特許第6895536号(P6895536)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6895536アンテナアセンブリ及びアンテナアセンブリを含むアンテナ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6895536
(24)【登録日】2021年6月9日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】アンテナアセンブリ及びアンテナアセンブリを含むアンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/12 20060101AFI20210621BHJP
   H01Q 23/00 20060101ALI20210621BHJP
   H01L 23/40 20060101ALI20210621BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
   H01Q1/12 Z
   H01Q23/00
   H01L23/40 A
   H05K7/20 B
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-553171(P2019-553171)
(86)(22)【出願日】2018年4月2日
(65)【公表番号】特表2020-516167(P2020-516167A)
(43)【公表日】2020年5月28日
(86)【国際出願番号】KR2018003841
(87)【国際公開番号】WO2018182379
(87)【国際公開日】20181004
【審査請求日】2019年9月27日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0042127
(32)【優先日】2017年3月31日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516083818
【氏名又は名称】ケイエムダブリュ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】KMW INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】特許業務法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥク ヨン キム
(72)【発明者】
【氏名】ベ モーク ジョン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ウー ヨー
【審査官】 赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−256327(JP,A)
【文献】 特表2016−506614(JP,A)
【文献】 特開2016−127341(JP,A)
【文献】 特開2009−105243(JP,A)
【文献】 特開2011−155049(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0310108(US,A1)
【文献】 特開平07−307605(JP,A)
【文献】 特開2012−151477(JP,A)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2008−0003914(KR,U)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0251357(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0250022(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第104782139(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0192441(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/12
H01L 23/40
H01Q 23/00
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナ素子と、
前記複数のアンテナ素子が一面上に設けられた第1のPCBと、
前記第1のPCBの他面に設けられ、前記複数のアンテナ素子に電気的につながる複数のキャビティフィルタ、及び、
一面上で、前記複数のキャビティフィルタに電気的につながれ、少なくともパワーアンプ、デジタル処理回路、キャリブレーションネットワークを含む第2のPCBを含み、
前記第2のPCBは、互いに並ぶ方向に延びる1つ以上の第1の処理領域と1つ以上の第2の処理領域を含み、前記デジタル処理回路は、前記第1の処理領域と前記第2の処理領域のうちの第2の処理領域のみに配置され、前記パワーアンプは、前記第1の処理領域と前記第2の処理領域のうちの前記第1の処理領域のみに配置されることを特徴とするアンテナアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の処理領域及び前記第2の処理領域の一部の角に沿って延びるポート領域が形成され、
前記第1の処理領域と前記第2の処理領域は、前記ポート領域が形成された基板上の一端に形成した角に垂直な方向に延び、前記第1の処理領域及び前記第2の処理領域の1つの角は、前記ポート領域が形成された基板上の一端に形成した角に隣接して配置されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の処理領域の1つの角に沿って延びるポート領域が形成され、
前記第1の処理領域と前記第2の処理領域は、前記ポート領域が延びた方向と平行な方向に延び、前記第1の処理領域は、前記ポート領域が形成された基板上の一端に形成した角に隣接して配置されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の処理領域と第2の処理領域は、交互に配置することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項5】
前記デジタル処理回路及び前記キャリブレーションネットワークは、前記第2のPCB上にPCBパターンで形成され、
前記第2のPCBと前記キャビティフィルタは、面接触方式でつながることを特徴とする請求項1に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項6】
前記第2の処理領域は、前記ポート領域と直接回路配線でつながることを特徴とする請求項2に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載のアンテナアセンブリを含むアンテナ装置であって、
前記アンテナアセンブリの第2のPCBの下面に配置する、長溝が形成された本体ハウジングと、
前記本体ハウジングの下面に着脱自在に配置され、ヒートシンク本体及び放熱フィンを備える分離型ヒートシンクを含み、
前記分離型ヒートシンクは、前記長溝を介して前記第2のPCBで発生した熱の伝達を受けることができることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項8】
前記第1の処理領域と前記第2の処理領域のうち、相対的に高発熱源である処理領域が前記第2のPCBのエッジ側に配置され、前記第2のPCBのうちの相対的な高発熱源である処理領域が形成されたエッジ側の下部領域に前記本体ハウジングの長溝が形成され、前記分離型ヒートシンクが配置されることを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記分離型ヒートシンクの前記ヒートシンク本体上面には、突出部が形成され、前記突出部は、前記第2のPCBの下面に接触して前記第2のPCBから直接熱の伝達を受けられることを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記分離型ヒートシンクは、前記本体ハウジングよりも熱伝導率が高い素材からなることを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置及びアンテナアセンブリに関し、より詳しくは無線通信アンテナ装置及びこれに使用するアンテナアセンブリに関する。
【0002】
無線通信技術、例えば、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術は、多数のアンテナを使用してデータ伝送容量を大幅に増やす技術として、送信機では、それぞれの送信アンテナを介して互いに異なるデータを伝送し、受信機では、適切な信号処理を介して送信データを区別し出す空間的な多重化技法である。
【0003】
したがって送受信アンテナの個数を同時に増加させることによってチャネル容量が増加し、より多くのデータを伝送することができる。例えば、アンテナの数を10個に増加させると、現在の単一アンテナシステムに比べ、同じ周波数帯域を使用して約10倍のチャネル容量を確保することになる。
【0004】
4G LTE−advancedでは、8つのアンテナまで使用しており、現在のpre-5Gの段階で64または128個のアンテナを装着した製品が開発されており、5Gは、はるかに多くの数のアンテナを有する基地局装置を使用すると予想され、これをMassive MIMO技術だという。現在のCell運営が2-Dimensionなのに対しMassive MIMO技術が導入すると、3D-Beamformingが可能になるのでFD−MIMO(Full Dimension)とも呼ぶ。
【0005】
Massive MIMO技術では、アンテナの数が増え、これに伴うトランスミッタとフィルタの数も一緒に増加する。それでも設置場所のリース費用や空間的な制約のために、RFコンポーネント(Antenna / Filter /Power Amplifier / Transceiver etc.)を小さく、軽量であり、安価に作ることがMassive MIMO技術を採用したアンテナ装置の成否を左右することになる。 Massive MIMOはカバレッジ拡張のためには高出力が必要であり、このような高出力による消費電力と発熱量は、重量及びサイズを減らすために否定的な要因として作用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、放熱を効率的に行うことができる構成を有するアンテナ装置を提供することである。
【0007】
また、本発明が解決しようとするもう1つの課題は、小型でありながら軽量化した積層構造のMIMOアンテナアセンブリ及びこれを含むアンテナ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記のような課題を解決するための本発明の一側面に係るアンテナアセンブリ及びアンテナ装置は、複数のアンテナ素子、複数のアンテナ素子が一面上に設けられた第1のPCB、第1のPCBの他面に設けられ、複数のアンテナ素子に電気的につながる複数のキャビティフィルタ、及び、一面上で複数のキャビティフィルタに電気的につながれ、少なくともパワーアンプ、デジタル処理回路、キャリブレーションネットワークを含む第2のPCBを含み、第2のPCBは、互いに並ぶ方向に延びる1つ以上の第1の処理領域と1つ以上の第2の処理領域を含み、デジタル処理回路は、第1の処理領域と第2の処理領域のうち、第2の処理領域のみに配置され、パワーアンプは、第1の処理領域と第2の処理領域のうち、第1の処理領域のみに配置されるアンテナアセンブリ及びこれを含むアンテナ装置を提供する。
【0009】
記載した内容に加えて、他の課題解決手段は、本明細書の他の記載によって自然に導出される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施例に係るアンテナ装置の側面全面斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係るMassive MIMOアンテナシステムの積層構造を図式化した図である。
図3図2の積層構造を有する本発明の一実施例に係るMassive MIMOアンテナの分解図である。
図4】本発明の一実施例に係るアンテナ素子が結合した第1のPCBにフィルタが結合したサブアセンブリの分解図である。
図5】本発明の一実施例に係る第2のPCB上の素子配置構造を示す斜視図である。
図6】本発明の他の実施例に係る第2のPCB上の素子配置構造を示す斜視図である。
図7】本発明の他の実施例に係る第2のPCB上の素子配置構造を示す斜視図である。
図8】本発明の他の実施例に係る第2のPCBおよび別途の本体ハウジング、ヒートシンクを示す部分の部分分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一部の実施例を例示的な図面を使用して詳しく説明する。各図面の構成要素に識別符号を付加するにあたり、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されても、可能な限り同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにあたり、関連した公知の構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断する場合には、その詳しい説明は省く。
【0012】
図1は、本発明の一実施例に係るアンテナ装置の側面全面斜視図である。
【0013】
本発明の一実施例に係るアンテナ装置は、アンテナアセンブリ10、アンテナ本体20、電源供給モジュール30を含む。
【0014】
本発明の一実施例に係るアンテナ装置は、電気エネルギーを無線送受信電波に変換する一種のエネルギー変換及び消費装置であって、エネルギー変換および消費に伴ってかなりの量の熱を発生させる。万一、本体ハウジング内部の無線送受信モジュールが過熱する場合、装置の寿命が大幅に減少する。また、無線送受信モジュールの温度が増加するにつれて、無線送受信モジュールの感度が異なってくる。特に、無線送受信モジュールの位置に応じた温度偏差は、無線送受信モジュール別の感度のばらつきを発生させる。このような無線送受信モジュールの温度による感度の違い、または場所によっての感度のばらつきは、アンテナ装置の送受信精度を阻害するのはもちろん、それによって送受信速度を減少させる。前記のような問題点を解決するために、本発明は、Massive MIMOアンテナの積層構造で、アンテナ装置の大きさ及び重さに利点を有し、効率的な発熱が可能なMassive MIMOアンテナを提案する。このような利点は、アンテナアセンブリの構造及びアンテナアセンブリを成す構成のうちの一部であるPCBの構成によって達成が可能であり、本明細書では、まず、アンテナ装置の構成及びアンテナアセンブリの積層構造について概略的に説明した後、アンテナアセンブリをなすPCBの構成について説明する。
【0015】
図2は、本発明の一実施例に係るMassive MIMOアンテナの積層構造を図式化した図である。
【0016】
図3図2の積層構造を採用する本発明の一実施例に係るMassive MIMOアンテナの分解図である。図4は、本発明の一実施例に係るアンテナ素子110が結合した第1のPCB120にフィルタ130が結合したサブアセンブリの分解図である。一方、本発明で使用するフィルタ130は、1つの例示的にキャビティフィルタ130であってよい。
【0017】
図2に、アンテナ本体20は、Massive MIMOアンテナの構成として例示した。Massive MIMOアンテナであるアンテナ本体20は、レドーム(radome)210と、外部に放熱手段220、1つの例示的に放熱フィン221が形成したヒートシンク(heat sink)220と、これらの間に配列するアンテナアセンブリ(antenna assembly)10を含む。アンテナアセンブリ10は、デジタル素子が具現されたモジュールが積層構造で結合した形態で構成する。
【0018】
具体的に、図2に示した本発明の一実施例に係る積層構造は、複数のアンテナ素子が締結した第1のPCB120、第1のPCB120、及び第2のPCB140の信号ラインと電気的につながるフィルタ130、デジタル処理回路、パワーアンプを形成するアナログ処理回路、キャリブレーションネットワークを含む第2のPCB140を含む構成からなる。図2に示した、本発明の一実施例に係る積層構造では、キャリブレーションネットワークがパワーアンプ及びデジタル処理回路と一緒に1つのボードに形成されるので、パワーアンプ、キャリブレーションネットワーク、デジタル処理回路、フィルタ130の間にRFケーブルの接続が必要なくなる。また、図2の積層構造は、従来技術に比べて少ない数のレイヤで構成される。
【0019】
このような構造は、フィルタ130とPCBとの間にRFコネクタでつながる必要がなく、アンテナアセンブリのサイズを効率的に減らすことができる利点を有する。これとは異なり、キャリブレーションネットワークが、アンテナ素子110とフィルタ130との間に位置するアンテナアセンブリ構造の場合、キャリブレーションネットワークは、通常、複数のスイッチで構成され、各フィルタ130の一端にカップリングしたRFカプラとつながる。したがって、給電ネットワークとフィルタ130は、RFコネクタを介してつながるしかないので、重量とサイズが増える問題がある。また、この場合、パワーアンプが形成されたアナログボードとデジタルボードが別個のレイヤで構成され、各レイヤがRFコネクタを介して相互につながる構造なので、重量とサイズを減らすことの難しい問題がある。また、このような構造では、1つのPCB上に多くの素子が集積されて集積密度が高くなることで、発熱と関連した問題が発生する。これとは違って、図2に示した本発明の一実施例に係るMIMOシステムの積層構造は、大きさ、重さと関連しての利点を有し、また、1つのPCB上に集積される素子の密度を減らして発熱の側面でもより有利な利点がある。これは、デジタル信号処理部のインタフェースコネクタをPCBパターンに置換し、RFインタフェースコネクタをPCBパターン上に面接触方式で置換する構造でさらに極大化する。すなわち、第2のPCB140上にデジタル処理回路及びキャリブレーションネットワークをPCBパターンとして形成し、第2のPCB140とフィルタ130が面接触方式でつながるようにする構成から、前記のような利点を最大限にする。
【0020】
一方、図2に示した本発明の一実施例に係るMassive MIMOアンテナシステムの積層構造の利点は、は、少なくとも1つのPCB上に、例えば、第2のPCB140上に、トランシーバ回路、パワーアンプ、キャリブレーションネットワーク、及びデジタル処理回路のすべてを領域を区別して効率的に位置させる特別な配置構造からさらに強調することができる。このような、特別な配置構造は、1つのPCB上に多くの素子が集積されて集積密度が高くなることに起因する発熱および発熱を解消する放熱技法を考慮している。具体的に、前記のPCBは、第2のPCB140であり、第2のPCB140上に、互いに並ぶ方向に配列した1つ以上の第1の処理領域と第2の処理領域によって、前記の目的を実現することができる。
【0021】
以下では、本開示に従った1つのPCB上の特別な配置構造を詳しく説明する。
【0022】
図5は、本発明の一実施例に係る1つのPCB上の素子配置構造を示す平面図である。
【0023】
図5を参照すると、本発明の一実施例に係るPCBは、ポート領域143、第1の処理領域141、及び第2の処理領域142を含む。
【0024】
ポート領域143は、PCBの少なくとも一端に配置することができる。本発明の一実施例で、ポート領域143に設けたポートは光ポートであってよい。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、ポートは、外部機器とデジタル信号またはアナログ信号を送受信するためのデジタル信号端子またはアナログ信号端子である。
【0025】
ポート領域143は、基板上の少なくとも一端の角に沿って延びる。1つの例示的に、ポート領域143は、第1の処理領域141または第2の処理領域142の一部のエッジに沿って延びる。
【0026】
以下では、ポート領域143が形成した基板上の少なくとも一端の角に平行な方向またはポート領域143が延びる方向を「横方向」と称する。
【0027】
したがって、本発明の一実施例で、ポート領域143は、PCB基板の少なくとも一端の角から横方向に延びる。
【0028】
なお、以下で「領域がある方向に延びること」は、その領域が幅に比べて長い長さを有する長方形状であり、その長方形状である領域の長さ方向がある方向に並ぶことを意味する。
【0029】
本明細書では、第1の処理領域141は、少なくともパワーアンプが設置された回路領域としてデジタル処理回路が配置されていない領域を意味するものとして使用する。また、第2の処理領域142は、少なくとも、デジタル処理回路が配置した領域であって、パワーアンプが配置されていない領域を意味するものとして使用する。ただし、第1の処理領域141に少量のデジタルプロセッシング回路を配置したり、第2の処理領域142に少量のパワーアンプと関連する構成が含まれている場合も均等な範囲内で本発明の実施範囲に含まれるべきである。
【0030】
本発明の一実施例で、第1の処理領域141は、パワーアンプだけでなく、複数の送信/受信(TX/RX)回路を提供するアナログ処理回路(トランシーバ回路)及びキャリブレーションネットワークも設置された回路領域である。
【0031】
1つの例示的に、キャビティフィルタは、第1の処理領域141を介してPCBに電気的につながってよい。例えば、キャビティフィルタは、第1の処理領域141に形成したピン接触端子を介してPCBに電気的に第1の処理領域141につながってよい。
【0032】
本発明の一実施例で、第1の処理領域141は、横方向に延びる。すなわち、第1の処理領域141は、ポート領域143が形成されたPCB基板の少なくとも一端の角に平行な方向に延びる。
【0033】
第2の処理領域142は、デジタル処理回路が設けられた回路領域であってよい。デジタル処理回路は、デジタル信号処理のためのICチップ及びその付属素子の回路構成を含む。第1の処理領域141と第2の処理領域142は、発熱量の違いがあり得る。
【0034】
すなわち、本発明の一実施例で、1つのPCB上にてトランシーバ回路、キャリブレーションネットワーク、及びパワーアンプが群をなして配置される領域は、第1の処理領域141に定義してよく、1つのPCB上にデジタル処理回路が群をなして配置された領域は、第2の処理領域142と定義してよい。
【0035】
しかし、本発明はこれに限定するものではない。しかし、第1の処理領域141及び第2の処理領域142がそれぞれ含む構成要素は、互いに交換する可能性も排除するものではない。
【0036】
第2の処理領域142は、1つの例示的に、第2のPCB140に設けた回路配線を介して第1の処理領域141の素子に電気的につながる。
【0037】
本発明の一実施例で、第2の処理領域142は横方向に延びる。すなわち、第2の処理領域142は、ポート領域143が形成された第2のPCB基板の少なくとも一端の角に平行な方向に延びてよい。
【0038】
図示した実施例で、例示的に、第1の処理領域141は、3つの領域で構成され、第1の処理領域141の少なくとも1つの領域は、ポート領域143に隣接して配置してよい。
【0039】
また、図示した実施例で、第2の処理領域142は、第1の処理領域141の間に配置してよい。すなわち、本発明の一実施例で、第1の処理領域141と第2の処理領域142は、互いに交互して配置してよい。
【0040】
このような本発明の一実施例によると、横方向に延びる第1の処理領域141の回路および第2の処理領域142の回路が互いに交互して配置されるので、第1の処理領域141回路のパワーアンプで発生する熱が局所的に偏ることを防止することができる。また、1つの例示的に、相対的に熱の発生が少ない第2の処理領域142の回路が第1の処理領域141の回路に対する一種の熱吸収及びヒートシンクの機能を発揮でき、基板の冷却性能を増加させる。
【0041】
図6及び図7は、本発明の他の実施例に係る1つのPCB上の素子配置構造を示す平面図である。
【0042】
図5に1つの例示的に示した配置構造は、上述したように、パワーアンプで発生する熱が上方向に累積する量が少ないように配置が可能な構造的な効果を有するが、システム要求性能によって問題が発生し得る。
【0043】
例えば、パワーアンプの配置が中央部に密集して発熱量が中央に集中し、デジタル処理回路の分散に多数のデジタル高速信号がパワーアンプPCB内層を過ぎて処理される信号の流れを有するとき、信号の歪みが発生する潜在的な要因がある。
【0044】
図6を参照すると、本発明の他の実施例に係るPCBは、ポート領域143、第1の処理領域141、及び第2の処理領域142を含む。このとき、PCBは1つの例示的に、図2に示したMassive MIMOアンテナシステムの積層構造の第2のPCB140であってよい。本発明の他の実施例に係るPCBは、図5を参照して説明した本発明の一実施例に係るPCBに比べ、第1の処理領域141及び第2の処理領域142の方向及び構造上に違いがある。以下では、先に図5を参照して説明した本発明の一実施例に係るPCBの領域配置構造と、本発明の他の実施例に係るPCBの領域配置構造上の違いを中心に図6を参照して説明し、繰り返しの説明は省く。
【0045】
本発明の他の実施例で、ポート領域143は、基板上の少なくとも一端の角に沿って延びる。
【0046】
本発明の他の実施例で、第1の処理領域141は縦方向に延びる。
【0047】
以下で、縦方向は横方向に垂直な方向、つまり、ポート領域143が形成されたPCB基板の少なくとも一端の角に垂直な方向を意味する。
【0048】
また、本発明の他の実施例で、第2の処理領域142は縦方向に延びる。
【0049】
図示した実施例では、第2の処理領域142は、二つの長側辺、すなわち、ポート領域143が形成されたPCBの一端に形成した角に隣接して配置することができる。
【0050】
また、第1の処理領域141は、二つの第2の処理領域142の間に配置することができる。
【0051】
本発明の他の実施例で、第2の処理領域142の少なくとも一端は、ポート領域143の一端に形成した角に隣接して配置することができる。これにより、第2の処理領域142は、ポート領域143の外部信号伝達ポート、例えば、光ポートに対する直接回路配線がなされる。
【0052】
そこで、ポート領域143、第2の処理領域142、及び第1の処理領域141につながる電気信号経路が形成する。また、このような電気信号経路または配線の配置のために、別途の迂回経路、例えば、ビアを介して他の層の配線構造を使用する必要がなく、PCBのレイヤ(layer)の数を減少させることができる。
【0053】
先に図5を参照して説明した本発明の一実施例に係る1つのPCB上の素子配置の構造、つまり、横配置構造では、第2の処理領域142のデジタル処理回路は、ポート領域143は、例えば、光ポートにつながるためには、第1の処理領域141を迂回する配線が必要であり、このような迂回配線は、例えば、多層PCBの他の層にビアを介して迂回することを要する。このような迂回配線によって伝送経路の長さ及び複雑さが増し、これは、高速デジタル信号処理時の信号の歪みを誘発する。
【0054】
これとは対照的に、図6に示した本発明の他の実施例、すなわち、縦配置構造は、伝送経路の長さ及び複雑さを縮小させ、その電気的特性を向上させることができる。このような配線構造の簡素化を通じて伝送精度及び速度を増加させる利点も有する。併せて、このような縦配置構造によって、PCBの配線設計難易度、生産性、及びコスト削減が達成される。
【0055】
また、本発明の他の実施例によると、第2の処理領域142のデジタル処理回路の複雑度合いが高い場合、第2の処理領域142が第1の処理領域141よりも高発熱源となり得る。このとき、第2の処理領域142は、第1の処理領域141に比べて相対的により高い温度を有する。
【0056】
本発明の他の実施例で、第2の処理領域142は、PCBのエッジに配置され、エッジ領域は、第1の処理領域141が配置された中央領域に比べて外気や外気に接触した本体ハウジング230とヒートシンク220に、より広い面積で接触する。したがって、相対的に高温に加熱する第2の処理領域142の放熱性が増大し、PCBの全体の温度分布が均一になる。
【0057】
一方、図6及び図7とは異なり、本発明のさらなる他の実施例に係るPCB上の素子配置構造も考えられる。本発明のさらなる他の実施例に係るPCB上の素子配置構造は、図6に示した本発明の他の実施例に係るPCB上の素子配置構造と、他の構成は同様でありながら、ただ第1の処理領域141と第2の処理領域142の配置の違いのみがあってよい。すなわち、本発明のさらなる他の実施例に係るPCB上の素子配置構造では、図6の本発明の他の実施例に係るPCB上の素子配置構造に比べ、第1の処理領域141及び第2の処理領域142の位置が入れ替わった点で違いがある。以下では、前述した本発明の一実施例に係るPCBの領域配置構造と、本発明の他の実施例に係るPCBの領域に配置構造の違いを中心に説明し、繰り返しの説明は省く。
【0058】
本発明のさらなる他の実施例で、ポート領域143は、基板上の少なくとも一端の角に沿って延びる。
【0059】
本発明のさらなる他の実施例で、第1の処理領域141及び第2の処理領域142は縦方向に延びる。
【0060】
本発明のさらなる他の実施例で、第1の処理領域141は、二つの長側辺、すなわち、ポート領域143が形成されたPCBの少なくとも一端の角に垂直な2つの角に隣接して配置することができる。
【0061】
また、第2の処理領域142は、二つの第1の処理領域141の間に配置することができる。
【0062】
本発明のさらなる他の実施例で、第2の処理領域142の少なくとも一端は、ポート領域143に隣接して配置することができる。これにより、第2の処理領域142は、ポート領域143の外部信号伝達ポート、例えば、光ポートに対する直接回路配線がなされる。もちろん、この場合、第1の処理領域141もポート領域143に隣接して配置することができる。
【0063】
そこで、ポート領域143、第2の処理領域142、第1の処理領域141につながる電気信号経路が形成する。また、このような電気信号経路または配線の配置のために、別途の迂回経路、例えば、ビアを介して他の層の配線構造を使用する必要がなくPCBのレイヤ(layer)の数を減少させることができ、配線の伝送経路長さ及び複雑さを低減し、回路の電気的特性を向上させることができる。本発明のさらなる他の実施例に係る素子配置構造は、パワーアンプが相対的に高発熱源であるときを想定した例示的な配置構造である。この場合、第1の処理領域141は、PCBのエッジに配置することができ、エッジ領域は、第2の処理領域142が配置された中央領域に比べて外気や外気に接触したハウジングとヒートシンク220により広い面積で接触することができる。したがって、比較的に高温に加熱する第1の処理領域141の放熱性が増大し、全体のPCBの温度分布が均一になる。
【0064】
図8は、本発明の他の実施例に係る第2のPCBおよび別途の本体ハウジング230、ヒートシンク220を図示した部分結合斜視図および部分分解斜視図である。
【0065】
図8を参照すると、本発明のさらなる他の実施例に係るPCBのエッジ側放熱をさらに改善するために、別途の高放熱放熱手段220(例えば、放熱フィン221を含む分離型ヒートシンク220)を配置してよい。ここで、放熱対象となるPCBは1つの例示的に、第2のPCB140であってよい。また、1つの例示的にPCBのエッジ側に配置し、相対的に高発熱源である第2の処理領域142(または設計特性に応じて、第1の処理領域141が高発熱源である場合、第1の処理領域141であってよい)の放熱特性を改善するために熱伝導率が高い材質のヒートシンク220がPCBの下部領域に別途設けられてもよい。具体的に、ヒートシンク220は、本体ハウジング230よりも熱伝導率が高い銅、アルミニウムなどの素材からなってもよい。
【0066】
ヒートシンク220は、1つの例示的に、第2のPCB140の下部領域に設けられる。具体的には、第2のPCB140の下部領域に本体ハウジング230が配置され、ヒートシンク220は、1つの例示的に、本体ハウジング230の下部に着脱自在に配置することができる。つまり、ヒートシンク220は、分離型ヒートシンク220であってもよい。また、ヒートシンク220は、ヒートシンク本体222及び放熱フィン221を含む。ヒートシンク220は、長溝231を介して、第2のPCB140で発生した熱が直接伝達されることによって、第2のPCB140の放熱効率を高めることができる。本体ハウジング230に形成した長溝231は、1つの例示的にハウジングの両エッジ面に沿って形成することができるが、これに限定するものではなく、様々な配置で形成が可能である。本体ハウジング230に形成した長溝231を介して、第2のPCB140で発生した熱がヒートシンク220に直接伝達される。1つの例示的に、第1の処理領域141と第2の処理領域142のうち、相対的に高発熱源である処理領域が第2のPCB140のエッジ側に配置される場合、第2のPCB140のうち、相対的に高発熱源である処理領域が形成された第2のPCB140のエッジ側の下部領域に本体ハウジング230の長溝231が形成されてもよい。また、第2のPCB140のうち、相対的に高発熱源である処理領域が形成された第2のPCB140のエッジ側の下部領域に分離型ヒートシンク220が配置されてもよい。前記のように高発熱源が存在する部分に隣接して発熱を効率的に行うことができる構成を配置することにより、第2のPCB140及びその周辺部の発熱を効果的にできる。このとき、第2のPCB140とヒートシンク220との間には、接触面が形成されて放熱がさらにスムーズに行われる。1つの例示的に、ヒートシンク220の上面には、突出部223が形成され、前記突出部223は、第2のPCB140の一面に接触することで、第2のPCB140の放熱をよりスムーズに行われるようにしてもよい。
【0067】
別途設けられる高放熱特性のヒートシンク220は、別途のハウジングをダイカストまたは押出し工程で製作することができる。放熱性能を相対的に高温源の領域に集中することで相対的な低熱源の領域の放熱フィン221を削除するか、そのサイズを縮小することができる。これにより、本開示に係るアンテナ装置の全体体積及び重量を減少させることができる。一方、第1の処理領域141が第2の処理領域142より高発熱源である場合、第1の処理領域141が第2のPCB140のエッジ側に配置され、ヒートシンク220は、第1の処理領域141が配置された第2のPCB140のエッジ側の下面に配置されてもよい。すなわち、第1の処理領域141と第2の処理領域142のうち、相対的に高発熱源である処理領域が第2のPCB140のエッジ側に配置され、第2のPCB140のエッジ側の下部領域にヒートシンク220が配置される。また、別途のヒートシンク220は、第1の処理領域141及び第2の処理領域142が延びた方向に垂直な方向に延び、第2のPCB140の下面に配置される。この場合、別途のヒートシンク220は、第1の処理領域141と第2の処理領域142のうち、第2のPCB140のエッジ側に形成した領域を横切って配置することによって、第1の処理領域141及び第2の処理領域142の放熱を助けることができる。また、前記は異なり配置が許される限りヒートシンク220が第2のPCB140の下面全体に配置されることももちろんである。
【0068】
さらに、別途設けられる高放熱特性のヒートシンク220は、製品の特性、出力に応じて要求される放熱特性によって、その大きさ及び構造を変更することができる。例えば、放熱フィン221の長さを変更することができる。したがって、本製品の外観を変更せずに、要求する出力に応じた放熱特性が提供することができる。また、ヒートシンク220は、一体型または分離型である。ヒートシンク220が分離型である場合、製品の特性や出力に応じて適切な他のヒートシンク220に交換が可能である。
【0069】
また、別途の高放熱ヒートシンク220は、1つ以上の接触腰部を含む。接触腰部はPCBの背面に接触し、例えば、第2の処理領域142の高発熱素子が位置した領域の背面に接触する。
【0070】
すなわち、第2の処理領域142の高発熱素子、例えば、FPGAや動的信号処理チップで局所的に発生する熱を直接外部に放熱させることができ、これによりPCBの温度分布を均一に分散させることができる。
【0071】
接触腰部を介して、局所的に発生する発熱素子の熱を直接放熱または取り出すことができるので、別途の高放熱放熱フィン221またはヒートシンク220の放熱効率が増加し、これにより、システム全体に必要な放熱フィン221またはヒートシンク220のサイズ及び重量が減少する。
【0072】
以上の説明は、本実施例の技術思想を例示的に説明したに過ぎず、本実施例の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能である。したがって、本実施例は、本実施例の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例により、本実施例の技術思想の範囲が限定するものではない。本実施例の保護範囲は次の請求の範囲によって解釈するべきであり、その同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本実施例の権利範囲に含まれるものと解釈するべきである。
【0073】
10:アンテナアセンブリ
20:アンテナ本体
110:アンテナ素子
210:レドーム
120:第1のPCB
220:ヒートシンク
130:フィルタ
230:本体ハウジング
140:第2のPCB
30:電源モジュール
【0074】
CROSS-REFERENCE TO RELATED APPLICATION
本特許出願は、本明細書にその全体が参考として含まれる、2017年03月31日に韓国に出願した特許出願番号第10−2017−0042127号に対して優先権を主張する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8