(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6895934
(24)【登録日】2021年6月10日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】ハンドル付き工具の操作補助器具
(51)【国際特許分類】
B21J 15/14 20060101AFI20210621BHJP
B25B 7/22 20060101ALI20210621BHJP
B21J 15/16 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
B21J15/14 Z
B25B7/22
B21J15/16 P
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-164674(P2018-164674)
(22)【出願日】2018年9月3日
(65)【公開番号】特開2020-37118(P2020-37118A)
(43)【公開日】2020年3月12日
【審査請求日】2020年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】硯川 政秀
(72)【発明者】
【氏名】高野 さやか
【審査官】
大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−78526(JP,A)
【文献】
特開昭59−232643(JP,A)
【文献】
特開昭60−148637(JP,A)
【文献】
実公昭45−1837(JP,Y1)
【文献】
実公昭46−4526(JP,Y1)
【文献】
特開2015−42054(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0289203(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 15/14
B21J 15/16
B25B 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1レバーおよび第2レバーを含むハンドルを備えたハンドル付き工具に取り付けられ、前記ハンドルを閉じる操作を補助するための操作補助器具であって、
前記第1レバーの外側に当接する第1プレートと、
前記第2レバーの外側に当接する第2プレートと、
前記第1および前記第2プレートの少なくとも一方に回転可能に取り付けられるボルトであって、締め付けられることにより、前記第1および前記第2プレートの間隔を小さくして前記ハンドルが閉じる方向に前記第1および前記第2レバーを相対的に移動させるボルトと、
を備える、ハンドル付き工具の操作補助器具。
【請求項2】
前記第1プレートと共に、前記第2プレートを挟むように配置される第3プレートと、
前記第1および前記第3プレートにわたって設けられ、当該各プレートに固定される支柱と、
を備え、
前記第2プレートは、前記支柱を通す貫通孔を有し、前記支柱に沿って前記第1および前記第3プレートの間を移動可能に構成され、
前記ボルトは、前記第2および前記第3プレートに回転可能に取り付けられ、締め付けられることにより、前記第2プレートを前記第1プレート側に移動させる、請求項1に記載の操作補助器具。
【請求項3】
前記ボルトは、軸の先端に球状のボール部を有し、
前記第2プレートは、前記ボール部を回転可能に保持する受け部を有する、請求項2に記載の操作補助器具。
【請求項4】
前記第1プレートは、前記第1レバーが嵌る第1溝状部を有し、
前記第2プレートは、前記第2レバーが嵌る第2溝状部を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の操作補助器具。
【請求項5】
前記ハンドル付き工具は、ハンドリベッターであって、
前記ボルトは、電動工具を用いて締め付けられるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の操作補助器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドル付き工具の操作補助器具に関する。
【背景技術】
【0002】
第1レバーおよび第2レバーを含むハンドルを備えたハンドル付き工具として、ハンドリベッターが広く知られている(例えば、特許文献1参照)。ハンドリベッターは、リベット(ブラインドリベット)を用いてリベット締めを行うための手動式の工具である。ハンドリベッターを用いたリベット作業の手順の一例は、下記の通りである。
(1)2つ以上の金属板等の母材にリベット径よりもやや大きな貫通孔をあける。
(2)貫通孔にリベットのボディーを差し込む。
(3)リベットのシャフトにハンドリベッターを差し込む。
(4)ハンドリベッターのハンドルを閉じる。
ハンドルを閉じることで、シャフトが引っ張られてボディーが変形した後、シャフトが切断され、2つ以上の母材が互いに接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59−232643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、ハンドリベッターを用いたリベット作業では、ハンドルを閉じてシャフトを切断するが、作業者の力不足により、また不安定な作業環境により、ハンドルを閉じることが難しい場合がある。本発明の目的は、ハンドリベッター等のハンドル付き工具のハンドル操作を容易にする補助器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るハンドル付き工具の操作補助器具は、第1レバーおよび第2レバーを含むハンドルを備えたハンドル付き工具に取り付けられ、前記ハンドルを閉じる操作を補助するための器具である。操作補助器具は、前記第1レバーの外側に当接する第1プレートと、前記第2レバーの外側に当接する第2プレートと、前記第1および前記第2プレートの少なくとも一方に回転可能に取り付けられるボルトであって、締め付けられることにより、前記第1および前記第2プレートの間隔を小さくして前記ハンドルが閉じる方向に前記第1および前記第2レバーを相対的に移動させるボルトとを備える。
【0006】
上記構成を備えた操作補助器具によれば、電動工具等を用いてボルトを締め付けることで、ハンドルを挟むように取り付けられた第1および第2プレートを相対的に動かしてハンドルを閉じることができる。作業者は、通常のハンドル操作が困難である場合に、当該補助器具をハンドルに取り付け、ボルトを締めるという簡便な操作によって、容易にハンドルを閉じることができ、例えばリベット作業を行うことが可能となる。
【0007】
本発明に係る操作補助器具において、前記第1プレートと共に、前記第2プレートを挟むように配置される第3プレートと、前記第1および前記第3プレートにわたって設けられ、当該各プレートに固定される支柱とをさらに備えていてもよい。この場合、前記第2プレートは、前記支柱を通す貫通孔を有し、前記支柱に沿って前記第1および前記第3プレートの間を移動可能に構成され、前記ボルトは、前記第2および前記第3プレートに回転可能に取り付けられ、締め付けられることにより、前記第2プレートを前記第1プレート側に移動させる。
【0008】
第3プレートを設けることにより、例えば1本のボルトを用いて第2プレートを第1プレート側に容易に移動させることができる。第2プレートは、支柱に沿って安定に移動するので、上記構成によればボルトの締め付けが容易になる。なお、操作補助器具が第1および第2プレートのみで構成される場合は、プレートの長手方向両端部に1本ずつ、合計2本のボルトを設けることが好ましい。
【0009】
前記第3プレートを備える場合に、前記ボルトは、軸の先端に球状のボール部を有し、前記第2プレートは、前記ボール部を回転可能に保持する受け部を有することが好ましい。この場合、第2プレートを適度に揺動させることができ、ボルトの締め付けが容易になる。
【0010】
本発明に係る操作補助器具において、前記第1プレートは、前記第1レバーが嵌る第1溝状部を有し、前記第2プレートは、前記第2レバーが嵌る第2溝状部を有していてもよい。この場合、ハンドルに対して操作補助器具をより安定に取り付けることができ、ボルトの締め付けが容易になる。
【0011】
前記ハンドル付き工具の一例は、ハンドリベッターである。前記ボルトは、電動工具を用いて締め付けられるように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るハンドル付き工具の操作補助器具によれば、強い力が必要なハンドル操作を容易に行うことができる。例えば、作業者の力が弱い場合や、作業環境が不安定な場合であっても、ハンドルに当該補助器具を取り付け、ボルトを締めるという簡便な操作により、容易にハンドルを閉じることができる。本発明に係る操作補助器具は、ハンドリベッターを用いたリベット作業に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態の一例である操作補助器具の正面図である。
【
図2】実施形態の一例である操作補助器具をハンドリベッターのハンドルに取り付けた状態を示す図である。
【
図3】実施形態の一例である操作補助器具のジョイント部の断面図である。
【
図4】実施形態の他の一例である操作補助器具の正面図である。
【
図5】実施形態の他の一例である操作補助器具をハンドリベッターのハンドルに取り付けた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るハンドル付き工具の操作補助器具の実施形態の一例について詳細に説明する。なお、実施形態の説明で参照する図面は模式的に記載されたものであるから、実施形態の各構成要素の寸法等は以下の説明を参酌して判断されるべきである。
【0015】
図1は、実施形態の一例であるハンドル付き工具の操作補助器具10(以下、単に「補助器具10」とする)の正面図である。
図2は、補助器具10をハンドリベッター1のハンドル2に取り付けた状態を示す図である。本実施形態では、補助器具10が取り付けられるハンドル付き工具として、ハンドリベッター1を例示する。補助器具10は、ハンドリベッター1のハンドル2を閉じる操作を補助するための器具であって、ハンドル2に取り付けられて使用される。但し、補助器具10を使用できるハンドル付き工具は、ハンドリベッター1に限定されない。補助器具10は、例えばナッター、ペンチ、ニッパー、プライヤなどハンドルを備える種々の工具に使用できる。
【0016】
図1および
図2に例示するように、補助器具10は、第1プレート20と、第2プレート30と、ボルト50とを備える。第1プレート20はハンドル2の第1レバー2aの外側に当接し、第2プレート30はハンドル2の第2レバー2bの外側に当接する。ボルト50は、締め付けられることにより、第1プレート20および第2プレート30の間隔を小さくしてハンドル2が閉じる方向に第1レバー2aおよび第2レバー2bを相対的に移動させる機能を有する。ボルト50は、インパクトドライバー等の電動工具を用いて締め付けられるように構成されている。
【0017】
ここで、第1レバー2aおよび第2レバー2bの外側とは、ハンドル2が把持されたときに作業者の指又は手のひらが当接する部分であって、各レバーが対向する内側と反対側を意味する。つまり、補助器具10は、ハンドル2を握る作業者の指又は手のひらが当接する部分に第1プレート20および第2プレート30を取り付け可能で、かつ第1プレート20と第2プレート30の間にハンドル2を挿入可能な構造(形状)、寸法を有する。補助器具10は、第1プレート20および第2プレート30によってハンドル2を挟むように取り付けられる。
【0018】
補助器具10は、さらに、第1プレート20と共に、第2プレート30を挟むように配置される第3プレート40と、第1プレート20および第3プレート40にわたって設けられ、当該各プレートに固定される支柱52とを備える。第1プレート20、第2プレート30、および第3プレート40は、支柱52が延びる方向に、この順に並んで設けられている。第2プレート30は、支柱52を通す貫通孔34を有し、支柱52に沿って第1プレート20および第3プレート40の間を移動可能に構成されている。
【0019】
ボルト50は、第2プレート30および第3プレート40に回転可能に取り付けられ、締め付けられることにより、第2プレート30を第1プレート20側に移動させる。ボルト50は、支柱52に沿って設けられ、ボルト軸の先端部が第2プレート30に連結されている。ボルト50は、2本以上設けられてもよいが、本実施形態では操作性等の観点から1本であることが好ましい。1本のボルト50は、第2プレート30および第3プレート40の長手方向中央部に取り付けられ、当該各プレートを連結している。ボルト50は、例えば、インパクトドライバー等の電動工具を取り付け可能なボルトヘッドを有する。
【0020】
支柱52は、第2プレート30に固定されず、第2プレート30の移動をガイドする役割を果たす。支柱52は、1本であってもよく、3本以上であってもよいが、好ましくは2本である。本実施形態では、1本の支柱52が、第1プレート20および第3プレート40の長手方向一端部同士を連結し、もう1本の支柱52が、当該各プレートの長手方向他端部同士を連結している。
【0021】
支柱52は、例えば径方向断面が真円形状の金属製バーであって、第2プレート30の貫通孔34に通される部分にはネジ山等の凹凸を有さないことが好ましい。本実施形態では、支柱52の長手方向両端部にネジ山が形成されている。支柱52は、軸の一部にネジ山が形成されたネジ部付きボルトであってもよい。支柱52は、第1プレート20および第3プレート40に形成されたネジ孔(図示せず)にそれぞれ挿入されてネジ止めされる。各プレートに連結される支柱52の長手方向両端部には、支柱52の回転を防止するためのナット53が取り付けられていてもよい。
【0022】
第1プレート20は、ハンドル2の第1レバー2aの外側に当接する板状の部材であって、平面視略長方形状のベースプレート21と、略L字状の一対のガイド部材22とを有する。ガイド部材22は、ベースプレート21に溶接されてもよく、ネジを用いて固定されてもよい。ベースプレート21に対するガイド部材22の固定方法は特に限定されない(後述のガイド部材32についても同様)。上述のように、第1プレート20の長手方向両端部には、支柱52が1本ずつ固定されている。
【0023】
ガイド部材22は、第1プレート20の長さの半分よりも長さが短い部材であって、ベースプレート21の第2プレート30側を向いた内面に固定され、第1プレート20の内面に第1レバー2aが嵌る溝状部23を形成する。一対のガイド部材22は、第1プレート20の長手方向中央部に所定の間隔をあけた状態で、当該プレートの長手方向両側にそれぞれ固定される。所定の間隔は、第1レバー2aが挿入可能な間隔に設定される。一対のガイド部材22は、それぞれの立ち上がりが当該所定の間隔をあけて対向する状態で配置され、第1プレート20の長手方向中央部に溝状部23を形成する。
【0024】
第2プレート30は、第2レバー2bの外側に当接する板状の部材であって、第1プレート20と同様に、平面視略長方形状のベースプレート31と、略L字状の一対のガイド部材32とを有する。第2プレート30の長手方向両側には、各支柱52をそれぞれ通す貫通孔34が1つずつ形成されている。貫通孔34は、例えば真円状に形成される。貫通孔34の直径は、支柱52の直径よりも大きく、かつ支柱52による第2プレート30のガイド機能を損なわない長さに設定される。
【0025】
ガイド部材32は、例えばガイド部材22と同様の形状、寸法を有し、ベースプレート31の第1プレート20側を向いた内面に固定され、第2プレート30の内面に第2レバー2bが嵌る溝状部33を形成する。一対のガイド部材32は、それぞれの立ち上がりが、第2レバー2bが挿入可能な所定の間隔をあけて対向する状態で配置され、第2プレート30の長手方向中央部に溝状部33を形成する。なお、ガイド部材22,32を設ける代わりにベースプレートを曲げ加工することでレバーが嵌る溝状部を形成することもできる(後述の
図4等参照)。
【0026】
また、第2プレート30には、ボルト50の軸の先端部が連結されている。第2プレート30は、第3プレート40側に向くベースプレート31の外面に設けられた、ボルト50との接続部であるジョイント部35を有する。ボルト50は、ジョイント部35を介して第2プレート30に回転可能に取り付けられる。第2プレート30は、ボルト50を回転させることで第3プレート40側から押されて第1プレート20側に移動可能に構成されている。
【0027】
図3は、ジョイント部35の断面図である。
図3に例示するように、ボルト50は、軸の先端に球状のボール部51を有し、ジョイント部35は、ボール部51を回転可能に保持する受け部36を有する。受け部36には、ボール部51の球面に沿うように湾曲した凹部が形成されている。また、ジョイント部35には、受け部36と共にボール部51を回転可能に保持する押え板37が設けられている。押え板37は、例えば、受け部36に配置されたボール部51を第3プレート40側から覆うように、受け部36にネジ止めされる。
【0028】
ボルト50と第2プレート30の連結部(ジョイント部35)は、ボールジョイント構造を有する。これにより、第2プレート30を適度に揺動させることができ、第2プレート30の移動がスムーズになる。第2プレート30の揺動の程度は、例えばボール部51を含むボルト50の先端部の形状、支柱52と貫通孔34のクリアランスなどを調整することで制御できる。
【0029】
第3プレート40は、ボルト50によって第2プレート30と連結され、支柱52によって第1プレート20と連結された板状の部材である。第3プレート40の長手方向中央部には、ボルト50が挿入されるネジ孔41が形成されている。そして、ボルト50は第3プレート40を厚み方向に貫通した状態で当該プレートに取り付けられる。ボルト50を締めることで、第2プレート30を第1プレート20側に移動させることができ、ボルト50を緩めることで、第2プレート30を第3プレート40側に移動させることができる。第1プレート20と第3プレート40の間における第2プレート30の移動距離は、ボルト50の締め込み量によって調整できる。
【0030】
第3プレート40の長手方向両端部には、支柱52が1本ずつ固定されている。第1プレート20と第3プレート40の間隔は、支柱52の長さによって調整できる。ボルト50および支柱52の長さは、互いに略同一であってもよい。ボルト50および2本の支柱52は互いに略平行に配置され、また第1プレート20、第2プレート30、および第3プレート40は互いに略平行に配置されている。
【0031】
本実施形態において、第2プレート30の最大移動距離は、ボルト50および支柱52の長さによって調整できる。ボルト50および支柱52の長さは、長くするほど当該最大移動距離が長くなるので、ハンドル2の開閉幅等に応じて適宜変更することが好ましい。長いボルト50を用いて、ボルト50の締め込み量を多くすると、第2プレート30を第1プレート20側により近づけることができる。第2プレート30は、第1プレート20に接触してもよい。
【0032】
上述の構成を備えた補助器具10によれば、強い力が必要なハンドリベッター1のハンドル2の操作(ハンドル2を閉じること)を容易に行うことができる。
図2に例示するように、補助器具10は、第1プレート20がハンドル2の第1レバー2aの外側に、第2プレート30がハンドル2の第2レバー2bの外側にそれぞれ当接し、当該2枚のプレートがハンドル2を挟むように取り付けられる。第1プレート20および第2プレート30には、各レバーが嵌る溝状部23,33がそれぞれ形成されているので、ハンドル2に対して補助器具10を安定に取り付けることができる。
【0033】
補助器具10を用いたリベット作業の手順の一例は、下記の通りである。ここでは、金属板等の母材(図示せず)の貫通孔にリベット5のボディー5aを差し込んだ後の手順について説明する。
(1)ハンドリベッター1のハンドル2に補助器具10を取り付ける。
(2)リベット5のシャフト5bにハンドリベッター1のアタッチメント3を差し込む。
(3)インパクトドライバー等の電動工具を用いてボルト50を締める。
ボルト50を締めることにより、第2プレート30が第1プレート20側に移動し、当該2枚のプレートの間隔が小さくなってハンドル2が閉じる。ハンドル2が閉じることで、上述の通り、シャフト5bが引っ張られてボディー5aが変形した後、シャフト5bが切断され、2つ以上の母材が互いに接合される。
【0034】
以上のように、作業者は、通常のハンドル操作が困難である場合に、補助器具10をハンドル2に取り付け、ボルト50を締めるという簡便な操作によって、容易にハンドル2を閉じることができ、リベット作業を行うことが可能となる。
【0035】
図4および
図5に、実施形態の他の一例である補助器具60を示す。
図4および
図5に例示するように、補助器具60は、ハンドリベッター1のハンドル2に取り付けられる2枚のプレート(第1プレート70および第2プレート80)と、締め付けられることにより、当該2枚のプレートの間隔を小さくするボルト90とを備える点で、補助器具10と共通する。また、第1プレート70には第1レバー2aが嵌る溝状部73が、第2プレート80には第2レバー2bが嵌る溝状部83がそれぞれ形成されている。溝状部73は、第1プレート70の長手方向中央部を略U字状に曲げ加工して形成されている。溝状部83は、補助器具10の場合と同様に、ガイド部材82をベースプレート81に固定して形成されている。
【0036】
補助器具60は、第3プレート40を有さない点で、補助器具10と異なる。補助器具60は、第3プレート40を有さない分、小型化されている。一方、補助器具60には、2本のボルト90が設けられている。補助器具60では、1本のボルト90が、第1プレート70および第2プレート80の長手方向一端部同士を連結し、もう1本のボルト90が、当該各プレートの長手方向他端部同士を連結している。なお、各ボルト90は、第1プレート70および第2プレート80に回転可能に取り付けられている。
【0037】
補助器具60によっても、補助器具10を用いた場合と同様の手順でリベット作業を行うことができる。つまり、通常のハンドル操作が困難である場合に、補助器具60をハンドル2に取り付け、ボルト90を締めるという簡便な操作によって、容易にハンドル2を閉じることができ、リベット作業を行うことが可能となる。なお、補助器具60の場合は、2本のボルト90を締める必要がある。
【符号の説明】
【0038】
1 ハンドリベッター、2 ハンドル、2a 第1レバー、2b 第2レバー、3 アタッチメント、5 リベット、5a ボディー、5b シャフト、10,60 ハンドル付き工具の操作補助器具(補助器具)、20,70 第1プレート、21,31,81 ベースプレート、22,32,82 ガイド部材、23,33,73,83 溝状部、30,80 第2プレート、34 貫通孔、35 ジョイント部、36 受け部、37 押え板、40 第3プレート、41 ネジ孔、50,90 ボルト、51 ボール部、52 支柱、53 ナット