特許第6894920号(P6894920)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6894920
(24)【登録日】2021年6月8日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】CSI‐RSを送信する方法及び基地局
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/06 20060101AFI20210621BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20210621BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20210621BHJP
   H04B 7/0413 20170101ALI20210621BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
   H04B7/06 986
   H04W72/04 136
   H04W16/28 130
   H04B7/0413 300
   H04L27/26 114
   H04B7/0413 320
【請求項の数】1
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-551396(P2018-551396)
(86)(22)【出願日】2017年3月30日
(65)【公表番号】特表2019-514272(P2019-514272A)
(43)【公表日】2019年5月30日
(86)【国際出願番号】US2017024906
(87)【国際公開番号】WO2017173023
(87)【国際公開日】20171005
【審査請求日】2018年12月13日
(31)【優先権主張番号】62/316,261
(32)【優先日】2016年3月31日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518049533
【氏名又は名称】ドコモ イノヴェーションズ インク
【氏名又は名称原語表記】DOCOMO INNOVATIONS, INC.
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(74)【代理人】
【識別番号】100137903
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 亨
(72)【発明者】
【氏名】柿島 佑一
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
(72)【発明者】
【氏名】ナ チョンニン
【審査官】 北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−070335(JP,A)
【文献】 特開2019−091956(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/152730(WO,A1)
【文献】 Samsung,Discussion on CSI-RS mapping for non-precoded CSI-RS based schemes[online],3GPP TSG-RAN WG1#81 R1-152893,2015年 5月15日,[検索日:2015.09.07],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_81/Docs/R1-152893.zip>
【文献】 ZTE,Extension of Non-Precoded CSI-RS for 12 and 16 Ports[online],3GPP TSG-RAN WG1#82b R1-155263,2015年 9月23日,[検索日:2016.01.09],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_82b/Docs/R1-155263.zip>
【文献】 Qualcomm Incorporated,Non-precoded CSI-RS design for CSI reporting class A[online],3GPP TSG-RAN WG1#82b R1-155735,2015年 9月26日,[検索日:2016.01.09],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_82b/Docs/R1-155735.zip>
【文献】 Samsung,New WID Proposal: Enhancements on Full-Dimension (FD) MIMO for LTE[online],3GPP TSG-RAN#71 RP-160212,2016年 2月29日,[検索日:2016.08.07],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_71/Docs/RP-160212.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/06
H04B 7/0413
H04L 27/26
H04W 16/28
H04W 72/04
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
24個のアンテナポート(AP)または32個のAPを用いて、基地局(BS)から送信されたチャネル状態情報参照信号(CSI−RS)を受信するレシーバを有し、
前記24個のAP又は前記32個のAP用の第1のCSI−RS構成は、所定数の第2のCSI−RS構成を統合して構成され、
前記第2のCSI−RS構成の各々における前記APの数は2個、又は4個であり、
前記レシーバは、所定のCSI−RS密度で前記CSI−RSを受信し、
前記所定のCSI−RS密度は、リソースブロック(RB)毎のAPのそれぞれに対するCSI−RSにマッピングされたリソース要素(RE)の比率として定義され、
周波数方向における前記所定のCSI−RS密度の値は0.5であり、
前記レシーバは、無線リソース制御(RRC)シグナリングを用いて前記BSから周波数方向における前記所定のCSI−RS密度を受信する、
ことを特徴とするユーザ装置(UE)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信方法全般に関し、より具体的には、無線通信システムにおいて複数のCSI‐RSアンテナポートを使用するチャネル状態情報参照信号(CSI‐RS(Channel State Information−Reference Signal))送信に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)によって標準化されたLTE(Long Term Evolution)Rel.13(Release 13)は、最大16個のCSI‐RSアンテナポート(AP)に対応する。
【0003】
LTE Rel.12は、各アンテナポートが1リソースブロック(RB)あたり1リソースエレメント(RE)を用いる(以下「1RE/RB/ポート」とも表す)CSI‐RS AP(1、2、4及び8‐Tx CSI‐RS)の数{1、2、4、8}と、符号分割多重(CDM)‐2による電力ブーストと、に対応する。図1は、LTE Rel.12用の2、4及び8‐Tx CSI‐RSのCSI‐RSリソース構成を示す図である。図1に示すように、一方の軸はOFDMシンボルを表し、他方の軸はサブキャリアを表す。各ブロックはRB内のREに対応し、アンテナポート番号が付された格子状のREはCSI‐RSのAPに割り当てられる。したがって、LTE Rel.12では、CSI‐RSは、アンテナポート番号p=15、p=15〜16、p=15〜18並びにp=15〜22をそれぞれ用いて、1、2、4及び8個のAP上で送信される。
【0004】
LTE Rel.13は、各APが1RBあたり1REを用いる(1RE/RB/ポート)CSI‐RS AP(1、2、4、8、12及び16‐Tx CSI‐RS)の数{1、2、4、8、12、16}と、CDM‐2及びCDM‐4による電力ブーストと、に対応する。図2は、LTE Rel.13の12及び16‐Tx CSI‐RSのCSI‐RSリソース構成を示す図である。図2に示すように、図1と同様に、一方の軸はOFDMシンボルを表し、他方の軸はサブキャリアを表す。各ブロックはRB内のREに対応し、アンテナポート番号が付された格子状のREはCSI‐RSのAPに割り当てられる。したがって、LTE Rel.13では、CSI‐RSは、それぞれアンテナポート番号p=15、p=15〜16、p=15〜18、p=15〜22、p=15〜26及びp=15〜30を用いて、1、2、4、8、12及び16個のAP上で送信される。
【0005】
更に、LTE Rel.13のCSI‐RSリソースは、LTE Rel.12用の複数のCSI‐RS構成をサブフレーム毎に同一RB内で統合して構成される。例えば、図2に示すように、LTE Rel.13用の12‐Tx CSI‐RS(CDM‐2)のCSI‐RSリソースは、LTE Rel.12用の4‐Tx CSI‐RSの3つのCSI‐RS構成を統合して構成される。図2において、NはCSI‐RS構成毎のCSI‐RSアンテナポート数を表し、NはCSI‐RS構成数を表す。すなわち、アンテナポートの総数はNによって得られる。言い換えれば、12‐Tx CSI‐RSのCSI‐RSリソースは、(N、N)=(4、3)と定義される。一方で、LTE Rel.13用の16‐Tx CSI‐RS(CDM‐2)のCSI‐RSリソースは、LTE Rel.12用の8‐Tx CSI‐RSの2つのCSI‐RS構成を統合して構成される。16‐Tx CSI‐RSのCSI‐RSリソースは、(N、N)=(8、2)と定義される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP、TS36.211V13.1.0
【非特許文献2】3GPP、TS36.213V13.1.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
3GPPでは、拡張全次元多入力多出力(eFD‐MIMO(enhanced Full Dimension−Multiple Input Multiple Output))技術の検討がLTE Rel.14下で進められている。例えば、従来のCSI‐RS AP数{1、2、4、8、12、16}が、eFD‐MIMO技術によって{20、24、28、32}に拡張することが期待されている。しかしながら、CSI‐RS AP数を{20、24、28、32}に拡張させるCSI‐RS構成はLTE Rel.14に規定されていない。更に、CSI‐RS APを拡張することは、CSI‐RS送信のオーバーヘッドを増加させるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つ又は複数の実施形態に係るユーザ装置(UE)は、24個のアンテナポート(AP)または32個のAPを用いて、基地局(BS)から送信されたチャネル状態情報参照信号(CSI−RS)を受信するレシーバを有し、前記24個のAP又は前記32個のAP用の第1のCSI−RS構成は、所定数の第2のCSI−RS構成を統合して構成される。前記第2のCSI−RS構成の各々における前記APの数は2個、又は4個であり、前記レシーバは、所定のCSI−RS密度で前記CSI−RSを受信し、前記所定のCSI−RS密度は、リソースブロック(RB)毎のAPのそれぞれに対するCSI−RSにマッピングされたリソース要素(RE)の比率として定義され、周波数方向における前記所定のCSI−RS密度の値は0.5であり、前記レシーバは、無線リソース制御(RRC)シグナリングを用いて前記BSから周波数方向における前記所定のCSI−RS密度を受信する。
【0009】
本発明の1つ又は複数の実施形態に係るCSI‐RSを送信する方法は、20個以上のAPを用いて所定のCSI‐RS密度でBSからUEにCSI‐RSを送信するステップを具備することを特徴とする。APの少なくとも1つの所定のCSI‐RS密度は、APの各々につき1RBあたり1CSI‐RS REのCSI‐RS密度と異なってもよい。
【0010】
本発明の1つ又は複数の実施形態に係る無線通信システムにおけるBSは、20個以上のAPを用いてUEにCSI‐RSを送信するトランスミッタを具備することを特徴とする。AP用の第1のCSI‐RS構成は、所定数の第2のCSI‐RS構成を統合して構成してもよい。第2のCSI‐RS構成の各々におけるAPの数は、4個又は8個であってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態によれば、CSI‐RS APの拡張に伴うCSI‐RS送信のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】LTE Rel.12用の、2、4及び8‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成を示す図である。
図2】LTE Rel.13用の、12及び16‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成を示す図である。
図3】本発明の1つ又は複数の実施形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
図4】本発明の第1の態様の1つ又は複数の実施形態に係る、LTE Rel.14用のCSI‐RS構成を示す表である。
図5】本発明の第1の変形例の1つ又は複数の実施形態に係る、LTE Rel.14用のCSI‐RS構成を示す表である。
図6】本発明の第2の態様の1つ又は複数の実施形態に係る、LTE Rel.14用のCSI‐RS構成を示す表である。
図7A】本発明の第2の態様の1つ又は複数の実施形態に係る、周波数分割多重(FDM)が適用されるCSI‐RS送信を示す図である。
図7B】本発明の第2の態様の1つ又は複数の実施形態に係る、TDMが適用されるCSI‐RS送信を示す図である。
図7C】本発明の第2の態様の1つ又は複数の実施形態に係る、TDMが適用されるCSI‐RS送信を示す図である。
図7D】本発明の第2の態様の1つ又は複数の実施形態に係る、FDM及びTDMが適用されるCSI‐RS送信を示す図である。
図7E】本発明の第2の態様の1つ又は複数の実施形態に係る、FDMが適用されるCSI‐RS送信を示す図である。
図8A】本発明の第3の変形例の1つ又は複数の実施形態に係るCSI‐RS構成を示す図である。
図8B】本発明の第3の変形例の1つ又は複数の実施形態に係るCSI‐RS構成を示す図である。
図8C】本発明の第3の変形例の1つ又は複数の実施形態に係るCSI‐RS構成を示す図である。
図9A】本発明の第4の態様の1つ又は複数の実施形態に係るCSI‐RSアンテナポート構成を示す図である。
図9B】本発明の第4の態様の他の例の1つ又は複数の実施形態に係るCSI‐RSアンテナポート構成を示す図である。
図10A】本発明の第5の態様の1つ又は複数の実施形態に係る、CSI‐RS密度の切り替えを伴うCSI‐RS送信を示す図である。
図10B】本発明の第5の態様の他の例の1つ又は複数の実施形態に係る、CSI‐RSアンテナポートの切り替えを伴うCSI‐RS送信を示す図である。
図10C】本発明の第5の態様の他の例の1つ又は複数の実施形態に係る、CSI‐RSパターンの切り替えを伴うCSI‐RS送信を示す図である。
図10D】本発明の第5の態様の他の例の1つ又は複数の実施形態に係る、CSI‐RS密度の切り替えを伴うCSI‐RS送信を示す図である。
図11】本発明の1つ又は複数の実施形態に係る基地局を示す機能ブロック図である。
図12】本発明の1つ又は複数の実施形態に係るUEの一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態では、本発明のより完全な理解のために、具体的な詳細が多く規定される。しかしながら、当業者においては、これらの具体的な詳細なしに本発明の実施が可能であることは明らかである。他の例では、本発明を不明瞭にすることを避けるために、周知の特徴は詳細には説明しない。
【0014】
図3は、本発明の1つ又は複数の実施形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。無線通信システム1は、ユーザ装置(UE)10と、基地局(BS)20と、コアネットワーク30とを含む。無線通信システム1は、FD‐MIMO(eFD-MIMO)に対応するLTE/LTE‐Advanced(LTE−A)システム又はNew Radio(NR)システムであってもよい。eFD‐MIMOでは、チャネル状態情報参照信号(CSI‐RS)のアンテナポート(AP)数{1、2、4、8、12、16}が、CSI‐RS AP数(BS20の複数のAPの数)である{20、24、28、32}に拡張される。したがって、CSI‐RSは、アンテナポート番号p=15、p=15〜16、p=15〜18、p=15〜22、p=15〜26、p=15〜30、p=15〜34、p=15〜38、p=15〜42及びp=15〜46を用いて、それぞれ1、2、4、8、12、16、20、24、28及び32個のAP上で送信してもよい。CSI‐RS AP数(1、2、4、8、12、16、20、24、28及び32)は、それぞれ1、2、4、8、12、16、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSとも呼ばれる。例えば、CSI‐RS AP数は32個を超えてはならない。無線通信システム1は、本明細書において説明する特定の構成に限定されず、CSI‐RS送信を適用する任意のタイプの無線通信システムであってよい。無線通信システム1は、複数のUE10及びBS20を含んでもよい。
【0015】
カバレッジエリア内において、BS20は、MIMO技術を利用する複数のAPを介してUE10と上り(UL)及び下り(DL)信号をやり取りすることができる。DL信号及びUL信号は、制御情報及びユーザデータを含む。BS20は、バックホールリンク31を介して、コアネットワーク30とDL及びUL信号をやり取りしてもよい。BS20は、evolved NodeB(eNB)又はNRシステム用の基地局(例えば、gNodeB(gNB))であってもよい。
【0016】
BS20は、MIMO用アンテナと、隣接するBS20と通信を行うための通信インタフェース(例えば、X2インタフェース)と、コアネットワーク30と通信を行うための通信インタフェース(例えば、S1インタフェース)と、UE10との送受信信号を処理するプロセッサ、コントローラ、回路などのCPU(Central Processing Unit)と、を備える。以下に説明するBS20の動作は、メモリに格納されたデータ及びプログラムを処理又は実行するプロセッサによって実現してもよい。しかしながら、BS20は上述のハードウェア構成に限定されず、当業者に理解される他の適切なハードウェア構成によって実現されてもよい。通常、無線通信システム1がより広いサービスエリアをカバーすることができるように、複数のBS20が配置される。
【0017】
UE10は、MIMO技術を用いて、制御情報とユーザデータとを含むDL及びUL信号をBS20とやり取りする。UE10は、移動局、スマートフォン、携帯電話、タブレット、モバイルルータなどでもよいし、ウェアラブル機器など無線通信機能を有する情報処理装置でもよい。
【0018】
UE10は、プロセッサなどのCPU、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ及び無線通信装置を備え、BS20とUE10との間で無線信号を送受信する。例えば、以下に説明するUE10の動作は、CPU処理、又はメモリに格納されたデータ及びプログラムを実行することによって実現してもよい。ただし、UE10は、上述したハードウェア構成に限定されるものではなく、例えば、以下の処理を実現する回路によって構成されてもよい。
【0019】
本発明の1つ又は複数の実施形態に係るCSI‐RS及びCSIフィードバックプロセスを以下に説明する。図3に示すように、BS20は、CSI‐RSリソース情報及びサブセット(N、N)をUE10に送信することができる(ステップS1)。Nは、CSI‐RS構成毎のCSI‐RSアンテナポート(AP)数を表す。Nは、CSI‐RS構成数を表す。CSI‐RS構成は、(サブセット内の)CSI‐RS APに関連付けられたリソースエレメント(RE)のセットと定義される。CSI‐RS構成は、CSI‐RSリソースと呼ばれてもよい。本発明の1つ又は複数の実施形態において、CSI‐RS構成毎のサブセット内におけるCSI‐RS AP数(N)は、BS20が複数備えるAPであるCSI‐RS APの数以下である。そして、BS20は、サブセット(N、N)に基づいて、CSI‐RS APに対応付けられたREを用いて、CSI‐RSをUE10に送信することができる(ステップS2)。UE10は、CSI‐RS構成及びDL CSI測定用のサブセット(N、N)を用いて、BS20からCSI‐RSを得ることができる。そして、UE10は、CSIを含むCSIフィードバック情報をBS20に送信することができる(ステップS3)。
【0020】
(第1の態様)
以下、本発明の第1の態様の実施形態について説明する。LTE Rel.13などの従来のLTE規格では、CSI‐RS APを{20、24、28、32}に拡張させるCSI‐RS構成が規定されていない。本発明の第1の態様の1つ又は複数の実施形態に係るCSI‐RSリソース割当方法は、従来のLTE規格に規定されていない、CSI‐RS APの拡張に対応するCSI‐RS構成を実現することができる。
【0021】
本発明の第1の態様の1つ又は複数の実施形態では、BS20が20個以上のAPを用いてCSI‐RSを送信する場合、当該APのCSI‐RS構成(第1のCSI‐RS構成)は、所定数のCSI‐RS構成(第2のCSI‐RS構成)を統合して構成してもよい。例えば、所定数の既存のCSI‐RS構成をBS20が統合することで、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成を設定してもよい。または、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成は、LTE Rel.12のCSI‐RS構成及び/又はLTE Rel.13のCSI‐RS構成を統合して構成される。
【0022】
例えば、20‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成は、LTE Rel.12における4‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成を5つ統合して構成してもよい。また、20‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成も(N、N)=(4、5)で定義される。同様に、例えば、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成は、以下に説明するように、サブセット(N、N)の構成要素の1つ、一部又は全てを用いて定義してもよい。
20‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(2、10)及び(4、5);
24‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(2、12)、(4、6)、(8、3)及び(12、2);
28‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(2、14)及び(4、7);
32‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(2、16)、(4、8)、(8、4)及び(16、2)。
【0023】
簡略化のため、本発明の第1の態様の実施形態では、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSなどLTE Rel.14用のCSI‐RS構成は、図4に示すように、LTE Rel.12のCSI‐RS構成を最大Nで統合して構成することもできる。
【0024】
したがって、本発明の第1の態様の1つ又は複数の実施形態によれば、BS20は、N CSI‐RS構成(第2のCSI‐RS構成)を統合することで、20個以上のAP(例えば、20、24、28及び32個のAP)のCSI‐RS構成(第1のCSI‐RS構成)を決定することができる。図4に示すように、20、24、28及び32個のAPに対するN(所定数の第2のCSI‐RS構成)は、それぞれ5、3、7及び4とすることができる。例えば、CSI‐RS送信に20個及び28個のAPを使用する場合、各CSI‐RS構成におけるAPの数は4個である。CSI‐RS送信に24個及び32個のAPを使用する場合、各CSI‐RS構成におけるAPの数は8個である。その後、BS20は、決定したCSI‐RS構成に設定されたCSI‐RSを、AP(20、24、28又は32個のAP)を用いてUE10に送信することができる。更に、NはAP数より少なくてもよい。これにより20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成を設定することができ、CSI‐RSを、当該20、24、28及び32‐Tx CSI用に設定されたCSI‐RS構成を用いて適切に送信することができる。
【0025】
(第1の変形例)
サブフレーム(CSI‐RS RE)毎にCSI‐RS APに関連付けられるREの最大数は、LTE規格に従って40個である。一方、例えば、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSに関連付けられたREは大きい。本発明の第1の変更例の1つ又は複数の実施形態によれば、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成は、BS20が、CSI‐RS AP(40個のRE)に割り当て可能なREのうち未使用のREを指定して決定してもよい。当該未使用のREは、CSI‐RS APに対応付けられていない可能性がある。
【0026】
本発明の第1の変形例の1つ又は複数の実施形態によれば、例えば、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成を設定するサブセット(N、N)は以下の通りである:
20‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(2、10)及び(4、5);
24‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(2、8)、(4、4)及び(8、2);
28‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(2、6)及び(4、3);及び
32‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(2、4)及び(4、2)。
【0027】
簡略化のため、本発明の第1の変形例の実施形態では、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSなど、LTE Rel.14のCSI‐RS構成は、図5に示すように、最大のNでLTE Rel.12のCSI‐RS構成を統合して構成してもよい。
【0028】
更に、構成されたCSI‐RSを使用するか否かを示す1ビット(例えば、CSI‐RS‐Flag)が、BS20からUE10に送信される情報に含まれてもよい。例えば、(N、N)=(8、2)のサブセットが設定され、CSI‐RS‐Flag=1である場合、サブセットはCSI‐RS APに関連付けられたREを示すため、UE10は、CSI‐RS AP数を16に決定する。一方、CSI‐RS‐Flag=0の場合、サブセットは未使用のCSI‐RSを示すので、UE10は、CSI‐RS AP数を24個(40から16を減算)に決定する。
【0029】
したがって、本発明の第1の態様の1つ又は複数の実施形態によれば、サブセット(N、N)は、複数のAPに対応付けられていないREを示すことができる。
【0030】
(第2の態様)
以下、本発明の第2の態様の実施形態について説明する。CSI‐RS AP(20、24、28及び32‐Tx CSI‐RS)を拡張することで、CSI‐RS送信のオーバーヘッドが増加するおそれがある。一方、従来のLTE規格(例えば、LTE Rel.13)におけるCSI‐RS密度は、APにつき1RBあたり1CSI‐RS RE(1RE/RB/ポート)である。当該CSI‐RS REは、CSI‐RSに関連付けられたREである。
【0031】
本発明の第2の態様の1つ又は複数の実施形態よれば、CSI‐RS密度は、1RE/RB/ポートから変更することができる。例えば、多数のAPを使用するCSI‐RS送信(例えば、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RS)に対応するLTE Rel.14では、CSI‐RS密度が低下する可能性がある。一方、例えば、CSI‐RS密度を、CSI‐RSのチャネル推定精度、時間/周波数トラッキング、及びquasi‐colocationを向上させるために増加させることもできる。
【0032】
本発明の第2の態様の1つ又は複数の実施形態よれば、すべてのAPにおいて1RE/RB/ポート未満となるように、CSI‐RS密度を等しく低下させてもよい。例えば、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS密度は、1RE/RB/ポートの半分(0.5RE/RB/ポート)であってもよい。例えば、CSI‐RS密度が低下したCSI‐RSでは、LTE Rel.14用の24‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS密度は、従来のLTE規格の12‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS密度と同一であってもよい。
【0033】
例えば、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS密度が0.5RE/RB/ポートである場合、サブセット(N、N)として以下を設定することができる:
20‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(2、5);
24‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(2、6)及び(4、3);
28‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(2、7);及び
32‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(2、8)、(4、4)及び(8、2)。
【0034】
12及び16‐Tx CSI‐RSのパターンを再利用して、24及び32‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成のサブセットをそれぞれ決定することが有利な場合がある。
【0035】
簡略化のため、本発明の第2の態様の1つ又は複数の実施形態おいて、CSI‐RS密度が低下した場合、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSなどLTE Rel.14用のCSI‐RS構成のサブセット(N、N)は、図6に示すように、最大Nで設定してもよい。
【0036】
本発明の第2の態様の1つ又は複数の実施形態において、例えば、BS20がCSI‐RS密度の低いCSI‐RSを送信する場合、図7A図7B図7C図7D及び図7Eに示すように、周波数分割多重(FDM)及び時分割多重(TDM)のうち少なくとも1つをCSI‐RS送信に適用してもよい(例えば、再利用ファクタ2、密度パラメータ0.5など)。図7Aは、FDMが適用されるCSI‐RS送信を示す。図7B及び7Cは、TDMが適用されるCSI‐RS送信を示す。図7Dは、TDM及びFDMが適用されるCSI‐RS送信を示す。例えば、FDM再利用ファクタ及びTDM再利用ファクタを、無線リソース制御(RRC)パラメータとして導入してもよい。図7Cにおいて、オフセットタイミングkをRRCパラメータとして導入してもよい。例えば、k=1、‐1などを予め仕様で規定してもよい。図7Eは、8‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成を示す図である。図7Eに示すように、CS‐RSリソースはFDM(comb型構成)によって設定され、CSI‐RS REは周波数方向に配置され、ホッピングする。
【0037】
したがって、本発明の第2の態様の1つ又は複数の実施形態よれば、BS20は、20個以上のAP(例えば、20、24、28又は32個のAP)を用いて、所定のCSI‐RS密度でCSI‐RSをUE10に送信することができる。少なくとも1つのAPにおける所定のCSI‐RS密度は、各APが1RBあたり1CSI‐RS REを用いるCSI‐RS密度でなくともよい。例えば、所定のCSI‐RS密度は、0.5CSI‐RS RE/PB/APのように、前記各APにつき1RBあたり1CSI‐RS RE未満であってもよい。この結果、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSなどのポート拡張によるCSI‐RS送信のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
【0038】
(第3の態様)
以下、本発明の第3の態様の実施形態について説明する。本発明の第3の態様の1つ又は複数の実施形態によれば、一部のAPのCSI‐RS密度を低下又は増加させることができる。つまり、各APのCSI‐RS密度は互いに異ならせることができる。例えば、APの一部(LTE Rel.13によってカバーされる)のCSI‐RS密度はより高密度(例えば、1RE/RB/ポート)で、APの他の部分におけるCSI‐RS密度はより低密度(例えば、0.5RE/RB/ポート)であってもよい。例えば、LTE Rel.13において20‐Tx CSI‐RSがカバーする16個のAPのCSI‐RS密度を1RE/RB/ポートとし、残りの4個のAPのCSI‐RS密度を0.5RE/RB/ポートとしてもよい。この場合、同一のチャネル推定アルゴリズムを最大16個のAPに再利用することができる。後方互換性を考慮すると有益である。
【0039】
本発明の第3の態様の1つ又は複数の実施形態によれば、例えば、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSの一部のAPのCSI‐RS密度が1RE/RB/ポートであり、他のAPのCSI‐RS密度が0.5RE/RB/ポートである場合、以下のサブセット(N、N)を用いることができる:
20‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(8、2)+(2、1);
24‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(8、2)+(4、1);
28‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(8、2)+(2、3);及び
32‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(8、2)+(4、2)。
【0040】
上述の20‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成用のサブセットの例では、サブセット(8、2)は、CSI‐RS密度が1RE/RB/ポートであるCSI‐RS構成を示し、サブセット(2、1)は、CSI‐RS密度が0.5RE/RB/ポートであるCSI‐RS構成を示す。すなわち、20‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の(N、N)が(8、2)+(2、1)である場合、CSI‐RS密度は、[(8×2)+(2×1)]/20(=18/20)のRE/RB/ポートである。同様に、24‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の(N、N)が(8、2)+(4、1)である場合、CSI‐RS密度は20/24RE/RB/ポートである。28‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成で(N、N)が(8、2)+(2、3)の場合、CSI‐RS密度は22/28RE/RB/ポートである。32‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成で(N、N)が(8、2)+(4、2)の場合、CSI‐RS密度は24/32RE/RB/ポートである。
【0041】
他の例では、本発明の第3の態様の1つ又は複数の実施形態において、例えば、上述のCSI‐RS密度が18/20、20/24、22/28、24/32RE/RB/ポートである場合に、対応するサブセット(N、N)は以下の通りである:
18‐Tx CSI‐RSの場合、(N、N)=(2、9);
20‐Tx CSI‐RSの場合、(N、N)=(2、10)又は(4、5);
22‐Tx CSI‐RSの場合、(N、N)=(2、11);及び
24‐Tx CSI‐RSの場合、(N、N)=(2、12)又は(4、6)。
【0042】
したがって、サブセット(N、N)は、複数のサブセットの組み合わせを用いる代わりに、単一のサブセットとして構成されてもよい。
【0043】
本発明の第3の態様の他の例の1つ又は複数の実施形態として、例えば、20‐Tx CSI‐RSの1偏波を有する10個のAPのCSI‐RS密度は、より高い密度(例えば、1RE/RB/ポート)であってもよく、他の偏波を有する残りの10個のAPのCSI‐RS密度は、より低い密度であってもよい。例えば、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSの半分のCSI‐RS密度が1RE/RB/ポートであり、残りの半分のCSI‐RS密度がより低い密度(例えば、0.5RE/RB/ポート)である場合、サブセット(N、N)は以下の通りである:
20‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(2、5)+(2、3);
24‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(4、3)+(2、3);
28‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(2、7)+(4、2);及び
32‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成の場合、(N、N)=(8、2)+(4、2)。
【0044】
20、28‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成のサブセットの上述の例では、1つのAP(例えば(2、3)及び(4、2)のサブセットの最後のAP)を破棄することができる。さらに、上述のように、サブセット(N、N)は、複数のサブセットの組み合わせを用いる代わりに、単一のサブセットとして構成されてもよい。
【0045】
更に、本発明の第3の態様の他の例の1つ又は複数の実施形態によれば、密度が異なるAPにそれぞれ異なるCSI‐RSリソース情報を設定してもよい。例えば、LTE Rel.12用のCSI‐RS構成のCSI‐RSリソース情報はすべて別々に設定してもよい。CSI‐RSリソース情報は、例えば、送信タイミング(送信周期及びタイミングオフセット)、CDM及びRE位置を含む。
【0046】
(第3の変形例)
CSI‐RS密度を用いたCSI‐RS送信は、特に周波数選択性が高く、かつドップラー効果の高い場合に、UE10におけるチャネル推定の精度に影響する可能性がある。一方、UE10は、AP数をより少なく、かつCSI‐RS密度をより高くすることでCSI‐RS送信にフォールバックしてもよい。本発明の第3の変形例の1つ又は複数の実施形態によれば、CSI‐RS APは複数のサブフレームに設けてもよい(すなわち、複数のサブフレーム内のREにCSI‐RS APを関連付けてもよい)。例えば、図8Aに示すように、24個のCSI‐RS AP(24‐Tx CSI‐RS)に関連するREは、2つのサブフレーム内にあってもよい。LTE Rel.12は、最大8個のCSI‐RS APに対応する。したがって、従来の(LTE Rel.12)UE(又はフォールバックのUE)は、各サブフレームにおいて8‐Tx CSI‐RSに対応付けられた8個のREを使用することができる。図8Aにおいて、アンテナポート番号{15、16、17、18、27、28、29、30}は8‐Tx交差偏波アンテナ(CPA)を表し、アンテナポート番号{23、24、25、26、35、36、37、38}は他の8‐Tx CPAを表す。この結果、BS20が24‐Tx CSI‐RSを用いてCSI‐RSを送信しても、従来(LTE Rel.12)は、アンテナポート番号{15、16、17、18、27、28、29、30}のREを1番目のサブフレームにおいて再利用し、アンテナポート番号{23、24、25、26、35、36、37、38}のREを2番目のサブフレームにおいて再利用することができる。
【0047】
図8Bに示すように、アンテナポート番号{15、16、17、18、27、28、29、30}、{19、20、21、22、31、32、33、34}及び{23、24、25、26、35、36、37、38}はそれぞれ異なる8‐Tx CPAを示す。従来(LTE Rel.12)は、BS20が24‐Tx CSI‐RSを用いてCSI‐RSを送信する場合であっても、アンテナポート番号{15、16、17、18、27、28、29、30}及び{19、20、21、22、31、32、33、34}のREを1番目のサブフレームにおいて再利用し、アンテナポート番号{23、24、25、26、35、36、37、38}のREを2番目のサブフレームにおいて再利用することができる。
【0048】
図8Cに示すように、アンテナポート番号{15、16、17、18、19、20、27、28、29、30、31、32}及び{21、22、23、24、25、26、33、34、35、36、37、38}は、それぞれ異なる8‐Tx CPAを表す。LTE Rel.12及び13はそれぞれ最大8個及び16個のCSI‐RS APに対応する。従来(LTE Rel.12/13)は、BS20が24‐Tx CSI‐RSを用いてCSI‐RSを送信する場合であっても、1番目のサブフレームにおいてアンテナポート番号{15、16、17、18、19、20、27、28、29、30、31、32}でREを再利用することができ、2番目のサブフレームにおいてアンテナポート番号{21、22、23、24、25、26、33、34、35、36、37、38}のREを再利用することができる。
【0049】
本発明の第3の態様の他の例の1つ又は複数の実施形態によれば、従来のLTE規格(例えば、LTE Rel.12/13)との後方互換性を考慮に入れて、BS20が複数のサブフレームにわたってCSI‐RSを送信する場合、複数のCSI‐RS APに関連付けられたREを同一サブフレーム内に配置することができる。
【0050】
(第4の態様)
以下、本発明の第4の態様の実施形態について説明する。本発明の第4の態様の1つ又は複数の実施形態によれば、BS20は、一部のAPからCSI‐RSを送信しなくてもよい。
【0051】
例えば、BS20は、複数のAPのうち所定の偏波を有するAPのみからCSI‐RSを送信し、所定の偏波とは異なる偏波を有するAPからはCSI‐RSを送信しない。図9Aは、CSI‐RS AP(24‐Tx CSI‐RS)の構成を示す。図9Aにおいて、アンテナポート番号{15、…、26}のAPは所定の偏波を有し、アンテナポート番号{27、…、38}のAPは、所定の偏波とは異なる偏波を有する。したがって、本発明の第4の態様の1つ又は複数の実施形態によれば、BS20は、アンテナポート番号{15、…、26}のAPからCSI‐RSを送信し、アンテナポート番号{27、…、38}のAPからはCSI‐RSを送信してなくてもよい。更に、所定の偏波は、例えば、{27、…、38}のAPの偏波であってもよい。また、例えば、BS20は、所定の偏波を有するAPのうち一部のAPからCSI‐RSを送信してもよい。
【0052】
本発明の第4の態様の他の例の1つ又は複数の実施形態によれば、BS20は、アンテナポート番号が偶数(又は奇数)のAPからのみCSI‐RSを送信してもよい。例えば、24‐Tx CSI‐RSの例では、BS20は、アンテナポート番号が偶数{16、18、…、38}であるAPからCSI‐RSを送信し、アンテナポート番号が奇数である{15、17、…、37}のAPからはCSI‐RSを送信しなくてもよい(或いはこの反対でもよい)。
【0053】
本発明の第4の態様の他の例の1つ又は複数の実施形態によれば、図9Bに示すように、BS20は、APの位置、偏波などに基づいてサンプリングされた一部のAPを用いて、CSI‐RSを送信することができる。例えば、BS20は、AP位置及び偏波などのAPの特徴に基づいて選択されたAPからCSI‐RSを送信し、選択外のAPからはCSI‐RSを送信しなくてもよい。
【0054】
上述のように、LTE規格では、サブフレーム毎にCSI‐RS APに関連付けるREの最大数が40REに規定されている。したがって、20‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成では、1RE/RB/ポートで再利用ファクタ2を使用することができ、24、28及び32‐Tx CSI‐RSのCSI‐RS構成では、1RE/RB/ポートで再利用ファクタ2を使用することができない。したがって、CSI‐RSオーバーヘッドを低減する方法を、24、28及び32‐Tx CSI‐RSに適用することができる。
【0055】
(第5の態様)
以下、本発明の第5の態様の実施形態について説明する。CSI‐RS密度とチャネル推定の精度との間には相関がある。本発明の第5の態様の1つ又は複数の実施形態によれば、CSI‐RS密度は、展開シナリオ(deployment scenario)、トラフィックなどに応じて調整してもよい。2種類以上のタイプのCSI‐RS密度を、BS20及びUE10において規定して使用してもよい。例えば、CSI‐RS密度のうち1つを1RE/RB/ポートの高CSI‐RS密度にし、他を1RE/RB/ポートよりも低い低CSI‐RS密度にすることができる。例えば、BS20は、RRCシグナリングなどの上位レイヤシグナリングによってCSI‐RS密度に関する情報を送信してもよい。
【0056】
本発明の第5の態様の1つ又は複数の実施形態によれば、BS20は、例えば、CSI‐RS密度が低いCSI‐RSと、CSI‐RS密度が高い(例えば、CSI‐RS密度が当該低CSI‐RS密度と異なる)他のCSI‐RSとをサブフレームやシンボルに基づいて動的に切り替えることによって、当該低CSI‐RS密度及び高CSI‐RS密度のCSI‐RSを送信することができる。図10Aに示すように、BS20は、CSI‐RS密度の高いCSI‐RSを送信し、続いて、所定のサブフレーム(例えば、5ms)後に、CSI‐RS密度の低いCSI‐RSを送信することができる。
【0057】
本発明の第5の態様の1つ又は複数の実施形態によれば、UE10に、高CSI‐RS密度及び低CSI‐RS密度に対応したCSI‐RSの送信周期を設定してもよい。更に、高CSI‐RS密度のCSI‐RSの送信周期を複数の低密度CSI‐RSで構成してもよいし、この反対でもよい。
【0058】
本発明の第5の態様の他の例の1つ又は複数の実施形態によれば、例えば、UE10に、低CSI‐RS密度のCSI‐RS及び高CSI‐RS密度のCSI‐RSにそれぞれ対応するCSI‐RS構成(例えば、RE位置、周期及びタイミングオフセットなどを含む、LTE Rel.12/13のCSI‐RS構成)が設定されてもよい。
【0059】
本発明の第5の態様の他の例の1つ又は複数の実施形態によれば、BS20は、CSI‐RS送信用のCSI‐RS AP数を動的に切り替えることができる。例えば、図10Bに示すように、BS20は、全てのAPからCSI‐RSを送信して、続いて一部のAPからCSI‐RSを送信してもよい。
【0060】
本発明の第5の態様の他の例の1つ又は複数の実施形態によれば、図10Cに示すように、2つ以上の異なるCSI‐RS送信パターンを切り替えることができる。例えば、異なるパターンとは、APが異なることや、CSI‐RS密度が(AP毎に)異なることであってもよい。
【0061】
本発明の第5の態様の他の例の1つ以上の実施形態では、図10Dに示すように、CSI‐RS密度の高いセット1及びCSI‐RS密度の低いセット2を含むCSI‐RSと、CSI‐RS密度の高いセット2及びCSI‐RS密度の低いセット1を含むCSI‐RSと、を切り替えることができる。
【0062】
本発明の第5の態様の他の例の1つ又は複数の実施形態によれば、BS20は、非周期的CSI‐RSトリガリングのためにCSI‐RS多重を動的に切り替えることができる。当該トリガリングは、CSI‐RS密度、AP、偏波、CSI‐RSセットなどに基づいてシグナリングすることができる。当該シグナリングは、上位レイヤシグナリング又は下位レイヤシグナリングのいずれか又は両方を設定によってできる。
【0063】
上述の例では時間領域におけるスイッチング技術を示したが、周波数領域又は符号領域(すなわちCDM)での利用も可能である。例えば、RB毎にCSI‐RSの送信パターンを切り替えることができる。TDMとFDMとを組み合わせるなど、複合的な適用も可能である。
【0064】
(第6の態様)
以下、本発明の第6の態様の実施形態について説明する。再利用が可能な既存のAPは、30番目のインデックス(15‐30)までである。追加のポートには下式のようにインデックスを付すことができる。
【0065】
Alt.1:
【数1】
【0066】
ここで、iはリソースのインデックスであり、p’はCSI‐RS構成内のアンテナポート番号であり、Nは、CSI‐RS構成毎のCSI‐RSアンテナポート数であり、NはCSI‐RS構成数である。
【0067】
Alt.2:
【数2】
【0068】
Alt.3:CDM‐2及び1RE/port/RBに対して、Alt.1が使用される。他の場合には、Alt.2が使用される。
【0069】
LTE Rel.14のCSI‐RS構成が(RRCシグナリングの設計に起因して)LTE Rel.13のCSI‐RS構成からなる場合、以下の態様を適用することができる。
【0070】
Alt.1:p’がLTE Rel.13のナンバリングに倣うと仮定して上の式を適用する。
【0071】
例:LTE Rel.14の24個のAP=LTE Rel.12の12個のAP×2。この結果、N=12及びN=2となる。
【0072】
Alt.2:最初に、LTE Rel.12のCSI‐RS構成を統合することによってLTE Rel.14のCSI‐RS構成を示し、続いて、p’がLTE Rel.12のナンバリングに倣うと仮定して上の式を適用する。
【0073】
例1:LTE Rel.14の24個のAP=LTE Rel.13の12個のAP×2=LTE Rel.11の4個のAP×6。この結果、N=4及びN=6となる。
【0074】
例2:LTE Rel.14の24個のAP=LTE Rel.13の12個のAP×2=LTE Rel.11の8個のAP×3。この結果、N=8及びN=3となる。
【0075】
(基地局の構成)
以下、図11を参照して、本発明の1つ又は複数の実施形態に係るBS20について説明する。
【0076】
図11に示すように、BS20は、FD−MIMO用アンテナ21と、RF(Radio Frequency)回路22と、CSI‐RSスケジューラ23と、CS‐RSジェネレータ24と、プリコーダ25と、マルチプレクサ26とを備える。RF回路22は、トランスミッタ(TXRU)221とレシーバ222とを含む。
【0077】
アンテナ21は、複数のアンテナ素子を有する多次元アンテナから構成されてもよく、2Dアンテナ(平面アンテナ)、円柱状に配置されたアンテナや立方体状に配置されたアンテナを含む3Dアンテナなどが含まれる。アンテナ21は、1つ以上のアンテナ素子を有するアンテナポートを含む。各アンテナポートから送信されたビームは、UE10とMIMO通信を行うように制御される。
【0078】
アンテナ21によって、線形アレイアンテナを用いる場合と比較してアンテナの素子数を容易に増加させることができる。多数のアンテナ素子を利用するMIMO伝送においては、システム性能をさらに改善することが求められる。例えば、ビームフォーミングでは、アンテナ数の増加に応じて高いビームフォーミング利得も期待される。更に、MIMO伝送は、例えばビームのヌル点を制御するなど干渉低減の面においても有利であり、マルチユーザMIMOにおいてユーザ間の干渉を除去するなどの効果が期待できる。
【0079】
RF回路22は、アンテナ21への入力信号を生成し、アンテナ21からの出力信号の受信処理を行う。
【0080】
RF回路22のトランスミッタ221は、アンテナ21を介してUE10にデータ信号(例えば、参照信号や、プリコーディングされたデータ信号)を送信する。トランスミッタ221は、決定したCSI‐RS構成(例えば、サブフレーム構成ID及びマッピング情報)の状態を示すCSI‐RSリソース情報を、上位レイヤシグナリング又は下位レイヤシグナリングを介してUE20に送信する。トランスミッタ221は、決定したCSI‐RS構成に割り当てられたCSI‐RSをUE10に送信する。
【0081】
RF回路22に含まれるレシーバ222は、UE10からアンテナ21を介してデータ信号(例えば、参照信号及びCSIフィードバック情報)を受信する。
【0082】
CSI‐RSスケジューラ23は、CSI‐RSに割り当てるCSI‐RS構成を決定する。例えば、CSI‐RSスケジューラ23は、サブフレームの中から、CSI‐RSを含むCSI‐RSサブフレームを判別する。更に、CSI‐RSスケジューラ23は、少なくともCSI‐RSにマッピングされたREを決定する。
【0083】
CSI‐RSジェネレータ24は、下りチャネル状態を推定するためのCSI‐RSを生成する。CSI‐RSジェネレータ24は、CSI‐RSに加えて、LTE規格で規定される参照信号、個別参照信号(DRS)、セル固有参照信号(CRS)、プライマリ同期信号(PSS)及びセカンダリ同期信号(SSS)などの同期信号、並びに別途規定された参照信号を生成してもよい。
【0084】
プリコーダ25は、下りデータ信号及び下り参照信号に適用するプリコーダを決定する。プリコーダは、プリコーディングベクトル、又はより一般的にはプリコーディング行列と呼ばれる。プリコーダ25は、推定された下りリンクのチャネル状態を示すCSIと、入力された復号CSIフィードバック情報とに基づいて、下りリンクのプリコーディングベクトル(プリコーディング行列)を決定する。
【0085】
マルチプレクサ26は、CSI‐RSスケジューラ23によって決定されたCSI‐RS構成に基づいて、CSI‐RSをREに多重する。
【0086】
送信される参照信号は、セル固有の参照信号又はUE固有の参照信号であってよい。例えば、参照信号は、PDSCHなどのUE固有信号に多重してもよく、参照信号はプリコーディングしてもよい。参照信号の送信ランクをUE10に通知することで、チャネル状態推定をチャネル状態に応じた適切なランクで実現することができる。
【0087】
(ユーザ装置の構成)
以下、図12を参照して、本発明の1つ又は複数の実施形態に係るUE10について説明する。
【0088】
図12に示すように、UE10は、BS20と通信を行うためのUEアンテナ11と、RF回路12と、デマルチプレクサ13と、チャネル推定器14と、CSIフィードバックコントローラ15と、CSI‐RSコントローラ16とを備えてよい。RF回路12は、トランスミッタ121とレシーバ122を含む。
【0089】
RF回路12に含まれるトランスミッタ121は、UEアンテナ11を介してBS20にデータ信号(例えば、CSIフィードバック情報)を送信する。
【0090】
RF回路12のレシーバ122は、BS20からUEアンテナ11を介してデータ信号(例えば、CSI‐RSなどの参照信号)を受信する。
【0091】
デマルチプレクサ13は、BS20から受信した信号からPDCCH信号を分離する。
【0092】
チャネル推定器14は、BS20から送信されたCSI‐RSに基づいて下りチャネル状態を推定し、CSIフィードバックコントローラ15へ出力する。
【0093】
CSIフィードバックコントローラ15は、下りチャネル状態推定用の参照信号を用いて推定した下りチャネル状態に基づいてCSIフィードバック情報を生成する。CSIフィードバックコントローラ15は、生成したCSIフィードバック情報をトランスミッタ121に出力し、トランスミッタ121は、当該CSIフィードバック情報をBS20に送信する。CSIフィードバック情報は、RI(ランクインジケータ)、PMI、CQI、BIなどのうち少なくとも1つを含んでよい。
【0094】
BS20からUEに固有のCSI‐RSが送信された場合、CSI‐RSコントローラ16は、特定のユーザ装置がユーザ装置そのものであるか否かをCSI‐RSリソース情報に基づいて判断する。CSI‐RSコントローラ16は、自装置が特定のユーザ装置であると判断した場合、CSI‐RSに基づいてCSIフィードバックをBS20に送信する。
【0095】
(他の態様)
本開示においては下り送信の例を中心に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の1つ又は複数の実施形態は、上り送信にも適用することができる。
【0096】
本開示においてはLTE/LTE‐Aに基づくチャネル及びシグナリング方式の例を中心に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の1つ又は複数の実施形態は、LTE/LTE‐Aと同一の機能を有する他のチャネル及びシグナリング方式や、別途規定されたチャネル及びシグナリング方式などにも適用することができる。
【0097】
上記の態様及び変更例は互いに組み合わせてもよく、これらの態様の各種特徴は様々なパターンで組み合わせることが可能である。本発明は、本明細書に開示される特定の組み合わせに限定されない。
【0098】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、BS20が平面アンテナを備える例を説明するが、本発明はこれに限定されない。本発明において、BS20は、1次元アンテナ又は所定の3次元アンテナを備えてもよい。
【0099】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、従来のLTE規格に従って、サブフレーム毎に40個のREがCSI‐RS APに関連付けられる例を説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明では、CSI‐RS APに関連付けるREは40個以上であってもよいし、40個のREのうち一部であってもよい。
【0100】
本開示は、20、24、28及び32‐Tx CSI‐RSの例を中心に説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の1つ又は複数の実施形態は、所定数のCSI‐RS APにも適用することができる。
【0101】
本開示は、1RE/RB/ポートの高CSI‐RS密度の例と、0.5RE/RB/ポートの低CSI‐RS密度の例とを中心に説明したが、本発明はこれらの数値に限定されない。
【0102】
本開示においては一定数の実施形態のみが説明されたが、本開示の利益を享受する当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく様々な他の実施形態が可能であることを理解することができる。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0103】
1 無線通信システム
10 ユーザ装置(UE)
11 UEアンテナ
12 RF回路
121 トランスミッタ
122 レシーバ
13 デマルチプレクサ
14 チャネル推定器
15 CSIフィードバックコントローラ
16 CSI‐RSコントローラ
20 基地局(BS)
21 アンテナ
22 RF回路
221 トランスミッタ
222 レシーバ
23 CSI‐RSスケジューラ
24 CSI‐RSジェネレータ
25 プリコーダ
26 マルチプレクサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12