特許第6894908号(P6894908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6894908
(24)【登録日】2021年6月8日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】観察装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/00 20060101AFI20210621BHJP
   G02B 21/06 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
   G02B21/00
   G02B21/06
【請求項の数】3
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-538324(P2018-538324)
(86)(22)【出願日】2017年8月15日
(86)【国際出願番号】JP2017029336
(87)【国際公開番号】WO2018047583
(87)【国際公開日】20180315
【審査請求日】2020年8月6日
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2016/076090
(32)【優先日】2016年9月6日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】平田 唯史
【審査官】 森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/178294(WO,A1)
【文献】 特開2016−71117(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/029817(WO,A1)
【文献】 特開2006−174764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 21/00 − 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の下方から上方に向けて照明光を射出する照明光学系と、
該照明光学系から射出された照明光が前記試料の上方で反射されて前記試料を透過した透過光を前記試料の下方において撮影する撮影光学系とを備え、
前記照明光学系が、特定の広さの射出領域から前記照明光を拡散させて射出する拡散部材を備え、
前記撮影光学系が、前記透過光を集光する対物光学系を備え、
前記照明光学系の前記射出領域が前記対物光学系の瞳に投影された場合に、該対物光学系の瞳の辺縁部において前記照明光の一部が遮られるように、以下の条件を満足する観察装置。
NAmin>(D+FOVy)/(4Htmin−4Hbmin+2WD)
NAmin>(FOVy+T/2)/(2Htmin−2Hbmin)
Y2>NA(2Htmax+H´´−Hbmax)+(FOVy/2)
Y1>NA(2Htmin+H´´−Hbmin)+(FOVy/2)
ここで、NAmin:偏射照明条件から要請される対物光学系の試料側の開口数の最低値、D:対物光学系の枠の試料に近い部分の直径、FOVy:対物光学系の実視野、Htmin:試料の載置面を基準とした試料の上方における照明光の反射面の高さの最低値、Hbmin:試料の載置面を基準とした試料における照明光の入射面の高さの最低値、WD:対物光学系の作動距離、T:対物光学系の枠の試料に近い部分の直径とその部分での対物光学系の有効光束直径との差、Y2:対物光学系の光軸を基準とした拡散部材の射出領域における対物光学系から遠い端までの距離、Htmax:試料の載置面を基準とした試料の上方における照明光の反射面の高さの最高値、H´´:拡散部材の射出領域を基準とした試料の載置面の高さ、Hbmax:試料の載置面を基準とした試料における照明光の入射面の高さの最高値、Y1:対物光学系の光軸を基準とした拡散部材の射出領域における対物光学系に近い端までの距離、NA:前記対物光学系の前記試料側の開口数である。
【請求項2】
前記拡散部材を前記対物光学系の光軸に沿う方向および該光軸に交差する方向の少なくとも一方に移動させる駆動部を備える請求項1に記載の観察装置。
【請求項3】
前記反射面を有し前記試料の上方に配置可能な高さ補正具を備える請求項1または請求項2に記載の観察装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、細胞等の被写体を標識せずに観察する装置として、位相差観察法や微分干渉観察法を用いた観察装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−261089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の観察装置は、被写体を挟んで撮影光学系と照明光学系とを配置する必要があり、装置が大型化、複雑化するという不都合がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、装置を大型化させることなく、偏射照明により細胞等の試料を立体的にコントラストよく観察することができる観察装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、試料の下方から上方に向けて照明光を射出する照明光学系と、該照明光学系から射出された照明光が前記試料の上方で反射されて前記試料を透過した透過光を前記試料の下方において撮影する撮影光学系とを備え、前記照明光学系が、特定の広さの射出領域から前記照明光を拡散させて射出する拡散部材を備え、前記撮影光学系が、前記透過光を集光する対物光学系を備え、前記照明光学系の前記射出領域が前記対物光学系の瞳に投影された場合に、該対物光学系の瞳の辺縁部において前記照明光の一部が遮られるように、以下の条件を満足する観察装置である。
NAmin>(D+FOVy)/(4Htmin−4Hbmin+2WD)
NAmin>(FOVy+T/2)/(2Htmin−2Hbmin)
Y2>NA(2Htmax+H´´−Hbmax)+(FOVy/2)
Y1>NA(2Htmin+H´´−Hbmin)+(FOVy/2)
ここで、NAmin:偏射照明条件から要請される対物光学系の試料側の開口数の最低値、D:対物光学系の枠の試料に近い部分の直径、FOVy:対物光学系の実視野、Htmin:試料の載置面を基準とした試料の上方における照明光の反射面の高さの最低値、Hbmin:試料の載置面を基準とした試料における照明光の入射面の高さの最低値、WD:対物光学系の作動距離、T:対物光学系の枠の試料に近い部分の直径とその部分での対物光学系の有効光束直径との差、Y2:対物光学系の光軸を基準とした拡散部材の射出領域における対物光学系から遠い端までの距離、Htmax:試料の載置面を基準とした試料の上方における照明光の反射面の高さの最高値、H´´:拡散部材の射出領域を基準とした試料の載置面の高さ、Hbmax:試料の載置面を基準とした試料における照明光の入射面の高さの最高値、Y1:対物光学系の光軸を基準とした拡散部材の射出領域における対物光学系に近い端までの距離である。
【0007】
本態様によれば、試料の下方において照明光学系から射出された照明光は、試料の上方において反射されて試料を上方から下方に透過させられる。試料を透過した透過光は、試料の下方に配置されている撮影光学系によって撮影される。照明光学系および撮影光学系の両方を試料の下方に配置したので、装置を大型化させることなく、透過光を撮影することにより試料を標識せずに観察することができる。この場合において、上記条件を満足することで、容器内の試料を偏射照明で立体的にコントラストよく観察することができる。
【0008】
上記態様においては、前記拡散部材を前記対物光学系の光軸に沿う方向および該光軸に交差する方向の少なくとも一方に移動させる駆動部を備えることとしてもよい。
【0009】
このように構成することで、駆動部により、試料の載置面を基準とした試料の上方における照明光の反射面の高さが低い場合は、拡散部材を対物光学系の光軸に沿って容器から離間させる方向に移動させ、試料の載置面を基準とした試料の上方における照明光の反射面の高さが高い場合は、拡散部材を対物光学系の光軸に沿って容器に近接させる方向に移動させることによって、容器内の試料を偏射照明でコントラストよく観察するための条件を満たすことができる。これにより、Y2(対物光学系の光軸を基準とした拡散部材の射出領域における対物光学系から遠い端までの距離)を大きくしなくて済み、装置全体の設置面積を小さくすることができる。
【0010】
また、駆動部により、試料の載置面を基準とした試料の上方における照明光の反射面の高さが低い場合は、拡散部材を対物光学系に近接させ、試料の載置面を基準とした試料の上方における照明光の反射面の高さが高い場合は、拡散部材を対物光学系から離間させることによって、容器内の試料を偏射照明でコントラストよく観察するための条件を満たすことができる。これにより、拡散部材の面積を小さくして、拡散部材と照明光を発生する光源との距離を短くすることができ、拡散部材での光密度を向上して明るい照明を実現することができる。
【0011】
上記態様においては、前記反射面を有し前記試料の上方に配置可能な高さ補正具を備えることとしてもよい。
試料の上方、例えば、試料を収容する容器の上方に高さ補正具を配置することで、反射面の高さの最低値Htminを大きくすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、装置を大型化させることなく、偏射照明により細胞等の試料を立体的にコントラストよく観察することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る観察装置の縦断面図である。
図2図1の照明光学系から射出され容器の天板で反射されて対物光学系に入射する照明光の光線の軌跡の一例を示す縦断面図である。
図3】視野周辺が暗くなった画像の一例を示す図である。
図4図1の拡散板における対物光学系から遠い射出領域端から射出された照明光の光線の軌跡の一例を示す縦断面図である。
図5A】視野の左端を通った光の瞳面での光束の位置の一例を示す図である。
図5B】視野の右端を通った光の瞳面での光束の位置の一例を示す図である。
図6A】視野の左端を通った光の瞳面での光束の位置の一例を示す図である。
図6B】視野の右端を通った光の瞳面での光束の位置の一例を示す図である。
図7図1の拡散板における対物光学系から遠い射出領域端から射出された照明光の光線の軌跡の他の一例を示す縦断面図である。
図8A】容器の天板が低い場合の瞳面での照明光の光束の位置の一例を示す図である。
図8B】容器の天板が高い場合の瞳面での照明光の光束の位置の一例を示す図である。
図9図1の拡散板における対物光学系に近い射出領域端から射出された照明光の光線の軌跡の一例を示す縦断面図である。
図10A】視野の左端を通った光の瞳面での光束の位置の一例を示す図である。
図10B】視野の右端を通った光の瞳面での光束の位置の一例を示す図である。
図11A】視野の左端を通った光の瞳面での光束の位置の一例を示す図である。
図11B】視野の右端を通った光の瞳面での光束の位置の一例を示す図である。
図12図1の拡散板における対物光学系に近い射出領域端から射出された照明光の光線の軌跡の他の一例を示す縦断面図である。
図13A】容器の天板が低い場合の瞳面での照明光の光束の位置の一例を示す図である。
図13B】容器の天板が高い場合の瞳面での照明光の光束の位置の一例を示す図である。
図14図1の対物光学系における照明光の通過位置ごとの軌跡の一例を示す図である。
図15】偏射照明により立体的に見える試料の一例を示す図である。
図16】本発明の一実施形態の第1実施例に係る観察装置の概略構成を示す縦断面図である。
図17図16の観察装置を上方から対物光学系の光軸に沿って見た横断面図である。
図18図16の観察装置において、条件式(5),(6),(7),(8)を満たす各種パラメータの一例を示す図である。
図19】本発明の一実施形態の第2実施例に係る観察装置の概略構成を示す縦断面図である。
図20図19の観察装置において、条件式(5),(6),(7),(8)を満たす各種パラメータの一例を示す図である。
図21】本発明の一実施形態の第3実施例に係る観察装置の概略構成を示す縦断面図である。
図22図21の観察装置において、条件式(5),(6),(7),(8)を満たす各種パラメータの一例を示す図である。
図23】本発明の一実施形態の第4実施例に係る観察装置の概略構成を示す縦断面図である。
図24図23の観察装置において、条件式(5),(6),(7),(8)を満たす各種パラメータの一例を示す図である。
図25図23の観察装置の変形例の概略構成を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る観察装置1について図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る観察装置1は、図1に示すように、試料Xを収容した容器2を載置するステージ3と、ステージ3の下方に配置され、ステージ3を上方から透過して来る光を集光する対物光学系(対物レンズ)4を備え、試料Xを透過して対物光学系4により集光された光を撮影する撮影光学系6と、対物光学系4の径方向外方に配置され、ステージ3を透過して上方に照明光を射出する照明光学系5とを備えている。
【0015】
ステージ3には、対物光学系4および照明光学系5の上方を覆うように、光学的に透明な材質、例えば、ガラス板3aが配置され、容器2はガラス板3aの上面に載置されるようになっている。
容器2は、例えば、光を反射する天板(反射面)2aおよび試料Xを載置する底面(試料載置面)2bを有する細胞培養フラスコであり、全体的に光学的に透明な樹脂により構成されている。
【0016】
照明光学系5は、照明光を発生するLED光源7と、LED光源7から発せられた照明光を拡散させる拡散板(拡散部材)8とを備えている。
拡散板8には、LED光源7からの照明光を射出させる射出領域9を制限する照明マスク10が設けられている。
【0017】
撮影光学系6は、対物光学系4の他、対物光学系4により集光された透過光を撮影する撮像素子12と、撮像素子12により撮影された透過光の情報から画像を生成するプロセッサ(図示略)等を備えている。
【0018】
対物光学系4は、先端に配置された先端レンズ13と、先端レンズ13に対して基端側に光軸に沿う方向に間隔をあけて配置された基端レンズ14と、先端レンズ13と基端レンズ14との間の光軸上に配された瞳(明るさ絞り)15と、これらを収容する枠16とを備えている。
【0019】
このように構成された観察装置1において、LED光源7から容器2に入射される照明光の光束が対物光学系4の枠16でけられない条件について説明する。
まず、図2に示すように、視野の右端(照明光学系5から遠い側の端)X1aをNAの角度で通る照明光について、対物光学系4の先端4bでの光線の軌跡の水平方向の位置は、以下の式により求められる。
−FOVy/2+NA(2H+WD)
そして、照明光の光線が対物光学系4の枠16でけられないためには、照明光が対物光学系4の枠16よりも左側を通っている必要があり、以下の条件式を満たす必要がある。
−FOVy/2+NA(2H+WD)>D/2
ここで、FOVy:対物光学系4の実視野(実視野は照明方向に関する最大値であり、対角でなくてもよい。)、NA:対物光学系4の試料X側の開口数、H:試料Xにおける照明光の入射面(フォーカス面、以下、「標本面」という。)X1を基準とした容器2の天板2aの高さ、WD:対物光学系4の作動距離(対物光学系4の枠16の試料Xに最も近い部分または対物光学系4の先端レンズ13のどちらか高い方を基準とした標本面X1の高さである。
【0020】
容器2の天板2aの高さが決まっている場合は、対物光学系4に必要なNAの最小値NAminは、条件式(1´),(2´)を満たす。
NAmin>(D+FOVy)/(4H+2WD)・・・(1´)
NAmin>(D+FOVy)/(4Ht−4Hb+2WD)・・・(2´)
ここで、NAmin:偏射照明の条件から要請されるNAの最低値、D:対物光学系4の枠16における試料Xに近い部分の直径、Ht:容器2の底面2bを基準とした天板2aの高さ、Hb:容器2の底面2bを基準とした標本面X1の高さである。
【0021】
容器2の天板2aの高さが低いほど、NAが高い対物光学系4が必要になる。このため、対物光学系4のNAは容器2の天板2aの高さが1番低いものに合わせて条件式(1),(2)を満たすことが望ましい。
NAmin>(D+FOVy)/(4Hmin+2WD)・・・(1)
NAmin>(D+FOVy)/(4Htmin−4Hbmin+2WD)・・・(2)
ここで、Hmin:標本面X1を基準とした容器2の天板2aの高さの最低値、Htmin:容器2の底面2bを基準とした天板2aの高さの最低値、Hbmin:容器2の底面2bを基準とした標本面X1の高さの最低値である。
【0022】
対物光学系4の枠16における試料Xに近い部分での対物光学系4の有効光束直径dは、以下の式により求められる。
d=FOVy+2WD・NAmin
【0023】
また、偏射照明の条件から要請される対物光学系4の枠16における試料Xに近い部分の直径の最小値Dminは、照明光の光線が枠16によってけられないように、dにさらに余裕量(対物光学系4の枠16における試料Xに近い部分の直径とその部分での光束直径の差)Tが必要なため、以下の式(3)により求められる。
Dmin=FOVy+2NAmin・WD+T・・・(3)
【0024】
式(3)を条件式(2)に適用すると、条件式(4)となる。
NAmin>(FOVy+T/2)/(2Htmin−2Hbmin)・・・(4)
【0025】
NAが条件式(1),(2),(3),(4)を下回ると、図3に示すように、対物光学系4の視野周辺、特に視野の右側が暗くなり、試料Xを観察することができなくなる。
【0026】
次に、照明光が対物光学系4の瞳面で瞳端にかかる条件について説明する。
対物光学系4に入射する角度が最大なのは、図4に示すように、拡散板8における対物光学系4から遠い射出領域端9aから射出される照明光である。そして、観察の視野全体で偏射照明になる条件は、拡散板8の射出領域端9aから射出されて視野の左端(照明光学系5に近い側の端)を通る照明光の像が対物光学系4の瞳15の外側に形成されることである。
【0027】
この場合、対物光学系4の光軸を基準とした拡散板8における対物光学系4から遠い射出領域端9aまでの距離Y2は、条件式(5´)を満たす必要がある。
Y2>NA(2H+H´)+(FOVy/2)・・・(5´)
ここで、H´:拡散板8の射出領域9を基準とした標本面X1の高さである。
【0028】
図5Aは、視野の左端を通った照明光の対物光学系4の瞳面での光束Wの位置を示し、図5Bは、視野の右端X1aを通った照明光の対物光学系4の瞳面での光束Wの位置を示している。
【0029】
Y2が条件式(5´)を下回ると、対物光学系4における照明光の入射角が小さくなって光束Wすべてが瞳15内を通過するため、偏射照明の条件から外れてしまい、コントラストが低下する。
図6Aは、視野の左端を通った照明光の対物光学系4の瞳面での光束Wの位置を示し、図6Bは、視野の右端X1aを通った照明光の対物光学系4の瞳面での光束Wの位置を示している。なお、図4において実線で示された光線が、図6Aに示されている瞳面での光束Wにおける光軸から遠い側の端面になる。
【0030】
図7に示すように、容器2の天板2aの高さが変わると、対物光学系4に入射する照明光の角度が変わる。天板2aの高さが高いほど照明光の入射角度が小さくなり、瞳面での照明光の像が瞳端よりも内側に入りやすくなる。したがって、天板2aの高さが最も高い容器2(高さHmax)に対して、条件式(1´)を満たすようにすることが望ましい。
【0031】
この場合、対物光学系4の光軸を基準とした拡散板8における対物光学系4から遠い射出領域端9aまでの距離Y2が、条件式(5),(6)を満たす必要がある。
Y2>NA(2Hmax+H´max)+(FOVy/2)・・・(5)
Y2>NA(2Htmax+H´´−Hbmax)+(FOVy/2)・・・(6)
ここで、Hmax:標本面X1を基準とした容器2の天板2aの高さの最高値、H´max:拡散板8の射出領域9を基準とした標本面X1の高さの最高値、Htmax:容器2の底面2bを基準とした天板2aの高さの最高値、H´´:拡散板8の射出領域9を基準とした容器2の底面2bの高さ、Hbmax:容器2の底面2bを基準とした標本面X1の高さである。
【0032】
図8Aは、容器2の天板2aが低い場合の瞳面での照明光の光束Wの位置を示し、図8Bは、容器2の天板2aの高さが高い場合の瞳面での照明光の光束Wの位置を示している。
【0033】
Y2が条件式(5),(6)を下回ると、対物光学系4における照明光の入射角が小さくなり、光束Wすべてが瞳15の内側を通過するため、偏射照明の条件から外れてしまい、コントラストが低下する。
【0034】
次に、照明光の光束が対物光学系4の瞳15の外に出ないための条件について説明する。
対物光学系4に入射する角度が最小なのは、図9に示すように、拡散板8における対物光学系4に近い射出領域端9bから射出される照明光である。そして、観察の視野全体で偏射照明になる条件は、拡散板8の射出領域端9bから射出されて視野の右端X1aを通った照明光の像が対物光学系4の瞳15の内側に形成されることである。
【0035】
この場合、対物光学系4の光軸を基準とした拡散板8における対物光学系4に近い射出領域端9bまでの距離Y1は、条件式(7´)を満たす。
Y1+(FOVy/2)<NA(2H+H´)・・・(7´)
【0036】
図10Aは、視野の左端を通った照明光の対物光学系4の瞳面での光束Wの位置を示し、図10Bは、視野の右端X1aを通った照明光の対物光学系4の瞳面での光束Wの位置を示している。
【0037】
Y1が条件式(7´)を上回ると、図11Bに示すように、照明光の光束Wすべてが瞳15の外に出てしまうため像が暗くなる。
図11Aは、視野の左端を通った照明光の対物光学系4の瞳面での光束Wの位置を示し、図11Bは、視野の右端X1aを通った照明光の対物光学系4の瞳面での光束Wの位置を示している。なお、図9において点線で示された光線が、図11Bに示されている瞳面での光束Wにおける光軸に近い側の端面になる。
【0038】
図12に示すように、容器2の天板2aの高さが低いほど、対物光学系4に入射する照明光の角度が大きくなり、瞳面での照明光の像が瞳端よりも外側に外れやすくなる。したがって、天板2aの高さが最も低い容器2(高さHmin)に対して、条件式(2´)を満たすことが望ましい。
【0039】
この場合、対物光学系4の光軸を基準とした拡散板8における対物光学系4に近い射出領域端9bまでの距離Y1は、条件式(7),(8)を満たす必要がある。
Y1<NA(2Hmin+H´min)−(FOVy/2)・・・(7)
Y1<NA(2Htmin+H´´−Hbmin)−(FOVy/2)・・・(8)
ここで、H´min:拡散板8の射出領域9を基準とした標本面X1の高さの最低値である。
【0040】
図13Aは、容器2の天板2aの高さが高い場合の瞳面での照明光の光束Wの位置を示し、図13Bは、容器2の天板2aの高さが低い場合の瞳面での照明光の光束Wの位置を示している。
Y1が条件式(7),(8)を上回ると、図13Bに示すように、照明光の光束Wすべてが瞳15の外に出てしまうため、像が暗くなる。
【0041】
本実施形態に係る観察装置1は、照明光学系5の射出領域9が対物光学系4の瞳15に投影された場合に、対物光学系4の瞳15の辺縁部15aにおいて照明光の一部が遮られるように、上記条件式(2),(4),(6),(8)を満足するようになっている。
【0042】
このように構成された観察装置1の作用について説明する。
本実施形態に係る観察装置1により、容器2に収容した細胞のように透明な試料Xを観察する場合、図1に示すように、試料Xを容器2内に収容して底面2bに接着させた状態で、容器2を底面2bが下側になるようにステージ3のガラス板3a上に載置する。
【0043】
この状態で、LED光源7を作動させて照明光を発生させる。LED光源7から発せられた照明光は、拡散板8によって拡散された状態で、ガラス板3aおよび容器2の底面2bを下から上に向かって透過し、容器2の天板2a内面において反射して試料Xに対して斜め上方から照射される。
【0044】
試料Xに照射された照明光のうち、試料Xを透過した透過光が容器2の底面2bおよびガラス板3aを上から下に向かって透過して、対物光学系4に光軸に対して斜めに入射する。この際、照明光は試料Xの形状や屈折率によって屈折、散乱され、あるいは、試料Xの透過率によって減光されることで、試料Xの情報を載せた透過光となって対物光学系4により集光され、撮像素子12によって撮影される。
【0045】
ここで、対物光学系4内において、瞳15よりも外側を通る透過光は遮られる。図14に示すように、対物光学系4における照明光の入射角が対物光学系4の取り込み角と同等の場合は、試料Xを通らない照明光L1、L5は、瞳15の辺縁部15a近傍を通り、像面12aに達する。また、試料Xの左端を通った照明光L2は、試料Xにおいて屈折して瞳15の外側に達してけられ、像面12aに達しない。また、試料Xの中央付近を通った照明光L3および試料Xの右側を通った照明光L4は、試料Xにおいて屈折され、瞳15の辺縁部15aよりも内側を通って像面12aに達する。この結果、図15に示すように、試料Xに影がついて立体的に見えるようになる。
【0046】
このように、本実施形態に係る観察装置1によれば、試料Xの下方に照明光学系5および撮影光学系6の両方を配置したことで、従来、試料を挟んだ両側に照明光学系と撮影光学系とを配置していた透過光の観察装置と比較すると、試料Xの片側のみに照明光学系5および撮影光学系6を集約した分だけ、装置を薄型化することができるという利点がある。また、そのように薄型化した観察装置1においても、透過光を撮影することにより細胞等の被写体を標識せずに観察することができるという利点がある。
【0047】
この場合において、上記条件式(2),(4),(6),(8)を満足することで、照明光学系5の射出領域9が対物光学系4の瞳15に投影された場合に、対物光学系4の瞳15の辺縁部15aにおいて照明光の一部が遮られることにより、試料Xの像に明暗を形成することができ、試料Xが立体的に見えるようになる。したがって、容器2内の試料Xを偏射照明で立体的にコントラストよく観察することができる。
【0048】
また、本実施形態においては、拡散板8により、LED光源7から発せられた照明光を均一に拡散し、照明ムラの少ない均一な強度の照明光を試料Xに照射することができる。
【0049】
本実施形態においては、反射面の高さの最低値Htminを大きくするための高さ補正具をさらに備えていてもよい。
高さ補正具は、照明光を反射する反射面を有し容器2の上方に配置可能である。このような高さ補正具として、例えば、天板を有する空の容器または蓋付きの空の容器が用いられる。空の容器は、試料Xを収容する容器2と同一種類のものであってもよく、異なる種類のものであってもよい。シャーレやウェルプレートのような蓋付きの容器の蓋のみを高さ補正具として用いてもよい。
試料Xを収容した容器2の上に高さ補正具を載置することで、反射面の位置がより高くなる。これにより、条件式(3)および(4)によって規定されるNAminの条件が緩和され、NAがより低く視野がより広い対物光学系4の使用が可能となる。
【0050】
<第1実施例>
次に、本発明の一実施形態に係る観察装置21の第1実施例について以下に説明する。
本実施例に係る観察装置21は、図16および図17に示すように、撮影光学系6の対物光学系4を挟んで対物光学系4の光軸に直交する方向に間隔をあけて配置された2つの照明光学系5A,5Bを備えている。
【0051】
また、これら照明光学系5A,5Bと対物光学系4がXYステージ(図示略、駆動部)に搭載されており、XYステージにより観察位置をXY方向に移動することができるようになっている。撮影光学系6は、Zステージ(図示略)に搭載されており、フォーカスを合わせられるようになっている。なお、照明光学系5A,5Bは、観察位置に応じて適当な方を使用することとすればよい。
【0052】
容器2は、細胞培養用のフラスコやウェルプレートを想定しており、天板2aの高さHtが空気換算長で15mmから40mm程度を有している。容器2の底面2bを基準とした標本面X1(細胞接着面)の高さHbは、空気換算長で2mm程度を有している。
【0053】
細胞のような試料Xの形状を判別でき、かつ容器2に収容されている細胞の数や密度を解析するのに適した対物光学系4の実視野FOVyは、3mm程度である。
また、構造上の要請により、対物光学系4の作動距離WDは5mm程度で、光束に対する対物光学系4の枠16の余裕量Tは3mm程度である。
【0054】
上記条件式(3),(4)より、偏射照明の条件から要請される対物光学系4の枠16の試料Xに近い部分の直径の最小値Dminは7.33mmであり、偏射照明の条件から要請される対物光学系4の試料X側の開口数(NA)の最低値NAminは0.17である。
【0055】
容器2の天板2aの傾きのバラツキや製造誤差を考慮し、NAは条件式(3)よりも少し大きくしてNA=0.25とし、対物光学系4の枠16の試料Xに近い部分の直径Dは8.5mmとする。
これらNAおよびDの値を用いたときに、照明光学系5の拡散板8の射出領域9を基準とした容器2の底面2bの高さH´´を変えて条件式(5),(6),(7),(8)を満たす条件を図18に示す。
【0056】
本実施例に係る観察装置21によれば、対物光学系4の仕様および照明光学系5のレイアウトが条件をすべて満たしており、様々な容器2の細胞を偏射照明により立体的にコントラストよく観察することができる。
【0057】
<第2実施例>
次に、本発明の一実施形態に係る観察装置21の第2実施例について以下に説明する。
本実施例においては、図19に示すように、拡散板8およびLED光源7がZステージ(図示略、駆動部)に搭載されており、Zステージにより拡散板8およびLED光源7を対物光学系4の光軸に沿う方向に移動して、採用する容器2の天板2aの高さに応じて拡散板8およびLED光源7の位置を変更する。
【0058】
拡散板8の射出領域9を基準とした容器2の底面2bの高さH´´は3mm〜8mmの範囲で可変とし、対物光学系4の光軸を基準とした拡散板8における対物光学系4に近い射出領域端9bまでの距離Y1を9.3mmとし、対物光学系4の光軸を基準とした拡散部材8の射出領域9における対物光学系4から遠い射出領域端9aまでの距離Y2を26mmとする。
【0059】
容器2は、デッシュのように天板2aの高さが低いもの、例えば、容器2の底面2bを基準とした天板2aの高さHtが10mmで、容器2の底面2bを基準とした標本面X1の高さHbが1mmのものを用いることとしてもよい。
【0060】
条件式(3),(4)より、偏射照明の条件から要請される対物光学系4の枠16の試料Xに近い部分の直径の最小値Dminは8.5mm、偏射照明の条件から要請される対物光学系4の試料X側の開口数(NA)の最低値NAminは0.25よりも大きいものとする。
【0061】
容器2の天板2aの傾きのバラツキや製造誤差を考慮し、NAは条件式(3)よりも少し大きくしてNA=0.3とし、対物光学系4の枠16の試料Xに近い部分の直径Dは9.0mmとする。
これらNAおよびDの値を用いたときに、照明光学系5の拡散板8の射出領域9を基準とした容器2の底面2bの高さH´´を変えて、条件式(5),(6),(7),(8)を満たす条件を図20に示す。
【0062】
本実施例に係る観察装置21によれば、容器2の天板2aの高さが低い場合(Htが小さい場合)は、Zステージにより、拡散板8およびLED光源7を対物光学系4の光軸に沿って容器2から離間させる方向に移動させる(H´´を大きくする)ことで、条件式(5),(6),(7),(8)が満たされる。また、容器2の天板2aの高さが高い場合は、Zステージにより、拡散板8およびLED光源7を対物光学系4の光軸に沿って容器2に近接させる方向に移動させる(H´´を小さくする)ことで、条件式(5),(6),(7),(8)が満たされる。
【0063】
これにより、Y2(対物光学系4の光軸を基準とした拡散部材8の射出領域9における対物光学系4から遠い射出領域端9aまでの距離)を大きくしなくても容器2内の試料Xを偏射照明でコントラストよく観察するための条件を満たすことができ、装置全体の設置面積を小さくすることができる。
【0064】
<第3実施例>
次に、本発明の一実施形態に係る観察装置21の第3実施例について以下に説明する。
本実施例においては、図21に示すように、XYステージにより拡散板8およびLED光源7を対物光学系4の光軸に直交する方向に移動し、採用する容器2の天板2aの高さに応じて拡散板8およびLED光源7の位置を変更する。
【0065】
拡散板8の射出領域9を基準とした容器2の底面2bの高さH´´は18mmとする。また、対物光学系4の光軸を基準とした拡散板8における対物光学系4に近い射出領域端9bまでの距離Y1を9.3mm〜19mmの範囲で可変とし、対物光学系4の光軸を基準とした拡散部材8の射出領域9における対物光学系4から遠い射出領域端9aまでの距離Y2を21.3mm〜31mmの範囲で可変とし、Y2−Y1を12mmとする。
以下、第2実施例と異なる点について説明する。
【0066】
NA=0.3、D=9.0mmの値を用いたときに、照明光学系5の拡散板8の射出領域9を基準とした容器2の底面2bの高さH´´を変えて、条件式(5),(6),(7),(8)を満たす条件を図22に示す。
【0067】
本実施例に係る観察装置21によれば、容器2の天板2aの高さが低い場合(Htが小さい場合)は、XYステージにより、拡散板8およびLED光源7を対物光学系4に近接させることで、条件式(5),(6),(7),(8)が満たされる。また、容器2の天板2aの高さが高い場合は、XYステージにより、拡散板8およびLED光源7を対物光学系4から離間させることで、条件式(5),(6),(7),(8)が満たされる。これにより、拡散板8の面積を小さくして、拡散板8とLED光源7との距離を短くすることができ、拡散板8での光密度を向上して明るい照明を実現することができる。
【0068】
<第4実施例>
次に、本発明の一実施形態に係る観察装置21の第4実施例について以下に説明する。
本実施例においては、図23に示すように、反射面の高さの最小値Htminを大きくするための高さ補正具17を備えている。
容器2は、蓋2c付きのシャーレを想定しており、蓋2cの内面が反射面になっている。高さ補正具17は、試料Xを収容する容器2とは別の空の容器2であり、蓋2cの内面が反射面17aとなっている。高さ補正具17は、試料Xを収容する容器2の蓋2cの上に載置される。図23の例では、高さ補正具17として蓋2cのみを使用している。
【0069】
本実施例に係る観察装置21によれば、高さ補正具17を用いることで、試料Xを収容する容器2のみを用いた場合と比べて反射面の高さの最小値Htminが大きくなり、これにより、条件式(3)および(4)によって規定される開口数の最低値NAminの値が小さくなる。すなわち、試料Xを収容する容器2のみを用いた場合と比べて、NAが低く実視野FOVyが広い対物光学系4を使用することができる。
NA=0.16、D=8.6mmの値を用いたときに、照明光学系5の拡散板8の射出領域9を基準とした容器2の底面2bの高さH´´を変えて、条件式(5),(6),(7),(8)を満たす条件を図24に示す。
【0070】
図25は、試料Xを収容する容器2として、蓋2c付きのウェルプレートを使用した例を示している。高さ補正具17としては、ウェルプレートの蓋2cが好適に用いられる。容器2と同一種類の空の蓋2c付きのウェルプレートを高さ補正具17として用いてもよい。
図25の例において、各ウェル内の標本面X1は、隣のウェルに入射し高さ補正具17の反射面17aで反射された照明光によって照明される。したがって、試料Xの観察に、ウェルの径が小さいウェルプレートを使用することができる。
【0071】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本実施形態においては、細胞培養フラスコのような天板2aを有する容器2内に試料Xを収容し、容器2の天板2a内面において照明光をフレネル反射させることとしたが、これに限定されるものではない。
【0072】
例えば、容器として、天板2aを有しないシャーレ(蓋なし)のようものに試料Xを収容した場合は、シャーレの上部開口を閉塞する位置にミラーのような反射部材を配置し、シャーレの底面を下から上に向かって透過した照明光をこの反射部材の一表面(反射面)によって反射することにしてもよい。反射部材は、直動によりあるいは揺動により試料Xの上方位置に挿脱可能に設けられていてもよい。
【0073】
また、容器として、天板2aを有しないシャーレ(蓋なし)のようなものに試料Xを収容した場合は、シャーレ内に溶液(例えば、培養培地やリン酸緩衝液等)を入れて試料Xを溶液内に浸し、シャーレの底面を下から上に向かって透過した照明光を溶液上方の液面(反射面)によって反射することにしてもよい。天板2aを有する容器2に試料Xを収容した場合も、容器2内に溶液(例えば、培養培地やリン酸緩衝液等)を入れて試料Xを溶液内に浸してもよい。これらの変形例においては、容器2の天板2aの高さに代えて、反射部材の一表面の高さや溶液上方の液面の高さを上記の各条件式に適用することとすればよい。
【符号の説明】
【0074】
1,21 観察装置
2 容器
2a 天板(反射面)
2b 底面(載置面)
4 対物光学系(対物レンズ)
5 照明光学系
6 撮影光学系
7 LED光源
8 拡散板(拡散部材)
9 射出領域
15 瞳(明るさ絞り)
16 枠
17 高さ補正具
17a 反射面
X 試料
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25