(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態>
本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
<概要>
図1は、本実施例に係る通信システム1のシステム構成例の概要を示すシステム図である。
【0018】
図1に示すように、通信システム1においては、各所に配された基地局100(100a、100b)がそれぞれの通信範囲101(101a、101b)内に含まれる通信端末10(10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g)と通信を行うことで、各通信端末10は他の通信端末やネットワーク上に存在する情報処理装置との通信を行う。各基地局100は、互いにネットワーク300を介して接続されている。
【0019】
各基地局100は、それぞれの通信範囲内に含まれる通信端末10からの通信要求によって、通信のリソースを割り当てる。基地局100は、通信における第1の単位期間(例えば、15分)において、通信した通信端末10との間の通信状況を示す通信状況情報102を閲覧端末200に送信する。これによって、第1の単位期間において、基地局100が通信端末10との間の通信に問題等(例えば、バーストトラフィック)が発生していないかどうかを閲覧端末200が認識することができる。通信状況情報102は、閲覧端末200に記憶される。
【0020】
ところで、第1の単位期間での通信状況を示す通信状況情報102は、従来も行われているが、15分という単位期間は、秒単位で状況が変化し得る通信状況の情報としては、実際に問題を検出するには、長すぎるという側面があった。一方で、15分よりも短い単位期間で通信状況の情報を出力して記録していくとなると、閲覧端末200には膨大な記憶容量が要求されることになるので、現実的であるとは言えない。
【0021】
そこで、本実施の形態に係る基地局は従来通り、第1の単位期間ごとの通信状況(以下、第1通信状況情報と呼称する)を出力する他、第1の単位期間ごとに、その第1の単位期間内の第1の単位期間よりも短い第2の単位期間それぞれの通信状況を示す第2通信状況情報の中で、所定の条件を満たす第2の単位期間の通信状況を示す第2通信状況情報のみを出力する。これによって、閲覧端末200は、閲覧端末200の記憶容量に、全ての第2の単位期間の第2通信状況情報を記憶させる場合よりも負荷を与えることなく、従来よりも細かい単位期間での通信状況情報を認識することができる。以下、詳細に説明する。
【0022】
なお、ネットワーク300は、各種の機器との間を相互に接続させるためのネットワークであり、例えば、無線ネットワークや有線ネットワークである。具体的には、ネットワークは、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)や広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ISDNs(integrated service digital networks)、無線LANs、LTE(long term evolution)、LTE−Advanced、第4世代(4G)、第5世代(5G)、CDMA(code division multiple access)、WCDMA(登録商標)、イーサネット(登録商標)などである。また、ネットワークは、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)やブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、ブルートゥースローエナジー(Bluetooth Low Energy)、光回線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線、衛星通信網などであってもよく、どのようなネットワークであってもよい。ネットワークは、ユーザの住居に備えられる場合には、ホームネットワークと呼称されることもある。また、ネットワークは、例えば、NB−IoT(Narrow Band IoT)や、eMTC(enhanced Machine Type Communication)であってもよい。なお、NB−IoTやeMTCは、IoT向けの無線通信方式であり、低コスト、低消費電力で長距離通信が可能なネットワークである。また、ネットワークは、これらの組み合わせであってもよい。また、ネットワークは、これらの例を組み合わせた複数の異なるネットワークを含むものであってもよい。例えば、ネットワークは、LTEによる無線ネットワークと、閉域網であるイントラネットなどの有線ネットワークとを含むものであってもよい。
【0023】
<構成>
<基地局100の構成例>
図2は、基地局100の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、基地局100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、を備える。
【0024】
通信部110は、外部の装置と通信を実行するための通信インターフェースである。
【0025】
通信部110は、基地局100に宛てられたメッセージを受信し、制御部130に伝達する機能を有する。また、通信部110は、制御部130から、指定されたデータを、指定された宛先に送信する機能を有する。通信部110は、各通信端末10からの通信信号を受信して制御部130に伝達するとともに、通信データで指定される通信先にデータを送信する。また、通信部110は、第1の単位期間ごとに制御部130からの指示にしたがって、通信状況情報102を、ネットワーク300を介して、閲覧端末200に送信する。通信状況情報102は、第1通信状況情報と、第2通信状況情報との双方を含んでもよいし、一方のみを含むものであってもよい。即ち、第1通信状況情報と第2通信状況情報とは、それぞれ個別に、閲覧端末200に送信されてよい。
【0026】
記憶部120は、基地局100が動作上必要とするプログラム並びにデータを記憶する機能を有する。記憶部120は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなど、各種の記録媒体により実現することができるが、これらに限定するものではない。記憶部120が、記憶しているプログラムとしては、第1の単位期間が経過するごとに、その第1の単位期間内において基地局100が通信のリソースを割り当てた通信端末10が実行した通信量を算出し、第1通信状況情報として出力する第1通信状情報送信プログラムを記憶している。また、記憶部120は、第1の単位期間が経過するごとに、その第1の単位期間内の、第1の単位期間よりも短い第2の単位期間それぞれについて、基地局100が通信のリソースを割り当てた通信端末10が実行した通信量を算出し、それらの通信量の中で、所定の条件を満たす第2通信状況情報として出力する第2通信状況情報送信プログラムを記憶している。
【0027】
制御部130は、基地局100の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部130は、記憶部120に記憶されている各種のプログラムを実行し、記憶部120に記憶されているデータを利用して、基地局100の各種の機能を実現する。
【0028】
制御部130は、第1出力部131と、特定部132と、第2出力部133とを備える。
【0029】
第1出力部131は、第1の所定期間が経過するごとに、第1の所定期間内において通信部110が通信端末10と通信した通信量を算出する。そして、算出した通信量を第1通信状況情報として、通信部110を介して、閲覧端末200に送信させる。ここで、第1の所定期間内における通信部110が通信端末10と通信した通信量は、通信の混み具合を特定できるような情報であればよく、本実施の形態では、通信端末に割り当てたリソースを用いて、各通信端末がダウンロードしたデータ量の総計を、リソースを通信端末に割り当てた総時間で除した値を用いることとするが、これに限定するものではない。通信量は、例えば、第1の所定期間内に基地局100がリソースを割り当てた通信端末10の合計数であってもよいし、第1の所定期間内に通信端末10がダウンロードしたデータの総計であってもよい。なお、本実施の形態における通信量について、一具体例を挙げて説明すると、仮に、通信端末10aに、5msを割り当てて、その間のデータ通信量が、45バイトであり、通信端末10bに、3msを割り当てて、その間のデータ通信量が、28バイトであり、通信端末10cに、5msを割り当てて、その間のデータ通信量が、50バイトであったとすると、通信量は、(45+22+50)/(5+3+5)=9と算出することができ、第1の通信状況情報として出力することができる。
【0030】
特定部132は、第2通信状況情報のうち所定の条件を満たすものを特定する。ここで、第2の単位期間内における通信部110が通信端末10と通信した通信量は、通信の混み具合を特定できるような情報であればよい。所定の条件は、第2の単位期間内における通信部110が通信端末10と通信した通信量の中で、通信量が多いことであってよく、例えば、(i)第2の単位期間において通信のリソースが割り当てられた端末数が最も多いことであってもよいし、(ii)第2の単位期間において通信のリソースが割り当てられた端末によるデータ通信量の合計が最も多いことであってもよいし、(iii)第2の単位期間のデータ通信量が所定の閾値を超えることであってもよいし、(iv)第2の単位期間のデータ通信量を、第2の単位期間に通信のリソースが割り当てられた端末数で除した値(第2の単位期間におけるデータ通信量の平均)が最も大きいことであってもよいし、(v)第2の単位期間のデータ通信量を、第2の単位期間に通信のリソースが割り当てられた端末数で除した値が所定の閾値を超えることであってもよい。また、例えば、通信量の多いものから所定数(例えば、3つ)の第2の単位期間を特定することとしてもよい。即ち、特定部132は、第1の単位区間内において、バーストトラフィックが発生している可能性のある第2の単位区間を特定する。バーストトラフィックとは、短期的に基地局100が保有している帯域と通信量を超える通信が行われることをいう。ここで、短期的とは、ある一定の短い時間幅の中のことをいい、システムとしての通信要件を満たすためにバーストトラフィックを検出するために適した時間間隔であればよく、例えば、1分であってもよいし、1秒であってもよいし、10ミリ秒などであってもよい。なお、通信量は、例えば、第2の単位期間内に基地局100がリソースを割り当てた通信端末10の合計数であってもよいし、第2の単位期間内に通信端末10がダウンロードしたデータの総計であってもよいし、その両方であってもよいし、それらを乗じた値であってもよい。特定部132は、特定した第2の単位期間と、そのときの通信量を示す第2通信状況情報を第2出力部133に伝達する。なお、上記(i)を所定の条件とする場合には、特に第2通信状況情報は、対応する第2の単位期間において通信のリソースが割り当てられた端末の合計数であってよく、(ii)を所定の条件とする場合には、特に第2通信状況情報は、対応する第2の単位期間において通信のリソースが割り当てられた端末によるデータ通信量の合計であってよい。
【0031】
第2出力部133は、特定部132から伝達された第2通信状況情報を、通信部110を介して、閲覧端末200に送信させる。
【0032】
以上が、基地局100の説明である。なお、基地局100の具体的構成については広範に知られているように、アンテナ、アンプ、フィルタ、変調(復調)回路、アナログデジタル(デジタルアナログ)変換回路などから構成されており、このことは周知の事実であるため、ここでは、詳細に説明することは省略する。
【0033】
<閲覧端末200の構成例>
図3は、閲覧端末200の構成例を示すブロック図である。閲覧端末200は、各基地局100から送信される第1通信状況情報と、第2通信状況情報とを表示することが可能なコンピュータシステムである。
【0034】
図3に示すように、閲覧端末200は、通信部210と、記憶部220と、表示部240と、制御部260と、を備える。また、閲覧端末200は、入力部230と、音声出力部250とを備えてもよい。
【0035】
通信部210は、他の機器と通信する機能を有する通信インターフェースである。通信部210は、ネットワーク300を介して、基地局100から送信された通信状況情報(第1通信状況情報、第2通信状況情報)を、受信する。そして、通信部210は、受信した通信状況情報を、制御部260に伝達する。
【0036】
記憶部220は、閲覧端末200が動作上必要とするプログラムおよびデータを記憶する機能を有する。記憶部220は、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリなどの各種の記憶媒体により実現することができるが、これらに限定するものではない。記憶部220は、受信した第1通信状況情報や第2通信状況情報に基づく表示情報を表示するための表示プログラムを記憶している。
【0037】
入力部230は、ユーザからの入力を受け付けて、制御部260に伝達する機能を有する。入力部230は、例えば、タッチパネルやハードウェアキー、マウスなどに代表される入力機器によって実現されてよい。
【0038】
表示部240は、制御部260から指定された表示情報を、閲覧達末200が備えるモニタ、もしくは、閲覧端末200に接続されたモニタに、表示する機能を有する。表示部240は、第1通信状情報や、第2通信状況情報を表示する。
【0039】
音声出力部250は、制御部260から指定された音声情報を、出力する機能を有する。音声出力部250は、例えば、スピーカである。音声出力部250は、第1通信状況や第2通信状況を示す音声情報を出力することとしてよい。
【0040】
制御部260は、閲覧端末200の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部260は、記憶部220に記憶されている各種のプログラムを実行し、記憶部220に記憶されているデータを利用して、閲覧端末200の各種の機能を実現する。制御部260は、通信部210から第1通信状況情報や第2通信状況情報を伝達されると、記憶部220に記憶するとともに、表示部240に表示させる。
【0041】
以上が、閲覧端末200の構成である。
【0042】
なお、通信端末10は、一般的なスマートフォンや携帯電話などの通信端末が通常有する構成と同等の構成を備えるものとして、詳細な説明は割愛する。
【0043】
<動作>
図4は、通信システム1における装置間のやり取りの一例を示すシーケンス図である。
【0044】
通信端末10は、通信割当要求を基地局100に送信する(ステップS401)。ここでいう通信割当要求は、通信を実行するためのリソース(帯域、時間)の割当の要求を意味する。
【0045】
基地局100は、通信端末10からの通信割当要求に応じて、通信端末10に対して、通信のためのリソースを割り当てる(ステップS402)。
【0046】
通信端末10は、基地局100から割り当てられたリソースを用いて、通信データの送受信を実行する(ステップS403)。
【0047】
一方、基地局100は、第1の単位期間が経過するごとに、第1の単位期間内の第2の単位期間それぞれの通信量を算出する。そして、特定部132は、その中から最も通信量の多い第2単位期間を特定する(ステップS404)。そして、基地局100は、第1の単位期間における通信状況を示す第1通信状況情報と、特定した第2単位期間の通信量を示す第2通信状況情報とを、閲覧端末200に送信する(ステップS405)。
【0048】
閲覧端末200は、第1通信状況情報と、第2通信状況情報とを受信すると、それぞれを記憶部220に記憶し、表示部240に表示する(ステップS406)。
【0049】
図5は、
図4におけるステップS401〜S403の過程で実行される基地局100の基本動作例を示すフローチャートである。
【0050】
図5に示すように、基地局100の通信部110は、通信端末10から、通信要求を受け付けているか否かを検出する(ステップS501)。通信要求を受け付けている場合には(ステップS501のYES)、通信部110は、通信要求を制御部130に伝達する。そして、制御部130は、受け付けた通信要求に基づいて、当該通信要求を送信した通信端末10に対して、通信を行うためのリソースの割当を行う(ステップS502)。ここでいうリソースの割当とは、通信帯域並びに通信時間帯のことをいう。通信要求を受け付けていない場合には(ステップS501のNO)、ステップS503の処理に移行する。
【0051】
通信部110は、通信端末10が通信を終了しているか否かを判定する(ステップS503)。通信部110は、一例として、通信端末10が必要としているデータ量を通信した後に、追加で通信端末10からの通信要求がなかった場合には、通信端末10通信を終了していると判定する。通信端末10が通信を終了していると判断した場合には(ステップS503のYES)、制御部130は、通信を終了した通信端末10に割り当てていた通信のリソースを開放する(ステップS504)。そして、基地局100は、ステップS501の処理に戻る。また、通信の終了を示す信号を受信していない場合にも(ステップS503のNO)、ステップS501の処理に戻る。
【0052】
以上が、基地局100による通信のリソースの割り当てと開放に係る処理である。
【0053】
次に、
図6は、基地局100の動作を示す例であって、第1通信状況情報および第2通信状況情報の送信動作を示すフローチャートである。即ち、
図6は、
図4のステップS404、S405の処理の詳細を示すフローチャートである。
【0054】
図6に示すように、まず、制御部130は、第1の単位期間が経過したか否かを判定する(ステップS601)。第1の単位期間は、予め記憶部220に記憶されており、図示しない計時部が時間を計測することにより、この判断が実行される。第1の単位期間が経過するまでは、待機する(ステップS601のNO)。
【0055】
第1の単位期間が経過した場合には(ステップS601のYES)、第1出力部131は、直近の第1の単位期間内において、基地局100が通信リソースを割り当てた複数の端末の通信量に基づいて第1通信状況情報を生成する(ステップS602)。即ち、第1の単位期間内において、通信リソースを割り当てた複数の端末それぞれがダウンロードしたデータのデータ量の合計を、通信リソースを割り当てた複数の端末それぞれに割り当てられた通信時間の合計で、除した値を、第1通信状況情報として生成する。
【0056】
次に、特定部132は、直近の第1の単位期間に含まれる第2の単位期間毎に、その第2単位期間内において通信した複数の端末の通信量に基づいて、第2通信状況情報を生成する(ステップS603)。そして、特定部132は、それらの第2通信状況情報の中で、最も通信量の多い第2通信状況情報を特定する(ステップS604)。
【0057】
そして、第1出力部131は、生成した第1通信状況情報を、閲覧端末200に宛てて、また、第2出力部133は、特定された第2通信状況情報を、閲覧端末200に宛てて、通信部110に送信させる(ステップS605)。
【0058】
第1通信状況情報並びに第2通信状況情報を受信した閲覧端末200は、それらの情報を記憶するとともに、表示部240に表示する。これにより、閲覧端末200のオペレータは、第1の単位期間において、通信量のアベレージに係る情報を確認することができ、平均で、基地局100それぞれで通信帯域の圧迫が発生していないかどうかを確認することができる。また、第2通信状況情報を確認することで、閲覧端末200のオペレータは、第1の単位期間内で、ピークで、基地局100それぞれで通信帯域の圧迫が発生していないかどうかを確認することができる。通信帯域が圧迫されていた場合には、通信遅延等の問題を発生させる要因となり、ユーザビリティを低減することになるので、基地局100および閲覧端末200は、そのような問題の原因を特定しやすくなる。
【0059】
<具体例>
図7、
図8を用いて、本実施形態に係る基地局100による第1通信状況情報および第2通信状況情報を説明する。
【0060】
図7(a)、
図7(b)は、それぞれ、第1の単位期間および第2の単位期間を説明するためのイメージ図である。
【0061】
図7(a)は、第1の単位期間を説明するためのイメージ図である。
図7(a)は、横軸に時間軸をとったグラフである。
図7(a)に示すように、予め定められた時間長の期間を第1の単位期間とし、この第1の単位期間が繰り返される。本実施の形態では、第1の単位期間は、15分であるとするが、15分に限定するものではない。
【0062】
一方、
図7(b)は、更に、第2の単位期間を説明するためのイメージ図である。
図7(b)に示すように、第2の単位期間は、第1の単位期間よりも短い期間であり、第2の単位期間内には、複数の第1の単位期間が含まれる。
図7(b)においては、10個の第2の単位期間が、1つの第1の単位期間内に含まれる例を示しているが、第1の単位期間内に含まれる第2の単位期間の個数は10に限定するものではなく、2以上あれば、いくつ存在してもよい。
【0063】
図8は、通信の一具体例を示すイメージ図である。
図8において、T0からT10までの期間を第1単位期間とし、T0からT1、T1〜T2、…、T9〜T10を第2単位期間とした場合について考える。また、
図8では、基地局100が通信のリソースを割り当てた通信端末10は、UE1〜UE4であるとする。
図8においては、図示するように、UE1に割り当てたリソースは、点描のハッチングで、UE2に割り当てたリソースは、右斜線のハッチングで、UE3に割り当てたリソースは、左斜線のハッチングで、UE4に割り当てたリソースは、縦線のハッチングで示している。また、
図8において1つのブロックは、予め定められた単位のデータ通信量であるものとし、ここでは説明を簡単にするために、1つのブロックを1通信量として説明する。
【0064】
したがって、
図8の例では、T0〜T1では、UE1に対してのみ、通信のリソースが割り当てられ、その第2の単位期間での通信量は、「1」ということになる。また、T1〜T2では、UE1とUE2とUE3とに対して通信のリソースが割り当てられ、それぞれ、「2」、「1」、「1」の合計「4」の通信が実行されたことになる。また、T9〜T10においては、いずれの通信端末にも通信のリソースが割り当てられていないことになる。
【0065】
図8に示すような単位期間の場合、第1の単位期間に対応する第1通信状況情報としては、UE1にリソースが割り当てられた期間は、「4」であり、通信量は、「6」となる。また、UE2にリソースが割り当てられた期間は、「5」であり、通信量は、「5」となる。また、UE3にリソースが割り当てられた期間は、「5」であり、通信量は、「5」となる。また、UE4にリソースが割り当てられた期間は、「3」であり、通信量は、「4」となる。したがって、
図8の場合における第1通信状況情報は、(6+5+5+4)/(4+5+5+3)=20/17となる。一方、T0〜T1、T1〜T2、のように時間軸方向の1つのブロックを第2の単位期間としている場合に、特定部132は、リソースが割り当てられている端末数が最も多い(または通信量が最も多くなる)T1〜T2を特定する。第2出力部133は、そのとき(T1〜T2)の、リソースが割り当てられている通信端末の個数「3」と、その通信量「4」とのいずれか又は両方を、第2通信状況情報として出力する。ここで、第2出力部は、通信量をリソースが割り当てられている通信端末の個数で除した値4/3を、第2通信状況情報として出力するものであってもよい。
【0066】
<まとめ>
このように、基地局100は、従来と異なり、第1の単位期間の通信状況を示す第1通信状況情報のみならず、第1の単位期間よりも短い第2の単位期間について、通信のピークが発生した第2の単位期間における通信状況を示す第2通信状況情報をも出力する。これによって、閲覧端末200では、第1の単位期間よりも短い単位区間での通信状況を認識することができる。特定に、通信量の多い第2の単位期間の第2通信状況情報を出力することで、バーストトラフィックが発生しているか否かを特定することができ、その結果、基地局100の通信帯域の広域化、新たな基地局の設置などの対処を検討することができる。また、基地局100は、全ての第2の単位区間の第2通信状況情報を出力するわけではないので、全ての第2通信状況情報を出力する場合に比して、閲覧端末200の記憶容量を圧迫することもない。
【0067】
<変形例>
上記実施形態に係る基地局は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の手法により実現されてもよいことは言うまでもない。以下、各種変形例について説明する。
【0068】
(1)上記実施形態における基地局100は、第1通信状況情報と第2通信状況情報とをともに、閲覧端末200に送信する態様をとっているが、これに限定するものではない。第1通信状況情報と第2通信状況情報とはそれぞれ個別の端末(サーバ)に送信する構成としてもよい。また、あるいは、閲覧端末200が、両方の通信状況情報を受信した上で、第1通信状況情報または第2通信状況情報のいずれか一方を他の端末(サーバ)に送信するように構成されてもよい。
【0069】
(2)上記実施形態においては、基地局100は、第1の単位期間よりも短い第2の単位期間の中で、最も通信量の多い第2の単位期間の通信状況を示す第2通信状況情報を送信する構成としたが、これは、一例であり限定されるものではない。基地局100は、更に、第2の単位期間よりも短い第3の単位期間の通信状況を示す第3通信状況情報を送信する構成を備えていてもよい。これにより、基地局100のより細かい時間単位での通信状況を確認することができる。
【0070】
(3)上記実施形態においては、基地局100は、常時、第1の単位期間が経過するごとに、第1通信状況情報と第2通信状情報との双方を送信する構成としているが、これはその限りではない。制御部130は、第2通信状況情報を第1の単位期間の経過毎に出力する必要はなく、複数の第1の単位期間が経過するごとに出力するような構成としてもよい。また、第2通信状況情報で示される通信量が、所定の閾値を超えないという事象が所定数の第1の単位期間で連続して検出できた場合は、第2通信状況情報の出力を抑制することとしてもよい。また、第2出力部133は、通信量が同一で、通信端末数が同一である第2の単位期間が係属する場合には、その第2の単位期間の通信量が最も多いとしても、第2通信状況情報を送信しないこととしてもよい。これはそのような期間が連続する場合は、通信が恙無く行われていると言えるので、そのような場合は、バーストトラフィックは発生していないものとして、第2通信状況情報を出力しなくても問題は発生しないので、第2通信状況情報を出力することに伴う基地局100および閲覧端末200の処理負荷を軽減することができる。
【0071】
(4)上記実施の形態において、基地局100は、第1通信状況情報と第2通信状況情報とのそれぞれを出力するか否かを設定できる設定部を備えていてもよい。また、第2通信状況情報については、出力する周期(第1の単位期間がX回経過するごとに出力など)が設定できてもよい。
【0072】
(5)上記実施の形態において、基地局100は、外部の装置、例えば、閲覧端末200からの指示を受け付けるための受付部を備えてもよい。閲覧端末200は、基地局100に対して、第1通信状況情報、または、第2通信状況情報を出力する指示信号を出力する。基地局100は、当該指示信号を通信部110で受信すると、制御部130は、第1通信状況情報または第2通信状況情報を生成し、閲覧端末200に出力(送信)する。これにより、閲覧端末200は、オペレータの任意のタイミングで通信状況を確認することができる。
【0073】
(6)本開示の各実施形態のプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。記憶媒体は、HDDやSSDなどの任意の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。なお、記憶媒体はこれらの例に限られず、プログラムを記憶可能であれば、どのようなデバイスまたは媒体であってもよい。
【0074】
なお、基地局100は、例えば、記憶媒体に記憶されたプログラムを読み出し、読み出したプログラムを実行することによって、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現することができる。また、当該プログラムは、任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、基地局100に提供されてもよい。基地局100は、例えば、インターネット等を介してダウンロードしたプログラムを実行することにより、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現する。
【0075】
なお、当該プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective―C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【0076】
基地局100における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。また、基地局100の各機能部は、上記実施形態に示した機能を実現する1または複数の回路によって実現されてもよく、1の回路により複数の機能部の機能が実現されることとしてもよい。
【0077】
(7)本開示の実施形態を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、各実施形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。