(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6894539
(24)【登録日】2021年6月7日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】プルオフ式のスナップ嵌めキャップを備えた容器
(51)【国際特許分類】
B65D 41/17 20060101AFI20210621BHJP
【FI】
B65D41/17
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-570945(P2019-570945)
(86)(22)【出願日】2018年6月14日
(65)【公表番号】特表2020-524643(P2020-524643A)
(43)【公表日】2020年8月20日
(86)【国際出願番号】US2018037465
(87)【国際公開番号】WO2018236659
(87)【国際公開日】20181227
【審査請求日】2020年2月7日
(31)【優先権主張番号】15/631,027
(32)【優先日】2017年6月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513161449
【氏名又は名称】イーエルシー マネージメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビュゾー,エルベ
【審査官】
加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭61−146253(JP,U)
【文献】
実開昭61−194645(JP,U)
【文献】
実開昭64−055255(JP,U)
【文献】
実公昭47−022906(JP,Y1)
【文献】
米国特許第03982651(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 41/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁(6)、円周状の側壁(8)、及び頂壁(10)によって画定された容器部分(4)と、前記側壁(8)及び前記頂壁(10)の交差部に画定された円周状の肩部(12)と、前記頂壁(10)の中央部(16)から上方へ延びる首部(14)と、前記肩部(12)に隣接して前記頂壁(10)から上方へ延びるリフト傾斜部(18)と、を有するボトル(2)と、
前記首部(14)の少なくとも一部分に固定されて該一部分を囲むカラー(20)であって、上向きの周縁部(23)を画定する頂面(21)と、外方へ開いている円周状のスナップ溝(24)と、を有する外向きの側面(22)を有するカラーと、
キャップアセンブリ(26)と、を備え、前記キャップアセンブリ(26)が、
内面(30)、外面(32)、上端(34)、下端(36)、第1の内部寸法を有する上部(37)、及び前記第1の内部寸法より広い第2の内部寸法を有する下部(38)を備えた垂直な内側スリーブ(28)であって、前記上部(37)の前記第1の内部寸法から前記下部(38)の前記第2の内部寸法への前記内面(30)の移行部(39)が、下向きの停止壁(41)を画定し、前記内側スリーブ(28)の前記下部(38)の前記第2の内部寸法が、前記カラー(20)の周りに摺動係合でぴったりと嵌るように選択され、前記下部(38)の前記内面(30)が、前記カラー(20)上の前記スナップ溝(24)内にスナップ嵌め係合で受け入れられるように寸法設定された内向きのスナップビード(40)を有する、垂直な内側スリーブ(28)と、
外側キャップ(42)であって、頂端壁(44)と、前記頂端壁(44)から底端(48)へ垂下し、内表面(52)を有する下向きの空洞(50)を画定する円周状の外壁(46)と、前記底端(48)付近の前記内表面(52)から下方及び内方へ垂下し、下向きのスラスト傾斜部(56)で終わる支柱(54)と、前記頂端壁(44)から前記空洞(50)内へ垂下する円周状の内壁(58)であって、前記キャップアセンブリ(26)を前記カラー(20)上へ最初に取り付ける際、前記内壁(58)の内側面(60)が第1の一時的な上昇位置(62)で前記内側スリーブ(28)の前記外面(32)に最初に係合するように寸法設定され、前記下向きの停止壁(41)が前記上向きの周縁部(23)に当接し、前記スナップビード(40)が前記スナップ溝(24)に係合するまで前記キャップアセンブリ(26)が前記カラー(20)上へ下方に動かされるとき、前記上昇位置(62)に留まる円周状の内壁(58)とを備え、前記内側スリーブ(28)が、前記カラー(20)に対して下方へ動くのを止め、前記内壁(58)が、前記外壁(46)の前記底端(48)と前記ボトル(2)の前記肩部(12)との間の間隙(80)が実質的に閉じられるように、前記内側スリーブ(28)に対して前記内側スリーブ上の第2の恒久的な下部位置(64)まで下方へ引き続き動く、外側キャップ(42)と、
前記スラスト傾斜部(56)が、前記リフト傾斜部(18)に係合して前記リフト傾斜部(18)上をすべり上り、前記スナップビード(40)を前記スナップ溝(24)から解放するのに十分なほど、前記キャップアセンブリ(26)を前記ボトル(2)の前記頂壁(10)に対して持ち上げるまで、前記キャップアセンブリ(26)を前記ボトル(2)に対して回転させることによって、前記キャップアセンブリ(26)を前記ボトル(2)から容易に取り外すことができる、
組み合わせたボトル及びキャップアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記内側スリーブ(28)の前記下端(36)から前記外側キャップ(42)の前記外壁(46)の前記底端(48)に隣接する縁端(70)の方へ、前記空洞(50)が実質的に隠れるように外方へ延びるキャップライナ(68)をさらに有する、請求項1に記載の組み合わせたボトル及びキャップアセンブリ。
【請求項3】
前記キャップライナ(68)の前記縁端(70)が、前記支柱(54)の断面を収容するように寸法設定された外方へ開いている隙間(72)を有する、請求項2に記載の組み合わせたボトル及びキャップアセンブリ。
【請求項4】
前記内壁(58)の前記内側面(60)が、圧力嵌め係合によって前記内側スリーブ(28)の前記外面(32)に係合する、請求項1に記載の組み合わせたボトル及びキャップアセンブリ。
【請求項5】
前記内側スリーブ(28)の前記外面(32)の少なくとも一部分に位置する外向きのラチェット歯(74)の垂直配列と、前記ラチェット歯(74)に対向する前記内壁(58)に位置する内向きのつめ歯(76)の垂直配列とをさらに備え、前記つめ歯(76)は、前記内壁(58)を前記内側スリーブ(28)上の前記第1の一時的な上昇位置(62)及び前記第2の恒久的な下部位置(64)で保持するように、前記ラチェット歯(74)とのラチェット係合で受け入れられるように寸法設定される、請求項1に記載の組み合わせたボトル及びキャップアセンブリ。
【請求項6】
前記スナップビードが円周方向に連続する、請求項1に記載の組み合わせたボトル及びキャップアセンブリ。
【請求項7】
前記スナップビードが円周方向に不連続である、請求項1に記載の組み合わせたボトル及びキャップアセンブリ。
【請求項8】
前記ラチェット歯の垂直配列が円周方向に連続する、請求項5に記載の組み合わせたボトル及びキャップアセンブリ。
【請求項9】
前記ラチェット歯の垂直配列が円周方向に分割される、請求項5に記載の組み合わせたボトル及びキャップアセンブリ。
【請求項10】
前記内側スリーブ(28)が、前記内側スリーブ(28)の前記上端(34)を閉鎖する水平な上端壁(78)を有する、請求項1に記載の組み合わせたボトル及びキャップアセンブリ。
【請求項11】
前記つめ歯(76)及び前記ラチェット歯(74)の前記ラチェット係合が、前記内壁(58)を前記内側スリーブ(28)に対して下方向にのみ動かすように動作する、請求項5に記載の組み合わせたボトル及びキャップアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プルオフ式のスナップ嵌めキャップを備えた容器に関する。詳細には、本発明は、厳密な公差のプルオフ式のキャップを備えた容器を対象とし、そのようなキャップは、容器へのスナップ嵌め係合からキャップを自由にするのに十分なだけキャップを持ち上げるように相互作用する傾斜部を有する。
【背景技術】
【0002】
最近のキャップ及びボトルの組合せの形状は滑らかになる傾向があり、審美的な考慮が機能的な面に先行することが多い。消費者にとってより豪華で形が整った魅力あるほぼ継ぎ目のない外観を提供するために、表面は平滑であり、ボトルとキャップとの間の間隙は最小化される。そのような設計を作製及び使用することは、難題をもたらす可能性がある。たとえば製造側では、構成要素の精密なはめ合いを実現することは、プラスチック及びガラスなどの材料に対する製造公差の違いのため、困難になる可能性がある。ガラスから作製されたボトルは、成形及び材料公差の考慮のため、プラスチック構成要素より仕様に関して相当に大きい変動性を有することがある。したがって、プラスチックから作製されたキャップアセンブリをガラスボトルに取り付けるとき、構成要素のぴったり閉じたはめ合いを実現することは困難な可能性がある。たとえば、使用上の問題に関しては、より最近の設計の構成要素の平滑な表面及びぴったりとしたはめ合いは、キャップ又はボトルを把持するための十分な表面トポグラフィを提供することができないことがある。また、たとえばボトルとキャップとの間の間隙が最小化されるとき、消費者がボトルからキャップを引き離すためにキャップの下に指を挿入することが困難なことがある。したがって、場合により使用者がボトルからキャップを取り外すことが困難なことがある。
【0003】
したがって、組立て中に構成要素の締り嵌めを可能にし、また最終使用者が容易に開閉することができるボトル及びキャップの組合せが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、異なる材料の構成要素間の厳密な公差で容易に組み立てられるボトル及びキャップの組合せを提供することである。
【0005】
本発明のさらなる目的は、ボトルから簡単且つ容易に取り外し可能なキャップを作製することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来技術の問題を克服し、本発明の目的を達成するために、ボトル上での最初の組立て中に互いに対して調整可能な内側及び外側構成要素を備えたキャップアセンブリが提供される。内側構成要素が所定の停止点に到達するまでボトル上のカラーの上へ動き、この点で内側構成要素はスナップ嵌め係合によってボトルに固定される。次に、外側構成要素が内側構成要素上を下方へ動かされて、外側構成要素の底部とボトルの頂面との間に最小間隙が実現される。間隙が最小になったとき、使用者はキャップを持ち上げるために指をキャップの下に挿入することができないため、キャップを取り外すことは困難なことがある。したがって、キャップには下面に下向きの傾斜部が設けられ、ボトルには頂壁に上向きの傾斜部が設けられる。キャップがボトルに対して回転させられたとき、下向きの傾斜部は上向きの傾斜部に協働的に係合し、スナップ嵌め係合を解放してキャップをボトルから容易に持ち上げることを可能にするのに十分なほど、キャップをボトルから持ち上げる。
【0007】
本発明は、キャップを容器上にぴったりと配置することを可能にし、外側キャップの底部は常にボトルの肩部に極めて接近している。このようにして、キャップアセンブリとボトルとの間に生じうるあらゆる審美的又は機能的な間隙が最小化され又は除去される。本発明はまた、キャップアセンブリをボトルに対してねじったときにキャップを容易に開いて緩めることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明のボトル及びキャップアセンブリの正面及び部分断面図である
【
図2】ボトル上に最初に取り付ける前のキャップアセンブリの正面断面図である。
【
図3】組立ての第1段階にあるボトル及びキャップアセンブリの正面部分断面図である。
【
図4】組立ての第2ステップにあるボトル及びキャップアセンブリの正面部分断面図である。
【
図5】ボトル及びキャップアセンブリの分解図である。
【
図9】傾斜部の協働的係合によりキャップアセンブリをボトルとのスナップ嵌め係合から解放するのに十分なほどキャップが持ち上げられた後のボトル及びキャップアセンブリの正面部分断面図である。
【
図10】キャップアセンブリがボトルとのスナップ嵌め係合の状態にあるときの傾斜部の拡大立面図である。
【
図11】キャップアセンブリがボトルとのスナップ嵌め係合の状態から解放されたときの傾斜部の拡大立面図である。
【
図12】
図1に示す本発明の代替実施形態の図である。
【
図13】ボトル及びキャップアセンブリの正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1〜
図13を次に参照すると、ボトル及びキャップアセンブリ、又は容器が、全体として参照番号1で示されている。ボトル及びキャップアセンブリ1は、リザーバ5(
図13参照)を画定する容器部分4を有するボトル2を含む。容器部分4は、底壁6、円周状の側壁8、及び頂壁10によって画定される。側壁8と頂壁10の交差部に、円周状の肩部12が画定される。頂壁10の中央部16から上へ、首部14(
図13参照)が延びる。首部14は、リザーバ5とポンプ17との間の流体連通を提供する通路15(
図13参照)を画定する。肩部12に隣接して頂壁10から上へ、リフト傾斜部18が延びる。
【0010】
首部14の少なくとも一部分にカラー20が固定され、その部分を囲む。ポンプ17は、カラーに固定される。ポンプ17の頂部と流体連通するように、アクチュエータボタン25が可動に固定される。アクチュエータボタン25は、リザーバ5から製品を分注するためのノズル11を有する。カラーは、上向きの周縁部23を画定する頂面21と、外向きの側面22とを有する。側面22は、外方へ開いている円周状のスナップ溝24を有する。
【0011】
スナップ嵌め係合によってボトル2のカラー20に選択的に固定することができるキャップアセンブリ26が設けられる。キャップアセンブリ26は、垂直な内側スリーブ28を有し、本明細書では垂直な内側スリーブ28は内側構成要素とも呼ばれる。内側スリーブ28は、内面30、外面32、上端34、及び下端36を有する。内側スリーブ28の上部37は、第1の内部寸法を有する。内側スリーブの下部38は、上部37の第1の内部寸法より広い第2の内部寸法を有する。上部37の第1の内部寸法から下部38のより広い第2の内部寸法への内面30の移行部39が、下向きの停止壁41を画定する。内側スリーブ28の下部38の第2の内部寸法は、カラー20の周りに摺動係合でぴったりと嵌るように選択される。下部38の内面30は、カラー20上のスナップ溝24内にスナップ嵌め係合で受け入れられるように寸法設定された少なくとも一つの内向きのスナップビード40(
図2参照)を有する。好ましくは、内側スリーブ28には、円周方向に間隔をあけた不連続な配置の二つ以上のスナップビード40が設けられる。別法として、スナップビードは、内側スリーブ28上で円周方向に連続する単一のスナップビードとすることができる。
【0012】
キャップアセンブリ26はまた、外側構成要素、すなわち外側キャップ42を有し、外側キャップ42は、頂端壁44と、頂端壁44から底端48へ垂下する円周状の外壁46とを備える。外壁46は、内表面52を有する下向きの空洞50を画定する。外壁の底端48付近の内表面52から、支柱54が下方及び内方へ垂下する。支柱54は、たがね(チゼル)形の下向きのスラスト傾斜部56で終わる。外側キャップ42はまた、頂端壁44から空洞50内へ垂下する円周状の内壁58を有する。内壁58は、キャップアセンブリ26をカラー20上へ最初に取り付ける際、内壁58の内側面60が第1の一時的な上昇位置62(
図2〜
図4参照)で内側スリーブ28の外面32に最初に係合するように寸法設定される。下向きの停止壁41が上向きの周縁部23に当接するまでキャップアセンブリ26がカラー20上へ下方に動かされるとき(
図3参照)、内壁は上昇位置62内に留まり、スナップビード40はスナップ溝24に係合する。内側スリーブ28がカラー20に対して下方へ動くのを止めたとき、すなわち停止壁41がカラー20の周縁部23に当接したとき、外壁46の底端48とボトル2の肩部12との間の間隙
80が実質的に又は完全に閉じられるまで、内側スリーブ28上の第2の恒久的な下部位置64(
図1参照)へ、内壁58を内側スリーブ28に対して引き続き下方へ押し込むことができる。このようにして、外側構成要素、すなわち外側キャップ42は、内側構成要素、すなわち内側スリーブ28上のその最終位置へ動かされる。
【0013】
スラスト傾斜部56がリフト傾斜部18(
図10〜
図11参照)に係合して、リフト傾斜部18上をすべり上り、スナップビード40をスナップ溝24(
図9参照)から解放するのに十分なほど、キャップアセンブリ26をボトル2の頂壁10に対して持ち上げるまで、キャップアセンブリ26をボトル2に対して回転させることによって、キャップアセンブリ26をボトル2へのスナップ嵌め係合から容易に選択的に取り外すことができる。適切な機能を確実にするために、スナップビードとスナップ溝との間のスナップ嵌め係合又は解放に必要とされる力は、キャップアセンブリがボトルから容易に取り外し可能になるように、比較的小さくなるように選択される。また、内側スリーブを内壁に係合するために必要とされる力は、キャップアセンブリをボトル上に最初に取り付けた後、内側及び外側キャップアセンブリ構成要素がたとえばキャップの取り外し中に不注意で分離されないことを確実にするため、比較的大きい(すなわち、スナップ嵌め係合/解放の力より相当に大きい)。
【0014】
キャップアセンブリ26は、内側スリーブ28の下端36から縁端70へ外方に延びるキャップライナ68をさらに有することができる。縁端70は、好ましくは、キャップアセンブリ26がボトル2から取り外されてひっくり返されたとき、空洞50が実質的に視界から隠されるように、外側キャップ42の外壁46の底端48に隣接している。
【0015】
キャップライナ68の縁端70は、好ましくは、外方へ開いている間隙又は隙間72を有する(
図7に最もよく示す)。隙間72は、外側キャップ42の内表面52上の支柱54の断面を収容するように寸法設定される。
【0016】
内壁58の内側面60は、たとえば圧力嵌め係合、すなわち干渉嵌めによって、内側スリーブ28の外面32にしっかりと係合することができる(
図9参照)。干渉嵌めは、粗面特性若しくはトポグラフィ又はリブによって容易にすることができる。別法として、内側面60は、接着剤、溶着、又は他の好適な手段によって内側スリーブ28の外面32に接着することができる。
【0017】
好ましくは、内側スリーブ28の外面32の少なくとも一部分に、外向きの水平ラチェット歯74の垂直配列を設けることができ、ラチェット歯74に対向する内壁58に、内向きのつめ歯76の垂直配列を設けることができる。つめ歯76は、内壁58を内側スリーブ28上の第1の一時位置62及び第2の最終位置64で保持するように、ラチェット歯74とのラチェット係合で受け入れられるように寸法設定される。好ましくは、つめ歯76及びラチェット歯74のラチェット係合は、内壁58を内側スリーブ28に対して下方向にのみ動かすように動作する。ラチェット歯74の垂直配列内の歯はそれぞれ、内側スリーブ28の外面32上で円周方向に連続して位置することができる。又は、ラチェット歯74の垂直配列内の歯はそれぞれ、円周方向に分割することができる。
【0018】
内側スリーブ28は、内側スリーブ28の上端34を閉鎖してたとえばアクチュエータボタン25を囲む内側キャップを形成するための水平な上端壁78を有することができる。
【0019】
ボトル2は、たとえばガラス、金属、又はプラスチックなどの任意の好適な材料から作製することができる。カラー20並びに内側及び外側キャップアセンブリ26の構成要素は、たとえばポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、又は他の好適な材料などの好適なプラスチック材料から作製することができる。好ましくは、内側構成要素は、比較的柔軟なプラスチック材料から作製され、外側構成要素は、比較的硬質のプラスチック材料から作製される。
【0020】
本発明は、内側構成要素が容器に対して固定の位置でポンプカラーの周りにスナップ嵌めされる包装アセンブリにおいて典型的に見られるキャップと容器との間隙が、外側キャップから内側スリーブへのアセンブリを可動に摩擦嵌めすることによって除去され、組立て中に外側キャップを押し下げて、外側キャップが最も低い位置に達して容器の肩部に接触するまでの全行程で、外側キャップを内側スリーブの上に下方へスライドさせることができるという点が独特である。
【0021】
本発明は、キャップからカラーへのスナップ嵌めの除去力が小さく維持され、消費者にとって使用可能でありながら、外側キャップの内壁から内側スリーブへの大きな係合除去力を維持し、キャップアセンブリ全体の位置決め及び適切な組立てを確実にするという点が独特である。本発明は、外側キャップ又は内側スリーブのうち容器の表面に接触又は近接する部分の傾斜部の特徴(スラスト傾斜部)が、相互に配置されるボトルの傾斜部と相互作用し、キャップアセンブリがボトルに対して回転されたときにキャップアセンブリ全体を上方へ持ち上げることを可能にするという点がさらに独特である。これは、スナップ嵌め溝からスナップ嵌めビードを解放してキャップを自由にすることを容易にし、消費者が容器のポンプに又は容器に直接(ポンプが存在しない場合は分注通部15を介して)容易にアクセスすることを可能にする。
【0022】
以下の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、様々な部分の特有の形態及び構造に様々な修正及び変更を加えることができることが理解される。