【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、瘻孔周囲のバルク(bulk)組織に挿入されるように構成されたテーパ部と、瘻孔取り囲む組織を内側に引き寄せるためにコイルの回転のためのドライバと係合するように構成されたドライバインターフェース部とを有するインプラントコイルを含む肛門周囲瘻孔治療装置が提供される。
【0011】
一実施形態では、コイルのドライバインターフェース部は、その長さに沿って実質的に均一な横方向範囲を有する。
ある場合には、コイルは、先端部、遷移領域、および後端部を有し、コイルのテーパ部は、先端部から遷移領域まで延在し、ドライバインターフェース部は、遷移領域から延在する。
【0012】
好ましくは、コイルのテーパ部は、先端部と遷移領域との間の横方向の範囲が減少する。
ある場合には、テーパ部の先端部に尖った組織挿入先端がある。
【0013】
一実施形態では、コイルの少なくともドライバインターフェース部は中実である。
あるいは、コイルの少なくともドライバインターフェース部は中空である。
ある場合には、コイルは中実である。
【0014】
あるいは、コイルは中空である。
ある場合には、コイルの断面の形状は、円形、楕円形、三角形、多角形、およびリボン状のうちの1つ以上から選択される。
【0015】
一実施形態では、コイルの少なくとも一部は生体吸収性である。
ある場合には、瘻孔治療装置は排液シートンをさらに含む。
シートンはコイルから延びていてもよい。
【0016】
ある場合には、シートンは中空である。
ある場合には、シートンは中実である。
一実施形態では、シートンは複数の周囲孔を有する。
【0017】
いくつかの場合のシートンの断面における形状は、円形、楕円形、星形、および十字形の1つまたは複数から選択される。
一実施形態では、シートンは複数の要素を含む。シートンの要素は編まれていてもよい。
【0018】
ある場合には、シートンの少なくとも一部が生体吸収性である。
ある場合には、シートンは、異なる生体吸収性を有する。一実施形態では、シートンの近位部は、例えば、シートンの残りの部分の除去を容易にするために生体吸収性を有する。別の実施形態では、シートンの遠位部は、シートンの完全な吸収に先立って瘻孔の開口部の閉鎖を促進するために生体吸収性を有する。
【0019】
一実施形態では、コイルの少なくとも一部は生体吸収性であり、シートンの少なくとも一部は、コイルの生体吸収に先立って生体吸収するように構成された。
本発明はまた、瘻孔治療装置と、コイルを回転させて瘻孔周囲の組織を内側に引き込むドライバ器具とを含む瘻孔治療システムを提供する。
【0020】
ある場合には、ドライバ器具は、インプラントコイルのドライバインターフェースと係合するように構成されたドライバコイルを備える。
一実施形態では、ドライバコイルは、インプラントコイルの対応するドライバインターフェース部との係合のために、その長さに沿って実質的に均一な横方向範囲を有する。
【0021】
ある場合には、ドライバコイルは中空であり、インプラントコイルの対応するドライバインターフェース部は中実である。
別の場合には、駆動コイルは中実であり、インプラントコイルの対応するドライバインターフェース部は中空である。
【0022】
本発明はまた、瘻孔を取り囲むバルク組織に挿入され、瘻孔を囲む組織を内側に引き寄せるように構成されたインプラントコイルと、テーパ付きコイルから延びる排水シートンとを備える肛門周囲瘻孔治療装置を提供する。
【0023】
ある場合には、コイルは先細になっている。
本発明はまた、テーパ付きコイルと、テーパ付きコイルに取り付けられ、そこから延びる排水シートンとを含む肛門周囲瘻孔治療装置を提供する。
【0024】
本発明はまた、瘻孔を取り囲む組織に挿入するように構成されたインプラントコイルと、セトロンの少なくとも一部が生体吸収性である排液シートンとを含む肛門周囲瘻孔治療装置を提供する。
【0025】
一実施形態では、シートンは、異なる生体吸収性を有する。
ある場合には、シートンの近位部は、シートンの残りの部分の除去を容易にするために生体吸収性である。
【0026】
テーパ付きコイルは、好ましくは、瘻孔の内部開口の部位に挿入され、瘻孔を内向きに囲む括約筋を含むバルク組織を引き出すために回転可能であるように構成される。
ある場合には、コイルは前端と後端とを有し、コイルは前端と後端との間の横方向の広がりが減少する。先端は尖った組織挿入先端を含むことができる。
【0027】
一実施形態では、装置は、シートンアタッチメント機構を含む。
アタッチメント構造は、ボール形状のような突起部、フック、滑り止め、突合せ継手、または熱結合および/または接着結合のような結合、の1つ以上から選択されてもよい。
【0028】
一実施形態では、センタリング要素は、シートンを受けるための凹部または穴を有する。シートンは、例えば、接着剤および/または熱接着、および/または圧着によって、センタリング機構の凹部または穴に接着または固定されてもよい。
【0029】
別の実施形態では、装置は、送達機構アタッチメント構造を備える。
ある場合には、装置は、コイルの長手方向軸に少なくとも部的に沿って延びる中心要素を備える。
【0030】
中心要素は、コイルの後端からコイルの先端に向かって延びていてもよい。
中心要素は、コイルの先端を越えて延びていてもよい。
中心要素は、シートンアタッチメント構造および/または送達機構アタッチメント構造を含んでいてもよい。
【0031】
ある場合には、シートンは中空である。
シートンは、複数の周辺孔を有することができる。
シートンの断面における形状は、円形、楕円形、星形、および十字形のうちの1つまたは複数から選択することができる。
【0032】
ある場合には、シートンは、編まれた複数の要素を含む。
ある場合には、コイルは中実である。別の場合には、コイルは中空である。
コイルの断面における形状は、円形、楕円形、三角形、多角形、およびリボン状のうちの1つまたは複数から選択することができる。
【0033】
本発明はまた、瘻孔を取り囲むバルク組織に挿入されるように構成され、瘻孔を取り囲む組織を内側に引き寄せるように回転可能であり、コイルの長手方向軸に沿って少なくとも部分的に延びるセンタリング要素を有するテーパコイルを備えた瘻孔治療装置を提供する。
【0034】
装置はさらに、テーパ付きコイルに取り付けられ、テーパ付きコイルから延びる排水シートンを備えてもよい。
ある場合には、コイルは前端と後端を有し、コイルは前端と後端との間の横方向の広がりが減少する。先端は尖った組織挿入先端を含むことができる。
【0035】
一実施形態では、装置は、シートンアタッチメント構造を含む。
一実施形態では、装置は、送達機構アタッチメント構造を備える。
ある場合には、センタリング要素は、コイルの後端からコイルの先端に向かって延びている。
【0036】
一実施形態では、センタリング要素は、シートンアタッチメント構造を含む。アタッチメント構造は、ボール形状のような突起部、フック、滑り止め、突合せ継手、または熱結合および/または接着結合のような結合、の1つ以上から選択されてもよい。
【0037】
センタリング要素は、シートンを受容するための凹部または穴を有することができる。シートンは、例えば、接着剤および/または熱接着、および/または圧着によって、センタリング構造の凹部または穴に接着または固定されてもよい。
【0038】
一実施形態では、センタリング要素は、送達機構アタッチメント構造を備える。シートンは、中空または中実であってもよい。シートンは、複数の周辺孔を有することができる。シートンの断面は、円形、卵形、星形、および十字形の1つまたは複数から選択することができる。シートンは複数の要素を含む。要素は編まれていてもよい。コイルは、中実または中空であってもよい。コイルの断面における形状は、円形、楕円形、三角形、多角形、およびリボン状のうちの1つまたは複数から選択することができる。
【0039】
本発明はまた、本発明の瘻孔装置と、肛門周囲瘻孔治療装置のための送達装置とを含むシステムを提供する。
一実施形態では、送達装置は、テーパ付きコイルが送達される中空要素を含む。
【0040】
一実施形態では、送達装置は中空のテーパ付きコイルが送達される中実要素を含む。
一実施形態では、送達装置は、中空の要素を備え、この中空の要素を通って、直線状の円筒状のコイルが送達される。
【0041】
一実施形態では、送達装置は中空の直線状円筒コイルがその上に送達される中実要素を含む。
中空の送達要素は、コイルを含むことができる。
【0042】
一実施形態では、送達装置は、テーパ付きコイルを送達するためのレールを備える。レールおよびコイルは、相互係合可能なトラック構造を備えていてもよい。
本発明はまた、肛門瘻孔を治療するための方法において、
テーパ付きコイルを提供するステップと、
瘻孔に隣接する括約筋複合体のバルク組織にコイルを挿入するステップと、
コイルを回転させて瘻孔の周囲の組織を内側に引き出すステップとを有する。
【0043】
一つの実施形態は、
排水シートンを提供するステップと、
コイルにシートンを取り付けるステップと、
コイルの送達の前にコイルおよび粘膜表面の並置を提供するためにシートンを使用するステップと、
瘻孔の外部に結膜を導くステップとをさらに有する。
【0044】
1つのケースでは、この方法は、括約筋複合体にシートンを埋め込み、シートンの遠位端が瘻孔の外部開口を通って突出するようにシートンを導くことを含む。
本発明はまた、肛門周囲瘻孔を治療するための方法において、
送達インターフェース領域を有するインプラントコイルを提供するステップと、
インプラントコイルインタフェース領域を有する送達装置を提供するステップと、
インプラントコイルを送達装置に挿入するステップと、
送達装置を使用してインプラントコイルを回転させるステップとを有する。
【0045】
一実施形態では、インプラントコイルの挿入後、送達装置はコイルから解放される。
この方法は、
排水シートンを提供するステップと、
コイルにシートンを取り付けるステップと、
瘻孔の外にシートンを導くステップとを有する。
【0046】
この方法は、
排水シートンを提供するステップと、
シートンを括約筋複合体に埋め込むステップと、
シートンの遠位端が瘻孔管の外部開口を通って突出するようにシートンを導くステップとを有する。
【0047】
肛門周囲瘻孔治療装置は、以下の利点を有する。
・瘻孔管の効果的な治癒、
・保全の維持、及び
・治癒時間の改善。
【0048】
装置は、括約筋を分割から保護することにより、患者の随意調節を維持する。装置は、瘻孔管にしっかりと固定され、効果的に管を密閉し、治癒過程中に糞便物質が内部開口部に入るのを防止する。
【0049】
この装置は、治癒プロセスの間に、残っている膿瘍材料を管から排出させる。この装置は、治癒プロセスにわたって組織内に組み込まれてもよく、管が治癒されるときに最終的に吸収されてもよい。
【0050】
本発明は、肛門周囲瘻孔を治療するための標準化された技術を提供することによって、外科医のスキルに起因する変動性を除去する。
この装置は、括約筋の組織を収集して服用することを容易にし、筋肉バルクの欠陥の修復を可能にする。
【0051】
管の内部開口の閉鎖後に瘻孔管の排液を可能にするために、シングルエンド排液シートンが取り付けられる。
デリバリー機構には、テーパ付きコイルおよびセトロンと結合するための取り付け構造が設けられている。
【0052】
テーパコイルは、シングルエンドシートン用のアンカーを有することができる。
テーパコイルは、金属、生体吸収性ポリマー、生体吸収性金属であってもよい。
排液シートンは、生体吸収性の合成物を含む任意の適切な材料から作製することができる。
【0053】
システムは、複数のコイルを送達することができる。
システムは、内視鏡の遠位部に配置されたテーパ付きコイルを送達することができる。
肛門瘻孔を治療するための方法は、以下のステップのいずれかまたは全てを含み得る。
【0054】
送達前に位置/緊張/粘膜壁の並置にシートンを使用するステップと、
括約筋複合体のバルク組織の欠損を修復するための閉鎖装置を送達する送達機構を使用するステップと、
歯状線の直腸の粘膜内膜の面の下にある閉鎖装置をバルク組織内に送達して、送達部位上の粘膜内膜を再構築することを可能にするステップと、
瘻孔管の排液および治癒を可能にするために、瘻孔管の外部開口を通って突出する遠位端を有する括約筋複合体にシートンを埋め込むステップとを含む。