特許第6894916号(P6894916)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6894916
(24)【登録日】2021年6月8日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】パーティクルボード用炭酸カルシウム
(51)【国際特許分類】
   B27N 3/02 20060101AFI20210621BHJP
   B27N 3/06 20060101ALI20210621BHJP
   B32B 21/13 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
   B27N3/02 B
   B27N3/06 A
   B32B21/13
【請求項の数】24
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2018-546750(P2018-546750)
(86)(22)【出願日】2016年11月24日
(65)【公表番号】特表2018-536567(P2018-536567A)
(43)【公表日】2018年12月13日
(86)【国際出願番号】EP2016078716
(87)【国際公開番号】WO2017093122
(87)【国際公開日】20170608
【審査請求日】2019年11月18日
(31)【優先権主張番号】15196997.9
(32)【優先日】2015年11月30日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】62/263,777
(32)【優先日】2015年12月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505018120
【氏名又は名称】オムヤ インターナショナル アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュルル,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】クリツィンガー,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】オジャー,トマシュ
(72)【発明者】
【氏名】フンツィカー,フィリップ
【審査官】 大谷 純
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−543452(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02944621(EP,A1)
【文献】 特開2001−121654(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/072437(WO,A1)
【文献】 特開2004−181881(JP,A)
【文献】 特開2009−023095(JP,A)
【文献】 特開平06−297417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27N 1/00− 9/00
B32B 1/00−43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーティクルボードであって、
a)第1の面及び裏面を有する木材小片ベース層であって、
i)木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、60.0〜97.5重量部(d/d)の量の木材小片及び2.5〜40.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料
を含む木材小片ベース層、
並びに
b)木材小片ベース層の第1の面及び/又は裏面に接触している少なくとも1つの木材小片表面層であって、
ii)少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、70.0〜97.5重量部(d/d)の量の木材小片及び2.5〜30.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料
を含む木材小片表面層
を含み、
ここで、木材小片ベース層及び少なくとも1つの木材小片表面層のそれぞれにおける木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の合計量は、それぞれの層中の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて100.0重量部(d/d)であり、且つ該層における少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料が、1.0μm〜1000.0μmの重量メジアン粒径d50を有する、パーティクルボード。
【請求項2】
少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料が、ドロマイト及び/又は少なくとも1つの粉砕炭酸カルシウム(GCC)、及び/又は少なくとも1つの沈降炭酸カルシウム(PCC)である、請求項1に記載のパーティクルボード。
【請求項3】
少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料が、少なくとも1つの粉砕炭酸カルシウム(GCC)である、請求項1に記載のパーティクルボード。
【請求項4】
木材小片ベース層及び/又は少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料が、a)15.0μm〜1000.0μmの重量メジアン粒径d50、及び/又はb)BET窒素方法によって測定される場合に、≦5.0m/gの比表面積、及び/又はc)100.0〜1200.0μmのトップカットd98を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパーティクルボード。
【請求項5】
木材小片ベース層及び/又は少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料が、a)30.0μm〜1000.0μmの重量メジアン粒径d50、及び/又はb)BET窒素方法によって測定される場合に、0.1〜5.0m/gの比表面積、及び/又はc)250.0μm〜1100.0μmのトップカットd98を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパーティクルボード。
【請求項6】
木材小片ベース層及び/又は少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料が、炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、≧10.0重量%の量の炭酸カルシウムからなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパーティクルボード。
【請求項7】
木材小片ベース層及び/又は少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料が、炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、20.0重量%の量の炭酸カルシウムからなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパーティクルボード。
【請求項8】
木材小片ベース層及び少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片が、一次木材源、又は二次木材源、及びこれらの混合物に由来する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のパーティクルボード。
【請求項9】
一次木材源が、針葉樹樹種、広葉樹樹種および非木材繊維植物からなる群から選択され、二次木材源が、再生木材である、請求項8に記載のパーティクルボード。
【請求項10】
木材小片ベース層が、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、木材小片を70.0〜95.0重量部(d/d)の量含み、及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を5.0〜30.0重量部(d/d)の量含み、及び/又は少なくとも1つの木材小片表面層が、少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、木材小片を75.0〜95.0重量部(d/d)の量含み、及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を5.0〜25.0重量部(d/d)の量含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のパーティクルボード。
【請求項11】
木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片が、同一又は異なり;及び/又は木材小片ベース層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料及び少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料が、同じか又は異なる、請求項1〜10のいずれか一項に記載のパーティクルボード。
【請求項12】
木材小片ベース層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料及び少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料が、これらの重量メジアン粒径d50において異なる、請求項1〜10のいずれか一項に記載のパーティクルボード。
【請求項13】
木材小片ベース層及び/又は少なくとも1つの木材小片表面層が、木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、0.05〜25.0重量部(d/d)の量で少なくとも1つのバインダを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載のパーティクルボード。
【請求項14】
少なくとも1つのバインダが、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(PF)、尿素−ホルムアルデヒド樹脂(UF)、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(MF)、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド樹脂(MUF)、尿素−メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(UMF)、尿素−メラミン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(UMPF)、エポキシ樹脂、メチレンジフェニルジイソシアネート樹脂(MDI)、ポリウレタン樹脂(PU)、レゾルシン樹脂、でんぷん又はカルボキシメチルセルロース及びこれらの混合物を含む群から選択される、請求項13のパーティクルボード。
【請求項15】
木材小片ベース層及び/又は少なくとも1つの木材小片表面層がさらに、ワックス、着色剤、充填剤(少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料とは異なる)、分散剤、殺生物剤、硬化剤及び難燃剤を含む群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載のパーティクルボード。
【請求項16】
パーティクルボードが、木材小片ベース層及び2つの木材小片表面層からなる3層パーティクルボードである、請求項1〜15のいずれか一項に記載のパーティクルボード。
【請求項17】
パーティクルボードが、木材小片ベース層及び2つの木材小片表面層からなる3層パーティクルボードであり、一方の木材小片表面層が、木材小片ベース層の第1の面と接触し、他方の木材小片表面層が、木材小片ベース層の裏面と接触している、請求項16に記載のパーティクルボード。
【請求項18】
パーティクルボードが、≧10N/mmの曲げ強度;及び/又は≧1000N/mmの弾性率;及び/又は≧0.30N/mmの内部結合強度;及び/又は≦15%の24時間の水貯蔵後の厚さ膨潤を有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載のパーティクルボード。
【請求項19】
パーティクルボードが、10〜25N/mmの曲げ強度;及び/又は1600〜3500N/mmの弾性率;及び/又は0.35〜1.0N/mmの内部結合強度;及び/又は4.0〜15.0%の24時間の水貯蔵後の厚さ膨潤を有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載のパーティクルボード。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか一項に記載のパーティクルボードを製造するための方法であって、以下の工程:
a)請求項1又は8〜12のいずれか一項に定義された木材小片を乾燥形態で提供する工程、
b)請求項1〜7又は10〜12のいずれか一項に定義された少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を提供する工程、
c)任意に、請求項13又は14に定義された少なくとも1つのバインダ及び/又は請求項15に定義された少なくとも1つの化合物を提供する工程、
d)工程a)の木材小片を、工程b)の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び工程c)の任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と、同時に又は任意の順序で別々に配合して、木材小片ベース層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物を形成する工程、
e)工程a)の木材小片を、工程b)の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び工程c)の任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と、同時に又は任意の順序で別々に配合して、少なくとも1つの木材小片表面層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物を形成する工程、
f)工程d)で得られた木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物及び工程e)で得られた木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物の多層マットを形成する工程、及び
g)工程f)の多層マットを1つ以上の工程でソリッドパーティクルボードにプレスする工程
を含む、方法。
【請求項21】
方法工程d)及び/又はe)が、工程a)の木材小片を、工程b)の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び工程c)の任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と、同時に配合して行われるか、又は方法工程d)及び/又はe)が、工程a)の木材小片を、工程b)の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び工程c)の任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と、別々に配合して行われる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
工程a)の木材小片及び/又は工程b)の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料が、乾燥形態で提供される、請求項20又は21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
パーティクルボード中の木材小片置換物としての少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の使用であって、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料が、1.0μm〜1000.0μmである重量メジアン粒径d50を有することを特徴とする、使用。
【請求項24】
少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料が、15.0μm〜1000.0μmである重量メジアン粒径d50を有することを特徴とする、請求項23に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーティクルボード、このパーティクルボードの製造方法及びパーティクルボードにおける木材小片置換物としての少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
パーティクルボードは、家具、床材、家屋、階段の踏板及び下敷き材又はパネル材などの屋内用途に、この合理的なコスト、幅広い及び柔軟性のある用途、並びに仕上げの容易さのために広く使用されている。このようなパーティクルボードは、主に木材小片を含み、木材小片が熱及び圧力下でバインダを用いて又は用いずに互いに結合された複合製品である。このようなボード及びこの調製方法は、多くの文献に記載されている。例えば、WO2006/042651A1は、漂白された木材繊維から製造され、及び/又は白色顔料で原料建染めされた(vat−dyed)明色ないし白色の木材材料パネルについて言及する。DE4310191A1は、無機気泡材料及び難燃剤を含む木材系パネルボードに関する。無機気泡材料は、無機材料から製造される気泡材料を含む。例えば、これらは無機酸化物、例えば酸化ケイ素又は酸化アルミニウムを主成分とし、微小な独立気泡が充填された粒子状構造を有する材料であってもよい。US5,422,170A及びUS5,705001Aは、木材繊維、無機気泡材料、難燃剤及びこれらの材料を結合するための有機バインダを一緒に混合し、熱プレス形成して木材系パネルを得る木材系パネルについて言及する。US2004/0258898A1は、部分的に可溶性のホウ素塩の水系スラリーを生成する工程;木質材料に接着剤を添加する工程;この水系スラリーをこの木質材料(igneous material)に、この難燃化のために独立して導入する工程を含む難燃性複合パネルを製作するための方法に関する。
【0003】
強度、弾性特性及びさらなる加工性を含む調整された特性を有する多種多様なパーティクルボードが市場で既に入手可能であるにもかかわらず、この木材パーティクルボードの一般的な欠点は、主成分、即ち木材小片が、バイオマスエネルギーセクターからの需要の増加により、価格が上昇して利用可能性の低下に曝される有機再生可能資源に基づくことである。
【0004】
従って、有機再生可能資源に基づく原材料の少なくとも一部が代替材料に置き換えられると同時に、曲げ強度及び弾性率、内部結合強度、厚さ膨潤、弾性特性及びさらなる加工性のような重要な機械的特性は、維持される又はさらに改善されるパーティクルボードが当該技術分野において継続して必要とされている。これに加えて、上記の機械的特性を損なうことなく、パーティクルボードの全体重量を減少させることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2006/042651号
【特許文献2】独国特許出願公開第4310191号明細書
【特許文献3】米国特許第5,422,170号明細書
【特許文献4】米国特許第5,705001号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2004/0258898号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、有機再生可能資源に基づく原材料の少なくとも一部が代替材料に置き換えられたパーティクルボードを提供することである。さらなる目的は、曲げ強度及び弾性率、内部結合強度、厚さ膨潤、弾性特性及びさらなる加工性のような他の重要な機械的特性のセットが、好ましくは国際的なDIN基準に対して維持される又はさらに改善されるパーティクルボードを提供することである。他の目的は、全体重量が減少したパーティクルボードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述及び他の目的は、請求項1において本明細書で定義されるような主題によって解決される。
【0008】
本発明のパーティクルボードの有利な実施形態は、対応する従属請求項に定義されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】試験1における比較及び本発明のパーティクルボードの曲げ強度及び弾性率を示すグラフ。
図2】試験1における比較及び本発明のパーティクルボードの内部結合強度を示すグラフ。
図3】試験1における比較及び本発明のパーティクルボードの厚さ膨潤を示すグラフ。
図4】試験1における比較及び本発明のパーティクルボードの平衡水分を示すグラフ。
図5】試験2における比較及び本発明のパーティクルボードの密度を示すグラフ。
図6】試験2における比較及び本発明のパーティクルボードの平衡水分を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本出願の1つの態様によれば、パーティクルボードが提供される。このパーティクルボードは、
a)第1の面及び裏面を有する木材小片ベース層であって、
i)木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、60.0〜97.5重量部(d/d)の量の木材小片及び2.5〜40.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料
を含む木材小片ベース層、
並びに
b)木材小片ベース層の第1の面及び/又は裏面に接触している少なくとも1つの木材小片表面層であって、 ii)少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、70.0〜97.5重量部(d/d)の量の木材小片、及び2.5〜30.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料
を含む木材小片表面層
を含み、
ここで、木材小片ベース層及び少なくとも1つの木材小片表面層のそれぞれにおける木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の合計量は、それぞれの層中の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて100.0重量部(d/d)である。
【0011】
本発明の趣旨上、以下の用語は以下の意味を有することが理解されるべきである:
「炭酸カルシウム含有材料」という用語は、炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、少なくとも10.0重量%の炭酸カルシウムを含む材料を指す。
【0012】
本発明の趣旨上、重量メジアン粒子直径「d50」は、粒子のx重量%がd未満の直径を有する直径を表す。これは、d20値は、すべての粒子の20.0重量%がこの粒径よりも小さい粒径であり、d80値は、すべての粒子の80.0重量%がこの粒径よりも小さい粒径であることを意味する。故にd50値は、重量メジアン粒径であり、即ちすべてのグレインの50.0重量%が、この粒径よりも小さい。本発明の趣旨上、粒径は、特に断らない限り、重量メジアン粒径d50として特定される。少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の重量メジアン粒径をレーザー回折によって測定した。この方法では、粒径は、レーザービームが分散された粒子状試料を通過する際に散乱される光の強度を測定することによって決定される。測定は、Malvern Instruments Ltd.のMastersizer2000又はMastersizer3000(操作機器ソフトウェアバージョン1.04)を用いて行う。
【0013】
本発明の意味における用語「d/d」は、定義された固体材料の乾燥量に基づく乾燥量を指す。
【0014】
用語「含む(comprising)」が本説明及び特許請求の範囲で使用される場合、大きい又は小さい機能的な重要性を有する、他の非特定要素を排除するものではない。本発明の趣旨上、用語「からなる」は、用語「含む」の好ましい実施形態であると考慮される。以下、ある群が少なくとも特定数の実施形態を含むと定義される場合に、これはまた、好ましくはこれらの実施形態のみからなる群を開示すると理解されるべきである。
【0015】
用語「含む(including)」又は「有する(having)」が使用されるときはいつでも、これらの用語は、上記で定義されたように「含む(comprising)」と等価であることを意図する。
【0016】
不定冠詞又は定冠詞、例えば「a」、「an」又は「the」が単数名詞について言及するときに使用される場合、これは他に特に明記されない限り、この名詞の複数形を含む。
【0017】
「得ることができる」又は「定義できる」及び「得られる」又は「定義される」という用語は、交換可能に使用される。例えばこれは、文脈上明確に示されない限り、用語「得られる」は、例えばある実施形態が、例えば用語「得られる」に続く一連の工程によって得られなければならないことを示す意図はないが、こうした限定的な理解は、好ましい実施形態として用語「得られる」又は「規定される」によって常に含まれることを意味する。
【0018】
本発明の別の態様によれば、本明細書で定義されるパーティクルボードを製造する方法が提供される。この方法は、以下の工程:
a)本明細書で定義される木材小片を乾燥形態で提供する工程、
b)本明細書で定義される少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を提供する工程、
c)任意に、本明細書で定義される少なくとも1つのバインダ及び/又は本明細書で定義されるなくとも1つの化合物を提供する工程、
d)工程a)の木材小片を、工程b)の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び工程c)の任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と、同時に又は任意の順序で別々に配合して、木材小片ベース層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物を形成する工程、
e)工程a)の木材小片を、工程b)の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は工程c)の少なくとも1つの化合物と、同時に又は任意の順序で別々に配合して、少なくとも1つの木材小片表面層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物を形成する工程、
f)工程d)で得られた木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物及びe)で得られた木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物の多層マットを形成する工程、及び
g)工程f)の多層マットを1つ以上の工程でソリッドパーティクルボードにプレスする工程
を含む。
【0019】
本方法の一実施形態によれば、方法工程d)及び/又はe)は、工程a)の木材小片を、工程b)の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び工程c)の任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と、同時に配合して行われるか、又は方法工程d)及び/又はe)は、工程a)の木材小片を、工程b)の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び工程c)の任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と、別々に配合して行われる。本方法の別の実施形態によれば、工程a)の木材小片及び/又は工程b)の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、乾燥形態で提供される。
【0020】
本発明のさらなる態様によれば、パーティクルボード中の木材小片置換物としての少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の使用が提供される。好ましくは、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、1.0μm〜1000.0μm、より好ましくは15.0μm〜1000.0μm、最も好ましくは30.0μm〜1000.0μmの重量メジアン粒径d50を有する。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、ドロマイト及び/又は少なくとも1つの粉砕炭酸カルシウム(GCC)、例えば大理石、チョーク、石灰石及び/又はこれらの混合物、及び/又は少なくとも1つの沈降炭酸カルシウム(PCC)、好ましくは少なくとも1つの粉砕炭酸カルシウム(GCC)である。
【0022】
本発明の別の実施形態によれば、木材小片ベース層及び/又は少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、a)1.0μm〜1000.0μm、より好ましくは15.0μm〜1000.0μm、最も好ましくは30.0μm〜1000.0μmの重量メジアン粒径d50、及び/又はb)BET窒素方法によって測定される場合に、≦5.0m/g、より好ましくは0.1〜5.0m/g、最も好ましくは0.2〜1.0m/gの比表面積、及び/又はc)100.0〜1200.0μm、より好ましくは250.0μm〜1100.0μm、最も好ましくは500.0μm〜1000.0μmのトップカットd98を有する。
【0023】
本発明のさらに別の実施形態によれば、木材小片ベース層及び/又は少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、≧10.0重量%、好ましくは20.0重量%、より好ましくは50.0重量%、さらにより好ましくは90.0重量%、より好ましくは≧95.0重量%、及び最も好ましくは≧97.0重量%の量の炭酸カルシウムからなる。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、木材小片ベース層及び少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片は、一次木材源、例えば針葉樹樹種、広葉樹樹種、非木材繊維植物、又は二次木材源、例えば再生木材、及びこれらの混合物に由来する。
【0025】
本発明の別の実施形態によれば、木材小片ベース層は、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、木材小片を70.0〜95.0重量部(d/d)の量含み、及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を5.0〜30.0重量部(d/d)の量含み、及び/又は少なくとも1つの木材小片表面層は、少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、木材小片を75.0〜95.0重量部(d/d)の量含み、及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を5.0〜25.0重量部(d/d)の量含む。
【0026】
本発明のさらに別の実施形態によれば、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片は、同一又は異なり;及び/又は木材小片ベース層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料及び少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、同じか又は異なり、好ましくは木材小片ベース層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料及び少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、これらの重量メジアン粒径(小片寸法)d50が異なる。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、木材小片ベース層及び/又は少なくとも1つの木材小片表面層は、木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、0.05〜25.0重量部(d/d)の量含み少なくとも1つのバインダを含み、好ましくは少なくとも1つのバインダは、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(PF)、尿素−ホルムアルデヒド樹脂(UF)、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(MF)、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド樹脂(MUF)、尿素−メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(UMF)、尿素−メラミン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(UMPF)、エポキシ樹脂、メチレンジフェニルジイソシアネート樹脂(MDI)、ポリウレタン樹脂(PU)、レゾルシン樹脂、でんぷん又はカルボキシメチルセルロース及びこれらの混合物を含む群から選択され、より好ましくは少なくとも1つのバインダは、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(PF)、尿素−ホルムアルデヒド樹脂(UF)、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(MF)、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド樹脂(MUF)、尿素−メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(UMF)、尿素−メラミン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(UMPF)、エポキシ樹脂、メチレンジフェニルジイソシアネート樹脂(MDI)、ポリウレタン樹脂(PU)及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0028】
本発明の別の実施形態によれば、木材小片ベース層及び/又は少なくとも1つの木材小片表面層はさらに、ワックス、着色剤、充填剤(少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料とは異なる。)、分散剤、殺生物剤、硬化剤及び難燃剤を含む群から選択される少なくとも1つの化合物を含む。
【0029】
本発明のさらに別の実施形態によれば、パーティクルボードは、木材小片ベース層及び2つの木材小片表面層からなる3層パーティクルボードであり、好ましくは、一方の木材小片表面層は、木材小片ベース層の第1の面と接触し、他方の木材小片表面層は木材小片ベース層の裏面と接触している。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、パーティクルボードは、≧10N/mm、好ましくは10〜25N/mm、最も好ましくは10〜20N/mmの曲げ強度;及び/又は≧1000N/mm、好ましくは1600〜3500N/mm、最も好ましくは1600〜3200N/mmの弾性率;及び/又は≧0.30N/mm、より好ましくは0.35〜1.0N/mm、最も好ましくは0.35〜0.9N/mmの内部結合強度;及び/又は≦15%、より好ましくは4.0〜15.0%、最も好ましくは5.0〜14%の24時間の水貯蔵後の厚さ膨潤を有する。
【0031】
上記のように、本発明のパーティクルボードは、ポイントa)、i)、b)及びii)に示されるように、木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を含む木材小片ベース層、並びに木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を含む少なくとも1つの木材小片表面層を含む。以下では、本発明のさらなる詳細、特に本発明のパーティクルボードの上記のポイントについて言及する。
【0032】
本発明のパーティクルボードは、第1面及び裏面を有する木材小片ベース層を含む。木材小片ベース層は、少なくとも1つの木材小片表面層のための支持体として働く。従って、パーティクルボードは、好ましくは、第1の面及び裏面を有する木材小片ベース層と、木材小片ベース層の第1の面及び/又は裏面と接触している少なくとも1つの木材小片表面層とを含む、より好ましくはこれらからなる。
【0033】
パーティクルボードが、第1面及び裏面を有する木材小片ベース層及び木材小片ベース層の第1面及び裏面と接触している少なくとも1つの木材小片表面層を好ましくは含む、より好ましくはこれらからなる場合に、機械的特性、例えば曲げ強度及び弾性率、内部結合強度、厚さ膨潤、弾性特性及びさらなる加工性に関して特に有利であることが理解される。
【0034】
従って、本発明のパーティクルボードは、好ましくは、多層のパーティクルボード、例えば3層又は5層のパーティクルボードであり、これは木材小片ベース層及び2つ又は4つの木材小片表面層からなる。例えば、パーティクルボードは、木材小片ベース層及び2つの木材小片表面層からなる3層パーティクルボードであり、ここで一方の木材小片表面層は、木材小片ベース層の第1の面と接触し、他方の木材小片表面層は木材小片ベース層の裏面と接触している。
【0035】
上記で既に上述したように、本発明によるパーティクルボードは、高い機械的特性、例えば曲げ強度及び弾性率、内部結合強度、厚さ膨潤、弾性特性及びさらなる加工性を特に特徴とする。
【0036】
本発明のパーティクルボードは、特に高い曲げ強度を特徴とする。好ましくは、パーティクルボードは、≧10N/mm、好ましくは10〜25N/mm、最も好ましくは10〜20N/mmの曲げ強度を有する。他に断らない限り、曲げ強度はDIN EN310に従って決定される。
【0037】
追加的に又は代替的に、本発明のパーティクルボードは、高い弾性率を特徴とする。好ましくは、パーティクルボードは、≧1000N/mm、好ましくは1600〜3500N/mm、最も好ましくは1600〜3200N/mmの弾性率を有する。他に断らない限り、弾性率はDIN EN310に従って決定される。
【0038】
追加的に又は代替的に、本発明のパーティクルボードは、高い内部結合強度を特徴とする。好ましくは、パーティクルボードは、≧0.30N/mm、より好ましくは0.35〜1.0N/mm、最も好ましくは0.35〜0.9N/mmの内部結合強度を有する。他に断らない限り、内部結合強度はDIN EN319に従って決定される。内部結合強度はまた、横方向引張強度とも呼ばれ得ることが理解される。
【0039】
追加的に又は代替的に、本発明のパーティクルボードは、高い厚さ膨潤を特徴とする。好ましくは、パーティクルボードは、≦15%、より好ましくは4.0〜15.0%、最も好ましくは5.0〜14%の24時間の水貯蔵後の厚さ膨潤を有する。他に断らない限り、厚さ膨潤はDIN EN317に従って決定される。
【0040】
例えば、本発明のパーティクルボードは、≧10N/mm、好ましくは10〜25N/mm、最も好ましくは10〜20N/mmの曲げ強度;又は≧1000N/mm、好ましくは1600〜3500N/mm、最も好ましくは1600〜3200N/mmの弾性率;又は≧0.30N/mm、より好ましくは0.35〜1.0N/mm、最も好ましくは0.35〜0.9N/mmの内部結合強度;又は≦15%、より好ましくは4.0〜15.0%、最も好ましくは5.0〜14%の24時間の水貯蔵後の厚さ膨潤を有する。
【0041】
代替的に、パーティクルボードは、≧10N/mm、好ましくは10〜25N/mm、最も好ましくは10〜20N/mmの曲げ強度;及び≧1000N/mm、好ましくは1600〜3500N/mm、最も好ましくは1600〜3200N/mmの弾性率;及び≧0.30N/mm、より好ましくは0.35〜1.0N/mm、最も好ましくは0.35〜0.9N/mmの内部結合強度;及び≦15%、より好ましくは4.0〜15.0%、最も好ましくは5.0〜14%の24時間の水貯蔵後の厚さ膨潤を有する。
【0042】
一実施形態では、本発明のパーティクルボードは、≦8%、好ましくは≦7.8%、より好ましくは≦7.5%、さらにより好ましくは≦7.0%、さらにより好ましくは≦6.8%、最も好ましくは≦6.5%、例えば5.0〜6.5%の範囲の平衡水分を有する。他に断らない限り、平衡水分はDIN EN322に従って決定される。
【0043】
例えば、本発明のパーティクルボードの平衡水分は、木材小片ベース層及び/又は少なくとも1つの木材小片表面層において少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を含まずに調製されたパーティクルボードの平衡水分より、好ましくは5%、より好ましくは10%、さらにより好ましくは15%、なおより好ましくは20%、最も好ましくは25%低い。
【0044】
平衡水分を減少させると、パーティクルボード全体の重量が減少することが理解される。
【0045】
一実施形態では、本発明のパーティクルボードは、0.2〜300.0mm、好ましくは2.0〜40.0mm、最も好ましくは4.0〜20mmの厚さを有する。
【0046】
例えば、木材小片ベース層及び少なくとも1つの木材小片表面層は、ほぼ等しい厚さで存在し、即ち木材小片ベース層の厚さ及び存在する木材小片表面層のそれぞれの厚さの合計は、ほぼ同じである。パーティクルボードが2つ以上の木材小片表面層を含む場合、各木材小片表面層の厚さは、好ましくはほぼ同じである。例えば、パーティクルボードが3層パーティクルボードである場合、各木材小片表面層は、木材小片ベース層の厚さの約半分である。
【0047】
好ましくは、本発明のパーティクルボードの木材小片ベース層は、0.1〜150.0mm、好ましくは1.0〜20.0mm、最も好ましくは2.0〜10mmの厚さを有する。追加的に又は代替的に、本発明のパーティクルボードの少なくとも1つの木材小片表面層は、合計で0.1〜150.0mm、好ましくは1.0〜20.0mm、最も好ましくは2.0〜10mmの厚さを有する。
【0048】
本発明の一実施形態では、パーティクルボードは、100〜1200kg/m、好ましくは200〜1100kg/m、最も好ましくは300〜1000kg/mの密度及び1.0〜300.0mm、好ましくは2.0〜40.0mm、最も好ましくは4.0〜20mmの厚さを有する。他に断らない限り、密度はDIN EN323に従って決定される。
【0049】
このように、本発明のパーティクルボードは、高密度パーティクルボード、中密度パーティクルボード、低密度繊維パーティクルボードから選択されてもよい。例えば、本発明のパーティクルボードは、John A.Youngquist,Wood−based composites and panel products;Wood handbook:wood as an engineering material.Madison,WI:USDA Forest Service,Forest Products Laboratory,1999.General technical report FPL;GTR−113:10.1−10.31頁に定義される等級LD−1、LD−2、M−1、M−S、M−2、M−3、H−1、H−2及び/若しくはH−3又はDIN EN312:2010−12;120−127頁に定義される等級P1、P2、P3、P4、P5、P6及び/若しくはP7のパーティクルボードであってもよい。
【0050】
<木材小片ベース層>
本発明のポイントa)によれば、パーティクルボードは、第1面及び裏面を有する木材小片ベース層を含み、この木材小片ベース層は、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、木材小片を60.0〜97.5重量部(d/d)の量含み、及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を2.5〜40.0重量部(d/d)の量で含む。
【0051】
パーティクルボードの木材小片ベース層は、1種以上の木材小片を含んでいてもよいことが理解される。
【0052】
従って、木材小片ベース層は、1種の木材小片を含んでいてもよい。代替的に、木材小片ベース層は、2種以上の木材小片の混合物を含んでいてもよい。例えば、木材小片ベース層は、2種又は3種の木材小片の混合物を含んでいてもよい。好ましくは、木材小片ベース層は、1種の木材小片を含む。
【0053】
本発明による木材小片ベース層中に存在する木材小片は、これらがパーティクルボードの木材小片ベース層の調製に適している限り、特定の木材小片に限定されないことが理解される。
【0054】
好ましくは、木材小片は、木材系又は繊維系の小片である。本発明の意味における「木材系」粒子という用語は、共通の定義を指し、即ち、木材は、針葉樹及び広葉樹の樹種の樹幹及び枝の大部分を構成する繊維状の硬質物質である。本発明の意味における「繊維系」小片という用語は、木材に由来しないいずれかの繊維状物質を指し、即ち、繊維系は植物の大部分を構成する繊維状物質である。
【0055】
このような木材系又は繊維系の小片は、当業者に周知であり、通常、パーティクルボードに使用されるいずれかの木材系又は繊維系小片であることができる。例えば、木材小片は、針葉樹樹種、広葉樹樹種、非木材繊維植物及びこれらの混合物などの一次木材源に由来する。追加的に又は代替的に、木材小片は、再生木材などの二次木材源に由来する。
【0056】
木材小片ベース層は、好ましくは、特定の寸法の木材小片を含む。例えば、木材小片ベース層は、
i)0.4〜15mm、より好ましくは3〜15mm、最も好ましくは5〜15mmの範囲の小片長さ、及び/又は
ii)0.1〜2.0mm、より好ましくは0.2〜1.5mm、最も好ましくは0.25〜1.0mmの範囲の小片厚さ、及び/又は
iii)2〜60、より好ましくは5〜60、最も好ましくは10〜60の小片長さと小片厚さとの比
を有する木材小片を含む。
【0057】
小片「長さ」は、木材小片の最長寸法を指すことが理解される。小片の「厚さ」という用語は、木材小片の最短寸法を指す。長さ又は厚さは、平均長さ又は平均厚さを指すことが理解される。
【0058】
好ましくは、木材小片ベース層は、
i)0.4〜15mm、より好ましくは3〜15mm、最も好ましくは5〜15mmの小片長さ、又は
ii)0.1〜2.0mm、より好ましくは0.2〜1.5mm、最も好ましくは0.25〜1.0mmの範囲の小片厚さ、又は
iii)2〜60、より好ましくは5〜60、最も好ましくは10〜60の小片長さと粒子厚さとの比
を有する木材小片を含む。
【0059】
代替的に、木材小片ベース層は、
i)0.4〜15mm、より好ましくは3〜15mm、最も好ましくは5〜15mmの小片長さ、及び
ii)0.1〜2.0mm、より好ましくは0.2〜1.5mm、最も好ましくは0.25〜1.0mmの範囲の小片厚さ、及び
iii)2〜60、より好ましくは5〜60、最も好ましくは10〜60の小片長さと小片厚さとの比
を有する木材小片を含む。
【0060】
一実施形態では、木材小片ベース層は、0.4〜15mm、より好ましくは3〜15mm、最も好ましくは5〜15mmの範囲のメジアン小片寸法d50を有する木材小片を含む。
【0061】
追加的に又は代替的に、木材小片ベース層は、2〜60、より好ましくは5〜60、最も好ましくは10〜60の範囲のメジアン小片寸法d90を有する木材小片を含む。
【0062】
木材小片ベース層に適した木材小片の特定例には、綿、トウヒ、マツ、アルダー、バーチ、ブナ、オーク及びこれらの混合物が含まれる。
【0063】
本発明のパーティクルボードの木材小片ベース層の1つの要件は、木材小片を、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて60.0〜97.5重量部(d/d)の量含むことである。好ましくは、木材小片ベース層は、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて70.0〜95.0重量部(d/d)の量の木材小片を含む。より好ましくは、木材小片ベース層は、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて70.0〜90.0重量部(d/d)の量の木材小片を含む。
【0064】
本発明のパーティクルボードの木材小片ベース層の別の必須成分は、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料である。少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、木材小片の置換物として機能し、従って、パーティクルボードの木材小片ベース層中の有機再生可能資源に基づく原材料の量を減少させる。
【0065】
本発明の意味において「少なくとも1つの」粒子状炭酸カルシウム含有材料という用語は、粒子状炭酸カルシウム含有材料が、1つ以上の粒子状炭酸カルシウム含有材料を含み、好ましくはこれからなることを意味する。
【0066】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を含み、好ましくはこれからなる。代替的に、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、2つ以上の粒子状炭酸カルシウム含有材料を含み、好ましくはこれらからなる。例えば、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、2つ又は3つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を含み、好ましくはこれらからなる。
【0067】
好ましくは、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を含み、より好ましくはこれからなる。
【0068】
本発明の意味において少なくとも1つの「粒子状炭酸カルシウム含有材料」という用語は、炭酸カルシウムを含む固体化合物を指す。
【0069】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、ドロマイト、少なくとも1つの粉砕炭酸カルシウム(GCC)、少なくとも1つの沈降炭酸カルシウム(PCC)及びこれらの混合物から選択される。
【0070】
本発明の意味において「ドロマイト」は、CaMg(CO(「CaCO・MgCO」)の化学組成を有する炭酸カルシウム−マグネシウム−ミネラルである。ドロマイト鉱物は、ドロマイトの総重量に基づいて少なくとも30.0重量%のMgCO、好ましくは35.0重量%超過、40.0重量%超過、通常45.0〜46.0重量%のMgCOを含有する。
【0071】
本発明の意味において「粉砕炭酸カルシウム」(GCC)は、天然源、例えば石灰岩、大理石、又はチョークから得られた炭酸カルシウムであり、例えばサイクロン又は分類機による、湿式及び/又は乾式処理、例えば粉砕、スクリーニング及び/又は分画を通して加工処理される。
【0072】
本発明の一実施形態によれば、GCCは乾式粉砕によって得られる。本発明の別の実施形態によれば、GCCは、湿式粉砕及びこの後の乾燥によって得られる。
【0073】
一般に、粉砕工程は、いずれかの従来の粉砕デバイスを用いて、例えば、微細化が、主として二次体との衝突から生じる条件下、即ち:ボールミル、ロッドミル、振動ミル、ロールクラッシャー、遠心衝撃ミル、縦型ビーズミル、磨砕ミル、ピンミル、ハンマーミル、粉砕機、シュレッダー、デクランパー、ナイフカッター、又は当業者に既知の他のこうした設備の1つ以上において、行われる得る。炭酸カルシウム含有材料が湿式粉砕炭酸カルシウム含有材料を含む場合、粉砕工程は、自己粉砕が行われるような条件下で、及び/又は水平ボールミル粉砕によって、及び/又は当業者に既知の他のこのような方法によって行われてもよい。このようにして得られた湿式処理された粉砕炭酸カルシウム含有材料は、周知の方法、例えば乾燥前の、凝集、濾過又は強制蒸発によって洗浄及び脱水されてもよい。乾燥の次の工程は、噴霧乾燥のような単一工程で、又は少なくとも2つの工程で行われてもよい。また、このような炭酸カルシウム材料が不純物を除去するための選鉱工程(浮選、漂白又は磁気分離工程など)を受けることも一般的である。
【0074】
本発明の一実施形態では、GCCは、大理石、チョーク、石灰石及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0075】
本発明の意味において「沈降炭酸カルシウム(PCC)」は、水性環境での二酸化炭素及び石灰の反応の後の沈降によって、又は水中のカルシウム及び炭酸イオン源の沈降によって一般に得られる合成された材料である。PCCは、アラゴナイト、バテライト及びカルサイトの鉱物学的結晶形態の1つ以上であってもよい。好ましくは、PCCはアラゴナイト、バテライト及びカルサイトの鉱物学的結晶形態の1つである。
【0076】
アラゴナイトは一般に針状形態である一方で、バテライトは六方晶系に属する。カルサイトは、偏三角面体、角柱、球状、菱面体晶形を形成することができる。PCCは、異なる方法、例えば二酸化炭素による沈殿、石灰ソーダ方法、又はPCCがアンモニア生成の副生成物であるソルベイ方法によって製造できる。得られたPCCスラリーは、機械的に脱水し、乾燥させることができる。
【0077】
少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、少なくとも1つの粉砕炭酸カルシウム(GCC)を含むことが好ましく、少なくとも1つの粉砕炭酸カルシウム(GCC)は、大理石、チョーク、石灰岩及びこれらの混合物を含む群から好ましくは選択される。好ましい一実施形態では、少なくとも1つの粉砕炭酸カルシウム(GCC)は大理石又はチョークである。
【0078】
炭酸カルシウムに加えて、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、二酸化チタン及び/又は三酸化アルミニウムのようなさらなる金属酸化物、三水酸化アルミニウムのような金属水酸化物、硫酸塩のような金属塩、タルク及び/又はカオリンクレー及び/又は雲母のようなケイ酸塩、炭酸マグネシウムのような炭酸塩、及び/又は石膏、サテンホワイト及びこれらの混合物を含んでいてもよい。
【0079】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料中の炭酸カルシウムの量は、炭酸カルシウムの総乾燥重量に基づいて10.0重量%、好ましくは20.0重量%である。
【0080】
少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料中の炭酸カルシウムの量は、炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、好ましくは50.0重量%、さらにより好ましくは90.0重量%、より好ましくは≧95.0重量%、最も好ましくは≧97.0重量%であることが理解される。
【0081】
木材小片ベース層中の木材小片置換物として機能するために、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料が特定の寸法を有することが有利である。例えば、木材小片ベース層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、1.0μm〜1000.0μm、より好ましくは15.0μm〜1000.0μm、最も好ましくは30.0μm〜1000.0μmの重量メジアン粒径d50を有する。
【0082】
追加的に又は代替的に、木材小片ベース層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、BET窒素法で測定される場合に、≦5.0m/g、より好ましくは0.1〜5.0m/g、最も好ましくは0.2〜1.0m/gの比表面積を有する。本発明の意味において、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の「比表面積」(m/g単位)という用語は、当業者に周知のBET法を用いて決定される(ISO9277:1995)。
【0083】
追加的に又は代替的に、木材小片ベース層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、100.0〜1200.0μm、より好ましくは250.0μm〜1100.0μm、最も好ましくは500.0μm〜1000.0μmのトップカットd98を有する。本明細書で使用される場合「トップカット」(又はトップサイズ)という用語は、少なくとも98.0重量%の材料粒子がこのサイズよりも小さい粒径値を意味する。
【0084】
一実施形態では、木材小片ベース層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、1.0μm〜1000.0μm、より好ましくは15.0μm〜1000.0μm、最も好ましくは30.0μm〜1000.0μmの重量メジアン粒径d50、又はBET窒素法で測定される場合≦5.0m/g、より好ましくは0.1〜5.0m/g、最も好ましくは0.2〜1.0m/gの比表面積、又は100.0〜1200.0μm、より好ましくは250.0μm〜1100.0μm、最も好ましくは500.0μm〜1000.0μmのトップカットd98を有する。
【0085】
代替的に、木材小片ベース層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、1.0μm〜1000.0μm、より好ましくは15.0μm〜1000.0μm、最も好ましくは30.0μm〜1000.0μmの重量メジアン粒径d50、及びBET窒素法で測定される場合≦5.0m/g、より好ましくは0.1〜5.0m/g、最も好ましくは0.2〜1.0m/gの比表面積、及び100.0〜1200.0μm、より好ましくは250.0μm〜1100.0μm、最も好ましくは500.0μm〜1000.0μmのトップカットd98を有する。
【0086】
木材小片ベース層は、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて2.5〜40.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を含むことが理解される。
【0087】
少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料に関する「乾燥」という用語は、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の重量に対して0.3重量%未満の水を有する材料であると理解される。%水含有量は、カールフィッシャー電量測定法(Coulometric Karl Fischer measurement method)に従って決定され、ここで少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は220℃に加熱され、水分は蒸気として放出され、窒素ガスストリーム(100ml/分で)を用いて単離され、カールフィッシャー電量測定装置で決定される。
【0088】
木材小片に関して「乾燥」という用語は、木材小片の重量に対して0重量%の水を有する完全に乾燥した木材小片であると理解される。「完全に乾燥した木材小片」は、DIN EN322に従って一定の重量に103±2℃で木材小片を処理することによって決定される。
【0089】
好ましくは、本発明のパーティクルボードの木材小片ベース層は、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、5.0〜30.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を含む。より好ましくは、木材小片ベース層は、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて10.0〜30.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を含む。
【0090】
木材小片ベース層の1つの要件は、木材小片ベース層中の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の合計量が、それぞれの層中の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて100.0重量部(d/d)であることである。
【0091】
従って、木材小片ベース層は、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、60.0〜97.5重量部(d/d)の量の木材小片と、2.5〜40.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料とを含み、好ましくはこれらからなる。好ましくは、木材小片ベース層は、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、70.0〜95.0重量部(d/d)の量の木材小片と、5.0〜30.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料とを含み、好ましくはこれらからなる。より好ましくは、木材小片ベース層は、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、70.0〜90.0重量部(d/d)の量の木材小片と、10.0〜30.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料とを含み、好ましくはこれらからなる。
【0092】
従って、パーティクルボードの木材小片ベース層は、木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料からなる材料を含み、即ち、木材小片の一部は、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料で置き換えられていることが理解される。
【0093】
木材小片ベース層は、当業者に周知であり、通常パーティクルボードの木材小片ベース層に使用される1つ以上の添加剤を含んでいてもよい。
【0094】
例えば、木材小片ベース層は、木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて0.05〜25.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つのバインダを含む。
【0095】
少なくとも1つのバインダは、当業者に周知の天然又は合成バインダであってもよい。例えば、少なくとも1つのバインダは、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(PF)、尿素−ホルムアルデヒド樹脂(UF)、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(MF)、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド樹脂(MUF)、尿素−メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(UMF)、尿素−メラミン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(UMPF)、エポキシ樹脂、メチレンジフェニルジイソシアネート樹脂(MDI)、ポリウレタン樹脂(PU)、レゾルシン樹脂、デンプン又はカルボキシメチルセルロース及びこれらの混合物を含む群から選択されてもよい。好ましくは、少なくとも1つのバインダは、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(PF)、尿素−ホルムアルデヒド樹脂(UF)、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(MF)、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド樹脂(MUF)、尿素−メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(UMF)、尿素−メラミン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(UMPF)、エポキシ樹脂、メチレンジフェニルジイソシアネート樹脂(MDI)、ポリウレタン樹脂(PU)及びこれらの混合物を含む群から選択される。最も好ましくは、少なくとも1つのバインダは、尿素−ホルムアルデヒド樹脂(UF)である。
【0096】
一実施形態では、木材小片ベース層はさらに、ワックス、着色剤、充填剤(少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料とは異なる。)、分散剤、殺生物剤、硬化剤及び難燃剤を含む群から選択される少なくとも1つの化合物を含む。このような化合物は当業者に周知であり、通常パーティクルボードの木材小片ベース層に使用される。
【0097】
任意に含まれ得るこれらの化合物のそれぞれの量は、標準的な実施に従って、及び最終繊維ボード製品の所望の特性を念頭に置いて決定することができる。有利には、木材小片ベース層は、それぞれの層中の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、好ましくは10.0重量部未満(d/d)、より好ましくは5.0重量部未満(d/d)、最も好ましくは2.0重量部未満(d/d)、例えば0.1〜1.5重量部(d/d)のこの少なくとも1つの化合物を含む。
【0098】
このように、木材小片ベース層は、60.0〜97.5重量部(d/d)の量の木材小片と、2.5〜40.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料と(ここで木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の合計量が100.0重量部(d/d)である。)、0.05〜25.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つのバインダとを含み、好ましくはこれらからなる。重量部は、それぞれの層中の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づく。
【0099】
一実施形態では、木材小片ベース層は、60.0〜97.5重量部(d/d)の量の木材小片と、2.5〜40.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料と(ここで木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の合計量は、100.0重量部(d/d)である。)、0.05〜25.0重量部(d/d)の量のバインダと、好ましくは10.0重量部(d/d)未満の量で、ワックス、着色剤、充填剤(少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料とは異なる。)、分散剤、殺生物剤、硬化剤及び難燃剤を含む群から選択される少なくとも1つの化合物とを含み、好ましくはこれらからなる。重量部は、それぞれの層中の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づく。
【0100】
<木材小片表面層>
本発明のポイントb)によれば、パーティクルボードは、木材小片ベース層の第1面及び/又は裏面と接触する少なくとも1つの木材小片表面層を含み、少なくとも1つの木材小片表面層は、少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、70.0〜97.5重量部(d/d)の量の木材小片、及び2.5〜30.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を含む。
【0101】
パーティクルボードは、少なくとも1つの木材小片表面層を含むことが理解される。
【0102】
本発明の意味における「少なくとも1つの」木材小片表面層という用語は、パーティクルボードが1つ以上の木材小片表面層を含むことを意味する。
【0103】
本発明の一実施形態では、パーティクルボードは、1つの木材小片表面層を含む。代替的に、パーティクルボードは、2つ以上の木材小片表面層を含む。例えば、パーティクルボードは、2つ又は3つ又は4つの木材小片表面層を含む。
【0104】
好ましくは、パーティクルボードは、2つ又は4つ、例えば、2つの木材小片表面層を含む。
【0105】
パーティクルボードの少なくとも1つの木材小片表面層は、好ましくは1種以上の木材小片を含むことが理解される。
【0106】
従って、少なくとも1つの木材小片表面層は、1種の木材小片を含んでいてもよい。代替的に、少なくとも1つの木材小片表面層は、2種以上の木材小片の混合物を含む。例えば、少なくとも1つの木材小片表面層は、2種又は3種の木材小片の混合物を含む。好ましくは、少なくとも1つの木材小片表面層は、1種の木材小片を含む。
【0107】
本発明による少なくとも1つの木材小片表面層に存在する木材小片は、これらがパーティクルボードの木材小片表面層の調製に適している限り、特定の木材小片に限定されないことが理解される。
【0108】
少なくとも1つの木材小片表面層に存在する木材小片の定義及びこの好ましい実施形態に関して、特に断らない限り、木材小片ベース層の技術的詳細を議論する際に上記で示された記述が参照される。
【0109】
一実施形態では、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片は、同じ又は異なる。例えば、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片は同じである。
【0110】
好ましくは、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片は異なる。例えば、木材小片ベース層の木材小片及び少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片は、これらの寸法が異なる。
【0111】
一実施形態では、少なくとも1つの木材小片表面層は、
i)0.4〜15mm、より好ましくは3〜15mm、最も好ましくは3〜10mmの範囲の小片長さ、及び/又は
ii)0.1〜2.0mm、より好ましくは0.1〜1.0mm、最も好ましくは0.1〜0.5mmの範囲の小片厚さ、及び/又は
iii)2〜60、より好ましくは10〜50、最も好ましくは15〜50の小片長さと小片厚さとの比
を有する木材小片を含む。
【0112】
好ましくは、少なくとも1つの木材小片表面層は、
i)0.4〜15mm、より好ましくは3〜15mm、最も好ましくは3〜10mmの範囲の小片長さ、又は
ii)0.1〜2.0mm、より好ましくは0.1〜1.0mm、最も好ましくは0.1〜0.5mmの範囲の小片厚さ、又は
iii)2〜60、より好ましくは10〜50、最も好ましくは15〜50の小片長さと小片厚さとの比
を有する木材小片を含む。
【0113】
代替的に、少なくとも1つの木材小片表面層は、
i)0.4〜15mm、より好ましくは3〜15mm、最も好ましくは3〜10mmの範囲の小片長さ、及び
ii)0.1〜2.0mm、より好ましくは0.1〜1.0mm、最も好ましくは0.1〜0.5mmの範囲の小片厚さ、及び
iii)2〜60、より好ましくは10〜50、最も好ましくは15〜50の小片長さと小片の厚さとの比
を有する木材小片を含む。
【0114】
一実施形態では、少なくとも1つの木材小片表面層は、0.4〜15mm、より好ましくは3〜15mm、最も好ましくは3〜10mmの範囲のメジアン小片寸法d50を有する木材小片を含む。
【0115】
追加的に又は代替的に、少なくとも1つの木材小片表面層は、2〜60、より好ましくは10〜50、最も好ましくは15〜50の範囲のメジアン小片寸法d90を有する木材小片を含む。
【0116】
少なくとも1つの木材小片表面層中の木材小片の小片長さ及び/又は小片厚さは、木材小片ベース層における木材小片の小片長さ及び/又は小片厚さよりも小さいことが好ましい。
【0117】
例えば、少なくとも1つの木材小片ベース層の木材小片の小片長さと木材小片表面層における木材小片の小片長さとの比[長さベース層/長さ表面層]は、好ましくは>1.0であり、より好ましくは≧1.1、さらにより好ましくは≧1.2、さらにより好ましくは≧1.3、最も好ましくは≧1.5、例えば1.5〜3.0である。
【0118】
追加的に又は代替的に、少なくとも1つの木材小片ベース層の木材小片の小片厚さと木材小片表面層における木材小片の小片厚さとの比[厚さベース層/厚さ表面層]は、好ましくは>1.0であり、より好ましくは≧1.1、さらにより好ましくは≧1.2、さらにより好ましくは≧1.3、最も好ましくは≧1.5、例えば1.5〜3.0である。
【0119】
本発明のパーティクルボードの少なくとも1つの木材小片表面層の1つの要件は、木材小片を、少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて70.0〜97.5重量部(d/d)の量含むことである。好ましくは、本発明のパーティクルボードの少なくとも1つの木材小片表面層は、木材小片を、少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて75.0〜95.0重量部(d/d)の量含む。より好ましくは、本パーティクルボードの少なくとも1つの木材小片表面層は、少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、78.0〜92.0重量部(d/d)の量の木材小片を含む。
【0120】
本発明のパーティクルボードの少なくとも1つの木材小片表面層の別の必須成分は、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料である。少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、木材小片の置換物として機能し、従って、パーティクルボードの少なくとも1つの木材小片表面層中の有機再生可能資源に基づいて原材料の量を減少させる。
【0121】
少なくとも1つの木材小片表面層に存在する少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の定義及びこの好ましい実施形態に関して、特に断らない限り、木材小片ベース層の技術的詳細を議論する際に上記で示された記述が参照される。
【0122】
一実施形態では、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を含み、より好ましくはこれからなる。
【0123】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、ドロマイト、少なくとも1つの粉砕炭酸カルシウム(GCC)、少なくとも1つの沈降炭酸カルシウム(PCC)及びこれらの混合物から選択される。例えば、GCCは、大理石、チョーク、石灰石及びこれらの混合物を含む群から選択される。好ましい一実施形態では、少なくとも1つの粉砕炭酸カルシウム(GCC)は大理石又はチョークである。
【0124】
PCCは、好ましくは、アラゴナイト、バテライト及びカルサイトの鉱物学的結晶形態の1つである。
【0125】
一実施形態では、木材小片ベース層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料及び少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、同じ又は異なる。例えば、木材小片ベース層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料及び少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、同じである。
【0126】
好ましくは、木材小片ベース層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料及び少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、異なる。例えば、木材小片ベース層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料及び少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、これらの重量メジアン粒径d50とは異なる。
【0127】
従って、少なくとも1つの木材小片表面層中の木材小片置換物として機能するために、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料が、好ましくは特定の寸法を有する。例えば、少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、1.0μm〜1000.0μm、より好ましくは15.0μm〜1000.0μm、最も好ましくは30.0μm〜1000.0μmの重量メジアン粒径d50を有する。
【0128】
少なくとも1つの木材小片表面層中の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の粒径d50は、好ましくは、木材小片ベース層中の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の粒径d50よりも小さいことが好ましい。
【0129】
追加的に又は代替的に、少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、BET窒素法で測定される場合に、≦5.0m/g、より好ましくは0.1〜5.0m/g、最も好ましくは0.2〜1.0m/gの比表面積を有する。
【0130】
追加的に又は代替的に、少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、100.0〜1200.0μm、より好ましくは250.0μm〜1100.0μm、最も好ましくは500.0μm〜1000.0μmのトップカットd98を有する。
【0131】
一実施形態では、少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、1.0μm〜1000.0μm、より好ましくは15.0μm〜1000.0μm、最も好ましくは30.0μm〜1000.0μmの重量メジアン粒径d50、又はBET窒素法で測定される場合≦5.0m/g、より好ましくは0.1〜5.0m/g、最も好ましくは0.2〜1.0m/gの比表面積、又は100.0〜1200.0μm、より好ましくは250.0μm〜1100.0μm、最も好ましくは500.0μm〜1000.0μmのトップカットd98を有する。
【0132】
代替的に、少なくとも1つの木材小片表面層の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、1.0μm〜1000.0μm、より好ましくは15.0μm〜1000.0μm、最も好ましくは30.0μm〜1000.0μmの重量メジアン粒径d50、及びBET窒素法で測定される場合≦5.0m/g、より好ましくは0.1〜5.0m/g、最も好ましくは0.2〜1.0m/gの比表面積、及び100.0〜1200.0μm、より好ましくは250.0μm〜1100.0μm、最も好ましくは500.0μm〜1000.0μmのトップカットd98を有する。
【0133】
少なくとも1つの木材小片表面層は、少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて2.5〜30.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を含むことが理解される。
【0134】
好ましくは、本発明のパーティクルボードの少なくとも1つの木材小片表面層は、少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて5.0〜25.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を含む。より好ましくは、少なくとも1つの木材小片表面層は、少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて8.0〜22.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を含む。
【0135】
少なくとも1つの木材小片表面層の1つの要件は、少なくとも1つの木材小片表面層中の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の合計量が、それぞれの層中の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて100.0重量部(d/d)であることである。
【0136】
従って、少なくとも1つの木材小片表面層は、少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、70.0〜97.5重量部(d/d)の量の木材小片と、2.5〜30.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料とを含み、好ましくはこれらからなる。好ましくは、少なくとも1つの木材小片表面層は、少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、75.0〜95.0重量部(d/d)の量の木材小片と、5.0〜25.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料とを含み、好ましくはこれらからなる。より好ましくは、少なくとも1つの木材小片表面層は、少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、78.0〜92.0重量部(d/d)の量の木材小片と、8.0〜22.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料とを含み、好ましくはこれらからなる。
【0137】
従って、パーティクルボードの少なくとも1つの木材小片表面層は、木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料からなる材料を含み、即ち、木材小片の一部は、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料で置き換えられていることが理解される。
【0138】
少なくとも1つの木材小片表面層は、当業者に周知であり、通常パーティクルボードの少なくとも1つの木材小片表面層に使用される1つ以上の添加剤を含んでいてもよい。
【0139】
例えば、少なくとも1つの木材小片表面層は、木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて0.05〜25.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つのバインダを含む。
【0140】
少なくとも1つのバインダは、当業者に周知の天然又は合成バインダであってもよい。例えば、少なくとも1つのバインダは、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(PF)、尿素−ホルムアルデヒド樹脂(UF)、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(MF)、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド樹脂(MUF)、尿素−メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(UMF)、尿素−メラミン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(UMPF)、エポキシ樹脂、メチレンジフェニルジイソシアネート樹脂(MDI)、ポリウレタン樹脂(PU)、レゾルシン樹脂、デンプン又はカルボキシメチルセルロース及びこれらの混合物を含む群から選択されてもよい。好ましくは、少なくとも1つのバインダは、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(PF)、尿素−ホルムアルデヒド樹脂(UF)、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(MF)、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド樹脂(MUF)、尿素−メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(UMF)、尿素−メラミン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(UMPF)、エポキシ樹脂、メチレンジフェニルジイソシアネート樹脂(MDI)、ポリウレタン樹脂(PU)及びこれらの混合物を含む群から選択される。最も好ましくは、少なくとも1つのバインダは、尿素−ホルムアルデヒド樹脂(UF)である。
【0141】
一実施形態では、少なくとも1つの木材小片表面層はさらに、ワックス、着色剤、充填剤(少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料とは異なる。)、分散剤、殺生物剤、硬化剤及び難燃剤を含む群から選択される少なくとも1つの化合物を含む。このような化合物は当業者に周知であり、通常パーティクルボードの少なくとも1つの木材小片表面層に使用される。
【0142】
任意に含まれ得るこれらの化合物のそれぞれの量は、標準的な実施に従って、及び最終繊維ボード製品の所望の特性を念頭に置いて決定することができる。有利には、少なくとも1つの木材小片表面層は、それぞれの層中の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、好ましくは10.0重量部未満(d/d)、より好ましくは5.0重量部未満(d/d)、最も好ましくは2.0重量部未満(d/d)、例えば0.1〜1.5重量部(d/d)の少なくとも1つの化合物を含む。
【0143】
このように、少なくとも1つの木材小片表面層は、70.0〜97.5重量部(d/d)の量の木材小片と、2.5〜30.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料と(ここで少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の合計量が100.0重量部(d/d)である。)、0.05〜25.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つのバインダとを含み、好ましくはこれらからなる。重量部は、それぞれの層中の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づく。
【0144】
一実施形態では、少なくとも1つの木材小片表面層は、75.0〜95.0重量部(d/d)の量の木材小片と、5.0〜25.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料と(ここで少なくとも1つの木材小片表面層の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の合計量は、100.0重量部(d/d)である。)、0.05〜25.0重量部(d/d)の量の少なくとも1つのバインダと、好ましくは10.0重量部(d/d)未満の量で、ワックス、着色剤、充填剤(少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料とは異なる。)、分散剤、殺生物剤、硬化剤及び難燃剤を含む群から選択される少なくとも1つの化合物とを含み、好ましくはこれらからなる。重量部は、それぞれの層中の木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づく。
【0145】
本発明の別の態様によれば、上記で定義されるパーティクルボードを製造する方法が提供される。この方法は、以下の工程:
a)本明細書で定義される木材小片を乾燥形態で提供する工程、
b)本明細書で定義される少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を提供する工程、
c)任意に、本明細書で定義される少なくとも1つのバインダ及び/又は本明細書で定義される少なくとも1つの化合物を提供する工程、
d)工程a)の木材小片を、工程b)の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び工程c)の任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と、同時に又は任意の順序で別々に配合して、木材小片ベース層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物を形成する工程、
e)工程a)の木材小片を、工程b)の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び工程c)の任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と、同時に又は任意の順序で別々に配合して、少なくとも1つの木材小片表面層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物を形成する工程、
f)工程d)で得られた木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物及び工程e)で得られた木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物の多層マットを形成する工程、並びに
g)工程f)の多層マットを1つ以上の工程でソリッドパーティクルボードにプレスする工程
を含む。
【0146】
木材小片、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物の定義及びこの好ましい実施形態に関して、本発明のパーティクルボードの技術的詳細を議論する際に上記で示された記述が参照される。
【0147】
パーティクルボードの製造は、パーティクルボードを製造するための当業者に周知のすべての技術及び方法ライン、例えば連続方法又は不連続方法によって行われてもよい。パーティクルボードは、好ましくは連続方法で製造される。
【0148】
追加的に又は代替的に、パーティクルボードの製造は、当業者に周知の乾式方法で行われてもよい。従って、本パーティクルボードは、好ましくは乾式方法で製造される。
【0149】
方法の工程a)において提供され得る木材小片は、木材小片の総重量に基づいて、好ましくは約10.0重量%以下、例えば4〜8重量%の水分含有量を有する。より高い水分含有量は、プレス工程g)の間、特にホットプレスの間に重要であり得るので、好ましくないことが理解される。
【0150】
従って、木材小片は、木材小片の総重量に基づいて、水分含有量が>10.0重量%である場合には、水分含有量を減少させるために、任意に予備乾燥されてもよい。木材小片の所望のレベルへの任意の予備乾燥は、好ましくは、管式乾燥機のような予備乾燥機内で行われる。一段又は多段管式乾燥機のような管式乾燥機は当該技術分野において周知であり、パーティクルボードの製造における木材小片の乾燥に広く使用されている。木材小片は、木材小片の水分含有量を所望のレベルまで低下させるのに十分な時間及び/又は温度で乾燥させることができる。乾燥時間及び/又は温度は、繊維の温度及び水分含有量に応じて調整されてもよい。
【0151】
従って、木材小片は、パーティクルボードを製造するための本発明の方法において乾燥形態で提供されることが理解される。パーティクルボードは、好ましくは乾式方法で製造される。
【0152】
木材小片が予備乾燥されている場合、木材小片は予備乾燥機から出て、好ましくはブレンダに通される。ブレンダにおいて、木材小片は、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料及び任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と配合される。
【0153】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、粉末形態又は水性懸濁液の形態で工程b)において提供される。
【0154】
例えば、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、乾燥形態、即ち粉末形態で提供される。
【0155】
少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料が水性懸濁液の形態で提供される場合、水性懸濁液は、好ましくは、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を、水性懸濁液の総重量に基づいて1.0〜80.0重量%の量で含む。より好ましくは、水性懸濁液は、水性懸濁液の総重量に基づいて、30.0〜78.0重量%、より好ましくは50.0〜78.0重量%、最も好ましくは70.0〜78.0重量%の量の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を含む。
【0156】
本発明の意味において水性「懸濁液」又は「スラリー」は、不溶性固形分及び水、並びに任意にさらなる添加剤、例えば分散剤、殺生物剤及び/又は増粘剤を含み、普通は多量の固形分を含有し、故にこれが形成される液体よりも粘稠であり、一般により高い密度を有することができる。
【0157】
用語「水性」懸濁液又はスラリーは、液相が水を含み、好ましくは水からなる系を指す。しかし、この用語は、水性スラリー又は懸濁液の液相が、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン及びこれらの混合物を含む群から選択される少量の少なくとも1つの水混和性有機溶媒を含むことを排除するものではない。水性懸濁液又はスラリーが少なくとも1つの水混和性有機溶媒を含む場合、水性スラリーの液相は、少なくとも1つの水混和性有機溶媒を、水性懸濁液又はスラリーの液相の総重量に基づいて、0.1〜40.0重量%、好ましくは0.1〜30.0重量%、より好ましくは0.1〜20.0重量%、最も好ましくは0.1〜10.0重量%の量で含む。例えば、水性懸濁液又はスラリーの液相は水からなる。水性懸濁液又はスラリーの液相が水からなる場合、使用される水は、水道水及び/又は脱イオン水のような入手可能ないずれかの水であり得る。
【0158】
少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の水性懸濁液は、粉末形態で提供された少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料を水中に懸濁させることによって形成されてもよい。
【0159】
本発明の一実施形態において、この水性懸濁液は、7〜10のpH、より好ましくは7〜9のpH、最も好ましくは8〜9のpHを有する。
【0160】
パーティクルボードは乾式方法で製造されることが好ましく、従って、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、好ましくは乾燥形態で提供される。
【0161】
例えば、木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、乾燥形態で提供される。
【0162】
任意の方法工程c)において提供される任意の少なくとも1つのバインダは、好ましくは、高温、例えば50〜250℃の範囲、より好ましくは80〜220℃の範囲で、及び/又は硬化剤、例えば硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム又は塩化マグネシウムの存在下で硬化反応が起こる少なくとも1つのバインダであることが理解される。より好ましくは、任意の方法工程c)において提供される任意の少なくとも1つのバインダは、高温、例えば50〜250℃の範囲、より好ましくは80〜220℃の範囲で、及び硬化剤、例えば硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム又は塩化マグネシウムの存在下で硬化反応が起こる少なくとも1つのバインダである。
【0163】
工程d)によれば、木材小片を、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と、同時に又は任意の順序で別々に配合して木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物を形成し、これは木材小片ベース層マットを形成するのに適している。従って、木材小片ベース層マットを形成するために、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物を、同時に又は任意の順序で別々に木材小片に、当業者に既知の方法で添加してもよい。
【0164】
例えば、方法工程d)は、木材小片を、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と、同時に配合して行われるか、木材小片ベース層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物を形成するように行われる。即ち、この少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及びこの任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物は、この木材小片に添加する前に予備混合されてもよい。代替的に、方法工程d)は、木材小片を、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と、別々に配合して、木材小片ベース層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物を形成するように行われる。
【0165】
工程e)によれば、木材小片を、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と、同時に又は任意の順序で別々に配合して、少なくとも1つの木材小片表面層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物を形成する。従って、少なくとも1つの木材小片表面層マットを形成するために、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び任意の少なくとも1つのバインダ及び少なくとも1つの化合物を、同時に又は任意の順序で別々に木材小片に、当業者に既知の方法で添加してもよい。
【0166】
例えば、方法工程e)は、木材小片を、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と、同時に配合して、少なくとも1つの木材小片表面層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物を形成するように行われる。即ち、この少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及びこの任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物は、この木材小片に添加する前に予備混合されてもよい。代替的に、方法工程e)は、木材小片を、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料、及び任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と、別々に配合して、少なくとも1つの木材小片表面層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物を形成するように行われる。
【0167】
一実施形態では、乾燥形態の少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の添加は、方法工程d)及び/又はe)において、少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物(存在する場合)及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料が互いに独立して木材小片に添加されるように行われる。例えば、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物(存在する場合)の前に木材小片に添加される。代替的に、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物の後に木材小片に添加される。存在する場合、少なくとも1つのバインダ及び少なくとも1つの化合物は、好ましくは木材小片に同時に添加されることに留意すべきである。例えば、少なくとも1つのバインダ及び少なくとも1つの化合物は、存在する場合、好ましくは、少なくとも1つのバインダ及び少なくとも1つの化合物からなるブレンドとして添加される。即ち、この少なくとも1つのバインダ及び少なくとも1つの化合物は、存在する場合、この木材小片に添加する前に予備混合されてもよい。
【0168】
好ましくは、木材小片を、最初に任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物と配合し、次いで少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料と配合する。
【0169】
方法工程d)及びe)は、好ましくはブレンダ中で行われる。
【0170】
既に上述したように、木材小片ベース層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物と、少なくとも1つの木材小片表面層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物とが、方法工程d)及びe)において形成される。
【0171】
用語「木材小片ベース層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物」は、最終木材小片ベース層を形成するために使用される、木材小片、少なくとも1つの炭酸カルシウム含有材料及び任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物の混合物を指すことが理解される。用語「少なくとも1つの木材小片表面層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物」は、木材小片、少なくとも1つの炭酸カルシウム含有材料及び任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は最終少なくとも1つの木材小片表面層を形成するために使用される少なくとも1つの化合物の混合物を指す。従って、木材小片ベース層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物の組成物は、例えばこの組成において、少なくとも1つの木材小片表面層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物とは異なっていてもよい。
【0172】
方法工程d)及びe)で得られた、木材小片ベース層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物と、少なくとも1つの木材小片表面層を形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物は、次いで、平坦で均質な多層マットに載置される。これは、バッチモードで、又は連続的な形成、好ましくは連続的な形成によって達成されてもよい。
【0173】
本方法の工程f)によれば、工程d)で得られた木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物及び工程e)で得られた木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物の多層マットがこうして形成される。
【0174】
形成工程f)は、木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物の多層マットを形成するための当業者に周知のすべての技術及び方法によって行われてもよい。形成工程f)は例えば、いずれかの従来の形成機を用いて、工程d)及びe)、又は任意の乾燥機で得られた各木材小片−炭酸カルシウム含有材料の連続多層マットが得られるような条件下、又は当業者に既知の他のこうした設備を用いて行われてもよい。例えば、工程d)及びe)、または任意の乾燥機で得られた各木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物は、多層マットを形成するための空気分離又はホッパーフィーダ又はトレイの前後運動によって広げられる。
【0175】
一実施形態では、多層マットは複数の形成工程で形成される。例えば、3層マットが3つ以上の形成工程で形成される。
【0176】
多層マットは、好ましくは、方法工程d)及びe)、又は任意の乾燥機で得られた、木材小片ベース層マットを形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物並びに少なくとも1つの木材小片表面層を形成するのに適した木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物を、複数の層に、例えばトラベリングカウル(traveling caul)又は移動ベルト上に分配することによって形成されることが理解される。
【0177】
工程g)によれば、工程f)で得られた多層マットは次いで、1つ以上の工程でソリッド(堅密な)パーティクルボードにプレスされる。
【0178】
例えば、方法工程g)は、1つ以上のホットプレス工程を含む。
【0179】
一実施形態では、工程f)で得られた多層マットは、ホットプレスの前に予備プレスされる。従って、方法工程g)は、好ましくは、工程f)の多層マットの予備プレス、続いて予備プレスされたマットをソリッドパーティクルボードにホットプレスする工程を含み、より好ましくはこれらからなる。
【0180】
工程f)で得られた多層マットが予備プレスに供されている場合、予備プレスは、多層マットを予備プレスされた多層マットに予備プレスするための当業者に周知のすべての技術及び方法によって行われてもよい。予備プレスは、いずれかの従来のプレス機、例えば単一開口プレス、複数開口バッチプレス又は連続プレスを用いて、予備プレスされたマットが得られるような条件下又は当業者に既知の他のこうした設備を用いて行われてもよい。
【0181】
予備プレス温度、任意の圧力及び時間は、製造されるべきソリッドパーティクルボードによって異なることが理解される。予備プレスは、好ましくは10〜<130℃、より好ましくは15〜<130℃の範囲の温度で行われる。追加的に又は代替的に、予備プレスは10〜15barの範囲の圧力で行われる。
【0182】
工程g)のホットプレスは、多層マットをソリッドパーティクルボードにホットプレスするための当業者に周知のすべての技術及び方法によって行われてもよい。工程g)のホットプレスは、いずれかの従来のプレス機、例えば単一開口プレス、複数開口バッチプレス又は連続プレスを用いて、ソリッドパーティクルボードが得られるような条件下又は当業者に既知の他のこうした設備を用いて行われてもよい。好ましくは、プレス工程g)は、連続プレスで行われる。
【0183】
例えば、熱及び任意に圧力、好ましくは熱及び圧力が、木材小片ベース層及び少なくとも1つの木材小片表面層並びに木材小片を一緒に結合するためのホットプレス工程において多層マットに適用され、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料及び任意の少なくとも1つのバインダ及び/又は少なくとも1つの化合物は、プレス工程g)においてソリッドパーティクルボードに含有される。
【0184】
ホットプレス温度、任意の圧力及び時間は、製造されるべきソリッドパーティクルボードによって異なることが理解される。しかし、工程g)におけるホットプレスは、好ましくは130〜250℃、より好ましくは150〜230℃の範囲の温度で行われる。
【0185】
一実施形態では、ホットプレスは、ボード厚さに関連して、10〜25s/mm、好ましくは10〜20s/mm、最も好ましくは12〜18s/mmのプレス時間因子で行われる。
【0186】
プレス工程g)の後、最終ソリッドパーティクルボードを積み重ねる前に冷却することができる。次いで、最終的なパーティクルボードを任意に、所望の最終寸法に研磨及び/又はトリミングしてもよく、いずれかの他の仕上げ操作(ラミネート又はコーティング又は直接印刷用途など)をさらに行ってもよい。
【0187】
上記で定義されたようなパーティクルボードにおける木材小片置換物としての少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の非常に良好な結果を考慮して、本発明のさらなる態様は、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の、パーティクルボードでの木材小片の置換物としての使用について言及する。好ましくは、少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料は、1.0μm〜1000.0μm、より好ましくは15.0μm〜1000.0μm、最も好ましくは30.0μm〜1000.0μmの重量メジアン粒径d50を有する。
【0188】
パーティクルボード及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料及びこの好ましい実施形態の定義に関しては、本発明のパーティクルボードの技術的詳細を論じる際に上記で提供された説明が参照される。
【0189】
本発明の範囲及び関心は、本発明の特定の実施形態を説明することを意図し、非限定的な以下の実施例に基づいてよりよく理解される。
【実施例】
【0190】
<測定方法>
以下の測定方法は、実施例及び特許請求の範囲に与えられるパラメータを評価するために使用される。
【0191】
<粒子状炭酸カルシウム含有材料の粒径分布(直径<Xを有する粒子の質量%)及び重量メジアン粒径(d50)>
粒子状炭酸カルシウム含有材料の重量メジアングレイン直径及びグレイン直径質量分布は、レーザー回折によって決定した。即ち粒径は、レーザービームが分散した粒子状試料を通過する際に散乱される光の強度を測定することによって決定される。測定は、Malvern Instruments Ltd.のMastersizer2000又はMastersizer3000(操作機器ソフトウェアバージョン1.04)を用いて行った。代替的に、Sympatec,GermanyのHELOS粒径分析器を用いて測定を行うことができる。
【0192】
方法及び機器は、当業者に既知であり、充填剤及び顔料のグレインサイズを決定するために一般に使用される。測定は、0.1重量%Naの水溶液中で行われる。試料を高速撹拌機及び超音波を用いて分散させる。
【0193】
<木材小片の小片寸法> 機械的振動シーブ及び等級曲線の計算によって、木材小片の小片寸法を決定した。異なるシーブメッシュを有するシーブは、底部に最小のシーブメッシュから始まり、頂部に最大のシーブメッシュの塔として設定された。木材小片は、頂部シーブ上に置き、シーブ塔を振動機に固定した。このようにして、木材小片は、5分のタイマー時間内でのシーブ塔の連続振とうにより分画に供される。頂部シーブ上に置かれる前の木材小片の量と分画後の量との間の差を、グラム単位の通過画分(through fraction)とみなした。このようにして、各シーブメッシュ幅について、分画される木材小片の総量のパーセンテージを計算することができる。シーブのメッシュ幅は、以下のメッシュ幅(mm)から選択した:0.063−0.1−0.315−0.5−1.0−1.6−2.0−3.15−4.0−6.3−8−12。
【0194】
各分析について、少なくとも7つのメッシュ幅は、木材小片の寸法が、選択されたメッシュ幅によって十分にカバーされるように選択された。
【0195】
木材小片の小片長さ及び厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)などの電子顕微鏡分析によって決定した。
【0196】
<木材水分含有量>
木材水分含有量は、DIN EN322に従って決定される。「平衡水分」という用語は、与えられた相対湿度及び温度で、空気によって取り囲まれた場合に、木材が水分を得ることも、水分を失うこともない木材又は木材系パネルの水分含有量として理解されなければならない(「wood hand book」の定義)。
水分含有量は、65%の相対湿度及び20℃の温度の定義された気候で7日間の貯蔵後に決定された。
【0197】
<材料のBET比表面積>
本明細書を通して、鉱物充填剤の比表面積(m/g)は、当業者に周知のBET法(吸着ガスとして窒素を使用)を用いて決定される(ISO9277:1995)。次いで、処理前の鉱物充填剤の総表面積(m単位)は、鉱物充填剤の比表面積及び質量(g単位)の乗算によって得られる。
【0198】
<水性スラリーのpH>
水性スラリーのpHは、室温、約22℃で標準pHメーターを用いて測定された。
【0199】
<密度>
密度(又は原料密度(raw density))の測定は、DIN EN323に従って行った。
【0200】
<厚さ膨潤>
DIN EN317に従って24時間の水暴露後に厚さ膨潤の測定を行った。
【0201】
<内部結合強度>
内部結合強度の測定は、DIN EN319に従って行った。
【0202】
<曲げ強度及び弾性率>
曲げ強度及び弾性率は、DIN EN310に従って測定した。
【0203】
<固形分含有量>
固形分含有量は、Mettler−Toledo HP43のMoisture Analyzerを用いて測定した。この方法及び装置は、当業者に既知である。
【0204】
<d/d>
用語「d/d」は、定義された固体材料の乾燥量に基づく乾燥量を指す。
【0205】
<炭酸カルシウム含有量>
繊維ボード製品中の炭酸カルシウム含有量の測定のために、清浄なるつぼを予熱したマッフル炉内に560℃で約1時間置いた。るつぼを約20〜30分間デシケータ内で冷却し、次いで正確に0.0001グラムまで計量した。この後、繊維ボード製品を砕き、正確に計量し、るつぼに入れた。有機材料は、繊維ボード製品を有するるつぼを冷却したマッフル炉(約23〜100℃)に入れ、次いで、遅い灰化を確実にするために炉の頂部の開口を約3/4閉じた状態で維持しながら、温度を560℃に設定して、ゆっくり焼き尽くした。約1時間後、炉の頂部の開口を完全に開き、空気をより多く入れてより速い灰化を可能にした。るつぼ中の灰が白くなるまで(これは炭化からのすべての炭素の除去を示す。)試料を炉内に放置した。デシケータ中で冷却した後、得られた残渣を有するるつぼを計量した。本明細書に示した値は、独立に調製した試料の2回の測定値の平均値である。
【0206】
得られた残渣10.000グラムをフラスコ/ビーカー中で計量し、少量の脱塩水を添加した。粒子状炭酸カルシウム含有材料の炭酸カルシウム含有量を決定する必要がある場合には、10.000gの乾燥試料(オーブン中にて110℃で5時間乾燥させた。)をフラスコ/ビーカー中で計量し、少量の脱塩水を添加した。次いで、40mLの塩酸(25%p.a.)をそれぞれの試料に添加し、CO発生が停止した後、混合物を約5分間沸騰させた。冷却後、混合物を0.8μmのセルロースアセテートフィルタで濾過し、完全に洗浄した。次いで、濾液を蒸留水を含む容量フラスコに定量的にすすぎ、20℃で1000.0mlまで充填した。
【0207】
次いで、こうして得られた濾液(約20℃)10.00mLをMemotitrator−beaker及び1.0g(±0.2g)のトリエタノールアミンピュリス(puris)及び3.0gのMgSO×7HOにピペッティングすることにより、得られた濾液をゆっくりと滴定した。この混合物を脱塩水で70mLまで希釈した後、滴定の直前に、2N水酸化ナトリウム10.0mL及びHHSNN−メタノール溶液(メタノール中の0.2重量%のHHSNN(カルコンカルボン酸))7〜9滴を混合物に添加した。予備投与の後、滴定器は混合物を60秒間撹拌し、次いで滴定の間にフォトトロード電圧を900〜1150mVに設定した。炭酸カルシウム含有量はパーセントで表示された。
【0208】
<材料>
CaCO A:Omyacarb1AVは、粉末の形態(97.5重量%の炭酸カルシウム含有量)であり、大理石形態のAvenza−Carrara(イタリア)堆積物であり、Omyaから得られたもので、1.7μmの重量メジアン粒径d50値を有する。
【0209】
CaCO B:Omyacarb40GUは、粉末の形態(98重量%の炭酸カルシウム含有量)であり、大理石形態のAvenza−Carrara(イタリア)堆積物であり、Omyaから得られた。Omyacarb40GUは26μmの重量メジアン粒径d50値を有する。
【0210】
CaCO C:Carolith0.2−0.5NPは、バルク材料の形態(98重量%の炭酸カルシウム含有量)であり、Hausmening(オーストリア)堆積物からの大理石であり、Omyaから得られた。Carolith0.2−0.5NPは340μmの重量メジアン粒径d50値を有する。
【0211】
<試験1>
本試験は、平均粒径及び粒度分布に関して異なるレイアウトを有する炭酸カルシウム含有材料による木材小片置換物の、パーティクルボードの機械的特性に及ぼす影響を示す。
【0212】
<a)比較パーティクルボード>
比較パーティクルボード(CE)は、ボードが木材小片のみを含むこと、即ち木材小片が炭酸カルシウム含有材料で置き換えられていないことを特徴とする。
【0213】
使用された木材小片は、工業生産由来であり、木材種(松、トウヒなど)の混合物を含み、一次木材源(丸太)又は二次木材源(製材副産物、木材チップ、再生木材など)を起源とした。木材小片は:A)中間層(ML)用の木材小片及びB)表面層(SL)用の木材小片の2つのグループに分類される。
【0214】
中間層(ML)小片は、約9mmの小片寸法d50及び約23mmの小片寸法d90を有していた。
【0215】
表面層(SL)小片は、約7.5mmの小片寸法d50及び約16mmの小片寸法d90を有していた。
【0216】
グループAの小片とグループBの小片を別々に処理した:
A)得られた木材小片を、木材小片の総乾燥重量に基づいて8.5重量部(d/d)の尿素−ホルムアルデヒドバインダ(BASF AG,GermanyのKaurit350)を用いて、木材小片の総乾燥重量に基づいて1.5重量部(d/d)の硬化剤としての硝酸アンモニウム(40%溶液)と共に、パドルミキサを備えたブレンダで混合した。
【0217】
B)得られた木材小片を、木材小片の総乾燥重量に基づいて12重量部(d/d)の尿素−ホルムアルデヒドバインダ(BASF AG,GermanyのKaurit350)を用いて、木材小片の総乾燥重量に基づいて0.5重量部(d/d)の硬化剤としての硝酸アンモニウム(40%溶液)と共に、パドルミキサを備えたブレンダで混合した。
【0218】
次いで、樹脂含浸木材小片を、
1.グループB)からの木材小片であって、広げられた木材小片マットの総高さの25%の高さで広げた小片
2.グループA)からの木材小片であって、広げられた木材小片マットの総高さの50%の高さに広げた小片
3.グループB)からの木材小片であって、木材小片マットの総高さの25%の高さに広げた小片
の分布を有する3つの層からなるマットに形成した。
【0219】
得られたマットを室温で予備プレスした。次いで、この予備プレスされたマットを、厚さ17.5mmのソリッドボードに220℃±2℃の温度で15秒/mmのプレス時間因子でホットプレスした。次いで、得られたボードを厚さ17mmに研磨した。
【0220】
<b)本発明のパーティクルボード>
別段の記載がない限り、本発明のパーティクルボードは、上記の比較パーティクルボードについて記載したように調製した。
【0221】
比較パーティクルボードとは対照的に、本発明のパーティクルボードは、それぞれ比較試料のグループA)の木材小片の総乾燥重量に基づいて10重量部(d/d)の量で、又はそれぞれ比較試料のグループB)の木材小片の総乾燥重量に基づいて10重量部(d/d)の量で、又はそれぞれ比較試料のグループA)及びB)の木材小片の総乾燥重量に基づいて10重量部(d/d)の量で、繊維が、それぞれ比較試料のグループA)の木材小片の総乾燥重量に基づいて10重量部(d/d)の量の、又はそれぞれ比較試料のグループB)の木材小片の総乾燥重量に基づいて10重量部(d/d)の量の、又はそれぞれ比較試料のグループA)及びB)の木材小片の総乾燥重量に基づいて10重量部(d/d)の量の、炭酸カルシウム含有材料によって置き換えたことを特徴とする。従って、本発明のパーティクルボードを調製するために使用される木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物は、木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、それぞれグループA)の木材小片の総乾燥重量に基づいて90.0重量部(d/d)の木材小片及び10重量部(d/d)の炭酸カルシウム含有材料からなり、又は本発明のパーティクルボードを調製するために使用される木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物は、それぞれ比較試料のグループB)の木材小片の総乾燥重量に基づいて90.0重量部(d/d)の木材小片及び10重量部(d/d)の炭酸カルシウム含有からなり、又は本発明のパーティクルボードを調製するために使用される木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物は、グループA)及びB)の木材小片の総乾燥重量に基づいて90.0重量部(d/d)の木材小片及び10重量部(d/d)の炭酸カルシウム含有からなる。
【0222】
比較及び本発明のパーティクルボードの木材小片置換物に関する詳細を表1に要約する。
【0223】
【表1】
【0224】
結果は図1〜4に概説されている。
【0225】
図1〜4から、木材小片を炭酸カルシウム含有材料で置き換えることにより、比較パーティクルボードと比較して維持された、又は改善さえされた機械的特性を有するパーティクルボードが得られることが分かる。特に、10重量部(d/d)の木材小片をCaCO Cで置き換えたパーティクルボードは、比較パーティクルボードよりも明らかに厚さ膨潤が小さいことが示されている。さらに、パーティクルボードのCaCOの量が増加するとパーティクルボードの平衡水分が減少し、従ってパーティクルボードの全重量が減少する。さらに、内部結合強度及び曲げ強度特性を比較サンプルと比較して維持することができる。この他のパラメータはすべて比較サンプルと同じである。
【0226】
<試験2>
この試験は、平均小片寸法及び小片寸法分布に関してパーティクルボードの機械的特性に及ぼす炭酸カルシウム含有材料による木材小片置換物の影響を示す。
【0227】
<a)比較パーティクルボード>
比較パーティクルボード(CE)は、ボードが木材小片のみを含むこと、即ち木材小片が炭酸カルシウム含有材料で置き換えられていないことを特徴とする。
【0228】
使用された木材小片は、工業生産由来であり、木材種(松、トウヒなど)の混合物を含み、一次木材源(丸太)又は二次木材源(製材副産物、木材チップ、再生木材など)を起源とした。木材小片は、A)中間層用の木材小片及びB)表面層用の木材小片の2つのグループに分類される。
【0229】
中間層(ML)小片は、約9mmの小片寸法d50及び約23mmの小片寸法d90を有していた。
【0230】
表面層(SL)小片は、約7.5mmの小片寸法d50及び約16mmの小片寸法d90を有していた。
【0231】
グループAの小片とグループBの小片を別々に処理した:
A)得られた木材小片を、木材小片の総乾燥重量に基づいて8.5重量部(d/d)の尿素−ホルムアルデヒドバインダ(BASF AG,GermanyのKaurit350)を用いて、木材小片の総乾燥重量に基づいて1.5重量部(d/d)の硬化剤としての硝酸アンモニウム(40%溶液)と共に、パドルミキサを備えたブレンダで混合した。
【0232】
B)得られた木材小片を、木材小片の総乾燥重量に基づいて12重量部(d/d)の尿素−ホルムアルデヒドバインダ(BASF AG,GermanyのKaurit350)を用いて、木材小片の総乾燥重量に基づいて0.5重量部(d/d)の硬化剤としての硝酸アンモニウム(40%溶液)と共に、パドルミキサを備えたブレンダで混合した。
【0233】
次いで、樹脂含浸木材小片を、
1.グループB)からの木材小片であって、広げられた木材小片マットの総高さの25%の高さで広げた小片
2.グループA)からの木材小片であって、広げられた木材小片マットの総高さの50%の高さに広げた小片
3.グループB)からの木材小片であって、木材小片マットの総高さの25%の高さに広げた小片
の分布を有する3つの層からなるマットに形成した。
【0234】
得られたマットを室温で予備プレスした。次いで、この予備プレスされたマットを、厚さ17.5mmのソリッドボードに220℃±2℃の温度で15秒/mmのプレス時間因子でホットプレスした。次いで、得られたボードを厚さ17mmに研磨した。
【0235】
<b)本発明のパーティクルボード>
別段の記載がない限り、本発明のパーティクルボードは、上記の比較パーティクルボードについて記載したように調製した。
【0236】
比較パーティクルボードとは対照的に、本発明のパーティクルボードは、それぞれ比較試料の木材小片グループA)の木材小片の総乾燥重量に基づいて20重量部(d/d)、30重量部(d/d)、40重量部(d/d)の量で、又はそれぞれ比較試料の木材小片グループB)の木材小片の総乾燥重量に基づいて、20重量部(d/d)、30重量部(d/d)、40重量部(d/d)の量で、又はそれぞれ比較試料のグループA)及びB)の木材小片の総乾燥重量に基づいて10重量部(d/d)、20重量部(d/d)、30重量部(d/d)の量で、繊維が、それぞれ比較試料のグループA)の木材小片の総乾燥重量に基づいて20重量部(d/d)、30重量部(d/d)、40重量部(d/d)の量の、又はそれぞれ比較試料のグループB)の木材小片の総乾燥重量に基づいて、20重量部(d/d)、30重量部(d/d)、40重量部(d/d)の量の、又はそれぞれ比較試料のグループA)及びB)の木材小片の総乾燥重量に基づいて10重量部(d/d)、20重量部(d/d)、30重量部(d/d)の量の、炭酸カルシウム含有材料によって置き換えたことを特徴とする。従って、本発明のパーティクルボードの調製に使用される木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物は、木材小片及び少なくとも1つの粒子状炭酸カルシウム含有材料の総乾燥重量に基づいて、それぞれグループA)の木材小片の総乾燥重量に基づいて80.0重量部(d/d)の木材小片及び20重量部(d/d)の炭酸カルシウム含有材料、それぞれグループA)の木材小片の総乾燥重量に基づいて70.0重量部(d/d)の木材小片及び30重量部(d/d)の炭酸カルシウム含有材料、それぞれグループA)の木材小片の総乾燥重量に基づいて、60重量部(d/d)の木材小片及び40重量部(d/d)の炭酸カルシウム含有材料からなり、あるいは本発明のパーティクルボードの調製に使用される木材小片−炭酸カルシウム含有材料混合物は、それぞれグループB)の木材小片の総乾燥重量に基づいて80.0重量部(d/d)の木材小片及び20重量部(d/d)の炭酸カルシウム含有材料、それぞれグループB)の木材小片の総乾燥重量に基づいて70.0重量部(d/d)の木材小片及び30重量部(d/d)の炭酸カルシウム含有材料、それぞれグループB)の木材小片の総乾燥重量に基づいて、60重量部(d/d)の木材小片及び40重量部(d/d)の炭酸カルシウム含有材料からなり、又はそれぞれグループA)及びB)の木材小片の総乾燥重量に基づいて90.0重量部(d/d)の木材小片及び10重量部(d/d)の炭酸カルシウム含有材料、それぞれグループA)及びB)の木材小片の総乾燥重量に基づいて80.0重量部(d/d)の木材小片及び20重量部(d/d)の炭酸カルシウム含有材料、グループA)及びB)の木材小片の総乾燥重量に基づいて70重量部(d/d)の木材小片及び30重量部(d/d)の炭酸カルシウム含有材料からなる。
【0237】
使用した炭酸カルシウムは炭酸カルシウムCであった。
【0238】
比較及び本発明のパーティクルボードの木材小片置換物に関する詳細を表2に要約する。
【0239】
【表2】
【0240】
密度及び平衡水分の結果は、図5及び図6に概説されている。
【0241】
得られた結果から、木材小片を炭酸カルシウム含有材料で置き換えることにより、比較試料と比較して維持された、又は改善さえされた機械的特性を有するパーティクルボードが得られることが分かる。特に、パーティクルボードのCaCOの量が増加するとパーティクルボードの平衡水分が減少し、従ってパーティクルボードの全重量が減少する。さらに、グループB)の木材小片20〜40重量部(d/d)がCaCO Cに置き換えられたパーティクルボードは、比較サンプルと比較して同等の内部結合値を示すことが示されている。さらに、曲げ強度、弾性率及び厚さ膨潤は、比較サンプルと比較して維持することができ、DIN EN312に従って欧州標準要件の分類の十分な範囲内にある。この他のパラメータはすべて比較サンプルと同じである。
【0242】
表3は、欧州規格DIN EN312に従って理論的に達成された分類を概説する。
【0243】
【表3】
図1
図2
図3
図4
図5
図6