特許第6894992号(P6894992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6894992
(24)【登録日】2021年6月8日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】情報を処理するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/931 20200101AFI20210621BHJP
   G01S 17/66 20060101ALI20210621BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
   G01S17/931
   G01S17/66
   G08G1/16 C
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-35750(P2020-35750)
(22)【出願日】2020年3月3日
(65)【公開番号】特開2021-47168(P2021-47168A)
(43)【公開日】2021年3月25日
【審査請求日】2020年3月4日
(31)【優先権主張番号】201910885478.X
(32)【優先日】2019年9月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515002757
【氏名又は名称】北京百度网▲訊▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BAIDU NETCOM SCIENCE AND TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】特許業務法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,シュアン
(72)【発明者】
【氏名】リュ,シャン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ビン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,シャオシン
(72)【発明者】
【氏名】シュ,ジンジン
【審査官】 東 治企
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−270342(JP,A)
【文献】 特開2019−039750(JP,A)
【文献】 特開2004−017763(JP,A)
【文献】 特開2007−093461(JP,A)
【文献】 特開2011−073529(JP,A)
【文献】 特開平07−141588(JP,A)
【文献】 特開2019−197359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00−7/51
G01S 13/00−13/95
G01S 17/00−17/95
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行中にライダーによって取り込まれた点群から少なくとも1つの障害物を認識するステップと、
前記少なくとも1つの障害物それぞれに対して、障害物が検出された時から現れなくなるまでのプロセスである該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定するステップと、
前記少なくとも1つの障害物それぞれの出現率に応じて、前記ライダーの取り込み領域を区画して得た少なくとも1つのグリッド領域それぞれの信頼度を確定するステップと、
記少なくとも1つのグリッド領域から信頼度が所定の閾値未満のグリッド領域をターゲットグリッド領域とし、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初検出され障害物であるかどうかを判定するステップと、
前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初検出され障害物であると判定されたことに応答して、前記ターゲットグリッド領域で初検出され障害物に対応する点群をフィルタリング処理するステップとを含む、
情報を処理するための方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初検出され障害物ではないと判定されたことに応答して、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物に応じて、車両の走行を制御するための制御情報を前記車両に送信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの障害物それぞれに対して、該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定するステップは、
前記少なくとも1つの障害物それぞれに対して、出現率確定ステップを実行することを含み、
前記出現率確定ステップは、
前記点群に基づいて、障害物に対して、該障害物が検出された時から現れなくなるまでの間の出現時刻を含む追跡リストを作成することと、
前記追跡リストに記録された障害物の出現時刻に基づいて、該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記点群に基づいて、該障害物に対する追跡リストを作成するステップは、
前記点群に基づいて、該障害物が検出されたと判定されたことに応答して、該障害物が追跡された障害物であるかどうかを判定するステップと、
該障害物が追跡された障害物であると判定されたことに応答して、検出された該障害物の出現時刻及び出現時に位置したグリッド領域を、該障害物に対して設定された追跡リストに記録するステップと、
該障害物が追跡された障害物ではないと判定されたことに応答して、該障害物に対して追跡リストを設定し、検出された該障害物の出現時刻及び出現時に位置したグリッド領域を、設定された追跡リストに記録するステップとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの障害物それぞれの出現率に基づいて、少なくとも1つのグリッド領域それぞれの信頼度を確定するステップは、
前記少なくとも1つのグリッド領域それぞれに対して、信頼度確定ステップを実行することを含み、
前記信頼度確定ステップは、
前記少なくとも1つの障害物それぞれの追跡リストに基づいて、該グリッド領域において出現した障害物の数をカウントすることであって、追跡リストは、障害物が検出された時から現れなくなるまでの間の出現時刻に位置したグリッド領域を含むことと、
該グリッド領域において出現した障害物の出現率の総和を確定することと、
前記総和と前記数との比を計算し、得られた比率を該グリッド領域の信頼度とすることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
車両の走行中にライダーによって取り込まれた点群から少なくとも1つの障害物を認識するように構成された認識ユニットと、
前記少なくとも1つの障害物それぞれに対して、障害物が検出された時から現れなくなるまでのプロセスである該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定するように構成された第1の確定ユニットと、
前記少なくとも1つの障害物それぞれの出現率に応じて、前記ライダーの取り込み領域を区画して得た少なくとも1つのグリッド領域それぞれの信頼度を確定するように構成された第2の確定ユニットと、
記少なくとも1つのグリッド領域から信頼度が所定の閾値未満のグリッド領域をターゲットグリッド領域とし、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初検出され障害物であるかどうかを判定するように構成された第3の確定ユニットと、
前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初検出され障害物であると判定されたことに応答して、前記ターゲットグリッド領域で初検出され障害物に対応する点群をフィルタリング処理するように構成されたフィルタリングユニットとを含む、情報を処理するための装置。
【請求項7】
前記装置は、
前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初検出され障害物ではないと判定されたことに応答して、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物に応じて、車両の走行を制御するための制御情報を前記車両に送信するように構成された送信ユニットをさらに含む、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の確定ユニットは、前記少なくとも1つの障害物それぞれに対して、事前設定された出現率確定ステップを実行するようにさらに構成され、
前記第1の確定ユニットは、
前記点群に基づいて、障害物に対して、該障害物が検出された時から現れなくなるまでの間の出現時刻を含む追跡リストを作成するように構成された作成ユニットと、
前記追跡リストに記録された障害物の出現時刻に基づいて、該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定するように構成された出現率確定ユニットとを含む、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記作成ユニットはさらに、
前記点群に基づいて、該障害物が検出されたと判定されたことに応答して、該障害物が追跡された障害物であるかどうかを判定し、
該障害物が追跡された障害物であると判定されたことに応答して、検出された該障害物の出現時刻及び出現時に位置したグリッド領域を、該障害物に対して設定された追跡リストに記録し、
該障害物が追跡された障害物ではないと判定されたことに応答して、該障害物に対して追跡リストを設定し、検出された該障害物の出現時刻及び出現時に位置したグリッド領域を、設定された追跡リストに記録するように構成される、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記第2の確定ユニットはさらに、前記少なくとも1つのグリッド領域それぞれに対して、信頼度確定ステップを実行するように構成され、
前記信頼度確定ステップは、
前記少なくとも1つの障害物それぞれの追跡リストに基づいて、該グリッド領域において出現した障害物の数をカウントすることであって、追跡リストは、障害物が検出された時から現れなくなるまでの間の出現時刻に位置したグリッド領域を含むことと、
該グリッド領域において出現した障害物の出現率の総和を確定することと、
前記総和と前記数との比を計算し、得られた比率を該グリッド領域の信頼度とすることとを含む、請求項に記載の装置。
【請求項11】
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムを格納するための記憶装置であって、前記1つ又は複数のプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されるとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法を実現させる記憶装置とを含む、機器。
【請求項12】
コンピュータプログラムが格納されているコンピュータ可読媒体であって、
前記プログラムがプロセッサにより実行されるとき、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法を実現するコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
コンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法を実現する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態はコンピュータ技術分野に関し、詳しくは、情報を処理するための方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動運転の応用シーンでは、ライダーを使用して道路上の障害物を検知することができる。例えば、低い障害物を検出するために、ライダー(例えば、一本線タイプのライダー)を自動運転車両の地面から所定の高さの位置に取り付けることができる。理想状態では、取り付けられたライダーから射出されるレーザービームは水平面と平行でなければならない。しかし、取り付け方法などの制限により、現在、ライダーから射出されるレーザービームを水平面と平行になるように確保することができない。通常、ライダーから射出されるレーザービームと水平線とがある角度をなすことがある。この場合、障害物の誤検出につながる可能性があり、自動運転車両の正常な走行に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の実施形態は、情報を処理するための方法及び装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1態様では、本開示の実施形態は、情報を処理するための方法を提供し、該方法は、車両の走行中にライダーによって取り込まれた点群から少なくとも1つの障害物を認識するステップと、前記少なくとも1つの障害物それぞれに対して、障害物が検出された時から現れなくなるまでのプロセスである該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定するステップと、前記少なくとも1つの障害物それぞれの出現率に基づいて、前記ライダーの取り込み領域を区画して得た少なくとも1つのグリッド領域それぞれの信頼度を確定するステップと、信頼度に基づいて前記少なくとも1つのグリッド領域からターゲットグリッド領域を決定するとともに、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物であるかどうかを判定するステップと、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物であると判定されたことに応答して、前記ターゲットグリッド領域で初めて検出される障害物に対応する点群をフィルタリング処理するステップとを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、前記方法は、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物ではないと判定されたことに応答して、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物に基づいて、車両の走行を制御するための制御情報を前記車両に送信するステップをさらに含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの障害物それぞれに対して、該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定するステップは、前記少なくとも1つの障害物それぞれに対して出現率確定ステップを実行することを含み、前記出現率確定ステップは、前記点群に基づいて、障害物に対して、該障害物が検出された時から現れなくなるまでの間の出現時刻を含む追跡リストを作成することと、前記追跡リストに記録された障害物の出現時刻に基づいて、該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定することとを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記点群に基づいて、該障害物に対する追跡リストを作成するステップは、前記点群に基づいて、該障害物が検出されたと判定されたことに応答して、該障害物が追跡された障害物であるかどうかを判定するステップと、該障害物が追跡された障害物であると判定されたことに応答して、検出された該障害物の出現時刻及び出現時に位置するグリッド領域を該障害物に対して設定された追跡リストに記録するステップと、該障害物が追跡された障害物ではないと判定されたことに応答して、該障害物に対して追跡リストを設定し、検出された該障害物の出現時刻及び出現時に位置するグリッド領域を、設定された追跡リストに記録するステップとを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの障害物それぞれの出現率に基づいて、少なくとも1つのグリッド領域それぞれの信頼度を確定するステップは、前記少なくとも1つのグリッド領域それぞれに対して信頼度確定ステップを実行することを含み、前記信頼度確定ステップは、前記少なくとも1つの障害物それぞれの追跡リストに基づいて、該グリッド領域において出現した障害物の数をカウントすることであって、追跡リストは、障害物が検出された時から現れなくなるまでの出現時刻に位置したグリッド領域を含むことと、該グリッド領域において出現した障害物の出現率の総和を確定することと、前記総和と前記数との比を計算し、得られた比率を該グリッド領域の信頼度とすることとを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記信頼度に基づいて、前記少なくとも1つのグリッド領域からターゲットグリッド領域を決定するステップは、前記少なくとも1つのグリッド領域から、信頼度が所定の閾値未満のグリッド領域をターゲットグリッド領域として選択するステップを含む。
【0010】
第2態様では、本開示の実施形態は情報を処理するための装置を提供し、装置は、車両の走行中にライダーによって取り込まれた点群から少なくとも1つの障害物を認識するように構成された認識ユニットと、前記少なくとも1つの障害物それぞれに対して、障害物が検出された時から現れなくなるまでのプロセスである該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定するように構成された第1の確定ユニットと、前記少なくとも1つの障害物それぞれの出現率に基づいて、前記ライダーの取り込み領域を区画して得た少なくとも1つのグリッド領域それぞれの信頼度を確定するように構成された第2の確定ユニットと、信頼度に基づいて前記少なくとも1つのグリッド領域からターゲットグリッド領域を決定するとともに、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物であるかどうかを判定するように構成された第3の確定ユニットと、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物であると判定されたことに応答して、前記ターゲットグリッド領域で初めて検出される障害物に対応する点群をフィルタリング処理するように構成されたフィルタリングユニットとを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記装置は、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物ではないと判定されたことに応答して、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物に基づいて、車両の走行を制御するための制御情報を前記車両に送信するように構成された送信ユニットをさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記第1の確定ユニットは、前記少なくとも1つの障害物それぞれに対して、事前設定された出現率確定ステップを実行するようにさらに構成され、前記第1の確定ユニットは、前記点群に基づいて、障害物に対して、該障害物が検出された時から現れなくなるまでの間の出現時刻を含む追跡リストを作成するように構成された作成ユニットと、前記追跡リストに記録された障害物の出現時刻に基づいて、該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定するように構成された出現率確定ユニットとを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記作成ユニットはさらに、前記点群に基づいて、該障害物が検出されたと判定されたことに応答して、該障害物が追跡された障害物であるかどうかを判定し、該障害物が追跡された障害物であると判定されたことに応答して、検出された該障害物の出現時刻及び出現時に位置するグリッド領域を該障害物に対して設定された追跡リストに記録し、該障害物が追跡された障害物ではないと判定されたことに応答して、該障害物に対して追跡リストを設定し、検出された該障害物の出現時刻及び出現時に位置するグリッド領域を、設定された追跡リストに記録するように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記第2の確定ユニットはさらに、前記少なくとも1つのグリッド領域それぞれに対して、信頼度確定ステップを実行するように構成され、前記信頼度確定ステップは、前記少なくとも1つの障害物それぞれの追跡リストに基づいて、該グリッド領域において出現した障害物の数をカウントすることであって、追跡リストは、障害物が検出された時から現れなくなるまでの出現時刻に位置したグリッド領域を含むことと、該グリッド領域において出現した障害物の出現率の総和を確定することと、前記総和と前記数との比を計算し、得られた比率を該グリッド領域の信頼度とすることとを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記第3の確定ユニットはさらに、前記少なくとも1つのグリッド領域から、信頼度が所定の閾値未満のグリッド領域をターゲットグリッド領域として選択するように構成される。
【0016】
第3態様では、本開示の実施形態は機器を提供し、該機器は、1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のプログラムが格納されている記憶装置であって、前記1つ又は複数のプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されるとき、前記1つ又は複数のプロセッサに第1態様のいずれかの実施形態に記載の方法を実現させる記憶装置とを備える。
【0017】
第4態様では、本開示の実施形態は、コンピュータプログラムが格納されたコンピュータ可読媒体を提供し、該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるとき、第1態様のいずれかの実施形態に記載の方法を実現する。
【0018】
本開示の実施形態による情報を処理するための方法及び装置は、最初に、車両の走行中にライダーによって取り込まれた点群から少なくとも1つの障害物を認識する。次に、少なくとも1つの障害物それぞれに対して、該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定する。その後、少なくとも1つの障害物それぞれの出現率に基づいて、少なくとも1つのグリッド領域それぞれの信頼度を確定する。最後に、信頼度に基づいて少なくとも1つのグリッド領域からターゲットグリッド領域を決定するとともに、ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物であるかどうかを判定し、そうであれば、ターゲットグリッド領域で初めて検出される障害物に対応する点群に対してフィルタリングを行う。よって、信頼度の低いターゲットグリッド領域で初めて検出される障害物の点群を効果的にフィルタリングして、障害物の誤検出による車両の走行への影響が低減された。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下の添付図面及び非限定的な実施例に対する詳細な説明により、本開示のその他の特徴、目的及び利点がより明確なものになるであろう。
【0020】
図1】本開示の一実施例が適用可能な例示的なシステムアーキテクチャを示す図である。
【0021】
図2】本開示による情報を処理するための方法の一実施例のフローチャートである。
【0022】
図3】本開示による情報を処理するための方法の一応用シーンの概略図である。
【0023】
図4】本開示による情報を処理するための方法のもう一つの実施例のフローチャートである。
【0024】
図5】本開示による情報を処理するための装置の一実施例の構造概略図である。
【0025】
図6】本開示の実施例を実現するための電子機器に適したコンピュータシステムの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面及び実施例を参照しながら本開示をさらに詳細に説明する。本明細書に記載された特定の実施例は関連発明を解釈するためのものであり、該発明を限定するためのものではないことを理解されたい。なお、説明の便宜上、図面には関連発明に関わる部分のみが示されていることを理解されたい。
【0027】
また、本開示における実施形態及び実施形態における特徴は、衝突しない限り、互いに組み合わせることができる。以下、添付図面を参照し、実施形態を踏まえて本開示を詳細に説明する。
【0028】
図1は、本開示の実施形態を適用することができる情報を処理するための方法又は情報を処理するための装置の例示的なシステムアーキテクチャ100を示す。
【0029】
図1に示されるように、システムアーキテクチャ100は、車両101、102、103、ネットワーク104、及びサーバ105を含むことができる。ネットワーク104は、車両101、102、103とサーバ105との間に通信リンクの媒体を提供するために用いられる。ネットワーク104は、有線、無線通信リンク又は光ファイバーケーブルなどの様々な接続タイプを含むことができる。
【0030】
車両101、102、103はネットワーク104を介してサーバ105とインタラクションすることによりメッセージなどを送受信することができる。車両101、102、103は、例えば、画像取り込み装置、双眼カメラ、センサー、ライダーなど、様々な情報収集装置を装着することができる。前記情報収集装置は、車両101、102、103の内部および外部の環境情報を収集するために用いることができる。車両101、102、103には、前記情報収集装置が収集した情報を受信するとともに、情報を分析など処理した後、処理結果に応じて対応する操作(例えば、継続走行、緊急停止など)を実行するように車両101、102、103を制御する車載AIブレーン(図示せず)がさらに装着されてもよい。車両101、102、103は、完全自動運転車両、又は自動運転モードに切替可能な車両など、自動運転モードを含む車両であってもよい。
【0031】
車両101、102、103は、大型バス、トラクター、都市バス、中型バス、大型トラック、小型自動車などを含むが、これらに限定されない様々なタイプの車両であってもよい。
【0032】
サーバ105は、例えば、車両101、102、103から送信された情報を処理するバックグラウンドサーバなど、様々なサービスを提供するサーバであってもよい。バックグラウンドサーバは受信された情報に対して様々な分析処理を行うとともに、処理結果に応じて車両101、102、103を制御するための制御情報を車両101、102、103に送信することができる。
【0033】
なお、サーバ105はハードウェアであってもよく、ソフトウェアであってもよい。サーバ105がハードウェアの場合、複数のサーバからなる分散型サーバクラスタとして実現してもよく、単一のサーバとして実現してもよい。サーバ105がソフトウェアの場合、複数のソフトウェア又はソフトウェアモジュール(例えば、分散サービスを提供するためのもの)として実現されてもよく、単一のソフトウェア又はソフトウェアモジュールとして実現されてもよい。ここでは、具体的な限定をしない。
【0034】
図1における車両、ネットワーク及びサーバの数は単なる例示的なものであることを理解されたい。実現のニーズに応じて、任意の数の車両、ネットワークおよびサーバを有することができる。
【0035】
本願の実施例による情報を処理するための方法は、車両101、102、103に装着された車載AIブレーンによって実行されてもよく、又はサーバ105によって実行されてもよいことに留意されたい。それに対応して、情報を処理するための装置は、車両101、102、103に装着された車載AIブレーンに設けられてもよく、サーバ105に設けられてもよい。
【0036】
次に、本開示による情報を処理するための方法の一実施例のフロー200を示す図2を参照する。該情報を処理するための方法は、次のステップを含む。
【0037】
ステップ201:車両の走行中にライダーによって取り込まれた点群から少なくとも1つの障害物を認識する。
【0038】
本実施例では、情報を処理するための方法の実行主体(例えば、図1に示される車両101、102、103の車載AIブレーン又は105サーバ)は、有線接続又は無線接続を介して車両走行中にライダーによって取り込まれた点群を取得するとともに、取り込まれた点群から少なくとも1つの障害物を認識することができる。
【0039】
実際には、ライダーは、車両の地面から所定の高さ離れた位置に装着されてもよく、該ライダーは一本線タイプのライダー又は多本線タイプのライダーであってもよい。一本線タイプのライダーは、レーザー源から射出されるビームが一本線タイプのものであるレーダーを指し得、平面スキャンを実行することができる。このようにして、車両走行中、ライダーは車両の周囲環境における物体の点群をリアルタイムで取り込むことができる。実行主体は、ライダーによって取り込まれた点群をリアルタイムで受信し、受信した各フレームの点群に対して障害物の認識と追跡を実行することで、点群内のどの点のデータが障害物の記述に使用されるかを特定することができる。
【0040】
ステップ202:少なくとも1つの障害物それぞれに対して、該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定する。
【0041】
本実施例では、ステップ201で認識された少なくとも1つの障害物それぞれに対して、実行主体は、該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定することができる。ここで、障害物の対応するライフサイクルとは、障害物が検出された時から現れなくなるまでの間を指してもよい。ここで、障害物が現れなくなるとは、障害物が検出された後、連続して取り込まれた所定数のフレーム(例えば、連続して取り込まれた2フレーム)の点群において該障害物が検出されなかったことを指してもよい。通常、1つの障害物があるフレーム点群で検出されると、後で取り込まれた各フレーム点群で該障害物が追跡されるが、後続の連続して取り込まれた所定数のフレーム点群で該障害物が追跡されなかった場合、該障害物が現れなくなり、該障害物のライフサイクルが終了することを示す。実際には、障害物の不安定性やノイズなどが原因で、障害物が検出された時から現れなくなるまでの間に、一部の点群フレームで障害物を追跡できないことが生じることがある。障害物の対応するライフサイクルにおける出現率は、対応するライフサイクルにおいて障害物が出現するフレーム数と対応するライフサイクルの合計フレーム数との比で示されてもよい。例えば、ある障害物が第1フレームの点群で検出され、第6フレームの点群で現れなくなると確定された(連続する2つのフレームで該障害物が検出されなかった場合、現れなくなるとする)と仮定すると、該障害物が検出された点群フレームが第1フレーム、第2フレーム、第4フレームである場合、該障害物の対応するライフサイクルでの出現率は3/6である。
【0042】
本実施例のいくつかの任意選択実施形態では、前記ステップ202は、具体的に次のように実行されてもよい。前記少なくとも1つの障害物それぞれに対し、実行主体は次の出現率確定ステップを実行することができる。
【0043】
ステップS1では、点群に基づいて、該障害物に対する追跡リストを作成する。
【0044】
本実施形態では、実行主体は、ライダーによって取り込まれた点群に基づいて、該障害物に対する追跡リストを作成することができる。ここで、障害物の追跡リストは、障害物が検出された時から現れなくなるまでの間の出現時刻を含むことができる。ここで、障害物の出現時刻は、検出時の所在点群フレームの取り込み時刻を指してもよい。一例として、障害物が検出された時から現れなくなるまでの間に複数のフレームの点群で障害物が検出され得るが、これらの複数のフレームの点群の取り込み時刻が障害物の出現時刻とされ得る。
【0045】
ステップS2では、追跡リストに記録されている障害物の出現時刻に基づいて、該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定する。
【0046】
本実施形態では、実行主体は、追跡リストに記録されている障害物の出現時刻に基づいて、該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定することができる。一例として、実行主体は、該障害物に対する追跡リストに基づいて該障害物が出現した点群フレームの数を確定することができる。その後、確定された数と該障害物の対応するライフサイクルでの点群フレーム総数との比を計算することで、該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を得る。
【0047】
いくつかの任意選択実施形態では、上記ステップS1は具体的に次のように実行することができる。
【0048】
まず、点群に基づいて、該障害物が検出されたと判定されたことに応答して、該障害物が追跡された障害物であるかどうかを判定する。
【0049】
本実施形態では、ライダーによって取り込まれた点群に基づいて、該障害物が検出されたと判定された場合、実行主体は、該障害物が追跡された障害物であるかどうかを判定することができる。実際には、点群に基づいて1つの障害物が検出されると、実行主体は、該障害物が初めて検出される新たな障害物であるか、それともすでに追跡された追跡障害物であるかを判断することができる。
【0050】
その後、該障害物が追跡障害物であると判定されたことに応答して、検出された該障害物の出現時刻及び出現時に位置するグリッド領域を該障害物に対して設定された追跡リストに記録する。
【0051】
本実施形態では、該障害物が追跡障害物であると判定された場合、実行主体は、検出された該障害物の出現時刻及び出現時に位置するグリッド領域を該障害物に対して設定された追跡リストに記録することができる。ここで、追跡リストは、該障害物の出現時刻及び出現時に位置するグリッド領域を含むことができる。ここで、グリッド領域は、前記ライダーの取り込み領域を区画して得たものであってもよい。
【0052】
最後に、該障害物が追跡障害物ではないと判定されたことに応答して、該障害物に対して追跡リストを設け、検出された該障害物の出現時刻及び出現時に位置したグリッド領域を設定された追跡リストに記録する。
【0053】
本実施形態では、該障害物が追跡障害物ではないと判定された場合、実行主体は、該障害物に対して追跡リストを設定し、検出された該障害物の出現時刻及び出現時に位置したグリッド領域を設定された追跡リストに記録することができる。本実施形態を通じて、実行主体は追跡リストを作成することで、障害物の出現時刻及び出現時に位置したグリッド領域を記録することができる。
【0054】
ステップ203では、少なくとも1つの障害物それぞれの出現率に基づいて、少なくとも1つのグリッド領域それぞれの信頼度を確定する。
【0055】
本実施例では、実行主体は、前記少なくとも1つの障害物それぞれの出現率に基づいて、少なくとも1つのグリッド領域それぞれの信頼度を確定することができる。ここで、前記少なくとも1つのグリッド領域は、前記ライダーの取り込み領域を区画して得たものであってもよい。ここで、グリッド領域は方形のグリッドであってもよい。一例として、車両の走行中、実行主体は、少なくとも1つのグリッド領域それぞれで出現した障害物の出現率を統計分析し、統計分析の結果に基づいて該グリッド領域の信頼度を確定することができる。例えば、それぞれのグリッド領域に出現した障害物の出現率の加重合計を、該グリッド領域の信頼度として使用することができる。
【0056】
本実施例のいくつかの任意選択実施形態では、前記ステップ203は次のように具体的に実行することができる。少なくとも1つのグリッド領域それぞれに対して、次の信頼度確定ステップを実行する。
【0057】
まず、少なくとも1つの障害物に対する障害物の追跡リストに基づいて、該グリッド領域において出現した障害物の数をカウントする。
【0058】
本実施形態では、実行主体は、前記少なくとも1つの障害物それぞれの追跡リストに基づいて、該グリッド領域において出現した障害物の数をカウントすることができる。ここで、障害物の追跡リストは、障害物が検出されてから現れなくなるまで位置していたグリッド領域を含むことができる。なお、障害物の追跡リストは、障害物に関連する他の情報も含まれ得る。例を挙げると、障害物の追跡リストは、障害物が検出されてから現れなくなるまで毎回出現したときの出現時刻及び出現時に位置していたグリッド領域を含むことができる。
【0059】
その後、該グリッド領域に出現した障害物の出現率の総和を確定する。
【0060】
本実施形態では、実行主体は該グリッド領域に出現した障害物の出現率の総和を確定することができる。例として、実行主体は、各障害物の追跡リストを走査し、該グリッド領域にどの障害物が出現したかを判定し、該グリッド領域に出現したすべての障害物の出現率の総和を計算することができる。
【0061】
最後に、総和と数との比を計算し、得られた比率を該グリッド領域の信頼度とする。
【0062】
本実施形態では、実行主体は、前記総和と前記数との比を計算し、得られた比率を該グリッド領域の信頼度とすることができる。例えば、実行主体は、次の式に従って該グリッド領域の信頼度Cを計算することができる。
【0063】
【数1】
【0064】
式中、rateiはi番目の障害物の出現率を示し、ただし、1≦i≦Ntotal、Ntotalは該グリッド領域に出現した障害物の数を示す。
【0065】
ステップ204では、信頼度に基づいて少なくとも1つのグリッド領域からターゲットグリッド領域を確定するとともに、ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物であるかどうかを判定する。
【0066】
本実施例では、実行主体は、ステップ203で得られた各グリッド領域の信頼度によって、前記少なくとも1つのグリッド領域からターゲットグリッド領域を確定することができる。一例として、実行主体は、前記少なくとも1つのグリッド領域から信頼度が所定の信頼度区間内に位置するグリッド領域をターゲットグリッド領域として選択することができる。ここで、前記信頼度区間は実際のニーズに応じて設定されてもよい。その後、実行主体は、ターゲットグリッド領域で検出された各障害物が初めて検出される障害物であるかどうかを確定することができる。
【0067】
本実施例のいくつかの任意選択実施形態では、前記ステップ204における、信頼度によって、少なくとも1つのグリッド領域からターゲットグリッド領域を確定するステップは、具体的に、少なくとも1つのグリッド領域から信頼度が所定の閾値未満のグリッド領域をターゲットグリッド領域として選択するように行われることができる。
【0068】
本実施形態で、実行主体は、前記少なくとも1つのグリッド領域から信頼度が所定の閾値未満のグリッド領域をターゲットグリッド領域として選択することができる。例えば、1つのグリッド領域の信頼度が低いほど、ライダーによって該グリッド領域内で取り込まれた点群のデータの信頼性が低いことを表す。
【0069】
ステップ205では、ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物であると判定されたことに応答して、ターゲットグリッド領域で初めて検出される障害物に対応する点群をフィルタリング処理する。
【0070】
本実施例では、ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物であると判定されると、実行主体は、ターゲットグリッド領域で初めて検出される障害物に対応する点群をフィルタリング処理することができる。ここで、障害物に対応する点群をフィルタリング処理するとは、障害物に対応する点群をフィルタリングし、報告せず、障害物の点群に基づいて車両に制御情報を送信しないことを指してもよい。障害物に対応する点群は、障害物を記述するための点データで構成される点群を指してもよい。実際には、グリッド領域の信頼度が低いほど、ライダーによって該グリッド領域内で取り込まれた点群データの信頼性が低いことを表し、このとき、該グリッド領域内で検出された障害物は誤検出障害物である確率が高い。
【0071】
引き続き、本実施例による情報を処理するための方法の応用シーンの一概略図である図3を参照する。図3の応用シーンでは、車両301の車載AIブレーン(図示せず)は、まず、車両の走行中にライダー302によって取り込まれた点群から少なくとも1つの障害物を認識し、うち、ライダー302は一本線タイプのライダーであって、車両301の底部の地面から所定の高さ離れた位置に取り付けられる。次に、少なくとも1つの障害物それぞれに対して、車載AIブレーンは該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定することができる。その後、車載AIブレーンは少なくとも1つの障害物それぞれの出現率に基づいて、少なくとも1つのグリッド領域それぞれの信頼度を確定することができる。最後に、信頼度に基づいて少なくとも1つのグリッド領域からターゲットグリッド領域を確定するとともに、ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物であるかどうかを判定する。ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物であると判定されると、ターゲットグリッド領域で初めて検出される障害物に対応する点群をフィルタリング処理する。
【0072】
本開示の上記実施例による方法は、グリッド領域の信頼度によってターゲットグリッド領域を確定するとともに、ターゲット領域で初めて検出された障害物をフィルタリング処理することにより、信頼度の低いターゲットグリッド領域で初めて検出される障害物の点群を効果的にフィルタリングすることができ、車両の走行に対する障害物の誤検出の影響が低減された。
【0073】
さらに、情報を処理するための方法のもう一つの実施例のプロセス400を示す図4を参照する。該情報を処理するための方法のプロセス400は、次のステップを含む。
【0074】
ステップ401:車両の走行中にライダーによって取り込まれた点群から少なくとも1つの障害物を認識する。
【0075】
本実施例では、ステップ401は、図2に示される実施例のステップ201と同様であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0076】
ステップ402:少なくとも1つの障害物それぞれに対して、該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定する。
【0077】
本実施例では、ステップ402は、図2に示される実施例のステップ202と同様であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0078】
ステップ403:少なくとも1つの障害物それぞれの出現率に基づいて、少なくとも1つのグリッド領域それぞれの信頼度を確定する。
【0079】
本実施例では、ステップ403は、図2に示される実施例のステップ203と同様であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0080】
ステップ404:信頼度に基づいて少なくとも1つのグリッド領域からターゲットグリッド領域を確定するとともに、ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物であるかどうかを確定する。
【0081】
本実施例では、ステップ404は、図2に示される実施例のステップ204と同様であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0082】
ステップ405:ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物であると判定されたことに応答して、ターゲットグリッド領域において初めて検出される障害物に対応する点群をフィルタリング処理する。
【0083】
本実施例では、ステップ405は、図2に示される実施例のステップ205と同様であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0084】
ステップ406では、ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物ではないと判定されたことに応答して、ターゲットグリッド領域で検出された障害物に応じて車両に車両の走行を制御する制御情報を送信する。
【0085】
本実施例では、ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物ではないと判定されると、実行主体は、ターゲットグリッド領域で検出された障害物に応じて車両に車両の走行を制御する制御情報を送信することができる。一例として、実行主体は、障害物の位置及び移動速度、並びに車両の走行速度によって、車両が現在の速度で走行し続けると障害物と衝突する可能性があるかどうかを予測することができる。車両が現在の速度で走行し続けて障害物と衝突することがないと予測された場合、実行主体は、車両が現在の速度で走行し続けるように制御することができ、車両が現在の速度で走行し続ければ障害物と衝突する可能性があると予測された場合、実行主体は、障害物との衝突を避けるように車両を制御する制御情報を車両に送信することができる。例えば、前記制御情報は、車両の走行を停止するように、或いは障害物を避けて走行するように車両を制御することができる。
【0086】
図4から分かるように、図2の対応する実施例に比して、本実施例における情報を処理するための方法のプロセス400は、ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物ではないとき、検出された障害物に応じて車両に制御情報を送信するステップを強調した。したがって、本実施例で説明する技術案は、車両の走行に対する障害物の誤検出の影響を軽減することができるとともに、正常に検出された障害物を回避するように車両を制御することもできるので、それにより車両の安全な走行を確保することができた。
【0087】
さらに図5を参照し、上記各図に示された方法の実施として、本開示は情報を処理するための装置の一実施例を提供し、該装置の実施例は図2に示された方法の実施例に対応し、該装置は具体的に様々な電子機器に適用可能である。
【0088】
図5に示すように、本実施例の情報を処理するための装置500は、認識ユニット501、第1の確定ユニット502、第2の確定ユニット503、第3の確定ユニット504及びフィルタリングユニット505を含む。認識ユニット501は、車両の走行中にライダーによって取り込まれた点群から少なくとも1つの障害物を認識するように構成され、第1の確定ユニット502は、前記少なくとも1つの障害物それぞれに対して、該障害物が検出されてから現れなくなるまでの該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定するように構成され、第2の確定ユニット503は、前記少なくとも1つの障害物それぞれの出現率に基づいて、前記ライダーの取り込み領域を区画して得る少なくとも1つのグリッド領域それぞれの信頼度を確定するように構成され、第3の確定ユニット504は、信頼度に応じて前記少なくとも1つのグリッド領域からターゲットグリッド領域を確定するとともに、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物であるかどうかを確定するように構成され、フィルタリングユニット505は、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物であると判定されたことに応答して、前記ターゲットグリッド領域で初めて検出される障害物に対応する点群をフィルタリング処理するように構成される。
【0089】
本実施例において、情報を処理するための装置500の認識ユニット501、第1の確定ユニット502、第2の確定ユニット503、第3の確定ユニット504及びフィルタリングユニット505の具体的な処理及び奏する技術的効果それぞれは、図2の対応する実施例におけるステップ201、ステップ202、ステップ203、ステップ204及びステップ205の関連する説明を参照してもよく、ここではこれ以上説明しない。
【0090】
本実施例のいくつかの任意選択実施形態では、前記装置500は、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物ではないと確定されたことに応答して、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物に応じて車両の走行を制御する制御情報を前記車両に送信するように構成された送信ユニット(図示せず)をさらに含む。
【0091】
本実施例のいくつかの任意選択実施形態では、前記第1の確定ユニット502は、前記少なくとも1つの障害物それぞれに対して、所定の出現率確定ステップを実行するようにさらに構成され、前記第1の確定ユニット502は、前記点群に基づいて、該障害物に対する追跡リストを作成するように構成された作成ユニット(図示せず)であって、追跡リストは障害物が検出されてから現れなくなるまでの出現時刻を含む作成ユニット502と、前記追跡リストに記録された障害物の出現時刻によって、該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定するように構成された出現率確定ユニット(図示せず)とを含む。
【0092】
本実施例のいくつかの任意選択実施形態では、前記作成ユニットはさらに、前記点群に基づいて、該障害物が検出されたと判定されたことに応答して、該障害物が追跡障害物であるかどうかを判定し、該障害物が追跡障害物であると判定されたことに応答して、検出された該障害物の出現時刻及び出現時に位置したグリッド領域を該障害物に対して設定された追跡リストに記録し、該障害物が追跡障害物ではないと判定されたことに応答して、該障害物に対して追跡リストを設定し、検出された該障害物の出現時刻及び出現時に位置したグリッド領域を設定された追跡リストに記録するように構成される。
【0093】
本実施例のいくつかの任意選択実施形態では、前記第2の確定ユニット503はさらに、前記少なくとも1つのグリッド領域それぞれに対して信頼度確定ステップを実行するように構成され、前記信頼度確定ステップは、前記少なくとも1つの障害物それぞれの追跡リストによって、該グリッド領域において出現した障害物の数をカウントするステップであって、追跡リストは、障害物が検出されてから現れなくなるまでの間に障害物出現時の所在グリッド領域を含むステップと、該グリッド領域で出現した障害物の出現率の総和を確定するステップと、前記総和と前記数との比を計算し、得られた比率を該グリッド領域の信頼度とするステップとを含む。
【0094】
本実施例のいくつかの任意選択実施形態では、前記第3の確定ユニット504はさらに、前記少なくとも1つのグリッド領域から、信頼度が所定の閾値未満のグリッド領域をターゲットグリッド領域として選択するように構成される。
【0095】
次に、本開示の実施例を実現するために適した電子機器(例えば、図1におけるサーバ又は車両101、102、103に取り付けられる車載AIブレーン)600の構造概略図を示した図6を参照する。図6に示される電子機器は一つの例に過ぎず、本開示の実施例の機能及び使用範囲に対して何らかの制限を与えてはならない。
【0096】
図6に示すように、電子機器600は処理装置(例えば、CPU、グラフィックプロセッサなど)601を含んでもよく、これは、読取専用メモリ(ROM)602に記憶されたプログラム、又は記憶装置608からランダムアクセスメモリ(RAM)603にロードされたプログラムによって様々な適切な動作及び処理を実行することができる。RAM603には、電子機器600の操作に必要な様々なプログラムおよびデータがさらに記憶されている。処理装置601、ROM602およびRAM603は、バス604を介して互いに接続されている。入力/出力(I/O)インターフェース605もバス604に接続されている。
【0097】
通常、I/Oインターフェース605には、例えば、タッチスクリーン、タッチパッド、キーボード、マウス、カメラ、マイク、加速度計、ジャイロスコープなどを含む入力装置606、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、スピーカー、バイブレータなどを含む出力装置607、例えば、磁気テープ、ハードディスクなどを含む記憶装置608、並びに通信装置609が接続されてもよい。通信装置609は、電子機器600が他のデバイスと無線又は有線通信を行ってデータを交換することを許容し得る。図6は、様々な装置を有する電子機器600を示しているが、示されているすべての装置を実現又は備える必要はないことを理解されたい。装置は必要に応じてより多く又はより少なく実現又は備えることができる。図6に示される各ブロックは、1つの装置を表してもよく、必要に応じて複数の装置を表してもよい。
【0098】
特に、本開示の実施形態によれば、上記のフローチャートを参照しながら説明されたプロセスは、コンピュータソフトウェアプログラムに実現されてもよい。例えば、本開示の実施形態は、コンピュータ可読媒体にロードされるコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を備え、該コンピュータプログラムは、フローチャートに示される方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施形態において、該コンピュータプログラムは、通信装置609を介してネットワークからダウンロードしてインストールされてもよく、又は記憶装置608からインストールされてもよく、又はROM602からインストールされてもよい。該コンピュータプログラムが処理装置601により実行される場合、本開示の実施形態の方法に限定される上記機能を実行する。
【0099】
なお、本開示の実施例に記載のコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体又はこれら両者の任意の組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電気、磁気、光、電磁気、赤外線、或いは半導体のシステム、装置又はデバイス、或いはこれらの任意の組み合わせであってもよいが、それらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体についてのより具体的な例は、一本又は複数本の導線を含む電気的な接続、携帯可能なコンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読取専用メモリ(EPROM又はフラッシュ)、光ファイバ、携帯可能なコンパクト磁気ディスク読取専用メモリ(CD−ROM)、光学記憶素子、磁気記憶素子、或いはこれら任意の適当な組み合わせを含むが、それらに限定されない。本開示の実施形態において、コンピュータ可読記憶媒体は、プログラムを含むか記憶する任意の有形の媒体であってもよく、該プログラムは、命令実行システム、装置又はデバイスによって使用可能であり、或いはそれらに組み合わせて使用されてもよい。本開示の実施形態において、コンピュータ可読信号媒体は、ベースバンドに含まれるかまたはキャリアの一部として伝播されるデータ信号を含むことができ、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードが担持されている。このように伝播されたデータ信号は、電磁信号、光信号、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されないさまざまな形態を採用することができる。コンピュータ可読信号媒体はさらに、命令実行システム、装置またはデバイスによって使用されるかまたはそれらと結合して使用されるためのプログラムを送信、伝播、または伝送することができるコンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。コンピュータ可読媒体に含まれるプログラムコードは、無線、電線、光ケーブル、RFなど、または上記の任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されないあらゆる適当な媒体によって伝送されることが可能である。
【0100】
前記コンピュータ可読媒体は、前記電子機器に含まれたものであっても良く、該電子機器に装着されず個別に配置するものであってもよい。前記コンピュータ可読媒体には1つ又は複数のプログラムがロードされ、前記1つ又は複数のプログラムが該電子機器によって実行されると、該電子機器に、車両の走行中にライダーによって取り込まれた点群から少なくとも1つの障害物を認識するステップと、前記少なくとも1つの障害物それぞれに対して、障害物が検出されてから現れなくなるまでの該障害物の対応するライフサイクルでの出現率を確定するステップと、前記少なくとも1つの障害物それぞれの出現率に応じて、前記ライダーの取り込み領域を区画して得る少なくとも1つのグリッド領域それぞれの信頼度を確定するステップと、信頼度に応じて前記少なくとも1つのグリッド領域からターゲットグリッド領域を確定するとともに、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物であるかどうかを判定するステップと、前記ターゲットグリッド領域で検出された障害物が初めて検出される障害物であると判定されたことに応答して、前記ターゲットグリッド領域で初めて検出される障害物に対応する点群をフィルタリング処理するステップとを実行させる。
【0101】
本開示の実施例の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1つまたは複数のプログラミング言語、またはそれらの組み合わせで作成されることができる。前記プログラミング言語は、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語や、「C」言語または類似するプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む。プログラムコードは、完全にユーザーのコンピュータ上で実行されることも、部分的にユーザーのコンピュータ上で実行されることも、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行されることも、部分的にユーザーのコンピュータ上で実行されながら部分的にリモートコンピュータ上で実行されることも、または完全にリモートコンピュータまたはサーバ上で実行されることも可能である。リモートコンピュータの場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザーのコンピュータに接続されることができる。または、外部のコンピュータに接続されることができる(例えば、インターネットサービスプロバイダーによるインターネット経由で接続される)。
【0102】
添付図面のうちのフローチャートおよびブロック図は、本開示の様々な実施形態に係るシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の実施可能なアーキテクチャ、機能、および動作を示している。ここで、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、モジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部を表すことができる。該モジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部は、指定されたロジック関数を実施するための1つまたは複数の実行可能な命令を含む。また、いくつかの代替的な実施形態では、ブロックに記載されている機能は、図面に示されているものとは異なる順序で発生する場合があることにも留意されたい。例えば、連続して表されている2つのブロックは、実際にほぼ並行して実行されてもよく、時には逆の順序で実行されてもよく、これは関連する機能によって決まる。また、ブロック図および/またはフローチャートにおける各ブロック、並びにブロック図および/またはフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実行する専用のハードウェアベースのシステムで実施することも、または専用のハードウェアとコンピュータの命令の組み合わせで実施することも可能であることに留意されたい。
【0103】
本開示の実施例に言及されたユニットは、ソフトウェアの手段で実現されてもよく、ハードウェアの手段で実現されてもよい。説明されたユニットはプロセッサに設置されてもよく、例えば、認識ユニット、第1の確定ユニット、第2の確定ユニット、第3の確定ユニット及びフィルタリングユニットを含むプロセッサとして説明されても良い。これらのユニットの名称は場合によって該ユニット自体に対する限定とされない。例えば、認識ユニットは、「車両の走行中にライダーによって取り込まれた点群から少なくとも1つの障害物を認識するユニット」として説明されることができる。
【0104】
上記の説明は、あくまでも本開示の好ましい実施形態および応用技術原理の説明にすぎない。本開示に係る発明の範囲は、上記の技術的特徴の特定の組み合わせによって形成された技術的解決手段に限定されず、上記の発明の構想から逸脱しない範囲で上記の技術的特徴またはその同等の技術的特徴の任意の組み合わせによって形成されたその他の技術的解決手段、例えば、上記の特徴と本開示に開示された同様の機能を有する技術的特徴(それだけに限定されない)とが相互に代替することによって形成された技術的解決手段もカバーしていることを当業者は理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6