(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下の例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。なお、本明細書において、「Aおよび/またはB」という表現は、「AおよびBのいずれか一方または双方」を意味する。すなわち、「Aおよび/またはB」には、「Aのみ」、「Bのみ」、「AおよびBの双方」が含まれる。
【0010】
<1.灰化物>
本発明は、竹、バーク、木チップから選択される1種以上を燃焼して得られる灰化物(以下、「本発明の灰化物」と称す。)に関する。
【0011】
本発明の灰化物がなぜウィルスおよび/または細菌に対する不活化作用を有するのかは不明だが、原料である竹、バーク、木チップに含有される抗菌・抗ウィルス成分が、灰化物の状態でも寄与している可能性がある。
【0012】
本発明の灰化物は、竹、バーク、木チップから選択される1種以上を燃焼して得られるが、この中でも好適な態様は、竹及びバークを燃焼して得られる灰化物である。
【0013】
本発明の灰化物は、ウィルスおよび/または細菌に対する防除作用を示す。「ウィルスおよび/または細菌に対する防除作用に対する防除作用」とは、ウィルスや細菌の少なくとも一方に対して、不活性化作用および増殖抑制作用のいずれかを有することを意味する。 対象となるウィルス及び細菌については、<3.ウィルス及び/又は細菌の防除方法>にて後述する。
【0014】
なお、実施例で開示する本発明の灰化物では、鳥インフルエンザウィルス及び細菌の両方に対する防除作用を示すことが実験的に示されている。
【0015】
本発明の灰化物は、単純に防除対象のウィルスおよび/または細菌が存在しうる対象物に対して散布するという簡便な方法でウィルス及び細菌を直接的に不活化することができ、ウィルス及び細菌の増殖を抑制するため、家禽類を含む鳥類がウィルスまたは細菌に感染することを予防、抑制することができる。
【0016】
本発明の灰化物は、本発明の目的を損なわない範囲で、適当な分散媒(水やアルコールなど)に分散されていてもよい。また、本発明の灰化物と分散媒の混合割合は、本願発明の目的を損なわない範囲であれば任意である。
【0017】
本発明の灰化物の製造方法は、特に限定されない。混合物である場合は、通常、竹、バーク、木チップを、任意の割合で混合し、空気中で燃焼させることで製造することができる。
【0018】
原料となる竹は、イネ科タケ亜科に属する多年生常緑草本植物であり、自然界に存在する全ての種類の竹が、本発明の灰化物の原料となり得る。特にモウソウチク、マダケ、ハチクから選ばれる1種以上であることが好ましい。
【0019】
本発明の灰化物の原料となる竹の形状等は、特に限定されないが、通常は、竹を粉砕したチップ(粉砕物)が用いられる。チップの形状は均一である必要はなく、また粉末など別の形状のものが混合されていてもよい。竹の粉砕は公知の粉砕装置を使用して行うことができる。
【0020】
竹は繊維方向に解砕しやすいため、これを所定のメッシュ径のふるいを追加させると、当該メッシュ径未満の太さであるが、メッシュ径以上の長さを有する棒状の竹チップ(竹の粉砕物)が得られる。例えば、メッシュ径が15mmのメッシュ径のふるいを使用することにより、太さ15mm未満、長さが2mm以上の竹チップが得られる。なお、竹チップの長さは、竹チップの長径(長手方向の長さ)を意味し、太さは短径を意味する。
竹チップの大きさは、燃焼条件等を考慮して適宜選択して用いればよく、例えば、長さ2〜50mm、太さ15mm未満の竹チップを用いることができる。
【0021】
原料となるバークは、樹木の外側の樹皮のことであり、バークの種類に特に限定はないが、スギ樹皮及び/又はヒノキ樹皮であることが好ましい。原料となるバークの製造方法は、特に限定はないが、例えば、丸太から製材するとき等に発生するものを使用することができる。
【0022】
本発明の灰化物の原料となるバークの形状等は、特に限定されないが、通常は、バークを粉砕したチップ(粉砕物)が用いられる。チップの形状は均一である必要はなく、また粉末など別の形状のものが混合されていてもよい。バークの粉砕は公知の粉砕装置を使用することができる。バークの粉砕物(樹皮チップ)は不定形な樹皮粉砕物であり、燃焼条件を考慮して、適宜その大きさが決定される。通常、最大部分の長さで、20mm以下であり、好適には15mm以下である。このような大きさのバークは、対応するメッシュ径を有するふるいを使用することにより得ることができる。
【0023】
原料となる木チップは、樹木の内側の木質を粉砕した粉砕物のことである。木チップの種類には特に限定はないが、スギ及び/又はヒノキであることが好ましい。
木チップの形状等は、特に限定されない。木チップの製造は、特に限定はないが、例えば、丸太を公知の粉砕装置を使用して粉砕して製造することができる。大きさは、燃焼条件等を考慮して、適宜決定される。通常、最大部分の長さで、20mm以下であり、好適には15mm以下である。このような大きさの木チップは、対応するメッシュ径を有するふるいを使用することにより得ることができる。
【0024】
本発明の灰化物において、竹、バーク、木チップの混合割合は任意である。
竹及びバークを燃焼して得られる灰化物の場合、竹とバークの混合比は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されないが、通常、竹とバークの合計100重量%に対して、竹が5〜70重量%である。竹とバークの合計100重量%に対して、竹が30〜70重量%が好ましく、竹が40〜60重量%がより好ましい。
【0025】
本発明の灰化物を得るための燃焼炉としては公知の燃焼炉を使用することができる。例えば、使用することのできる燃焼炉の一つとして、
図1に示すようなコールバッハ社製のストーカー燃焼炉が挙げられる。
【0026】
本発明の灰化物を得るための燃焼温度は、得られる灰化物がウィルスおよび/または細菌に対する防除作用を示す範囲であれば特に限定されないが、通常、700℃〜950℃である。
【0027】
<2.不活性化剤>
本発明の灰化物は、単独あるいはこれに任意の成分を添加して、ウィルスおよび/または細菌の不活化剤とすることができる。
すなわち、本発明のウィルスおよび/または細菌の不活化剤(以下、「本発明の不活性化剤」と称す。)は、上述の本発明の灰化物を含有する。
【0028】
本発明の不活性化剤は、本発明の目的を損なわない範囲で、任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、本発明の目的を損なわない添加物であれば特に限定はないが、例えば、公知の懸濁剤、乳剤等が挙げられる。また、混合割合は、本願発明の目的を損なわない範囲であれば任意である。
【0029】
本発明の不活化剤は、例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ等様々な家畜に対する防疫剤として使用することができる。
【0030】
<3.ウィルス及び/又は細菌の防除方法>
本発明の灰化物は、ウィルスや細菌の防除作用を利用して、防除対象のウィルス及び/又は細菌を防除する用途に適用できる。
【0031】
本明細書において、「ウィルス」は、細胞を構成単位とせずにDNAかRNAのいずれかをゲノムとして有し、宿主細胞内だけで増殖する微小構造体を意味であり、宿主細胞内の代謝系を利用して増殖する。その際、病原体としてふるまうことがあり、ウィルスが増殖した結果として宿主に惹起される疾病をウィルス感染症という。
また、「ウィルスに対する防除作用」とは、少なくとも、ウィルスの不活性化作用およびウィルスの増殖抑制作用のいずれかを有することを意味する。
【0032】
防除対象となるウィルスは、本発明の灰化物の含有成分に起因する作用によって、不活化(死滅)できるウィルスであれば特に限定はない。エンベロープなしRNA型、エンベロープありRNA型、エンベロープなしDNA型、及びエンベロープありDNA型のいずれのタイプのウィルスに対しても対象となるが、特にRNAウィルスに属する鳥インフルエンザウィルスに好適に用いることができる。
【0033】
本発明が有効な鳥インフルエンザウィルスとしては限定がないが、HA(hemagg
lutinin)の抗原サブタイプ1〜15のいずれか1種と、NA(neuramin
diase)の抗原サブタイプ1〜9のいずれか1種とを有するものを例示することがで
きる。特に高病原性鳥インフルエンザウィルスであるH5N1型に好適に用いることがで
きる。
【0034】
防除対象となる細菌は、本発明の灰化物の含有成分に起因する作用によって、不活化(死滅)できる細菌であればよく、グラム陽性菌、グラム陰性菌、好気性菌、嫌気性菌など限定されないが、カンビロバクター、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌(O−157)、マイコプラズマ菌、マイコバクテリウム等が挙げられ、特にカンビロバクター、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌(O−157)から選択される1種以上に好適に用いられる。
【0035】
また、鳥インフルエンザだけでなく、豚インフルエンザや口蹄疫ウイルスや、条虫や回虫、鞭虫、コクシジウムなどの寄生虫を防除対象としてもよい。
【0036】
本発明の防除方法は、上記本発明の灰化物、又はこれを溶媒に分散した溶液を、防除対象のウィルスおよび/または細菌が存在しうる対象物に施用することを特徴とする。本発明の灰化物は、動物に対する感染性疾病の原因となる細菌やウィルスに対する防除作用を有するため、この防除作用を利用して細菌やウィルスを防除する。
【0037】
なお、本発明の防除方法では、少なくとも本発明の灰化物を、対象となる細菌やウィルスに施用した際に、細菌やウィルスの不活性化作用、又は、細菌やウィルスの増殖抑制作用のいずれかが発現する量(有効量)を施用すれば、施用量は特に限定されない。
また、本発明の灰化物の特徴のひとつとして、防除対象の細菌やウィルスの生息場所に施用した直後のみならず、その後の有為な期間、防除効果が持続し、防除対象となる細菌やウィルスの増加が認められないことが挙げられる。防除効果が持続する期間は、防除対象となる細菌やウィルスの種類や、灰化物の施用量にもよるが、好適な条件であれば、数日間から一週間程度の防除作用が認められる。
【0038】
なお、防除対象のウィルスおよび/または細菌が存在しうる対象物としては、動物のみならず、動物の生息場所や、動物から排出される糞尿、ゴミ類等の集積場所などが挙げられる。本発明の灰化物は、鳥インフルエンザウィルス及び細菌の両方に対する防除作用を示すため、好適な対象物としては、家畜の生息場所である家畜舎、ニワトリ、鶏卵等が挙げられるが、これに限定されない。
【0039】
なお、本発明の防除方法の対象となる動物として、家畜用動物のみならず、イヌ、ネコなどの愛玩動物も含まれるが、特に家畜への適用が好ましい。家畜として特に制限はないが、例えばウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ等が挙げられる。
特に本発明の灰化物は、鳥インフルエンザウィルスに対する防除作用に優れるため、ニワトリ(鶏卵含む)も好適な対象のひとつである。
【0040】
本発明の防除方法は、本発明の灰化物を動物に直接的に作用させる方法と、本発明の灰化物を動物に間接的に作用させる方法とに大別される。
すなわち、本発明の灰化物を直接あるいは間接的に作用させて、感染性疾病の原因となる細菌やウィルスを防除し、感染が懸念されるヒトや動物への感染性疾病の予防することができる。また、細菌やウィルスを防除することにより、感染性疾病の改善、治療効果も期待される。
以下、本発明の防除方法におけるそれぞれの方法について説明する。
【0041】
(直接的に作用させる方法)
本発明の灰化物を動物に直接的に作用させる方法として、より具体的には、本発明の灰化物を動物の皮膚や粘膜に直接噴霧する方法や皮膚や粘膜に塗布する方法などが挙げられる。この場合、本発明の灰化物は液状物として使用することが好ましい。
当該方法では、動物の皮膚や粘膜の細菌やウィルスを防除することができ、根本的な感染防止対策とすることができる。
なお、本発明の灰化物によって皮膚や粘膜を洗浄する方法についても、直接的に作用させる方法に含まれるものとする。
【0042】
(間接的に作用させる方法)
本発明の灰化物を動物に間接的に作用させる方法としては、対象がヒトの場合には、ヒトが使用する用具や機材、例えば、農機具、車両、長靴、作業服等に本発明の灰化物を接触させる方法が挙げられる。本発明の灰化物を接触させる方法は特に限定はないが、噴霧、散布、塗布などが挙げられる。
【0043】
また、対象が家畜の場合は、家畜舎等の家畜の生息場所や、家畜の排出される糞尿、ゴミ類等の集積場所にたいして、本発明の灰化物を接触させる方法が挙げられる。
【0044】
また、本発明の灰化物を動物に間接的に作用させる方法として家畜を飼育する家畜舎などの空間にミスト状に噴霧する方法も好適な方法である。この方法では、空気感染の予防をおこなうことができるので、防除対象の細菌やウィルスの発生の予防や増殖抑制に効果的である。
【実施例】
【0045】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
[実施例1]
1.灰化物の製造方法
ストーカー燃焼炉(
図1を参照)を700℃〜900℃に設定し、竹とバークを50:50で混合した混合物を燃焼させて、灰化物(1)を得た。
なお、灰化物の原料となる竹は、所定量の竹材を、その表皮を除去した後に、破砕装置を使用して破砕した後、粉砕機を使用してより細かく粉砕した竹チップを用いた。灰化物の原料となるバークは、スギの樹皮を、粉砕機を使用してより細かく粉砕した樹皮チップを用いた。
【0047】
2.評価
2−1.灰化物中の有害成分の有無
得られた灰化物(1)中の有害成分の有無について、
図2に記載の分析方法に従い評価した。結果を
図2に示す。
図2に示すように、環境汚染の原因となる六価クロム化合物は検出されなかった。また、その他の重金属においても環境基準値以下であった。
【0048】
2−2.鳥インフルエンザウィルスに対する効果
A.試験液の調整
15mL遠心管を使用して灰化物(1)を滅菌Milli−Q水で1w/v%になるように懸濁した。以下、これを1%試験液いう。
15mL遠心管を使用して灰化物(1)を滅菌Milli−Q水で3w/v%になるように懸濁した。以下、これを3%試験液いう。
それぞれの試験液はそれぞれの試験の直前に調整した。
【0049】
1%試験液
・灰化物(1):0.1g
・滅菌Milli−Q水 10mL
【0050】
3%試験液
・灰化物(1):0.3g
・滅菌Milli−Q水 10mL
【0051】
B.ウイルス不活化試験
1:1%試験液10mLにウイルス漿尿液を0.1mL加えた。以下、これを液(1)とする。なお、1%試験液でウイルスは100倍希釈されており、10
6.63 EID
50/0.1mLである。
2:手で1分間転倒混和した後、ウイルス感染価測定用に液(1)の一部(0.07mL)を回収した。これを反応時間1分用とし、感染価測定(下記4)は、下記3を行っている間に実施した。
3:残りの液(1)を、回転板を用いて20℃インキュベーター内で9分間混和した。この液を反応時間10分用とした。
4:液(1)(反応時間1分用及び反応時間10分用)を1,000単位/mLペニシリン−1mg/mLストレプトマイシン含有滅菌PBS(PS/PBS)で10倍階段希釈し、10日齢発育鶏卵の漿尿膜腔内に0.1mLずつ接種した。
5:発育鶏卵を37℃で2日間培養した後、漿尿液を回収して赤血球凝集(HA)試験によりウイルス増殖の有無を確認し、試験品−ウイルス混合液のウイルス感染価をReed and Muenchの方法により算出した。
【0052】
1%試験液に変えて、3%試験液を用いてB.ウイルス不活化試験と同様の評価を行った。
【0053】
また、1%試験液の代わりに滅菌Milli−Q水を用い、同様の試験を行うもの(ただし反応時間は10分のみ)を対照試験とした。
【0054】
結果を表1〜表6及び
図3に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
表1〜表6及び
図3に示すように、1%、3%試験液ともウイルス感染価が低下しており、灰化物(1)に鳥インフルエンザウイルスの感染価を低下させる作用があることが確認できた。
一方、表6に示すように、対照試験のMilli-Q水でのウイルス感染価は106.50 EID50/0.1mLで、ウイルス感染価の低下はない。これは、計算上のウイルス感染価にほぼ一致している。このため、1%及び3%試験液でのウイルス感染価の低下は灰化物(1)の作用によるといえる。
【0062】
C.灰化物(1)の作用停止試験
1:1%試験液10mLにウイルスを含まない漿尿液を0.1mL加えて転倒混和した。以下、これを液(2)とする。
2:表7に示すように、液(2)をPS/PBSで希釈し、10倍希釈液(液(2a))10mLおよび100倍希釈液(液(2b))10mLを作製した。
3:10倍希釈液(液(2a))10mLおよび100倍希釈液(液(2b))10mLにウイルス漿尿液を0.1mL加え、以下B.ウイルス不活化試験と同じ操作でウイルス感染価を測定した。
【0063】
【表7】
【0064】
1%試験液に変えて、3%試験液を用いた以外は同様にして評価を行った。
【0065】
1%試験液の代わりに滅菌Milli−Q水を用い、同様の試験を行ったものを対照試験とした。
【0066】
これらの溶液は、上記B.ウイルス不活化試験の4において液(1)を10倍あるいは100倍希釈したときの灰化物(1)濃度と同じになる。このため、この液(2)の10倍あるいは100倍希釈液にウイルス感染価を低下させる効果がなければ(対照試験の滅菌MIlli−Q水と同じであれば)、Bにおいて反応時間終了後に液(1)を10倍あるいは100倍希釈した時点で、試験液の効果が無くなり(ウイルス感染価の低下が止まり)、所定反応時間内での抗ウイルス効果を測定することができている(反応時間終了後から卵に接種している間に試験品の効果でウイルス感染価が下がる事はない)といえる。
【0067】
結果を表8〜表13に示す。
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
【0070】
【表10】
【0071】
【表11】
【0072】
【表12】
【0073】
【表13】
【0074】
1%、3%試験液の10倍および100倍希釈液ではほとんどウイルス感染価の低下はないことから、灰化物(1)濃度0.3%以下(3%試験液の10倍希釈)でウイルス感染価を低下させる効果はほぼなくなることが確認できた。すなわち、Bのウイルス不活化試験において、反応時間終了後のウイルスの希釈(B−4)により灰化物(1)の効果はなくなっており、反応時間1分および10分におけるウイルス感染価がきちんと測定できていることが確認できた。
【0075】
2−3.細菌に対する効果
灰化物(1)を用いて、カンピロバクター、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、大腸菌(O−157)に対する抗菌効果を評価した。結果を
図4に示す。
図4に示すように、灰化物(1)は、カンピロバクター、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、大腸菌(O−157)に対して抗菌作用を有することが確認できた。
【0076】
2−4.消臭効果
灰化物(1)を用いて、プロピオン酸、n−酪酸、メチルメルカプタン、酢酸に対する消臭効果を評価した。結果を
図5に示す。
図5に示すように、灰化物(1)は、プロピオン酸、n−酪酸、メチルメルカプタン、酢酸に対する消臭作用を示した。