(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
本発明のフリーアクセスフロアに用いられ
るフロアパネルは、建築構造物の一部を構成するコンクリート床面の上方に、支持台を介してその床面から空間を隔てて第2の床面を形成するために設けられるものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図24から
図31は、従来のフロアパネル2について説明するために参照する図である。ここで、
図24は、従来のフロアパネル2を用いたフリーアクセスフロア4の敷設作業の途中段階における上面図であり、
図25は、
図24におけるフリーアクセスフロア4の側面の一部を拡大した部分拡大側面図である。
【0004】
従来のフロアパネル2は、
図24,25に示すように、コンクリート材により形成された床面3上に連結部材8を介して立設する支持台6に支持され、支持台6と共にフリーアクセスフロア4を構成するようになっていた。
【0005】
連結部材8は、
図24に示すように、同図中上下左右に3列ずつ並んで配置された9つの支持台6を支持する9つの支持部12と、これら9つの支持部12を図中上下方向又は左右方向に互いに連結する連結部10を備えて構成されていた(
図25参照)。
【0006】
そして、支持台6は、
図25に示すように、その下端部が連結部材8の支持部12に形成された凹部に上方から嵌入することにより、連結部材8を介して床面3上に立設して配置されていた。
【0007】
支持台6のそれぞれは、
図24中上下左右に隣接する別の支持台6との互いの中心部の間隔が、後述する上面14a(
図27,28参照)が略正方形に形成された天板14を有するフロアパネル2(パネル2A)の一辺の長さ寸法とほぼ同じ長さになるように、互いに離れて配置されていた。
【0008】
支持台6には、
図26に示すように、その上端面6aから同図中紙面奥側に深さを有するように開口して、後述するフロアパネル2の側板部16に係合可能な4本の溝部6bが形成されていた。
【0009】
4本の溝部6bの内の2本の溝部6bは、
図26中上下方向に互いに略平行に伸びるように配置され、他の2本の溝部6bは、
図26中左右方向に互いに略平行に伸びるように配置されていた。
【0010】
そして、
図26中上下方向に伸びる2本の溝部6bと、
図26中左右方向に伸びる2本の溝部6bは、支持台6の上端面6aの中央部において直交していた。
【0011】
また、
図26に示すように、溝部6bには、その長さ途中部において、溝部6bの片側の側面6dから溝部6bの内側に突出するリブ6cが形成されていた。このリブ6cは、弾力性及び可撓性を有しており、リブ6cを押圧して撓ませることにより元の形状に戻ろうとする反発力を発生するようになっていた。
【0012】
従来のフロアパネル2は、1枚の金属製の板状部材をプレス加工することによりその形状が形成されており、
図24に示すように、正方形のパネル2Aと、正方形のパネル2Aを2枚連結したような長方形のパネル2Bの2種類があった。
【0013】
そして、例えば正方形のフロアパネル2(パネル2A)は、
図27に示すように、略正方形の上面14aを有する板状に形成された天板部14と、この天板部14の四辺より略垂直下方に折曲げられて形成された4つの側板部16(
図30参照)を備えるよう構成されていた。
【0014】
また、天板部14には、
図27中左右方向に伸びて、その上面14aよりその厚さ方向(
図28中上下方向)の裏側に凹んだ長溝部14bが2つ形成されていた。これら2つの長溝部14bは、
図27中上下方向に互いに間隔を空けて略平行に配置されていた。
【0015】
また、
図27に示すように、フロアパネル2の外周部には、水平方向内側に略矩形状に切り欠かれたような開口部17が、天板部14から、その下方の側板部16に渡って開口するように形成されていた(
図28参照)。
【0016】
開口部17は、天板部14の四辺それぞれの端部において、天板部14を厚さ方向(
図28中上下方向)に貫通すると共に、その天板部14の下方の側板部16を高さ方向(
図28中上下方向)の途中まで切り欠いたように形成されていた。
【0017】
また、
図28に示すように、従来のフロアパネル2には、その側板部16の長さ方向(同図中左右方向)中央部に、その両端部の段差面16aよりその高さ方向(同図中上下方向)の寸法が大きくなるように突出した突出部16bが形成されていた。
【0018】
そして、長方形のパネル2Bも、天板部14の上面14aが略長方形に形成されている他は、
図27,及び
図28に示すような、正方形のパネル2Aと同様の構成をしていた。
【0019】
このような従来のフロアパネル2は、
図29に示すように、その側板部16の段差面16aが形成された長さ方向の端部が、支持台6の溝部6bに図中上方から嵌入して、天板部14の裏面14cが支持台6の上端面6aに接触することにより、床面3上の所定の高さ位置に着脱自在に支持されていた。
【0020】
そして、側板部16は、フロアパネル2が支持台6から上方に容易に抜け出さないように、支持台6の溝部6bの内側に形成されたリブ6cにより押圧されていた。
【0021】
図24に示すように、従来のフロアパネル2は、9つの支持台6上に、長方形のパネル2Bが、互いの天板部14の長辺同士を突き合わせて隣り合うように、図中左右方向に2枚並べて載置されていた。
【0022】
また、
図24に示すように、9つの支持台6に載置された2枚のフロアパネル2と、図中上下左右に隣接する、別の9つの支持台6に載置されたフロアパネル2との間を埋めるように、長方形のパネル2Bが載置されていた。そして、これら長方形のパネルの間を埋めるように正方形のパネル2Aが載置されていた。
【0023】
このため、従来のフロアパネル2は、フリーアクセスフロア4の敷設作業が完了すると、
図24中上下及び左右に隙間無く並んで配置され、床面3の上方に空間を隔てて第2の床面を形成するようになっていた。
【0024】
そして、フロアパネル2の天板部14と床面3の間の空間に配線ケーブル等を配置することができるようになっていた。
【0025】
そして、配線作業等の床下作業を行うために、敷設されたフロアパネル2を支持台6の溝部6bから取り外す際には、
図31に示すように、フロアパネル2の開口部17(
図27参照)にマイナスドライバー18の先端部を挿入し、天板部14の裏面14cにマイナスドライバー18の先端部を係合させて、マイナスドライバー18を図中矢印の方向に回動させる(横に寝かせる)ことにより、フロアパネル2の隅部を上方に持ち上げていた。
【0026】
すなわち、マイナスドライバー18を
図31中矢印の方向に回動させて、マイナスドライバー18の
図31中右端部を下方に移動させることにより、マイナスドライバー18の先端部(
図31中左端部)が上方に浮き上がり、フロアパネル2の隅部が上方に持ち上がるようになっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
しかしながら、前記従来のフロアパネル2においては、
図31に示すように、マイナスドライバー18を用いてフロアパネル2を持ち上げようとしても、マイナスドライバー18の先端部の厚さ分ぐらいしか、フロアパネル2が持ち上がらないため、この後にフロアパネル2を取り外しづらいという問題があった。
【0029】
すなわち、フロアパネル2の天板部14の裏面14cにマイナスドライバー18の先端部を係合させて、フロアパネル2を持ち上げようとしても、そのフロアパネル2の隣りに取り外されていないフロアパネル2(
図31中、右側のフロアパネル2)が存在する場合には、その隣りのフロアパネル2により、マイナスドライバー18を
図31中矢印の方向に回動させる(横に寝かせる)角度が制限されていた。
【0030】
そして、マイナスドライバー18を
図31中矢印の方向に回動させる角度が制限されることにより、天板部14の裏面14cに係合したマイナスドライバー18の先端部分の厚さ分ぐらいしか、フロアパネル2が持ち上がらないようになっていた。
【0031】
そのため、配線作業等を行うために、マイナスドライバー18を用いて、多数のフロアパネル2を取り外そうとしても、フロアパネル2を取り外すのに労力と時間が掛り、配線作業の施工性が低下していた。
【0032】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、フロアパネルを取り外し易くすることにより、配線作業等の床下作業の施工性を向上させることができるフロアパネルを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
上記課題を解決するために、本発明による
フリーアクセスフロアは、
板状の天板部と、前記天板部の四つの辺部から下方に向かってそれぞれ伸びる側板部を備えたフロアパネル
の四隅部を、床面上に立設された支持台が支持することによって、前記床面の上方に第2の床面を形成するフリーアクセスフロアであって、
前記フロアパネルの
、前記支持台によって支持される前記四隅部の外周部には、前記天板部から、その下方の前記側板部に渡って開口する開口部が形成され、
前記開口部の水平方向内側に、前記天板部の裏面から下方に向かって伸びる係合板部が形成され
、
前記支持台によって支持された前記フロアパネルの前記四隅部において、前記フロアパネルの前記係合板部の下端面と、その下方に位置する前記支持台の間に隙間が形成されるよう構成されたことを特徴とするものである。
【0034】
また、本発明による
フリーアクセスフロアは、
前記フロアパネルの前記係合板部は、前記側板部の下端面と略同じ高さ位置まで、前記天板部の裏面から下方に向かって伸びるように形成されたことを特徴とするものである。
【0035】
また、上記課題を解決するために、本発明による
フリーアクセスフロアは、
前記フロアパネルの前記開口部は、前記天板部を略矩形状に開口すると共に、前記天板部の下方の前記側板部も略矩形状に開口するように形成されたことを特徴とするものである。
【0036】
また、上記課題を解決するために、本発明による
フリーアクセスフロアは、
前記フロアパネルの前記開口部は、前記側板部から前記係合板部まで、前記開口部の水平方向内側に向かって伸びる内周板部が形成されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0037】
このような本発明の
フリーアクセスフロアによれば、
板状の天板部と、前記天板部の四つの辺部から下方に向かってそれぞれ伸びる側板部を備えたフロアパネルであって、
前記フロアパネルの外周部には、前記天板部から、その下方の前記側板部に渡って開口する開口部が形成され、
前記開口部の水平方向内側に、前記天板部の裏面から下方に向かって伸びる係合板部が形成されたことにより、
フロアパネルを取り外し易くすることにより、配線作業等の床下作業の施工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係るフロアパネル20を用いて構成されたフリーアクセスフロア22の斜視図である。
【
図2】
図1におけるフリーアクセスフロア22の一部を拡大して示す一部拡大斜視図である。
【
図3】
図1に示したフロアパネル20の斜視図である。
【
図4】
図3に示したフロアパネル20の上面図である。
【
図5】
図4に示したフロアパネル20の正面図である。
【
図6】
図4に示したフロアパネル20の右側面図である。
【
図7】
図7(a)は、
図4に示したフロアパネル20のA−A線矢視断面図で、
図7(b)は、
図4に示したフロアパネル20のB−B線矢視断面図である。
【
図8】
図3に示したフロアパネル20の開口部27の部分を拡大して示す一部拡大斜視図である。
【
図9】
図4に示したフロアパネル20のC−C線矢視断面図である。
【
図10】
図1に示した支持台30、及び連結部材32の斜視図である。
【
図11】
図10に示した支持台30、及び連結部材32の上面図である。
【
図12】
図11に示した支持台30を拡大して示す拡大上面図である。
【
図13】
図11に示した支持台30、及び連結部32の側面図である。
【
図14】
図2に示したフリーアクセスフロア22の一部を省略して示すD−D線矢視断面図である。
【
図15】フリーアクセスフロア22を構成するフロアパネル20の開口部27にマイナスドライバー18の先端部を挿入した状態を示す断面斜視図である。
【
図16】
図15に示したフリーアクセスフロア22、及びマイナスドライバー18の正面図である。
【
図17】
図16に示したフリーアクセスフロア22、及びマイナスドライバー18の一部を拡大して示す一部拡大正面図である。
【
図18】
図15に示したマイナスドライバー18を回動させて(横に寝かせて)、フロアパネル20の隅部を支持台30の溝部30bから抜き出した状態を示す断面斜視図である。
【
図19】
図18に示したフリーアクセスフロア22、及びマイナスドライバー18の正面図である。
【
図20】
図19のフリーアクセスフロア22、及びマイナスドライバー18の一部を拡大して示す一部拡大正面図である。
【
図21】本発明の第2の実施の形態に係るフロアパネル40の上面図である。
【
図22】
図21に示したフロアパネル40のE−E線矢視断面図である。
【
図23】フロアパネル40の開口部47の部分を拡大して示す一部拡大斜視図である。
【
図24】従来のフロアパネル2を用いて構成されたフリーアクセスフロア4の敷設作業の途中段階を示す上面図である。
【
図25】
図24に示したフリーアクセスフロア4の側面の一部を拡大して示す部分拡大側面図である。
【
図28】
図27に示した従来のフロアパネル2の側面図である。
【
図29】
図27に示した従来のフロアパネル2を支持台6に取付ける作業を説明するための側面図である。
【
図30】
図27に示した従来のフロアパネル2のF−F線矢視断面図である。
【
図31】フロアパネル2の開口部17にマイナスドライバー18の先端部を挿入して、フロアパネル2の側板部16を支持台6の溝部6bから抜き出した状態を示す一部断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明に係る
フリーアクセスフロアを実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
【0040】
図1から
図20は、本発明の第1の実施の形態に係る
フリーアクセスフロア22及びそれに用いられるフロアパネル20について説明するために参照する図である。
【0041】
本実施の形態に係るフロアパネル20は、
図1,2に示すように、コンクリート材により形成された床面3上に立設する支持台30に支持されて、支持台30と共にフリーアクセスフロア22を構成するようになっている。
【0042】
そして、フロアパネル20は、フリーアクセスフロア22の敷設作業が完了すると、縦横に隙間無く並んで配置されて、床面3の上方に空間を隔てて第2の床面を形成するようになっている。
【0043】
なお、フロアパネル20は、前記従来のフロアパネル2と同様に、
図3,4に示すような長方形のパネルと正方形パネルの2種類があり、前記従来のフリーアクセスフロア4と同様に、これら2種類のパネルを縦横に隙間無く並べて配置することで、第2の床面を形成するようになっている(
図1,24参照)。
【0044】
フロアパネル20は、1枚の金属製の板状部材をプレス加工することによりその形状が形成されている。
【0045】
例えば長方形のフロアパネル20は、
図4〜6に示すように、略長方形の上面24aを有する板状に形成された天板部24と、この天板部24の四辺より略垂直下方に折曲げられて形成された4つの側板部26(
図7(a),(b)参照)を備えて構成されている。
【0046】
なお、フロアパネル20の四辺における、長さ方向の両端部を除いた中央部分には、
図7(b)に示すように、側板部26の下端部から略垂直に折れ曲がり、フロアパネル20の内側(同図中右側)に向かって伸びる先端板部28が形成されている。
【0047】
例えば、フロアパネル20における、
図4中左右方向に伸びる下側の辺部の範囲R1、及び、
図4中上下方向に伸びる左側の辺部の範囲R2においては、
図7(b)に示すように、フロアパネル20の内側に向かって伸びる先端板部28が形成されている。
【0048】
このように、側板部26の下端部が略垂直に折れ曲がり、先端板部28が側板部26よりも内側に配置されているため、フロアパネル20と床面3との間の空間に配置された配線ケーブル等が、先端板部28に接触して損傷を受けることを防止することができる。
【0049】
さらに、側板部26の下端部が略垂直に折れ曲がることにより、その断面係数及び断面二次モーメントが高くなるので、フロアパネル20のたわみを抑えることができる。
【0050】
また、
図4に示すように、天板部24には、図中上下方向に伸びて、その上面24aより、その厚さ方向(
図5中上下方向)の裏側に凹んだ長溝部24cが、天板部24の強度を向上させるために6つ形成されている。これらの6つの長溝部24cは、
図4中左右方向に互いに間隔を空けて略平行に配置されている。
【0051】
また、フロアパネル20における、
図4中左右方向に伸びる二辺の長さ方向中央部には、水平方向内側に切り欠いたような配線取出口29が合計3つ(
図4中左右方向に伸びる上側の辺部に2つ、下側の辺部に1つ)形成されている。
【0052】
配線取出口29は、
図3,5に示すように、天板部24を厚さ方向(
図5中上下方向)に貫通すると共に、その天板部24の下方の側板部26と先端板部28を高さ方向(
図5中上下方向)全体に渡って切り欠いたように形成されている。
【0053】
また、
図4に示すように、フロアパネル20の外周部には、水平方向内側に略矩形状に切り欠かれたような開口部27が、天板部24から、その下方の側板部26に渡って開口するように形成されている(
図8参照)。
【0054】
開口部27は、
図8に示すように、天板部24の四辺それぞれの端部において、天板部24を厚さ方向(
図6中上下方向)に貫通すると共に、その天板部24の下方の側板部26を高さ方向(
図6中上下方向)全体に渡って切り欠いたように形成されている。
【0055】
開口部27は、フロアパネル20の外周部分に2本の切り込みを入れて、その2本の切り込みの間の部分を、
図8中下方に向かって折り曲げることにより、略矩形状(
図4参照)の開口形状に形成されている。
【0056】
そして、
図8,9に示すように、開口部27の水平方向内側(
図9中右側)に、天板部24の裏面24b(
図9参照)から、側板部26の下端面と略同じ高さ位置まで
図9中下方に向かって伸びる係合板部27aが形成されている。
【0057】
そして、正方形のパネルも、天板部24の上面24aが略正方形に形成されている他は、長方形のパネルと同様の構成をしている。
【0058】
2枚のフロアパネル20を支持する9つの支持台30(
図1参照)は、
図10,11に示すように、
図11中上下左右に3列ずつ並んで配置され、連結部材32により互いに連結されている。
【0059】
また、支持台30には、
図12,13に示すように、その上端面30aから
図13中下側に深さを有するように開口し、フロアパネル20の側板部26、及び先端板部28(
図7(b)参照)を挿入可能な4本の溝部30bが形成されている。
【0060】
図12に示すように、4本の溝部30bの内の2本の溝部30bは、図中上下方向に互いに略平行に伸びるように形成され、他の2本の溝部30bは、図中左右方向に互いに略平行に伸びるように形成されている。
【0061】
そして、図中上下方向に伸びる2本の溝部30bと、図中左右方向に伸びる2本の溝部30bは、支持台30の上端面30aにおける中央部において直交している。
【0062】
また、
図12に示すように、図中上下方向に伸びる2本の溝部30bの片側(図中左右方向における外側)の側面30dには、それぞれ図中左右方向外側に向かって凹んだ凹部30cが、図中上下方向における中央側の位置に形成されている。
【0063】
また、
図12に示すように、図中左右方向に伸びる2本の溝部30cの片側(図中上下方向における外側)の側面30dにも、それぞれ図中上下方向外側に向かって凹んだ凹部30cが、図中左右方向における中央側の位置に形成されている。
【0064】
そして、溝部30bに凹部30cが形成されていることにより、凹部30cが形成されている部分における、溝部30bの幅寸法L1(
図12参照)が、凹部30cが形成されていない部分における、溝部30bの幅寸法L2(
図12参照)よりも広くなっている。
【0065】
そして、
図1,14に示すように、フロアパネル20は、側板部26、及び先端板部28の長さ方向の端部と、長さ方向の中央部(配線取出口29の周辺部分)が、支持台30の溝部30bに上方から挿入し、天板部24の裏面24bが支持台30の上端面30aに接触することにより、床面3から所定の高さ位置に着脱自在に支持されている。
【0066】
なお、フロアパネル20の先端板部28の
図7(b)中左右方向の長さ寸法L3は、支持台30の溝部30bの幅寸法L2(
図12参照)よりも少し短くなっているため、
図14に示すように、先端板部28を溝部30bに挿入できるようになっている。
【0067】
また、
図2に示すように、支持台30の溝部30bにおける、フロアパネル20の係合板部27a(
図8参照)が挿入される位置には、凹部30c(
図12参照)が形成されている。
【0068】
そして、係合板部27aの
図9中右側の側面から、側板部26の
図9左側の側面までの長さ寸法L4(
図9参照)は、凹部30cが形成された部分の溝部30bの幅寸法L1(
図12参照)よりも短くなっている。
【0069】
このため、支持台30の溝部30bに凹部30c(
図12参照)が形成されることにより、
図14に示すように、フロアパネル20の係合板部27aと、支持台30が干渉しないように、係合板部27aを溝部30bに挿入できるようになっている。
【0070】
また、
図14に示すように、支持台30の溝部30bに挿入された係合板部27aは、その下端面が、溝部30bの溝底面30dとの間に所定の間隔が空くように配置されている。
【0071】
フロアパネル20の側板部26、先端板部28、及び係合板部27aを支持台30の溝部30bから抜き出す際には、
図15〜20に示すように、マイナスドライバー18を用いてフロアパネル20の隅部を上方に押し上げている。
【0072】
すなわち、まず、
図17に示すように、支持台30の溝部30bの溝底面30dと、フロアパネル20の係合板部27aの下端面の間に、マイナスドライバー18の先端部を挿入し、係合板部27aの下端面にマイナスドライバー18の先端部を係合させる。
【0073】
そして、
図19,20に示すように、マイナスドライバー18を
図19中矢印の方向に回動させて(横に寝かせて)、マイナスドライバー18の
図19中右端部を下方に移動させることにより、マイナスドライバー18の先端部(
図19中左端部)が上方に浮き上がり、フロアパネル20の隅部が上方に持ち上がるようになっている。
【0074】
このように、マイナスドライバー18の先端部をフロアパネル20の係合板部27aの下端面に係合させて、フロアパネル20の隅部を押し上げることにより、支持台30の溝部30b内に挿入したフロアパネル20の側板部26、先端板部28、及び係合板部27aを支持台30の溝部30bから抜き出している。
【0075】
前記従来のフロアパネル2を支持台6の溝部6bから取り外す場合には、
図31に示すように、天板部14の裏面14cにマイナスドライバー18の先端部分を係合してフロアパネル2を持ち上げていたため、マイナスドライバー18の先端部分の厚さ分ぐらいしかフロアパネル2の隅部が持ち上がらなかった。
【0076】
一方、本実施の形態に係るフロアパネル20を支持台30の溝部30bから取り外す場合には、
図20に示すように、天板部24の裏面24bから、側板部26の下端面まで下方に向かって伸びる係合板部27a(
図8,9参照)の下端面にマイナスドライバー18の先端部分を係合してフロアパネル2を持ち上げているため、前記従来のフロアパネル2の隅部よりも係合板部27aの長さ寸法L5(
図9参照)だけ上方に持ち上がるようになっている。
【0077】
したがって、本実施の形態に係るフロアパネル20においては、前記従来のフロアパネル2を用いた場合に比べて、この後のフロアパネル20の取り外し作業が容易になるため、配線作業等の床下作業の施工性を向上させることができる。
【0078】
以上に説明したように、本実施の形態に係るフロアパネル20によれば、フロアパネルを取り外し易くすることにより、配線作業等の床下作業の施工性を向上させることができる。
【0079】
図21〜23は、本発明の第2の実施の形態に係る
フリーアクセスフロアに用いられるフロアパネル40について説明するために参照する図である。
【0080】
本実施の形態に係るフロアパネル40は、前記第1の実施の形態におけるフロアパネル20の開口部27の代わりに、開口部47を備えている点において、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20とは異なるものである。
【0081】
本実施の形態に係るフロアパネル40の開口部47は、天板部44と、その下方の側板部46を水平方向内側に絞り加工により凹ませることにより、略矩形状(
図21参照)に開口するように形成されている。
【0082】
このため、フロアパネル40には、
図22,23に示すように、開口部47の水平方向内側(
図22中右側)に、天板部44の裏面44bから、側板部46の下端面と略同じ高さ位置まで
図22中下方に向かって伸びる係合板部47aが形成されている。
【0083】
また、
図23に示すように、フロアパネル40の開口部47には、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20の開口部27(
図8参照)と異なり、側板部46から係合板部47aまで、水平方向内側に向かって伸びる内周板部47bが形成されている。
【0084】
そして、前記第1の実施の形態におけるフロアパネル20の側板部26、先端板部28、及び係合板部27aを支持台30の溝部30bから抜き出す場合と同様(
図15〜20参照)に、フロアパネル40の側板部46、先端板部48、及び係合板部47aを支持台30の溝部30bから抜き出す際には、係合板部47aの下端面にマイナスドライバー18を係合させて、フロアパネル40の隅部を押し上げている。
【0085】
その他の構成は、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20と同様である。
【0086】
本実施の形態に係るフロアパネル40は、天板部44と側板部46を切り欠いていないため、前記第1の実施の形態におけるフロアパネル20に比べて、フロアパネル40の強度を強くすることができる。
【0087】
このような本実施の形態に係るフロアパネル40によっても、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20と同様の理由により、フロアパネル40を取り外し易くすることにより、配線作業等の床下作業の施工性を向上させることができる
【0088】
なお、本発明は、前記第1,第2の実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を達成することができる範囲内であれば、種々の変更が可能である。
【0089】
例えば、前記第1,第2の実施の形態に係るフロアパネル20,40においては、開口部27,47が、フロアパネル20,40の四辺のそれぞれの長さ方向の端部に形成されていたが、このような構成に限定される必要はなく、開口部27,47がフロアパネル20,40の四辺のそれぞれの長さ方向の端部以外の他の位置に形成されていてもよい。
【0090】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20においては、天板部24の裏面24bから、
図9中下方に向かって側板部26の下端面と略同じ高さ位置まで伸びる係合板部27aが形成されていたが、このような構成に限定される必要はない。例えば、係合板部27aが、側板部26の下端面と略同じ高さ位置まで伸びず、長さ寸法L5(
図9参照)よりも少し短くなるように形成されていてもよい。
【0091】
また、前記第1,第2の実施の形態に係るフロアパネル20,40においては、略長方形の上面24a,44aを有する天板部24,44の裏面24b,44bから、下方に向かって伸びる係合板部27a,47aが形成されていたが、このような構成に限定される必要はなく、略正方形の上面を有する天板部の裏面から、下方に向かって伸びる係合板部27a,47aが形成されていてもよい。
【0092】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20,40においては、側板部26,46の下端部から略垂直に折れ曲がり、フロアパネル20,40の内側に向かって伸びる先端板部28,48が形成されていたが、このような構成に限定される必要はなく、先端板部28,48が形成されていなくてもよい。