(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6895879
(24)【登録日】2021年6月10日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】リモコン装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/02 20060101AFI20210621BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20210621BHJP
F24H 1/00 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
H04R1/02 102Z
H04Q9/00 371A
F24H1/00 H
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-244118(P2017-244118)
(22)【出願日】2017年12月20日
(65)【公開番号】特開2019-110504(P2019-110504A)
(43)【公開日】2019年7月4日
【審査請求日】2020年5月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】山崎 真吾
(72)【発明者】
【氏名】林 純平
(72)【発明者】
【氏名】米山 正敏
【審査官】
大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−342085(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/067854(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
H04Q 9/00
H04R 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカーをリモコンケースに内蔵したリモコン装置において、
前記リモコンケースは前ケースと後ケースで形成し、
前記前ケースの前面に開口部を有し、
前記開口部の後部に円筒状のスピーカー取付壁を立設し、
前記スピーカー取付壁の周囲で、該スピーカー取付壁の略垂直方向に金具係止部を形成し、
前記スピーカー取付壁内に円盤状のスピーカーを備え、
前記スピーカー取付壁と前記金具係止部の間に挿入口を形成し、板状の取付金具を前記挿入口へスライドして挿入することで、前記スピーカーを固定すると共に、
前記金具係止部は一対で構成し、
前記金具係止部の一部に前記取付金具の誤装着を防止する突起を形成し、
前記取付金具の略中央に前記スピーカーの背面に当接する凸部と、
前記取付金具は縦長の一端には前記突起に対向する凹部を有し、
前記取付金具の他端は前記凸部を中心とする点対称の形状に形成したことを特徴とするリモコン装置。
【請求項2】
スピーカーをリモコンケースに内蔵したリモコン装置において、
前記リモコンケースは前ケースと後ケースで形成し、
前記前ケースの前面に開口部を有し、
前記開口部の後部に円筒状のスピーカー取付壁を立設し、
前記スピーカー取付壁の周囲で、該スピーカー取付壁の略垂直方向に金具係止部を形成し、
前記スピーカー取付壁内に円盤状のスピーカーを備え、
前記スピーカー取付壁と前記金具係止部の間に挿入口を形成し、板状の取付金具を前記挿入口へスライドして挿入することで、前記スピーカーを固定すると共に、
前記金具係止部と対向する前記後ケースの前面側に抜け止め片を立設し、
前記リモコンケース組み立て時には、前記抜け止め片にて前記取付金具の側端部を当接して取付金具の外れを防止することを特徴とするリモコン装置。
【請求項3】
前記金具係止部と対向する前記後ケースの前面側に抜け止め片を立設し、
前記リモコンケース組み立て時には、前記抜け止め片にて前記取付金具の側端部を当接して取付金具の外れを防止することを特徴とする請求項1に記載のリモコン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカーを内蔵したリモコン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種のリモコン装置においては、特許文献1のように、スピーカーの前面に位置するリモコンケースに透音用の複数のスリット状の開口部を有し、この開口部の背面側にスピーカー取付部を形成し、このスピーカー取付部に背面側からスピーカーをセットした後、リモコンケースに形成した溝と爪部の間に、スピーカー取付金具をくの字型に嵌め込んで、スピーカーの背面をスピーカー取付金具で押圧することで、簡単にスピーカーを固定するものが知られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−299896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この従来のものでは、スピーカー取付金具のバネ性を強くすると、故障時にスピーカー取付金具の取り外しが難しくなり、スピーカー取付金具のバネ性を弱くすると取り外しは簡単になるが、スピーカーの固定力が低下して、製品輸送時の外れや故障の原因となる問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、
請求項1では、スピーカーをリモコンケースに内蔵したリモコン装置において、前記リモコンケースは前ケースと後ケースで形成し、前記前ケースの前面に開口部を有し、前記開口部の後部に円筒状のスピーカー取付壁を立設し、前記スピーカー取付壁の周囲で、該スピーカー取付壁の略垂直方向に金具係止部を形成し、前記スピーカー取付壁内に円盤状のスピーカーを備え、前記スピーカー取付壁と前記金具係止部の間に挿入口を形成し、板状の取付金具を前記挿入口へスライドして挿入することで、前記スピーカーを固定する
と共に、前記金具係止部は一対で構成し、前記金具係止部の一部に前記取付金具の誤装着を防止する突起を形成し、前記取付金具の略中央に前記スピーカーの背面に当接する凸部と、前記取付金具は縦長の一端には前記突起に対向する凹部を有し、前記取付金具の他端は前記凸部を中心とする点対称の形状に形成するようにした。
【0006】
また、
請求項2では、スピーカーをリモコンケースに内蔵したリモコン装置において、前記リモコンケースは前ケースと後ケースで形成し、前記前ケースの前面に開口部を有し、前記開口部の後部に円筒状のスピーカー取付壁を立設し、前記スピーカー取付壁の周囲で、該スピーカー取付壁の略垂直方向に金具係止部を形成し、前記スピーカー取付壁内に円盤状のスピーカーを備え、前記スピーカー取付壁と前記金具係止部の間に挿入口を形成し、板状の取付金具を前記挿入口へスライドして挿入することで、前記スピーカーを固定すると共に、前記金具係止部と対向する前記後ケースの前面側に抜け止め片を立設し、前記リモコンケース組み立て時には、前記抜け止め片にて前記取付金具の側端部を当接して取付金具の外れを防止するようにした。
【0007】
また、
請求項3では請求項1の構成に加え、前記金具係止部と対向する前記後ケースの前面側に抜け止め片を立設し、前記リモコンケース組み立て時には、前記抜け止め片にて前記取付金具の側端部を当接して取付金具の外れを防止するようにした。
【発明の効果】
【0008】
リモコンケースへのスピーカーと取付金具の着脱を極めて簡単にし、かつ、スピーカーの固定を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態のリモコン装置の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の一実施形態のインターホン機能付給湯機用リモコン装置を図面に基づいて説明する。
【0011】
リモコン装置1は、内蔵部品の前面側を覆う樹脂製の前ケース2と、後面側を覆う樹脂製の後ケース3とで構成される薄い箱状のリモコンケース4に、液晶表示部5や複数のスイッチ6、音声スイッチ(図示せず)などの電子部品を備えた電装基板7や、スピーカー8、マイク(図示せず)等を内蔵し、前ケース2の前面側には複数の操作キー9を押圧自在に嵌め込んで取り付けられている。
【0012】
前ケース2は、前ケース2の一端側裏面に固定されるスピーカー8に対応する位置に、複数の横長のスリット状の開口部10が開口され、この開口部10の後部に円筒状のスピーカー取付壁11を立設している。このスピーカー取付壁11の周囲にはスピーカー取付壁11の略垂直方向に金具係止部12を形成している。
【0013】
前記金具係止部12は下係止部13と上係止部14の上下一対備え、前記スピーカー取付壁11から延出して一体に形成する。また、前記係止部13・14の前面側には板状の取付金具15をスライドして係止する係止面13a・14aと、前記取付金具15の右端位置(
図6においては左端位置)を固定するストッパ部13b・14bを有する。
【0014】
前記スピーカー取付壁11の高さは前記金具係止部12の係止面13a・14aにスライドしてスムーズに取り付けられるように、左取付壁11aが右取付壁11bよりも低く形成され、前記左取付壁11aと係止面13a・14aとの間に取付金具15の挿入口16を形成し、取付金具15を挿入口16へスライドして挿入することで、円盤状の前記スピーカー8を固定する。また、前記下係止部13の前記ストッパ部13bには、前記取付金具15の誤装着を防止するため金具側に突起13cを形成する。また、前記突起13cの左側(
図6においては右側)で取付金具15の幅を隔てた距離に、前記左取付壁11aの一部を前方に凹ませてガイド部11cを形成し、前記突起13cとガイド部11cによって、組み立て時における、前記下係止部13での取付金具15の横方向の位置をガイドする。
【0015】
前記取付金具15はステンレスのバネ材から成る縦長板状のもので、略中央には前記スピーカー8の背面に当接する凸部17と、前記突起13cに対向する凹部18を有している。また、前記凸部17を中心とする点対称の形状に形成することで、前記凸部17がスピーカー8側でなく背面側に前後方向を間違って装着されることでスピーカー8と取付金具15の間に隙間が生じることを防止すると共に、取付金具15の上下方向を区別する必要が無く組み立て時の作業性が向上する。
【0016】
19はゴムパッキンで、前記スピーカー取付壁11内側の前記開口部10とスピーカー8周囲の間を密着し、かつ、スピーカー8より音が発生した場合の振動を吸収する。20は発泡材料から成る遮音材で前記スピーカー8から背面方向への音の漏れを防止する。
【0017】
21は前記後ケース3の前面側に立設した抜け止め片で、前記上係止部14に対向し、前記左取付壁11aの左側を覆うように形成している。これによって、前記リモコンケース組み立て後には、前記抜け止め片21にて前記取付金具15の側端部を当接して運搬時等の振動で取付金具15の外れを防止することができる。
【0018】
組み立て手順について説明すれば、まずスピーカー8の外周に前方からゴムパッキン19を取り付け、スピーカー取付壁11の内側に挿入し、取付金具15の下側の凹部18が下係止部13の突起13cに位置させ、
図5破線矢印の方向に取付金具15を回転すれば極めて簡単にスピーカー8を前ケース2に取り付けることができる。次に、後ケース3をネジ(図示せず)で前ケース2に取り付ければ、後ケース3の前面側に立設した抜け止め片21が取付金具15の側端部を当接して輸送時等の振動で取付金具15が外れることを防止することができる。
【0019】
スピーカー8の故障で取り外す場合には、単に前記の組み立て手順の逆をすることで簡単に取り外すことができる。特に取付金具15の取り外しは、
図5破線矢印の逆方向に取付金具15を回転するだけなので簡単に取り外すことができる。
【0020】
このように、本件発明によれば、リモコンケース4へのスピーカー8とスピーカーを取り付ける取付金具15の着脱を極めて簡単にし、かつ、スピーカー8の固定を確実に行うことができる。また、後ケース3の前面側に立設した抜け止め片21が取付金具15の側端部に当接して輸送時等の振動で取付金具15が外れることを防止することができる。また、スピーカー取付壁11と遮音材20とスピーカー取付壁11を覆う抜け止め片21の構成によりスピーカー8の音が後方に漏れることを防止するものである。
【0021】
なお、本発明は上記一実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で改変可能なものであり、金具係止部12や抜け止め片21を左右方向に設ける構成としてもよい。
【符号の説明】
【0022】
1 リモコン装置
2 前ケース
3 後ケース
4 リモコンケース
8 スピーカー
10 開口部
11 スピーカー取付壁
12 金具係止部
13c 突起
15 取付金具
16 挿入口
17 凸部
18 凹部
21 抜け止め片