(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6895042
(24)【登録日】2021年6月9日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】記念建造物 並びにこの記念建造物への納骨方法
(51)【国際特許分類】
E04H 13/00 20060101AFI20210621BHJP
【FI】
E04H13/00 F
【請求項の数】17
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-116245(P2019-116245)
(22)【出願日】2019年6月24日
(65)【公開番号】特開2021-1500(P2021-1500A)
(43)【公開日】2021年1月7日
【審査請求日】2021年2月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519228614
【氏名又は名称】宗教法人明王寺
(74)【代理人】
【識別番号】100086438
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 喬彦
(72)【発明者】
【氏名】近江 晋
【審査官】
河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−159671(JP,A)
【文献】
特開2013−199741(JP,A)
【文献】
特開2006−291580(JP,A)
【文献】
特開2015−218574(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3073313(JP,U)
【文献】
特開2001−173273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 13/00
E04H 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が地下に埋設され、周辺地盤から水が浸入可能な納骨室と、
当該納骨室内に載置された有底の容器とを具備してなり、
当該容器は、納骨室内に水が浸入した場合、その一部を水中に没しても、内部には水が浸入しない構造を有しており、かつ、鉛直方向に浮上・下降できるよう、容器外部に対して固定されていない事を特徴とする記念建造物。
【請求項2】
当該容器の外殻であって水に晒される部分が、ステンレス鋼で形成されてなる事を特徴とする請求項1記載の記念建造物。
【請求項3】
当該容器の内壁が酸性溶液、特にクエン酸、氷酢酸、および乳酸の少なくとも1種類を含む水溶液に対する耐腐食性を有する素材で形成されている事を特徴とする請求項1乃至2記載の記念建造物。
【請求項4】
当該容器に載置され、または固定されてなる構造物を更に含み、かつ当該構造物は、当該容器と一体となって鉛直方向に浮上・下降できるように配置されている事を特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の記念建造物。
【請求項5】
当該容器と当該構造物が互いに固定されている場合に於いて、両者が可逆的に分離・合体可能な方法で固定されている事を特徴とする請求項4記載の記念建造物。
【請求項6】
当該容器の直上に離間して配置された構造物を更に含み、かつ当該構造物は、当該容器が離間距離だけ浮上した時点で当該容器と一体となって鉛直方向に更に浮上できるように配置されている事を特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の記念建造物。
【請求項7】
当該容器一つにつき、上記構造物を二つ以上、または、二つ以上の固片に分離可能な状態の一体物として一つ以上、含むことを特徴とする請求項4から6のいずれか1項記載の記念建造物。
【請求項8】
当該納骨室内に載置された当該容器の下端が、地上面より80cmを超えた深さの地下にある場合、当該容器の重量:M〔kg〕と、当該容器の地上面より80cm以下の部分の体積:V〔m3 〕とが、以下の関係を満たす事を特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載の記念建造物。
M ≧ 1.01×V×1000
【請求項9】
当該構造物を載置または固定してなる当該容器の下端が、地上面より80cmを超えた深さの地下にある場合、当該構造物を含む容器の総重量:M〔kg〕と、当該容器の地上面より80cm以下の部分の体積:V〔m3 〕とが、以下の関係を満たす事を特徴とする、請求項4または5記載の記念建造物。
M ≧ 1.01×V×1000
【請求項10】
当該構造物が、当該容器が距離g〔cm〕浮上した時点で当該容器と一体となるよう配置される場合、当該構造物を含む容器の総重量:M〔kg〕と、当該容器の地上面より(80+g)cm以下の部分の体積:V〔m3 〕とが、以下の関係を満たす事を特徴とする、請求項9記載の記念建造物。
M ≧ 1.01×V×1000
【請求項11】
当該納骨室の側面または底面に少なくとも一箇所、開口部を設けた事を特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載の記念建造物。
【請求項12】
当該開口部の外側に砕石またはポーラスコンクリートの少なくとも一方を配置した事を特徴とする請求項11記載の記念建造物。
【請求項13】
当該容器が当該納骨室内で上昇せずに着底している状態において、当該容器の下端と、当該納骨室の底とが密着せず、少なくとも一部が離間して空隙を形成している事を特徴とする請求項1から12のいずれか1項記載の記念建造物。
【請求項14】
当該容器と、その容器が収まる納骨室の壁面との間にOリングを配置してなる事を特徴とする、請求項1から13のいずれか1項記載の記念建造物。
【請求項15】
当該Oリングが、鉛直方向に互いに離間して二箇所以上配置されている事を特徴とする、請求項14記載の記念建造物。
【請求項16】
当該容器が複数個である、または互いに分離可能な手段で一体化された複数の部分から構成されている事を特徴とする、請求項1から15のいずれか1項記載の記念建造物。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか1項記載の記念建造物内に、焼骨を納める事を特徴とする納骨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に遺骨・遺品・記念品・名簿などを収蔵するところの、墓、霊安置所、納骨所、記念碑などの記念建造物の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
記念建造物の多くは、その内部に遺骨・遺品・記念品・名簿などを収蔵する収蔵室を有している。
図14は、永代供養墓などに見られる比較的大規模の、例えば100名以上の遺骨を収蔵する墳墓の典型的な構造を示す模式図である。地上には、その内部に人が入る事ができる程度の、例えば縦1.8m、横1.8m、高さ2.1mほどの空間を有する、屋根付きの上部構造物1が床2の上に設けられている。上部構造物の正面には花立て3、線香台4などが設けられ、訪問者は通常、ここで参拝する。また背面には、内部に入るための入室扉5が設けられており、収蔵品の収蔵、及び取り出し等の際に利用される。床2の下には、コンクリートで形成した基礎構造体7があるが、通常、この基礎構造体7は地下に埋設されている。また、基礎構造体7の中央は、周囲よりも低い凹形状を有している。
【0003】
図15は、
図14に示す永代供養墓の上部構造物1を不図示とし、その内部の構造を示した模式図である。基礎構造体7上に、床石14を図示のごとく4枚並べて形成した床12が、また床12上には、骨壺などの収蔵物を安置する棚11がそれぞれ置かれている。また床12は、その中央部、上述の基礎構造体7中央の凹形状の直上に相当する部分に矩形開口部を有している。開口部上には、床ハッチ13が設けられている。また棚11は、不図示の入室扉5の部分のある上部構造物1の背面を除く三方の面に設けられている。
【0004】
図16乃至
図18は、
図15のB−B断面を示す模式図で、記念建造物の収蔵室、本例では納骨室、の典型的な構造を示している。コンクリートで形成した基礎構造体7はその最表面を地表に出す形で周辺地盤18に埋設されており、その中央部は外周部に対して窪んでおり、この窪みが、遺骨を収納する納骨室19となっている。納骨室19の側面、底面は、基礎構造体7と一体に、コンクリートで形成されている。基礎構造体7の上には、御影石でできた床石14が不図示のモルタル等により接着されているが、納骨室19の天面に相当する部分には、開口部が設けられており、当該開口部上には、床ハッチ13が載置されている。通常、棚11には、一体分の遺骨が納められた骨壺を複数収蔵するのに対し、納骨室19には、複数体分の遺骨を混和した状態で収める。
【0005】
図17及び
図18は、
図16に示す構造の変形例で、
図17は、納骨室19の側面及び底面に地盤18に貫通する開口部39を設けた場合を、
図18は、納骨室19の底面にはコンクリートの壁面を設けず地盤18が露出している場合を、それぞれ示している。
【0006】
ところで記念建造物の収蔵室の多くは、屋外や地下にある事もあり、従前より水の浸入による収蔵物の汚損が問題となっていた。また、水に浸かった収蔵物から、カビや繁殖した微生物の死骸などに起因する臭気が発生する事もある。遺骨に代表される収蔵物は、記念建造物を訪れる者にとって尊崇の対象であるため、汚損や臭気の発生は、そのような訪問者の感情を大きく毀損するものである。特に、新たに収蔵物を納める際、または取り出す際は、収蔵場所の扉を解放するため、収蔵物の状況が目視され、また臭気も顕著に感じられるため、特に汚損や臭気による当該問題はなお一層大きい。
【0007】
図16に示す納骨室19への水の浸入は、周辺の地盤18から納骨室19の側面及び底面に生じた亀裂から、また納骨室19を構成するコンクリート等の部材自体を透過して生じ、浸入した水は遺骨をはじめとする収蔵品を汚損し、またカビや微生物の繁殖を招来する。
図18の底面がコンクリートで覆われていない構造は、一般的に地盤を経由した水の浸入の恐れが少なく、主として上部構造物から漏れ入る水が懸念される場合に、入った水をできるだけ早く地盤中に排出して、遺骨が長期間水に浸かった状態とならない事を意図する場合に採用される。地盤を経由した水の浸入が支配的な環境においては、
図16のような底面も固体部材で覆う構造をとる。両者の中間的な方策をとる構造が
図17に示すものである。
【0008】
なお
図16では、納骨室19が地盤18中に埋設されているが、納骨室19はその一部が地表に出ている場合もある。その場合でも、上述の水の浸入とそれに伴う課題は発生する。
【0009】
図20は、記念建造物の別の一例である墳墓の典型的な構造を示す模式図である。墳墓は、家の名前や故人の名前などを彫刻した竿石とよばれる部材を初めとして、多くは複数の石材を積層してなる上部構造物21と、その下部に接してなる芝台41と、その下部になる納骨室29を具備している。納骨室29は、地上に設けられる場合もあれば、上部構造物21と芝台41のみが地上に設けられて納骨室29は地下に設けられる場合、及び両者の中間で、納骨室の一部が地下に設けられている場合などもある。納骨室29が地上に設けられている場合は、周辺地盤からの水の浸入は一般的に想定しなくても良いが、少なくとも一部が地中に埋設されている場合は、
図14に示した比較的大規模な墳墓と同様、上述の水の浸入とそれに伴う課題は発生する。
【0010】
以上詳述したような課題に対処するため、たとえ納骨室に水が入ってきても、収蔵物がその水に触れないようにする対策として従来、
図21ならびに
図22に示すような技術が提案されている。
図21は、収蔵室内に納めるセラミックフロート付き骨受け皿43を示す模式図であり、この骨受け皿は、セラミックフロート44とその上部に設けられた金網45からなる。このセラミックフロート付き骨受け皿43を納骨室42に収めた状態を示す断面模式図を
図22に示す。このセラミックフロート付き骨受け皿43を使う事により、納骨室42内に水が溜まっても、遺骨が水浸しになる事がない。このような技術は、特許文献1(実用新案登録第3098452号公報)で開示されている。
【0011】
また、上述の課題に対処するためには、納骨室に水が浸入しない対策として、特許文献2(特許第6465491号公報)が報告されている。この文献では、納骨室を一塊の石材を加工することで形成している。このようにする事で納骨室には接続部が無いため、地震や経年使用によっても、水の浸入を防止する事ができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実用新案登録第3098452号公報
【特許文献2】特許第6465491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし特許文献1の技術には、以下のような課題がある。フロートの上部に遺骨を収納する容器を設け、容器が水面上に常に浮かぶようにすれば、確かに遺骨が水に浸かる事は防げるが、その場合、当然ながら水面下には遺骨を納める場所を設ける事ができない。即ち、納骨室を設けても、浸入した水の水位として想定される高さよりも下の部分は実質的に納骨スペースとして利用できない事となる。例えば
図14に示す永代供養墓のような比較的大型の墳墓の場合、地下の納骨スペースは、1m以上の深さを必要とする場合が多い。即ち、深さ方向で納骨スペースの容量を確保して多くの遺骨を収蔵できなければ、遺骨の収蔵に伴う対価で、建設並びに維持費用を充足する事ができない場合が多い。水平方向に納骨スペースを拡張すると、建造物全体の大きさも大きくする事が必要となり建築コストも建築面積も大きく膨らんでしまうためである。ところが、深さ1.5mの納骨スペースを有する墳墓を、例えば多雨地域の低湿地などで、降雨直後では地表から30cm掘ると既に地下水の湧出が見られる場所に建立する必要がある場合、特許文献1で提示された技術では、実質的に経営、維持可能な永代供養墓の建立ができない。
【0014】
一方、特許文献2の技術においては、以下のような課題がある。例えば先述の
図16に示す納骨室19を有する墳墓を、降雨直後では30cm掘ると既に地下水の湧出が見られる場所に建立する場合を想定する。また納骨室19は一塊の石材を加工することで形成し、室内への水の浸入がないものとする。すると、納骨室19のうち、地下水の水位よりも低い位置にある部分には、浮力が発生する。この浮力によって、納骨室19に鉛直上向きの応力が生じて、基礎構造体7を押し上げようとする。他方、不図示の上部構造物はその重量によって基礎構造体7に鉛直下向きの応力を発生させているため、結果として、納骨室19と基礎構造体7が接続される部分にせん断応力がかかる。しばしばこのせん断応力が、
図19に示す如く、当該接続部での亀裂40の発生をもたらす。勿論、予めそのせん断応力を考慮に入れた構造設計をする事で亀裂の発生を防ぐ事はある程度できるが、そのためには、浮力を考慮しなくても良い場合に比べると、より堅牢な構造を必要とするため、余分な経費がかかる。また、亀裂が発生しない堅牢な構造を確保したとしても、浮力と上部構造部の重量に起因する応力との相互作用に起因するモーメントによって、構造物全体が傾く危険性もある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
すなわち請求項1記載の記念建造物は、
少なくとも一部が地下に埋設され、周辺地盤から水が浸入可能な
納骨室と、
当該
納骨室内に載置された有底の容器とを具備してなり、
当該容器は、
納骨室内に水が浸入した場合、その一部
を水中に没しても、内部には水が
浸入しない構造を有しており、かつ、鉛直方向に浮上・下降できるよう、容器外部に対して固定されていない事を特徴として成るものである。
【0016】
また、請求項2記載の記念建造物は、請求項1記載の要件に加え、
当該容器の外殻であって水に晒される部分が、ステンレス鋼で形成されてなる事を特徴として成るものである。
【0017】
また、請求項3記載の記念建造物は、請求項1または2記載の要件に加え、
当該容器の内壁が酸性溶液、特にクエン酸、氷酢酸、および乳酸の
少なくとも1種類を含む水溶液に対する耐腐食性を有する素材で形成されている事を特徴として成るものである。
【0018】
また、請求項4記載の記念建造物は、請求項1から3のいずれか1項記載の要件に加え、
当該容器に載置され、または固定されてなる構造物を更に含み、かつ当該構造物は、当該容器と一体となって鉛直方向に浮上・下降できるように配置されている事を特徴として成るものである。
【0019】
また、請求項5記載の記念建造物は、請求項4記載の要件に加え、
当該容器と当該構造物が互いに固定されている場合に於いて、両者が可逆的に分離・合体可能な方法で固定されている事を特徴として成るものである。
【0020】
また、請求項6記載の記念建造物は、請求項1から4のいずれか1項記載の要件に加え、
当該容器の直上に離間して配置された構造物を更に含み、かつ当該構造物は、当該容器
が離間距離だけ浮上した時点で当該容器と一体となって鉛直方向に更に浮上できるように配置されている事を特徴として成るものである。
【0021】
また、請求項7記載の記念建造物は、請求項4から6のいずれか1項記載の要件に加え、
当該容器一つにつき、上記構造物が二つ以上、または、二つ以上の固片に分離可能な状態の一体物として一つ以上、含むことを特徴として成るものである。
【0022】
また、請求項8記載の記念建造物は、請求項1から
3のいずれか1項記載の要件に加え、
当該
納骨室内に載置された当該容
器の下端が、地上面より80cmを超えた深さの地下にある場
合、当該容器の重量:M〔kg〕と、当該容
器の地上面より80cm以下の部分の体積:V〔m
3 〕とが、以下の関係を満たす事を特徴として成るものである。
M ≧ 1.01×V
×1000
【0023】
また、請求項
9記載の記念建造物は、請求項
4または5記載の要件に加え、
当該構造物を載置または固定してなる当該容器の下端が、地上面より80cmを超えた深さの地下にある場合
、当該構造物を含む容器の総重量:M〔kg〕と、当該容
器の地上面より80cm以下の部分の体積:V〔m
3 〕とが、以下の関係を満たす事を特徴として成るものである。
M ≧ 1.01×V
×1000
【0024】
また、請求項
10記載の記念建造物は、請求項
9記載の要件に加え、
当該構造物が、当該容器が距離g〔cm〕浮上した時点で当該容器と一体となるよう配置され
る場合、当該構造物
を含む容器の総重量:M〔kg〕と、当該容
器の地上面より(80+g)cm以下の部分の体積:V〔m
3 〕とが、以下の関係を満たす事を特徴として成るものである。
M ≧ 1.01×V
×1000
【0025】
また、請求項
11記載の記念建造物は、請求項1から
10のいずれか1項記載の要件に加え、
当該
納骨室の側面または底面に少なくとも一箇所、開口部を設けた事を特徴として成るものである。
【0026】
また、請求項
12記載の記念建造物は、請求項
11記載の要件に加え、
当該開口部の外側に砕石またはポーラスコンクリートの少なくとも一方を配置した事を特徴として成るものである。
【0027】
また、請求項
13記載の記念建造物は、請求項1から
12のいずれか1項記載の要件に加え、
当該容器が当該
納骨室内で上昇せずに着底している状態において、当該容器の下端と、当該収蔵室の底とが密着せず、少なくとも一部が離間して空隙を形成している事を特徴として成るものである。
【0028】
また、請求項
14記載の記念建造物は、請求項1から
13のいずれか1項記載の要件に加え、
当該容器と、その容器が収まる
納骨室の壁面との間にOリングを配置してなる事を特徴として成るものである。
【0029】
また、請求項
15記載の記念建造物は、請求項
14記載の要件に加え、
当該Oリングが、鉛直方向に互いに離間して二箇所以上配置されている事を特徴として成るものである。
【0030】
また、請求項
16記載の記念建造物は、請求項1から
15のいずれか1項記載の要件に加え、
当該容器が複数個である、または互いに分離可能な手段で一体化された複数の部分から構成されている事を特徴として成るものである。
【0031】
また、請求項
17記載の納骨方法は、請求項1から
16のいずれか1項記載の記念建造物内に、焼骨を納める事を特徴として成るものである。
【発明の効果】
【0032】
本件発明によれば、たとえ
納骨室内に水が浸入しても、その内部に載置された有底容器内にある収蔵物は、浸入した水の水面下にある場合であっても、当該水で汚損されたり、臭気を発する事はない。また、周辺の地盤の地下水を
納骨室内に浸入させるために、地下水に因る浮力に起因する応力で記念建造物に亀裂等の破損や傾きを生じる事がない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の第一の実施の形態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第一の実施の形態を示す断面模式図である。
【
図3】本発明の第一の実施の形態を示す断面模式図である。
【
図4】本発明の第一の実施の形態を示す断面模式図である。
【
図5】本発明の第二の実施の形態を示す断面模式図である。
【
図6】本発明の第三の実施の形態を示す断面模式図である。
【
図7】本発明の第四の実施の形態を示す断面模式図である。
【
図8】本発明の第五の実施の形態を示す断面模式図である。
【
図9】本発明の第六の実施の形態を示す断面模式図である。
【
図10】本発明の第七の実施の形態を示す断面模式図である。
【
図11】本発明の第八の実施の形態を示す断面模式図である。
【
図12】本発明の第九の実施の形態を示す断面模式図である。
【
図13】本発明の第十の実施の形態を示す断面模式図である。
【
図14】永代供養墓などに見られる比較的大規模の墳墓の外観を示す斜視図である。
【
図15】従来の永代供養墓などに見られる比較的大規模の墳墓の内部構造を示す斜視図である。
【
図16】従来の納骨室の内部構造を示す断面模式図である。
【
図17】従来の納骨室の内部構造を示す断面模式図である。
【
図18】従来の納骨室の内部構造を示す断面模式図である。
【
図19】従来の納骨室の内部構造を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、
図14で示した外観を有する墳墓を例にして、本発明の実施の形態による内部構造を説明する。
【0035】
図1は、本発明の第一の実施の形態を示す斜視図であり、
図14に示す永代供養墓の上部構造物1を不図示とし、その内部の構造を示した模式図である。中央部に凹部を持つ基礎構造体107上に床102が、また床102上には、骨壺などの収蔵物を安置する棚101がそれぞれ置かれている。また床102は、4枚の第一の床石104と、その中央部であって基礎構造体107の上記凹部直上にあたる部分に矩形開口部を有する第二の床石105を図示の如く配置し、更に当該開口部上に、床ハッチ103を設ける事によって構成されている。第一の床石104及び第二の床石105は御影石であり、床ハッチ103はステンレス鋼でできている。また、棚101は、不図示の入室扉5の部分のある上部構造物1背面を除く三方の面に設けられている。床102、及び基礎構造体107の床102が載置される部分の大きさは、縦・横とも2.2mである。
【0036】
図2は、
図1のA−A断面を示す模式図で、納骨室の構造を示している。コンクリートで形成した基礎構造体107はその最表面を地表に出す形で周辺地盤108に埋設されており、その中央部は外周部に対して、窪んでおり、この窪みが、遺骨を収納する納骨室109となっている。詳述すると、基礎構造体107は、外周部から中央部に向けて、3段階に低くなっており、図示の如く、第一の底面1071、第二の底面1072、第三の底面1073を有している。第三の底面1073が納骨室109の底面となる。納骨室109の側面、底面は、基礎構造体107と一体に、コンクリートで形成されている。基礎構造体107の上には、御影石でできた第一の床石104が不図示のモルタル等により接着されている。第一の床石104の内側には、やはり御影石でできた第二の床石105が図示のごとく載置されている。第二の床石105は、基礎構造体107に接着されておらず、基礎構造体107の第一の底面1071上に図示の如く載っている。第三の底面1073上には、納骨室より一回り小さい容器106が載置されている。容器106は、ステンレス鋼SUS304よりなる板を溶接して水密に作成し、上方は収蔵物の投入用に開口部を有する有底容器である。容器106の上端には、水平面を有する形に張りだし110が設けられている。張りだし110は、第二の床石105と、基礎構造体107の第二の底面1072との間に生じる空隙に収まるよう、図示のごとく配置されている。即ち、容器106は第三の底面1073上に載っているだけで、外部に対して固定はされていない。
図2に示す納骨室109の周辺の寸法を
図3に示す。納骨室109の幅Wcは0.8m、紙面と鉛直方向の奥行も0.8mとする。第三の底面1073から地表面までの距離Lcは1.08mである。納骨室内に載置される容器106の幅Wtは0.78m、紙面と鉛直方向の奥行も0.78m、その高さLtは1.0mである。また容器106を構成するステンレス鋼の厚みtは1cmである。このようなサイズに製作した容器106の質量は289kgであった。容器106の上端から第二の床石105までの距離gを1cmとする。また、
図3には、周辺の地盤108より基礎構造体107を通して浸入した水111を示しているが、第三の底面1073から水111の水面までの距離をLwとする。また、第二の床石105の幅W1が1m、紙面と鉛直方向の奥行も1m、その中央にある矩形開口部の幅W2が0.7m、紙面と鉛直方向の奥行も0.7m、厚みd1が0.1m、質量が132.6kgであるとする。また、第二の床石105に載置された床ハッチ103の質量が5kg、第二の床石105からの高さd2を0.04mとする。
【0037】
ここで、納骨室109に周辺地盤から徐々に水が浸入してくる場合を想定して、容器106の振る舞いを説明する。
図3に示した水111により、容器106には浮力が発生する。その大きさは、「流体の中に全部または一部沈んでいる物体は,その排除した流体の重さに等しい力で,流体から鉛直上向きに押上げられている」というアルキメデスの原理に基づき容易に求める事ができる。今、水111の比重を1.01とし、容器106の質量である289kgと丁度バランスする浮力が発生する際のLwを求める。即ち、容器106が排除した質量289kgの水の体積は、比重1.01の場合、0.286m3になるから、縦、横ともに0.78mの容器が水に浸かっている部分の深さは0.47mと求められる。よって、Lw≦0.47mであれば、容器106は浮き上がることなく、第三の底面1073に着底している。LW>0.47mになると容器106は浮き上がり、Lwが0.48mに達するとその上端が第二の床石105に接触する。Lwがさらに増えるに従い、容器106、第二の床石105、及び床ハッチ103を合わせた総質量である426.6kgと均衡する浮力が発生するまで、容器106は第二の床石105に接触した時の位置を維持する。同様の計算を行う事で、Lwが0.70mを超えると、容器106は、第二の床石105及び床ハッチ103と一体となって再び鉛直方向に浮上を始める事がわかる。最終的に、本実施の形態による永代供養墓における納骨室に浸入する最大水量の想定として、水面が地表面に一致する高さまで達する事を想定して、その場合の容器106の状態を
図4に示す。この時、地表面から床ハッチ103の天面までの距離d3は、d3=Lt+d1+d2−(0.70−g)で導出され、0.45mとなる。即ち、本実施の形態による永代供養墓においては、容器106、第二の床石105、及び床ハッチ103が鉛直方向に、地表面から0.45mまで上昇しても、棚101と干渉しないように配置する事で、例え地下水の水位が地表面にまで上昇する状態となっても、容器106は、鉛直方向に浮き上がるために、当該容器で唯一、水が浸入してくる経路となりうる上部の開口部は冠水する事がなく、従って、内部に収められた遺骨等は、水111の水面以下にあるものも含めて水に浸かる事がない。また、納骨室109には周辺の地盤108から水が浸入しているために、浮力を生じず、基礎構造体107にせん断応力に起因する亀裂が発生したり、傾きが生じたりする虞がない。尚、
図4の状態から、納骨室109に浸入した水が徐々に抜けていくと、Lwの減少に伴い、容器106と、その上に載置された第二の床石105及び床ハッチ103が、一体となって鉛直方向に下降していく事となる。
【0038】
本実施の形態の永代供養墓の納骨室109に遺骨を収めて一年を経過した後、新たな納骨のために床ハッチ103を解放したが、既に納めてあった遺骨に汚損は見られず、また臭気も感じられなかった。従来の永代供養墓の納骨室への納骨経験の豊富な納骨作業者は、本発明による清浄な納骨室への納骨作業に、従来の納骨作業に感じていた、納骨場所の汚損・臭気に起因する精神的なストレスとそれに伴う血圧上昇、発汗などから解放された状態で作業を行った。また、作業を見守っていた遺骨の所有者からも、従来の納骨作業で聞かれたような、納骨場所の汚損・臭気に起因する悲嘆・不満の表明はなかった。
【0039】
以上詳述した通り、本発明における永代供養墓においては、納骨室内に載置する容器のサイズと質量、容器と一体になって鉛直方向に浮上・下降する構造物の質量、及び納骨室内に浸入する水の比重と想定される最高水位の関係から、アルキメデスの原理により導かれる容器の最高上昇量を導出し、導出した最大量の上昇をしても、容器が他の構成部材と干渉しないように配置する事で、先述の課題の発生を防ぐ事ができる。従って、この条件を満たす事ができれば、必ずしも本実施の形態における各種部材のサイズ、形状、配置による必要はない。
【0040】
例えば、容器及び容器と一体に上昇する部材の質量を大きくする事で、納骨室内に想定する最高水位まで水が浸入しても全く容器が上昇しないように設計しても良い。想定する上昇量を小さくすればするほど、容器の直上の空間を有効に活用できる。ただしその反面、受ける最大浮力以上の重量が容器、及び容器と一体になって鉛直方向に上昇する部材に必要となるため、その重量に耐えられる容器、及び納骨室の強度が必要となる。
【0041】
また、容器そのものの質量で所望の上昇量に抑制できるのであれば、本実施の形態における第二の床石105や床ハッチ103のような、容器と一体に鉛直方向に浮上・下降する構造物はなくても構わない。また、容器と一体に鉛直方向に浮上・下降する構造物を設ける場合も、第二の床石や床ハッチでなくとも、仏像などの装飾品であっても、鋳鉄のおもりや砂であってもよい。また、その設置場所も、本実施の形態にあるような容器上部でなくとも、例えば収蔵容器の内部に収めるなどの方法であっても良い。また、本実施の形態における第二の床石105や床ハッチ103は、容器106が
図3における距離gだけ上昇した時点で容器106上に載るように配置されていたが、容器106が第三の底面1073に着底している状態で、既に容器106に載置されるように配置されていてもよく、また、単に載せ置かれているだけではなく、容器106に固定されていても良い事は言うまでもない。ただし、豪雨の影響を受けて周辺地盤から納骨室に通常よりも多く水が浸入した結果、容器が普段よりも上昇している場合のような非定常時を除き、定常状態では、第二の床石105や床ハッチ103が容器106に載せ置かれておらず、
図3に距離gで示すごとく、多少の隙間を有する状態にする事がより望ましい。常に第二の床石105や床ハッチ103が容器106に載せ置かれている配置を回避する事で、第二の床石105や床ハッチ103の荷重が常時容器106にかかって、容器106を構成するステンレス鋼板の溶接部における応力腐食割れや、容器自体の塑性変形などの不具合が発生する危険性を回避できるからである。
【0042】
尚、床ハッチ103は、納骨室109内への小動物等の侵入を防止するため、及び入室者の転落を防止するために設けているが、ハッチの一部を金網にするなどして、通気性を確保する事が望ましい。通気性が確保されていないと、
図3で示した水111が気化した場合、床ハッチ103の下面で結露し、容器106内に落ちて収蔵品を水で濡らす危険があるためである。
【0043】
また、本実施の形態で説明した設計においては、容器106内に収める収蔵物の質量を考慮しなかった。これは、本実施の形態で例示した永代供養墓の場合では、使用開始直後など、容器106に収める焼骨の量が少なく容器の上昇量の計算の上で殆ど無視される場合も想定すべきであり、収蔵物がない状態で容器が最大量の上昇をしても棚101と干渉しない配置とする設計をしたためである。設計段階で収蔵物の重量を想定できる場合は、上昇量の計算の際に考慮して良い事は言うまでもない。また、容器に納める収蔵物の最大質量については注意が必要である。容器106内に最大質量の収蔵物が納められた状態で、納骨室109内に浸入した水の水位が最も高くなった時を想定する。最大質量の収蔵物が納められた結果、容器上方に設けた収蔵物投入用の開口部まで冠水しても容器が浮上しない重量となり、かつ、納骨室109内の水位が当該開口部を超えてしまうと、収蔵容器内が浸水してしまうためである。容器の開口部に扉を設け、その扉を水密構造とすれば、開口部が冠水しても水の浸入は防げるが、記念建造物のように相当期間に渡って収蔵物を保管する場合において、長期の水密性を維持する構造を実現する事や、定期的に収蔵物を取り出して容器の水密性を点検する事は、現実的には非常に困難である。このような事態を防ぐために、最大質量の収蔵物が納められた場合でも、容器上方に設けた収蔵物投入用の開口部まで冠水する前に容器が浮上するように設計する、または、納骨室109内に浸入した水の水位が最も高くなった状態で容器が浮上しなくても、当該開口部は水面よりも上にあるように設計する事が必要である。納骨室109内に浸入する水の最高水位の見積もりも困難であれば、容器が浮上しない状態でも、当該開口部が地表面よりも上方にある配置とすれば確実である。
【0044】
また、本実施の形態において、納骨室109の幅Wcに対して納骨室内に載置される容器106の幅Wtは2cm小さく設定したが、このWc−Wtは2cmでなくても良い事は言うまでもない。ただし、Wc−Wtを大きくとりすぎると、浮力を受けて容器が上昇する際に、納骨室内で容器が傾きやすくなり、また、小さくとりすぎると、Wc及びWtの場所によるばらつきの影響を受けて納骨室と容器が干渉する虞がある。このため、Wc−Wtは、0.5cm以上、6cm以内に設計する事がより望ましい。
【0045】
また、本実施の形態において、容器106の上端には、水平面を有する形に張りだし110を設けている。張りだしは、容器が浮力を受けて上昇して第二の床石105に接触する際、接触面積を大きくとる事で容器上端の塑性変形を抑制する効果を有するが、別になくても本発明の本旨には何ら影響はない。
【0046】
また、本実施の形態において、容器106はSUS304製とした。SUS304は、水に暴露する環境にあっても耐久性に優れ、強度があり比較的安価であるため、本件発明の容器に特に好適な材料である。しかし、SUS304以外のステンレス鋼であっても、例えばFRP樹脂製にするなど、水の
浸入(通過)を防げる材料であればステンレス鋼でなくともよい。
【0047】
本発明の記念建造物においては、先述の通り納骨室内に浸入する水の比重と最高水位を想定して、その構造を設計する事が必要である。水位の想定は、即ち地表から何cmの距離まで地下の水位がある状態を想定するかであるが、この見積もりを精緻に行うためには、建造現場の地下の水位の測定を相当期間に渡って行う必要がある。地下の水位は、天候、周辺地における地下水の汲み上げ状況、海岸近くでは潮の干満などの影響を受けて一様ではないからである。しかし、記念建造物の建造においてこのような精緻な事前調査を行う事は、経済合理性の観点から困難である事が多い。しかし発明者は、国内の数多くの地下収蔵庫の浸水状況を精査した結果、豪雨の影響を受けた場合のような非定常時を除いた場合、地表面から水面までの距離が最短80cmの高さにまで、地下収蔵庫に水が生じている事を始めて見出した。
【0048】
また一般的に、人が記念建造物を訪れる目的は、その建造物を訪れて外観を眺めつつ参拝等の行為を通じて精神の安寧を得る事である。そのため、訪問者の目に触れる部分には、一定程度の審美性が求められる。この点、本件発明の記念建造物における、容器及び容器と一体に浮上・下降する部材が、常態として浮力を受けて浮上していると、鉛直方向に微小な上下動を繰り返す様子が目撃されたり、また、水中に没した際に汚損した容器外壁側面が目に入ったりするため、好ましくない。更に、容器及び容器と一体に浮上・下降する部材の一部が、見学、参拝、作業場所の床面を兼ねている場合、浮上した当該部位に人が乗って受傷する危険性もある。このため、定常状態においては収納容器は収蔵庫内で鉛直方向下限に据え置かれた状態を維持し、豪雨の後などの緊急事態の際のみ収納容器が浮上し、収蔵品を水没から守るように設計する事に、一定の合理性がある。
【0049】
このため、地下水位の見積もりが困難であり、かつ、当該収蔵室内に載置された当該容器、及び当該容器に載置され、または固定されてなる構造物の下端が、地上面より80cmを超えた深さの地下にある場合に於いて、その設計指針として、容器及び容器と一体になって鉛直方向に浮上・下降する構造物のうち、地上面から80cmを超えた深さにある部分が水中にあっても、容器及び当該容器に載置され、または固定されて、当該容器と一体になって鉛直方向に浮上・下降する構造物が、収蔵庫内で鉛直方向下限に据え置かれた状態から浮き上がる事がないように設計するという、合理的設計指針を得た。ただし、
図3に示す本実施の形態のごとく、容器106が、鉛直方向下限に据え置かれた状態では第二の床石105の下に距離gだけ離れて配置されている場合、定常状態において浮上していない事が望ましいのは、容器106ではなくその上に配置された第二の床石105であるから、容器106そのものは地表面から80cmを超えた深さにある部分が水中にある時に、鉛直方向下限に据え置かれた状態から距離gに相当する距離だけは浮上していても構わない。この指針をアルキメデスの原理で表すと、式(A)の通りとなる。
M ≧ 1.01×V
×1000 …(A)
ただし、Mは容器及び当該容器に載置され、または固定されてある構造物の総重量
〔kg〕、Vは、当該容器と当該構造物とが一体となって納骨室に載置されている場合は、その一体物の地上面より80cmより深い部分の体積
〔m3 〕である。また、当該容器と当該構造物の少なくとも一部とが、鉛直方向に離間して納骨室に載置されており、当該容器がgセンチメートル浮上した時点で当該構造物と接触する配置となっている場合は、Mは当該構造物、当該容器、及び当該容器に載置されまたは固定されてある構造物の総重量:M〔kg〕であり、Vは、当該容器の地上面より(80+g)センチメートルより深い部分の体積
〔m3 〕である。また式中の1.01は水の比重を想定した数字である。地下水には、塩分などの溶解も想定されるため、真水よりも少し比重を大きく、1.01で見積もる事が好適である。なお、この式を満たす点では、Mは望大特性であるが、容器や構造物の重量を大きくすればするほど、容器自体や納骨室の強度を高める必要が生じるため注意が必要である。
【0050】
この点を踏まえると、更に望ましい設計指針は
1.01×V×1.3
×1000 ≧ M ≧ 1.01×V
×1000 …(B)
となる。即ち、Mを、1.01×Vと、それより30%重い重量との間になるように設計する事で、容器自体や納骨室の強度確保に不必要なコストをかける事なく、上記指針に沿った記念建造物を得る事ができる。なお、式(A)または(B)を満たす設計をしても、非定常時には地表面から水面までの距離が80cm未満となる事が考えられるため、その場合に容器が浮上する事を想定する場合は、
図4で説明したごとく、容器とその鉛直直上の構造物の配置を、互いに干渉しないようにする必要がある事は言うまでもない。また、容器が浮上しない事を想定する場合は、容器に設けた開口部が常に水面よりも上にあるように設計する必要がある。本設計指針は、地下の水位の推定が困難な場合に採用する事を想定しているので、容器が浮上しない設計とする場合は、実質的には、容器に設けた開口部は、たとえ地表面まで地下の水位が上昇したとしても冠水しないよう、地表面より上に位置するように配置する事が望ましい。
【0051】
次に、本発明を、遺骨を収蔵する合葬墳墓に用いる際に特に有効な、別の効果について述べる。一般的に合葬墳墓の納骨室は、例えば数百人程度の多くの人骨を収蔵する。しかし納骨室内に収蔵された人骨が、分解されていくためには、例えば数百年程度といった時間を要するのに対し、利用形態によっては、数百人の遺骨を納めるのに数年しか要しない場合もある。このような場合、分解される人骨よりも圧倒的に新たな人骨が納められていく量の方が多いので、納骨室は遺骨で満杯となり、早晩、新たな遺骨を納める容量がなくなる事態を招来する。そこで、遺骨に定期的に酸性液を加え、数年で溶解させる技術が知られている。具体的には、クエン酸、氷酢酸、および乳酸の少なくとも1種類を含む水溶液を定期的に噴霧する技術である。ところで本発明による合葬墳墓においては、遺骨は外部からの水の
浸入(通過)がない容器の中に収蔵されるが、この容器は当然ながら内部に投入した溶液も外部に出ていく事がない。従い、容器内に上述の水溶液を投入して、収蔵した遺骨の溶解を生じせしめる反応容器としても好適である。反応により投入した液体は遺骨由来のカルシウム化合物の水溶液になる。本発明の容器は、その溶液を積極的に外部に排出する術を持たないので、自然に水分が蒸発して、一旦溶解したカルシウム化合物を析出させる事を繰り返す事となる。しかし、大きさや形状が様々な遺骨が空隙を生じながら積み重なっている状態から、一旦溶解して再結晶化する過程で大幅な体積減少を生じさせる事になるため、新たな遺骨を納める容量を確保できる事になる。ところでこの酸性溶液による遺骨の溶解反応にとって、遺骨が泥で覆われていたり、地下水が含浸している状態は、反応阻害要因となる。従い、先述のように、収蔵遺骨が周辺の地盤由来の地下水に汚損されることのない本発明の墳墓は、その点でも酸性溶液による遺骨の体積減少にとって好適である。ただし、この反応を行うに当たり、遺骨の収蔵容器はクエン酸、氷酢酸、および乳酸の少なくとも1種類を含む水溶液に耐性がなければならない。たとえば、外殻であって水に晒される部分をSUS304で作成して強度を確保し、更にその内部にポリエチレンやフッ素樹脂等の耐酸性樹脂製の容器を載置した二重構造の容器とする事や、SUS304の容器の内壁をジルコニアやチタンでコーティングする事で、容器の強度と、耐酸性を両立する事ができる。勿論、容器自体を陶器にするなどの方法でも、容器の内壁が酸性溶液、特にクエン酸、氷酢酸、および乳酸を含む水溶液に対する耐腐食性を有する素材で形成されてさえいれば良い。
【0052】
次に、本発明がもたらす別の効果について述べる。一般的に記念建造物は、少なくとも数十年程度は存続する事を想定する。特に本実施の形態で説明したような永代供養
墓の場合は、文字通り永代にわたって供養をするために設けるものである。しかし、これら記念建造物を長期間に渡って使用する間には、地震などの天災や経年劣化等の影響で、補修や建て替えの工事が必要となり、その際には収蔵物を一旦取り出す必要が生じる事が想定される。一般的に合葬墳墓の納骨室は本実施の形態で挙げたごとく比較的狭くて深く、人がその内部に入って収蔵物を取り出す事を想定していない。そもそも、納められた遺骨の上に足を降ろして作業する事は、作業者本人は勿論、参拝者にとっても忌避感情が強い。また、一部粉末化している焼骨を完全に回収する事も非常に困難である。しかしながら、本発明による容器を納骨室に載置し、遺骨をその中に収める方法であれば、容器ごと取り出す事ができるため、作業が極めて簡単であるだけではなく、遺骨の上に足を降ろす必要もなく、さらに微細な遺骨片を回収できないままになる事もない。ただし、容器を取り出す場合は、予めその重量を考慮した設計が必要である。例えば、本実施の形態で用いた容器106は、先述の通り、厚みtが1cmのSUS304製であり、その質量が289kgであった。この重量の容器を人力で引き揚げ、別の場所に移す事は非常に困難かつ危険を伴うため、容器に予めフックを設けて、ワイヤをかけてウインチ等で釣り上げて移動ができるようにしておく、強度の許す範囲で厚みtをもっと薄くして軽量化し、浮力発生時の上昇抑制には、本件実施の形態における第二の床石105や床ハッチ103のような、容器と一体に鉛直方向に浮上・下降する部材をより重くし、容器を取り出す際は、容器に先立って当該部材をまず取り出す事で、一度に扱う構造物の重量を小さくする事が望ましい。また、後者の場合であって、かつ、容器と、容器と一体に鉛直方向に浮上・下降する部材が、互いに固定されている場合は、容器を取り出す前に当該部材を取り外し、また、容器を元通りに収めた後には再び当該部材を取り付けられるよう、容器と当該部材とは、ボルト止めやクランプ固定などの、可逆的に分離・合体可能な方法で固定されている必要がある事は言うまでもない。
【0053】
図5は、本発明の第二の実施の形態を示しており、
図2同様、
図1のA−A断面を示す模式図であって、納骨室の構造を示している。ただし
図2に示す棚101は、描画を省略している。
図2に示す実施の形態との違いは、
図2で第二の床石105であった部分が、第二の床石205とおもり212に変わった点である。おもり212は、上面から見た形状は第二の床石205と同じく「ロ」の字で表され、図示の如く、上下に3枚積層した構造となっている。3枚のおもりは、図示の如く、おもて面に凸部、裏面に凹部を設けて、それらを互いに嵌合させている。3枚積層したおもりの上に載る第二の床石205も、裏面に凹部を設けて、おもり212の凸部と嵌合している。これにより、容器206が浮き上がった状態で地震等が発生しても、第二の床石205やおもり212が互いにずれて、浮き上がった容器のバランスがくずれる事を防いでいる。第二の床石205は、第一の床石204と同じ御影石でできている。おもり212は鋳鉄製である。御影石と鋳鉄の比重は、それぞれ2.6と7.9である。第一の実施の形態における床石105は全体が御影石であったが、本第二の実施の形態のように、最表面の化粧石としての機能のみを残し、その他の部分を鋳鉄に置き換える事によって、第一の実施の形態の場合に比べ、容器と一体に上昇する部材をより重くする事ができる。このため、容器206をその分軽量化して、より取り出しやすくする事ができる。容器206を取り出す際は、床ハッチ203に続いて、第二の床石205、3層からなるおもり212の最上層、中間層、最下層を順次取り出す事となる。このように、容器206の上部に配置された構造物が、二つ以上、または二つ以上の個片に分離可能な状態の一体物が一つ以上であって、これら各個片を順に取り出す事にも設計上の意図がある。容器206を取り出す際、納骨室209内にどれだけの水が浸入しているのかを目視するのは困難であり、従って容器206がどれだけの浮力を受けているのかがわからない。仮に大きな浮力を受けている状態で、第一の実施の形態にあるような床石105を取り除いた場合、容器が勢いよく上昇した結果、作業者や内部構造物にあたって傷つける可能性がある。特に、床石105を取り除いた直後は、容器106が、容器外壁と納骨室109との間に長い年月をかけて溜まった泥の中に埋まっているために容器106は上昇せず、その後の作業のために、容器106に触れるなどの少しの振動を与えた時に、容器106が泥から解放されて急激に上昇した結果、作業者が受傷する事などが考えられる。このため、
図5のごとく容器206の上部構造物をいくつかの部材に分け、1つ取り出すごとに容器206に手で振動を与えて、浮力を受けている場合でも、その上昇が抑制的に起こるようにすれば、このような事故を防ぐ事ができる。
【0054】
図6は、本発明の第三の実施の形態を示しており、
図2同様、
図1のA−A断面を示す模式図であって、納骨室の構造を示している。ただし
図2に示す棚101は、描画を省略している。
図2に示す実施の形態との違いは、納骨室309の側面及び底面を形成するコンクリートに周囲の地盤308に貫通する開口部313が設けられている事である。納骨室309には周辺の地盤中の地下水の水位と同じレベルで水が浸入している事が、
図19で説明したような浮力起因による基礎構造体307の破損防止や、墳墓の傾き防止の観点から望ましい。
図2で示したコンクリート構造体で、その透水性が不十分である場合は、本実施の形態のように開口部313を設けて、水が浸入しやすくする事ができる。勿論、開口部の形状・配置・個数は
図6に示す態様に限られるものではなく、納骨室309の側面または底面に少なくとも一箇所あれば良い。
【0055】
図7は、本発明の第四の実施の形態を示しており
図6同様、
図1のA−A断面を示す模式図であって、納骨室の構造を示している。
図6に示す実施の形態との第一の違いは、納骨室409の側面及び底面を形成するコンクリートに設けた開口部413の周辺に図示の如く砕石層414を設けて周辺の地盤408から砕石層を経由して納骨室409に水が浸入するようにした点である。砕石層414は地下水中に含まれる土砂を取り除くフィルターの役割を果たし、納骨室409内への土砂の侵入を抑制する働きをしている。納骨室409内に土砂が堆積すると、先述のように、容器406が土砂中に埋まってしまい、浮力を受けた際、設計意図通りの上昇をしなかったり、一旦容器406が上昇した際に、侵入した土砂が納骨室409の底面に堆積し、次に水が引いた際に、容器406が設計意図通り、納骨室409の底面に着底するまで下がり切らないなどの不具合が生じる可能性がある。このような土砂の侵入を防ぐ機能は、砕石層414を設ける以外にも、ポーラスコンクリートを使う、あるいは、砕石層とポーラスコンクリート層の2層構造にするなどの手法によっても実現できる。また、ポーラスコンクリートは、それ自体で形状維持性を有するので、例えば納骨室409の壁面の一部若しくは全部をポーラスコンクリートで形成する事も可能である。また、
図6に示す実施の形態との第二の違いは、納骨室409の底面に、突起418を設けた点である。この突起418の上に図示の如く容器406が載置される事で、納骨室409の底面と容器406の底面との間に空隙415が生じる。この空隙415が浸入した土砂をためるスペースとなるため、上述のような不具合が生じる危険性をさらに減じる事ができる。
【0056】
図8は、本発明の第五の実施の形態を示しており、
図2同様、
図1のA−A断面を示す模式図であって、納骨室の構造を示している。ただし
図2に示す棚101は、描画を省略している。
図2に示す実施の形態との違いは、容器506が、納骨室509の底である、基礎構造体507の第三の底面5073には着底しておらず、張りだし510が、基礎構造体507の第二の底面5072に載置されて、容器506を保持している点である。このような構造にする事によっても容器506の下に空隙515を設ける事ができ、
図7に示した第四の実施の形態と同様、侵入した土砂をためるスペースとする事ができる。
【0057】
図9は、本発明の第六の実施の形態を示しており、
図2同様、
図1のA−A断面を示す模式図であって、納骨室の構造を示している。ただし
図2に示す棚101は、描画を省略している。
図2に示す実施の形態との違いは、納骨室609及び容器606が、上部に対して下部の幅が小さくなるように形成されている事、及び、納骨室609の底面と容器606の底面との間に空隙615ができるようにした点である。納骨室609及び容器606の形状を図示の如く、上部の断面積よりも下部の断面積を小さくする事で、浮力を受けて浮き上がっていない状態では、納骨室の傾斜面616に着底しているため、図示の如く、納骨室の最下端に空隙を設ける事ができる。このような構造とする事でも、
図7に示した第四の実施の形態と同様、侵入した土砂をためるスペースとする事ができる。
【0058】
図10は、本発明の第七の実施の形態を示しており、
図2同様、
図1のA−A断面を示す模式図であって、納骨室の構造を示している。ただし
図2に示す棚101は、描画を省略している。
図2に示す実施の形態との違いは、容器706の側面に、図示の如く凹部を設けてOリング717を装着した点である。納骨室709の壁面のうち、Oリング717が接触する部分にはステンレス鋼よりなる金属板716がはめ込まれており、Oリング717は金属板716と容器706の間をシールしている。容器706が浮力を受けて上昇する際、Oリングは金属板716の表面を滑って容器706と共に上昇する。このような構造で容器706と納骨室709の空隙を塞ぐ事により、納骨室に入った水が発する臭気の漏れ、水と共に入り込んだ小動物が上方に上がってくる事、並びに、気化した水が床ハッチ703で結露して容器706に滴下する事を防ぐ事ができる。また、浮力を受けて容器が浮いている場合においても、Oリングの摩擦力により、微小な容器の振動を抑制して、見栄えを良くする効果も有する。またOリング717は、図示の如く鉛直方向に離間して2箇所または2箇所以上に設けると更に良い。このようにする事で、容器706が浮力を受けて上昇する際に、傾く危険を大幅に減じる事ができるからである。また、Oリング717の設置位置は、必ずしも図示の通りでなくとも良い事は言うまでもない。また、容器706の形状は、Oリングを設置しやすいように、完全な直方体ではなく、コーナーにRがついている方が望ましい。
【0059】
以上、説明してきた本発明の第一から第七の実施の形態は、全て納骨室に収める容器が1つであったが、勿論、容器は複数であっても良い。
【0060】
図11に示す本発明の第八の実施の形態においては、納骨室809内に第一の容器818と第二の容器819の二つを設けたものである。先述の通り、設置した容器は、墳墓の修理等を目的として納骨室から取り出す必要が生じる事がある。この場合、
図11のように容器が2分割されていれば、一度に扱わなければならない容器の重量が略半分になるため、クレーン等を使わなくても人力で取り出しができるなど、格段に作業性が向上する。また、分割した容器ごとに使途を分ける事も可能となる。例えば、第一の容器には人骨を、第二の容器にはペットの遺骨を納めるなどの場合である。尚、本実施の形態のごとく、複数の容器を同一の納骨室に収める場合は、図示の通り、容器同士をボルト・ナット812等の容易に分離可能な手段で接続しておくことが望ましい。容器同士を固定しておかないと、容器ごとに受ける浮力や、容器と収蔵品の合計重量が異なる場合、それぞれの容器の上昇量が異なる事になり、第二の床石805やその上部の床ハッチ803が傾いてしまう可能性があるためである。
【0061】
図12に示す本発明の第九の実施の形態は、納骨室809内に第一の容器818と第二の容器819の二つを設けた場合を示すものである。容器の分割と共に、それぞれの容器の上部に配置される床石と床ハッチも、分割している。このようにする事で、容器毎に受ける浮力や重量が変わって、容器毎に異なる上昇・下降の振る舞いをしても、第八の実施の形態で記載したような、床石や床ハッチが傾く心配は発生しない。
【0062】
図13に示す本発明の第十の実施の形態においては、納骨室809の中に容器806を載置し、容器806の中に更に複数の小型容器820を納めた状態を示している。このような方法によっても、第八の実施の形態の場合と同様、取り出し時の作業性改善、容器ごとに使途を分ける事ができる点などの利点が維持される。
【0063】
以上、第一乃至第十の実施の形態により、
図14に示す永代供養墓などに見られる比較的大規模の墳墓を例示して本発明を説明したが、本発明は大規模の墳墓に限るものではない。
図20に示した比較的小型の墳墓についても、また、それ以外の記念建造物であっても、少なくともその一部が地下に埋設されているところの収蔵室
たる納骨室を有する建造物であれば、有効に使える技術である。また収蔵物についても、人骨に限るわけではなく、動物の骨、副葬品、書物や名簿といった記念品であっても有効である事は言うまでもない。
【0064】
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0065】
1 上部構造物
2 床
3 花立て
4 線香台
5 入室扉
7 基礎構造体
11 棚
12 床
13 床ハッチ
14 床石
18 地盤
19 納骨室
29 納骨室
21 上部構造物
39 開口部
41 芝台
42 納骨室
43 セラミックフロート付き骨受け皿
44 セラミックフロート
45 金網
101 棚
102 床
103 床ハッチ
104 第一の床石
105 第二の床石
106 容器
107 基礎構造体
1071 第一の底面
1072 第二の底面
1073 第三の底面
108 地盤
109 納骨室
110 張りだし
111 水
203 床ハッチ
204 第一の床石
205 第二の床石
206 容器
207 基礎構造体
208 地盤
209 納骨室
212 おもり
303 床ハッチ
304 第一の床石
305 第二の床石
306 容器
307 基礎構造体
308 地盤
309 納骨室
313 開口部
403 床ハッチ
404 第一の床石
405 第二の床石
406 容器
407 基礎構造体
408 地盤
409 納骨室
413 開口部
414 砕石層
415 空隙
418 突起
503 床ハッチ
504 第一の床石
505 第二の床石
506 容器
507 基礎構造体
508 地盤
509 納骨室
510 張りだし
515 空隙
5072 第二の底面
5073 第三の底面
603 床ハッチ
604 第一の床石
605 第二の床石
606 容器
607 基礎構造体
608 地盤
609 納骨室
615 空隙
616 傾斜面
703 床ハッチ
704 第一の床石
705 第二の床石
706 容器
707 基礎構造体
708 地盤
709 納骨室
716 金属板
717 Oリング
803 床ハッチ
804 第一の床石
805 第二の床石
806 容器
807 基礎構造体
808 地盤
809 納骨室
812 ボルト・ナット
818 第一の容器
819 第二の容器
820 小型容器
8031 床ハッチ
8032 床ハッチ
8051 第二の床石
8052 第二の床石