【実施例】
【0046】
以下に実施例を挙げて、本願発明をさらに詳細に説明する。尚、本願発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例等における含有量は、特に断らない限り重量%を示す。
【0047】
実施例に先立ち、本発明で用いた効果試験方法について述べる。
【0048】
[紫外線防御効果]
各例の化粧料25mgを5cm×5cm四方のサージカルテープ(スリーエム ヘルスケア株式会社製 ブレンダーム サージカルテープ 型番:1525−2)上に均一に塗布し、分光光度計(日本分光株式会社製 V−660)を用いて、280nm〜400nmの紫外線吸光度(abs.)を測定した。それぞれ5回測定し、UVB領域(300nm)の吸光度の平均値とUVA領域(350nm)の吸光度の平均値から、下記の基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:UVB領域及びUVA領域で高い紫外線防御効果が確認された。
(300nmの吸光度が2.0以上かつ350nmの吸光度が1.2以上。)
○:UVB領域及び/又はUVA領域で紫外線防御効果がわずかに低下した。
(300nmの吸光度が1.5以上2.0未満及び/又は350nmの吸光度が1.0以上1.2未満。)
×:UVB領域及び/又はUVA領域で紫外線防御効果が明らかに低下した。
(300nmの吸光度が1.5未満及び/又は350nmの吸光度が1.0未満。)
【0049】
[加速試験による経時安定性]
(1)乳化粒子の経時安定性
各例の化粧料をプラスチック容器に充填し、40℃の恒温槽で3カ月間保存した。顕微鏡にて乳化粒子を観察し、下記の基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:初期の状態から差異が認められない。
○:初期の状態から乳化粒子がわずかに大きくなっているが、乳化状態を保っている。
×:初期の状態から乳化粒子が明らかに大きくなっている。
【0050】
(2)油性成分のしみ出し
各例の化粧料をプラスチック容器に充填し、40℃の恒温槽で3カ月間保存した。目視にて油性成分のしみ出しを確認し、下記の基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:油性成分のしみ出しはなく、初期の状態から差異が認められない。
○:わずかに油性成分のしみ出しが見られる。
×:多量の油性成分のしみ出しが見られる。
【0051】
[使用感]
(1)のびの良さ
専門パネル20名により、各例の化粧料について、肌に塗布する際ののびの良さについて使用テストを行ない、アンケートの結果から下記の基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:20名中、15名以上がのびが良いと回答した。
○:20名中、10〜14名がのびが良いと回答した。
△:20名中、5〜9名がのびが良いと回答した。
×:20名中、4名以下がのびが良いと回答した。
【0052】
(2)きしみ感のなさ
専門パネル20名により、各例の化粧料について、肌に塗布する際のきしみ感のなさについて使用テストを行ない、アンケートの結果から下記の基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:20名中、15名以上がきしみ感がないと回答した。
○:20名中、10〜14名がきしみ感がないと回答した。
△:20名中、5〜9名がきしみ感がないと回答した。
×:20名中、4名以下がきしみ感がないと回答した。
【0053】
(3)べたつきのなさ
専門パネル20名により、各例の化粧料について、肌に塗布した後のべたつきのなさについて使用テストを行ない、アンケートの結果から下記の基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:20名中、15名以上がべたつきがないと回答した。
○:20名中、10〜14名がべたつきがないと回答した。
△:20名中、5〜9名がべたつきがないと回答した。
×:20名中、4名以下がべたつきがないと回答した。
【0054】
表1〜表3に示す処方の油中水型乳化化粧料を調製し、紫外線防御効果、経時安定性、使用感の評価を前記の基準に従って行った。
【0055】
表1〜表3の処方により得られた油中水型乳化化粧料は、以下に示す製造方法により調製した。
(調製方法)
油相、水相をそれぞれ均一に分散した。油相へ水相を撹拌しながら徐々に添加し、常温にてホモミキサーを5000rpmで10分間運転することで乳化した。乳化後、脱泡して表1〜表3の各例の油中水型乳化化粧料を得た。
【0056】
【表1】
【0057】
表1に示す結果から、(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン、(B)疎水化シリカ、(C)沸点200℃未満の揮発性シリコーン、(D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーンを含有し、成分(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン中、シリカ被覆量が30重量%以上で疎水化処理剤の含有量が5重量%以上であり、成分(B)疎水化シリカは、吸油量が200ml/100g以下で平均粒径が1〜10μm、である化粧料(実施例1〜7)は、優れた紫外線防御効果と使用感を有することが分かる。一方、シリカ処理が30重量%に満たない酸化チタン及び/又は疎水化処理が5重量%に満たない酸化チタンを用いた化粧料(比較例1〜7)では、十分な紫外線防御効果や満足な使用感が得られなかった。
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
表2及び表3に示す結果から、(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン、(B)疎水化シリカ、(C)沸点200℃未満の揮発性シリコーン、(D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーンを含有し、成分(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン中、シリカ被覆量が30重量%以上で疎水化処理剤の含有量が5重量%以上であり、成分(B)疎水化シリカは、吸油量が200ml/100g以下で平均粒径が1〜10μm、である化粧料(実施例8〜20)は、優れた紫外線防御効果と使用感を有することが分かる。
【0061】
一方、(B)吸油量200ml/100g以下で、平均粒径が1〜10μmである疎水化シリカを含有しない化粧料(比較例8)は、満足な使用感が得られず、経時安定性も低下した。また、(C)沸点200℃未満の揮発性シリコーン又は(D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーンのいずれか一方のみしか含有しない化粧料(比較例9〜11)は、紫外線防御効果の低下や経時安定性の低下がみられ、(C)沸点200℃未満の揮発性シリコーン又は(D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーンのいずれか一方と、揮発性炭化水素又は非揮発性シリコーンを組み合わせた化粧料(比較例12〜14)は、経時安定性の低下や使用感の悪化がみられた。
【0062】
なお、表1〜表3中、以下に示す成分は下記製品を用いた。
※1 SMT−TS−04S (テイカ株式会社製)
※2 SMT−TS−01S (テイカ株式会社製)
※3 STR−100W−LP (堺化学工業株式会社製)
※4 マックスライト TS−04D (昭和電工株式会社製)
※5 マックスライト TS−043−D (昭和電工株式会社製)
※6 MT−02 (テイカ株式会社製)
※7 MT−01 (テイカ株式会社製)
※8 SA−SB−300 (三好化成工業株式会社製)
※9 KF−96A−1CS (信越化学工業株式会社製)
※10 KF−96L−2CS (信越化学工業株式会社製)
※11 シスロール DPSH (クローダジャパン株式会社製)
※12 NIKKOL Dacaglyn 5−HS (日光ケミカルズ株式会社製)
※13 SMT−TS−04 (テイカ株式会社製)
※14 STR−100W (堺化学工業株式会社製)
※15 SI−SB−150 (三好化成工業株式会社製)
※16 KF−995 (信越化学工業株式会社製)
【0063】
実施例21 クリーム状美白日やけ止め化粧料
含有成分 含有量(重量%)
油相
(1)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 10.00
(2)ラウロイルサルコシンイソプロピル 12.00
(3)オクタメチルトリシロキサン(沸点:153℃)※9 5.00
(4)デカメチルシクロペンタシロキサン(沸点:210℃)※16 10.00
(5)イソノナン酸イソノニル 5.00
(6)ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30※11 0.50
(7)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリル※12 0.30
(8)5%シリコーン処理31%シリカ被覆酸化チタン※1 5.00
(9)ジステアルジモニウムヘクトライト 1.50
(10)シリコーン処理シリカ※8 1.00
水相
(11)精製水 残量
(12)1,3−ブチレングリコール 10.00
(13)アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム 3.00
(14)クエン酸ナトリウム 3.00
(15)EDTA−4Na 0.10
(16)エタノール 4.00
(17)パラオキシ安息香酸メチル 0.20
【0064】
(調製方法)
成分(1)〜(7)を均一に混合した後、成分(8)〜(10)を加えてホモミキサーにて均一に分散した。これに成分(11)〜(17)の混合水溶液を加え、常温にてホモミキサーを5000rpmで10分間運転することにより乳化した。乳化後、脱泡して実施例21の油中水型乳化化粧料を得た。
【0065】
(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン、(B)疎水化シリカ、(C)沸点200℃未満の揮発性シリコーン、(D)沸点200℃以上250℃未満の揮発性シリコーンを含有し、成分(A)疎水化処理シリカ被覆酸化チタン中、シリカ被覆量が30重量%以上で疎水化処理剤の含有量が5重量%以上であり、成分(B)疎水化シリカは、吸油量が200ml/100g以下で平均粒径が1〜10μm、である実施例21の化粧料は、優れた紫外線防御効果を有するとともに、使用感が良く、経時安定性も高い油中水型乳化化粧料であった。