【実施例】
【0060】
以下の実施例は、開示される対象に従う組成物、方法及び結果を例証するために以下に説明される。これらの実施例は、本明細書において開示される対象のすべての態様を包括することは意図しないが、むしろ代表的な方法、組成物及び結果を例証する。これらの実施例は、本発明の等価物及び変動を除外することは意図せず、それは当業者に明らかである。
【0061】
数値(例えば量、温度など)に関して正確性を確実にする取り組みがなされてきたが、ある程度の誤差及び偏差があり得る。特別の指示のない限り、部は重量部である。反応条件(例えば構成要素濃度、温度、圧力、ならびに記載されるプロセスから得られる産物の純度及び収率の最適化に使用できる他の反応範囲及び条件)の多数の変動及び組み合わせがある。合理的及び常用の実験のみが、かかるプロセス条件の最適化に要求されるだろう。
【0062】
実施例1:タバコモザイクウイルス(TMV)の感染性に対するBTHWAの効果。
およそ3μg/mlの濃度の精製タバコモザイクウイルス(TMV)を、N−メチル−N−メトキシ−7−カルボキシベンゾ[1,2,3]チアジアゾールアミド(BTHWA)製剤(濃度40mg/L)と、1:1の体積比で混合し、室温で30分間インキュベーションした(処理した葉)。対照は水中でインキュベーションしたTMVであった。両方のウイルス懸濁物を使用して、タバコ葉cv.Xanthiを機械的に感染させた。タバコ葉上で産生された局所的な壊死スポット(高感受性、局所的感染)を測定した。
【0063】
5日後に、対照葉及び処理した葉上のスポットの数は12%のみの差があり、このことから、化合物はTMVの感染性に直接作用しないという結論が導かれる。
【0064】
実施例2:細菌(Pseudomonas syringe pv.Tomato)の感染性に対するBTHWAの効果。
実施例1に記載されるような手順に従ったが、細菌Pseudomonas syringe pv.Tomatoを使用した。形成された懸濁物を、Mueller−Hintonブロス栄養培地にインキュベーションした。2日後に、処理したプレート上の細菌の濃度を対照と比較した。対照培地と処理した培地との間の成長の差が<5%であると決定され、このことから、BTHWA溶液が細菌の感染性に直接影響しなかったという結論が導かれた。
【0065】
実施例3:真菌(うどん粉病)の感染性に対するBTHWAの効果。
実施例1に記載されるような手順に従ったが、うどん粉病真菌を使用し、それを次いで栄養培地にインキュベーションした。2日後に、処理したプレートと対照上での真菌成長の差は<5%であると決定され、このことから、化合物溶液が真菌の感染性に直接影響しなかったという結論が導かれた。
【0066】
実施例4:タバコモザイクウイルスのウイルス感染によって引き起こされるタバコ(Nicotiana tabacum)cv.Xanthiにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の散水による植物の保護。
3枚の発達した葉のステージのタバコ植物(Nicotiana tabacum)cv.Xanthiに、1週間の間隔で、10mg/LのBTHWA溶液を2回散水した(すなわち根へ適用した)。対照タバコ植物を水のみで潅漑した。活性化合物の溶液による第2の植物処理の1週間後に、およそ2μg/mlの濃度の精製ウイルスの懸濁液中に浸されたカーボランダムによる葉の摩擦によって、葉をタバコモザイクウイルス(TMV)に反復して機械的に感染させた。生物ストレスに対する植物の保護における生物学的効果を査定するために、TMV−タバコcv.Xanthiモデルを使用した。この病原体−植物モデルは、定量化可能な壊死スポットの形成による高感受性相互作用現象を決定することを包含する。対照植物及びBTHWAにより処理した植物の葉上のスポットの数の比較は、タバコ植物の根への製剤の適用が植物上での生物因子(ウイルス感染)の影響を制限することを示した(
図1)。
【0067】
実施例5:タバコモザイクウイルスのウイルス感染によって引き起こされるタバコ(Nicotiana tabacum)cv.Xanthiにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の噴霧による植物の保護。
実施例4に記載されるような手順に従ったが、植物に、1週間の間隔で、10mg/Lの濃度のBTHWA溶液を噴霧によって2回処理した(すなわち葉へ適用した)。BTHWAが、TMV感染によって引き起こされる生物ストレスに対して処理した葉を保護したことが示された。
【0068】
実施例6:比較材料(商業的に入手可能なBION(商標))に関する、タバコモザイクウイルスのウイルス感染によって引き起こされるタバコ(Nicotiana tabacum)cv.Xanthiにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の噴霧による植物の保護。
3枚の発達した葉のステージのタバコ植物(Nicotiana tabacum)cv.Xanthiに、20mg/Lの濃度のBION(商標)またはBTHWA溶液を1回噴霧した。1週間後に、およそ2μg/mlの濃度の精製ウイルスの懸濁液中に浸されたカーボランダムによる葉の摩擦によって、植物をTMVウイルスに反復して機械的に感染させた。生物ストレスからの保護のレベルは、BTHWAまたはBION(商標)によって処理した植物の葉上でのTMVによって引き起こされる壊死スポットの数の比較によって査定し、対照(水のみで噴霧した植物)と比較した。研究から、BTHWAが20mg/Lの濃度でさえ、生物ストレスの出現の予防においてより効果的であったことが示される。
【0069】
表1は、対照と比較した、BTHWAまたはBION(商標)へ曝露された植物におけるウイルス感染によって引き起こされた壊死スポットの数を示す。壊死スポットの量の低減は、植物への生物因子の影響からの保護を指摘する。
【表1】
【0070】
実施例7:タバコモザイクウイルスのウイルス感染によって引き起こされるタバコ(Nicotiana tabacum)cv.Xanthiにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の散水による植物保護効果の耐久性の研究。
実施例4に記載されるような手順に従ったが、処理した植物及び対照植物を3つのバッチへと分割し、それらの葉を、BTHWAまたは水のみによる最後の処理を過ぎてそれぞれ1、2及び3週間後にウイルスで接種した。結果から、TMV感染によって引き起こされる生物ストレスからの保護が、BTHWA溶液の植物への散水3週間後に効果的であり、保護が葉の6〜7枚目のレベルでも観察されたことが示された。類似した効果が噴霧の事例において生じた。
【0071】
実施例8:タバコモザイクウイルスのウイルス感染によって引き起こされるタバコ(Nicotiana tabacum)cv.Xanthiにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の噴霧による植物の保護における活性物質の用量の決定。
実験は、温室条件下で植物が3枚の発達した葉相である時のモデルのタバコ植物(Nicotiana Tabacum var.Xanthi)で実行した。植物に、5mg/Lから開始し1000mg/Lで終了する活性物質(BTHWA)の濃度を有する作業液の溶液を噴霧した(葉表面を完全に被覆して)。BTHWAの植物毒性を評価した。作業液中のBTHWAが100mg/Lを超える濃度であった場合に、植物毒性効果は、葉の黄化、葉の壊死及び増殖抑制の形態で観察された。低濃度で植物毒性効果は観察されなかった。
【0072】
6日後に、製剤によって引き起こされる抵抗性の誘導の程度を決定するために、<100mg/LのBTHWA濃度の作業液の溶液で処理した植物に、タバコモザイクウイルス(TMV)を接種した。TMVによる感染のさらに4日後に、感染のレベルを、対照と比べて、植物葉上のウイルス病によって引き起こされる壊死スポットの数及びサイズの決定によって評価した。結果(表2に示されるように)から、効率が90%より上で維持される活性BTHWAの可能な限り低い濃度は10mg/Lであることが示される。
【表2】
【0073】
実施例9:TMVウイルスのウイルス感染によって引き起こされるタバコ(Nicotiana tabacum)cv.Xanthiにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の植物の散水による植物保護効果の耐久性の研究。
TMVウイルスに対するタバコ植物のモデルで誘導される抵抗性効果の耐久性についての研究を行った。研究は、植物に20mg/Lの活性物質の濃度の100mlの溶液を1回散水した後に、抵抗性の誘導の効果が植物においてどのくらいの期間存在するのかを実証した。次いで、BTHWA活性物質を含有する溶液を散水した試験植物に、清浄水のみを散水した。次いで、植物の群を、1、3、6、10、15、20、25及び30日後にウイルスに感染させた(表3)。抵抗性の誘導の効果を、対照と比べて、植物の葉上に存在する壊死スポットの数及びサイズの低減によって観察した。表3に示されるように、タバコ植物の事例において、活性物質の適用は少なくとも3日後に植物において抵抗性の活性化を引き起こし、この効果は単回適用後に25日までの間持続した。
【表3】
【0074】
実施例10:オートムギモザイクウイルス(ブロムモザイクウィルスBMV)の感染によって引き起こされる冬オオムギにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の散水による植物の保護。
10cmの直径のポット中のオオムギ植物に、1週間の間隔で、20mg/Lの濃度の70mlのBTHWA溶液を2回散水した。対照オオムギ植物を水のみで処理した。BTHWAの第2の適用の1週間後に、各々の植物において、1つの若い発達した葉にカーボランダムを散布して、小さな擦過(それによりウイルス感染を促進した)を得た。感染は、およそ10μg/Lのウイルス濃度の精製BMV懸濁物の機械的適用によって行った。2週間後に、病気症状に基づいて、対照と比較して、すべての処理したオオムギ植物が生物ストレス効果の存在を示さなかったことが見出された。
【0075】
実施例11:オートムギモザイクウイルス(ブロムモザイクウィルスBMV)の感染によって引き起こされるオオムギにおける生物ストレスからの植物保護の有効性に対するBTHWA濃度の効果。
実施例10に記載されるような手順に従ったが、植物に10mg/Lの濃度のBTHWAの溶液を処理した(散水した)。低濃度のBTHWAも、BMV感染によって引き起こされる生物ストレスを予防した(65%)。
【0076】
実施例12:Psudomonas syringe pv.tomatoの細菌感染によって引き起こされるタバコ(Nicotiana tabacum)cv.Xanthiにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の散水による植物の保護。
3枚の発達した葉のステージのタバコ植物に、1週間の間隔で、20mg/Lの濃度のBTHWA溶液を2回散水した(根に適用した)。対照タバコ植物を水のみで潅漑した。第2の処理の1週間後に、10
5CFU/cm
3の濃度のPsudomonas syringe pv.tomato細菌懸濁物を、インスリン用シリンジ(針なしで)の使用によって葉へ移した。細菌懸濁物を、固形培地上のsyringe pv.tomatoの2日目の培養物から調製した。生物ストレスからの保護を、導入点の葉における細菌増殖の量、後続して壊死スポットの形成に基づいて評価し、これを対照と比較した。細菌感染及びその結果として壊死スポットの形成は対照において観察されたが、これらの効果はBTHWAにより処理した植物において観察されなかった。
【0077】
実施例13:Psudomonas syringe pv.tomatoの細菌感染によって引き起こされるタバコ(Nicotiana tabacum)cv.Xanthiにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の噴霧による植物の保護。
実施例12に記載されるような手順に従ったが、植物に噴霧した(葉へ適用した)。BTHWA溶液は20mg/Lの濃度であった。植物を1週間の間隔で2回噴霧することは、生物ストレスを予防し、細菌感染の影響に対して植物を完全に保護する。
【0078】
実施例14:Psudomonas syringe pv.tomatoの細菌感染によって引き起こされるタバコ(Nicotiana tabacum)cv.Xanthiにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の噴霧または散水による植物の保護の有効性に対するBTHWA濃度の効果。
実施例12及び13に記載されるような手順に従ったが、BTHWA製剤は10mg/Lの濃度で使用した。散水または噴霧によって適用された溶液は生物ストレスが起こることを予防し、処理した植物を細菌感染の効果から完全に保護した。
【0079】
実施例15:上昇させた濃度の細菌細胞Psudomonas syringe pv.Tomatoによって引き起こされるトマトにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の散水による植物の保護。
実施例12に記載されるような手順に従ったが、生物ストレスに対する植物の保護におけるBTHWAの有効性を、およそ10
6CFU/cm
3へ上昇させた細菌細胞濃度に対して試験した。高濃度のPsudomonas syringe pv.tomato細菌でさえ、BTHWAにより処理した植物では、無視できる活性を示した。特に、局所的な壊死スポットは細菌増殖の特徴的な効果として観察されず、したがってこれは感染の効果が阻害されたことを示す。
【0080】
実施例16:Psudomonas syringe pv.tomatoの細菌感染によって引き起こされるトマトにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の散水による植物の保護。
最初のペアの発達した本葉の相のトマト植物に、1週間の間隔で、20mg/Lの濃度のBTHWAを2回散水した。対照トマト植物は水のみで処理した。第2の処理の1週間後に、10
5CFU/cm
3の濃度のPsudomonas syringe pv.tomato細菌懸濁物を、インスリン用シリンジ(針なしで)を使用して葉へ導入した。細菌懸濁物を、固形培地上のPsudomonas syringe pv.tomatoの2日目の培養物から調製した。生物ストレスからの保護を、導入点の葉における細菌増殖の量、後続して壊死スポットの形成に基づいて評価し、これを対照と比較した。処理した植物へのBTHWAの適用の結果として、対照において観察されたものに類似する細菌感染及びその結果として壊死スポットの形成は、観察されなかった。
【0081】
実施例17:Psudomonas syringe pv.tomatoの細菌感染によって引き起こされる生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の噴霧によるトマトLycopersicon Esculentum Millの保護。
実施例16に記載されるような手順に従ったが、植物に噴霧した。BTHWAを20mg/Lの濃度で噴霧によって2回適用した。BTHWAの適用は、生物ストレスを予防し、細菌感染の影響に対して植物を完全に保護した。
【0082】
実施例18:うどん粉病の真菌感染によって引き起こされる生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の散水によるトマトLycopersicon Esculentum Millの保護。
最初のペアの発達した本葉の相のトマト植物に、1週間の間隔で、20mg/Lの濃度のBTHWAを2回散水した。対照トマト植物は水のみで処理した。BTHWAによる第2の処理の1週間後に、うどん粉病真菌懸濁物を、インスリン用シリンジ(針なしで)を使用して葉へ導入した。懸濁物を固形培地の固体の培養物から調製した。生物ストレスからの保護は、真菌が感染した葉の領域の比較に基づいて評価した。処理した植物へのBTHWAの適用の結果として、真菌感染及び感染領域の形成は、対照において観察されたものとは対照的に、観察されなかった。
【0083】
実施例19:うどん粉病の真菌感染によって引き起こされる生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の噴霧によるトマトLycopersicon Esculentum Millの保護。
実施例18に記載されるような手順に従ったが、植物に噴霧した。BTHWAを20mg/Lの濃度で噴霧によって2回適用し、結果として、それは、生物ストレスを予防し、真菌感染の影響に対して植物を完全に保護した(
図2)。
【0084】
実施例20:うどん粉病の真菌感染によって引き起こされるトマトにおける生物ストレスからの植物保護の有効性に対するBTHWA濃度の効果。
実施例18及び19に記載されるような手順に従ったが、BTHWAの溶液は10mg/Lの濃度で使用した。植物の散水及び噴霧のために使用された溶液は、生物ストレスから植物を予防し、真菌感染の影響からほぼ完全に植物を守った。
【0085】
実施例21:ラディッシュ種子の発芽に対するBTHWAの影響。
ラディッシュ種子を、10mg/Lの濃度のBTHWAの水含有溶液、または水のみ(対照サンプル)中に置いた。2日後に、芽の重量増加を検査して、物質が発芽に正の効果があったことを確認した。BTHWAの使用の結果として、胚芽の質量は対照と比較して5%増加し、それが種子発芽のプロセスを加速するのでBTHWAが成長刺激物質として作用したことを示した。
【0086】
実施例22:除草剤によって引き起こされるトマトにおける非生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の散水による植物の保護。
最初のペアの発達した本葉の相のトマト植物に、1週間の間隔で、20mg/Lの濃度のBTHWAを2回散水した。対照トマト植物は水のみで処理した。植物の第2の散水の1週間後に、植物を、除草剤(0.005%用量のグリフォサート水溶液)の形態でストレス因子へ曝露した。除草剤の適用の10日後に、対照と比較して、除草剤で処理した場合に、BTHWAで処理した植物はより少ない負の効果(30%で)を示した。
【0087】
実施例23:除草剤によって引き起こされるタバコにおける非生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の散水による植物の保護。
3枚の発達した葉のステージのタバコ植物(Nicotiana tabacum)var.Xanthiに、1週間の間隔で、20mg/Lの濃度でBTHWAの溶液を2回散水した。対照トマト植物は水のみで処理した。植物の第2の散水の1週間後に、植物を、除草剤(0.005%の水溶液の用量のグリフォサート)の形態でストレス因子へ曝露した。除草剤の適用の10日後に、対照と比較して、除草剤で処理した場合に、BTHWAで処理した植物はより少ない負の効果(26%で)を示した。
【0088】
実施例24:水不足によって引き起こされるトマトにおける非生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の散水による植物の保護。
最初のペアの発達した本葉の相のトマト植物に、1週間の間隔で、20mg/Lの濃度のBTHWAを2回散水した。対照トマト植物は水のみで処理した。第2の処理の1週間後に、植物を、水不足の形態でストレス因子へ曝露した。対照と比較して、散水の中断の10日後に、BTHWAによって処理していない植物の全質量は、処理した植物の重量より10%低かった。
【0089】
実施例25:水不足によって引き起こされるタバコにおける非生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の散水による植物の保護。
3枚の発達した葉のステージのタバコ植物に、1週間の間隔で、20mg/Lの濃度でBTHWAを2回散水した。対照トマト植物は水のみで散水した。第2の処理の1週間後に、植物を、水不足の形態でストレス因子へ曝露した。対照と比較して、散水中断の10日後の、BTHWAによって処理していない植物の全質量は、処理した植物の重量より13%低かった。
【0090】
実施例26:ウイルス感染(ジャガイモウイルスY、PVY)によって引き起こされるジャガイモにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の噴霧による植物の保護。
ジャガイモウイルスY(PVY)によって引き起こされる感染の効果の低減における、20mg/Lの濃度の活性物質BTHWAの葉面適用の有効性を評価する野外実験を、アジュバントとして鉱物油を添加して、行った。試験は、ジャガイモ変種Altesseで行った。研究は、各々の組み合わせについて4連で約20m
2の野外で行った。植物に7日の間隔で活性物質を含有する溶液を噴霧した。
【0091】
最後の塊茎の収穫の前に、各々の植物から1つの塊茎を収集してウイルスによる混入を査定した。収穫した塊茎におけるPVY感染の評価は、DAS ELISA手順を使用して行った。対照実験において、85%を超える塊茎が感染した(表4)。野外条件におけるウイルス感染に対して植物を刺激するための、物質BTHWA(20mg/Lの試験液の用量で)の葉面適用は、処理した植物において、PVYウイルス出現の量でおよそ50%の低減を示した。
【表4】
【0092】
実施例27:真菌感染(Pyrenophora teres)によって引き起こされるオオムギにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の噴霧による植物の保護
オオムギ(Hordeum vulgare(春))での真菌Pyrenophora teresの感染の低減における、20mg/Lの濃度の活性物質BTHWAに鉱物油アジュバントを添加して、葉面適用の有効性の評価に基づく野外実験を、行った。試験はオオムギHordeum vulgare(春)の変種で行った。それゆえ、活性物質溶液の6回の適用を行った。研究は、各々の試験した組み合わせについて4連で約25m
2の野外で行った。植物に10日の間隔で試験液を噴霧した。
【0093】
試験物質の溶液は、適用の間いつでも作物に対する植物毒素の影響を引き起こさなかった。穀類の真菌蔓延の評価は収穫の後に実行した。以下の表(表5)は、対照植物(水で処理した)と比較した、最後の処理の13日後に収穫された作物で決定される感染のパーセンテージ及び真菌病原体に対する有効性のパーセンテージを示す。Pyrenophora teresの感染の予防におけるBTHWAの有効性は約70%であり、真菌感染のパーセンテージは17%のみであった(対照についての65%と比較して)。
【表5】
【0094】
実施例28:真菌感染(Rhynchosporium secalis)によって引き起こされるオオムギにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の噴霧による植物の保護。
オオムギ(Hordeum vulgare(春))での真菌Rhynchosporium secalisの感染の低減における、20mg/Lの濃度の活性物質BTHWAに鉱物油アジュバントを添加して、葉面適用の有効性の評価に基づく野外実験を、行った。試験はオオムギHordeum vulgare(春)の変種で行った。活性物質溶液の6回の適用があった。研究は、各々の試験した組み合わせについて4連で約25m
2の野外で行った。植物に10日の間隔で試験液を噴霧した。
【0095】
試験物質の溶液は、適用の間いつでも作物に対する植物毒素の効果を引き起こさなかった。穀類の真菌蔓延の評価は収穫の後に実行した。以下の表(表6)は、対照植物(水で処理した)と比較した、最後の処理の13日後に収穫された作物で決定される感染のパーセンテージ及び真菌病原体に対する有効性のパーセンテージを示す。Rhynchosporium secalisの感染の予防におけるBTHWAの有効性は約60%であり、真菌感染のパーセンテージは10%のみであった(対照についての26%と比較して)。
【表6】
【0096】
実施例29:真菌感染(Pyrenophora teres)によって引き起こされるオオムギにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の噴霧に後続する減少させた用量(50%で)の一般的な殺真菌薬の処理による植物の保護。
オオムギ(Hordeum vulgare(春))での真菌Pyrenophora teresの感染の低減における、20mg/Lの濃度の活性物質BTHWA(商業的なアジュバントを添加して)の葉面適用に後続する、一般的な殺真菌薬(1haあたり適用のために250gの活性物質を含有する製剤中のテブコナゾール)による処理の有効性を評価調査する野外実験を行った。殺真菌薬を推奨された用量50%の量(125g/ha)で適用した。活性物質BTHWA溶液の6回の適用を行った。対照として、殺真菌薬の1回の適用を、製品ラベル上に示される時間で行った。研究は、各々の試験した組み合わせについて4連で約25m
2の野外で行った。植物に10日の間隔でBTHWAの試験液を噴霧した。
【0097】
試験物質の溶液は、適用の間いつでも作物に対する植物毒素の影響を引き起こさなかった。穀類の真菌蔓延の評価は収穫の後に実行した。以下の表(表7)は、対照植物(水による処理、及び完全な用量の殺真菌薬単独による処理)と比較した、BTHWAでの最後の処理の13日後に収穫された作物で決定される感染のパーセンテージ及び真菌病原体に対する有効性のパーセンテージを示す。BTHWA及び殺真菌薬の組み合わせ処理は、Pyrenophora teresの感染の予防において約95%の有効性及び3%のみの真菌感染のパーセンテージをもたらした。
【表7】
【0098】
実施例30:真菌感染(Pyrenophora teres)によって引き起こされるオオムギにおける生物ストレスに対するBTHWAを含有する溶液の噴霧に後続する減少させた用量(66%で)の一般的な殺真菌薬の処理による植物の保護。
オオムギ(Hordeum vulgare(春))での真菌Pyrenophora teresの刺激(及び感染の低減)における、20mg/Lの濃度のBTHWA(商業的なアジュバントを添加して)の葉面適用に後続する、一般的な殺真菌薬(1haあたり適用のために250gの活性物質を含有する製剤のテブコナゾール)による処理の有効性を評価調査する野外実験を行った。殺真菌薬を推奨された用量33%の量(83g/ha)で適用した。活性物質BTHWA溶液の6回の適用を行った。対照として、殺真菌薬の1回の適用を、製品ラベル上に示される時間で行った。研究は、各々の試験した組み合わせについて4連で約25m
2の野外で行った。植物に10日の間隔でBTHWAの試験液を噴霧した。
【0099】
試験物質の溶液は、適用の間いつでも作物に対する植物毒素の影響を引き起こさなかった。穀類の真菌蔓延の評価は収穫の後に実行した。以下の表(表8)は、対照植物(水による処理、及び完全な用量の殺真菌薬単独による処理)と比較した、BTHWAでの最後の処理の13日後に収穫された作物で決定される感染のパーセンテージ及び真菌病原体に対する有効性のパーセンテージを示す。BTHWA及び殺真菌薬の組み合わせ処理は、Pyrenophora teresの感染の予防において約90%の有効性及び5%のみの真菌感染のパーセンテージをもたらした。
【表8】
【0100】
添付の請求項の組成物及び方法は、本明細書において記述される具体的な組成物及び方法によって範囲を限定されず、それらは請求項の少数の態様の例証として意図され、機能的に等価な任意の組成物及び方法は請求項の範囲内に入ることが意図される。本明細書において示され記述されるものに加えて組成物及び方法の様々な修飾は、添付の請求項の範囲内に入ることが意図される。さらに、本明細書において開示される特定の代表的な組成物およ方法ステップのみが具体的に記述されているが、他の組成物及び方法ステップの組み合わせもまた、具体的に列挙されなかったとしても、添付の請求項の範囲内に入ることが意図される。したがって、ステップ、要素、構成要素または成分の組み合わせは、本明細書において明示的に述べることができるが、明示的に述べられなかったとしても、ステップ、要素、構成要素及び成分の他の組み合わせが含まれる。