特許第6895891号(P6895891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6895891向上した高温及び低温性能を有するリーンNOxトラップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6895891
(24)【登録日】2021年6月10日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】向上した高温及び低温性能を有するリーンNOxトラップ
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/92 20060101AFI20210621BHJP
   B01J 23/63 20060101ALI20210621BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20210621BHJP
   B01D 53/96 20060101ALI20210621BHJP
   B01J 20/34 20060101ALI20210621BHJP
   B01J 20/06 20060101ALI20210621BHJP
   B01J 20/08 20060101ALI20210621BHJP
   B01J 20/28 20060101ALI20210621BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20210621BHJP
   F01N 3/10 20060101ALI20210621BHJP
   F01N 3/28 20060101ALI20210621BHJP
   F01N 3/022 20060101ALI20210621BHJP
   F01N 3/035 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
   B01D53/92 223
   B01J23/63 AZAB
   B01D53/94 222
   B01D53/94 245
   B01D53/94 280
   B01D53/92 352
   B01D53/96
   B01J20/34 F
   B01J20/06 C
   B01J20/08 C
   B01J20/28 A
   F01N3/08 A
   F01N3/10 A
   F01N3/08 B
   F01N3/28 301C
   F01N3/28 301G
   F01N3/28 301P
   F01N3/022 C
   F01N3/035 A
【請求項の数】33
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-546633(P2017-546633)
(86)(22)【出願日】2016年3月3日
(65)【公表番号】特表2018-513776(P2018-513776A)
(43)【公表日】2018年5月31日
(86)【国際出願番号】US2016020607
(87)【国際公開番号】WO2016141142
(87)【国際公開日】20160909
【審査請求日】2019年2月28日
(31)【優先権主張番号】62/127,437
(32)【優先日】2015年3月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505470786
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】グルーベルト,ゲルト
(72)【発明者】
【氏名】ノイバオアー,トルシュテン
(72)【発明者】
【氏名】プンケ,アルフレート ハー.
(72)【発明者】
【氏名】ヒルゲンドルフ,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】コードル,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ブーフホルツ,マルコ
【審査官】 佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−501613(JP,A)
【文献】 特表2013−528119(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/154913(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/34−53/96、
39/00−41/04
F01N 3/00−11/00
B01J 21/00−38/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーンNOトラップ組成物であって、
50質量%を超えるセリアを含む第1の担体材料と、
耐火性金属酸化物および50質量%以下のセリアを含む第2の担体材料に担持された10〜30質量%のアルカリ土類金属と、
第1の担体材料および第2の担体材料のうちの少なくとも一方に担持された白金族金属成分と、
を含む担体基材上のウォッシュコート層を含む、組成物。
【請求項2】
0.5質量%〜10質量%のアルカリ土類金属が、第1の担体材料の一部に担持されている、請求項1に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項3】
3質量%〜6質量%のアルカリ土類金属が、第1の担体材料の一部に担持されている、請求項2に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項4】
第1の担体材料はアルミナを更に含む、請求項1に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項5】
第1の担体材料は、Y、Nd、Sm、La、Zr、NbまたはPrの酸化物から選択される1種以上のドーパントを更に含む、請求項1に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項6】
前記アルカリ土類金属は酸化バリウムである、請求項1に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項7】
第1の担体材料は100質量%のセリアからなる、請求項1に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項8】
第2の担体材料は本質的にセリア及びアルミナからなる、請求項1に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項9】
第2の担体材料は20〜50質量%のセリア及び50〜80質量%のアルミナを含む、請求項に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項10】
前記セリア及びアルミナは、30:70のアルミナに対するセリアの比で存在する、請求項に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項11】
前記セリア及びアルミナは、50:50のアルミナに対するセリアの比で存在する、請求項に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項12】
1質量%〜7質量%の酸化バリウムが、第1の担体に担持されている、請求項に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項13】
前記白金族金属成分は、Rh、Pt及びPdのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項14】
耐火性金属酸化物及び50質量%以下の還元性金属酸化物を含む第3の担体材料を更に含む、請求項13に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項15】
前記耐火性金属酸化物はアルミナである、請求項14に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項16】
前記白金族金属成分はPt及びPdを含む、請求項13に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項17】
Ptは20/0.30483g/m3〜200/0.30483g/m3(20〜200g/ft)の範囲で存在し、Pdは1/0.30483g/m3〜50/0.30483g/m3(1〜50g/ft)の範囲で存在し、Pdに対するPtの比は15:1〜2:1の範囲である、請求項16に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項18】
前記Pdに対するPtの比は10:1〜4:1の範囲である、請求項17に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項19】
前記白金族金属成分の100%が第2の担体上にあり、前記白金族金属成分はPt及びPdを含む、請求項1に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項20】
前記白金族金属成分はPt及びPdを含み、そのPdの50〜100質量%は第1の担体上にある、請求項1に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項21】
前記白金族金属成分はPt及びPdを含み、そのPtの2〜10質量%は第1の担体上にある、請求項1に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項22】
前記白金族金属成分は、第1の担体の一部上に、1/0.30483g/m3〜20/0.30483g/m3(1〜20g/ft)の範囲で存在するロジウムを更に含む、請求項16に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項23】
第2の担体及び第1の担体は、1:3〜4:1の第1の担体に対する第2の担体の比で存在する、請求項1に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項24】
第2の担体及び第1の担体は、1:2〜3:1の第1の担体に対する第2の担体の比で存在する、請求項23に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項25】
第2の担体の前記耐火性金属酸化物は、Mg、MnおよびZrの酸化物のうちの1つ以上でドープされている、請求項1に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項26】
前記耐火性金属酸化物は、MgおよびZrの酸化物でドープされている、請求項25に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項27】
酸化バリウム及び第2の担体の装填量は、1/25.4g/ mm〜4/25.4g/ mm(1〜4g/in)の範囲に存在する、請求項に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項28】
酸化バリウム及び第1の担体の装填量は、0.1/25.4g/ mm〜2/25.4g/ mm(0.1〜2g/in)の範囲で存在する、請求項12に記載のリーンNOトラップ組成物。
【請求項29】
請求項1に記載のリーンNOトラップ組成物を含むリーンバーン内燃エンジン用の排気ガスシステムであって、下流の選択触媒還元(SCR)触媒を更に含む、システム。
【請求項30】
前記リーンNOトラップ組成物は、基材上にウォッシュコートとして配置され、前記SCR触媒は、別の下流基材上に別のウォッシュコート層として配置される、請求項29に記載の排気ガスシステム。
【請求項31】
リーンNOトラップ組成物はハニカムフロースルー基材上にあり、前記SCR触媒はウォールフロー基材上にある、請求項30に記載の排気ガスシステム。
【請求項32】
リーンNOトラップ組成物はウォールフロー基材上にあり、前記SCR触媒はハニカムフロースルー基材上にある、請求項30に記載の排気ガスシステム
【請求項33】
リーンバーン内燃エンジンからの排気ガスを処理する方法であって、窒素酸化物を含有するリーン排気ガスを請求項1に記載のリーンNOトラップ組成物と接触させることと、リーンNOトラップ組成物を濃縮された排気ガスと断続的に接触させることと、を含む方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素酸化物貯蔵材料及びそれらの使用のためのシステム及び方法に関する。より詳細には、本発明は、改善された低温NO貯蔵及び再生、及び改善された老化安定NO貯蔵を有するNO貯蔵材料、及びその材料の使用方法に関する。その窒素酸化物貯蔵材料は、排気ガス流、特にディーゼルエンジンから発生する排気ガス流を処理するために使用される触媒トラップの一部であってよい。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンを含むエンジンは、燃費対策としてリーン条件下で動作するように設計されている。そのような将来のエンジンは、「リーンバーンエンジン」と呼ばれる。すなわち、そのようなエンジンに供給される燃焼混合物中の燃料に対する空気の比は化学量論比よりもはるかに高く維持され(例えば、空気対燃料重量比が18:1)、これにより生じる排気ガスが「リーン」である、すなわち、排気ガスが酸素含有量が比較的高くなる。リーンバーンエンジンは、高度な燃料経済性を提供するものの、従来の三元触媒コンバータ(TWC)が、排気中の過剰な酸素のために、そのようなエンジンからのNO放出を減少させるには有効でないという欠点を有する。この問題を克服しようとする試みには、NOトラップの使用が含まれてきた。そのようなエンジンの排気は、リーン(酸素リッチ)動作の期間中にNOを貯蔵し、リッチ(燃料リッチ)動作の期間中に貯蔵されたNOを放出する触媒/NO吸着剤で処理される。リッチ(または化学量論的)動作の期間の間は、触媒/NO吸着剤の触媒成分は、NO(NO吸着剤から放出されるNOを含む)と排気中に存在する炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、および/または水素との反応によってNOの窒素への還元を促進する。
【0003】
ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンよりも優れた燃料経済性を提供し、過剰酸素の存在によりNOの減少が困難なリーン条件下で通常は常に動作する。この場合、触媒/NO吸着剤はNOを貯蔵するのに有効である。NO貯蔵モードの後、一時的なリッチ状態を利用して、貯蔵されたNOを放出及び/または窒素に還元しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
Mg、Ca、Sr、及びBaの酸化物などのアルカリ土類金属酸化物、Li、Na、K、Rb及びCsの酸化物などのアルカリ金属酸化物、ならびにCe、La、PrおよびNdの酸化物などの希土類金属酸化物を、アルミナ担体に分散された白金などの白金族金属触媒と組み合わせて含むNO貯蔵(吸蔵)成分は、内燃エンジンからの排気ガスの浄化に使用されてきた。NO貯蔵のために、酸化バリウムは、リーンエンジン動作で硝酸塩を生成し、リッチ条件下で比較的容易に硝酸塩を放出するので、通常は好ましい。しかしながら、NO貯蔵のために酸化バリウムを使用する触媒は、特に触媒が高温およびリーン動作条件に曝されることによってエージングする場合に、実用上用途における問題を示す。そのような曝露の後、そのような触媒は、特に低温(200〜350℃)の動作条件において、NO低減のための触媒活性の著しい低下を示す。
【0005】
還元性環境では、リーンNOトラップ(LNT)は、炭化水素の水蒸気改質反応及び水性ガスシフト(WGS)反応を促進して還元剤としてのHを提供することによって反応を活性化させ、NOを減少させる。水性ガスシフト反応は、一酸化炭素が水蒸気と反応して二酸化炭素および水素を形成する化学反応である。LNTにおけるセリアの存在は、WGS反応を触媒し、LNTのSO不活性化に対する耐性を改善し、PGMを安定化させる。アリア(CeO)に固定されたバリウム(BaCO)を含むNO貯蔵材料が報告されており、これらのNO材料は改善された熱的エージング特性を示している。しかしながら、セリアは、高温での熱水的エージングの際に深刻な焼結を被る。焼結は、低温NO容量およびWGS活性を低下させるだけでなく、バルクCeOによるBaCOおよびPGMの封入もたらす。リーンNOトラップは、LNTが床下位置に置かれた場合に、LNT内のNO形成が温度の低下と共に増加するため、高いNO放出を発生させる。LNTをエンジンにより近づけて配置することにより、NO放出量を減らすことができるが、これは高い水熱安定性を必要とする。それ故、水熱的に安定であるセリア含有LNTの必要性が存在する。
【0006】
また、2017年に発効する予定の新しいDiesel Euro6c法は、実際の運転条件でNO転化が必要である。それ故、新しいDiesel Euro6c法を遵守するために、LNTは高温条件(高速道路)及び低温条件(市街地)でNOを貯蔵しなければならない。また、貯蔵されたNOの除去および低温でのNへの転化が課題である。しかしながら、市街地走行条件下での貯蔵されたNOのLNTのDeNO再生およびNO貯蔵のエージング安定性は、既存のLNT触媒と比較して改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の実施形態は、50質量%を超える還元性金属酸化物を含む第1の担体材料;耐火性金属酸化物および50質量%以下の還元性金属酸化物を含む第2の担体材料に担持された10〜30質量%のアルカリ土類金属;及び第1の担体材料及び第2の担体材料のうちの少なくとも一方に担持された白金族金属成分を含む担体基材上のウォッシュコート層を含むリーンNOトラップ組成物に関する。
【0008】
第2の実施形態では、第1の担体材料の一部が0.5質量%〜10質量%のアルカリ土類金属を更に含むように第1の実施形態が変更され得る。
【0009】
第3の実施形態では、第1の担体材料の一部が3質量%〜6質量%のアルカリ土類金属を更に含むように第1の実施形態または第2の実施形態が変更され得る。
【0010】
第4の実施形態では、還元性金属酸化物は、CeO、MnO、Mn、Fe、CuO、またはCoO、及びこれらの混合物のうちの1つ以上であるように第1〜第3の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0011】
第5の実施形態では、第1の担体材料がアルミナを更に含むように第1〜第4の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0012】
第6の実施形態では、第1の担体材料は、Y、Nd、Sm、La、Zr、NbまたはPrの酸化物から選択される1種以上のドーパントを更に含むように第1〜第5の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0013】
第7の実施形態では、アルカリ土類金属がバリウムであるように第1〜第6の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0014】
第8の実施形態では、第1の担体材料が100質量%のセリアからなるように第1〜第7の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0015】
第9の実施形態では、第2の担体材料が本質的にセリア及びアルミナからなるように第1〜第8の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0016】
第10の実施形態では、第2の担体材料が20〜50質量%のセリア及び50〜80質量%のアルミナを含むように第1〜第9の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0017】
第11の実施形態では、セリア及びアルミナが30:70のアルミナに対するセリアの比で存在するように第1〜第10の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0018】
第12の実施形態では、セリア及びアルミナが50:50のアルミナに対するセリアの比で存在するように第1〜第10の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0019】
第13の実施形態では、1質量%〜7質量%の酸化バリウムが第1の担体の一部に担持されるように第6〜第12の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0020】
第14の実施形態では、白金族金属成分がRh、Pt及びPdのうちの1つ以上を含むように第1〜第13の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0021】
第15の実施形態では、耐火性金属酸化物及び50質量%以下の還元性金属酸化物を含む第3の担体材料を更に含むように第1〜第14の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0022】
第16の実施形態では、耐火性金属酸化物がアルミナであるように第15の実施形態が変更され得る。
第17の実施形態では、白金族金属成分がPt及びPdを含むように第1〜第16の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0023】
第18の実施形態では、Ptが20/0.30483g/m3〜200/0.30483g/m320〜200g/ftの範囲で存在し、Pdが1/0.30483g/m3〜50/0.30483g/m31〜50g/ftの範囲で存在し、Pdに対するPtの比が15:1〜2:1の範囲であるように第14〜第17の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0024】
第19の実施形態では、Pdに対するPtの比が10:1〜4:1の範囲であるように第14〜第18の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0025】
第20の実施形態では、白金族金属成分の100%が第2の担体上にあり、その白金族金属成分がPt及びPdを含むように第1〜第19の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0026】
第21の実施形態では、白金族金属成分がPt及びPdを含み、そのPdの50〜100質量%は第1の担体上にあるように第1〜第19の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0027】
第22の実施形態では、白金族金属成分がPt及びPdを含み、そのPdの2〜10質量%は第1の担体上にあるように第1〜第19の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0028】
第23の実施形態では、白金族金属成分が、第1の担体の一部上に、1/0.30483g/m3〜20/0.30483g/m31〜20g/ftの範囲で存在するロジウムを含むように第1〜第22の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0029】
第24の実施形態では、第2の担体及び第1の担体が、1:3〜4:1の第1の担体に対する第2の担体の比で存在するように第1〜第23の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0030】
第25の実施形態では、第2の担体及び第1の担体が、1:2〜3:1の第1の担体に対する第2の担体の比で存在するように第1〜第24の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0031】
第26の実施形態では、第2の担体の前記耐火性金属酸化物が、Mg、MnおよびZrの酸化物のうちの1つ以上でドープされているように第1〜第25の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0032】
第27の実施形態では、耐火性金属酸化物が、MgおよびZrの酸化物でドープされているように第1〜第26の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0033】
第28の実施形態では、酸化バリウム及び第2の担体の装填量が、1/25.4g/ mm〜4/25.4g/ mm1〜4g/inの範囲に存在するように第1〜第7の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0034】
第29の実施形態では、酸化バリウム及び第1の担体の装填量が、0.1/25.4g/ mm〜2/25.4g/ mm0.1〜2g/inの範囲で存在するように第1〜第13の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0035】
第30の実施形態は、第1〜第29の実施形態のいずれかのリーンNOトラップ組成物を含むリーンバーン内燃エンジン用の排気ガスシステムであって、下流の選択触媒還元(SCR)触媒を更に含むように変更されたシステムに関する。
【0036】
第31の実施形態では、リーンNOトラップ組成物が、基材上にウォッシュコートとして配置され、SCR触媒が、別個の下流基材上に別個のウォッシュコート層として配置されるように第30の実施形態が変更され得る。
【0037】
第32の実施形態では、リーンNOトラップ組成物がハニカムフロースルー基材上にあり、SCR触媒がウォールフロー基材上にあるように第30または第31の実施形態が変更され得る。
【0038】
第33の実施形態では、リーンNOトラップ組成物がウォールフロー基材上にあり、SCR触媒がハニカムフロースルー基材上にあるように第30または第31の実施形態が変更され得る。
【0039】
第34の実施形態は、リーンNOトラップ組成物であって、50質量%を超える還元性金属酸化物を含む第1の担体材料と;耐火性金属酸化物および50質量%以下の還元性金属酸化物を含む第2の担体材料に担持された10〜20質量%のアルカリ土類金属と;50質量%を超える還元性金属酸化物を含む第3の担体材料に担持された白金族金属成分と;耐火性金属酸化物および50質量%以下の還元性金属酸化物を含む第4の担体材料に担持された白金族金属成分と;を含む担体基材上のウォッシュコート層を含む、組成物に関する。
【0040】
第35の実施形態では、白金族金属が第1の担体材料の一部に存在しているように第34の実施形態が変更され得る。
【0041】
第36の実施形態では、第1の担体材料の一部上の白金族金属がロジウムであるように第34及び第35の実施形態が変更され得る。
【0042】
第37の実施形態では、ロジウムが1/0.30483g/m3〜20/0.30483g/m31〜20g/ftの範囲で存在するように第36の実施形態が変更され得る。
【0043】
第38の実施形態では、還元性金属酸化物が、CeO、MnO、Mn、Fe、CuO、またはCoO、及びこれらの混合物のうちの1つ以上であるように第34〜第37の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0044】
第39の実施形態では、第1の担体材料は100質量%のセリアからなるように第34〜第38の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0045】
第40の実施形態では、第2の担体に担持されたアルカリ土類金属が酸化バリウムであるように第34〜第39の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0046】
第41の実施形態では、第3の担体材料に担持された白金族金属成分がロジウムであるように第34〜第40の実施形態が変更され得る。
【0047】
第42の実施形態では、ロジウムが1/0.30483g/m3〜20/0.30483g/m31〜20g/ftの範囲で存在するように第41の実施形態が変更され得る。
【0048】
第43の実施形態では、ロジウムが3/0.30483g/m3〜7/0.30483g/m33〜7g/ftの範囲で存在するように第42の実施形態が変更され得る。
【0049】
第44の実施形態では、第3の担体が、CeO、Al、ZrO、及びこれらの混合物のうちの1つ以上を含むように第34〜第43の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0050】
第45の実施形態では、第4の担体が、CeO、Al、ZrO、及びこれらの混合物のうちの1つ以上を含むように第34〜第44の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0051】
第46の実施形態では、第4の担体材料に担持された白金族金属がPt及びPdを含むように第34〜第45の実施形態が変更され得る。
【0052】
第47の実施形態では、第4の担体の耐火性金属酸化物が、Mg、MnおよびZrの酸化物のうちの1つ以上でドープされているように第31〜第46の実施形態のいずれかが変更され得る。
【0053】
第48の実施形態は、リーンバーン内燃エンジンからの排気ガスを処理する方法であって、酸化窒素を含有するリーン排気ガスを第1〜第33の実施形態のいずれかのリーンNOトラップ組成物と接触させることと、リーンNOトラップ組成物を濃縮された(enriched)排気ガスと断続的に接触させることと、を含む方法に関する。
【0054】
第49の実施形態は、リーンバーン内燃エンジンからの排気ガスを処理する方法であって、酸化窒素を含有するリーン排気ガスを第34〜第47の実施形態のいずれかのリーンNOトラップ組成物と接触させることと、リーンNOトラップ組成物を濃縮された排気ガスと断続的に接触させることと、を含む方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】リーン/リッチサイクル試験における本発明のLNTのサンプルと先行技術のLNTとの間のNOの貯蔵の比較を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本発明のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本発明は、以下の説明に記載された構成またはプロセス工程の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行されることが可能である。
本発明の1つ以上の実施形態によれば、従来のLNT触媒と比較して、改善された水熱安定性、より高いNOトラップ容量、およびより高いNO転化率を示すLNT触媒材料が提供される。1つ以上の実施形態では、LNT触媒材料は、50質量%を超える還元性金属酸化物を含む第1の担体材料を含む低温貯蔵材料と、耐火性金属酸化物及び50質量%以下の量で存在する還元性金属酸化物を含む第2の担体材料上に比較的高いアルカリ土類装填量を含む高温貯蔵材料とを含む。
【0057】
1つ以上の実施形態によれば、低温貯蔵材料は、第1の支持材料の一部上に比較的低いアルカリ土類装填量を更に含む。改善された低温NO貯蔵および再生ならびにエージング安定性NO貯蔵のため、単一のスラリー技術において100%セリア上の5%BaOおよびCe/Al=50%/50%上の10〜20%BaOの混合物が、次世代のEuro6cLNT用のNO貯蔵材料として特定された。この材料は、Ce/Al=90/10担体材料上に純粋なセリアとBaの混合物を含む最近のEuro6bのLNTと比較して優れた性能を示す。
【0058】
本開示において使用される用語に関して、以下の定義が提供される。
【0059】
ウォッシュコート層における「担体」への言及は、白金族金属、安定剤、促進剤、バインダーなどを会合、分散、含浸、または他の好適な方法によって受け取る材料を指す。有用な高い表面積の担体は、1つ以上の耐火性酸化物を含む。これらの酸化物には、例えば、アルミナ−シリカ、シリカ及びアルミナ、チタニア、及びジルコニアが含まれ、これらには、シリカ−アルミナ、非晶性または結晶性であり得るアルミノシリケート、アルミナ−ジルコニアなどの混合酸化物形態、及びチタン−アルミナ及びジルコニウム−シリケートが含まれる。
【0060】
本明細書で使用される場合、「アルカリ土類金属」という用語は、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、及びラジウム(Ra)を含む元素の周期表で定義される1種以上の化学元素を指す。1つ以上の実施形態では、アルカリ土類金属成分はバリウム成分を含む。アルカリ土類金属成分は、酸化物基準で約0.5質量%〜40質量%の範囲の量でウォッシュコート中に存在し得る。特定の実施形態では、アルカリ土類金属成分は、酸化物基準で約0.5質量%〜約40質量%の範囲の量で存在するバリウム成分を含む。
【0061】
1つ以上の実施形態では、LNTまたは窒素酸化物貯蔵触媒は、少なくとも1種の白金族金属を更に含み得る。本明細書で使用される場合、「白金族金属」または「PGM」という用語は、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、およびルテニウムならびにこれらの混合物を含む元素の周期表に定義される1種以上の化学元素を指す。1つ以上の実施形態では、白金族金属は、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される。特定の実施形態では、白金族金属は、白金、パラジウム、ロジウム、およびこれらの混合物から選択される。
【0062】
本発明の第1の態様の実施形態は、リーンNOトラップ組成物に関する。1つ以上の実施形態では、リーンNOトラップ組成物は、50質量%を超える還元性金属酸化物を含む第1の担体材料と;耐火性金属酸化物および50質量%以下の還元性金属酸化物を含む第2の担体材料に担持された10〜30質量%のアルカリ土類金属と;第1の担体材料及び第2の担体材料のうちの少なくとも一方に担持された白金族金属成分とを含む担体基材上のウォッシュコート層を含む。1つ以上の実施形態では、リーンNOトラップ組成物は、第1の担体材料の一部に担持された0.5質量%〜10質量%のアルカリ土類金属を有する担体基材上のウォッシュコート層を更に含む。特定の実施形態では、3質量%〜6質量%のアルカリ土類金属が、第1の担体材料の一部に担持されている。リーンNOトラップ組成物は、NOを貯蔵し、300°を超える温度で貯蔵されたNOを熱的に脱着するのに有効である。1つ以上の実施形態では、還元性金属酸化物は、CeO、MnO、Mn、Fe、CuO、またはCoOである。
【0063】
1つ以上の特定の実施形態では、第1の担体材料は50質量%を超えるセリアを含む。1つ以上の特定の実施形態では、第1の担体材料は100質量%のセリアからなる。1つ以上の非常に特定の実施形態では、第1の担体は、Zr、Nb、La、およびPrの酸化物のうちの1つ以上でドープされている。1つ以上の実施形態では、第1の担体材料はまた、アルミナと、Y、Nd、Sm、Zr、La、NbおよびPrの酸化物を含むがこれに限定されないドーパントとを含み得る。
【0064】
1つ以上の特定の実施形態では、第2の担体材料は20〜50質量%のセリアを含む。1つ以上の非常に特定の実施形態では、第2の担体材料は50質量%以下のセリアを含み、10〜30質量%のアルカリ土類金属が還元性金属酸化物および耐火性金属酸化物を含む第2の担体材料上に担持されている。1つ以上の実施形態では、第2の担体材料は本質的にセリア及びアルミナからなる。1つ以上の特定の実施形態では、第2の担体材料は、50〜80質量%のアルミナ及び20〜50質量%のセリアを含む。1つ以上の実施形態では、セリア及びアルミナは、30:70のアルミナに対するセリアの比で存在する。1つ以上の実施形態では、セリア及びアルミナは、50:50のアルミナに対するセリアの比で存在する。1つ以上の特定の実施形態では、第2の担体上の耐火性金属酸化物は、Mg、MnおよびZrの酸化物のうちの1つ以上でドープされる。1つ以上の非常に特定の実施形態では、耐火性金属酸化物は、MgおよびZrの酸化物のうちの1つ以上でドープされている。
【0065】
1つ以上の実施形態では、第2の担体及び第1の担体は、1:2〜4:1の第1の担体に対する第2の担体の比で存在する。1つ以上の特定の実施形態では、第2の担体及び第1の担体は、1:1〜3:1の第1の担体に対する第2の担体の比で存在する。
【0066】
1つ以上の実施形態では、第2の担体材料と同じかまたは異なる組成を有し得る第3の担体材料が存在する。1つ以上の実施形態では、第3の担体材料は、耐火性金属酸化物及び50質量%以下の還元性金属酸化物を含み得る。特定の実施形態では、第3の担体材料は100%のAlを含み得る。
【0067】
1つ以上の実施形態では、アルカリ土類金属は酸化バリウムである。非常に特定の実施形態では、1質量%〜7質量%の酸化バリウムが第1の担体の一部に担持されている。非常に特定の実施形態では、酸化バリウムおよび第1の担体の装填量は、0.1/25.4g/ mm〜2/25.4g/ mm0.1〜2g/inの範囲に存在する。非常に特定の実施形態では、酸化バリウムおよび第2の担体の装填量は、1〜4g/inの範囲に存在する。
【0068】
白金族金属は、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、およびこれらの混合物からなる群から選択することができる。特定の実施形態では、白金族金属は、白金、パラジウム、およびそれらの混合物から選択される。特定の実施形態では、白金族金属は、白金、パラジウム、ロジウム、およびそれらの混合物から選択される。1つ以上の実施形態では、白金族金属成分は、PtおよびPdのうちの1つ以上を含む。1つ以上の実施形態では、白金族金属成分は、PtおよびPdのうちの1つ以上を含む。非常に特定の実施形態では、Ptは20/0.30483g/m3〜200/0.30483g/m320〜200g/ftの範囲で存在し、Pdは1/0.30483g/m3〜50/0.30483g/m31〜50g/ftの範囲で存在し、Pdに対するPtの比は15:1〜2:1の範囲である。1つ以上の特定の実施形態では、Pdに対するPtの比は10:1〜4:1の範囲である。非常に特定の実施形態では、白金族金属成分の100%が第2の担体上にあり、白金族金属成分はPt及びPdを含む。他の非常に特定の実施形態では、白金族金属成分はPt及びPdを含み、そのPdの50〜100質量%は第1の担体上にある。他の非常に特定の実施形態では、白金族金属成分はPt及びPdを含み、そのPtの2〜10質量%は第1の担体上にある。1つ以上の実施形態では、白金族金属成分は、1/0.30483g/m3〜20/0.30483g/m31〜20g/ftの範囲で存在するロジウムを更に含む。1つ以上の実施形態では、第1の担体材料の一部にロジウムが存在する。アルカリ土類金属およびロジウムがいずれとも第1の担体の一部に担持されている特定の実施形態では、第1の担体材料の30〜60%がロジウムを担持し、第1の担体材料の40〜70%がアルカリ土類金属、例えば、酸化バリウムを担持する。ロジウムを含む1つ以上の実施形態では、上述したように耐火性金属酸化物を含み得る第3の担体材料上にロジウムが存在する。1つ以上の実施形態では、第1の担体材料および第2の担体材料は、セリア−アルミナ粒子上に担持された少なくとも1種の白金族金属を更に含む。
【0069】
更に別の実施形態では、リーンNOトラップ組成物は、50質量%を超える還元性金属酸化物を含む第1の担体材料;耐火性金属酸化物および50質量%以下の還元性金属酸化物を含む第2の担体材料に担持された10〜20質量%のアルカリ土類金属;還元性金属酸化物上に白金族金属成分を含む第3の担体材料;耐火性金属酸化物及び50質量%以下の還元性金属酸化物上に白金族金属成分を含む第4の担体材料を有する担体材料上のウォッシュコート層を含む。
【0070】
1つ以上の実施形態では、還元性金属酸化物は、CeO、MnO、Mn、Fe、CuO、CoO及びこれらの混合物である。1つ以上の特定の実施形態では、第1の担体材料は50質量%を超えるセリアを含む。1つ以上の特定の実施形態では、第1の担体材料は100質量%のセリアからなる
【0071】
1つ以上の実施形態では、第1の担体の一部は白金族金属を更に含み得る。特定の実施形態では、第1の担体上の白金族金属はロジウムであり、第1の担体の還元性金属酸化物は、CeO、MnO、Mn、Fe、CuO、CoOおよびこれらの混合物及びこれらの混合物のうちの1つ以上である。別の非常に特定の実施形態では、第1の担体材料は、純粋なセリア粒子に担持されたロジウムを含む。非常に特定の実施形態では、第1の担体上にRhが1/0.30483g/m3〜20/0.30483g/m31〜20g/ftの範囲で存在する。別の非常に特定の実施形態では、第1の担体の一部上にRhが3/0.30483g/m3〜7/0.30483g/m33〜7g/ftの範囲で存在する。
【0072】
1つ以上の実施形態では、アルカリ土類金属は酸化バリウムである。1つ以上の実施形態では、第2の担体の耐火性金属酸化物はアルミナ−セリアを含む。
【0073】
1つ以上の実施形態では、第2の担体材料は、第4の担体材料と同じかまたは異なる組成を有し得る。1つ以上の実施形態では、第4の担体材料は、耐火性金属酸化物及び50質量%以下の還元性金属酸化物を含み得る。特定の実施形態では、耐火性金属酸化物は100%のAlである。
【0074】
非常に特定の実施形態では、第2の担体材料は、セリア−アルミナ粒子に担持された10〜20質量%の酸化バリウムを含む。1つ以上の特定の実施形態では、第2の担体材料は、10〜20質量%の酸化バリウム、40〜45質量%のアルミナ及び40〜45質量%のセリアを含む。
【0075】
白金族金属は、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、およびこれらの混合物からなる群から選択することができる。特定の実施形態では、白金族金属は、白金、パラジウム、ロジウム、およびこれらの混合物から選択される。1つ以上の実施形態では、白金族金属成分は、Pt、Pd及びRhのうちの1つ以上を含む。
【0076】
非常に特定の実施形態では、第3の担体の白金族金属はロジウムであり、第3の担体は、Al及びZrOのうちの1つ以上を含み、還元性金属酸化物は、CeO、MnO、Mn、Fe、CuO、またはCoO、及びこれらの混合物のうちの1つ以上である。別の非常に特定の実施形態では、第3の担体材料は、純粋なセリア粒子に担持されたロジウムを含む。非常に特定の実施形態では、第3の担体上にRhが1/0.30483g/m3〜20/0.30483g/m31〜20g/ftの範囲で存在する。非常に特定の実施形態では、第3の担体上にRhが3/0.30483g/m3〜7/0.30483g/m33〜7g/ftの範囲で存在する。
【0077】
1つ以上の実施形態では、白金族金属成分が第4の担体材料に担持され、第4の担体材料は、耐火性金属酸化物および50質量%以下の還元性金属酸化物を含む。1つ以上の実施形態では、第4の担体はAl及びZrOのうちの1つ以上を含み、還元性金属酸化物は、CeO、MnO、Mn、Fe、CuO、またはCoO、及びこれらの混合物のうちの1つ以上である。1つ以上の非常に特定の実施形態では、第4の担体は、アルミナ(Al)に担持されたロジウム、白金およびパラジウムの1つ以上を含む。非常に特定の実施形態では、Ptは20/0.30483g/m3〜200/0.30483g/m320〜200g/ftの範囲で第4の担体上に存在し、Pdは1/0.30483g/m3〜50/0.30483g/m31〜50g/ftの範囲で第4の担体上に存在する。
【0078】
別の非常に特定の実施形態では、第4の担体の耐火性金属酸化物は、アルミナ及び50質量%以下の還元性金属酸化物を含む。1つ以上の非常に特定の実施形態では、第4の担体は、Mg、Mn及びZrの酸化物のうちの1つ以上でドープされている。
【0079】
典型的には、本発明のリーンNOトラップ組成物は、基材上に配置される。基材は、触媒を調製するために典型的に使用される材料のいずれかであってよく、典型的にはセラミックまたは金属のハニカム構造を含む。例えば、細かい平行なガス流通路を有するタイプのモノリス基材であって、その通路は基材の入り口または出口面からそれを通って伸び、これによって通路はそれを通って流体流に解放である、基材などの任意の好適な基材を採用することができる。それらの流体入口からそれらの流体出口への本質的に真っ直ぐな経路である通路は、通路を通って流れるガスが触媒材料と接触するように触媒材料がウォッシュコートとして被覆された壁によって画定される。モノリス基材の流通路は、台形、長方形、正方形、正弦波状、六角形、楕円形、円形などの任意の好適な断面形状およびサイズとすることができる薄壁チャネルである。1つ以上の実施形態では、モノリス基材は、長さ、断面積、入口端及び出口端、ならびにセル壁に装填されたある量のLNTを有するハニカムセル構造を含んでよい。様々な実施形態では、セル壁は多孔質であることによって、ウォールフロー基材および/または微粒子フィルタを形成してよい。「モノリス基材」という用語は、フロースルーおよびウォールフロー(例えば、ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)、ガソリン微粒子フィルタ(GPF)、粒子酸化触媒(POC)、触媒されたすすフィルタ(CSF)など)基材のタイプであり、モノリス基材は、1つ以上のウォッシュコート層および/または触媒材料を支持することができる表面を提供する。そのため、「モノリス基材」という用語は、特許請求された発明の範囲を狭めることを意図することなく、簡潔さ及び簡便さのために本出願を通して使用される。
【0080】
そのようなモノリス基材は、断面積1平方インチ(25.4mm当たり最大で約900以上の流通路(または「セル」)を含んでよいが、はるかに少ないものを使用してよい。例えば、基板は、約7〜600、より通常には約100〜400のセル/平方インチ(「cpsi」)(100〜400セル/25.4mm)を有してよい。セルは、長方形、正方形、円形、楕円形、三角形、六角形、または他の多角形の断面を有し得る。セラミック基材は、任意の好適な耐火性材料、例えば、コージライト、コージライト−アルミナ、窒化ケイ素、または炭化ケイ素から作製されてよく、または基材は1つ以上の金属または金属合金から構成されてよい。
【0081】
本発明の実施形態によるリーンNOトラップウォッシュコート組成物は、その技術における任意の既知の手段によって基材表面に適用され得る。例えば、触媒ウォッシュコートは、噴霧コーティング、粉末コーティング、もしくははけ塗り、または表面を触媒組成物に浸漬することによって適用され得る。
【0082】
本発明の別の態様は、上記実施形態のいずれかに従って記載されたLNTを使用する放出処理システムに関する。本発明のLNTは、排気ガス放出物の処理のための1つ以上の追加の成分を含む統合された放出物処理システムに使用することができる。例えば、放出物処理システムは、1つ以上の実施形態の窒素酸化物貯蔵触媒の上流にリーンバーンエンジンを含んでよく、更に触媒および任意に微粒子フィルタを含んでよい。1つ以上の実施形態では、触媒は、三元触媒(TWC)、ディーゼル酸化触媒、およびSCR触媒から選択される。1つ以上の実施形態では、微粒子フィルタは、ガソリン微粒子フィルタ、すすフィルタ、またはSCROFから選択することができる。微粒子フィルタは、特定の機能のために触媒され得る。LNTは、微粒子フィルタの上流または下流に配置することができる。
【0083】
1つ以上の実施形態では、放出物処理システムは、1つ以上の実施形態の窒素酸化物貯蔵触媒の上流にリーンバーンエンジンを含んでよく、更にTWCを含んでよい。1つ以上の実施形態では、放出処理システムはSCR/LNTを更に含み得る。
【0084】
特定の実施形態では、微微粒子フィルタは触媒化煤煙フィルタ(CSF)である。CSFは、トラップされた煤を燃焼させるための1つ以上の触媒を含有するウォッシュコート層で被覆された基材および/または酸化ガス流放出物を含むことができる。一般に、すす燃焼触媒は、すすの燃焼のための任意の公知の触媒であり得る。例えば、CSFは、未燃焼の炭化水素の燃焼のため及びある程度の粒子物質に対して1つ以上の高表面積耐火性酸化物(例えば、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ジルコニア、およびジルコニアアルミナ)および/または酸化触媒(例えば、セリア−ジルコニア)でコーティングされ得る。1つ以上の実施形態では、すす燃焼触媒は、1つ以上の貴金属(PM)触媒(白金、パラジウムおよび/またはロジウム)を含む酸化触媒である。
【0085】
一般に、例えば、ハニカムウォールフローフィルタ、巻かれたまたは包まれた繊維フィルタ、連続気泡フォーム、焼結金属フィルタなどを含む、その技術における任意の既知のフィルタ基材を使用することができ、ウォールフローフィルタが具体的に例示される。CSF組成物を支持するのに有用なウォールフロー基材は、基材の長手方向軸に沿って延びる複数の微細で実質的に平行なガス流通路を有する。典型的には、各通路は、基材本体の一端で塞がれ、対向する端面で塞がれた交互の通路が設けられている。そのようなモノリス基材は、断面積1平方インチ(25.4mm)当たり最大で約900以上の流通路(または「セル」)を含んでよいが、はるかに少ないものを使用してよい。例えば、基板は、約7〜600、より通常には約100〜400のセル/平方インチ(「cpsi」)(100〜400セル/25.4mm)を有してよい。本発明の実施形態で使用される多孔質ウォールフローフィルタは任意に触媒作用を及ぼされ、前記要素の壁が、1つ以上の触媒物質をその上に有するかまたはその中に含有し、そのようなCSF触媒組成物は上記に記載されている。触媒材料は、要素壁の入口側に単独で、出口側に単独で、入口側及び出口側の両方に存在してよく、または壁自体の全てまたは一部が触媒材料からなってよい。別の実施形態では、本発明は、触媒材料の1つ以上のウォッシュコート層の使用、および要素の入口および/または出口壁上での触媒材料の1つ以上のウォッシュコート層の組み合わせを含み得る。
【0086】
これより本発明を以下の実施例を参照して説明する。本発明のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本発明は、以下の説明に記載された構成またはプロセス工程の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行されることが可能である。
【実施例】
【0087】
先行技術のLNTとの比較
以下の表1に示されるように、LNT Aはサンプル1.1と称され、比較の先行技術のLNTサンプルを表している。LNT Bは、サンプル1.2と称され、本発明のLNTのサンプルを表している。
【0088】
【表1】
【0089】
サンプル1.1先行技術のLNT
サンプル1.1の第1(底部)層を調製するために、2.45/25.4g/ mm2.45g/inのBa/Ce/アルミナ(20/13/67)材料にまずアンミン安定化ヒドロキソPtIV錯体として白金を有する白金溶液を含浸してPt130/0.30483g/m3130g/ftの乾燥含有量を得、次に、硝酸パラジウムの水溶液を含浸して15/0.30483g/m315g/ftの最終乾燥Pd含有量を得た。65〜70%の固形分含有量を有する得られた粉末を水に分散させた。
【0090】
純粋な100%セリア(2.45g/25.4g/ mm2.45g/in))、酢酸マグネシウム4水和物(0.3g/25.4mm0.3g/inおよび酢酸ジルコニウム(0.05g/25.4mm0.05g/inをPt/Pd/Ba/Ce/アルミナスラリーに添加した。その後のスラリーを粉砕して9μmの粒子径d90とした。次に、最終的なスラリーを金属フロースルー基材上にコーティングされる。コーティングされた基材を110℃の空気で乾燥させ、空気中で590℃で焼成する。サンプル1.1の第2の(頂部)層を調製するために、0.7g/25.4mm0.7g/inの高多孔質アルミナ材料にまずアンミン安定化ヒドロキソPtIV錯体として白金を有する白金溶液を含浸してPt40/0.30483g/m340g/ftの乾燥含有量を得た。55〜60%の固形分含有量を有する得られた粉末を水に分散させた。
【0091】
Rh含浸のために、100%セリア材料(0.5g/25.4mm0.5g/inを水に分散させて固形分含有量を43%とした。硝酸Rhの溶液をセリアスラリーに添加し、5/0.30483g/m35g/ftの最終乾燥Rh含有量を得た。
【0092】
得られたRh/セリアスラリーをPt/Pd/アルミナスラリーに添加した。その後のスラリーを粉砕して8μmの粒子径d90とした。次に、最終的なスラリーを金属フロースルー基材上にコーティングされる。コーティングされた基材を110℃の空気で乾燥させ、空気中で590℃で焼成する。
【0093】
サンプル1.2 LNT
本発明の実施例であるサンプル1.2を調製するために、1.41g/25.4mm1.41g/inの50%/50%のセリア/アルミナ材料にBaOACの水溶液(0.29g/25.4mm(0.29g/inを含浸した。得られた粉末を590℃で2時間焼成して、17%のBaO含有量を有するBa/セリア材料を得た。
【0094】
1g/25.4mm1g/inの多孔質アルミナにまずアンミン安定化ヒドロキソPtIV錯体として白金を有する白金溶液を含浸してPt130/0.30483g/m3130g/ftの乾燥含有量を得、次に、硝酸パラジウムの水溶液を含浸して15/0.30483g/m315g/ftの最終乾燥Pd含有量を得た。55〜65%の固形分含有量を有する得られた粉末を水に分散させた。
【0095】
Rh含浸のために、100%セリア材料(0.4g/25.4mm0.4g/inを水に分散させて固形分含有量を43%とした。硝酸Rhの溶液をセリアスラリーに添加し、5/0.30483g/m35g/ftの最終乾燥Rh含有量を得た。
【0096】
セリア(1.995g/25.4mm1.995g/inへのBa含浸のため、純粋な100%セリア材料にBaOAcの水溶液(0.105g/25.4mm0.105g/inを含浸させた。得られた粉末を590℃で2時間焼成して、5%のBaO含有量を有するBa/セリア材料を得た。
得られたRh/セリアスラリー、Ba/セリア材料(2.1g/25.4mm2.1g/in、Ba/Ce/Al材料(1.7g/25.4mm1.7g/in、酢酸マグネシウム4水和物(0.3g/25.4mm0.3g/inおよび酢酸ジルコニウム(0.05g/25.4mm0.05g/in)をPt/Pd/アルミナスラリーに添加した。その後のスラリーを粉砕して9μmの粒子径d90とした。次に、最終的なスラリーを金属フロースルー基材上にコーティングされる。コーティングされた基材を110℃の空気で乾燥させ、空気中で590℃で焼成する。
【0097】
New European Driving Cycle(NEDC)のCO及びHCの性能評価
サンプル1.1および1.2を、Euro6 2Lエンジンを装備したエンジン試験セルで、3つの標準的なNew European Driving Cycles(NEDC)で評価した。試験前に、サンプルを10%水蒸気を有する空気流下で800℃で16時間エージングさせた。リッチエンジンモードをLambda0.95で7秒間、NEDCにおける1075sポイントで適用して、貯蔵されたNOからLNTを再生させた。サンプル1.1および1.2のNO、COおよびHC転化率を測定した。最初の4ECEサイクルにわたる平均温度は120℃であった。より高い転化率は、より良好なガス活性を特徴付ける。本発明のLNT(サンプル1.2)のNO、CO及びHC性能は、表2に示すように、先行技術のLNT(サンプル1.1)と比較して有意に高い。
【0098】
【表2】
【0099】
DeNO性能評価のためのリーン/リッチサイクル試験
DeNO性能評価のために、リーン/リッチサイクル試験を使用した。リーン/リッチサイクル試験は、190℃〜500℃の7つの異なるプレ触媒温度で実施される7回のリーン/リッチサイクルからなるエンジン試験である。試験開始時の各温度について、全ての硝酸塩がLNTから脱着されることを保証するために30秒のリッチ動作が実施される。リーン段階では、エンジンから出たNOはLNT触媒上に貯蔵される。リーン段階の後、エンジンは10〜15秒間のリッチモードに入る。リッチモードの間、触媒上に貯蔵されたNO大部分は窒素に転化される。最後の5サイクルにおけるNOの貯蔵を監視し、評価する。図1は、サンプル1.1および1.2の16時間の水熱炉オーブンでエージングされた7回目のサイクルにおけるNOの貯蔵を示している。本発明のLNT(サンプル1.2)は、低温NO貯蔵のためのセリア上のBaを有さず、高温NO貯蔵材料としての13%Ce/アルミナ材料上のBaを有する先行技術のLNT(サンプル1.1)と比較して著しく高いNO貯蔵を示す。
【0100】
低T/高T材料比
以下の表3に示されるように、LNT Cはサンプル1.3と称され、先行技術のLNTサンプルを表している。LNT D〜Gは、サンプル1.4〜1.7と称され、本発明のLNTの異なるサンプルを表している。
【0101】
【表3】
【0102】
サンプル1.3 先行技術のLNT(比較)
サンプル1.3の第1(底部)層を調製するために、3g/25.4mm3g/inのBa/Ce/アルミナ(20/13/67)にまずアンミン安定化ヒドロキソPtIV錯体として白金を有する白金溶液を含浸してPt72g/0.30483372g/ftの乾燥含有量を得、次に、硝酸パラジウムの水溶液を含浸して8g/0.3048338g/ftの最終乾燥Pd含有量を得た。65〜70%の固形分含有量を有する得られた粉末を水に分散させた。
【0103】
100%セリア(0.9g/25.4mm0.9g/in、酢酸マグネシウム4水和物(0.24g/25.4mm0.24g/inおよび酢酸ジルコニウム(0.1g/25.4mm0.1g/inをPt/Pd/Ba/Ce/アルミナスラリーに添加した。その後のスラリーを粉砕して11μmの粒子径d90とした。次に、最終的なスラリーをセラミックフロースルー基材上にコーティングする。コーティングされた基材を110℃の空気で乾燥させ、空気中で590℃で焼成する。
【0104】
サンプル1.3の第2の(頂部)層を調製するために、0.65g/25.4mm0.65g/inの高多孔質γ−アルミナ材料にまずアンミン安定化ヒドロキソPtIV錯体として白金を有する白金溶液を含浸してPt10g/0.30483310g/ftの乾燥含有量を得た。55〜60%の固形分含有量を有する得られた粉末を水に分散させた。
【0105】
Rh含浸のために、100%セリア材料(1.4g/25.4mm0.65g/inを水に分散させて固形分含有量を43%とした。硝酸Rhの溶液をセリアスラリーに添加し、5g/0.3048m35g/ftの最終乾燥Rh含有量を得た。
【0106】
得られたRh/セリアスラリーをPt/Pd/アルミナスラリーに添加した。その後のスラリーを粉砕して8μmの粒子径d90とした。次に、最終的なスラリーをセラミックフロースルー基材上にコーティングする。コーティングされた基材を110℃の空気で乾燥させ、空気中で590℃で焼成する。
【0107】
サンプル1.4 LNT(本発明)
本発明の実施例であるサンプル1.4を調製するために、3.11g/25.4mm3.11g/inの50%/50%のセリア/アルミナ材料にBaOACの水溶液(0.59g/25.4mm0.59g/inを含浸した。得られた粉末を590℃で2時間焼成して、16%のBaO含有量を有するBa/セリア/アルミナ材料を得た。
【0108】
そのBa/セリア/アルミナ材料にまずアンミン安定化ヒドロキソPtIV錯体として白金を有する白金溶液を含浸してPt72g/0.30483372g/ftの乾燥含有量を得、次に、硝酸パラジウムの水溶液を含浸して8g/0.3048338g/ftの最終乾燥Pd含有量を得た。70〜75%の固形分含有量を有する得られた粉末を水に分散させた。
【0109】
Rh含浸のために、100%セリア材料(0.7g/25.4mm(0.7g/inを水に分散させて固形分含有量を43%とした。硝酸Rhの溶液をセリアスラリーに添加し、5g/0.3048335g/ftの最終乾燥Rh含有量を得た。
【0110】
セリアへのBa含浸のため、(1.52g/25.4mm(1.52g/inの100%セリア材料にBaOAcの水溶液(0.08g/25.4mm(0.08g/in)を含浸させた。得られた粉末を590℃で2時間焼成して、5%のBaO含有量を有するBa/セリア材料を得た。
【0111】
得られたRh/セリアスラリー、Ba/セリア材料(1.6g/25.4mm(1.6g/in、酢酸マグネシウム4水和物(0.3g/25.4mm(0.3g/in、および酢酸ジルコニウム((0.05g/25.4mm(0.05g/inをPt/Pd/Ba/Ce/Alアルミナスラリーに添加した。その後のスラリーを粉砕して9μmの粒子径d90とした。次に、最終的なスラリーをセラミックフロースルー基材上にコーティングする。コーティングされた基材を110℃の空気で乾燥させ、空気中で590℃で焼成する。
【0112】
サンプル1.5 LNT(本発明)
本発明の実施例であるサンプル1.5を調製するために、3.11g/25.4mm(3.11g/inの50%/50%のセリア/アルミナ材料にBaOACの水溶液(0.59g/25.4mm(0.59g/inを含浸した。得られた粉末を590℃で2時間焼成して、16%のBaO含有量を有するBa/セリア/アルミナ材料を得た。
【0113】
そのBa/セリア/アルミナ材料にまずアンミン安定化ヒドロキソPtIV錯体として白金を有する白金溶液を含浸してPt72g/0.30483372g/ftの乾燥含有量を得、次に、硝酸パラジウムの水溶液を含浸して8/0.30483g/m38g/ftの最終乾燥Pd含有量を得た。70〜75%の固形分含有量を有する得られた粉末を水に分散させた。
【0114】
Rh含浸のために、100%セリア材料(0.7g/25.4mm(0.7g/inを水に分散させて固形分含有量を43%とした。硝酸Rhの溶液をセリアスラリーに添加し、5g/0.3048335g/ftの最終乾燥Rh含有量を得た。
【0115】
得られたRh/セリアスラリー、セリア材料(1.6g/25.4mm(1.6g/in、酢酸マグネシウム4水和物(0.3g/25.4mm0.3g/in、および酢酸ジルコニウム(0.05g/25.4mm0.05g/in))をPt/Pd/Ba/Ce/Alアルミナスラリーに添加した。その後のスラリーを粉砕して9μmの粒子径d90とした。次に、最終的なスラリーをセラミックフロースルー基材上にコーティングする。コーティングされた基材を110℃の空気で乾燥させ、空気中で590℃で焼成する。
【0116】
サンプル1.6 LNT(本発明)
本発明の実施例であるサンプル1.6を調製するために、3.7g/25.4mm3.7g/inの50%/50%のセリア/アルミナ材料にBaOACの水溶液(0.7g/25.4mm0.7g/in)を含浸した。得られた粉末を590℃で2時間焼成して、16%のBaO含有量を有するBa/セリア/アルミナ材料を得た。
【0117】
そのBa/セリア/アルミナ材料にまずアンミン安定化ヒドロキソPtIV錯体として白金を有する白金溶液を含浸してPt72g/0.30483372g/ftの乾燥含有量を得、次に、硝酸パラジウムの水溶液を含浸して8/0.30483g/m38g/ftの最終乾燥Pd含有量を得た。70〜75%の固形分含有量を有する得られた粉末を水に分散させた。
【0118】
Rh含浸のために、100%セリア材料(0.7g/25.4mm0.7g/in)を水に分散させて固形分含有量を43%とした。硝酸Rhの溶液をセリアスラリーに添加し、5g/0.3048335g/ftの最終乾燥Rh含有量を得た。
【0119】
セリアへのBa含浸のため、(0.855g/25.4mm0.855g/in)の100%セリア材料にBaOAcの水溶液(0.045g/25.4mm0.045g/inを含浸させた。得られた粉末を590℃で2時間焼成して、5%のBaO含有量を有するBa/セリア材料を得た。
【0120】
得られたRh/セリアスラリー、Ba/セリア材料(0.9g/25.4mm0.9g/in)、酢酸マグネシウム4水和物(0.3g/25.4mm0.3g/in、および酢酸ジルコニウム(0.05g/25.4mm0.05g/inをPt/Pd/Ba/Ce/Alアルミナスラリーに添加した。その後のスラリーを粉砕して9μmの粒子径d90とした。次に、最終的なスラリーをセラミックフロースルー基材上にコーティングする。コーティングされた基材を110℃の空気で乾燥させ、空気中で590℃で焼成する。
【0121】
サンプル1.7 LNT(本発明)
本発明の実施例であるサンプル1.7を調製するために、2.52g/25.4mm2.52g/inの50%/50%のセリア/アルミナ材料にBaOACの水溶液(0.48g/25.4mm0.48g/inを含浸した。得られた粉末を590℃で2時間焼成して、16%のBaO含有量を有するBa/セリア/アルミナ材料を得た。
【0122】
そのBa/セリア/アルミナ材料にまずアンミン安定化ヒドロキソPtIV錯体として白金を有する白金溶液を含浸してPt72g/0.30483372g/ftの乾燥含有量を得、次に、硝酸パラジウムの水溶液を含浸して8/0.30483g/m38g/ftの最終乾燥Pd含有量を得た。70〜75%の固形分含有量を有する得られた粉末を水に分散させた。
【0123】
Rh含浸のために、100%セリア材料(0.7g/25.4mm0.7g/in)を水に分散させて固形分含有量を43%とした。硝酸Rhの溶液をセリアスラリーに添加し、5g/0.3048335g/ftの最終乾燥Rh含有量を得た。
【0124】
セリアへのBa含浸のため、2.19g/25.4mm2.19g/inの100%セリア材料にBaOAcの水溶液(0.115g/25.4mm0.115g/in)を含浸させた。得られた粉末を590℃で2時間焼成して、5%のBaO含有量を有するBa/セリア材料を得た。
【0125】
得られたRh/セリアスラリー、Ba/セリア材料(2.3g/25.4mm2.3g/in)、酢酸マグネシウム4水和物(0.3g/25.4mm0.3g/in)、および酢酸ジルコニウム(0.05g/25.4mm0.05g/in)をPt/Pd/Ba/Ce/Alアルミナスラリーに添加した。その後のスラリーを粉砕して9μmの粒子径d90とした。次に、最終的なスラリーをセラミックフロースルー基材上にコーティングする。コーティングされた基材を110℃の空気で乾燥させ、空気中で590℃で焼成する。
【0126】
世界軽量調和試験サイクル(WLTC)−DeNO、CO、およびHC性能評価
サンプル1.3〜1.7は、標準的なWLTC手順を用いてエンジン試験セルで試験した。試験セルはユーロ6 2Lエンジンを装備していた。WLTCサイクルの最初の1000秒における平均温度は240℃であった。試験前に、サンプルを10%水蒸気を有する空気流下で800℃で16時間オーブン内でエージングさせた。貯蔵されたNOからLNTを再生するために、リッチエンジンモードをLambda0.95でサイクルにおける7つの異なる箇所で、WLTCの間に適用した。LNTについてのNO、COおよびHC転化率を測定した。より高い転化率は、より良好なガス活性を特徴付ける。本発明のLNT(サンプル1.4〜1.6)の下流のNO転化率は、表4に示されているように、先行技術のLNT(サンプル1.3)と比較して有意に高い。の低温及び高温貯蔵材料の比を0.62(サンプル1.5およびサンプル1.5)および0.36(サンプル1.6)としてセリアに含浸された5%のBaを有するLNTは、最も高い転化率を示す。
【0127】
【表4】
【0128】
Ba/セリアTとの比較
【0129】
【表5】
【0130】
サンプル1.8先行技術のLNT
先行技術のサンプル1.8を調製するために、15%のMgO及び10%のセリアでドープされた多孔質アルミナ2.6g/25.4mm2.6g/inにまずアンミン安定化ヒドロキソPtIV錯体として白金を有する白金溶液を含浸してPt103g/0.304833103g/ftの乾燥含有量を得、次に、硝酸パラジウムの水溶液を含浸して12g/0.30483312g/ftの最終乾燥Pd含有量を得た。60〜65%の固形分含有量を有する得られた粉末を水に分散させた。
【0131】
Rh含浸のために、20%ジルコニア(0.4g/25.4mm0.4g/in)でドープされた高多孔質アルミナに硝酸Rhの溶液(5g/0.3048335g/ft)を含浸させた。得られた粉末を590℃で2時間焼成して、5g/0.3048335g/ftのRh含有量を有するRh/Zr/アルミナ材料を得た。
【0132】
得られたRh/Zr/アルミナ材料、100%のセリア材料(3.45g/25.4mm3.45g/in)に20%のBaOを含有する材料、及び酢酸ジルコニウム(0.08g/25.4mm0.08g/in)をPt/Pd/Mg/Ce/Alアルミナスラリーに添加した。その後のスラリーを粉砕して9μmの粒子径d90とした。次に、最終的なスラリーをセラミックフロースルー基材上にコーティングする。コーティングされた基材を110℃の空気で乾燥させ、空気中で590℃で焼成する。
【0133】
サンプル1.9 LNT(本発明)
本発明の実施例であるサンプル1.9を調製するために、3.07g/25.4mm3.07g/inの50%/50%のセリア/アルミナ材料にBaOACの水溶液(0.629g/25.4mm0.629g/in)を含浸した。得られた粉末を590℃で2時間焼成して、17%のBaO含有量を有するBa/セリア/アルミナ材料を得た。
【0134】
そのBa/セリア/アルミナ材料にまずアンミン安定化ヒドロキソPtIV錯体として白金を有する白金溶液を含浸してPt103g/0.304833103g/ftの乾燥含有量を得、次に、硝酸パラジウムの水溶液を含浸して12g/0.30483312g/ftの最終乾燥Pd含有量を得た。70〜75%の固形分含有量を有する得られた粉末を水に分散させた。
【0135】
Rh含浸のために、100%セリア材料(0.7g/25.4mm0.7g/in)を水に分散させて固形分含有量を43%とした。硝酸Rhの溶液をセリアスラリーに添加し、5g/0.3048335g/ftの最終乾燥Rh含有量を得た。
【0136】
セリアへのBa含浸のため、1.52g/25.4mm1.52g/inの100%セリア材料にBaOAcの水溶液(0.08g/25.4mm0.08g/in)を含浸させた。得られた粉末を590℃で2時間焼成して、5%のBaO含有量を有するBa/セリア材料を得た。
【0137】
得られたRh/セリアスラリー、Ba/セリア材料(1.6g/25.4mm1.6g/in)、酢酸マグネシウム4水和物(0.3g/25.4mm0.3g/in)、および酢酸ジルコニウム(0.05g/25.4mm0.05g/in)をPt/Pd/Ba/Ce/Alアルミナスラリーに添加した。その後のスラリーを粉砕して9μmの粒子径d90とした。次に、最終的なスラリーをセラミックフロースルー基材上にコーティングする。コーティングされた基材を110℃の空気で乾燥させ、空気中で590℃で焼成する。
【0138】
世界軽量調和試験サイクル(WLTC)−DeNO、CO、およびHC性能評価
サンプル1.8及び1.9は、標準的なWLTC手順を用いてエンジン試験セルで試験した。試験セルはユーロ6 2Lエンジンを装備していた。WLTCサイクルの最初の1000秒における平均温度は230℃であった。試験前に、サンプル1.8及び1.9を10%水蒸気を有する空気流下で800℃で5時間エージングさせた。貯蔵されたNOからLNTを再生するために、リッチエンジンモードをLambda0.95でサイクルにおける6つの異なる箇所で、WLTCの間に適用した。LNTについてのNO、COおよびHC転化率を測定した。より高い転化率は、より良好なガス活性を特徴付ける。本発明のLNT(サンプル1.9)の下流のNO転化率は、表6に示されているように、セリアに20%のBaOを有する先行技術のLNT(サンプル1.8)と比較して有意に高い。
【0139】
【表6】
【0140】
本明細書を通して、「一実施形態」、「所定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」または「ある実施形態」についての言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、材料または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それ故、本明細書を通して様々な箇所における「1つ以上の実施形態では」、「所定の実施形態では」、「1つの実施形態では」または「ある実施形態では」という語句の出現は、必ずしも本発明の同じ実施形態について言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な手法で組み合わせてよい。上記の方法の記載の順序は限定的であるとみなされるべきではなく、方法は、記載された動作を順不同で、または省略または追加にを伴って使用してよい。
【0141】
上記の説明は例示的なものであり、限定的なものではないことが意図されていることを理解されたい。多くの他の実施形態は、上記の説明を検討することにより当業者に明らかであろう。そのため、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに決定されるべきである。
図1