特許第6895454号(P6895454)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6895454レスピレータ適合チェック密封デバイス及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6895454
(24)【登録日】2021年6月9日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】レスピレータ適合チェック密封デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   A62B 18/10 20060101AFI20210621BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20210621BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
   A62B18/10
   A62B18/02 A
   F16K27/00 B
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-550804(P2018-550804)
(86)(22)【出願日】2017年3月15日
(65)【公表番号】特表2019-516429(P2019-516429A)
(43)【公表日】2019年6月20日
(86)【国際出願番号】US2017022401
(87)【国際公開番号】WO2017172358
(87)【国際公開日】20171005
【審査請求日】2020年3月12日
(31)【優先権主張番号】62/313,942
(32)【優先日】2016年3月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100157185
【弁理士】
【氏名又は名称】吉野 亮平
(72)【発明者】
【氏名】ミッテルシュタット,ウィリアム エー.
(72)【発明者】
【氏名】ブロンベルク,デイビッド エム.
(72)【発明者】
【氏名】ホルムクイスト−ブラウン,トーマス ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】サーノハウス,アダム ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】コーウェル,マイケル ジェイ.
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特表2016−506791(JP,A)
【文献】 実開昭60−099947(JP,U)
【文献】 実開昭60−099946(JP,U)
【文献】 特開平02−019175(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0216474(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 7/00−33/00
F16K 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者のための呼吸可能空気領域を画定するマスク本体と、
第1の弾性シールと、
前記第1の弾性シールと密封係合した前記マスク本体に取り付けられるように構成された第1の呼吸用空気源構成要素と、
開構成と前記第1の呼吸用空気源構成要素を通した前記呼吸可能空気領域への流体連通が阻止される閉構成との間を操作可能な弁アセンブリと、
を備え、
前記弁アセンブリは前記閉構成において前記第1の弾性シールと密封係合している、呼吸保護装置。
【請求項2】
着用者のための呼吸可能空気領域を画定し、第1の受け部を有するマスク本体であって、前記第1の受け部は、第1の端部領域及び第2の端部領域を有し、第1の呼吸用空気源構成要素を少なくとも部分的に受け入れるように構成された第1の通路を画定する第1の弾性シールを含む、マスク本体と、
開構成と、前記第1の呼吸用空気源構成要素と前記呼吸可能空気領域との間の流体連通が遮断される閉構成との間を操作可能な弁アセンブリと、
を備え、
前記弁アセンブリは、前記弁アセンブリが、前記呼吸用空気源構成要素と前記呼吸可能空気領域との間の流体連通を阻止するための閉鎖位置にある時には、前記弾性シールの前記第2の端部領域と係合しており、前記弾性シールは、前記弾性シールの前記第1の端部領域において前記呼吸用空気源構成要素と密封係合するように構成されている、呼吸保護装置。
【請求項3】
前記マスク本体が第2の受け部を含み、前記第2の受け部は、第1の端部領域及び第2の端部領域を有し、第2の呼吸用空気源構成要素を受け入れるように構成された第2の通路を画定する第2の弾性シールを含み、前記弁アセンブリが、前記第2の呼吸用空気源構成要素と前記呼吸可能空気領域との間の流体連通を阻止するための閉鎖位置にある時には、前記第2の弾性シールの前記第2の端部領域と係合しており、前記弾性シールが、前記弾性シールの前記第1の端部領域において前記第2の呼吸用空気源構成要素と密封係合するように構成されている、請求項2に記載の呼吸保護装置。
【請求項4】
呼吸保護装置を操作する方法であって、
弁アセンブリを、マスク本体に取り付けられた呼吸用空気源構成要素が弾性シールと密封係合し、前記マスク本体によって画定された呼吸可能空気領域と流体連通している、開構成から、前記呼吸用空気源構成要素を通した流体連通が閉鎖されている閉構成へ操作する工程を含み、
前記弁アセンブリを閉構成へ操作することが前記弁アセンブリと前記弾性シールとの間の密封係合を生じさせる、方法。
【請求項5】
着用者のための呼吸可能空気領域を画定し、第1の受け部を有するマスク本体であって、前記第1の受け部は、第1の端部領域及び第2の端部領域を有し、第1の呼吸用空気源構成要素を少なくとも部分的に受け入れるように構成された第1の通路を画定する第1の弾性シールを含む、マスク本体を備え、
前記弾性シールは、前記弾性シールの前記第1の端部領域において前記呼吸用空気源構成要素と密封係合するように構成されており、前記第2の端部領域は、前記第2の端部領域から前記第1の端部領域へ向かう空気流を阻止するために、閉鎖するように構成されている、呼吸保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、適合チェックデバイスを含む呼吸保護装置及び方法、並びにいくつかの実施形態では、弾性シールを含む呼吸保護装置を記載する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ユーザの鼻及び口を覆い、呼吸可能空気を着用者に提供するレスピレータ保護デバイスが周知である。空気は着用者によって呼吸可能空気源を通して引き込まれ、又は、ファン若しくは送風器によって、空気が着用者によって吸気され得る呼吸領域内へ強制的に送り込まれる。
【0003】
呼吸可能空気を着用者へ効果的に送るために、呼吸保護装置は、濾過されていない空気がマスクに入るのを阻止する。例えば、呼吸保護装置の、接顔部の密封の完全性を試験するための様々な技法が提案されている。正圧試験では、着用者がマスク内へ呼気する間、呼吸保護装置の呼気弁が遮断される。漏れが存在しない場合には、空気がマスクから出ることができないことによる内圧の増大によって、十分な密封が合図され得る。代替的に、着用者が、マスクを着用し、同時に吸気する間,フィルタカートリッジポートが遮断される負圧試験が提案されている。漏れが存在しない場合には、空気がマスクに入ることができないことによる内圧の低下によって、十分な密封が合図され得る。負圧又は正圧試験を促進するための、1つ以上のポートを遮断する様々な機構が提供されている。
【発明の概要】
【0004】
本明細書において説明される特定の諸実施形態は、着用者のための呼吸可能空気領域を画定するマスク本体と、第1の弾性シールと、第1の弾性シールと密封係合したマスク本体に取り付けられるように構成された第1の呼吸用空気源構成要素と、開構成と第1の呼吸用空気源構成要素を通した呼吸可能空気領域への流体連通が阻止される閉構成との間を操作可能な弁アセンブリと、を含む呼吸保護装置を提供する。弁アセンブリは閉構成において第1の弾性シールと密封係合している。
【0005】
諸実施形態は以下の特徴のうちのいずれかを含んでもよいし、全てを含んでもよいし、又は1つも含まなくてもよい。弁アセンブリがアクチュエータ及び第1のシール面を含み得、第1のシール面は、弁アセンブリが閉構成になっている時には、第1の弾性シールと密封係合している。アクチュエータが、開構成と閉構成との間で長手方向軸に沿って直線運動するように構成され得る。シール面が、開構成と閉構成との間で直線運動するように構成され得る。シール面が、開構成と閉構成との間で枢動するように構成され得る。シール面が、弁アセンブリが閉構成になっている時には弾性シールの内部に向かって延びる突起を含み得る。弾性シールが、第1の端部領域及び第2の端部領域、外面、並びに第1の呼吸用空気源構成要素を受け入れるように構成された通路を画定する内面を含み得る。呼吸用空気源構成要素が、マスク本体に取り付けられると、弾性シールの内面と密封係合し得る。弾性シールの外面の少なくとも一部分が、弁アセンブリが開構成になっている時には、硬質な構成要素と接触していなくてもよい。弾性シールの第2の端部領域が、浮動型の端部であり得る。弁アセンブリの第1のシール面が、弁アセンブリが閉構成になっている時には、弾性シールの第2の端部領域と密封係合し得る。弾性シールの第2の端部領域が、内向きに曲がった端部を含み得る。閉構成において、弁アセンブリの第1のシール面が、内向きに曲がった端部において外面と接触し得る。閉構成において、弾性シールの第2の端部領域が弁アセンブリの第1のシール面によって締め付けられて閉じ得る。弾性シールが第2の端部領域において、減少した材料厚さを有し得、第2の端部領域が、空気が第1の端部領域から第2の端部領域に向かって流れる際には、開放するように構成されており、第2の端部領域から第1の端部領域へ向かう空気流を阻止するために、閉鎖するように構成されている。呼吸保護装置は、マスク本体に取り付けられるように構成された第2の呼吸用空気源構成要素を含み得る。呼吸保護装置は、第2の弾性シールと、マスク本体に取り付けられるように構成された第2の呼吸用空気源構成要素とを含み得、第2の呼吸用空気源構成要素は、マスク本体に取り付けられると、第2の弾性シールと密封係合しており、弁アセンブリは閉構成において第2の弾性シールと密封係合している。
【0006】
本明細書において説明される特定の諸実施形態は、着用者のための呼吸可能空気領域を画定し、第1の受け部を有するマスク本体であって、第1の受け部は、第1の端部領域及び第2の端部領域を有し、第1の呼吸用空気源構成要素を少なくとも部分的に受け入れるように構成された第1の通路を画定する第1の弾性シールを含む、マスク本体と、開構成と、第1の呼吸用空気源構成要素と呼吸可能空気領域との間の流体連通が遮断される閉構成との間を操作可能な弁アセンブリと、を含む呼吸保護装置を提供する。弁アセンブリは、弁アセンブリが、呼吸用空気源構成要素と呼吸可能空気領域との間の流体連通を阻止するための閉鎖位置にある時には、弾性シールの第2の端部領域と係合しており、弾性シールは、弾性シールの第1の端部領域において呼吸用空気源構成要素と密封係合するように構成されている。
【0007】
諸実施形態は以下の特徴のうちのいずれかを含んでもよいし、全てを含んでもよいし、又は1つも含まなくてもよい。第1の受け部がマスク本体と一体形成され得る。第1の受け部が、マスク本体によって画定された開口部内に位置し得る。弾性シールの第2の端部領域が、内向きに曲がった端部を含み得る。弾性シールが、弾性シールを貫く通路を画定する内面、及び外面を含み得る。外面が、弁アセンブリが開放位置にある時には、硬質な構成要素と接触していなくてもよい。第2の端部領域が、浮動型の端部であり得る。弁アセンブリが閉構成において弾性シールの外面の一部分と係合し得る。マスク本体が第2の受け部を含み得、第2の受け部は、第1の端部領域及び第2の端部領域を有し、第2の呼吸用空気源構成要素を受け入れるように構成された第2の通路を画定する第2の弾性シールを含む。弁アセンブリは、弁アセンブリが、第2の呼吸用空気源構成要素と呼吸可能空気領域との間の流体連通を阻止するための閉鎖位置にある時には、第2の弾性シールの第2の端部領域と係合し得、弾性シールが、弾性シールの第1の端部領域において第2の呼吸用空気源構成要素と密封係合するように構成され得る。弁アセンブリが開構成の方へ付勢され得る。アクチュエータがボタンを含み得、ボタンは、弁アセンブリが閉構成になっている時には、押下され得る。
【0008】
本明細書において説明される特定の諸実施形態は、呼吸保護装置を操作する方法であって、弁アセンブリを、マスク本体に取り付けられた呼吸用空気源構成要素が弾性シールと密封係合し、マスク本体によって画定された呼吸可能空気領域と流体連通している、開構成から、呼吸用空気源構成要素を通した流体連通が閉鎖されている閉構成へ操作する工程を含む、方法を提供する。弁アセンブリを閉構成へ操作することは弁アセンブリと弾性シールとの間の密封係合を生じさせる。弁アセンブリは、閉構成において弾性シールと係合するシール面を含み得る。弁アセンブリを閉構成へ操作することは、弾性シールによって画定された通路を通した空気流を阻止するよう、弾性シールの端部領域を締め付けることを含み得る。
【0009】
1つ以上の実施形態の詳細を、添付の図面及び以下の説明で明らかにする。上記発明の概要は、各々の開示される実施形態又は全ての実施形態を記載することを意図するものではない。他の特徴及び利点は、発明を実施するための形態及び図面から、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本記載は添付の図を参照して更に与えられる。その際、同様の構造は、いくつかの図全体を通じて同様の数字によって参照される。
【0011】
図1】例示的な呼吸保護装置の斜視図である。
【0012】
図2】例示的な弾性シールの斜視図である。
【0013】
図3】例示的な呼吸保護装置の部分断面図である。
【0014】
図4】第1及び第2の呼吸用空気源構成要素を含む図3の呼吸保護装置の部分断面図である。
【0015】
図5】閉構成における弁アセンブリを示す図3の呼吸保護装置の部分断面図である。
【0016】
図6】開構成における弁アセンブリを示す図3の呼吸保護装置の拡大断面斜視図である。
【0017】
図7】閉構成における弁アセンブリを示す図3の呼吸保護装置の拡大断面斜視図である。
【0018】
図8】例示的な呼吸保護装置の部分断面斜視図である。
【0019】
図9】閉構成における弁アセンブリを示す図8の呼吸保護装置の部分断面図である。
【0020】
図10A】例示的な弾性シールの斜視図である。
図10B】例示的な弾性シールの斜視図である。
【0021】
図11】例示的な呼吸保護装置の部分断面図である。
【0022】
図12図11の呼吸保護装置の部分断面図である。
【0023】
図13】閉構成における弁アセンブリを示す図11の呼吸保護装置の部分断面図である。
【0024】
前述した図では、開示した主題の様々な実施形態について記載しているが、他の実施形態も考えられる。全ての場合において、本開示は、開示される主題を、限定としてではなく代表として示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示は、1つ以上の呼吸用空気源構成要素を受け入れるように構成された着用者のための呼吸可能空気領域を画定するマスク本体を含む呼吸保護装置を提供する。呼吸保護装置は、呼吸可能空気が呼吸用空気源構成要素から呼吸可能空気領域内へ通過し得る開放位置と、空気流が遮断される閉鎖位置との間を選択的に操作可能な弁アセンブリを含む。いくつかの例示的な実施形態では、呼吸保護は弾性シールを含み、呼吸用空気源構成要素及び弁アセンブリは閉構成において弾性シールと密封係合している。
【0026】
図1を参照すると、着用者の口及び/又は鼻を覆う例示的な呼吸保護装置100が示されている。呼吸保護装置100は、1つ以上の受け部120を有するマスク本体110を含む。1つ以上の呼吸用空気源構成要素150が1つ以上の受け部120においてマスク本体110に取り付けられ得る。第1及び第2の呼吸用空気源構成要素150は、外部環境から受け入れられた空気を、空気がマスク本体の呼吸可能空気領域に入る前に濾過するフィルタカートリッジを含み得る。他の例示的な諸実施形態では、第1及び第2の呼吸用空気源構成要素150は、管若しくは導管、動力式空気浄化レスピレータ構成要素、又はその他の適切な呼吸用空気源構成要素150などの、供給空気構成要素を含み得る。
【0027】
マスク本体110は、硬質又は半硬質部分110a及び柔軟な顔面接触部分110bを含み得る。柔軟な顔面接触部分110bは、マスク本体110が人の鼻及び口の上で快適に支持され、且つ/又は着用者の顔面との十分な密封をもたらすことを可能にする可撓性材料を含む。顔面接触部材110bは、着用者の鼻の上及び着用者の頬に対する快適でぴったりした適合を促進するための内曲した折り返し部(cuff)を有し得る。硬質又は半硬質部分110aは構造的完全性をマスク本体110にもたらし得る。様々な例示的な実施形態では、マスク本体部分110a、110bは、一体的に設けるか又は後に恒久的に若しくは取り外し可能な方式で結合される1つ以上の別個に形成された部分として設けることもできる。
【0028】
マスク本体110は、着用者による呼気の間にマスク本体110内の内部空間から空気がパージされることを可能にする呼気ポート111を含む。例示的な一実施形態では、呼気弁はマスク本体110の中央に位置している。例えば、ダイアフラム又は逆止弁を含む呼気弁は、外部空気の進入を阻止しつつ、マスク本体110内の空気が正圧のゆえに選択的に出て行くことを可能とする。いくつかの例示的な実施形態では、呼気ポート111は、マスク本体の相対的に下部の部分、例えば、着用者の口の下方に位置している。
【0029】
マスク本体110を着用者の口及び/又は鼻の上の所定位置に支持するために、ハーネス又はその他の支持アセンブリ(図1には示されていない)が設けられてもよい。例示的な一実施形態では、ハーネスは、着用者の頭部の背後を通り、且つ/又は例えば、着用者の頭部上で支持される頭頂部材若しくは頭部着用サスペンションに取り付けられ得る1つ以上のストラップを含む。
【0030】
フィルタカートリッジなどの、1つ以上の呼吸用空気源構成要素150が第1及び第2の受け部120においてマスク本体110に取り付けられ得る。例示的な一実施形態では、第1及び第2の受け部120は、マスク本体110の両側に、例えば、マスク本体110の止め具部分に近接して位置している。第1及び第2の受け部120は、フィルタカートリッジがマスク本体110にしっかりと取り付けられ得るよう、相補的嵌合機構を含む。嵌合機構は、第1及び第2のフィルタカートリッジが、それらの有効寿命の終わりに、又は異なる呼吸用空気源構成要素の使用が所望される場合に、取り外されて交換され得るよう、取り外し可能な接続をもたらし得る。代替的に、接続は永久的であってもよく、そのため、フィルタカートリッジは、フィルタカートリッジへの損傷を生じることなく取り外すことができない。
【0031】
呼吸用空気源構成要素150は、例えば、1つ以上のラッチ、ねじ、コネクタ、又は相補的機構によって受け部120に固定され得る。例示的な一実施形態では、呼吸保護装置100は、呼吸用空気源構成要素150をマスク本体110の受け部120に固定するカンチレバーラッチ130を含む。カンチレバーラッチ130は、呼吸用空気源構成要素150と一体形成されており、出口ノズル155と実質的に平行であり、及び/又は少なくとも部分的に同一の広がりを持ち得る。受け部120及び/又はマスク本体110は、カンチレバーラッチ130と協働し、本体110と呼吸用空気源構成要素150との間のしっかりした接続をもたらす1つ以上の相補的嵌合機構を含み得る。様々な例示的な実施形態では、受け部120及び/又はマスク本体110は、呼吸用空気源構成要素150の機構と協働するカンチレバーラッチ130を含み得、カンチレバーラッチ130及び/又は相補的嵌合機構は撓むことによりしっかりした係合をもたらし得る。
【0032】
フィルタカートリッジ105などの呼吸用空気源構成要素150は、例えば、周囲空気を、空気がマスク本体110の内部空間内へ通過する前に濾過し得る。例示的な一実施形態では、フィルタカートリッジ105は、第1及び第2の主面151、152を含む本体部分153を含み、第1及び第2の主面151、152の間に少なくとも部分的に延びる1つ以上の側壁154を含み得る。第1及び第2の主面151、152及び/又は側壁のうちの1つ以上は少なくとも部分的に流体透過性であり、空気がフィルタカートリッジ105に入ることを可能にする。いくつかの例示的な実施形態では、フィルタカートリッジ105は、外部ハウジングを有しない、又はハウジングによって部分的に包囲された濾材を主に含み得る。
【0033】
フィルタカートリッジ105は、流体がフィルタカートリッジ105からマスク本体110内へ出ることを可能にするための出口ノズル155を含む。例示的な一実施形態では、出口ノズル155は側壁154などの本体部分153から外向きに延び、先端部156、外面157、及び出口ノズル155を貫く空気流通路を画定する内面を含む。様々な例示的な実施形態では、出口ノズル155は、第1若しくは第2の主面151、152、1つ以上の側壁154、又はこれらの組み合わせのうちの任意のものに近接して位置し得る。
【0034】
フィルタカートリッジ105は、少なくとも部分的に、受け部120と係合することによって、マスク本体110に固定される。例示的な一実施形態では、出口ノズル155は、弾性シール(図1には示されていない)によって部分的に画定された受け部120の開口部内に挿入される。硬質な外側部分又は受け部120は、例えば、マスク本体110とフィルタカートリッジ105との間の主たる構造的支持及び安定性をもたらし得、弾性シールは外面157並びに/又は出口ノズル155及びフィルタカートリッジ150の他の部分と密封係合し得、外部環境からの汚染物又はごみの進入を阻止する。
【0035】
呼吸保護装置100は、1つ以上の呼吸用空気源構成要素150からマスク本体110の呼吸可能空気領域への空気流を選択的に阻止するための弁アセンブリ170を含む。弁アセンブリ170は、本明細書においてより詳細に説明されるように、呼吸用空気源構成要素150との間の流体連通が遮断される閉構成と、呼吸可能空気が呼吸用空気源構成要素150からマスク本体110の呼吸可能空気領域へ流れ得る開構成との間を操作可能である。
【0036】
図2を参照すると、第1の端部領域261、第2の端部領域262、外面263、及び通路265を少なくとも部分的に画定する内面264を含む例示的な弾性シール260が示されている。第1の端部領域261は、受け部120(図1)などの、マスク本体の硬質な構成要素に接続され得る。例示的な一実施形態では、弾性シール260は、マスク本体110に取り付けられた、フィルタカートリッジ150などの、呼吸用空気源構成要素の外面を少なくとも部分的に包囲する弾性スリーブを提供し、呼吸用空気源構成要素150の少なくとも一部分が通路265内に位置し得るよう、第1及び第2の端部の間の長さ(L)を有する。いくつかの例示的な実施形態では、長さ(L)は、5mm〜100mm、10mm〜40mm、又は約20mmであり得る。弾性シール260の第2の端部領域262及び/又は様々な場所は、本明細書においてより詳細に説明されるように、浮動型とするか、又は別の様態でマスク本体110の硬質な構成要素に留められていなくてもよく、それにより、弾性シール260は少なくとも部分的にマスク本体110の一部分とは独立して運動又は変形し得る。
【0037】
第2の端部領域262は、弾性シール260を通した空気流を選択的に遮断する、弁アセンブリ170などの弁アセンブリの構成要素との密封係合のために構成されている。第2の端部領域262は、弁アセンブリの構成要素と密封係合し得る周辺部267を含む。例えば、第2の端部領域262は、周辺部267の周りに少なくとも部分的に延びる内向きに曲がったリップ266を含む。第2の端部領域262、及び/又は内向きに曲がったリップ266は、弁アセンブリの一部分が容易に接触して密封係合を作り出し得る表面を提供する。第2の端部領域262、及び/又は周辺部267は、通路265を通した空気流を遮断するべく十分な密封を促進するために、適合性及び可撓性を有する。
【0038】
図3図5を参照すると、呼吸保護装置300の部分断面図が示されている。呼吸保護装置300は、呼吸可能空気領域311を画定するマスク本体310(その一部は図3図5において省略されている)を含み、いくつかの実施形態では、上述された呼吸保護装置100と同様であり得る。呼吸保護装置300は、ユーザが適合試験を実行し得るよう、1つ以上の呼吸用空気源構成要素からの空気流を選択的に遮断する弁アセンブリ370を含む。
【0039】
弁アセンブリ370は、アクチュエータ371、及び1つ以上のシール面373を有するプランジャ372を含む。アクチュエータ371は、ユーザによって、弁アセンブリ370を開構成と閉構成との間で運動させるように操作可能である。アクチュエータ371は、プランジャ372を運動させるよう、内向きに押されるか、又は他の様態で操作され得る、オーバーモールドされた弾性押しボタン、スライド可能ボタンなどの、ボタンであり得る。例えば、アクチュエータ371は、プランジャ372を弾性シール360に向かって運動させるよう、内向きに押され得る。様々な例示的な実施形態では、アクチュエータ371は、弁アセンブリを開構成と閉構成との間で運動させるように操作可能なひねり機構、レバー、スライダ、又は他の適切なアクチュエータ371を代替的又は追加的に含み得る。いくつかの実施形態では、弁アセンブリは、呼吸可能空気領域311を少なくとも部分的に画定するマスク本体310の後方部分と係合するか、又はそれと一体形成された、マスク本体310の前方部分(図3図5には示されていない)により少なくとも部分的に支持され得る。
【0040】
図3図4に示される開構成では、空気は、フィルタカートリッジ350から、弾性シール360、例えば、ダイアフラム又はフラップ弁381を含む1つ以上の流体連通構成要素380を通して、呼吸可能空気領域311内へ流れ得る。図5に示される閉構成では、シール面373は弾性シール360のそれぞれの第2の端部領域362と密封係合している。シール面373と弾性シール362との間の密封係合はフィルタカートリッジ350(図4)から呼吸可能空気領域311への空気流を実質的に阻止する。例えば、プランジャ372は、第1の弾性シール360の第2の端部領域362と密封係合し得る第1のシール面373を含む。プランジャ373は、第2の弾性シール360の第2の端部領域362と密封係合し得る第2のシール面373を含み得る。呼吸用空気源構成要素からの1つ以上の流体経路を選択的に遮断するための1つ以上の追加のシール面がプランジャ372によって提供されてもよい。
【0041】
弁アセンブリ370は、ユーザによる印加力が存在しない場合には所望の構成へ戻るように付勢されていてもよい。例えば、弁アセンブリ370は、ユーザによって解放されると弁アセンブリ370を開構成(図3図4)へ戻す1つ以上の弾力性のある部材を含む。例示的な一実施形態では、アクチュエータ371は、プランジャ372を、シール面373が弾性シール360の第2の端部領域362と密封係合していない開構成の方へ付勢する弾力性のある部材の役割を果たす弾性ボタンである。アクチュエータ371は、アクチュエータ371を支持し、アクチュエータ371を開構成へ付勢するためにマスク本体310の外壁又はその他の硬質な構成要素に取り付けられた可撓性ウェブ374を含み得る。ウェブ374は、アクチュエータがユーザによって内向きに押されると弾性的に変形することができ、その一方で、ユーザによる印加力が存在しない場合には弁アセンブリ370を開構成へ戻すように作用する可撓性又は柔軟材料で形成されている。代替的に、又は追加的に、弁アセンブリ370は1つ以上の弾力性のある部材を含み得る。様々な例示的な実施形態では、例えば、コイルばね、板ばね、又は弾性バンドが、弁アクチュエータ371及び/又はプランジャ372を開放位置に向かって付勢するために設けられ得る。
【0042】
アクチュエータ371及びプランジャ372は、開構成と閉構成との間の操作を促進するために、直接又は間接的に、接続され得る。例示的な一実施形態では、プランジャ372は、アクチュエータ371と比べてより高度の硬質性又は堅さを有する。アクチュエータ371とプランジャ372とは、プランジャ372のアパーチャ376を貫いて位置するアクチュエータ371のスナップ嵌めコネクタ375によって結合されていてもよい。代替的に、又は加えて、アクチュエータ371とプランジャ372とは、例えば、リベット、メカニカルファスナー、接着剤、又は1つ以上の中間構成要素によって結合されていてもよい。実質的に硬質なプランジャ372は弾性シール360の実質的に可撓性又は柔軟な第2の端部領域362との堅牢な密封係合を促進し得る。
【0043】
使用時には、フィルタカートリッジ350などの呼吸用空気源構成要素が受け部320と係合させられ得る。受け部320は、フィルタカートリッジ350の出口ノズル355が、弾性シール360によって画定された通路365内へ滑り込み得るように構成されている。出口ノズル355の外面357は弾性シール360の内面364と接触し、フィルタカートリッジ350と受け部320との間の密封係合をもたらす。硬質な外側部分321がマスク本体310とフィルタカートリッジ350との間の実質的な構造的支持及び安定性をもたらし得、その一方で、弾性シール360とフィルタカートリッジ350との間の係合が、外部環境からの不要な汚染物又はごみの進入を阻止するために十分な密封をもたらす。
【0044】
例示的な一実施形態では、出口ノズル355の外面357は、出口ノズル355と弾性シール360との間の締まり嵌め及びぴったりとした密封係合を増進するために、内面364によって画定された通路365より相対的に大きくてもよい。代替的に、又は加えて、弾性シール360は、壁厚が変化する、及び/又は凹凸がある形状を有する部分を含み得る。例えば、内面364は、出口ノズル355の外面357と接触するように構成された場所に位置した1つ以上のリブ367を含み得る。1つ以上のリブ367は、十分な密封をもたらすために、出口ノズルの周辺部の周りの連続的接触を増進する。更に、1つ以上のリブ367は、フィルタカートリッジ350を受け部320と係合させる際にユーザによる過度の力を必要とすることなく堅牢な密封を増進し得る、出口ノズル355と弾性シール360との間の圧力が集中する部分を提供し得る。
【0045】
弾性シール360の少なくとも一部分は、外向きの弾性変形若しくは拡大を拘束するであろう、硬質な外側部分321などのマスク本体310の硬質な構成要素と直接接触しないよう、浮動型又は別の様態とし得る。弾性シール360は、出口ノズル355が通路365内に密封係合している間に、撓曲及び/又は関節運動することができ、出口ノズル355及び/又はフィルタカートリッジ350の運動を追跡する、又はそれに追随し得る。それゆえ、マスク本体310とフィルタカートリッジ350との間の相対運動の最中でさえも、堅牢な密封が維持され得る。
【0046】
マスク本体310がユーザの口及び/又は鼻の上の使用位置にあり、1つ以上のフィルタカートリッジ350がマスク本体310に係合した状態で、弁アセンブリ370は、適合試験を実行するために、開構成から閉構成へ操作され得る。アクチュエータ371を内向きに押すことによる、アクチュエータ371の操作は、例えば、プランジャ371を開放位置(図4)から閉構成(図5)へ直線運動させる。閉構成では、シール面373の実質的に平面状の接触面が第2の端部領域362の周辺部367の位置に整合しており、弾性シール360の第2の端部領域362と密封係合している。
【0047】
開構成から閉構成への弁アセンブリ370の操作は、ユーザが、例えば、着用者によって観察され得る漏れの存在及び/又は不存在のインジケータを提供することによって、適切な密封がマスク本体310とユーザの顔面との間に形成されていることを確認するための適合試験を実行することを可能にする。弁アセンブリ370が閉構成になっている時には、空気は、フィルタカートリッジ350から呼吸可能空気領域311に入るのを阻止される。それゆえ、閉構成における着用者による吸気はマスク本体310内に負圧を作り出し、ユーザが更に吸気することが次第により困難になり得る。代替的に、又は追加的に、閉構成における吸気は、ユーザの顔面との密封が形成されている場合には、柔軟な顔面接触部分310bを内向きに撓ませ得る。十分な密封が達成されていない場合には、負圧は作り出され得ず、十分な密封に伴う表示はなされ得ない。したがって、閉構成への弁アセンブリ370の操作、及びそれに続くユーザによる吸気は、十分な密封が呼吸保護装置300とユーザの顔面との間に形成されているかどうかを示す。
【0048】
アクチュエータ371及び/又はプランジャ372は、開構成と閉構成との間で長手方向軸に沿って直線運動するように構成され得る。例えば、アクチュエータ371及び/又はプランジャ372は、アクチュエータ371及び/又はプランジャ372の中心を通って延びる長手方向軸(A)に沿って開構成と閉構成との間で直線運動し得る。長手方向軸(A)はアクチュエータ371の外面と直交して延びてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、長手方向軸(A)はアクチュエータ371、プランジャ372及び流体連通構成要素380の実質的に中心を通過する。
【0049】
第1及び/又は第2のシール面373は開構成と閉構成との間の移動軸に沿って同様に直線運動し得、長手方向軸(A)から角度を有し、オフセットし得る。例えば、第1のシール面373は、長手方向軸(A)を通って鉛直に延びる平面と実質的に垂直又は平行でない、実質的に平面状の主面を含む。代替的に、又は追加的に、第1のシール面373の移動軸は、第2の端部領域362において通路365の中心を通って延びる弾性シール360の長手方向軸(B)と非同軸又は非平行であり得る。いくつかの実施形態では、長手方向軸(A)に対する第1のシール面373の角度は、長手方向軸(A)に対する第2の端部領域362の角度と実質的に同一であり、それにより、第1のシール面373と第2の端部領域362の周辺部367とは閉構成において実質的に位置が整合している。このように、プランジャ362及び/又は第1のシール面373は、第2の端部領域362の周辺部367の周りにおける適切な接触を生み出し、十分な密封をもたらしつつ、開構成から閉構成へ直線的に移動し得る。本明細書において説明されているように角度を有する第1のシール面373は、第1のシール面373と弾性シール360の第2の端部領域362との間の適切な接触及び堅牢な密封係合を促進する。
【0050】
弁アセンブリ370は、アクチュエータ371及び/又はプランジャ372の直線移動を促進する1つ以上の構成要素を含み得る。例えば、アクチュエータ371及び/又はプランジャ372は、長手方向軸(A)に沿って位置するシャフト又はレールに沿って移動し得る。代替的に、又は追加的に、アクチュエータ371及び/又はプランジャ372は、長手方向軸(A)と平行、且つ長手方向軸(A)から離間配置されたシャフト又はレールに沿って移動し得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ371及び/又はプランジャ372は「浮動型とする」か、又は実質的にアクチュエータ371の可撓性ウェブ374によって支持されていてもよい。可撓性ウェブ374はアクチュエータ371及び/又はプランジャ372を開構成と閉構成との間の運動の間に長手方向軸(A)と実質的に位置が整合した状態に維持し、シール面373を弾性シール360の第2の端部領域362との適切な整合のための所定位置に維持し得る。
【0051】
プランジャ372及び弾性シール360は、閉構成における一貫した堅牢な密封を増進するように構成されている。例えば、相対的により硬質なシール面373と、弾性シール360の相対的により柔軟な第2の端部領域362が接触することにより、構成要素同士の間の相対運動及び/又はプランジャ372の不正確な移動があっても、密封係合が促進される。開構成と閉構成との間でのプランジャ372の変位は、ユーザによって印加される力、又は弁アセンブリ370、及び呼吸保護装置300のその他の構成要素の寸法公差に基づいて若干変化し得る。例えば、プランジャ372は、シール面373が弾性シール360の第2の端部領域362に接触するための所定の最小距離を超えて変位させられ得る。たとえ、シール面373が、所定の距離よりも長い距離移動する場合であっても、第2の端部領域362がシール面373の位置へ撓曲又は適合する適切な柔軟性により、一貫した密封係合が促進される。同様に、たとえ、構成要素同士の間の不正確な運動を生じさせ得る、ユーザによって印加される不均一な力、又は呼吸保護装置300の構成要素の広い寸法公差のゆえに、シール面373が、予期した軸から横方向に運動する、又は遠ざかる場合であっても、一貫した密封係合が維持され得る。いくつかの例示的な実施形態では、弾性シール360は、第2の端部領域362が、シール面373に沿って容易に滑るのではなく、シール面373を「把持する」か、又は他の様態でそれと共に運動するような材料表面特性を有し得、ユーザが過剰な力をアクチュエータ371に加えることを必要とすることなく、一貫した密封係合を増進する。
【0052】
図6図7を参照すると、開構成(図6)及び閉構成(図7)における、シール面373、及び弾性シール360の第2の端部領域363を含む拡大斜視図が示されている。第2の端部領域362は、シール面373との接触のための柔軟な周辺部367を提供する内向きに曲がったリップ366を含む。内向きに曲がったリップ366は先細り状であり得、及び/又は厚さが減少した1つ以上の場所を含み得る。相対的により小さくなった厚さは、可撓性又は柔軟性が増大した部分をもたらす。例えば、弾性シール360は、主要厚さ(T)を有する1つ以上の中間部分、及び減少した厚さ(t)の1つ以上の部分を含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、主要厚さ(T)は、減少した厚さ(t)の110%〜400%、150%〜300%、又は約200%であり得る。このような相対的な厚さは、シール面373によって係合されると、内向きに曲がったリップ366の撓みを増進する柔軟性が集中した部分をもたらす。
【0053】
内向きに曲がったリップ366は、シール面373と弾性シール360の外面363との間の接触を促進する形状を有する。シール面363による接触は、内向きに曲がったリップ366を、例えば、通路365及び/又は第1の端部361に向かって撓曲又は屈曲させ得る。内向きに曲がったリップ366は、シール面373が、例えば、非一様な圧力又は角度で第2の端部領域362に接触する場合に、シール面373との一貫した密封係合を促進するために、第2の端部領域362の周辺部の周りにおいて非一様に撓曲し得る。更に、適合試験の間に発生される負圧は、内向きに曲がったリップ366を、シール面373に向かって外向きに撓曲するよう引っ張るか、又は別の様態でそれに作用し得、適合試験が実行されている間における密封接触を増進する。
【0054】
代替的に、又は追加的に、弾性シール360は、シール面373との一貫した密封係合を促進するために、その長手方向の長さに沿って適合又は関節運動し得る。例えば、弾性シール360は、第2の端部領域362などの、浮動型とするか、又は別の様態でマスク本体310の硬質な構成要素によって拘束されていない少なくとも一部分を含む。第2の端部領域362は、閉構成におけるシール面373の広範な角度又は位置にわたるシール面373との密封係合を促進するために、マスク本体310の他の構成要素に対して関節運動又は屈曲し得る。同様に、第1及び第2の端部の間の弾性シール360の長さに沿った1つ以上の部分は、シール面373によって接触された時の弾性シール360の柔軟性及び/又は関節運動を可能にするために、少なくとも部分的に硬質な構成要素による拘束を受けないものとし得る。
【0055】
いくつかの例示的な実施形態では、弾性シール360は、呼吸用空気源構成要素を受け入れるように構成された場所を越えて延びる長さ(l)(図5)を含む。例えば、フィルタカートリッジ350が保持器320において係合させられると、弾性シール360は出口ノズル355の先端部356よりも更に長手方向軸(A)に向かって延びる。長さ(l)に沿った弾性シール360は呼吸用空気源構成要素によって拘束を受けず、シール面373との密封係合を維持するための柔軟性を更に増進する弾性シール360の長さを提供する。
【0056】
図8図9を参照すると、開構成と閉構成との間で枢動する1つ以上のシール面573を有する弁アセンブリ570を含む呼吸保護装置500の部分断面図が示されている。呼吸保護装置500は、呼吸可能空気領域を画定するマスク本体510(その一部は図8図9において省略されている)を含み、いくつかの実施形態では、上述された呼吸保護装置300と同様である。呼吸保護装置500は、1つ以上の呼吸用空気源構成要素からの空気流を選択的に遮断し得る弁アセンブリ570を含む。
【0057】
弁アセンブリ570は、アクチュエータ571、プランジャ572、及び1つ以上のシール面573を含む。アクチュエータ571は、ユーザによって、弁アセンブリ570を開構成と閉構成との間で運動させるように操作可能であり、弾性ボタン又はその他の適切なアクチュエータを含み得る。アクチュエータ571、及び/又はプランジャ572の少なくとも一部分は開構成と閉構成との間で直線運動し得、その間に、シール面573は開構成(図8)と閉構成(図9)との間で枢動する。
【0058】
シール面573は、アクチュエータ571、及び/又はプランジャ572の一部分とは独立して少なくとも部分的に運動可能であり得る。シール面573及びプランジャ572は、ボス577及びスライド578を有するスライダジョイントを含み得る。代替的に、又は加えて、シール面573及びプランジャ572は、例えば、カム及び従動子を含み得る。アクチュエータ571、及び/又はプランジャ572の少なくとも一部分の直線運動はスライド578をボス577に沿って運動させ、シール面573の枢動を生じさせる。様々な他の例示的な実施形態では、弁アセンブリ570は、シール面が枢動して弾性シール560の第2の端部領域562と密封係合し得るよう、蝶番、ばね、又はその他の適切な構成要素を含み得る。
【0059】
シール面573は、弾性シール560の第2の端部領域562との一貫した接触をもたらす主面を含む。例えば、シール面573は、第2の端部領域562の周辺部と整合するように位置した実質的に平面状の表面を含む。例示的な一実施形態では、シール面573によって第2の端部領域562に対して与えられる力(F)は、第2の端部領域562において通路565を横切る平面と実質的に垂直な方向に作用する。例えば、力(F)は、第2の端部領域562において通路565の中心を通って延びる長手方向軸(B)(図9)と実質的に平行な方向に作用し得る。このような配置において、力(F)の主方向は弾性シール560との一貫した密封係合を増進し、その一方で、ユーザがアクチュエータ571に加えなければならない必要な力を抑制する。
【0060】
第2の端部領域562は、シール面573との接触のための柔軟な周辺部を提供する内向きに曲がったリップを含み得る。内向きに曲がったリップは、いくつかの実施形態では、上述された内向きに曲がったリップ366と同様であり得る。内向きに曲がったリップは柔軟性が集中した部分をもたらし得、マスク本体510内の負圧下でシール面573との密封接触に向けて撓むように構成され得る。
【0061】
シール面573は、弾性シール560との一貫した密封係合を増進し得る1つ以上の突出部を含み得る。1つ以上の突出部は、シール面573の位置にわたってでも、第2の端部領域562との堅牢な密封係合を増進する外向きに延びる表面を提供する。代替的に、又は追加的に、突出部は通路565内に若干延び、弾性シール560の内面564と接触し得、且つ/又は第2の端部領域562の周辺部の周りに延び、弾性シール560の外面563と接触し得る。
【0062】
図10A図10Bを参照すると、適合試験を促進し、逆止弁機能を含み得る別の例示的な弾性シール760が示されている。弾性シール760は、第1の端部領域761、第2の端部領域762、外面763、並びに第1及び第2の端部領域761、762の間の通路765を少なくとも部分的に画定する内面764を含む。第1の端部領域761は、受け部120(図1)などの、マスク本体の硬質な構成要素に接続され得る。例示的な一実施形態では、弾性シール760は、呼吸用空気源構成要素の外面を少なくとも部分的に包囲する弾性スリーブを提供し、適切な実施形態では弾性シール260と同様の特徴を有し得る。
【0063】
第2の端部領域762は、細長い、及び/又は先細り状の端部を含む。通路765の断面積は、765を画定する内面764の対向する部分同士が接触するか、又はほぼ接触するまで、第2の端部領域762に向かって狭くなる。いくつかの実施形態では、減少した材料厚さ及び狭い通路が、弾性シール760と一体形成された逆止弁機能をもたらす。例えば、第2の端部領域762は、ユーザが吸気する時など、空気が弾性シール760を通して第1の端部領域761から第2の端部領域762へ流れる際には、拡大し得る。逆に、第2の端部領域762は、第2の端部領域762から第1の端部領域761へ向かう空気流により、閉鎖又は収縮し得る。一体的な逆止弁機能を有する弾性シールは、別個の逆止弁又はその他の吸気弁構成要素の必要性を低減することによって、呼吸保護装置を単純化し得、追加の構成要素のコスト及び関連する組み立て時間を低減し、重量を低減することによって快適性を改善する。更に、このような弾性シールは呼吸保護装置の全体的設計及び構成における融通性を与えることができる。
【0064】
第2の端部領域762における通路765の開口部768は、空気が弾性シール760を通して流れていない中立構成では、開口部の高さ(h)よりも実質的に大きい幅(w)を有する。様々な例示的な実施形態では、幅(w)は、開口部768の高さ(h)よりも10〜200倍、25〜100倍、又は約40倍大きい。いくつかの例示的な実施形態では、第2の端部領域762は、空気が弾性シール760を通して流れていない時には、実質的に閉鎖されている。
【0065】
図11図13を参照すると、弾性シール760を含む呼吸保護装置700の部分断面図が示されている。呼吸保護装置700は、呼吸可能空気領域711を画定するマスク本体710(その一部は図11図13において省略されている)を含み、いくつかの実施形態では、上述された呼吸保護装置300と同様であり得る。呼吸保護装置700は、ユーザが適合試験を実行し得るよう、弾性シール760を締め付けることによって1つ以上の呼吸用空気源構成要素からの空気流が選択的に遮断されることを可能にする弁アセンブリ770を含む。
【0066】
弁アセンブリ770は、アクチュエータ771、及び1つ以上のシール面773を有するプランジャ772を含む。アクチュエータ771は、ユーザによって、弁アセンブリ770を開構成(図11図12)と閉構成(図13)との間で運動させるように操作可能である。アクチュエータ771は、プランジャ772を運動させるよう内向きに押され得る、オーバーモールドされた弾性押しボタン、スライド可能ボタンなどの、ボタンであり得る。例えば、アクチュエータ771は、プランジャ772を弾性シール760に向かって運動させるよう、内向きに押され得る。様々な例示的な実施形態では、アクチュエータ771は、弁アセンブリを開構成と閉構成との間で運動させるように操作可能なひねり機構、レバー、スライダ、又は他の適切なアクチュエータ771を代替的又は追加的に含み得る。
【0067】
図11は、中立構成における呼吸保護装置700及び弾性シール760を示す。弁アセンブリ770は開構成になっており、空気が弾性シール760を通して流れない間は、弾性シール760の開口部767は実質的に閉鎖されている。呼吸保護装置700は、例えば、ユーザの呼吸の合間、又は呼吸保護装置700がユーザの口及び/又は鼻の上に位置していない時には、中立構成になっていることができる。
【0068】
図12を参照すると、第2の端部領域762に近接した通路765は、第1の端部領域761から第2の端部領域762へ向かう方向における弾性シール760を通した空気流を可能にする。ユーザの吸気、又は呼吸用空気源構成要素から送られた空気によって生じた空気流により、通路765、及び特に高さ(h)は第2の端部領域762の直近で拡大させられ得る。弾性シール760の減少した厚さ及び弾性材料構造が、相対的に低い圧力降下による拡大を促進する。更に、第2の端部領域762における通路765の細長い、又は非円形の形状が、相対的に低い圧力降下による第2の端部領域762の拡大を促進し得る。空気流が止まるか、又は空気流の方向が逆転されると、第2の端部領域762はつぶれ、及び/又は中立構成(図11)へ戻り得る。
【0069】
図13を参照すると、弁アセンブリ770が閉構成で示されている。シール面773は弾性シール760の外面763と接触し、通路765を締め付けているか、又は別の様態でそれを閉鎖している。シール面773は、開構成(図11)と、第2の端部領域762をマスク本体710の1つ以上の硬質な構成要素に対して締め付けるための閉構成(図12)との間で直線運動し得る。いくつかの例示的な実施形態では、通路765は、対向する内部表面764同士が互いに接触することによって、遮断され得る。マスク本体710は、第2の端部領域762が接して締め付けられ得る表面を提供するための、シール面773及び/又は弾性シール760と相互作用する1つ以上のリブ又は突出部717を含み得る。シール面773は同様に、弾性シール760との堅牢な係合を増進するための、第2の端部領域762上における集中圧力を生み出すフランジ状の端部及び/又は突出部773aを含み得る。
【0070】
本開示の様々な実施形態に係る呼吸保護装置は以下の利点のうちの1つ以上をもたらし得る。開構成と閉構成との間を操作可能な弁アセンブリは適合試験の容易な実行を促進し、2つ以上の呼吸用空気源構成要素からの空気流を遮断するための単一のアクチュエータの操作を促進し得る。弾性シールとの密封係合は、ユーザによって印加される様々な力及び構成要素の広い寸法公差を含む、種々の条件にわたる一貫した密封係合を促進する。更に、弾性シールは、弁アセンブリの構成要素との密封を促進するための適切な柔軟性をもたらし得、弾性シール、弁アセンブリ、及び/又は呼吸用空気源構成要素の間の相対運動を調整しつつ密封係合を促進する1つ以上の浮動部分を有するように構成され得る。呼吸用空気源構成要素及び弁アセンブリと密封係合し得る弾性シールを有する呼吸保護装置は、構成要素、複雑さ、及び関連製造コストを低減し、その一方で、種々の条件及び環境下における堅牢な密封係合をもたらし、そのため、正確な適合試験がユーザによって容易に実行され得る。
【0071】
前述の詳細な説明及び実施例は、理解しやすいように示したものにすぎない。不必要な限定がそこから解釈されるべきではない。本開示の範囲から逸脱することなく、記載された実施形態において多くの変更を行うことができることが、当業者には明白であろう。上記の実施形態のいずれかに関して記載されたいずれかの特徴又は特性は、個々に、又は他のいずれかの特徴又は特性と組み合わせて組み込むことができ、単に明確性のために上記の順番及び組み合わせで提示される。それゆえ、本開示の範囲は、本明細書において説明される詳細及び構造のみに限定されるべきではない。更に、特徴は、本明細書において特定の組み合わせで機能するように説明され、及び/又は当初そのように特許請求されることがあるが、特許請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除されてもよく、特許請求された組み合わせは、部分的組み合わせ又は部分的組み合わせの変形の対象とされてもよい。
以下、例示的実施形態について述べる。
[1]
着用者のための呼吸可能空気領域を画定するマスク本体と、
第1の弾性シールと、
前記第1の弾性シールと密封係合した前記マスク本体に取り付けられるように構成された第1の呼吸用空気源構成要素と、
開構成と前記第1の呼吸用空気源構成要素を通した前記呼吸可能空気領域への流体連通が阻止される閉構成との間を操作可能な弁アセンブリと、
を備え、
前記弁アセンブリは前記閉構成において前記第1の弾性シールと密封係合している、呼吸保護装置。
[2]
前記弁アセンブリがアクチュエータ及び第1のシール面を含み、前記第1のシール面は、前記弁アセンブリが前記閉構成になっている時には、前記第1の弾性シールと密封係合している、[1]に記載の呼吸保護装置。
[3]
前記アクチュエータが、前記開構成と前記閉構成との間で長手方向軸に沿って直線運動するように構成されている、[2]に記載の呼吸保護装置。
[4]
前記シール面が、前記開構成と前記閉構成との間で直線運動するように構成されている、[2]に記載の呼吸保護装置。
[5]
前記シール面が、前記開構成と前記閉構成との間で枢動するように構成されている、[2]に記載の呼吸保護装置。
[6]
前記シール面が、前記弁アセンブリが前記閉構成になっている時には前記弾性シールの内部に向かって延びる突起を含む、[2]に記載の呼吸保護装置。
[7]
前記弾性シールが、第1の端部領域及び第2の端部領域、外面、並びに前記第1の呼吸用空気源構成要素を受け入れるように構成された通路を画定する内面を含む、[1]に記載の呼吸保護装置。
[8]
前記呼吸用空気源構成要素が、前記マスク本体に取り付けられると、前記弾性シールの前記内面と密封係合している、[7]に記載の呼吸保護装置。
[9]
前記弾性シールの前記外面の少なくとも一部分が、前記弁アセンブリが前記開構成になっている時には、硬質な構成要素と接触していない、[7]に記載の呼吸保護装置。
[10]
前記弾性シールの前記第2の端部領域が、浮動型の端部である、[7]に記載の呼吸保護装置。
[11]
前記弁アセンブリの第1のシール面が、前記弁アセンブリが前記閉構成になっている時には、前記弾性シールの前記第2の端部領域と密封係合している、[7]に記載の呼吸保護装置。
[12]
前記弾性シールの前記第2の端部領域が、内向きに曲がった端部を含む、[11]に記載の呼吸保護装置。
[13]
前記閉構成において、前記弁アセンブリの前記第1のシール面が、前記内向きに曲がった端部において前記外面と接触している、[11]に記載の呼吸保護装置。
[14]
前記閉構成において、前記弾性シールの前記第2の端部領域が前記弁アセンブリの第1のシール面によって締め付けられて閉じている、[7]に記載の呼吸保護装置。
[15]
前記弾性シールが前記第2の端部領域において、減少した材料厚さを有し、前記第2の端部領域が、空気が前記第1の端部領域から前記第2の端部領域に向かって流れる際には、開放するように構成されており、前記第2の端部領域から前記第1の端部領域へ向かう空気流を阻止するために、閉鎖するように構成されている、[7]に記載の呼吸保護装置。
[16]
前記マスク本体に取り付けられるように構成された第2の呼吸用空気源構成要素を備える、[1]に記載の呼吸保護装置。
[17]
第2の弾性シールと、前記マスク本体に取り付けられるように構成された第2の呼吸用空気源構成要素とを備え、前記第2の呼吸用空気源構成要素は、前記マスク本体に取り付けられると、前記第2の弾性シールと密封係合しており、前記弁アセンブリが前記閉構成において前記第2の弾性シールと密封係合している、[16]に記載の呼吸保護装置。
[18]
着用者のための呼吸可能空気領域を画定し、第1の受け部を有するマスク本体であって、前記第1の受け部は、第1の端部領域及び第2の端部領域を有し、第1の呼吸用空気源構成要素を少なくとも部分的に受け入れるように構成された第1の通路を画定する第1の弾性シールを含む、マスク本体と、
開構成と、前記第1の呼吸用空気源構成要素と前記呼吸可能空気領域との間の流体連通が遮断される閉構成との間を操作可能な弁アセンブリと、
を備え、
前記弁アセンブリは、前記弁アセンブリが、前記呼吸用空気源構成要素と前記呼吸可能空気領域との間の流体連通を阻止するための前記閉鎖位置にある時には、前記弾性シールの前記第2の端部領域と係合しており、前記弾性シールは、前記弾性シールの前記第1の端部領域において前記呼吸用空気源構成要素と密封係合するように構成されている、呼吸保護装置。
[19]
前記第1の受け部が前記マスク本体と一体形成されている、[18]に記載の呼吸保護装置。
[20]
前記第1の受け部が、前記マスク本体によって画定された開口部内に位置している、[18]に記載の呼吸保護装置。
[21]
前記弾性シールの前記第2の端部領域が、内向きに曲がった端部を含む、[18]に記載の呼吸保護装置。
[22]
前記弾性シールが、前記弾性シールを貫く前記通路を画定する内面、及び外面を含む、[18]に記載の呼吸保護装置。
[23]
前記外面が、前記弁アセンブリが前記開放位置にある時には、硬質な構成要素と接触していない、[22]に記載の呼吸保護装置。
[24]
前記第2の端部領域が、浮動型の端部である、[22]に記載の呼吸保護装置。
[25]
前記弁アセンブリが前記閉構成において前記弾性シールの前記外面の一部分と係合している、[22]に記載の呼吸保護装置。
[26]
前記マスク本体が第2の受け部を含み、前記第2の受け部は、第1の端部領域及び第2の端部領域を有し、第2の呼吸用空気源構成要素を受け入れるように構成された第2の通路を画定する第2の弾性シールを含む、[18]に記載の呼吸保護装置。
[27]
前記弁アセンブリが、前記第2の呼吸用空気源構成要素と前記呼吸可能空気領域との間の流体連通を阻止するための前記閉鎖位置にある時には、前記第2の弾性シールの前記第2の端部領域と係合しており、前記弾性シールが、前記弾性シールの前記第1の端部領域において前記第2の呼吸用空気源構成要素と密封係合するように構成されている、[26]に記載の呼吸保護装置。
[28]
前記弁アセンブリが前記開構成の方へ付勢されている、[18]に記載の呼吸保護装置。
[29]
前記アクチュエータがボタンを含み、前記ボタンは、前記弁アセンブリが前記閉構成になっている時には、押下されている、[18]に記載の呼吸保護装置。
[30]
呼吸保護装置を操作する方法であって、
弁アセンブリを、マスク本体に取り付けられた呼吸用空気源構成要素が弾性シールと密封係合し、前記マスク本体によって画定された呼吸可能空気領域と流体連通している、開構成から、前記呼吸用空気源構成要素を通した流体連通が閉鎖されている閉構成へ操作する工程を含み、
前記弁アセンブリを閉構成へ操作することが前記弁アセンブリと前記弾性シールとの間の密封係合を生じさせる、方法。
[31]
前記弁アセンブリが、前記閉構成において前記弾性シールと係合するシール面を含む、[30]に記載の方法。
[32]
前記弁アセンブリを閉構成へ操作することが、前記弾性シールによって画定された通路を通した空気流を阻止するよう、前記弾性シールの端部領域を締め付けることを含む、[30]に記載の方法。
[33]
着用者のための呼吸可能空気領域を画定し、第1の受け部を有するマスク本体であって、前記第1の受け部は、第1の端部領域及び第2の端部領域を有し、第1の呼吸用空気源構成要素を少なくとも部分的に受け入れるように構成された第1の通路を画定する第1の弾性シールを含む、マスク本体を備え、
前記弾性シールは、前記弾性シールの前記第1の端部領域において前記呼吸用空気源構成要素と密封係合するように構成されており、前記第2の端部領域は、前記第2の端部領域から前記第1の端部領域へ向かう空気流を阻止するために、閉鎖するように構成されている、呼吸保護装置。
[34]
前記弾性シールが、空気が前記第1の端部領域から前記第2の端部領域へ流れる際には、開放するように構成されている、[33]に記載の呼吸保護装置。
[35]
前記弾性シールの前記第2の端部領域が、減少した材料厚さを有する、[33]に記載の呼吸保護装置。
[36]
開構成と、前記第1の呼吸用空気源構成要素と前記呼吸可能空気領域との間の流体連通が遮断される閉構成との間を操作可能な弁アセンブリを備える、[33]に記載の呼吸保護装置。
[37]
前記弁アセンブリが、前記呼吸用空気源構成要素と前記呼吸可能空気領域との間の流体連通を阻止するための前記閉鎖位置にある時には、前記弾性シールの前記第2の端部領域と係合している、[33]に記載の呼吸保護装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13