変性されたHZSM−5分子篩触媒であり、その製造工程は
(A1)130℃〜500℃で、リン試薬、シリル化試薬及びトルエンの混合物を、HZSM−5分子篩を入れた第1の反応ゾーンに導入し、
(A2)500℃以上に昇温し、空気雰囲気で1〜6時間焼成して、前記触媒Aを得る
ことを含み、
前記触媒Bは、シリル化試薬で変性されたHZSM−5分子篩触媒であり、その製造工程は
(B1)120℃〜250℃で、シリル化試薬とメタノールの混合物を、HZSM−5分子篩を入れた第2の反応ゾーンに導入し、
(B2)500℃以上に昇温し、空気雰囲気で1〜6時間焼成して、前記触媒Bを得る
ことを含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記反応システムは1つの反応器あるいは直列及び/又は並列に接続されている複数の反応器を含み、
記反応器が、固定床、流動床又は移動床のうちの少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記反応システムは、第1の反応ゾーンと第2の反応ゾーンとを含み、前記第1の反応ゾーン及び前記第2の反応ゾーンが同一反応器内にある、或いは、
前記反応システムは、第1の反応ゾーンと第2の反応ゾーンとを含み、前記第1の反応ゾーンは、1つの反応器あるいは直列及び/又は並列に接続されている複数の反応器を含み、前記第2の反応ゾーンは、1つの反応器あるいは直列及び/又は並列に接続されている複数の反応器を含み、
記原料の総フィード空間速度が0.1h−1〜10h−1または0.8h−1〜3h−1であり、
記原料においてトルエンのモル含有量が5mol%〜50mol%である
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
反応IIを実行する方法であって、
前記方法は、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとを含有する原料を、反応器において請求項1に記載の方法によってin−situ及びオンライン製造された下記反応IIの触媒と接触させて、トルエンを製造しp−キシレンを併産し、
反応IIは、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとからトルエン、p−キシレン、軽質オレフィンのうちの少なくとも1種を製造する反応であり、
リル化試薬及び水蒸気を反応器における成形分子篩と接触させ、前記反応IIの触媒をin−situ製造し、前記反応器は、前記反応IIの反応器であり、
記反応器が、固定床、流動床、移動床反応器のうちの少なくとも1種から選択され、
記反応IIの反応温度が350℃〜600℃または400℃〜500℃であり、
記メタノールとベンゼンとを含有する原料中、メタノールとベンゼンとのモル比が、メタノール:ベンゼン=(0.5〜2):1であることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、トルエン、p−キシレン及び軽質オレフィンのうちの少なくとも1種を製造するための触媒をインサイチュ(in−situ)で製造する方法、及びトルエン、p−キシレン及び軽質オレフィンのうちの少なくとも1種を製造する反応プロセスに関し、化学工学分野に属する。
【背景技術】
【0002】
エチレン及びプロピレンは、膨大な石油化工産業の基礎原料であり、ほとんどの有機化工製品がエチレン及びプロピレンから派生する。p−キシレン(PX)は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)及びPTT(ボリトリメチレンテレフタレート)などのポリエステルを生産する原料である。近年、ポリエステルは、衣服紡織、飲料包装などの分野での大量の使用につれて、PTA(高純度テレフタル酸)及びその上流側製品であるPXの生産及び消費が急速に増長してきた。現在、PXの由来は、主にナフサ改質により得られたトルエン、C9の芳香族炭化水素及び混合キシレンを原料として用い、不均化、異性化、さらに吸着分離又は深冷分離によって製造され、設備の投資が大きく、操作費用が高い。生成物におけるp−キシレンの含有量が熱力学により制御されるため、p−キシレンはキシレン異性体中の20%程度しか占めず、3種類のキシレン異性体の沸点の差が非常に小さく、普通の蒸留技術では高純度のp−キシレンを得ることができず、高価な吸着分離プロセスを用いなけらばならない。
【0003】
USP 3,911,041、USP 4,049,573、USP 4,100,219などの特許には、リン、マグネシウム、シリコンなどで変性されたHZSM−5触媒で、メタノールの転化によってオレフィンを製造する反応が開示されている。USP 5,367,100及びUSP 5,573,990には、中科院大連化学物理研究所がリン、ランタンで変性されたHZSM−5分子篩触媒を用いてメタノール又はジメチルエーテルから軽質オレフィンを製造する反応が開示されている。20世紀70年代から、国内外ではトルエンとメタノールとのアルキル化によってp−キシレンを製造する技術の研究を始め、当該方法は、安価で入手しやすいトルエン、メタノールを原料として、一次反応の生成物におけるPXの選択率が高く、その生産過程において高価な吸着分離技術の使用を避けることができ、簡単な結晶分離により高純度のp−キシレンを得ることができ、生成物におけるベンゼンの含有量が低い。主に金属及び/又は非金属で変性されたHZSM−5分子篩触媒を用いた。USP 4,250,345には、リン及びマグネシウムの2つの元素で変性されたZSM−5分子篩触媒を用い、450℃の条件下、p−キシレンの最適選択率が〜98%であった。中国特許CN101485994Aには、Pt、Si、Mg、P及び混合希土類元素で共に修飾されたZSM−5触媒が報告されており、トルエンとメタノールとのモル比が2/1、反応温度が460℃である場合、トルエンの転化率が>20%、PXの選択率が>98%であった。中国特許CN102716763Aには、P、Ni元素で変性及びSiOで沈着変性されたHZSM−5分子篩触媒が開示されており、当該触媒を用い、固定床反応器においてトルエンとメタノールとのアルキル化反応を行い、トルエンの転化率が〜31%、PXの選択率が〜91%であった。
【0004】
上記報告から明らかなように、HZSM−5分子篩触媒で、メタノールの転化による軽質オレフィンの製造反応を実行することができるとともに、メタノールとトルエンとのアルキル化によるp−キシレンの製造反応を実行することもできる。しかし、2つの反応過程が異なるため、それらの触媒の物理化学性質も大きく異なっている。したがって、適宜な変性方法により、メタノールの転化による軽質オレフィンの製造及びメタノールとトルエンとのアルキル化によるp−キシレンの製造の2つの反応の要求を同時に満足できる触媒を製造すれば、同一触媒で軽質オレフィン(エチレン、プロピレン)及びp−キシレンを同時に生産することが実現可能となる。中国特許CN101417236Aには、トルエンとメタノールとのアルキル化によってp−キシレン及び軽質オレフィンを製造する流動床用触媒が開示されており、アルカリ土類金属、非金属、希土類金属及びシロキサン系化合物で修飾されたHZSM−5分子篩触媒を用い、キシレン生成物におけるPXの選択率が99%となり、C〜C非凝縮性ガスにおけるエチレン及びプロピレンの選択率が90%を超えたが、トルエンの転化率が〜20%に過ぎず、かつ、メタノールの転化率が言及されていない。また、当該触媒の製造過程が複雑であり、複数回の変性、焼成過程が必要とされている。
【0005】
したがって、過程が簡単で、取扱いしやすい、p−キシレンを製造し又は軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産するための触媒のオンライン製造方法の開発が非常に重要な意味及び顕著な実用性を有する。
【発明の概要】
【0006】
本願の1つの態様によれば、過程が簡単で、取扱いしやすい触媒のin−situ製造方法を提供し、前記触媒は、メタノール及び/又はジメチルエーテルを含有する原料からp−キシレン、トルエン及び/又は軽質オレフィンを製造するための触媒である。反応システムにおいて触媒の製造を直接に行うことにより、化工生産全体の流れを簡略化し、触媒の製造及び搬送工程を省略し、取扱いしやすく、従来の化工分野においてまず触媒生産手段で完成品触媒を作製してから化工生産手段に搬送し、触媒を充填してから機械を動かして生産を始める伝統的な生産モードを打ち破り、多相触媒分野の大規模工業化生産における技術偏見を克服した。
【0007】
当該触媒のin−situ製造方法であって、改質剤を反応器における分子篩と接触させ、メタノール及び/又はジメチルエーテルを含有する原料からp−キシレン、トルエン及び/又は軽質オレフィンを製造するための触媒をin−situ製造し、
前記反応器は、メタノール及び/又はジメチルエーテルを含有する原料からp−キシレン、トルエン及び/又は軽質オレフィンを製造するための反応器である。
【0008】
好ましくは、前記改質剤が、下記の少なくとも1種を含む。
改質剤I:リン試薬及びシリル化試薬
改質剤II:シリル化試薬
改質剤III:シリル化試薬及び水蒸気
改質剤IV:リン試薬、シリル化試薬及び水蒸気。
【0009】
好ましくは、前記触媒は、下記少なくとも1種の反応の触媒である。
反応I:メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する
反応II:メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとからトルエン、p−キシレン、軽質オレフィンのうちの少なくとも1種を製造する。
【0010】
好ましくは、前記反応器は、反応I又は反応IIのうちの少なくとも一方の反応が発生する反応器である。
【0011】
1つの好ましい実施形態として、前記反応Iは、メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとからp−キシレンを製造する反応である。
【0012】
1つのさらに好ましい実施形態として、前記反応Iは、メタノールとトルエンとからp−キシレンを製造する反応である。
【0013】
1つの実施形態として、前記反応IIは、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する反応である。
【0014】
1つの好ましい実施形態として、前記反応IIは、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとからトルエンを製造しp−キシレンを併産する反応である。
【0015】
1つの好ましい実施形態として、前記反応IIは、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとからp−キシレンを製造し軽質オレフィンを併産する反応である。
【0016】
1つのさらに好ましい実施形態として、前記反応IIは、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとからp−キシレンを製造する反応である。
【0017】
1つのさらにより好ましい実施形態として、前記反応IIは、メタノールとベンゼンとからp−キシレンを製造する反応である。
【0018】
1つの実施形態として、前記リン試薬が、有機ホスフィン化合物のうちの少なくとも1種から選択される。好ましくは、前記リン試薬が、式Iで表される化学式を有する化合物のうちの少なくとも1種から選択され、
【化1】

ここで、R、R、Rは独立してC〜C10のアルキル基又はC〜C10のアルコキシ基から選択される。
【0019】
さらに好ましくは、前記式Iにおいて、R、R、Rは独立してC〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基から選択される。
【0020】
好ましくは、前記式Iにおいて、R、R、Rのうちの少なくとも1つが、C〜C10のアルコキシ基から選択される。さらに好ましくは、前記式I中、R、R、Rのうちの少なくとも1つが、C〜Cのアルコキシ基から選択される。更さらに好ましくは、前記式Iにおいて、R、R、Rは同様にアルコキシ基である。
【0021】
1つの実施形態として、前記リン試薬が、トリメトキシホスフィン、トリエトキシホスフィン、トリプロポキシホスフィン、トリブトキシホスフィン、メチルジエトキシホスフィンのうちの少なくとも1種から選択される。
【0022】
1つの実施形態として、前記シリル化試薬が、有機ケイ素化合物のうちの少なくとも1種から選択される。好ましくは、前記シリル化試薬が、式IIで表される化学式を有する化合物のうちの少なくとも1種から選択され、
【化2】

ここで、R、R、R、Rは独立してC〜C10のアルキル基又はC〜C10のアルコキシ基から選択される。
【0023】
さらに好ましくは、前記式IIにおいて、R、R、R、Rは独立してC〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基から選択される。
【0024】
好ましくは、前記式IIにおいて、R、R、R、Rのうちの少なくとも一方が、C〜C10のアルコキシ基から選択される。さらに好ましくは、前記式IIにおいて、R、R、R、Rのうちの少なくとも一方が、C〜Cのアルコキシ基から選択される。更さらに好ましくは、前記式IIにおいて、R、R、R、Rは同様にアルコキシ基である。
【0025】
1つの実施形態として、前記シリル化試薬が、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラプロピルシリケート、テトラブチルシリケートのうちの少なくとも1種から選択される。
【0026】
好ましくは、前記反応器が、固定床、流動床、移動床反応器のうちの少なくとも1種から選択される。
【0027】
好ましくは、前記分子篩は反応器種類に応じて成形した後の成形分子篩である。
前記成形分子篩は分子篩で構成されているか、あるいは、
前記成形分子篩中に分子篩及びバインダーを含有する。
【0028】
選択可能な実施形態として、前記成形分子篩は、分子篩を打錠破砕成形する方法、分子篩をバインダーと混合して押出した後にカット成形する方法、分子篩をバインダーと混合してスプレー乾燥成形する方法のうちの一種の方法によって製造される。
【0029】
好ましくは、前記分子篩が、MFI骨格構造を有する分子篩、MEL骨格構造を有する分子篩のうちの少なくとも1種から選択される。
【0030】
さらに好ましくは、前記分子篩が、HZSM−5分子篩及び/又はHZSM−11分子篩である。
【0031】
好ましくは、前記分子篩におけるシリコンアルミニウム比(原子比)Si/Alが5〜35である。
【0032】
好ましくは、前記触媒のin−situ製造方法は、少なくとも下記工程(1)〜(3)を含む。
(1)成形分子篩を反応器に入れる
(2)反応器へ改質剤を含有する材料を導入する
(3)反応器への前記改質剤を含有する物質流れの導入を停止し、反応器の温度を400℃以上に上昇して空気を導入して焼成した後、前記触媒を得る。
【0033】
好ましくは、工程(2)における材料Aは、原料のうちの少なくとも1種と改質剤とを含有する。
【0034】
好ましくは、工程(2)における材料Aは、トルエン及び/又はベンゼンを含有する。
【0035】
好ましくは、工程(2)は、反応器へ改質剤Iを含有する材料Aを導入する工程であり、前記改質剤Iは、リン試薬とシリル化試薬とを含有する。
【0036】
さらに好ましくは、工程(2)における材料Aは、改質剤Iとトルエンとを含有する。
【0037】
好ましくは、工程(2)は、130℃〜500℃条件下、反応器へリン試薬とシリル化試薬とを含有する材料Aを導入する工程である。
【0038】
好ましくは、材料Aは、リン試薬、シリル化試薬及びトルエンを含有する。
【0039】
さらに好ましくは、工程(2)において前記材料Aにおけるリン試薬とシリル化試薬との質量比が、シリル化試薬:リン試薬=1:2〜5:1である。
【0040】
材料Aにおいて、リン試薬、シリル化試薬及びトルエンを除き、リン試薬及びシリル化試薬の分子篩に対する変性効率を向上できて触媒の反応性能に影響を与えない他の試薬を含むことは除外しない。好ましくは、工程(2)において、前記材料A中、リン試薬が材料Aの総重量に対して1wt%〜10wt%であり、シリル化試薬が材料Aの総重量に対して1wt%〜40wt%であり、トルエンが材料Aの総重量に対して50wt%〜98wt%である。さらに好ましくは、工程(2)において、前記材料A中、リン試薬が材料Aの総重量に対して2wt%〜10wt%であり、シリル化試薬が材料Aの総重量に対して8wt%〜40wt%であり、トルエンが材料Aの総重量に対して50wt%〜90wt%である。
【0041】
当業者は、実際の生産における具体的な要求に応じて、工程(2)において反応器へ材料Aを導入する空間速度及び時間を調整することができる。
【0042】
好ましくは、工程(2)において、反応器へ材料Aを導入する総重量空間速度が0.5h−1〜2h−1である。
【0043】
好ましくは、工程(2)において、反応器へ材料Aを導入する時間が30min〜225minである。
【0044】
好ましくは、工程(3)において、反応器への材料Aの導入を停止した後、不活性ガスでパージした後に、さらに昇温して焼成を行う。さらに好ましくは、前記不活性ガスが、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスのうちの少なくとも1種から選択される。
【0045】
好ましくは、工程(3)において、焼成温度が500℃〜700℃であり、焼成時間が1〜6時間である。
【0046】
好ましくは、工程(2)において、反応器へ改質剤IIを含有する材料Bを導入し、前記改質剤IIはシリル化試薬を含有する。
【0047】
さらに好ましくは、工程(2)における材料Bは、メタノール、トルエン、ジメチルエーテルのうちの少なくとも1種と改質剤IIとを含有する。
【0048】
好ましくは、工程(2)において、反応器へ改質剤IIIを含有する材料を導入し、前記改質剤IIIは、シリル化試薬と水蒸気とを含有する。
【0049】
好ましくは、前記触媒のin−situ製造方法は、少なくとも下記の工程(1)〜(4)を含む。
(1)成形分子篩を反応器に入れる
(2)反応器へシリル化試薬を含有する材料Dを導入する
(3)反応器への材料Dの導入を停止し、反応器の温度を500℃以上に上昇して空気を導入して焼成する
(4)不活性ガスを導入してパージした後、反応器の温度を550℃以上に上昇し、水蒸気を含有する材料Eを導入して水蒸気処理を行った後、前記触媒を得る。
【0050】
さらに好ましくは、工程(2)における材料Dは、シリル化試薬とベンゼンとを含有する。
【0051】
さらに好ましくは、工程(2)における材料Dの重量空間速度が0.1h−1〜1h−1であり、材料Dを導入する時間が0.1〜5時間である。
【0052】
さらに好ましくは、工程(2)における材料Dの重量空間速度が0.2h−1〜0.4h−1であり、材料Dを導入する時間が0.5〜2時間である。
【0053】
さらに好ましくは、工程(4)における材料Eは水蒸気とベンゼンとを含有する。
【0054】
好ましくは、前記触媒のin−situ製造方法は、少なくとも下記の工程(1)〜(4)を含む。
(1)成形分子篩を反応器に入れる
(2)反応器へリン試薬とシリル化試薬とを含有する材料Fを導入する
(3)反応器への材料Fの導入を停止し、反応器の温度を500℃以上に上昇して空気を導入して焼成する
(4)不活性ガスを導入してパージした後、反応器の温度を550℃以上に上昇し、水蒸気を含有する材料Gを導入して水蒸気処理を行った後、前記触媒を得る。
【0055】
さらに好ましくは、工程(2)における材料Fは、リン試薬、シリル化試薬及びベンゼンを含有する。
【0056】
さらに好ましくは、工程(2)において、前記材料Fにおけるシリル化試薬とリン試薬との質量比が、シリル化試薬:リン試薬=1:2〜5:1である。
【0057】
さらに好ましくは、工程(3)において、焼成温度が500℃〜700℃であり、焼成時間が1〜6時間である。
【0058】
さらに好ましくは、工程(4)において、前記不活性ガスが、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスのうちの少なくとも1種から選択される。
【0059】
さらに好ましくは、工程(4)において、水蒸気処理の温度が550℃〜800℃であり、処理時間が1〜10時間である。
【0060】
さらに好ましくは、工程(4)における材料Gは、水蒸気とベンゼンとを含有する。
【0061】
好ましくは、工程(4)において、材料Gにおける水蒸気の重量空間速度が0.5h−1〜5h−1である。
【0062】
さらに好ましくは、工程(4)において、材料Gにおける水蒸気の重量空間速度が1h−1〜3h−1である。
【0063】
水蒸気を含有する材料Gは、100%の水蒸気であってもよいし、不活性ガス及び/又はその他の、水蒸気の変性効率を向上(調節)できて触媒の反応性能に影響を与えない試薬であってもよい。
【0064】
好ましくは、工程(4)において、水蒸気処理の温度が550℃〜800℃であり、処理時間が1〜10時間である。
【0065】
好ましくは、工程(2)において、前記材料A中、リン試薬が材料Aの総重量に対して1wt%〜10wt%であり、シリル化試薬が材料Aの総重量に対して1wt%〜40wt%であり、トルエンが材料Aの総重量に対して50wt%〜98wt%である。
【0066】
好ましくは、工程(2)において、前記材料F中、リン試薬が材料Fの総重量に対して1wt%〜10wt%であり、シリル化試薬が材料Fの総重量に対して1wt%〜40wt%であり、ベンゼンが材料Fの総重量に対して50wt%〜98wt%である。
好ましくは、工程(3)において、焼成温度が500℃〜700℃であり、焼成時間が1〜6時間である。
【0067】
好ましくは、工程(2)において、130℃〜500℃条件下、反応器へ改質剤を含有する材料を導入する。
【0068】
好ましくは、工程(2)において、200℃〜400℃条件下、反応器へ改質剤を含有する材料を導入する。
【0069】
本願のもう1つの態様によれば、メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとを含有する原料を反応器中で上記いずれか1項に記載の方法によってin−situ製造された、軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産するための触媒と接触させ、軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産することを特徴とする、メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する(反応I)方法を提供する。
【0070】
すなわち、変性後に触媒の焼成が終了した後、直接に焼成温度から反応温度に降温し、軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する反応を開始する。化工分野に固有の生産方式に比べて、触媒変性後の洗浄分離過程、焼成後に室温まで降温する触媒冷却過程、触媒搬送工程、触媒充填工程、触媒を反応器に入れた後に必要な高温予備活性化工程などを省略し、生産効率を大幅に向上させ、上記省略した工程において発生可能な安全問題を避けた。より重要なのは、反応器を焼成温度から反応温度に降温した直後、反応を開始することができ、熱エネルギーが十分に利用され、生産におけるエネルギー消耗を大幅に節約することができる。
【0071】
当該反応Iの実行方法であって、メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとを含有する原料を反応器中で上記の1つの態様に記載の方法においてin−situ及びオンライン製造された反応Iの触媒と接触させ、軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産し、
反応I:メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する。
【0072】
1つの好ましい実施形態として、前記反応Iは、メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンからp−キシレンを製造する反応である。
【0073】
1つの好ましい実施形態として、前記反応Iは、メタノールとトルエンとからp−キシレンを製造する反応である。
【0074】
1つの好ましい実施形態として、リン試薬及びシリル化試薬を反応器における分子篩と接触させ、前記反応Iの触媒をin−situ製造する。
【0075】
前記反応器は、反応Iが発生する反応器である。
【0076】
好ましくは、前記原料を前記触媒と接触させ、反応温度が350℃〜650℃である。
【0077】
好ましくは、前記原料を前記触媒と接触させ、反応温度が400℃〜500℃である。
【0078】
好ましくは、前記メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとを含有する原料中、メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとの比は、メタノールとジメチルエーテルの炭素数:トルエンのモル数=0.5〜10である。
【0079】
選択可能な実施形態として、前記反応原料は、メタノールとトルエンとを含有し、メタノールは触媒上にジメチルエーテルに転化する可能性があり、すなわち、メタノール及びジメチルエーテルは原料における役割が共通であるので、実際に導入される反応原料がメタノールとトルエンとを含有し、反応器の触媒上にメタノール、ジメチルエーテル及びトルエンが同時に存在することがよくある。以下の原料は、メタノールとトルエンを例としているが、原料中にジメチルエーテルを含有する場合は除外しない。計算において、ジメチルエーテルの炭素原子モル数がメタノールのモル数に相当する。
【0080】
前記メタノールとトルエンとを含有する原料中、メタノールとトルエンのモル比が、メタノール:トルエン=0.5〜20:1である。好ましくは、前記メタノールとトルエンとを含有する原料中、メタノールとトルエンのモル比が、メタノール:トルエン=1〜15:1である。さらに好ましくは、前記メタノールとトルエンとを含有する原料中、メタノールとトルエンのモル比が、メタノール:トルエン=5〜15:1である。実際の生産において、具体的な生産要求に応じて、原料中のメタノールとトルエンの割合を調節することで、生成物中の軽質オレフィンとp−キシレンの割合を調節することができる。概ね、原料中のメタノール/トルエンの割合を高くすると、生成物中のオレフィンの含有量が高くなり、原料中のメタノール/トルエンの割合を低くすると、生成物中のp−キシレンの含有量が高くなる。
【0081】
好ましくは、メタノールとトルエンとを含有する原料の総重量空間速度が1h−1〜3h−1である。
【0082】
好ましくは、物質流れIを反応システムにおいて触媒と接触させ、物質流れIIを得、物質流れIIからCオレフィン又はC5+鎖状炭化水素を分離して前記反応システムに戻し、物質流れIIから軽質オレフィン及びp−キシレンを分離して製品とする。
【0083】
前記物質流れIは、メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとを含有する。
【0084】
さらに好ましくは、前記反応システムは、第1の反応ゾーンと第2の反応ゾーンとを含み、物質流れIを、第1の反応ゾーン内で触媒と接触させて物質流れII−Aを得、物質流れII−AからCオレフィン又はC5+鎖状炭化水素を分離して第2の反応ゾーン内に導入して触媒と接触させて物質流れII−Bを得、
物質流れII−BからCオレフィン又はC5+鎖状炭化水素を分離して第2の反応ゾーンに戻し、
物質流れII−A及び物質流れII−Bから分離した軽質オレフィン及びp−キシレンを製品とする。
さらに好ましくは、前記反応システムは、第1の反応ゾーンと第2の反応ゾーンとを含み、前記物質流れIを第1の反応ゾーン内で触媒と接触させて物質流れII−Aを得、前記物質流れII−Aを分離システムに導入してCオレフィン、軽質オレフィン及びp−キシレンを分離し、
前記分離システムから分離したCオレフィンを第2の反応ゾーン内に導入して触媒と接触させて物質流れII−Bを得、前記物質流れII−Bを前記分離システムに導入し、
前記分離システムから分離した軽質オレフィン及びp−キシレンを製品とする。
【0085】
さらに好ましくは、前記反応システムは、第1の反応ゾーンと第2の反応ゾーンとを含み、前記物質流れIを第1の反応ゾーンにおいて触媒と接触させて物質流れII−Aを得、前記物質流れII−Aを分離システムに導入して、前記分離システムからC5+鎖状炭化水素、軽質オレフィン及びp−キシレンを送り出し、
前記分離システムから分離したC5+鎖状炭化水素を第2の反応ゾーン内に導入して触媒と接触させて物質流れII−Bを得、前記物質流れII−Bを前記分離システムに導入し、
前記分離システムから送り出された軽質オレフィン及びp−キシレンを製品とする。
【0086】
好ましくは、前記反応システムは、第1の反応ゾーンと第2の反応ゾーンとを含み、前記第1の反応ゾーン及び第2の反応ゾーンはいずれも触媒Aを含有し、
前記触媒Aは、リン試薬及びシリル化試薬で変性されたHZSM−5分子篩触媒であり、その具体的な製造工程は以下の通りであり、
(A1)130℃〜500℃で、リン試薬及びシリル化試薬を、HZSM−5分子篩を入れた第1の反応ゾーンに導入する
(A2)500℃以上に昇温し、空気雰囲気で1〜6時間焼成して、前記触媒Aを得る。
【0087】
好ましくは、前記反応システムは、第1の反応ゾーンと第2の反応ゾーンとを含み、前記第1の反応ゾーンは触媒Aを含有し、前記第2の反応ゾーンは触媒Bを含有する。
【0088】
さらに好ましくは、前記触媒Aは、リン試薬及びシリル化試薬で変性されたHZSM−5分子篩触媒を含有し、その具体的な製造工程は以下の通りである。
(A1)130℃〜500℃で、リン変性試薬、シリル化試薬及びトルエンの混合物を、HZSM−5分子篩を入れた第1の反応ゾーンに導入し、
(A2)500℃以上に昇温して、空気雰囲気で1〜6時間焼成して、前記触媒Aを得る。
さらに好ましくは、前記触媒Bは、シリル化試薬で変性されたHZSM−5分子篩触媒であり、その具体的な製造工程は以下の通りである。
(B1)120℃〜250℃で、シリル化試薬とメタノールの混合物を、HZSM−5分子篩を入れた第2の反応ゾーンに導入し、
(B2)500℃以上に昇温して、空気雰囲気で1〜6時間焼成して、前記触媒Bを得る。
【0089】
好ましくは、前記反応システムは、1つの反応器あるいは直列及び/又は並列に接続されている複数の反応器を含む。
【0090】
さらに好ましくは、前記反応器が、固定床、流動床又は移動床のうちの少なくとも1種から選択される。
【0091】
好ましくは、前記反応システムは、第1の反応ゾーンと第2の反応ゾーンとを含み、前記第1の反応ゾーン及び前記第2の反応ゾーンが同一反応器内にある。
【0092】
好ましくは、前記反応システムは、第1の反応ゾーンと第2の反応ゾーンとを含み、前記第1の反応ゾーンは、1つの反応器あるいは直列及び/又は並列に接続されている複数の反応器を含み、前記第2の反応ゾーンは、1つの反応器あるいは直列及び/又は並列に接続されている複数の反応器を含む。
【0093】
さらに好ましくは、前記第1の反応ゾーンと前記第2の反応ゾーンとは、直列又は並列に接続されている。
【0094】
本願の1つの実施形態において、第1の反応ゾーンではメタノールの転化反応及びトルエンとメタノールとのアルキル化反応を行い、第2の反応ゾーンでは形状選択的芳香族化反応を行う。
【0095】
好ましくは、前記原料の総フィード空間速度が0.1h−1〜10h−1である。
【0096】
好ましくは、前記原料の総フィード空間速度が0.8h−1〜3h−1である。
【0097】
好ましくは、前記原料においてトルエンのモル含有量が5mol%〜50mol%である。
【0098】
好ましくは、前記原料においてトルエンのモル含有量が20mol%〜40mol%である。
【0099】
好ましくは、リン試薬及びシリル化試薬を反応器における分子篩と接触させ、前記軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産するための触媒をin−situし、
前記反応器は、軽質オレフィンを製造しp−キシレン併産する反応器である。
【0100】
本願のもう1つの態様によれば、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとを含有する原料を反応器中で上記いずれか1項に記載の方法によってin−situ製造された反応IIの触媒と接触させ、トルエン、p−キシレン及び/又は軽質オレフィンを製造することを特徴とする、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとからトルエン、p−キシレン、軽質オレフィンのうちの少なくとも1種を製造する(反応II)方法を提供する。
【0101】
すなわち、改質剤Iから改質剤IVまでの変性が終了した後、直接に変性温度から反応温度に降温し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとからトルエン、p−キシレン、軽質オレフィンのうちの少なくとも1種を製造する反応を開始する。化工分野に固有の生産方式と比べて、触媒変性後の洗浄分離過程、焼成後に室温まで降温する触媒冷却過程、触媒搬送工程、触媒充填工程、触媒を反応器に入れた後に必要な高温予備活性化の工程などを省略し、生産効率を大幅に向上させ、上記省略された工程において発生可能な安全問題を避けた。より重要なのは、反応器は、焼成温度から反応温度に降温した直後、反応を始めることができ、熱エネルギーが十分に利用され、生産におけるエネルギー消耗を大幅に節約することができる。
【0102】
当該反応IIの実行方法であって、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとを含有する原料を、反応器中で請求項1〜40何れか一項に記載の方法によってin−situ及びオンライン製造された反応IIの触媒と接触させ、トルエンを製造しp−キシレンを併産し、
反応II:メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとからトルエン、p−キシレン、軽質オレフィンのうちの少なくとも1種を製造する。
好ましくは、シリル化試薬及び水蒸気を反応器における分子篩と接触させ、前記反応IIの触媒をin−situ製造し、
前記反応器は前記反応IIの反応器である。
【0103】
水蒸気による変性が終了した後、直接に水蒸気による変性温度から反応温度に降温し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する反応を開始する。化工分野に固有の生産方式と比べて、触媒変性後の洗浄分離過程、焼成後に室温まで降温する触媒冷却過程、触媒搬送工程、触媒充填工程、触媒を反応器に入れた後に必要な高温予備活性化の工程などを省略し、生産効率を大幅に向上させ、上記省略された工程において発生可能な安全問題を避けた。より重要なのは、反応器は、焼成温度から反応温度に降温した直後、反応を始めることができ、熱エネルギーが十分に利用され、生産におけるエネルギー消耗を大幅に節約することができる。
【0104】
本願の原料であるベンゼン及びメタノールについて、前記メタノールは、メタノール及び/又はジメチルエーテルのフィード形式を含む。メタノールは触媒においてジメチルエーテルに転化する可能性があり、すなわちメタノール及びジメチルエーテルは原料における役割が共通であるので、実際に導入される反応原料はメタノール及びトルエンであり、反応器の触媒においてメタノール、ジメチルエーテル及びトルエンが同時に存在することがよくある。以下の原料は、メタノール及びトルエンを例としているが、原料中にジメチルエーテルを含有する場合は排除しない。計算において、ジメチルエーテルの炭素原子モル数がメタノールのモル数に相当する。
【0105】
本願において、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産し、ここで、原料はベンゼンとメタノールとを含有し、メタノールはメタノール及び/又はジメチルエーテルを含む場合がある。特に説明がない限り、本願におけるメタノールはいずれも全部又は一部がジメチルエーテルにより置換されてもよく、メタノールの量に関して、ジメチルエーテルを同一炭素数のメタノールに換算して計算することができる。
【0106】
さらに好ましくは、前記反応器が、固定床、流動床、移動床反応器のうちの少なくとも1種から選択される。
【0107】
好ましくは、前記反応IIの反応温度が350℃〜600℃である。
【0108】
好ましくは、前記反応IIの反応温度が400℃〜500℃である。
【0109】
前記メタノールとベンゼンとを含有する原料中、メタノールとベンゼンとのモル比がメタノール:ベンゼン=0.5〜10:1である。好ましくは、前記メタノールとベンゼンとを含有する原料中、メタノールとベンゼンとのモル比がメタノール:ベンゼン=1〜5:1である。さらに好ましくは、前記メタノールとベンゼンとを含有する原料中、メタノールとベンゼンとのモル比がメタノール:トルエン=1〜2:1である。実際の生産において、具体的な生産要求に応じて、原料中のメタノールとベンゼンの割合を調節することで、生成物中の軽質オレフィンとトルエン、p−キシレンとの割合を調節することができる。概ね、原料中のメタノール/ベンゼン割合を高くすると、生成物中のオレフィン含有量が高くなり、原料中のメタノール/ベンゼン割合を低くすると、生成物中のトルエン及びp−キシレンの含有量が高くなる。
【0110】
好ましくは、前記メタノールとベンゼンとを含有する原料中、メタノールとベンゼンとのモル比が、メタノール:ベンゼン=(0.5〜2):1である。さらに好ましくは、前記メタノールとベンゼンとを含有する原料中、メタノールとベンゼンとのモル比が、メタノール:ベンゼン=(1〜1.5):1である。
【0111】
好ましくは、メタノールとベンゼンとを含有する原料の総重量空間速度が1h−1〜4h−1である。
【0112】
好ましくは、前記反応IIの触媒のin−situ製造方法は少なくとも下記の工程(1)〜(4)を含む。
(1)成形分子篩を反応器に入れる
(2)反応器へシリル化試薬とベンゼンとを含有する材料Dを導入する
(3)反応器への材料Dの導入を停止し、反応器の温度を500℃以上に上昇して空気を導入して焼成する
(4)不活性ガスを導入してパージした後、反応器の温度を550℃以上に上昇し、水蒸気を含有する材料Eを導入して水蒸気処理を行った後、前記反応IIの触媒を得る。
【0113】
好ましくは、前記反応IIの触媒のin−situ製造方法は少なくとも下記の工程(1)〜(4)を含む。
(1)成形分子篩を反応器に入れる
(2)反応器へリン試薬、シリル化試薬及びベンゼンを含有する材料Fを導入する
(3)反応器への材料Fの導入を停止し、反応器の温度を500℃以上に上昇して空気を導入して焼成する
(4)不活性ガスを導入してパージした後、反応器の温度を550℃以上に上昇し、水蒸気を含有する材料Gを導入して水蒸気処理を行った後、前記反応IIの触媒を得る。
【0114】
本願において、反応原料はメタノールを含有し、その中、原料であるメタノールは、メタノール及び/又はジメチルエーテルを含む場合がある。特に説明がない限り、本願におけるメタノールは、いずれもジメチルエーテルにより全部又は一部置換されていてもよく、メタノールの量に関しては、ジメチルエーテルを同炭素数のメタノールに換算して算出することができる。
【0115】
本願において、前記C〜C10、C〜Cなどとは、いずれも基に含まれる炭素数を指す。
【0116】
本願において、「アルキル基」は、アルカン化合物分子においていずれか1個の水素原子を失って形成した基である。前記アルカン化合物は、直鎖アルカン、分岐鎖アルカン、シクロアルカン、分岐鎖付きシクロアルカンを含む。
【0117】
本願において、前記「アルコキシ基」は、アルキルアルコール類化合物分子においてヒドロキシル基上の水素原子を失って形成した基である。
【0118】
本願において、前記「軽質オレフィン」とは、エチレン及びプロピレンを指す。
【0119】
本願において、前記「メタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエン」は、メタノールとトルエン、あるいはジメチルエーテルとトルエン、あるいはメタノール、ジメチルエーテル及びトルエンの3つの場合を含む。
【0120】
本願において、前記「メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼン」は、メタノールとベンゼン、あるいはジメチルエーテルとベンゼン、あるいはメタノール、ジメチルエーテル及びベンゼンの3つの場合を含む。
【0121】
特に説明がない限り、本願におけるメタノールは、いずれもジメチルエーテルにより全部又は一部置換されていてもよく、メタノールの量に関しては、ジメチルエーテルを同一炭素数のメタノールに換算して算出することができる。
【0122】
本願は、下記の有益な効果を含むが、これらに制限されない。
(1)本願が提供するトルエン、p−キシレン、軽質オレフィンのうちの少なくとも1種を製造するための触媒のin−situ製造方法は、従来の化工分野においてまず触媒生産手段で完成品触媒を作製してから化工生産手段に搬送し、触媒を充填してから機械を動かして生産を始める伝統的な生産モードを打ち破り、多相触媒分野の大規模工業化生産における技術偏見を克服した。
(2)本願が提供する、トルエン、p−キシレン、軽質オレフィンのうちの少なくとも1種を製造するための触媒のin−situ製造方法は、化工生産全体の流れを簡略化し、触媒の製造及び搬送工程を省略し、取り扱いやすい。
(3)本願が提供する、トルエン、p−キシレン、軽質オレフィンのうちの少なくとも1種を製造する方法は、化工分野に固有の生産方式に比べて、触媒変性後の洗浄分離過程、焼成後に室温まで降温する触媒冷却過程、触媒搬送工程、触媒充填工程、触媒を反応器に入れた後に必要な高温予備活性化工程などを省略し、生産効率が大幅に向上し、上記省略した工程において発生可能な安全問題を避けた。より重要なのは、反応器は、焼成温度から反応温度に降温した直後、反応を開始することができ、熱エネルギーが十分に利用され、生産におけるエネルギー消耗を大幅に節約した。
(4)本願が提供する、トルエン、p−キシレン、軽質オレフィンのうちの少なくとも1種を製造する方法は、触媒の製造から反応の進行まで、1つのシステム中でin−situ完成し、大規模化工生産において、触媒の製造過程における廃棄物の回収及び循環利用に有利であり、環境にやさしい。
(5)本願が提供するメタノール及び/又はジメチルエーテルとトルエンとからトルエン、p−キシレン、軽質オレフィンのうちの少なくとも1種を製造する方法は、メタノールの転化率が100%であり、キシレン中のp−キシレンの選択率が99.6wt%以上と高い。
(6)本願が提供するメタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとからトルエン、p−キシレン、軽質オレフィンのうちの少なくとも1種を製造する方法は、メタノールの転化率が100%であり、芳香族炭化水素生成物中の(トルエン+p−キシレン)の選択率が>85wt%であり、キシレン生成物中のp−キシレンの選択率>99.6wt%であり、C芳香族炭化水素中のp−キシレンの選択率>90wt%である。
【図面の簡単な説明】
【0123】
図1】本願の1つの実施形態によるプロセスフローチャートである。
図2】本願の1つの実施形態によるプロセスフローチャートである。
図3】本願の1つの実施形態によるプロセスフローチャートである。
図4】本願の1つの実施形態によるプロセスフローチャートである。
図5】本願の1つの実施形態によるプロセスフローチャートである。
図6】本願の1つの実施形態によるプロセスフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0124】
以下、実施例を参照しながら本願を詳しく説明するが、本願はこれらの実施例に制限されない。
【0125】
特に説明がない限り、本願が用いる原料及び試薬はいずれも市販から入手され、未処理のまま直接に使用し、用いる機器装置についてはメーカーが推奨した態様及びパラメータを用いた。
【0126】
実施例において、触媒磨耗指数は、沈陽合興機械電子有限公司のMS−C型磨耗指数測定装置により測定される。
【0127】
実施例において、固定床反応器の内径が1.5cmであり、固定流動床反応器の内径が3cmであり、循環流動床反応器の内径が12cmである。
【0128】
実施例1 固定床用HZSM−5成形分子篩サンプルの調製
【0129】
100gのHZSM−5ゼオライト分子篩原粉(南開大学触媒工場、Si/Al=30)を空気雰囲気で、550℃で4時間焼成した後、打錠成形して破砕し、選別して40〜60メッシュの粒子径の成形分子篩ペレットを得、FXHZSM−5−Aと記した。
【0130】
100gのHZSM−5ゼオライト分子篩原粉(南開大学触媒工場、Si/Al=5)を空気雰囲気で、550℃で4時間焼成した後、打錠成形して破砕し、選別して40〜60メッシュの粒子径の成形分子篩ペレットを得、FXHZSM−5−Bと記した。
【0131】
100gのHZSM−5ゼオライト分子篩原粉(南開大学触媒工場、Si/Al=10)を空気雰囲気で、550℃で4時間焼成した後、打錠成形して破砕し、選別して40〜60メッシュの粒子径の成形分子篩ペレットを得、FXHZSM−5−Cと記した。
【0132】
実施例2 固定床用HZSM−11成形分子篩サンプルの調製
【0133】
100gのHZSM−11ゼオライト分子篩原粉(南開大学触媒工場、Si/Al=35)を空気雰囲気で、550℃で4時間焼成した後、打錠成形して破砕し、選別して40〜60メッシュの粒子径の成形分子篩ペレットを得、FXHZSM−11−Aと記した。
【0134】
100gのHZSM−11ゼオライト分子篩原粉(南開大学触媒工場、Si/Al=12)を空気雰囲気で、550℃で4時間焼成した後、打錠成形して破砕し、選別して40〜60メッシュの粒子径の成形分子篩ペレットを得、FXHZSM−11−Bと記した。
【0135】
実施例3 流動床用HZSM−5成形分子篩サンプルの調製
【0136】
100gのHZSM−5ゼオライト分子篩原粉(南開大学触媒工場、Si/Al=30)をアルミニウム又はシリコン含有アモルファスバインダーと混合して、スプレー乾燥成形し、具体的な工程は、以下の通りである。
【0137】
HZSM−5ゼオライト分子篩原粉、擬ベーマイト、シリカゾル、キサンタンガム(バイオグルー)および水と均一に混合し、かき混ぜ、コロイドミリング、脱泡を経てスラリーを得た。スラリー中の各成分の重量部数は以下の通りである。
【0138】
得られたスラリーをスプレー乾燥により成形し、粒子径分布が20〜100μmのミクロスフェアペレットサンプルを得た。ミクロスフェアペレットサンプルをマッフル炉中で550℃で3時間焼成した後、磨耗指数が1.2のHZSM−5成形分子篩を得、FLHZSM−5−Aと記した。
【0139】
実施例4 流動床用HZSM−5成形分子篩サンプルの調製
【0140】
具体的な製造条件及び工程が実施例3と同様であるが、原料HZSM−5ゼオライト分子篩原粉の使用量が10kgであることに異なり、得られたミクロスフェアペレットサンプルの粒子径分布が20〜120μmであり、磨耗指数が1.2であり、FLHZSM−5−Bと記した。
【0141】
具体的な製造条件及び工程が実施例3と同様であるが、原料HZSM−5ゼオライト分子篩原粉のシリコンアルミニウム比Si/Alが10であることに異なり、得られたミクロスフェアペレットサンプルの粒子径分布が20〜100μmであり、磨耗指数が1.2であり、FLHZSM−5−Cと記した。
【0142】
実施例5 固定床用触媒FXCAT−1の製造及び反応評価
【0143】
マイクロ固定床反応装置内でメタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0144】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの窒素ガスで550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの混合液を微量フィードポンプでフィードし、トリメトキシホスフィン:テトラエチルシリケート:トルエン(重量比)=5:20:75とし、トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの総重量空間速度を1h−1とし、常圧であった。90minフィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージした後、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成し、軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を作製し、FXCAT−1と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度が450℃に降温し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する反応を行い、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料メタノール:トルエン(モル比)=10:1とし、メタノールとトルエンの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、60min反応したときにサンプルを採集して分析した。反応結果を表1に示す。
【表1】
【0145】
実施例6 固定床用触媒FXCAT−2の製造及び反応評価
【0146】
マイクロ固定床反応装置内でメタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0147】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aをマイクロ固定床反応器に入れて、まず50mL/minの窒素ガスで550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの混合液を微量フィードポンプでフィードし、トリメトキシホスフィン:テトラエチルシリケート:トルエン(重量比)=10:40:50とし、トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの総重量空間速度を1h−1とし、常圧であった。45minフィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−2と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する反応を行い、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料メタノール:トルエン(モル比)=10:1とし、メタノールとトルエンとの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、60min反応したときにサンプルを採集して分析した。反応結果を表2に示す。
【表2】
【0148】
実施例7 固定床用触媒FXCAT−3の製造及び反応評価
【0149】
マイクロ固定床反応装置内でメタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0150】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aをマイクロ固定床反応器に入れて、まず50mL/minの窒素ガスで550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの混合液を微量フィードポンプでフィードし、トリメトキシホスフィン:テトラエチルシリケート:トルエン(重量比)=2:8:90とし、トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの総重量空間速度を1h−1とし、常圧であった。225minフィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−3と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する反応を行い、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料メタノール:トルエン(モル比)=10:1とし、メタノールとトルエンとの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、60min反応したときにサンプルを採集して分析した。反応結果を表3に示す。
【表3】
【0151】
実施例8 固定床用触媒FXCAT−4の製造及び反応評価
【0152】
マイクロ固定床反応装置内でメタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0153】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aをマイクロ固定床反応器に入れて、まず50mL/minの窒素ガスで550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で300℃に降温した。トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの混合液を微量フィードポンプでフィードし、トリメトキシホスフィン:テトラエチルシリケート:トルエン(重量比)=5:20:75とし、トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの総重量空間速度を1h−1とし、常圧であった。90minフィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−4と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する反応を行い、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料メタノール:トルエン(モル比)=10:1とし、メタノールとトルエンとの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、60min反応したときにサンプルを採集して分析した。反応結果を表4に示す。
【表4】
【0154】
実施例9 固定床用触媒FXCAT−5の製造及び反応評価
【0155】
マイクロ固定床反応装置内でメタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0156】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aをマイクロ固定床反応器に入れて、まず50mL/minの窒素ガスで550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で450℃に降温した。トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの混合液を微量フィードポンプでフィードし、トリメトキシホスフィン:テトラエチルシリケート:トルエン(重量比)=5:20:75とし、トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの総重量空間速度を1h−1とし、常圧であった。90minフィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−5と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する反応を行い、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料メタノール:トルエン(モル比)=10:1とし、メタノールとトルエンとの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、60min反応したときにサンプルを採集して分析した。反応結果を表5に示す。
【表5】
【0157】
実施例10 固定床用触媒FXCAT−6の製造及び反応評価
【0158】
マイクロ固定床反応装置内でメタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0159】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aをマイクロ固定床反応器に入れて、まず50mL/minの窒素ガスで550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で150℃に降温した。トリメトキシホスフィン、テトラメチルシリケート及びトルエンの混合液を微量フィードポンプでフィードし、トリメトキシホスフィン:テトラメチルシリケート:トルエン(重量比)=5:20:75とし、トリメトキシホスフィン、テトラメチルシリケート及びトルエンの総重量空間速度を1h−1とし、常圧であった。90minフィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−6と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する反応を行い、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料メタノール:トルエン(モル比)=10:1とし、メタノールとトルエンとの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、60min反応したときにサンプルを採集して分析した。反応結果を表6に示す。
【表6】
【0160】
実施例11 固定床用触媒FXCAT−7の製造及び反応評価
【0161】
マイクロ固定床反応装置内でメタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0162】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−11−Aをマイクロ固定床反応器に入れて、まず50mL/minの窒素ガスで550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で300℃に降温した。トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの混合液を微量フィードポンプでフィードし、トリメトキシホスフィン:テトラエチルシリケート:トルエン(重量比)=5:20:75、トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの総重量空間速度を1h−1とし、常圧であった。90minフィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−7と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する反応を行い、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料メタノール:トルエン(モル比)=10:1とし、メタノールとトルエンとの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、60min反応したときにサンプルを採集して分析した。反応結果を表7に示す。
【表7】
【0163】
実施例12 流動床用触媒FLCAT−1の製造及び反応評価
【0164】
固定流動床反応装置内でメタノールとトルエンとからp−キシレンを製造し軽質オレフィンを併産する流動床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0165】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。10gの実施例3で製造された成形分子篩サンプルFLHZSM−5−Aを固定流動床反応器に入れて、まず50mL/minの窒素ガスで550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で300℃に降温した。トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの混合液を微量フィードポンプでフィードし、トリメトキシホスフィン:テトラエチルシリケート:トルエン(重量比)=5:20:75とし、トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの総重量空間速度を1h−1とし、常圧であった。90minフィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する流動床用触媒を得、FLCAT−1と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料メタノール:トルエン(モル比)=10:1とし、メタノールとトルエンとの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、60min反応したときにサンプルを採集して分析した。反応結果を表8に示す。
【表8】
【0166】
実施例13 固定床用触媒FXCAT−8の製造及び反応
【0167】
マイクロ固定床反応装置を用い、メタノールとトルエンとを原料として軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する。
【0168】
触媒のin−situ製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aをマイクロ固定床反応器に入れて、まず50mL/minの窒素ガスで550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で300℃に降温した。トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの混合液を微量フィードポンプでフィードし、トリメトキシホスフィン:テトラエチルシリケート:トルエン(重量比)=5:20:75とし、トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの総重量空間速度を1h−1とし、常圧であった。90minフィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−8と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する反応を行い、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料メタノール:トルエン(モル比)=10:1とし、メタノールとトルエンとの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表9に示す。
【表9】
【0169】
実施例14 固定床用触媒FXCAT−9の製造及び反応
【0170】
本願の1つの実施形態によれば、図1に示すように、物質流れIはメタノールとトルエンとを含み、メタノールとトルエンとを原料として軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産した。
【0171】
反応システムに5g(40〜60メッシュ)の実施例1で製造された成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aを入れて、まず50mL/minの窒素ガスで550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で300℃に降温した。トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの混合液を微量フィードポンプでフィードし、トリメトキシホスフィン:テトラエチルシリケート:トルエン(重量比)=5:20:75とし、トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの総重量空間速度を1h−1とし、常圧であった。90分間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−9と名付けた。
【0172】
物質流れIを反応システムに導入して触媒FXCAT−9と接触させて反応した。生成物を含有する物質流れIIが反応システムから離れて分離システムに入り、軽質オレフィン(エチレン及びプロピレン)、Cオレフィン、p−キシレン及びその他の成分を分離した。ここで、Cオレフィンを反応システムに戻し、軽質オレフィン(エチレン及びプロピレン)及びp−キシレンを製品とした。その他の成分を副生成物とした。
【0173】
反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、物質流れIの原料メタノール:トルエン(モル比)=10:1とし、メタノールとトルエンとの総重量空間速度を2h−1とし、反応温度を450℃とし、常圧であった。生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーによってオンライン分析し、表10に示す。
【表10】
【0174】
実施例15 固定床用触媒FXCAT−10の製造及び反応
【0175】
本願の1つの実施形態によれば、図2に示すように、物質流れIはジメチルエーテルとトルエンとを含み、ジメチルエーテルとトルエンとを原料として軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産した。
【0176】
実施例14と異なる点は分離システムにあり、その他は実施例14と同様にして、固定床用触媒を得、FXCAT−10と名付けた。本実施例の分離システムからC1〜3鎖状炭化水素、Cオレフィン、Cアルカン、C5+鎖状炭化水素、芳香族炭化水素を分離した。ここで、Cオレフィンを反応システムに戻した。C1〜3鎖状炭化水素からエチレン及びプロピレンを分離して、軽質オレフィン製品とした。芳香族炭化水素からp−キシレンを分離して、製品とした。その他の成分を副生成物とした。反応結果が実施例14と一致している(偏差が±1%以下)。
【0177】
実施例16 固定床用触媒FXCAT−11及び流動床FLCAT−12の製造及び反応
【0178】
本願の1つの実施形態によれば、図3に示すプロセスフローチャートにより、物質流れIはメタノールとトルエンとを含み、メタノールとトルエンとを原料として軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産した。
【0179】
第1の反応ゾーンにおいて、10つの固定床が並列されており、第2の反応ゾーンにおいて1つの流動床がある。
【0180】
50g(40〜60メッシュ)の実施例1で製造された成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aを第1の反応ゾーンの10つの固定床内に入れて、1つの固定床当たり5g充填し、各々の固定床において、まず50mL/minの窒素ガスで550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で300℃に降温した。トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの混合液を微量フィードポンプでフィードし、トリメトキシホスフィン:テトラエチルシリケート:トルエン(重量比)=5:20:75とし、トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの総重量空間速度を1h−1とし、常圧であった。90分間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−11と名付けた。
【0181】
50g(40〜60メッシュ)の実施例4で製造されたミクロスフェア分子篩サンプルFLHZSM−5−Bを第2の反応ゾーンの流動床内に入れて、まず500mL/minの窒素ガスで550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。テトラエチルシリケートとメタノールとの混合液を微量フィードポンプでフィードし、ガス化した後に第2の反応ゾーンの流動床内に入り、テトラエチルシリケート:メタノール(重量比)=40:60とし、テトラエチルシリケートとメタノールとの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。3時間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成し、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FLCAT−12と名付けた。
【0182】
第1の反応ゾーンにおいてメタノールの転化反応及びトルエンとメタノールとのアルキル化反応を行い、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料メタノール:トルエン(モル比)=10:1とし、メタノールとトルエンとの総重量空間速度を2h−1とし、反応温度を450℃とし、常圧であった。物質流れIを第1の反応ゾーンの固定床に導入して触媒FXCAT−11と接触させ、物質流れII−Aを得、物質流れII−Aが第1の反応ゾーンから離れて分離システムに入る。分離システムからエチレン、プロピレン、Cオレフィン及びp−キシレンを分離した。分離システムから分離したCオレフィンを第2の反応ゾーンの流動床内に導入して触媒FXCAT−12と接触させ、2番目の反応ゾーンにおいて流動床による形状選択的芳香族化反応を行い、反応温度が450℃であった。2番目の反応ゾーンで物質流れII−Bを得、物質流れII−Bが第2の反応ゾーンから離れて分離システムに入る。分離システムから分離したエチレン及びプロピレンを軽質オレフィン製品とし、p−キシレンを製品とした。その他の成分を副生成物とした。
【0183】
第2の反応ゾーンの炭化水素類生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーによってオンライン分析し、表11に示す。Cオレフィン成分を除外した後の製品分布を表12に示す。1番目の反応ゾーン及び2番目の反応ゾーンにおける混合炭化水素類生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーによってオンライン分析し、Cオレフィン成分を除外した後の製品分布を表13に示す。
【表11】

【表12】

【表13】
【0184】
実施例17 触媒FXCAT−13及びFLCAT−14の製造及び反応
【0185】
本願の1つの実施形態によれば、図4に示すように、物質流れIはジメチルエーテル、メタノール及びトルエンを含み、ジメチルエーテル、メタノール及びトルエンを原料として軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産した。
【0186】
実施例16と異なる点は、第1の反応ゾーンが1つの固定床であり、50gの分子篩サンプルFXHZSM−5−Aを充填したことにある。さらに、分離システムが異なり、本実施例の分離システムでは、C1〜3鎖状炭化水素、Cオレフィン、Cアルカン、C5+鎖状炭化水素、芳香族炭化水素を分離する。ここで、Cオレフィンを第2の反応ゾーンに戻す。C1〜3鎖状炭化水素からエチレン及びプロピレンを分離して、軽質オレフィン製品とした。芳香族炭化水素からp−キシレンを分離して、製品とした。その他の成分を副生成物とした。その他が実施例23と同様にして、固定床用触媒を得、FXCAT−13と名付け、流動床用触媒を得、FLCAT−14と名付けた。反応結果が実施例16と一致している(偏差が±1%以下)。
【0187】
実施例18 固定床用触媒FXCAT−15の製造及び反応
【0188】
本願の1つの実施形態によれば、図5に示すプロセスフローチャートにより、メタノールとトルエンとを原料として軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産した。物質流れIはメタノールとトルエンとを含む。
【0189】
反応システムにおいて、2つの固定床が図5に示すように反応システム部分に上下直列に配置されており、多段階フィードの方式を用い、物質流れIを上部の固定床からフィードし、リミルされたC5+鎖状炭化水素が下部の固定床に入った。
【0190】
10g(40〜60メッシュ)の実施例1で製造された成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aをそれぞれ2つの固定床に入れて、2つの固定床の充填量が同じであり、いずれも5gであった。触媒の製造過程は以下の通りである。各々の固定床において、50mL/minの窒素ガスで550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で300℃に降温した。トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの混合液を微量フィードポンプでフィードし、トリメトキシホスフィン:テトラエチルシリケート:トルエン(重量比)=5:20:75とし、トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの総重量空間速度を1h−1とし、常圧であった。90分間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成した。メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をin−situ製造し、FXCAT−15と記した。
【0191】
物質流れIを反応システム上部の固定床反応器に入れて、触媒FXCAT−15と接触させてメタノールの転化反応及びトルエンとメタノールの形状選択的アルキル化反応を行い、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料メタノール:トルエン(モル比)=10:1とし、メタノールとトルエンとの総重量空間速度を2h−1とし、反応温度を450℃とし、常圧であった。
【0192】
生成物を含有する物質流れIIが反応システムから離れて分離システムに入り、C1〜4鎖状炭化水素、C5+鎖状炭化水素及び芳香族炭化水素を分離した。ここで、C5+鎖状炭化水素を反応システム下部の固定床に戻し、触媒FXCAT−15と接触させて分解、形状選択的芳香族化などの反応を行い、反応システム下部の固定床の反応温度が630℃であった。C1〜4鎖状炭化水素からエチレン及びプロピレンを分離して、軽質オレフィン製品とした。芳香族炭化水素からp−キシレンを分離して、製品とした。その他の成分を副生成物とした。
【0193】
生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーによってオンライン分析し、表14に示す。
【表14】
【0194】
実施例19 固定床用触媒FXCAT−16の製造及び反応
【0195】
本願の1つの実施形態によれば、図6に示すプロセスフローチャートにより、メタノールとトルエンとを原料として軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産した。物質流れIはメタノールとトルエンとを含む。
【0196】
第1の反応ゾーンは1つの固定床であり、第2の反応ゾーンは1つの固定床である。
【0197】
5g(40〜60メッシュ)の実施例1で製造された成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aをそれぞれ第1の反応ゾーンの固定床及び第2の反応ゾーンの固定床に入れ、触媒の製造過程が同じであり、各々の固定床反応器中の触媒は、50mL/minの窒素ガスで550℃下で1時間処理され、その後、窒素ガス雰囲気で300℃に降温した。トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの混合液を微量フィードポンプでフィードし、トリメトキシホスフィン:テトラエチルシリケート:トルエン(重量比)=5:20:75とし、トリメトキシホスフィン、テトラエチルシリケート及びトルエンの総重量空間速度を1h−1とし、常圧であった。90分間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成した。上記過程に従い、1番目の固定床反応ゾーン及び2番目の固定床反応ゾーンのそれぞれにメタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造し、FXCAT−16と記した。
【0198】
物質流れIを第1の反応ゾーンの固定床に入れて触媒FXCAT−16と接触させてメタノールの転化反応及びトルエンとメタノールの形状選択的アルキル化反応を行い、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料メタノール:トルエン(モル比)=10:1とし、メタノールとトルエンとの総重量空間速度を2h−1とし、反応温度を450℃とし、常圧であった。生成物を含有する物質流れII−Aが第1の反応ゾーンの固定床から離れて分離システムに入る。分離システムからC1〜4鎖状炭化水素、C5+鎖状炭化水素及び芳香族炭化水素を分離した。
【0199】
分離システムから分離したC5+鎖状炭化水素を第2の反応ゾーンの固定床に入れて、触媒FXCAT−16と接触させて分解し、形状選択的芳香族化などの反応を行い、第2の反応ゾーンの固定床の反応温度が630℃であり、生成物を含有する物質流れII−Bが第2の反応ゾーンの固定床から離れて分離システムに入る。
【0200】
分離システムから分離したC1〜4鎖状炭化水素から、エチレン及びプロピレンを分離して、軽質オレフィン製品とした。芳香族炭化水素からp−キシレンを分離して、製品とした。その他の成分を副生成物とした。
【0201】
第2の反応ゾーンの炭化水素類生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーによってオンライン分析し、表15に示す。C5+鎖状炭化水素成分を除外した後の製品分布を表16に示す。1番目の反応ゾーン及び2番目の反応ゾーンの混合炭化水素類生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーによってオンライン分析し、C5+鎖状炭化水素成分を除外した後の製品分布を表17に示す。
【表15】

【表16】

【表17】
【0202】
実施例20 流動床用触媒FXCAT−17の製造及び反応
【0203】
本願の1つの実施形態によれば、フローチャートが実施例19と同様であり、図6に示す。異なる点は、原料、反応器にある。
【0204】
本実施例において、物質流れIはジメチルエーテル、メタノール及びトルエンを含み、ジメチルエーテル、メタノール及びトルエンを原料として軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産した。
【0205】
本実施例において第1の反応ゾーンは1つの流動床であり、1kgの実施例4における分子篩サンプルFLHZSM−5−Cが充填されている。第2の反応ゾーンは1つの流動床であり、1kgの同一実施例4における分子篩サンプルFLHZSM−5−Cが充填されている。触媒の製造過程は以下の通りである。各々の流動床反応器中の触媒を、10L/minの窒素ガスで550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で300℃に降温した。その他は実施例19と同様にして、固定床用触媒を得、FLCAT−17と名付けた。反応結果が実施例19と一致している(偏差が±1%以下)。
【0206】
実施例21 固定床用触媒FXCAT−18の製造及び反応評価
【0207】
マイクロ固定床反応装置内でメタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0208】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Cを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。テトラエチルシリケートを微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケートの重量空間速度を0.2h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−18と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表18に示す。
【表18】
【0209】
実施例22 固定床用触媒FXCAT−19の製造及び反応評価
【0210】
マイクロ固定床反応装置内でメタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0211】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Cを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。テトラエチルシリケートを微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケートの重量空間速度を0.1h−1とし、常圧であった。2時間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−19と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表19に示す。
【表19】
【0212】
実施例23 固定床用触媒FXCAT−20の製造及び反応評価
【0213】
マイクロ固定床反応装置内でメタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0214】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Cを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。テトラエチルシリケートを微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケートの重量空間速度を0.4h−1とし、常圧であった。0.5時間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−20と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表20に示す。
【表20】
【0215】
実施例24 固定床用触媒FXCAT−21の製造及び反応評価
【0216】
マイクロ固定床反応装置内でメタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0217】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Cを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で300℃に降温した。テトラエチルシリケートを微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケートの重量空間速度を0.2h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−21と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表21に示す。
【表21】
【0218】
実施例25 固定床用触媒FXCAT−22の製造及び反応評価
【0219】
マイクロ固定床反応装置内でメタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0220】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Cを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で450℃に降温した。テトラエチルシリケートを微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケートの重量空間速度を0.2h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−22と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表22に示す。
【表22】
【0221】
実施例26 固定床用触媒FXCAT−23の製造及び反応評価
【0222】
マイクロ固定床反応装置内でメタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0223】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Cを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で300℃に降温した。テトラエチルシリケートを微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケートの重量空間速度を0.2h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で800℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、2時間フィードした後にフィードを停止し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−23と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表23に示す。
【表23】
【0224】
実施例27 固定床用触媒FXCAT−24の製造及び反応評価
【0225】
マイクロ固定床反応装置内でメタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0226】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Cを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で300℃に降温した。テトラエチルシリケートを微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケートの重量空間速度を0.2h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で600℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、8時間フィードした後にフィードを停止し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−24と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表24に示す。
【表24】
【0227】
実施例28 固定床用触媒FXCAT−25の製造及び反応評価
【0228】
マイクロ固定床反応装置内でメタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0229】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−11−Bを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。テトラエチルシリケートを微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケートの重量空間速度を0.2h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−25と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表25に示す。
【表25】
【0230】
実施例29 固定床用触媒FXCAT−26の製造及び反応評価
【0231】
マイクロ固定床反応装置内でメタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0232】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Cを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で150℃に降温した。テトラメチルシリケートを微量フィードポンプでフィードし、テトラメチルシリケートの重量空間速度を0.2h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−26と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表26に示す。
【表26】
【0233】
実施例30 流動床用触媒FLCAT−27の製造及び反応評価
【0234】
固定流動床反応装置内でベンゼンとメタノールとのアルキル化によってp−トルエンを製造しp−キシレンを併産する流動床用触媒をオンライン製造した。
【0235】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。10gの成形分子篩サンプルFLHZSM−5−Cを固定流動床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。テトラエチルシリケートを微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケートの重量空間速度を0.2h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する流動床用触媒を得、FLCAT−27と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表27に示す。
【表27】
【0236】
実施例31 固定床用触媒FXCAT−28の製造及び反応評価
【0237】
マイクロ固定床反応装置内でメタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0238】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Cを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。テトラエチルシリケートを微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケートの重量空間速度を0.2h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−28と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、ベンゼンとメタノールとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表28に示す。
【表28】
【0239】
実施例32 固定床用触媒FXCAT−29の製造及び反応評価
【0240】
マイクロ固定床反応装置内でベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0241】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの混合液を微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケート:トリメトキシホスフィン(質量比)=2とし、トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの総重量空間速度を0.1h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、空気雰囲気で550℃に昇温し、4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−29と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表29に示す。
【表29】
【0242】
実施例33 固定床用触媒FXCAT−30の製造及び反応評価
【0243】
マイクロ固定床反応装置内でベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0244】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの混合液を微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケート:トリメトキシホスフィン(質量比)=4とし、トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの総重量空間速度を0.1h−1とし、常圧であった。1.5時間フィードした後にフィードを停止し、空気雰囲気で550℃に昇温し、4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−30と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表30に示す。
【表30】
【0245】
実施例34 固定床用触媒FXCAT−31の製造及び反応評価
【0246】
マイクロ固定床反応装置内でベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0247】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの混合液を微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケート:トリメトキシホスフィン(質量比)=1とし、トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの総重量空間速度を0.1h−1とし、常圧であった。1.5時間フィードした後にフィードを停止し、空気雰囲気で550℃に昇温し、4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−31と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表31に示す。
【表31】
【0248】
実施例35 固定床用触媒FXCAT−32の製造及び反応評価
【0249】
マイクロ固定床反応装置内でベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0250】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で250℃に降温した。トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの混合液を微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケート:トリメトキシホスフィン(質量比)=2とし、トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの総重量空間速度を0.1h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、空気雰囲気で550℃に昇温し、4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−32と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表32に示す。
【表32】
【0251】
実施例36 固定床用触媒FXCAT−33の製造及び反応評価
【0252】
マイクロ固定床反応装置内でベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0253】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で300℃に降温した。トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの混合液を微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケート:トリメトキシホスフィン(質量比)=2とし、トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの総重量空間速度を0.1h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、空気雰囲気で550℃に昇温し、4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−33と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表33に示す。
【表33】
【0254】
実施例37 固定床用触媒FXCAT−34の製造及び反応評価
【0255】
マイクロ固定床反応装置内でベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0256】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの混合液を微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケート:トリメトキシホスフィン(質量比)=2とし、トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの総重量空間速度を0.1h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、空気雰囲気で550℃に昇温し、4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で800℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、2時間フィードした後にフィードを停止し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−34と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表34に示す。
【表34】
【0257】
実施例38 固定床用触媒FXCAT−35の製造及び反応評価
【0258】
マイクロ固定床反応装置内でベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0259】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの混合液を微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケート:トリメトキシホスフィン(質量比)=2とし、トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの総重量空間速度を0.1h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、空気雰囲気で550℃に昇温し、4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で600℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、8時間フィードした後にフィードを停止し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−35と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表35に示す。
【表35】
【0260】
実施例39 固定床用触媒FXCAT−36の製造及び反応評価
【0261】
マイクロ固定床反応装置内でベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0262】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−11−A触媒を打錠成形、破砕して40〜60メッシュのものを選別し、5g(40〜60メッシュ)の触媒を固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの混合液を微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケート:トリメトキシホスフィン(質量比)=2とし、トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの総重量空間速度を0.1h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、空気雰囲気で550℃に昇温し、4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−36と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表36に示す。
【表36】
【0263】
実施例40 固定床用触媒FXCAT−37の製造及び反応評価
【0264】
マイクロ固定床反応装置内でベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0265】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。トリメトキシホスフィンとテトラメチルシリケートとの混合液を微量フィードポンプでフィードし、テトラメチルシリケート:トリメトキシホスフィン(質量比)=2とし、トリメトキシホスフィンとテトラメチルシリケートとの総重量空間速度を0.1h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、空気雰囲気で550℃に昇温し、4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−37と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表37に示す。
【表37】
【0266】
実施例41 流動床用触媒FLCAT−38の製造及び反応評価
【0267】
固定流動床反応装置内でベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する流動床用触媒をオンライン製造した。
【0268】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。10gの成形分子篩サンプルFLHZSM−5−Aを固定流動床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの混合液を微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケート:トリメトキシホスフィン(質量比)=2とし、トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの総重量空間速度を0.1h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、空気雰囲気で550℃に昇温し、4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する流動床用触媒を得、FLCAT−38と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、メタノール及び/又はジメチルエーテルとベンゼンとのアルキル化によってトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表38に示す。
【表38】
【0269】
実施例42 固定床用触媒FXCAT−39の製造及び反応評価
【0270】
マイクロ固定床反応装置内でベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0271】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの混合液を微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケート:トリメトキシホスフィン(質量比)=2とし、トリメトキシホスフィンとテトラエチルシリケートとの総重量空間速度を0.1h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−39と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表39に示す。
【表39】
【0272】
実施例43 固定床用触媒FXCAT−40の製造及び反応評価
【0273】
マイクロ固定床反応装置内でベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0274】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。5g(40〜60メッシュ)の成形分子篩サンプルFXHZSM−5−Aを固定床反応器に入れて、まず50mL/minの空気で550℃下で1時間処理し、その後、窒素ガス雰囲気で200℃に降温した。テトラエチルシリケートを微量フィードポンプでフィードし、テトラエチルシリケートの重量空間速度を0.067h−1とし、常圧であった。1時間フィードした後にフィードを停止し、窒素ガスでパージし、550℃に昇温し、空気雰囲気で4時間焼成した。窒素ガス雰囲気で700℃に昇温し、水を微量フィードポンプでフィードし、水の重量空間速度を2h−1とし、常圧で、4時間フィードした後にフィードを停止し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−40と名付けた。その後、窒素ガス雰囲気で反応温度450℃に降温し、ベンゼンとメタノールとからトルエンを製造しp−キシレン及び軽質オレフィンを併産する反応を測定し、反応条件は以下の通りである。原料を微量フィードポンプでフィードし、原料ベンゼン:メタノール(モル比)=1:1とし、ベンゼンとメタノールの総重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析し、120min反応したときにサンプルを採集して分析する。反応結果を表40に示す。
【表40】
【0275】
実施例44 固定床用触媒FXCAT−41の製造及び反応評価
【0276】
装置、操作及び条件を実施例5と同様にし、ただ触媒の製造過程においてトリメトキシホスフィンに代えてメチルジエトキシリンを用いた点で異なり、その他の条件を変更せずに、メタノールとトルエンとから軽質オレフィンを製造しp−キシレンを併産する固定床用触媒を得、FXCAT−41と名付けた。反応評価条件を実施例5と同様にして、反応結果が実施例5と一致している(偏差が±1%以下)。
【0277】
実施例45 流動床用触媒FLCAT−42の製造及び反応評価
【0278】
固定流動床反応器においてトルエンとメタノールとのアルキル化によってp−キシレンを製造する流動床用触媒をオンライン製造した後、反応性能評価を行った。
【0279】
触媒のオンライン製造条件は以下の通りである。1kgの成形分子篩サンプルFLHZSM−5−Bを固定流動床反応器に入れて、反応器温度を300℃とし、テトラエチルシリケートとトルエン、メタノールとの混合物におけるテトラエチルシリケートの含有量が10wt%、かつトルエン:メタノール(モル比)=2:1であり、テトラエチルシリケートとトルエン、メタノールとの混合物の重量空間速度を2h−1とした。10時間フィードした後にフィードを停止し、トルエンとメタノールとのアルキル化によってp−キシレンを製造するための触媒を得、FLCAT−42と名付けた。
【0280】
FLCAT−42をオンライン製造した後、トルエンとメタノールとのアルキル化反応に切り換えて、反応条件は以下の通りである。反応温度を450℃とし、原料トルエン:メタノール(モル比)=2:1とし、トルエンとメタノールとの混合物の重量空間速度を2h−1とし、常圧であった。反応生成物をAgilent7890ガスクロマトグラフィーでオンライン分析した。反応結果を表1に示す。
【表41】
【0281】
上述したものは単に本願の幾つかの実施例に過ぎず、本願に対して何らの制限をするためではなく、本願は好適な実施例により上記のように掲げられているが、本願を制限するためではなく、当業者であれば、本願の技術的内容の範囲内から逸脱しない限り、上記掲げされている技術的内容に対して幾つかの変更又は修飾を行ったものはいずれも等価実施態様に属し、いずれも本願の技術的内容の範囲内に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6