特許第6895941号(P6895941)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイソン テクノロジー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許6895941-ファン組立体 図000002
  • 特許6895941-ファン組立体 図000003
  • 特許6895941-ファン組立体 図000004
  • 特許6895941-ファン組立体 図000005
  • 特許6895941-ファン組立体 図000006
  • 特許6895941-ファン組立体 図000007
  • 特許6895941-ファン組立体 図000008
  • 特許6895941-ファン組立体 図000009
  • 特許6895941-ファン組立体 図000010
  • 特許6895941-ファン組立体 図000011
  • 特許6895941-ファン組立体 図000012
  • 特許6895941-ファン組立体 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6895941
(24)【登録日】2021年6月10日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】ファン組立体
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/24 20060101AFI20210621BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20210621BHJP
   F24F 13/28 20060101ALI20210621BHJP
   F04D 25/08 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
   B01D46/24 B
   F24F13/20
   F24F13/28
   F04D25/08 307E
【請求項の数】29
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-224762(P2018-224762)
(22)【出願日】2018年11月30日
(65)【公開番号】特開2019-107643(P2019-107643A)
(43)【公開日】2019年7月4日
【審査請求日】2019年4月1日
(31)【優先権主張番号】1720055.1
(32)【優先日】2017年12月1日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】508032310
【氏名又は名称】ダイソン テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ジャック シリル ビルトクリフ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイク ジョン リード
【審査官】 目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第204082679(CN,U)
【文献】 特開2016−148337(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第106704232(CN,A)
【文献】 米国特許第6174340(US,B1)
【文献】 中国実用新案第203916345(CN,U)
【文献】 実開昭63−066111(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D46/00−46/54
F24F7/00−7/007
F24F7/04−7/06
F24F13/00−13/32
A61L9/00−9/22
F04D1/00−35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の空気入口及び第2の空気入口を含むファン本体であって、前記第1の空気入口及び前記第2の空気入口は、ファン本体の対向する半体上に設けられる、ファン本体と、
前記ファン本体内に収容され、空気流を生じさせるように配置されたモータ駆動式インペラと、
前記ファン本体上に取り付けられ、それにより支持されるノズルであって、前記ファン本体から前記空気流を受け取り、前記空気流を前記ファン組立体から放出するように配置されたノズルと、
前記第1の空気入口を覆うように前記ファン本体上に取り付けられ、1又は2以上のフィルタ媒体を支持する第1のフィルタフレームを含む、第1のフィルタ組立体と、
前記第2の空気入口を覆うように前記ファン本体上に取り付けられ、1又は2以上のフィルタ媒体を支持する第2のフィルタフレームを含む、第2のフィルタ組立体と、
を含み、
前記ファン本体は、前記第1のフィルタフレームの第1の縁部及び前記第2のフィルタフレームの第1の縁部の両方に解放可能に係合するように構成された第1の保持組立体と、前記第1のフィルタフレームの第2の縁部及び前記第2のフィルタフレームの第2の縁部の両方に解放可能に係合するように構成された第2の保持組立体とを含むことを特徴とする、ファン組立体。
【請求項2】
前記第1のフィルタフレームの前記第1の縁部は、前記第1のフィルタフレームの前記第2の縁部の反対側にあり、前記第2のフィルタフレームの前記第1の縁部は、前記第2のフィルタフレームの前記第2の縁部の反対側にあることを特徴とする、請求項1に記載のファン組立体。
【請求項3】
前記第1の空気入口及び前記第2の空気入口はそれぞれ、前記ファン本体の外面の部分内に形成されたアパーチャのアレイを含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のファン組立体。
【請求項4】
前記第1のフィルタフレームは、前記第1の空気入口を含む前記ファン本体の前記外面の前記部分を覆うように構成され、前記第2のフィルタフレームは、前記第2の空気入口を含む前記ファン本体の前記外面の前記部分を覆うように構成されることを特徴とする、請求項3に記載のファン組立体。
【請求項5】
前記第1の保持組立体及び前記第2の保持組立体は、前記ファン本体の外面に取り付けられることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項6】
前記第1の保持組立体及び前記第2の保持組立体は、前記ファン本体上で互いに正反対であることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項7】
前記第1の空気入口及び前記第2の空気入口は、前記ファン本体の少なくとも一部に沿って延び、それぞれ、前記第1の保持組立体と前記第2の保持組立体との間の領域の全体を覆うことを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項8】
前記ファン本体の形状は略円筒形であり、前記第1のフィルタ組立体及び前記第2のフィルタ組立体の各々の形状は実質的に半円筒形であることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項9】
前記第1のフィルタフレーム及び前記第2のフィルタフレームの各々は2回回転対称性を有し、それらを2つの対向する配向のいずれかで前記ファン本体上に保持することができることを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項10】
前記第1のフィルタフレーム及び前記第2のフィルタフレームの各々は、前記フィルタフレームの前記第1の縁部上の第1の係合部材及び前記フィルタフレームの前記第2の縁部上の第2の係合部材を含み、前記第1の係合部材は、前記第1の保持組立体によって係合されるように構成され、前記第2の係合部材は、前記第2の保持組立体によって係合されるように構成されることを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項11】
前記フィルタフレームの前記第1の縁部上に設けられた前記第1の係合部材は、前記フィルタフレームの第1の端部寄りに配置され、前記フィルタフレームの前記第2の縁部上に設けられた前記第2の係合部材は、対向する前記フィルタフレームの第2の端部寄りに配置されることを特徴とする、請求項10に記載のファン組立体。
【請求項12】
前記フィルタフレームの前記第1の係合部材と前記第1の端部との間の距離は、前記フィルタフレームの前記第2の係合部材と前記第2の端部との間の距離に等しいことを特徴とする、請求項11に記載のファン組立体。
【請求項13】
前記第1の係合部材は、前記フィルタフレームの第1のコーナー部に隣接し、前記第2の係合部材は、前記フィルタフレームの正反対の第2のコーナー部に隣接することを特徴とする、請求項11または請求項12に記載のファン組立体。
【請求項14】
前記第1の係合部材及び前記第2の係合部材はそれぞれ、対向する方向に向いた一対のフックを含むことを特徴とする、請求項10〜請求項13のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項15】
各フックは、前記フィルタフレームから前記第1または第2の保持組立体に向かって突出する近位端部分と、前記フィルタフレームの前記第1または第2の縁部が延びる方向に沿って延びる遠位端部分と、を有することを特徴とする、請求項14に記載のファン組立体。
【請求項16】
前記遠位端部分は、前記近位端から互いに反対の方向に延びる一対の部分を含む、ことを特徴とする、請求項15に記載のファン組立体。
【請求項17】
前記第1のフィルタフレーム及び前記第2のフィルタフレームは同一であり、従って、交換可能であることを特徴とする、請求項1〜請求項16のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項18】
前記第1の保持組立体及び前記第2の保持組立体はそれぞれ、前記保持組立体のハウジング内に取り付けられた第1の双安定キャッチ及び第2の双安定キャッチを含み、前記第1の双安定キャッチは、前記ハウジング内の第1の開口部に隣接して配置され、前記第2の双安定キャッチは、前記ハウジング内の第2の開口部に隣接して配置されることを特徴とする、請求項10〜請求項17に記載のファン組立体。
【請求項19】
前記第1の開口部及び前記第2の開口部は、前記ハウジングの対向する側に設けられ、前記第1の双安定キャッチ及び前記第2の双安定キャッチは、前記ハウジング内の対向する方向に向いていることを特徴とする、請求項18に記載のファン組立体。
【請求項20】
前記第1の双安定キャッチ及び前記第2の双安定キャッチは、前記ハウジング内に上下に配置されることを特徴とする、請求項18または請求項19に記載のファン組立体。
【請求項21】
前記ハウジングの前記第1の開口部と第1の端部との間の距離は、前記ハウジングの前記第2の開口部と第2の端部との間の距離に等しいことを特徴とする、請求項20に記載のファン組立体。
【請求項22】
前記第1の双安定キャッチは、第1の安定状態において、第1のフィルタフレームの係合部材に係合し、第2の安定状態において、前記第1のフィルタフレームの前記係合部材を分離するように配置され、
前記第2の双安定キャッチは、第1の安定状態において、第2のフィルタフレームの係合部材に係合し、第2の安定状態において、前記第2のフィルタフレームの前記係合部材を分離するように配置されることを特徴とする、請求項18〜請求項21のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項23】
前記第1の双安定キャッチ及び前記第2の双安定キャッチはそれぞれ、前記保持組立体の前記ハウジング内に回転可能に取り付けられたキャッチ本体と、前記キャッチ本体と前記ハウジングとの間に接続される弾性部材とを含み、前記弾性部材は、前記第1の安定状態と前記第2の安定状態との間で前記キャッチ本体を切り換えるオーバーセンタ作用をもたらすように配置されることを特徴とする、請求項22に記載のファン組立体。
【請求項24】
前記第1の保持組立体及び前記第2の保持組立体の各々は、ユーザにより作動されたとき、前記それぞれの保持組立体が、前記それぞれの保持組立体から前記第1のフィルタフレーム及び前記第2のフィルタフレームを同時に解放するように配置された解放機構を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項23のいずれかに記載のファン組立体。
【請求項25】
前記キャッチ本体は、
係合部材が前記保持組立体の前記ハウジングに挿入されたとき、前記第2の安定状態から前記第1の安定状態への前記キャッチ本体の回転を生じさせるように配置された第1のカム面と、
前記キャッチ本体が前記第1の安定状態にあるとき、係合部材を前記保持組立体の前記ハウジング内に保持するように配置された保持面と、
前記解放機構がユーザにより作動されたとき、前記第1の安定状態から前記第2の安定状態への前記キャッチ本体の回転を生じさせるように配置された第2のカム面と、
を含むことを特徴とする、請求項23に従属する場合の請求項24に記載のファン組立体。
【請求項26】
前記解放機構は、ユーザにより作動されたとき、解放部材の移動を生じさせるように配置されたボタンを含み、前記解放部材は、前記解放部材の移動により、前記第1の双安定キャッチ及び前記第2の双安定キャッチの両方が前記第1の安定状態から切り換わるように配置されることを特徴とする、請求項24または請求項25に記載のファン組立体。
【請求項27】
前記解放部材は、弾性部材によって、前記解放部材が、前記第1の双安定キャッチ及び前記第2の双安定キャッチの両方が前記第1の安定状態のままであることを可能にする初期位置に保持されるように配置され、ユーザによる前記解放部材の移動は、前記弾性部材によりもたらされる抵抗に対抗することを特徴とする、請求項26に記載のファン組立体。
【請求項28】
前記解放部材は、前記ボタンがユーザにより押されたとき、前記保持組立体の前記ハウジング内で摺動するように配置され、前記解放部材には、前記解放部材が前記ハウジング内で摺動したとき、前記第1の安定状態から前記第2の安定状態への前記キャッチ本体の回転を生じさせるように配置される、前記第1の双安定キャッチ及び前記第2の双安定キャッチの各々についての突出部が設けられることを特徴とする、請求項26または請求項27に記載のファン組立体。
【請求項29】
前記解放機構は、前記解放部材の移動により、前記第1の双安定キャッチ及び前記第2の双安定キャッチの両方が、前記第1の安定状態から同時に切り換わるように配置されることを特徴とする、請求項24〜請求項28のいずれかに記載のファン組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清浄化した空気の流れを提供するためのファン組立体、及びそのようなファン組立体と共に使用するためのフィルタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の家庭用ファンは、典型的には、軸線の周りで回転するように取り付けられた1組のブレード又はベーンと、空気流を発生させるためにブレードの組を回転させる駆動装置とを含む。空気流の移動及び循環は、「風冷(wind chill)」又は微風を作り出し、結果として、ユーザは、対流及び蒸発により熱が放散するときに冷却効果を体験する。ブレードは、一般的に、ケージ内に配置され、それにより、ファンの使用中にユーザが回転ブレードに接触するのを防止しながら、空気流がハウジングを通過することが可能になる。
【0003】
特許文献1は、ケージに入れられたブレードを使用せずに、ファン組立体から空気を放出するファンを説明する。代わりに、ファン組立体は、空気流を基部内に吸い込むためのモータ駆動式インペラを収容する基部と、該基部に接続され、各々がファンから空気流を放出するための、ノズルの前部に配置された環状出口を含む一連の同心状の環状ノズルとを含む。各ノズルは、ボア軸線の周りに延びてボアを定め、このボアの周りにノズルが延びる。
【0004】
各ノズルは翼形部の形状であり、従って、ノズルの後部に配置された前縁、ノズルの前部に配置された後縁、及び前縁と後縁との間を延びる翼弦線を有すると考えることができる。特許文献1では、各ノズルの翼弦線は、ノズルのボア軸線と平行である。空気出口は、翼弦線上に配置され、ノズルから離れるように翼弦線に沿って延びる方向に空気流を放出するように配置される。
【0005】
特許文献2において、ケージに入れられたブレードを使用せずに、ファン組立体から空気を放出する別のファン組立体が説明される。このファン組立体は、同じく一次空気流を基部内に吸い込むためのモータ駆動式インペラを収容する円筒形基部と、基部に接続され、ファンから一次空気流が放出される環状口部/出口を含む単一の環状ノズルとを含む。ノズルは、口部から放出される一次空気流によりファン組立体の局所環境の空気を引き込んで一次空気流を増幅させる開口部を定める。ノズルは、コアンダ面を含み、その上に口部が配置されて一次空気流を誘導する。コアンダ面は、開口部の中心軸線の周りに対称的に延びるので、ファン組立体により発生する空気流は、円筒形又は切頭円錐形のプロファイルを有する環状噴流の形態になる。
【0006】
特許文献3も、ファン組立体を説明する。このファン組立体は、基部内に一次空気流を吸い込むためのモータ駆動式インペラを収容する円筒形の基部と、基部に接続された、ファンから一次空気流を放出する環状空気出口を含む環状ノズルとを含む。ファン組立体は、空気流から微粒子を除去するためのフィルタを含む。フィルタは、モータ駆動式インペラの上流に設けることができ、この場合、微粒子は、インペラを通過する前に空気流から除去される。これにより、ファン組立体に吸い込まれて、ファン組立体を損傷させることがある破片及び埃からインペラが保護される。或いは、モータ駆動式インペラの下流にフィルタを設けることもできる。この構成では、モータ駆動式インペラを通じて吸い込まれたあらゆる排気物質を含む空気を、ファン組立体の要素内を通過する前にフィルタ処理してきれいにした上でユーザに供給することが可能である。
【0007】
特許文献4は、特許文献2及び特許文献3のものと類似したファン組立体を説明する。このファン組立体には、ファン組立体内に吸い込まれる空気に使用可能な領域を最大にするように、ファンの本体の全周囲の周りに延びる空気入口が設けられる。従って、ファン組立体には、ファンの本体の上に同心状に嵌まり、空気入口から上流にファン本体の全周囲を取り囲む管状円筒形フィルタ、及び本体上に取り外し可能に取り付けられたノズルも設けられる。フィルタは、本体又はノズルのいずれにも接続されていないが、本体上に取り付けられたときにノズルにより適所にしっかりと保持され、ノズルを取り外した後にしかファン組立体から取り外すことができない。この構成により、ノズルと本体の係合部材により適所に固定される前に、単にフィルタを本体の上に降下させること、さらに、ノズルを取り外した後、フィルタを本体から容易に取り外し、フィルタの洗浄又は交換を行うことができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第2,488、467号明細書
【特許文献2】国際公開第2010/100451号
【特許文献3】国際公開第2010/046691号
【特許文献4】国際公開第2010/128732号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、空気をファン組立体内に吸い込むのに使用可能な領域を依然として最適にしながら、(例えば、洗浄及び/又は交換のために)ノズルをファン本体から取り外す必要なく、フィルタを取り外すことができるファン組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのために、本発明は、ファン本体の対向する半体上に設けられ、それを覆っている2つの空気入口と、2つの空気入口の間のファン本体上の互いに正反対の一対のフィルタ保持機構とを有するファン組立体を提供する。このフィルタ保持機構の対は、協働して2つの別個のフィルタ組立体をファン本体上に解放可能に保持し、各フィルタ組立体は、空気入口のそれぞれを覆う。従って、保持機構は、ひとたび解放されると、ノズルを取り外す必要なく、単にフィルタ組立体をファン本体から離れるように横向きに持ち上げることにより、それらをファン本体から取り外すことができるようにする。さらに、それらの間に、両方のフィルタ組立体をファン本体上に解放可能に保持するように協働する2つの保持機構だけを使用することにより、保持機構により消費される表面積が最小になり、それにより、フィルタ組立体を通して空気をファン組立体に吸い込むの利用可能な領域が最大になる。
【0011】
フィルタをファン組立体から取り外すためにノズルを取り外す必要性をなくすことによって、本発明は、ノズル及び/又はノズルのネックが、取り外し可能なノズル内に容易に組み込むことができない構成要素及び/又は機能を組み込むことを可能にする。
【0012】
従って、本発明の第1の態様は、第1の空気入口及び第2の空気入口を含むファン本体であって、第1の空気入口及び第2の空気入口は、ファン本体の対向する半体上に設けられる、ファン本体と、ファン本体内に収容され、空気流を生じさせるように配置されたモータ駆動式インペラと、ファン本体上に取り付けられ、それにより支持されるノズルであって、ファン本体から空気流を受け取り、空気流をファン組立体から放出するように配置されたノズルとを含むファン組立体を提供する。ファン組立体は、第1の空気入口を覆うようにファン本体上に取り付けられ、1又は2以上のフィルタ媒体を支持する第1のフィルタフレームを含む、第1のフィルタ組立体、及び第2の空気入口を覆うようにファン本体上に取り付けられ、1又は2以上のフィルタ媒体を支持する第2のフィルタフレームを含む、第2のフィルタ組立体も含む。ファン本体は、第1のフィルタフレームの第1の縁部に隣接する第1のフィルタフレーム及び第2のフィルタフレームの第1の縁部に隣接する第2のフィルタフレームの両方に解放可能に係合するように構成された第1の保持組立体と、第1のフィルタフレームの第2の縁部に隣接する第1のフィルタフレーム及び第2のフィルタフレームの第2の縁部に隣接する第2のフィルタフレームの両方に解放可能に係合するように構成された第2の保持組立体とをさらに含む。好ましくは、第1のフィルタフレームの第1の縁部は、第1のフィルタフレームの第2の縁部の反対側にあり、第2のフィルタフレームの第1の縁は、第2のフィルタフレームの第2の縁部の反対側にある。
【0013】
第1の空気入口及び第2の空気入口はそれぞれ、ファン本体の外面の部分内に形成されたアパーチャのアレイを含むことができる。次に、第1のフィルタフレームは、第1の空気入口を含むファン本体の外面の部分を覆うように構成され、第2のフィルタフレームは、第2の空気入口を含むファン本体の外面の部分を覆うように構成され得る。好ましくは、各フィルタフレームは、ファン本体の半分を超えないほどを覆うように構成される。
【0014】
好ましくは、第1の保持組立体及び第2の保持組立体は、ファン本体の外面に装着される/取り付けられる。次に、フィルタ組立体は、第1の保持組立体及び第2の保持組立体により保持され/これらに係合されるので、保持組立体又はフィルタ組立体のいずれの構成要素も主本体内に突出せず、そのため、フィルタ処理されていない空気がファン組立体の主本体内に入る経路を提供することができる。
【0015】
好ましくは、第1の保持組立体及び第2の保持組立体は、ファン本体上で互いに正反対である。第1の空気入口及び第2の入口は、ファン本体の長さ/高さの少なくとも部分に沿って延び、それぞれ、第1の保持組立体と第2のフィルタ組立体との間の領域の全体を覆う。
【0016】
ファン本体の形状は、略円筒形とすることができ、第1のフィルタ組立体及び第2のフィルタ組立体の各々の形状は、実質的に半円筒形である。次に、第1のフィルタ組立体及び第2のフィルタ組立体は、略円筒形ファン本体の周囲/外面の部分を覆うように構成される部分的な管の形状を有する。
【0017】
好ましくは、第1のフィルタフレーム及び第2のフィルタフレームの各々は、2回回転対称性を有するので、それらを2つの対向する配向のいずれかでファン本体上に保持することができる。好ましくは、第1のフィルタフレーム及び第2のフィルタフレームは同一であり、従って、交換可能である。
【0018】
好ましくは、第1のフィルタフレーム及び第2のフィルタフレームの各々は、フィルタフレームの第1の縁部上の第1の係合部材と、フィルタフレームの第2の縁部上の第2の係合部材とを含み、第1の係合部材は、第1の保持組立体に係合されるように構成され、第2の係合部材は、第2の保持組立体に係合されるように構成される。フィルタフレームの第1の縁部上に設けられる第1の係合部材は、フィルタフレームの第1の端部寄りに配置され、フィルタフレームの第2の縁部上に設けられる第2の係合部材は、対向する、フィルタフレームの第2の端部寄りに配置され得る。フィルタフレームの第1の係合部材と第1の端部との間の距離は、フィルタフレームの第2の係合部材と第2の端部との間の距離と等しくすることができる。第1の係合部材は、フィルタフレームの第1のコーナー部に隣接することができ、第2の係合部材は、フィルタフレームの正反対の第2のコーナー部に隣接することができる。
【0019】
好ましくは、第1の係合部材及び第2の係合部材はそれぞれ、対向する方向に向いた一対のフックを含む。次に、各フックは、近位端に対して角度の付けられた遠位端を有する、フィルタフレームから延びる突出部を含み、遠位端は、フィルタフレームの長手方向軸と平行な方向に延びる。フックの各対は、フィルタフレームの長手方向軸と平行であり、対向する方向に延びる一対の角度の付いた部分を含む遠位端を有する、フィルタフレームから延びる単一の突出部を含む。
【0020】
好ましくは、第1の保持組立体及び第2の保持組立体はそれぞれ、保持組立体のハウジング内に取り付けられた第1の双安定キャッチ及び第2の双安定キャッチを含み、第1の双安定キャッチは、ハウジング内の第1の開口部に隣接して配置され、第2の双安定キャッチは、ハウジング内の第2の開口部に隣接して配置される。第1の開口部及び第2の開口部は、ハウジングの対向する側に提供することができ、第1の双安定キャッチ及び第2の双安定キャッチは、ハウジング内の対向する方向に向くことができる。
【0021】
好ましくは、第1の双安定キャッチ及び第2の双安定キャッチは、ハウジング内に上下に配置される。次に、第1の双安定キャッチ及び第2の双安定キャッチは、ハウジングの長手方向軸に沿って異なる位置に配置される。ハウジングの第1の開口部と第1の端部との間の距離は、ハウジングの第2の開口部と第2の端部との間の距離と等しくすることができる。
【0022】
好ましくは、第1の双安定キャッチは、第1の安定状態において、第1のフィルタフレームの係合部材に係合し、第2の安定状態において、第1のフィルタフレームの係合部材を分離するように配置される。次に、第2の双安定キャッチは、第1の安定状態において、第2のフィルタフレームの係合部材に係合し、第2の安定状態において、第2のフィルタフレームの係合部材を分離するように配置される。
【0023】
好ましくは、第1の双安定キャッチ及び第2の双安定キャッチはそれぞれ、保持組立体のハウジング内に回転可能に取り付けられたキャッチ本体と、キャッチ本体とハウジングとの間に接続される弾性部材とを含み、弾性部材は、第1の安定状態と第2の安定状態との間でキャッチ本体を切り換えるオーバーセンタ作用をもたらすように配置される。
【0024】
好ましくは、キャッチ本体は、係合部材が保持組立体のハウジングに挿入されたとき、第2の安定状態から第1の安定状態へのキャッチ本体の回転を生じさせるように配置された第1のカム面と、キャッチ本体が第1の安定状態にあるとき、係合部材を保持組立体のハウジング内に保持するように配置された保持面と、解放機構がユーザにより作動されたとき、第1の安定状態から第2の安定状態へのキャッチ本体の回転を生じさせるように配置された第2のカム面とを含む。
【0025】
第1の保持組立体及び第2の保持組立体の各々は、ユーザにより作動されたとき、それぞれの保持組立体が、それぞれの保持組立体から第1のフィルタフレーム及び第2のフィルタフレームを同時に解放するように配置された解放機構を含むことができる。解放機構は、ユーザにより作動されたとき、解放部材の移動を生じさせるように配置されたボタンを含み、解放部材は、解放部材の移動により第1の双安定キャッチ及び第2の双安定キャッチの両方が第1の安定状態から切り換わるように配置される。
【0026】
解放部材は、弾性部材により、解放部材が、第1の双安定キャッチ及び第2の双安定キャッチの両方が第1の安定状態のままであることを可能にする初期位置に保持されるように配置され、ユーザによる解放部材の移動は、弾性部材によりもたらされる抵抗に対抗する。解放部材は、ボタンがユーザにより押されたとき、保持組立体のハウジング内に摺動するように配置することができ、解放部材には、解放部材がハウジング内に摺動するとき、第1の安定状態から第2の安定状態へのキャッチ本体の回転を生じさせるように配置される。第1の双安定キャッチ及び第2の双安定キャッチの各々の突出部/タブが設けられる。解放機構は、解放部材の移動により、第1の双安定キャッチ及び第2の双安定キャッチの両方が、第1の安定状態から同時に切り換わるように配置することができる。
ここで、添付図面を参照して、単なる例として本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1a】ファン組立体の実施形態の正面図である。
図1b図1aのファン組立体の右側面図である。
図2図1aの線A−Aに沿って取られた右側断面図である。
図3図2の断面図の一部の拡大図である。
図4図1a及び図1bのファン組立体の主本体セクションの斜視図である。
図5a図1a及び図1bのファン組立体のフィルタ組立体の分解図である。
図5b図5aのフィルタ組立体の後面斜視図である。
図6図1a及び図1bのファン組立体の有孔シュラウドの後面斜視図である。
図7a図1a及び図1bのファン組立体の保持組立体の正面分解図である。
図7b図7aの保持組立体の後面展開図である。
図7c図7aの保持組立体の後面図及び保持組立体の双安定キャッチの拡大図である。
図8】保持組立体の1つの切り欠き図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ここで、従来のファン組立体のものに優る幾つかの利点をもたらす、1又は2以上のフィルタ組立体、及びフィル組立体を保持し解放するための機構を含むファン組立体の清浄化について説明する。本明細書で使用される場合、「ファン組立体」という用語は、熱的快適性及び/又は環境若しくは気候制御のために空気流を発生させ、運ぶように構成されたファン組立体を指す。こうしたファン組立体は、除湿空気流、加湿空気流、清浄化空気流、フィルタ処理空気流、冷却空気流、及び加熱空気流の1又は2以上を発生させることが可能である。
【0029】
ファン組立体は、本体又はスタンドと、ファン本体内に収容され、空気流を発生させるように配置されたモータ駆動式インペラと、ファン本体上に取り付けられ、ファン本体により支持されるノズルとを含み、ノズルは、ファン本体から空気流を受け取り、空気流をファン組立体から放出するように配置される。ファン本体には、空気が本体に入る(すなわち、モータ駆動式インペラにより、空気をファン本体内に吸い込む)一対の空気入口が設けられる。具体的には、ファン本体には、第1の空気入口及び第2の空気入口が設けられ、第1の空気入口及び第2の空気入口は、対向するファン本体の半体(half)上にある。
【0030】
次に、ファン組立体は、各々が1又は2以上のフィルタ媒体を支持するフィルタフレームを含み、それぞれ、空気入口のそれぞれのものにわたってファン本体上に取り付けられるように配置された2つの別個のフィルタ組立体をさらに含む。従って、フィルタ組立体は、ファン本体の空気入口に対して上流に配置される。好ましくは、2つのフィルタフレームは同一であり、従って、交換可能である。
【0031】
次に、ファン組立体には、協働して2つのフィルタ組立体をファン本体上に解放可能に保持する一対の保持組立体が設けられる。そのために、ファン本体は、第1のフィルタフレームの第1の縁部に隣接した第1のフィルタフレーム及び第2のフィルタフレームの第1の縁部に隣接した第2のフィルタフレームの両方に解放可能に係合するように構成された第1の保持組立体と、第1のフィルタフレームの第2の縁部に隣接した第1のフィルタフレーム及び第2のフィルタフレームの第2の縁部に隣接した第2のフィルタフレームの両方に解放可能に係合するように構成された第2の保持組立体とを含む。第1のフィルタフレームの第1の縁部は、第1のフィルタフレームの第2の縁部の反対側にあり、第2のフィルタフレームの第1の縁部は、第2のフィルタフレームの第2の縁部の反対側にある。
【0032】
図1a及び図1bは、自立型環境制御ファン組立体1000の実施形態の外観図であり、図2は、図1aの線A−Aを通る断面図を示す。次に、図3は、図1a及び図1bに示されるファン組立体1000の本体1100の拡大断面図を示す。
【0033】
図2及び図3に示されるように、本体1100は、実質的に円筒形の下部本体セクション1120上に取り付けられた実質的に円筒形の主本体セクション1110を含む。主本体セクション1110は、下部本体セクション1120より外径が小さい。主本体セクション1110は、該主本体セクション1110の下端部から離れるように半径方向/垂直方向に延びる下部環状フランジ1111を有する。下部環状フランジ1111の外縁は、下部本体セクション1120の外面と実質的に同一平面上にある。次に、取り外し可能なフィルタ組立体1300が、主本体セクション1110上に取り付けられ、主本体セクション1110の下部環状フランジ1111上に載る。この実施形態において、主本体セクション1110は、該主本体セクション1110の反対側の上端部から半径方向/垂直方向に離れるように延びる上部環状フランジ1112をさらに含む。次に、上部環状フランジ1112の外縁は、主本体セクション1110の上端部に接続するノズル1200の基部/ネック部1250の外部面(external surface)と実質的に同一平面である。
【0034】
図3及び図4に示されるように、主本体セクション1110は、ファン組立体1000の種々の構成要素を収容する有孔円筒形ハウジング1119を含む。有孔ハウジング1119は、ファン組立体1000の本体1100の空気入口1130a、1130bとして働く2つの別個のアパーチャのアレイを含む。ファン組立体1000の第1の空気入口1130aは、主本体セクション1110の長さ/高さ全体にわたって延びる円筒形ハウジング1119の第1の半体/部分上に設けられる第1のアパーチャ・アレイによって提供され、ファン組立体1000の第2の入口1130bは、主本体セクション1110の長さ/高さ全体にわたって延びる円筒形ハウジング1119の第2の半体/部分上に設けられる第2のアパーチャ・アレイによって提供される。或いは、空気入口1130a、1130bの各々は、主本体セクション1110内に形成された窓内に取り付けられた1又は2以上のグリル又はメッシュを含むことができる。
【0035】
次に、フィルタ組立体1300が、主本体セクション1110の空気入口1130a、1130bの各々の上流に配置され、その結果、インペラ1150により主本体セクション1110内に吸い込まれる空気は、主本体セクション1110に入る前にフィルタ処理される。このフィルタ組立体1300は、ファン組立体1000に損傷をもたらす可能性のある、あらゆる微粒子を除去する役目を果たし、ノズル1200から放出された空気に粒子状物質がないことも保証する。さらに、このフィルタ組立体1300は、健康を害するものになり得るものから種々の化学物質を除去する役目も果たすので、ノズル1200から放出された空気が清浄化される。主本体セクション1110の上端部は、一次空気流が本体1100から排出される換気口/開口部1115を収容できるように開いている。
【0036】
下部本体セクション1120は、主本体セクション1110内に収容されるもの以外のファン組立体1000の構成要素を収容する更に別のハウジングを含む。下部本体セクション1120は、ファン組立体1000が配置される表面に係合する基部1140上に取り付けられる。具体的には、基部1140は、ノズル1200が基部1140に対して一番上となる表面上に配置されたとき、ファン組立体1000を支持する。この実施形態において、下部本体セクション1120は、パン・ピニオン(図示せず)に係合するパン駆動ギア(図示せず)を収容する。パン・ピニオンは、主本体セクション1110の底部内に収容される振動モータ1160により駆動される。従って、振動モータ1160によるパン・ピニオンの回転により、主本体セクション1110が、下部本体セクション1120に対して回転する。電力をファン組立体1000に供給するための主電源ケーブル(図示せず)が、下部本体セクション1120内に形成されたアパーチャ1121を通って延びる。次に、ケーブルの外部端部は、主電源への接続のためにプラグに接続される。
【0037】
主本体セクション1110は、一次空気流を、空気入口1130a、1130bを通じて本体1100内に吸い込むためのインペラ1150を収容する。好ましくは、インペラ1150は、混合流インペラの形態である。インペラ1150は、モータ1152から外方に延びる回転シャフト1151に接続される。図2及び図3に示される実施形態において、モータ1152は、ユーザにより与えられる制御入力に応答して、主制御回路1170により変えられる速度を有するDCブラシレス・モータである。モータ1152は、下部部分1153bに接続された上部部分1153aを含むモータバケット1153内に収容される。モータバケットの上部部分1153aは、湾曲したブレードを有する環状ディスクの形態のディフューザ1153cをさらに含む。
【0038】
モータバケット1153は、主本体セクション1110内に取り付けられたインペラハウジング1154内に配置され、その上に取り付けられる。インペラハウジング1154は、略切頭円錐状のインペラ壁1154aと、インペラ壁1154a内に配置されたインペラシュラウド1154bとを含む。インペラ1150、インペラ壁1154a及びインペラシュラウド1154bは、インペラ1150が、インペラシュラウド1154bの内面の近くにあるが、これに接触しないような形状にされる。次に、一次空気流をインペラハウジング1154内に案内するように、実質的に環状の入口部材1155をインペラハウジング1154の底部に接続する。
【0039】
図2及び図3に示される実施形態において、一次空気流が本体1100から排出される換気口/開口部1115が、モータバケット1153aの上部部分及びインペラ壁1154aにより定められる。次に、可撓性シール部材1156が、インペラハウジング1154と主本体セクション1120との間に取り付けられる。可撓性シール部材1156は、空気が、インペラハウジング1154の外面の周りを入口部材1155へと通るのを防止する。シール部材1156は、ゴムで形成された環状リップシールを含むことが好ましい。
【0040】
ノズル1200は、一次空気流が本体1100を出る換気口1115の上に主本体セクション1110の上端部上に取り付けられる。ノズル1200は、主本体セクション1110の上端部に接続するネック部/基部1250を含み、本体1100から一次空気流を受け取るための空気入口1240を提供する開いた下端部を有する。次に、ノズル1200の基部1250の外部面は、主本体セクション1110の上部環状フランジ1112の外縁と実質的に同一平面である。従って、基部1250は、主本体セクション1110の上面1112上に設けられたファン組立体1000のあらゆる構成要素を覆う/封入するハウジングを含む。
【0041】
図2及び図3に示される実施形態において、主制御回路1170が、主本体セクション1110の上端部から離れるように半径方向に延びる上部環状フランジ1112の上面上に取り付けられる。従って、主制御回路1170は、ノズル1200の基部1250内に収容される。さらに、電子ディスプレイ1180も、主本体セクション1110の上部環状フランジ1112上に取り付けられ、従って、ノズル1200の基部1250内に収容され、ディスプレイ1180は、基部1250内に設けられた開口部又は少なくとも部分的に透明な窓を通して視認可能である。随意的に、1又は2以上の付加的な電子部品を上部環状フランジ1112の上面上に取り付け、従って、ノズル1200の基部1250内に収容することができる。例えば、これらの付加的な電子部品は、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)等のような1又は2以上の無線通信モジュール、及び赤外線センサ、埃センサ等のような1又は2以上のセンサ、並びにあらゆる関連した電子機器とすることができる。次に、あらゆるそのような付加的な電子部品を主制御回路1170に接続することもできる。
【0042】
ノズル1200は、空気をノズル1200の空気入口1240からノズル1200の少なくとも1つの空気出口1210に運ぶための内部通路1230を含む。従って、ノズル1200は、内部通路1230を定める1又は2以上のケーシングセクション1260を含む。これらのケーシングセクション1260は、ノズル1200の空気出口1210を形成する少なくとも1つのスロット1220を定める又はこれを備える。モータ駆動式インペラ1150によりファン組立体1000を通して引き込まれ、ファン組立体1000の空気出口1210から放出される空気流は、以下、一次空気流と呼ばれる。ノズル1200は、中央/内部開口部/ボア1500も定める。従って、ノズル1200は、ボア1500の周りに延び、これを取り囲むループを形成する。空気出口1210から放出される一次空気流のいずれの部分も、ファン組立体1000の外部から空気を同伴し、その結果、空気はボア1500を通して引き込まれ、この同伴空気は、ここでは二次空気流と呼ばれる。従って、一次空気流は、同伴二次空気流と結合してノズルの前部から前方に放出される結合又は増幅空気流を形成する。従って、ノズル1200は、一次空気流及び同伴二次空気流の両方をユーザに供給する増幅器として働く。
【0043】
図1a、図1b及び図2に示される実施形態において、ノズル1200は、多くの場合スタジアム形状と呼ばれる細長い環状形状を有し、高さがその幅より大きい細長い開口部1500を定める。従って、ノズル1200は、各々が開口部1500のそれぞれの細長い側に隣接する2つの比較的真っ直ぐなセクション1201、1202と、真っ直ぐなセクション1201、1202の上端部に接合する上部湾曲セクション1203と、真っ直ぐなセクション1201、1202の下端部に接合する下部湾曲セクション1204とを含む。
【0044】
上述のように、ファン組立体1000は、各々が、主本体セクション1110の対向する半体上に設けられた空気入口1130a、1130bの1つの上に配置され、それを覆うように構成された2つの別個のフィルタ組立体1300a、1300bを含む。従って、各フィルタ組立体1300は、半円筒/管の形状を有し、従って、主本体セクション1110の上に同心状に配置し、主本体セクション1110の下部環状フランジ1111上に載るようにすることができる。言い換えれば、各フィルタ組立体1300は、略円筒形の主本体セクション1110の周囲/外面の一部を覆うように構成された部分的な管の形状を有する。従って、図4は、フィルタ組立体1300bの一方が取り外され、フィルタ組立体1300aの他方が主本体セクション1110の裏側に取り付けられ、有孔シュラウド1400aがフィルタ組立体1300aの外面に取り付けられた状態の、ファン組立体1000の主本体セクション1110の斜視図を示す。
【0045】
図5aは、図1乃至図4のファン組立体と共に使用するのに適したフィルタ組立体1300の実施形態の分解図を示す。この実施形態において、各フィルタ組立体1300は、1又は2以上のフィルタ媒体を支持するフィルタフレーム1310を含む。図5aに示される実施形態において、各フィルタフレーム1310は、実質的に、フィルタフレーム1310の長手方向軸と平行な2つの真っ直ぐな側と、フィルタフレーム1310の長手方向軸に垂直な2つの湾曲した端部とを備えた半円筒形の形状を有する。1又は2以上のフィルタ媒体は、フィルタフレーム1310により定められる表面積を覆うように配置される。
【0046】
フィルタフレーム1310には、フィルタフレーム1310の第1の湾曲端部から離れるように半径方向/垂直方向に延びる第1の端部フランジ1311、及び反対側のフィルタフレーム1310の第2の湾曲端部から離れるように半径方向/垂直方向に延びる第2の端部フランジ1312が設けられる。次に、各フィルタフレーム1310には、第1の端部フランジ1311の第1の端部から第2の端部フランジ1312の第1の端部まで、フィルタフレーム1310の第1の側から離れるように垂直方向に延びる第1の側部フランジ1313、及び第1の端部フランジ1311の第2の端部から第2の端部フランジ1312の第2の端部まで、フィルタフレーム1310の第2の側から離れるように垂直方向に延びる第2の側部フランジ1314も設けられる。第1の端部フランジ1311、第2の端部フランジ1312、第1の側部フランジ1313及び第2の側部フランジ1314は、互いに一体形成され、それにより、フィルタフレーム1310の全周囲の周りに延びるリッジ又はリムを形成する。フランジ1311〜1314は、フィルタ媒体を密封することができる(例えば、フィルタ組立体1310の下流側にのりを用いて)表面を提供し、また、フィルタフレーム1310が、ファン組立体1000の主本体1110とシールを形成し(例えば、主本体セクション1110上の対応するフランジと)、空気が、フィルタ媒体を通らずにファン本体1100内に又はそこから漏れるのを防止することも可能になる。
【0047】
図5bに示されるように、各フィルタ組立体1300は、主本体セクション1110と係合して、空気がフィルタ組立体1300の縁部の周りを通り主本体セクション1120の空気入口1110へと移動するのを防止するように、フィルタフレーム1310の内周の全体の周りに設けられた可撓性シール1330をさらに含む。可撓性フィルタシール1330は、好ましくは、実質的に弧状ワイパ又はリップシールの形状をとる下部及び上部湾曲シールセクションを含み、下部シールセクションの各端部は、各々が実質的にワイパ又はリップの形態をとる2つの真っ直ぐなシールセクションによって、上部シールセクションの対応する端部に接続される。従って、上部及び下部湾曲シールセクションは、主本体セクション1110の上部及び下部湾曲端部に接触するように配置され、一方、真っ直ぐなシールセクションは、主本体セクション1110から離れるように垂直方向に延びる2つの正反対の長手方向フランジ1113、1114の一方又は他方に接触するように配置される。好ましくは、フィルタフレーム1310には、該フィルタフレーム1310の内周の全体の周りに延び、シール1330を受けて支持するように配置された凹部(図示せず)が設けられる。示される実施形態において、この凹部は、第1の側部フランジ1313及び第2の側部フランジ1314の両方の内面にわたって、及び、フィルタフレーム1310の第1の端部及び第2の端部の両方の内縁にわたって延びる。
【0048】
次に、1又は2以上のフィルタ媒体1321、1322が、第1及び第2のフランジ1311、1312と第1及び第2の側部フランジ1313、1314との間の領域にわたって延びるフィルタフレーム1310の凸状外面上に支持される。示される実施形態において、各フィルタ組立体1300a、1300bは、フィルタフレーム1310の外面上に取り付けられた外側メッシュ層1322で覆われた粒子状フィルタ媒体層1321を含む。随意的に、次に、1又は2以上の更に別のフィルタ媒体1323を、フィルタフレーム1310の凹状内面内に配置することができる。例えば、これらの更に別のフィルタ媒体は、どちらもフィルタフレーム1210の内面内に配置された、第2の化学フィルタ媒体層で覆われた第1の化学フィルタ媒体層を含むことができる。これらの更に別のフィルタ媒体1323は、フィルタフレーム1310の凹状内面上に取り付けること及び/又は支持することが可能であり、又は代替的に、主本体セクション1110に取り付け、各フィルタ組立体1300a、1300bの下の主本体セクション1110の下部環状フランジ1111上に載ることも可能である。いずれの場合も、フィルタフレーム1310は、フィルタ組立体1300が主本体セクション1110の上に取り付けられたとき、これらのさらに別のフィルタ媒体1323を収容できる、フィルタフレーム1310の凹状内面内の空間を定めるように形成される。
【0049】
図4に示されるように、次に、主本体セクション1110上に配置されたときにフィルタ組立体1300を覆うように、有孔シュラウド1400が、フィルタフレーム1310に解放可能に同心状に取り付けられる。図6は、実質的に半円筒形の形状であるこうした有孔シュラウド1400の斜視図を示す。従って、有孔シュラウド1400は、該有孔シュラウド1400の長手方向軸に垂直な2つの湾曲端部1401、1402と、有孔シュラウド1400の長手方向軸に平行な2つの真っ直ぐな縁部1403、1404とを有する。有孔シュラウド1400はそれぞれ、シュラウド1400を通る空気入口1405を提供するアパーチャのアレイを含む。或いは、シュラウド1400の空気入口1405は、シュラウド1400の窓内に取り付けられた1又は2以上のグリル又はメッシュを含むことができる。本発明の範囲内で代替的な空気入口アレイのパターンが考えられることも明らかであろう。フィルタフレーム上に取り付けられたとき、シュラウド1400は、例えば輸送中に、フィルタ媒体1321〜1324を損傷から保護し、フィルタ組立体1300を覆っている視覚的に魅力的な外面も提供し、この外面はファン組立体1000の外観全体と一致する。シュラウド1400の空気入口1405を定めるアパーチャのアレイは、大きい粒子が、フィルタ組立体1300を通過し、フィルタ媒体1321〜1324を塞ぎ、又は他の方法で損傷するのを防止するような大きさにされる。
【0050】
各有孔シュラウド1400をそれぞれのフィルタフレーム1310に解放可能に取り付けるために、有孔シュラウドには、該有孔シュラウド1400の第1の湾曲端部1401から離れるように半径方向/垂直方向に延びる第1の端部フランジ1411、及び反対側の有孔シュラウド1400の第2の湾曲端部1402から離れるように半径方向/垂直方向に延びる第2の端部フランジ1412が設けられる。有孔シュラウド1400の第1の端部フランジ1411及び第2の端部フランジ1412は、フィルタフレーム1310の端部フランジ1311、1312の上を摺動するように配置されるので、有孔シュラウド1400はフィルタフレーム1310上に支持される。次に、有孔シュラウド1400の第1の端部フランジ1411及び第2の端部フランジ1412は、それぞれ、フィルタフレーム1310の端部フランジ上に設けられた対応するシュラウド保持部材1340a、1340bに解放可能に係合するように構成された貫通孔1420a、1420bを有するように形成される。
【0051】
図5bに示されるように、第1のシュラウド保持部材1340aは、フィルタフレーム1310の第1の端部フランジ1311上に設けられ、第2のシュラウド保持部材1340bは、フィルタフレーム1310の対向する第2の端部フランジ1312上に設けられる。第1のシュラウド保持部材1340a及び第2のシュラウド保持部材1340bはそれぞれ、シュラウド1400上に設けられる対応する貫通孔1420a、1420bに係合するように配置された弾性キャッチ又はフックを含む。フィルタフレーム1310の各端部フランジ1311、1312上に設けられた弾性キャッチ又はフックは、フィルタフレーム1310を二分する面に平行な方向に延びる弾性アーム/タブ1341を含む。次に、弾性アーム/タブ1341の遠位端には、フランジ1311、1312の外部面/外面から離れるように突出する/延びる傾斜突出部1342が設けられ、弾性アーム/タブ1341の遠位端に向けて下向きに傾斜する。
【0052】
シュラウド1400がフィルタフレーム1310の上に摺動されると、傾斜突出部1342は、シュラウド1400の端部フランジ1311、1312に接触し、それにより、弾性アーム/タブ1341を強制的に下向きに湾曲させる/撓ませる。次に、シュラウド1400がフィルタフレーム1310の上で十分に離れたところにある場合、傾斜突出部1342は、シュラウド1400の端部フランジ1411、1412上に設けられた貫通孔1420a、1420bに入るので、弾性アーム/タブ1341は、その元の湾曲していない構成に自由に戻ることができ、傾斜突出部1342は、貫通孔1420a、1420bを通って延びる。ユーザがシュラウド1400をフィルタフレーム1310から分離したいと願う場合、各傾斜突出部1342に下向きの力を印加し、同時に、シュラウド1400をフィルタフレーム1310から離れるように摺動し始める。下向きの力により、弾性アーム/タブ1341は、下向きに湾曲し/撓み、貫通孔1420a、1420bとの係合から外れ、次に、シュラウド1400は、フィルタフレーム1310から自由に滑り落ちることができる。
【0053】
シュラウド1400のフィルタフレーム1310の上への取り付けを支援するために、シュラウド1400をフィルタフレーム1300の上に案内するように、フィルタフレーム1310の第1の端部フランジ1311及び第2の端部フランジ1312が、シュラウド1400上に設けられた対応するトラック又はチャネル又は溝1431、1432と協働するようにそれぞれが配置された位置合わせリブ1351、1352を有した状態で形成され、シュラウド保持部材1340の各々が、それぞれのシュラウド保持貫通孔1420a、1420bに係合する。各位置合わせリブ1351、1352は、真っ直ぐであり、フィルタフレーム1310を二分する長手方向面と平行であり(すなわち、シュラウド1400がフィルタフレーム1310上で滑り、そこから滑り落ちる方向と平行であり)、従って、フィルタフレーム1310の長手方向軸に垂直である方向に延びる。
【0054】
示される実施形態において、フィルタフレーム1310の第1の端部フランジ1311及び第2の端部フランジ1312は、該フランジ1311、1312の外部面/外面から離れるように突出し/延び、これに沿って延びる第1の対の位置合わせリブ1351を有するように形成され、位置合わせリブ1351の対の第1のものは、フランジの第1の側に隣接して設けられ、位置合わせリブ1351の対の第2のものは、フランジの第2の側に隣接して設けられる。次に、シュラウド1400は、一対の対応する溝又はチャネル1431を有するように形成され、溝又はチャネルの対の各々は、位置合わせリブ1351の第1の対の1つに対応する。これらの溝又はチャネル1431は、内端部1431aから口部1431bまで外方にテーパし、これを通って、位置合わせリブ1351の第1の対の1つが溝/チャネル1431に入る(すなわち、滑り込む)。従って、口部1431bは、チャネル1431の内端部1431aより大きく、それにより、各リブ1351を対応するチャネル/溝1431の口部1431bと位置合わせするのが容易になり、次に、溝/チャネル1431のテーパにより、リブ1351が、内端部1431a及びシュラウド1400が位置合わせされる位置に向けて案内され、その結果、貫通孔1420a、1420bは、フィルタフレーム1310の対応するフランジ1311、1312上に設けられたシュラウド保持部材1340に係合する。
【0055】
フィルタフレーム1310の第1の端部フランジ1311及び第2の端部フランジ1312はまた、フランジ1311、1312の外部面/外面から離れるように突出し/延び、これに沿って延びる第2の対の位置合わせリブ1352を有するようにも形成され、位置合わせリブ1352の第2の対の各々は、フランジ1311、1312上に設けられたシュラウド保持部材1340の両側に設けられる。次に、シュラウド1400は、貫通孔1420の周りにシュラウドフランジ1411、1412の内面内に延びる1つの更に別の溝又はチャネル1432を有するように形成される。この更に別の溝又はチャネル1432もまた、内端部1432aから口部1432bまで外方にテーパし、これを通って、位置合わせリブ1352の第2の対の両方とも溝/チャネル1432に入る(すなわち、滑り込む)。従って、口部1432bは、チャネル1432の内端部1432aより大きく、それにより、第2の対の位置合わせリブ1352を更に別のチャネル/溝1432の口部1432bと位置合わせするのが容易になり、次に、更に別の溝/チャネル1432のテーパにより、第2の対の位置合わせリブ1352が、内端部1432a及びシュラウド1400が位置合わせされる位置に向けて案内され、その結果、貫通孔1420a、1420bは、フィルタフレーム1310の対応するフランジ1311、1312上に設けられたシュラウド保持部材1340に係合する。
【0056】
図5bに示されるように、各フィルタフレーム1310には、2つの係合部材1371a、1371bが設けられる。第1の係合部材1371aは、フィルタフレーム1310の第1の縁部1313上に設けられ、第2の係合部材1371aは、フィルタフレーム1310の対向する第2の縁部1314上に設けられ、第1の係合部材1371aは、第1の保持組立体1500aに係合するように構成され、第2の係合部材1371bは、第2の保持組立体1500bに係合するように構成される。具体的には、フィルタフレーム1310の第1の縁部1313は、フィルタフレーム1310の真っ直ぐな側の第1のものの上に設けられ、一方、フィルタフレーム1310の第2の縁部1314は、フィルタフレーム1310の真っ直ぐな側の第2のものの上に設けられ、これらの2つの真っ直ぐな側は、フィルタフレーム1310の長手方向軸と平行である。従って、第1の係合部材1371a及び第2の係合部材1371bは、フィルタフレーム1310の真っ直ぐな側から離れるように垂直方向に突出する。
【0057】
示される実施形態において、フィルタフレーム1310の第1の縁部1313上に設けられた第1の係合部材1371aは、フィルタフレーム1310の第1の端部1311寄りに配置され、フィルタフレーム1310の第2の縁部1314上に設けられた第2の係合部材1371bは、フィルタフレーム1310の対向する第2の端部1312寄りに配置される。フィルタフレーム1310の第1の係合部材1371aと第1の端部1311との間の距離は、フィルタフレーム1310の第2の係合部材1371bと第2の端部1312との間の距離に等しい。従って、第1の係合部材1371aは、フィルタフレーム1310の第1のコーナー部に隣接し、第2の係合部材1371bは、フィルタフレーム1310の正反対の第2のコーナー部に隣接する。具体的には、フィルタフレーム1310は実質的に半円筒形の形状を有するので、フィルタフレーム1310の第1の係合部材1371aは、フィルタフレーム1310の湾曲した上端部寄りにフィルタフレーム1310の第1の真っ直ぐな縁部上に配置され、一方、フィルタフレーム1310の第2の係合部材1371bは、フィルタフレーム1310の湾曲した底端部寄りにフィルタフレーム1310の第2の真っ直ぐな縁部上に配置される。
【0058】
第1の係合部材1371a及び第2の係合部材1371bはそれぞれ、フィルタフレーム1310がファン組立体1000上に取り付けられるとき、ファン組立体1000の保持組立体1500に係合するように構成される。示される実施形態において、第1及び第2の係合部材1371a、1371bはそれぞれ、反対の方向を向いた一対のフックを含む。各フックは、近位端に対して角度が付けられた遠位端1373を有する、フィルタフレームから延びる突出部1372を含み、遠位端1373は、フィルタフレーム1310の長手方向軸と平行な方向に延びる。特に、フックの各対は、フィルタフレーム1310の長手方向軸と平行であり、反対方向に延びる一対の角度の付いた部分を含む遠位端1373を有する、フィルタフレーム1310から延びる単一の突出部1372を含む。言い換えれば、第1及び第2の係合部材1371a、1371bはそれぞれ、フィルタフレーム1310の水平方向縁部から延びる略T形状突出部を含み、フックの対は、T形状突出部の遠位端により提供される。従って、第1及び第2の係合部材1371a、1371bはそれぞれ、2回回転対称性を有する。
【0059】
従って、フィルタフレーム1310は全体として2回回転対称性を有するので、フィルタフレーム1310の湾曲端部のどれが上部に(すなわち、2つの対向する配向のいずれに)位置するかに関係なく、フィルタフレーム1310をファン組立体1000上に取り付けることができる。さらに、ファン組立体1000上に取り付けられた2つのフィルタフレーム1310a、1310bは同一であり、従って、交換可能である。
【0060】
フィルタ組立体1300a、1300bを主本体セクション1110上に保持するために、ファン組立体1000は、協働して2つのフィルタ組立体1300a、1300bをファン本体1100上に解放可能に保持する一対の保持組立体1500a、1500bを含む。そのために、各保持組立体1500は、フィルタフレーム1310がファン組立体1000上に取り付けられたとき、フィルタフレーム1310上に設けられた係合部材1371の1又は2以上と係合するように構成される。次に、各保持組立体1500は、ユーザにより作動されたとき、保持組立体1500がフィルタ組立体1300を解放させるように構成される解放機構1560をさらに含む。
【0061】
示される実施形態において、ファン組立体1000は、それぞれが主本体セクション1110の外面に装着され/取り付けられ、主本体セクション1110の外面に沿って長手方向に延びる2つの保持組立体1500a、1500bを含み、保持組立体1500a、1500bは、互いに正反対である。言い換えれば、2つの保持組立体1500a、1500bは、主本体セクション1110上に互いに反対側に配置され、第1の保持組立体1500aの長手方向軸の長手方向軸及び第2の保持組立体1500bの長手方向軸を通る面は、主本体セクション1110を二分する。従って、保持組立体1500a、1500bは、180°隔てられる。従って、主本体セクション1110の外面は、2つの別個の保持組立体1500a、1500bにより2つの別個の半体に分けられる。従って、第1の空気入口1130a及び第2の空気入口1130bは、保持組立体1500a、1500bの位置を除いて、ファン本体1100の周囲の周りに延び、それぞれ第1の保持組立体1500aと第2のフィルタ組立体1500bとの間の領域の全体を覆う。
【0062】
第1の保持組立体1500aは、第1のフィルタフレーム1310aの第1の真っ直ぐな縁部に隣接した第1のフィルタフレーム1310aに解放可能に係合するように構成され、第2の保持組立体1500bは、第1のフィルタフレーム1310aの対向する第2の真っ直ぐな縁部に隣接した第1のフィルタフレーム1310aに解放可能に係合するように構成される。保持組立体が消費する表面積を最小にするために、第1の保持組立体1500aは、第2のフィルタフレーム1310bの第1の真っ直ぐな縁部に隣接した第2のフィルタフレーム1310bに解放可能に係合するように構成され、第2の保持組立体1500bもまた、第2のフィルタフレーム1310bの対向する第2の真っ直ぐな縁部に隣接した第2のフィルタフレーム1310bに解放可能に係合するように構成される。従って、2つの保持組立体1500a、1500bは、各々が2つのフィルタフレーム1310a、1310bの反対縁部に係合することにより、協働して第1のフィルタフレーム1310a及び第2のフィルタフレーム1310bの両方を主本体セクション1110上に保持する。従って、第1の保持組立体1500a及び第2の保持組立体1500bの各々の解放機構1560は、ユーザにより作動されたとき、それぞれの保持組立体1500が、2つのフィルタフレーム1310a、1310bを同時に解放するように配置される。
【0063】
図7aは、保持組立体1500の正面展開図を示し、図7bは、保持組立体1500の後面展開図を示す。図7a及び図6bに示される実施形態において、保持組立体1500の各々は、互いに接続された、第1のハウジングセクション1511及び第2のハウジングセクション1512から形成されたハウジング1510を含む。第1のハウジングセクション1511には、該第1のハウジングセクション1511の対向する長手方向側の各々内に1つあり、各々がハウジング1510の両端部の方向に配置される2つのキャッチ開口部1513、1514が設けられる。第1の開口部1513とハウジング1500の第1の端部との間の距離は、第2の開口部1514とハウジング1500の第2の端部との間の距離と等しい。
【0064】
保持組立体1500はそれぞれ、ハウジング1510内に取り付けられ、それぞれキャッチ開口部1513、1514の対応するものと位置合わせされた2つの双安定キャッチ1520をさらに含む。従って、2つの双安定キャッチ1520a、1520bは、ハウジング1510内で上下に配置され、これらは、保持組立体1500のハウジング1510の長手方向軸に沿った(すなわち、ハウジング1510の両端部に向かう)異なる位置にあり、反対の方向に向いている。図4に示されるように、次に、保持組立体1500の各々のハウジング1510は、主本体セクション1110の外面に沿って長手方向に取り付けられる。従って、上部双安定キャッチ1520aは、2つのフィルタ組立体1300aの第1のものの第1の縁部上に設けられた第1の係合部材1371aと係合し、一方、下部双安定キャッチ1520bは、2つのフィルタ組立体1300bの第2のものの第1の縁部上に設けられた第1の係合部材1371aと係合することができる。
【0065】
保持組立体1500の2つの双安定キャッチ1520a、1520bは、フィルタフレーム1310上に設けられた係合部材1371に係合部材するように、第1の安定状態で配置され、それにより、フィルタ組立体1300がファン本体1100上に保持される。各双安定キャッチ1520a、1520bはまた、フィルタフレーム1310上に設けられた係合部材1371を分離するように、第2の安定状態でも配置され、それにより、フィルタ組立体1300が主本体セクション1110から解放される。
【0066】
図7cは、双安定キャッチ1520a、1520bの拡大図と共に、図7a及び図7bの保持組立体1500の斜視図を示す。示される実施形態において、各双安定キャッチ1520a、1520bは、対応するキャッチ開口部1513、1514に隣接した保持組立体1500のハウジング1510内に回転可能に取り付けられたキャッチ本体1540と、キャッチ本体1540とハウジング1510との間に接続されたねじりばねの形態の弾性部材1550とを含み、ねじりばね1550は、第1の安定状態と第2の安定状態との間でキャッチ本体1540を切り換えるオーバーセンタ作用(over−centre action)をもたらすように配置される。
【0067】
キャッチ本体1540は、フィルタフレーム1310上に設けられた係合部材1371が対応する開口部1513、1514を通して保持組立体1500のハウジング1510内に挿入されると、第2の安定状態から第1の安定状態へのキャッチ本体1540の回転を生じさせるように配置された第1のカム面1541を含む。キャッチ本体1540は、該キャッチ本体1540が第1の安定状態にあるとき、フィルタフレーム1310上に設けられた係合部材1371を保持組立体1500のハウジング1510内に保持するように配置された保持面1542をさらに含む。次に、キャッチ本体1540は、解放機構1560がユーザにより作動されたとき、第1の安定状態から第2の安定状態へのキャッチ本体1540の回転を生じさせるように配置された第2のカム面1543をさらに含む。
【0068】
次に、各保持組立体1500の解放機構1560は、ユーザにより作動されたとき、解放部材1562の移動を生じさせるように配置されたボタン1561を含み、解放部材1562は、該解放部材1562の移動により双安定キャッチ1520a、1520bの両方が第1の安定状態から切り換わるように配置される。そうするために、解放部材1562は、戻り又は圧縮ばねの形態の弾性部材1563により、解放部材1562が、双安定キャッチ1520a、1520bの両方が第1の安定状態のままであることを可能にする初期/端部位置に保持されるように配置される。次に、ユーザによる解放部材1652の移動は、戻り又は圧縮ばね1563がもたらす抵抗に対抗するものであり、ユーザにより解放部材1562に印加される力が除去されると、解放部材1562は、戻り又は圧縮ばね1563により初期/端部位置に戻る。
【0069】
図7a、図7b及び図7cに示されるように、ボタン1561が解放部材1562上に設けられ、ボタン1561が、第1のハウジングセクション1511内に形成されたボタン開口部1515と位置合わせされ、これを通って突出するように、解放部材1562がハウジング1510内に配置され、その結果、ボタン1561は、ユーザにアクセス可能になる。次に、解放部材1562は、ボタン1561がユーザにより押されたとき、保持組立体1500のハウジング1510内に摺動するように配置される。そのために、ボタン1561は、ユーザが、ハウジング1510の長手方向軸と平行な方向にボタンを押したときに、ボタン1561がボタン開口部1515内で長手方向に移動するように配置される。解放部材1562上に設けられるので、ボタン1561の長手方向の移動は、圧縮ばね1563がもたらす抵抗に対抗するハウジング1510内の解放部材1562の対応する長手方向の移動を生じさせ、圧縮ばね1563が、解放部材1562とハウジング1510との間に接続される。
【0070】
次に、解放部材1562には、解放部材1562がその初期/端部位置から離れるように摺動するとき、各キャッチ本体1540の第2のカム面1543に押し当たるように配置される2つの突出部/タブ1564、1565が設けられ、それにより、第1の安定状態から第2の安定状態へのキャッチ本体1540の回転が生じる。解放部材1562上に設けられた突出部/タブ1564、1565は、保持組立体1500の上部双安定キャッチ1520a及び下部双安定キャッチ1520bの両方が同時に第1の安定状態から切り換わるように配置される。従って、圧縮ばね1563によりもたらされる抵抗に対抗するハウジング1510内の解放部材1562の長手方向の移動によって、保持組立体1500により保持される2つの係合部材1371の解放がもたらされる。
【0071】
2つの保持組立体1500a、1500bが協働して、第1のフィルタフレーム1310a及び第2のフィルタフレーム1310bの両方を主本体セクション1110上に保持するので、主本体セクション1110から第1のフィルタフレーム1310a及び第2のフィルタフレーム1310bを完全に解放するのに、保持組立体1500a、1500b両方の解放機構1560a、1560bの作動が必要である。これを連続的に実行する間、保持組立体1500a、1500bの1つの解放機構1560が他方より前に作動され、各解放機構1560a、1560bの解放ボタン1561は、単一の指を用いて作動させることができ、ユーザは、各解放機構1560a、1560bに対して片手を用いて、両方の解放機構を同時に作動させることができる。
【0072】
保持組立体1500の機能をさらに示すために、図8は、フィルタフレーム1310上に設けられた係合部材1371が保持組立体1500の下部双安定キャッチ1520bに係合する、保持組立体1500の1つの切り欠き図を示す。図8に見られるように、保持組立体1500の上部双安定キャッチ1520aは、上部双安定キャッチ1520aの第1のカム面1541がハウジング1510の上部キャッチ開口部1513に面する、第2の安定状態にある。従って、上部キャッチ開口部1513を通してハウジング1510内に係合部材1371を挿入することにより、第2の安定状態から第1の安定状態へのキャッチ本体1540の回転が生じる。従って、上部双安定キャッチ1520aは、開いていると考えることができる。
【0073】
対照的に、保持組立体1500の下部双安定キャッチ1520bは、第1の安定状態にあり、下部双安定キャッチ1520bの保持面1542が、ハウジング1510の下部キャッチ開口部1514を通して挿入された係合部材1371の突出するフックの1つと係合する。従って、下部双安定キャッチ1520bは、閉じていると考えることができる。さらに、第1の安定状態において、下部双安定キャッチ1520bの第2のカム面1543は、解放部材1562から突出する下部タブ1565に面する。圧縮ばね1563によりもたらされる抵抗に対抗する解放部材1562の摺動運動により、下部タブ1565が、キャッチ本体1540の第2のカム面1543に押し当たり、それが、第1の安定状態から第2の安定状態へのキャッチ本体1540の回転を生じさせ、それにより、現在キャッチ本体1540に係合している係合部材1371が解放される。さらに、同じく第1の安定状態から第2の安定状態へのキャッチ本体1540の回転により、第1のカム面1541が係合部材1371に押し当たり、これを隣接する開口部1514を通してハウジング1500から追い出す。
【0074】
従って、本明細書で説明されるファン組立体には、ユーザにより容易に除去できるフィルタ組立体が提供されるので、ノズルを取り外す必要なく及びツールに対する必要性なしに、必要に応じてフィルタ媒体を交換することができる。さらに、本明細書で説明されるファン組立体は、該ファン組立体の本体の一部のみを個々に覆うだけなので、それらを除去するのがより容易であり、フィルタ組立体を保持及び解放するための機構を最適化して、ファン本体の最小の部分のみを覆い、それにより、空気入口及び対応するフィルタ媒体に利用可能な面積が最大になる。さらに、フィルタ組立体を保持及び解放するための機構は、フィルタ組立体がファン本体上に取り付けられると、該フィルタ組立体を自動的に保持する一方で、ユーザが、単一の指を用いて解放ボタンを作動させることにより、多数のフィルタ組立体を同時に解放することを可能にする。さらに、同一のフィルタ組立体及びフィルタ組立体を保持及び解放するための機構は、全て2回回転対称性を有するので、フィルタ組立体を2つの対向する配向のいずれかでファン本体上に保持することができ、ユーザによるそこでの除去及び交換をさらに簡単化することができる。
【0075】
上述される個々の項目は、それ自体で、又は図示される若しくは説明に記載される他の項目と組み合わせて使用することができること、及び、互いに同じ節内及び互いに同じ図面内に示される項目を互いに組み合わせて使用する必要はないことが理解されるであろう。さらに、「手段」という表現は、必要に応じて、アクチュエータ又はシステム又は装置に置き換えることができる。さらに、「含む」又は「から成る」へのいかなる言及も、何であれ、決して限定を意図するものではなく、読み手は、それに応じて本説明及び特許請求の範囲を解釈すべきである。
【0076】
さらに、上述したような好ましい実施形態に関して本発明を説明したが、これらの実施形態は一例に過ぎないことを理解すべきである。当業者であれば、添付の特許請求の範囲内に入るものと考えられる本開示に照らして、修正及び代替物を作成することができるであろう。例えば、当業者であれば、上述した発明は、自立型ファン組立体だけではなく、他のタイプの環境制御ファン組立体にも等しく適用できることを理解するであろう。例として、そのようなファン組立体は、自立型ファン組立体、天井若しくは壁取り付け型ファン組立体、及び車載ファン組立体のいずれかにすることができる。
【0077】
さらに別の例として、上述した実施形態は全て、円柱形ファン本体を有するファン組立体に関するものであるが、上述した種々の特徴を、ファン本体が円筒形以外の形状を有する実施形態にも等しく適用可能である。例えば、ファン本体は、楕円柱、立方体、又は他のいずれかの角柱の形状を有することができる。
【0078】
さらに、上述した実施形態のフィルタ組立体は、その各々がフィルタフレームの対向する真っ直ぐな縁部上に設けられた単一の対の係合部材のみを含むが、当業者であれば、より大きいフィルタ組立体は、複数の対の係合部材を必要とすることがあり、各対の係合部材は、フィルタフレームの対向する真っ直ぐな縁部上にある。従って、そのような大きいフィルタ組立体は、好ましくはフィルタフレームの2回回転対称性を維持しながら、フィルタフレームの対向する真っ直ぐな縁部の各々に沿って分布される複数の係合部材を含むことができる。
【0079】
この場合、ファン組立体は、協働して両方の組立体をファン本体上に保持する単一の対の保持組立体のみを有するが、特に大きいフィルタ組立体は、2つの別個の対の保持組立体を必要とすることがあり、第1の対は、2つのフィルタ組立体の第1のものをファン本体上に解放可能に保持し、第2の対は、2つのフィルタ組立体の第2のものをファン本体上に解放可能に保持する。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7a
図7b
図7c
図8