(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記隔膜は、前記ガス流入接続部を通して前記ポンプカートリッジ内にガスを引き込み、かつ前記ガス流出接続部を通して該ポンプカートリッジからガスを放出するために第1の位置から第2の位置までシフトするように作動可能であることを特徴とする請求項1に記載のガス再循環システム。
前記流体トラップは、該流体トラップを横断するガスから液滴を吸収し、かつ該流体トラップを横断する該ガスに水分を放出するように作動可能であることを特徴とする請求項7に記載のガス再循環システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の開示は、外科的処置中に腹腔内に注入されるガスを再循環させるためのシステムに関する。システムは、外科的処置中に腹腔内で発生する煙を除去するためにガスを除去し、かつガスを腹腔内に注入するための容積型ポンプを含む。
【0011】
本発明の開示は、滅菌せずに再使用することができる構成部品を有する安全で費用効果的なガス再循環システムを提供する。費用効果的なシステムは、ポンプ作動をモニタして故障を検出するのにセンサではなくコントローラを利用する。システムは、高い除去流量及び注入流量、例えば、毎分4から10リットルを達成することができ、これは、いずれの手術煙も外科医の視野から迅速かつ有効に除去され、同時に腹腔内のいずれの圧力変化も最小にすることを保証する。
【0012】
図1を参照すると、ガス再循環システム100の実施形態が示されている。ガス再循環システム100は、再循環ポンプ105と、1次流入トロカール110と、2次流出トロカール115と、流入配管120と、流出配管125とを含むことができる。流出配管125は、フィルタ及び/又は水分トラップ130を含むことができる。流入配管120及び流出配管125は、Northgate Technologiesによって製造されている吹送配管セットと類似である場合がある。
【0013】
ガス再循環システム100は、全てがこれにより引用によって組み込まれる米国特許第6,299,592号明細書及び米国特許出願第62/037,893号明細書に記載されているもののような吹送システムと併用することができる。吹送システムは、吹送器127と、吹送トロカール128と、吹送器127を吹送トロカール128に接続する吹送配管129と、ガス再循環システム100と吹送器127の間の電子通信線129とを含むことができる。ガス再循環システム100は、通信線129を通して吹送器127と通信するためのコントローラを含むことができる。開始、停止、流量増加、流量減少、又はガス再循環コントローラの他の機能のような情報又は指令は、吹送器127に存在させてガス再循環コントローラに通信することができると考えられる。これに加えて又はこれに代えて、ガス再循環コントローラは、吹送器127内に統合されてそれと共有することができると考えられる。ガス再循環システム100と吹送器127は、いくつかの例を挙げると、電源、プロセッサ、グラフィックユーザインタフェース、加熱機能、湿度機能を共有することができる。
【0014】
再循環ポンプ105は、患者からガスを2次流出トロカール115、流出配管125、及びフィルタ/水分トラップ130を通して除去する。弁135は、2次流出トロカール115を流出配管125に接続することができる。流出配管125が、弁135を通して2次流出トロカール115に接続される場合に、弁135の弁軸は、開放位置に偏向させることができる。弁135が2次流出トロカール115から切り離されると、弁135の弁軸は、その元来の閉鎖位置に戻ることができる。弁135は、流出配管125が2次流出トロカール115に接続されている時にガスが弁を通って流れることを可能にすることができる。弁135は、流出配管125が2次流出トロカール115から切り離されている時にガスが流出配管125に流入するのを防止することができる。弁135は、流出配管125が2次流出トロカール115から切り離された時に自動的に閉じることができる。弁135は、Texium(登録商標)又はHalkey/Roberts(登録商標)銘柄の閉じた雄ルアーのようなルアー弁とすることができる。
【0015】
再循環ポンプ105はまた、ガスを1次流入トロカール110及び流入配管120を通して患者内に注入する。弁135と類似の弁を1次流入トロカール110及び流入配管120に接続することができ、この弁は、流入配管120が1次流入トロカール110から切り離された時に閉じることができる。
【0016】
再循環ポンプ105は、ガスを腹腔からフィルタ/水分トラップ130を通して腹腔内に戻るように再循環させる。患者から流出配管125を通して除去されるガスの流量は、流入配管120を通して患者内に注入して戻されるガスの流量と同じか又は実質的に類似である。フィルタ/水分トラップ130は、ガスから液体を除去することができ、かつガスから手術煙粒子のような粒子状物質を除去することができる。フィルタ/水分トラップ130は、媒質を含むことができ、これは、液体、好ましくは15から20mlまでの液体を容易に吸収し、かつ媒質の上又は中を流れるガス内に水分を容易に放出する。使用に適する媒質は、Crystar(登録商標)銘柄の材料を含む。媒質のサイズは、好ましくは、長さ1〜2.5インチ及び直径0.5〜2.0インチであり、最も好ましくは、長さ1.5〜2.0インチ及び直径1〜1.5インチである。一実施形態では、媒質は、鋸歯状外面及び中心開口部を有する場合がある。フィルタハウジングに置かれると、鋸歯状外面は、ガスが流れることができる複数のチャネル開口部を定め、中心開口部は、木炭を含むロッドで充填することができる。木炭は、ガスが中心開口部を通過する時にガス内の粒子状物質を捕集することができ、同時にガスから望ましくない臭気を除去することにおいて有効なものとすることができる。これに加えて又はこれに代えて、臭気除去は、酵素材料、酢、及び水のような他の材料のカートリッジを用いて達成することができ、又は臭気は、芳香剤を用いて隠すことができる。フィルタ/水分トラップ130は、再循環させるガスが水分を50〜70%の相対湿度範囲に保持することを可能にすることができる。好ましくは、ガス再循環システム100は、ガスがカ氏60度〜カ氏75度の間の通常手術室温度にある状態で患者の内外へのガスの再循環を可能にすることになり、最低でも70%の相対湿度になるガスの湿度レベルを受動的に維持することになる。ガス再循環システム100を利用することにより、腹腔内に追加CO
2ガスを注入するための吹送器127を低減又は排除することができ、更に、最初にガス加温加湿器(追加コスト)を通さない限り一般的に0%の相対湿度で非常に乾燥することになる追加CO
2ガスとは反対に、腹腔内で適切な水分レベルを維持することができる。ガスの再循環は、0%相対湿度のガスの流入を低減することになるだけではなく、腹腔内の圧力を維持しようと試みる吹送器127によって引き起こされる呼吸効果を防止し、手術室内へのCO
2ガスの大量の放出を防止することができる。例えば、毎分6リットルの漏出率を許す受動的煙除去システムは、通常の45分の胆嚢処置中に270リットルまでのCO
2ガスを手術室内に放出する場合がある。従って、ガス再循環システム100は、腹腔内のガスの十分な湿度を維持するための費用効果的な方法である。
【0017】
図2を参照すると、ガス再循環システム200の実施形態が示されている。ガス再循環システム200は、ガス再循環システム100と同じ構成要素及び作動特性の一部を含むことができる。ガス再循環システム200は、再循環ポンプ205と、流入トロカール210と、流出トロカール215と、流入配管220と、流出配管225とを含むことができる。流出配管225は、フィルタ及び/又は流体トラップ230を含むことができる。流入配管220は、フィルタ232を含むことができる。弁235は、流出トロカール215を流出配管225に接続することができる。弁236は、流入トロカール210を流入配管220に接続することができる。弁235、236は、切断された時に自動的に閉じることのような同じ特性を用いてかつ弁135と同じ方式で作動させることができる。
【0018】
再循環ポンプ205は、カートリッジ206とモータ207とを含む隔膜ポンプ又はあらゆる他の適切な容積型ポンプとすることができる。カートリッジ206は、モータ207から分離可能にすることができる。モータ207は、あらゆるタイプのモータとすることができる。モータ207は、好ましくは、直流(「DC」)モータとすることができるがこれに限定されない。カートリッジ206は、流入配管220及び流出配管225への接続部を除いてガスがカートリッジ206を逃げ出すのを防止するために密封することができる。カートリッジ206は、超音波溶接、接着剤、レーザ溶接、ガスケット用いた又は用いない機械的スナップ式接続、又は合わせ面を互いに組み合わせて密封するあらゆる他の公知の方法等によって互いに取り付けられる複数の構成要素で構成することができる。カートリッジ206は、それが流入配管20及び流出配管225への開口部としか流体連通状態にないように密封することができる。従って、カートリッジ206内のガスは、モータ207又は再循環ポンプ205の他の部分と接触することができない。ガス再循環システムは、モータ207が腹腔からのガスとの接触によって汚染されることがなく、それによって滅菌を必要とすることなく再使用することができるので、患者の腹腔から手術煙を除去するための廉価な方法とすることができる。腹腔からのガスとの接触によって汚染される可能性がある再循環ポンプ205のカートリッジ206のような部分は、使い捨てである場合がある。
【0019】
ガス再循環システム200は、作動時に手術煙を含むガスを腹腔から好ましくは毎分4〜10リットルの流量、最も好ましくは毎分6〜8リットルの流量で除去し、フィルタリング後にこのガスを腹腔内に好ましくは毎分4〜10リットルの流量、最も好ましくは毎分6〜8リットルの流量で注入して戻すことができる。腹腔からのガスは、最初に流出トロカール215を通り、更に弁235を通って進行し、流出配管225内に入る。木炭ロッド(上述した)又は別個又は一体の活性炭フィルタが使用される場合に、ガスは、その温度変化(すなわち、体温から室温への)に起因して形成される凝縮物/液体を除去することができる流体トラップ230を通って進行することができる。次いで、ガスは、再循環ポンプ205のカートリッジ206を通って進行する。ガスは、再循環ポンプ205の前又は後に位置付けられたフィルタ230又は232のようなフィルタを通って進行することができる。フィルタは、ガスから粒子状物質及び他の汚染物質を除去することができる。フィルタは、好ましくは20リットル毎分の流量で12.3mmHGを超えない圧力降下を与える材料で製造される。ガスは、流入配管220、弁236、及び流入トロカール210を通して腹腔内に注入することができる。
【0020】
再循環システム200は、モータ207の作動を制御するためのコントローラ240を含むことができる。コントローラ240は、再循環システム200に接続された吹送器と組み合わせるか又は併用することができる。コントローラ240は、Tiva(登録商標)(Texas Instruments)銘柄のコントローラとすることができる。コントローラ240は、モータ207の作動及び/又は故障条件、及び/又はガス再循環システム200内の安全問題を検出するために使用することができる。コントローラ240は、モータ207に対する電圧を測定することなどによってモータ207によって消費される電力量を検出することができる。コントローラ240は、ガス再循環システム200内で故障又は安全問題が発生したことをモータ207によって消費される電力量に基づいて検出又は決定することができる。例えば、コントローラ240は、モータ207が、予め決められた量よりも高い電圧又は電流の増大によって測定されるような予想よりも多い電力を消費している場合に、故障条件又は安全問題が発生したことを決定することができる。コントローラ240は、故障条件又は安全問題が発生した場合にモータ207の停止をトリガすることができる。ガス再循環システム200内の故障条件又は安全問題を検出するためにコントローラ240を使用するのは、センサを使用するのよりも費用効果的とすることができる。
【0021】
弁235及び236は、流出トロカール215及び流入トロカール210それぞれから切り離された時に閉じるように構成することができる。流出トロカール215から切り離された時に弁235を閉じることにより、ガス再循環システム200の吸引側への外気の混入を抑制することができる。ガス再循環システム200内に混入したあらゆる外気は、再循環ポンプ205によって腹腔内に注入されることになる。流入トロカール210から切り離された時に弁236を閉じることにより、腹腔からのガスが周囲環境内に放出されるのを防止することができる。
【0022】
弁235又は236を閉じることにより、ガス再循環システム200のガス回路内に圧力差が発生する場合がある。圧力差は、モータ207によって消費される電圧又は電流の増大によって測定されるモータ207に対する負荷を増大する場合がある。電圧又は電流の増大が予め決められた閾値を超えた場合に、コントローラ240は、ガス再循環システム200内の故障条件又は安全問題を検出することができる。コントローラ240は、ガス再循環システム200内の故障条件又は安全問題の検出時にモータ207の停止をトリガすることができる。例えば、弁235及び流出配管225が流出トロカール215から切り離された場合に、弁235は閉じることになる。弁235を閉じることにより、再循環ポンプ205は、閉じたチューブに対して吸引力を掛けることになり、それによって再循環ポンプ205はより激しく作動することが強いられ、モータ207はその適正速度を維持するためにより多くの電力を消費することが強いられる。モータ207によって消費される電力の増加は、電圧又は電流の増大が予め決められた値を超えた場合に故障条件をもたらす場合がある。弁235を流出トロカール215から切り離すことによって引き起こされる故障条件の検出時に、コントローラ240は、再循環ポンプ205が停止することをトリガすることができる。同様に、弁236及び流入配管220が流入トロカール210から切り離された時に弁236は閉じることになる。弁236を閉じることにより、再循環ポンプ205は、閉じたチューブ又は「デッドヘッド」に対してポンピングすることになり、それによって再循環ポンプ205はより激しく作動することが強いられ、モータ207はその適正速度を維持するためにより多くの電力を消費することが強いられる。モータ207によって消費される電力の増加は、電圧又は電流が予め決められた値を超えた場合に故障条件をもたらす場合がある。弁236を流入トロカール210から切り離すことによって引き起こされる故障条件の検出時に、コントローラ240は、再循環ポンプ205が停止することをトリガすることができる。従って、再循環システム200は、コントローラ240を用いてモータ207をモニタすることにより、流出配管225及び流入配管220のステータスをモニタすることができる。
【0023】
類似の方式で、ガス再循環システム200は、流入トロカール210及び流出トロカール215と腹腔との接続ステータスをモニタすることができる。流入トロカール210又は流出トロカール215を腹腔から取り出すことによって再循環ポンプの吸引源又は放出源の圧力が変化することで、再循環ポンプ205及びモータ207の作動が影響を受けることになる。コントローラ240は、モータ207の作動の変化を検出し、流入トロカール210又は流出トロカール215が腹腔から取り出されたことを決定することができる。例えば、流入トロカール210を腹腔から取り出すことによって再循環ポンプ205は腹腔内圧に打ち勝つためのポンピングをもはや行わなくなるので、モータ207が同じ速度を維持するのに必要とされる電力が減少することになる。コントローラ240は、モータ207によって消費される電力の減少を検出し、流入トロカール210が腹腔から切り離されたことを決定することができる。次いで、コントローラ240は、ガスが腹腔から周囲環境に流入することを防止するために再循環ポンプ205が停止することをトリガすることができる。
【0024】
ガス再循環システム200は、オペレータがガス再循環システム200のステータスを決定又は確認することを可能にするために、コンピュータのようなユーザインタフェース245を含むことができる。例えば、弁235が流出トロカール215から切り離されたことに起因してコントローラ240が再循環ポンプ205を停止した場合に、ユーザインタフェース245は、再循環ポンプ205が停止されたこと、及び有力な原因が流出配管225が流出トロカール215から切り離されたことであることを表示することができる。オペレータは、流出配管225が流出トロカール215から切り離されたことを確認し、再循環ポンプ205を再開するために流出配管225を再接続することができる。同じくオペレータは、他の故障条件、例えば、ガス経路内の閉塞、過度の限流、又は切り離された又は損傷を受けた配管のようなガス経路内の漏出が発生したかを決定することができる。
【0025】
図3及び
図4を参照すると、再循環ポンプに使用されるカートリッジ306の実施形態が示されている。カートリッジ306は、
図2に関して記述した再循環ポンプ205のような再循環ポンプに使用することができる。
図3及び
図4は、カートリッジ306の部分断面図を示している。カートリッジ306の作動をより明快に説明するために、ガス流路を示す矢印を含めた。カートリッジ306は、腹腔に接続することができる
図2の流出配管225のような流出配管への接続部350を含む。カートリッジ306は、腹腔に接続することができる
図2の流入配管220のような流入配管への接続部352を含む。
【0026】
腹腔からのガスは、
図3に矢印で示すように接続部350を通ってカートリッジ306に流入する。カートリッジ306は、弁354及び360を含むことができる。ガスは、カートリッジ306内に進入し、
図3に矢印で示すように弁354を通って隔膜チャンバ356内に入る。ガスは、
図4に矢印で示すように隔膜チャンバ356から弁360を通ってカートリッジ306を出る(下記で解説する)。弁354及び360は、傘状弁とすることができる。弁354及び360を貫通するガス開口部362の直径は、0.05インチと0.15インチの間にあるとすることができ、好ましくは0.085インチの直径とすることができる。ガス開口部362は、毎分4リットルから毎分10リットルまでの範囲、好ましくは毎分7リットルから毎分8リットルの範囲の流量を可能にするような組み合わせた面積のサイズを有することができるような1よりも多い同心開口部を含むことができる。毎分4〜10リットルの流量は無難な流量範囲であるが、より多いか又はより少ない流量をカートリッジのサイズを拡大又は縮小すること、隔膜空洞内に達成される容積を変化させるためにモータのストローク長を拡大又は短縮すること、又はモータの速度を高めることによって達成することができる。
【0027】
カートリッジ306は、隔膜チャンバ356内に隔膜358を含むことができる。弁354から離れる隔膜358の移動は弁354を開け、
図3に矢印で示すように弁354を通してガスを隔膜チャンバ356内に引き込む。隔膜358が弁354及び360から遠ざかる時に弁354を引き開けることができ、それによって
図3に矢印で示すようにガスを腹腔から流出配管を通して隔膜チャンバ356内に引き込むことができる。隔膜358が弁354及び360から遠ざかる時に弁360を引き閉じることができ、それによってガスが弁360を通って隔膜チャンバ356内から流出又は隔膜チャンバ356内に流入することを防止することができる。
【0028】
弁354及び360に向う隔膜358の移動は弁360を開け、
図4に矢印で示すようにガスを隔膜チャンバ356から弁360を通過させ、更に接続部352を通してカートリッジ306から押し出す。弁354及び360に向う隔膜358の移動は弁354を閉じ、それによってガスを隔膜チャンバ356から接続部350を通して押し出すのを防止することができる。弁354及び360に向かい、かつこれらから遠ざかる隔膜358の相反移動は、ガスを腹腔からいずれかのフィルタ又は液体トラップを通して引き出し、流入配管を通して腹腔内に押し入れて戻す。
【0029】
図5〜
図7は、
図2に関して記述した再循環ポンプ205のようなガス再循環ポンプにおける使用のためのカートリッジの他の例示的実施形態を示している。
図5〜
図7に示すカートリッジの構成要素及び作動特性は、上述したカートリッジ306と類似であると考えられる。
【0030】
図5Aは、カートリッジ506の分解組立図を示している。カートリッジ506は、接続部550、552と、弁554、560と、隔膜558と、プランジャー564とを含む。弁554、560は傘状弁とすることができる。接続部550は、カートリッジ506内へのガス入口とすることができる。接続部552は、カートリッジ506からのガス出口とすることができる。プランジャー564は、
図3及び
図4を参照して上述したように腹腔を通してガスを再循環させるために隔膜558を弁554、560に向けて移動することができる。
【0031】
図5Bは、カートリッジ506の非分解斜視図である。
図5Cは、カートリッジ506の正面図である。
図5Dは、カートリッジ506の側面図である。
【0032】
図6Aは、カートリッジ606の分解組立図を示している。カートリッジ606は、接続部650、652と、弁654、660と、隔膜658と、プランジャー664とを含む。弁654、660は傘状弁とすることができる。接続部650は、カートリッジ606内へのガス入口とすることができる。接続部652は、カートリッジ606からのガス出口とすることができる。プランジャー664は、
図3及び
図4を参照して上述したように腹腔を通してガスを再循環させるために隔膜658を弁654、660に向けて移動することができる。
【0033】
図6Bは、カートリッジ606の非分解斜視図である。
図6Cは、例示的寸法を有するカートリッジ606の正面図である。
図6Dは、例示的寸法を有するカートリッジ606の側面図である。カートリッジ606の寸法及び向きは、作動要件に依存して変化する場合がある。
【0034】
図7は、カートリッジ706のガス入口/出口セクションの複数の図を示している。
図7Aは、カートリッジ706のガス入口/出口セクションの斜視図を示している。
図7Bは、カートリッジ706のガス入口/出口セクションの正面図を示している。
図7Cは、例示的寸法を有するカートリッジ706のガス入口/出口セクションの底面図を示している。
図7Dは、カートリッジ706のガス入口/出口セクションの側面図を示している。
図7Eは、例示的寸法を有するカートリッジ706のガス入口/出口セクションの背面図を示している。
図7Fは、例示的寸法を有するカートリッジ706のガス入口/出口セクションの側面断面図を示している。
図7Gは、例示的寸法を有するカートリッジ706のガス入口/出口セクションの別の側面断面図を示している。
図7Hは、カートリッジ706のガス入口/出口セクションの底断面図を示している。カートリッジ706の寸法及び向きは、作動要件に依存して変化する場合がある。
【0035】
図8を参照すると、再循環ポンプ805の実施形態が示されている。再循環ポンプ805は、カートリッジ806と、モータ807と、クランクアセンブリ866と、ロッキングアーム868と、カートリッジホルダ870とを含むことができる。再循環ポンプ805の構成要素及び作動特性は、上述した再循環ポンプ305と類似であると考えられる。モータ807は、クランクアセンブリ866に機械的結合によって接続することができる。モータ807は、クランクアセンブリ866に回転運動を与えることができる。クランクアセンブリ866は、回転運動を往復運動に変換することができる。クランクアセンブリ866の往復運動は、
図3を参照して上述したようにカートリッジ806内で隔膜を移動することができる。
図8Aは、再循環ポンプ805から切り離されたカートリッジ806を示している。カートリッジ806を滅菌又は廃棄するために、カートリッジ806を再循環ポンプ805から切り離すことができる。カートリッジ806は、患者の腹腔からのガスと接触する再循環ポンプ805の唯一の構成要素とすることができるので、再循環ポンプ805の残りの構成要素は、患者の安全を脅かすことなく異なる患者内で再使用することができる。カートリッジ806は、患者内の使用後に滅菌又は廃棄することができ、次の患者に向けて新しいカートリッジ806を再循環ポンプ805内に挿入することができる。
【0036】
図8Bは、再循環ポンプ805のカートリッジホルダ870内に挿入されたカートリッジ806を示している。カートリッジ806は、再循環ポンプ805内にロッキングアーム868を用いて固定することができる。ロッキングアーム868は、カートリッジ806に位置付けられた凹部874内に嵌合するように設計された突起872を含むことができる。突起872は、
図8Dにおいて最も明瞭に見ることができる。凹部874は、
図8Cにおいて最も明瞭に見ることができる。カートリッジ806は、
図8Fに示すように突起872が凹部874に置かれた時にカートリッジホルダ870内に固定することができる。カートリッジ806は、ロッキングアーム868の端部を押下し、次いでカートリッジ806をカートリッジホルダ870から持ち上げることによってカートリッジホルダ870から解除することができる。カートリッジ806を再循環ポンプ805に固定し、かつそこから解除する方法は、作動要件に依存して変化する場合がある。
【0037】
図9を参照すると、ガス再循環システム900の実施形態が示されている。ガス再循環システム900は、
図1〜
図8に記述したガス再循環システムと類似の構成要素及び作動特性を含むことができる。ガス再循環システム900は、再循環ポンプ905と、ポンプカートリッジ906と、モータ907と、流入トロカール910と、流出トロカール915と、弁935及び936と、流体トラップ930と、フィルタ932と、コントローラ940と、ユーザインタフェース945と、電源976とを含むことができる。コントローラ940は、モータ制御回路978とプロセッサ回路980を含むことができる。ユーザインタフェース945は、ガス再循環システム900の一部又は全ての構成要素を制御するためのLabView(登録商標)のようなソフトウエアを有するコンピュータを含むことができる。
【0038】
ガス再循環システム900は、それに関連付けられた故障又は安全問題を検出するために、モータ907に対して課せられる負荷をモニタすることができる。モータ907に対する負荷は、電流を測定するために抵抗器をADコンバータに接続することなどによってモータ907の電力経路に位置付けられた抵抗器の両端での電流変化を測定することによってモニタすることができる。電流は、モータ907に対する負荷が変化する時に変化することになる。電流測定値は、実時間で測定することができ、又は遅延を含む場合がある。予め決められた値よりも大きいか又は小さい電流変化は、ガス再循環システム900が故障又は安全問題を有することを示すことができ、再循環ポンプ905の停止を開始することができる。電流変化を感知してモータ907の停止を開始するためのソフトウエアは、例えばコントローラ940内に含めることができる。
【0039】
故障又は安全問題が発生する場合を定義する電流の予め決められた値は、ガス再循環システム900が正常作動している時の平均電流に基づくとすることができる。平均値よりも大きい電流測定値は、切断された弁935又は936、又は再循環ポンプ905を患者の腹腔に接続する配管内の閉塞のような故障又は安全条件を示すことができる。例えば、正常作動中にモータ907がカートリッジ906内で隔膜を駆動していた間に測定された平均電流が0.3Aであった場合に、0.4Aの測定電流は、再循環ポンプ905を患者の腹腔に接続する配管内の閉塞を示すことができ、0.5Aの測定電流は、弁935又は936の一方が切断されたことを示すことができる。故障又は安全条件が発生する場合を定義するために、測定電流の分散を使用すること又は格納された時間テンプレート又は周波数テンプレートに対する比較を使用することのような他の方法又は統計学が使用されることになる。これに加えて又はこれに代えて、コントローラ940内のコンピュータは、電流測定信号の周波数成分を解析するために高速フーリエ変換を可能にすることができる。
【0040】
ポンプカートリッジ906とモータ907の間のインタフェースM1は、機械的インタフェースとすることができる。インタフェースM1は、外科的処置中にガス再循環システムが使用される時間長よりも長い連続期間にわたって適度に作動するように設計することができる。例えば、外科的処置に対する最大時間長が4時間である場合に、インタフェースM1は、8時間にわたって誤作動なく連続作動するように設計することができる。
【0041】
モータ907の速度は、CO
2ガスの送出を毎分7リットルの割合で可能にするように指定することができる。モータ907に適するモータは、Moog(登録商標)銘柄の高速モータを含むことができる。モータ907に関する重要な作動パラメータは、トルク、速度、及び故障条件とすることができる。モータ907の作動電流は、正常作動電流、故障電流、膨張状態電流、及び収縮状態電流のようないくつかの方法で指定することができる。これらの電流値は、故障又は安全条件に起因してモータ907が停止される場合を定義するために使用することができる。
【0042】
インタフェースE1は、モータ907とDCモータ制御回路978の間にある。インタフェースE1において8本の線が存在することが可能である。これら8本の線は、モータ907の3つの駆動フェーズの各々に対する線と、各々が3つのホールセンサピックアップに関する線と、ホールセンサに給電するための線と、接地のための線とを含むことができる。これら8本の線は、複数のモータ製造業者に共通である場合がある。
【0043】
インタフェースE3は、DCモータ制御回路978とプロセッサ回路980の間にある。このインタフェース内には、速度制御及びフィードバックの方法に依存して複数の線が存在することが可能である。
【0044】
モータ907の速度は、モータの電圧制御及びデジタル制御という2つの方法を用いて制御することができる。電圧制御を使用する第1の方法は、電位差計又はパルス幅変調信号を通じて制御回路978に電圧を送るプロセッサ回路980をもたらすと考えられる。例えば、本方法では、プロセッサ回路980に3.25Vの電圧をモータ制御回路に供給させることによってモータ907の最高速度に達することができる。第2の方法は、プロセッサ回路980内でデジタル信号をモータ制御回路978に送ることに関わると考えられる。
【0045】
ガス再循環システム900は、膨張故障状態及び収縮故障状態のような復旧可能である2つの故障状態を検出することができる。モータ907に関連付けられた問題のような復旧不能な他の故障状態が発生する場合がある。膨張故障状態は、ガス回路がガス再循環ポンプ905の吸引側で壊れ、それによって例えば弁935が流出トロカール915から切り離された場合に外気がガス再循環システム900内に引き込まれる時である場合がある。再循環ポンプ905が停止されていない場合は再循環ポンプ905が患者の腹腔を外気で膨張させる可能性があるので、そのような状態を「膨張」と呼ぶ。膨張故障状態が発生した場合に再循環ポンプ905を停止することに対する代替は、腹腔内に送り込まれる外気の量を最底限に抑制するために再循環ポンプ905を通るガス流れを少量に低減することとすることができる。収縮故障状態は、ガス回路がガス再循環ポンプ905の放出側で壊れ、それによって例えば弁936が流入トロカール910から切り離された場合に腹腔からのガスが周囲環境内に送り込まれる時である場合がある。ガス再循環システム900からのガスの損失に起因して腹腔が収縮し始める可能性があるので、そのような状態を「収縮」と呼ぶ。収縮故障状態は、腹腔内で望ましい膨張レベル又は圧力を維持するために腹腔に接続された吹送器の起動を引き起こす場合がある。
【0046】
ガス再循環システム900は、ユーザインタフェース945によって制御することができる。ユーザインタフェース945は、ガス再循環システム900内及び/又はガス再循環システム900に接続されたコンピュータ内に位置付けることができる。ユーザインタフェースは、LabView(登録商標)のようなソフトウエアが制御することができるマルチモードインタフェースとすることができる。第1のモードを「出力」とすることができ、第2のモードを「制御」とすることができる。「出力」モードにおいて、コントローラ940内のプロセッサは、モータ907をモニタすることに関する情報を出力することができる。そのような情報は、モータ速度(RPM)、電流(mA)、電圧(V)。及びモータ状態を含むことができる。
【0047】
図10を参照すると、ガス再循環システム1000の実施形態が示されている。ガス再循環システム1000は、
図1〜
図5で記述したガス再循環システムと類似の構成要素及び作動特性を含むことができる。ガス再循環システム1000は、ポンプカートリッジ1006が定位置に挿入された時に隔膜アクチュエータ1081上の磁石がモータ結合アーム1082上の磁石に引き寄せられるような磁気結合を隔膜アクチュエータ1081とモータ結合アーム1082の間に含むことができる。磁石が互いに引き寄せられた状態で、隔膜アクチュエータ1081は、モータ結合アーム1082が上下に移動する時にモータ結合アーム1082に上下に追従することになり、ポンプカートリッジ1006内でポンピングアクションを引き起こす。磁気結合は、ポンプカートリッジ1006の取り外し等に向けて隔膜アクチュエータ1081とモータ結合アーム1082の間の結合を生成かつ解除するためにオンとオフで循環する電磁石とすることができる。これに代えて、磁気結合は、非電磁石とすることができる。
図10Aは、モータ結合アーム1082に挿入されて結合される前の隔膜アクチュエータ1081上に磁石を有するポンプカートリッジ1006を示している。
図10Bは、ポンプカートリッジ1006が挿入され、隔膜アクチュエータ1081がモータ結合アーム1082に磁気結合された後のポンプカートリッジ1006を示している。
【0048】
これに代えて、隔膜アクチュエータ1081を上下に移動するためにクランクアームを有するモータを使用するのではなく、隔膜アクチュエータ1081を上下に移動してポンプカートリッジ1006内にポンピングアクションを生成するために隔膜アクチュエータ1081に取り付けられた又はその中に埋め込まれた磁石を移動するための振動磁場を使用することができる。これに加えて又はこれに代えて、クランクアームを有するモータが下向き運動を与える一方、ポンプカートリッジ1006内に位置付けられたバネが隔膜の上方運動を与えることができる。そのような配置は、隔膜をモータクランクアームと結合する必要性を排除することができる。
【0049】
図11は、流入配管及び流出配管をトロカールに接続する弁135、235、236、935、及び936のような弁の実施形態を開示している。
図11の弁1135は、弁1135が剛的に接続された時に開いてガスが流れることを可能にし、切断された時にガス流れを防止するような可動セクションを有する回転可能カラーを含むことができる。
図11Aは、雌ルアー付属品(図示せず)と接合し、ガス流れを可能にするために回転する雄ルアーロック付属品1137を含むことができる弁1135の分解組立図を示している。弁1135は、流入配管又は流出配管に接続するスリーブ及び配管接続部1138と、漏出を防止するためのo−リングと、残りの構成要素を定位置に保持するための部分とを更に含むことができる。
図11Bは、弁1135の端面図を示し、
図11Cは、弁1135の側面図を示している。
図11D、
図11E、及び
図11Fは、弁1135の断面図を示している。
図11Fは、弁1135の雄ルアーロック1137付属品部分の過回転を防止するタブ1139を示している。
【0050】
図12は、開流構成にある弁1135の断面図を開示している。
図12の矢印は、雄ルアーロック付属品1137がガス流れを可能にするように回転された時に弁1135を通るガス流路を開示している。弁1135がトロカールに接続されると、雄ルアーロック付属品1137は、静止スリーブ1138の内側で回転し、雄ルアーロック付属品1137内の開口部とスリーブ1138内の開口部とを位置合わせしてガスが通過するのを可能にする。弁1135が切断されると、開口部は、位置合わせ不良になり、ガスの流れを遮断する。
【0051】
図13は、閉流構成にある弁1135の断面図を開示している。
図13の矢印は、雄ルアーロック付属品1137が流体流れを阻止するように回転された時に弁1135内で停止するガス流路を開示している。
【0052】
図14は、ガス再循環システム1400の実施形態を開示している。ガス再循環システム1400は、
図1〜
図13で記述したガス再循環システムと類似の構成要素及び作動特性を含むことができる。ガス再循環システム1400は、流出配管1425と流入配管1420の間に位置付けられたバイパス弁1483を含むことができる。
図14に示す矢印は、ガス流路を示すとすることができる。バイパス弁は、通常は流出配管1425と流入配管1420の間にガス流路が存在しないように閉じることができる。バイパス弁1483が開かれると、それによって
図14に矢印で示すように流入配管1420から流出配管1425へのガス流路を生成することができる。流入配管1420から流出配管1425へのガス流路は、ポンピングサイクル中に発生する可能性がある下流圧力を制限することができる循環ガスループをポンプカートリッジ1406の周りに生成することができる。例えば、バイパス弁1483を開けることにより、ガス流れの一部分をポンプカートリッジ1406から流出配管1425内に経路変更することができ、それによってバイパス弁1483の下流における圧力増大を防止することができる。バイパス弁1483は、Minivalve弁又はHalkey/Roberts(登録商標)弁のような一方向圧力逃し弁、例えば、ダックビル弁又はバネ荷重弁とすることができる。バイパス弁1483は、その流入側又はポンプカートリッジ1406の下流の別の場所に存在する圧力に基づいて自動的に開くように選択することができる。例えば、バイパス弁1483は、用途に依存して0.1psi程度の低い圧力から10psi超までの圧力で開くように選択することができる。圧力が約0.15psiから0.55psiの範囲にある時にバイパス弁1483が開くことが好適である場合がある。
【0053】
図15は、水分トラップ130、230、及び930のような水分トラップの実施形態を開示している。
図15の水分トラップ1530は、
図15Bに矢印で示すようにガスが患者から再循環ポンプ(図示せず)に流れる場所である流出配管(図示せず)に位置付けることができる。
図15Bは、水分トラップ1530内を延びるチューブ1584を含む水分トラップ1530の断面図を示している。チューブ1584は、水分トラップ1530のガス流入側で始まり、水分トラップ1530の出口に向けて延びることができるが、チューブ1584の端部と水分トラップ1530の出口の間に間隙が存在するように、水分トラップ1530の出口に接触することはできない。間隙は、ガスが水分トラップ1530の出口に達する前にガス内に存在する液体が滴下流出することを可能にすることができる。ガスから除去された液体は、水分トラップ1530内に回収することができる。チューブ1584の端部と水分トラップ1530の出口の間の間隙のサイズは、用途に依存して変更することができる。例えば、高めのガス速度を有する用途は、ガス内の液体が滴下流出することを可能にするためにより大きい間隙を必要とする場合があり、それに対して比較的低めのガス速度を有する用途は、液体が滴下流出することを可能にするのに小さめの間隙しか必要としない場合がある。水分トラップ1530は、水分トラップ1530内に液体を回収するための吸収体媒質を含まなくてもよい。水分トラップ1530及びその構成要素は、液体と接触状態にするのに適するあらゆる材料、例えば、プラスチック又は金属で構成することができる。
【0054】
図16は、水分トラップ130、230、930、及び1530のような水分トラップの別の実施形態を開示している。
図16の水分トラップ1630は、
図16Bに矢印で示すようにガスが再循環ポンプ((図示せず)から患者に流れる場所である流入配管(図示せず)に位置付けることができる。
図16Bは、両方共に水分トラップ1630内を延びる流入チューブ1685と流出チューブ1685とを含む水分トラップ1630の断面図を示している。流入チューブ1684は、水分トラップ1630のガス流入側で始まり、水分トラップ1630の出口に向けて延びることができる。流出チューブ1685は、水分トラップ1630のガス流出側で始まって水分トラップ1630の入口に向けて延びることができる。流入チューブ1685と流出チューブ1685は、流入チューブ1684から水分トラップ1630に進入するガスが、最初に水分トラップ1630の内部を通って流れることなく直接に流出チューブ1685内に流れ込むことができないように、水分トラップ1630内で互いを通り過ぎて延びることができ、16Bに示すように重複部を生成する。
図16Bは、チューブの各部分が重なり、同時に流入チューブ1684の入口と流出チューブ1685の出口とが軸上で位置合わせしたままであるように、流入チューブ1684及び流出チューブ1685が曲げ部を含むことができることを示している。ガス内の液体は、ガスが流出チューブ1685を通って水分トラップ1630から流れ出る前に水分トラップ1630の内部を通って流れる間に滴下流出することができる。ガスから除去された液体は、水分トラップ1630内に回収することができる。水分トラップ1630は、水分トラップ1630内に液体を回収するための吸収体媒質を含まなくてもよい。水分トラップ1630及びその構成要素は、液体と接触状態にするのに適するあらゆる材料、例えば、プラスチック又は金属で構成することができる。
【0055】
図17は、ガス再循環システム1700の実施形態を開示している。ガス再循環システム1700は、
図1〜
図16で記述したガス再循環システムと類似の構成要素及び作動特性を含むことができる。ガス再循環システム1700は、再循環ポンプ1705、ポンプカートリッジ1706、モータ1707、コントローラ1740、ユーザインタフェース1745、電源1776、DCモータ制御回路1778、及びプロセッサ回路1780のようなガス再循環システム1700の構成要素のうちの一部を含む再循環ポンプ筺体1786を含むことができる。
【0056】
図17Aは、カートリッジドアが開いて筺体1786内に設置されたポンプカートリッジ1706を示すガス再循環システム1700を開示している。
図17Cは、ポンプカートリッジロッキング機構1787を示すガス再循環システム1700の詳細断面図である。ポンプカートリッジロッキング機構1787は、バネ1788を含むことができ、バネ1788の一端にボール1789が位置付けられている。バネ1788は、筺体1786内にポンプカートリッジ1706をロックすることができる力をポンプカートリッジ1706に対してボール1789を通して作用することができる。これに代えて、バネ1788は、ボール1789なしで力をポンプカートリッジ1706に対して直接に作用することができる。
【0057】
図18Aは、ポンプカートリッジ1706が挿入前位置にあるガス再循環システム1700の斜視図である。
図18Bは、ポンプカートリッジ1706が筺体1786内に設置されたガス再循環システム1700の斜視図である。
【0058】
図19Aは、カートリッジドアが閉められたガス再循環システム1700の斜視図である。
図19Bは、カートリッジドアが開き、ポンプカートリッジ1706がないガス再循環システム1700の斜視図である。
【0059】
図20は、カートリッジドアが閉められたガス再循環システム1700の図を開示している。
図20に示す寸法は例示的であり、ガス再循環システム1700の用途に基づいて修正することができる。
【0060】
図21は、ガス再循環システム2100の実施形態を開示している。ガス再循環システム2100は、
図1〜
図20で記述したガス再循環システムと類似の構成要素及び作動特性を含むことができる。ガス再循環システム2100は、コード化されたコネクタ2190を有するポンプカートリッジ2106を含むことができる。コネクタ2190は、これにより引用によって組み込まれる米国特許第9,283,334号明細書に記載されていると考えられる。コネクタ2190は、正しいポンプカートリッジ2106が再循環ポンプ2105に接続されているか、ポンプカートリッジ2106が過去に使用されたものであるかを識別すること、又は特別な設定、例えば、流量に従って作動するようにガス再循環システム2100を選択して設定することができる。
図21A〜
図21Hは、コネクタ2190を有するポンプカートリッジ2106の斜視図を示している。
【0061】
図22は、ガス再循環システム2200の実施形態を開示している。ガス再循環システム2200は、
図1〜
図21で記述したガス再循環システムと類似の構成要素及び作動特性を含むことができる。ガス再循環システム2200は、ユーザがモータ結合アーム2282の正確な場所を知ることなく、かつモータ結合アーム2282の場所を確認するために腰を曲げて筺体2286の内部を覗き込むことなくポンプカートリッジ2206をガス再循環システム筺体2286(図示せず)内に挿入することができるような「目隠し」方式でポンプカートリッジ2206(図示せず)をモータ結合アーム2282と結合することを可能にする構成要素を含むことができる。
図22Aは、モータ結合アーム2282の前面から延びる結合シャフト2291を示している。結合シャフト2291は、隔膜アクチュエータ2281(
図22には示しておらず、
図5、
図6、
図8、及び
図21に示す)内の対応する開口部内への結合シャフト2291の挿入を助けるために先細の末端部分を含むことができる。隔膜アクチュエータ2281は、対応する先細の開口部を含むことができる(
図21に示すように)。モータ結合アーム2282の背面から位置決めピン2292が延びることができる。位置決めピン2292は、位置決めスロット2293内に嵌合することができる。
図22Bは、結合シャフト2291及びモータ結合アーム2282から延びる位置決めピン2292の詳細図を示している。位置決めスロット2292は、モータ2207又は筺体2286の他の静止部分に対するマウント内に見出すことができる。位置決めピン2292は、モータ2207がモータ結合アーム2282を上下に移動する時に位置決めスロット2293内で上下に移動することができる。位置決めスロット2293は、位置決めピン2292の横方向運動を抑制することになる。位置決めピン2292はモータ結合アーム2282に接続されるので、抑制された位置決めピン2292の横方向運動は、モータ2207が停止した時にモータ結合アーム2282が何処に位置するかに関わらず、モータ結合アーム2282と結合シャフト2291とがほぼ同じ垂直平面に留まることを保証することになる。従って、ユーザは、ポンプカートリッジ2206を筺体2286内に容易に挿入し、隔膜アクチュエータ2281をモータ結合アーム2282と容易に結合することができる。
【0062】
図23は、ガス再循環システム2200の各部分の図を開示している。
図22Aは、モータ2207と結合シャフト2291を有するモータ結合アーム2282とに対するマウントの正面図を示している。
図23Bは、モータ2207、結合シャフト2291、及び位置決めピン2292と共に、モータ2207のためのマウントの側面断面図を示している。
図23Cは、モータ結合アーム2282の前面上及び背面上それぞれに見られる結合シャフト2291及び位置決めピン2292の詳細図を示している。
図23Dは、モータ2207及び位置決めピン2292が位置決めスロット2293を通って延びている状態の置決めピン2292と共に、モータ2207のためのマウントの側面図を示している。
図23Eは、モータ2207及び位置決めピン2292が位置決めスロット2293を通って延びている状態の位置決めピン2292と共に、モータ2207のためのマウントの背面図を示している。
図23Fは、位置決めピン2292が位置決めスロット2293を通って延びている状態の位置決めピン2292の詳細背面図を示している。
【0063】
図24は、ガス再循環システム2400の実施形態を開示している。ガス再循環システム2400は、
図1〜
図23で記述したガス再循環システムと類似の構成要素及び作動特性を含むことができる。ガス再循環システム2400は、腹腔鏡手術が完了した後に患者の腹腔からCO
2ガスを排気するための構成要素を含むことができる。典型的には、腹腔鏡手術が完了すると、患者内に挿入されていたトロカール上のルアー接続部が開かれ、それによってCO
2ガスが患者の腹腔の内部から手術室内に逃げ出すことが可能になる。残念なことに、逃げ出すCO
2ガスはフィルタリングされず、外科的処置から残った煙霧化学物質、粒子、細菌などを含有する場合がある。
【0064】
ガス再循環システム2400は、流入配管2420に位置付けられた三方弁2494を含むことができる。流入配管2420は患者に流れている。
図24Aは、三方弁2494を通って流れるあらゆるガスが不純物を事前にフィルタ除去したものであるように、三方弁2494をフィルタ2432の下流に位置付けることができることを示している。
図24Bは、三方弁2494と、流入配管2420と、流出配管2425と、フィルタ2432とを示すガス再循環システム2400の詳細図である。外科的処置の終了時に、再循環配管2420、2425が取り出される前かつ再循環ポンプ2405が依然として作動している間に、三方弁2494は、患者へのガス流れを阻止し、手術室へのガス流れを可能にするように構成することができる。このようにして、再循環ポンプ2405は、患者の腹腔の内部からCO
2ガスをポンピングして出すことになり、いずれの汚染も患者から出て行くのをフィルタ2432を用いて阻止する。手術室へのガス流れを可能にするために単純に流入配管2420を患者から切り離す代わりに三方弁2494を利用することにより、最初に外科的処置中に存在した患者との全てのガス接続部を維持することによって患者から手術室に流入するガスだけがフィルタ2432を通してフィルタリングされることを保証する。患者からCO
2ガスを除去するために三方弁2494を利用することにより、逃げ出すCO
2ガスの清浄性を保証するための追加手段を必要とすることなく手術室スタッフへのリスクを低減することができる。
【0065】
図25は、流入配管2420から隔離された三方弁2494を示している。三方弁2494は、流入配管2420に接続するための2つの直列逆目付属品2495を含むことができる。三方弁2494はまた、2つの直列逆目付属品2495に対して垂直に向けられた雌ルアー接続部2496を含むことができる。雌ルアー接続部2496は、CO
2ガスを手術室内に放出するためなどの圧力緩和目的で使用することができる。三方弁2494はまた、三方弁2494の開流路を調節するために回転するコック栓2497を含むことができる。
図25に示すように、三方弁2494を通る閉流路をコック栓2497の「OFF」部分で示している。
図25Aは、患者に至る流入配管2420に接続することができる2つの直列逆目付属品2495を通るガス流れを可能にするように構成された三方弁2494を示している。
図25Aは、再循環機能中に使用される構成であると考えられる。
図25Aの三方弁2494の構成は、ガスが手術室内に放出されるのを防止することができる。
図25Bは、雌ルアー接続部2496を通して手術室内に入るガス流れを可能にするように構成された三方弁2494を示している。
図25Bは、外科的処置の終了時にガスが患者から排気されている時に使用される構成とすることができる。
図25Bの三方弁2494の構成は、患者に流れるガスを防止することができる。
【0066】
本発明の様々な実施形態を説明したが、更に多くの実施形態及び実施が本発明の範囲で可能であることは当業者には明らかであろう。開示した様々な実施形態の要素は、実施形態の作動特性及び利点の一部又は全てを有するシステムを生成するために組み合わせてかつ適応させることができる。あらゆるそのような組合せは、本出願において本明細書に開示されている。