(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(メタ)アクリル酸の前駆体の気相酸化により得られる(メタ)アクリル酸を含むガス状反応混合物から、有機溶媒の非存在下で、ポリマーグレードの(メタ)アクリル酸を回収する方法であって、少なくとも以下の段階、
i) ガス状反応混合物が、上部及び下部を有する脱水塔と呼ばれる第1の蒸留塔において共沸溶媒又は外部の有機溶媒を使用することなく脱水され、ここで上部の温度は少なくとも40℃であり、脱水塔は大気圧以上1.5×105Paの絶対圧までの圧力で操業され、頂部流及び底部流をもたらし、頂部流の少なくとも一部は凝縮されて、脱水塔に還流の形態で戻される段階、
ii) 脱水塔底部流が、仕上げ塔と呼ばれる第2の塔での蒸留に少なくとも部分的に供され、水を含む頂部流、及び重質化合物を含む底部流をもたらす段階、ここで仕上げ塔が、壁の一方の側で脱水塔底部流が供給される2つの側を有する分離壁を有し、精製された(メタ)アクリル酸流の側流の抜き取りが、分離壁の他方の側に位置するセクションで行われる塔であり、
iii) 精製されたポリマーグレードの(メタ)アクリル酸流が、仕上げ塔から側流を抜き取ることによって回収される段階、
を含み、アルデヒドの化学処理のための少なくとも1つの薬剤の存在下で実施され、アルデヒドの化学処理のための少なくとも1種の薬剤が、ヒドラジン及びその塩から選択され、該アルデヒドの化学処理のための薬剤が、仕上げ塔の供給口の高さと精製された(メタ)アクリル酸の側流を抜き取るための段の高さとの間に位置するセクションの高さで該仕上げ塔に導入され、
ポリマーグレードの(メタ)アクリル酸は、99.5重量%を超える(メタ)アクリル酸を含み、以下の不純物の含有量、
総アルデヒド:10ppm未満、
プロトアネモニン:5ppm未満、
無水マレイン酸:100ppm未満、及び
非フェノール系重合禁止剤:10ppm未満、
を含む
ことを特徴とする方法。
工程iii)で得られた精製された(メタ)アクリル酸流をポリマーグレードの(メタ)アクリル酸のガス状の流れの形態で抜き取ることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
段階iii)で抜き取られた精製された(メタ)アクリル酸の流れが追加の精製を必要とせずに超吸収剤ポリマーを製造するために使用されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
工程iii)で抜き取られた精製された(メタ)アクリル酸流が、1つ又は2つの蒸留塔を用いた蒸留による追加の処理に供され、該処理の間にアルデヒドの化学処理のための薬剤の導入が行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
アルデヒドの化学処理のための薬剤が、化学剤と処理すべき流れとの完全な混合を保証する少なくとも1つのタンクを含む混合装置を介して導入されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
精製されたアクリル酸の側流の抜き取りの下方に配置された位置で仕上げ塔の気相中で、第2の抜き取りが行われることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
(メタ)アクリル酸の前駆体が、プロピレンの酸化により又はプロパンのオキシ脱水素化によって得られるアクロレインであることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
(メタ)アクリル酸の前駆体が、イソブチレン及び/又はtert−ブタノールの酸化により又はブタン及び/又はイソブタンのオキシ脱水素化から得られるメタクロレインであることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
(メタ)アクリル酸の前駆体が、再生可能な起源の炭素を含み、グリセロール、3−ヒドロキシプロピオン酸又は2−ヒドロキシプロピオン酸から誘導されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【背景技術】
【0004】
技術的背景及び技術的課題
アクリル酸は、本質的に、アクリル酸のままの、又は塩(例えば、アクリル酸ナトリウム)、エステル(アクリル酸アルキル)又はアミド(アクリルアミド)で形態のその誘導体のいずれかの重合方法(又は他の重合性モノマーの存在下での共重合方法)の製造業者による使用を対象としている。これらの方法は、異なる形態、バルク中、溶液中、懸濁液中又はエマルジョン中で実施される。
【0005】
アクリル酸を含む重合及び/又は共重合方法は、不飽和化合物又はアルデヒド等の特定の不純物が供給原料中に存在することに非常に敏感である場合があり、これらは時には、 例えば、ポリマーへのモノマーの変換を制限することによってポリマーの鎖長を制限することによって、架橋反応を引き起こすことにより、又は反応の反応性を改変するために、期待された使用価値が得られることを妨げることがある。
【0006】
これらの不純物の一部、例えば、非重合性飽和化合物は、ポリマーの特性を改変し、ポリマーに毒性又は腐食性を付与し、又はポリマー及び/又は完成品の製造の段階中に汚染有機物の放出量を増加させるので、ポリマーの最終用途において特に厄介である場合がある。
【0007】
その結果、アクリル酸又はアクリル酸誘導体の使用者は、アクリル酸の品質仕様に関して要求が多い。後者は不純物に関して厳しい閾値を満たさなければならない。
【0008】
さらに、これらの使用者は、アクリル酸又はその誘導体の「標準」品質に適したポリマーの製造のための配合物を使用する。配合物をアクリル酸の異なる品質に適合させる目的でこれらの使用者が使用する配合物を変更すると、これらの使用会社にとって大きな欠点が生じるであろう。
【0009】
アクリル酸の品質(又は純度)、即ち、種々の不純物の含有量が重合方法において大きな役割を果たすので、このアクリル酸を製造する製造業者は、通常、ポリマーグレードのアクリル酸又は氷アクリル酸(GAA)と呼ばれるこの「標準的な」アクリル酸を得るために、一連の非常に多くの精製段階を取らされてきた。このGAAは、公式に認められ、普遍的性質を有する仕様に適合しないが、各製造業者にとって酸の形態で又は誘導体の形態で重合を首尾よく行うことを可能にするために、及び最終的な使用に適合するポリマーを得るために達成されるべき純度のレベルを意味する。
【0010】
従来技術に記載されているアクリル酸の回収/精製方法は、それがポリマーグレードのアクリル酸の製造の問題である場合非常に複雑であり、多くの欠点を示す。
【0011】
これは、アクリル酸の合成のための方法が、液体混合物を与えるために凝縮されるか又は液体混合物中に吸収されるという性質によって一般に分類される又はアクリル酸の沸点(軽質化合物又は重質化合物)に対するそれらの沸点に基づいて分類される不純物の複雑な混合物からなるガス状反応媒体を常に生じるからである。
【0012】
当然、このガス状流出物中に存在するアクリル酸を分離して回収するために、精製方法は通常、操作の組合せを使用することになる。
【0013】
これらの操作のいくつかは、吸収剤(ガス/液体交換)として、及び/又は液体媒体への抽出剤(液体/液体交換)として、及び/又は共沸蒸留による分離剤として、1つ以上の有機溶媒を使用する。特に、所望の生成物の分離段階に加えて、溶媒の回収及び精製のための処理段階を含むこれらの方法は、必然的に多数の蒸留塔を必要とし、その結果、不純物の含有量は大幅に低減されているが、例えば、高分子量のポリマーを得るために必要な氷アクリル酸の仕様を満たさない工業用のアクリル酸をもたらす。
【0014】
例えば、特許EP2066613B1号に記載されているような他の方法は、精製された生成物が得られるのに必要な個々の操作の数を非常に著しく減少させることによってアクリル酸の回収及び精製を単純化することを可能にする。これらの方法は、方法の外部の有機溶媒を全く添加しないこと、及び限定された数の蒸留塔、特に3つ未満の塔を使用することを特徴とする。これらの単純化された方法により、99%以上に達する又はこれを超えることができる高純度の工業用アクリル酸の品質を得ることが可能になるが、これは氷(又はポリマーグレードの)アクリル酸が必要である、高分子量のポリマーを必要とする、アクリル酸の最も要求の厳しい用途に対してはいまだ十分でない。
【0015】
氷アクリル酸の品質を達成するためには、上記方法によって得られた工業用アクリル酸中に依然として存在する特定の不純物を非常に徹底的なレベル(多くとも数ppm)まで除去することが必要である。
【0016】
(メタ)アクリル酸の合成中に導入されやすい、特にフルフルアルデヒド、ベンズアルデヒド及びアクロレイン等の特定のアルデヒド、又はプロトアネモニンのような他の不純物、アクリル酸の合成中に生成される重質化合物、又はフェノチアジンなどの非フェノール系重合防止剤がある。
【0017】
これらの不純物は、例えば、US6,448,439号又はEP2066613B1号に記載されているように、分別晶出を用いる追加の処理段階で除去することができる。
【0018】
分別晶出は周知の分離技術である。これは、異なる形態、即ち、動的結晶化、静的結晶化又は懸濁結晶化(US5,504,247号;US5,831,124号;US6,482,981号)で行うことができる。
【0019】
しかし、分別晶出による追加の精製は、資本コスト及び冷却及び加熱の連続段階に必要なエネルギーの点で高価である。
【0020】
この理由から、蒸留による精製のための追加の処理が、工業用アクリル酸から不純物を除去するために一般的に使用されている。しかし、数ppmの極めて低い含量までのこの除去は、一方では重合反応性に関するその感度の閾値に関してその高濃度のために、他方ではアクリル酸の揮発性に近すぎるこれらの化合物の一部の揮発性のために、単純な蒸留によって経済的に得ることができない。
【0021】
これを行うために、製造業者は、一般に、蒸留による精製と、蒸留によりアクリル酸からより容易に分離することができる重質反応生成物を、アルデヒドと共に形成する反応物を使用する化学処理とを組み合わせた方法を使用する。
【0022】
使用することができる反応物の中で、例えば、アミン、ヒドラジン又はアミノグアニジンファミリーの化合物を使用することが可能であり、これらはそのまま又はそれらの塩の形態で、又は混合物として使用される(US3,725,208号;EP270999号;EP685448号)。
【0023】
従来技術に記載されている化学処理は全て、アルデヒドと反応物との反応中に水を生成するという欠点を示す。アクリル酸中の水の存在はまた、特定のポリマーの製造に有害である場合がある。
【0024】
この理由のために、特開昭49−95920号には、重質化合物を分離することを意図したアクリル酸の蒸留段階の前に、水及び軽質化合物を頂部で除去することを目的とする蒸留段階の間にこの化学処理を行うことが提供されている。
【0025】
特開2002179627号に記載されている精製方法では、アルデヒドの化学処理はスタチックミキサー中で行われる。
【0026】
蒸留による工業グレードのアクリル酸の精製及びアルデヒドの化学処理を組み合わせたこれらの様々な技術は、特に、少なくとも1つの外部有機溶媒を必要とする従来の方法によって得られる工業用アクリル酸の精製のために記載されている。それらは、その付属部品(リボイラー、凝縮器、ポンプ等)を備えた少なくとも1つの追加の蒸留塔(これは工業ユニットのコスト及びエネルギー消費に悪影響を及ぼす)を有する追加の精製セクションを必要とするという欠点を有する。
【0027】
加えて、アルデヒドの化学処理は、一般に、徐々に蓄積し、設備のアイテムに頻繁な洗浄操作を必要とする固体の形成を伴い、プラントの生産性に悪影響を与える。
【0028】
日本触媒のEP1110940号に記載されているアクリル酸の精製方法によれば、ヒドラジンタイプの化学剤によるアルデヒドの除去のための処理の有効性を改善するために、処理されるアクリル酸中に存在するアクロレインに対するフルフラールの、重量による濃度比を3〜100の間に調整する必要がある。これらの条件下では、導入される化学剤の量が減少し、ポリマーの形成が制限される。
【0029】
したがって、ポリマー(又は氷)グレードのアクリル酸の品質をもたられし、単純化され、迅速かつ容易に実行され(できるだけ少ない段階を含む)、有機溶媒及び/又は共沸溶媒又はエネルギー又は汚染の点で高価である技術の関与を必要とせず、加えて装置のアイテムを汚染するポリマーの形成をもたらさないアクリル酸の回収/精製のための方法を用意する必要が残っている。
【0030】
本発明者らは、特に脱水塔及び脱水塔からの底部流の一部が供給される仕上げ塔(又は精製塔)を含み、上記精製セクションの内部で好ましく実施される、化学剤を使用してアルデヒドを処理する段階を含むプラントにおいて、又は蒸留を使用する追加の精製セクションにおいて、外部の有機溶媒を添加することなく、結晶化による処理をしないで、アクリル酸ガス状反応混合物を精製するためのセクションを使用することにより、この必要性を満たすことができ、氷アクリル酸の品質を直接もたらすことができることを発見した。
【0031】
さらに、本発明は、異なる供給源から製造されるアクリル酸及びメタクリル酸、並びに、精製の同じ問題を呈しやすい、再生可能な出発物質に由来するこれらの酸に適用することができることは発明者には明らかである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明は、(メタ)アクリル酸の前駆体の気相酸化により得られる(メタ)アクリル酸を含むガス状反応混合物から、有機溶媒の非存在下で、ポリマーグレードの(メタ)アクリル酸を回収する方法であって、少なくとも以下の段階、
i) ガス状反応混合物が、脱水塔と呼ばれる第1の蒸留塔において共沸溶媒を使用することなく脱水され、頂部流及び底部流をもたらし、頂部流の少なくとも一部は凝縮されて脱水塔に還流の形態で戻される段階、
ii) 脱水塔底部流が、仕上げ塔と呼ばれる第2の塔での蒸留に少なくとも部分的に供され、頂部流、及び重質化合物を含む底部流をもたらす段階、
iii) 精製された(メタ)アクリル酸流が、仕上げ塔から側流を抜き取ることによって回収される段階
を含み、アルデヒドの化学処理のための少なくとも1つの薬剤の存在下で実施されることを特徴とする方法に関する。
【0034】
特別な特定の実施形態によれば、アルデヒドの化学処理のための薬剤は、仕上げ塔、又は脱水塔の底部に導入され、段階(iii)で抜き取られた、精製された(メタ)アクリル酸流は、ポリマーグレードの(メタ)アクリル酸のガス状流である。
【0035】
他の特定の実施形態によれば、段階iii)で抜き取られた、精製された(メタ)アクリル酸流は、1つ又は2つの蒸留塔を用いる蒸留による追加の処理に供され、アルデヒドの化学処理のための薬剤の導入は該処理の間に行われ、このようにポリマーグレードの(メタ)アクリル酸流がもたらされる。
【0036】
本発明では、「(メタ)アクリル」という用語は、「アクリル」又は「メタクリル」を意味する。
【0037】
「共沸溶媒」という用語は、水と共沸混合物を形成する性質を示す有機溶媒を意味する。
【0038】
「非凝縮性」という用語は、沸点が大気圧で20℃の温度よりも低い化合物を意味する。
【0039】
副生成物化合物を説明する「軽質」という用語は、考慮される使用圧力下で沸点が(メタ)アクリル酸の沸点よりも低い化合物を意味し、同様に「重質」という用語は、沸点が(メタ)アクリル酸の沸点よりも高い化合物を意味する。
【0040】
「アルデヒドの化学処理のための薬剤」は、処理される媒体中に存在するアルデヒドの含有量を非常に低いレベルまで低減することを可能にする化学剤を意味する。
【0041】
「ポリマーグレード」という用語は、アクリル酸が、それが高分子量のアクリルポリマーの製造に使用されることを可能にする高品質の基準を満たすことを示す。
【0042】
本発明による方法は、ポリマーグレードの(メタ)アクリル酸の製造に悪影響を及ぼさないならば、他の予備段階、中間段階又は後続段階をさらに含むことができる。
【0043】
特別な特定の実施形態によれば、本発明はまた、以下に列挙する有利な特徴の1つ又は好ましくはいくつかを示す:
− アルデヒドの化学処理のための薬剤は、仕上げ塔の供給流を介して仕上げ塔に導入される;
− アルデヒドの化学処理のための薬剤は、仕上げ塔の供給口の高さと精製された(メタ)アクリル酸の側流を抜き取るための段の高さとの間に位置するセクションの高さで仕上げ塔に直接導入される;
− アルデヒドの化学処理のための薬剤は、脱水塔の底部で、好ましくは、その冷却のためにガス状反応流と接触させられる液体流中に導入される;
− アルデヒドの化学処理のための薬剤は、仕上げ塔からの側流として抜き取られた流れの蒸留による追加の処理中に導入される;
− アルデヒドの化学処理のための薬剤は、該化学剤と処理すべき流れとの完全な混合を保証する少なくとも1つのタンクを含み、効果的な処理のための最も適切な条件を提供する混合装置を介してプラントに導入される。この操作モードでは、タンクは、除去すべきアルデヒド不純物を含有する(メタ)アクリル酸流と反応物質との混合を確実にし、化学処理は、考えられる最適な有効性を作る温度及び滞留時間の条件下で実施される;
− 仕上げ塔は従来の蒸留塔である;
− 仕上げ塔は、壁の一方の側に脱水塔底部流が供給される分離壁を有する塔であり、精製された(メタ)アクリル酸流の側流を抜き取ることは、分離壁の他方の側に位置するセクションにおいて気相又は液相中で行われる。仕上げ塔の頂部流は、側流の抜き取りを含む分離壁によって区切られたセクション内の液体還流を保証するために、この塔の頂部で部分的に戻される。
− 仕上げ塔上の気相中の第2の抜き取りは、精製されたアクリル酸の側流の抜き取りの下方に位置する位置で行われる。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、(メタ)アクリル酸の前駆体はアクロレインである。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、アクロレインは、プロピレンの酸化によって、又はプロパンのオキシ脱水素化により得られる。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、(メタ)アクリル酸の前駆体はメタクロレインである。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、メタクロレインは、イソブチレン及び/又はtert−ブタノールの酸化によって得られる。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、メタクロレインは、ブタン及び/又はイソブタンのオキシ脱水素化から得られる。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、(メタ)アクリル酸の前駆体の気相酸化によって得られる(メタ)アクリル酸を含むガス状反応混合物は、再生可能な起源の炭素を含む。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、(メタ)アクリル酸の前駆体は、グリセロール、3−ヒドロキシプロピオン酸又は2−ヒドロキシプロピオン酸(乳酸)から誘導される。
【0051】
本発明の好ましい実施形態によれば、ガス状反応混合物は、二段階酸化法により得られたプロピレン由来のアクリル酸を含む。
【0052】
本発明による回収方法は、例えば、超吸収剤として使用することができる、高分子量のポリマーを製造するのに十分な品質に対応するポリマーグレードの(メタ)アクリル酸の流れを生成する。本発明による方法は、(メタ)アクリル酸を含むガス状反応混合物中に存在する水を除去するために外部有機溶媒の使用を必要としない。本発明による方法は、結晶化処理を使用しない。好ましい操作モードでは、本発明による方法は、ガス状反応混合物から出発して、セクション内で実施される化学剤を用いてアルデヒドを処理する段階を含む2つの蒸留塔に基づく精製セクションのみを必要とする。
【0053】
本発明の他の主題は、本発明の方法を実施するのに適したポリマーグレードの(メタ)アクリル酸を回収するためのプラントである。
【0054】
本発明によるプラントは、少なくとも
a) 1つの脱水塔;
b) 脱水塔の底部に流体的に接続された1つの仕上げ塔;
c) 任意選択的に、仕上げ塔に横方向に流体的に接続された少なくとも1つの蒸留塔;
d) 任意選択的に中間タンクを含む仕上げ塔に供給される脱水塔底部流中の化学処理剤の導入、混合及び反応の最適条件を保証する混合装置;
e) 仕上げ塔の側流を抜き取るための少なくとも1つのシステム
を含む。
【0055】
「流体接続」又は「流体的に接続された」によって、材料の流れを輸送することができるパイプのシステムによる接続があることを示すことが望ましい。この接続システムは、バルブ、バイパス、熱交換器又は圧縮機を含むことができる。
【0056】
「中間タンク」とは、方法の次の段階に送られる前に、このタンクを通って中間トランジットに向かう液体流が供給される、ある容積の液体を収容することができるチャンバを意味する。
【0057】
「混合装置」とは、処理すべき流れ中の化学処理剤の最も効率的な分散、並びに反応の最適な有効性を得ることを可能にする滞留時間及び温度の条件を保証する連続の設備のアイテムの組み合わせを意味すると理解される。
【0058】
本発明の別の主題は、少なくとも以下の段階を含むポリマーグレードの(メタ)アクリル酸の製造方法である。
A) (メタ)アクリル酸を含むガス状反応混合物を形成するために、少なくとも1つの(メタ)アクリル酸前駆体が気相酸化される段階;
B) ガス状反応混合物が冷却される段階;
C) 冷却されたガス状反応混合物が、上記で規定されたポリマーグレードの(メタ)アクリル酸の回収方法に供される段階。
【0059】
本発明により、有機溶剤を使用しない全体的な方法でポリマーグレードの(メタ)アクリル酸を製造することが可能になり、有機溶剤による従来の方法と比較して、回収及び排出のエネルギーコストが低減される。本発明による方法は、バッチ式分別晶出又は懸濁液中での連続結晶化よりもり簡単な技術を使用する。
【0060】
その好ましい操作モードでは、即ち、工業グレードの(メタ)アクリル酸の品質を生成する従来技術の方法に関して追加の蒸留塔を用いることなく、本発明により、さらに、ポリマーグレード又は氷(メタ)アクリル酸を製造するための精製のための資本コスト及びエネルギーコストを削減することが可能になる。さらに、設備のアイテムを汚染する固体ポリマーの形成が避けられるので、本発明は、同じプラントで、(メタ)アクリル酸の異なる品質を、アルデヒドの化学処理の使用又は不使用に応じて、キャンペーン毎に生成する可能性を取り入れ、製造業者に操作の柔軟性を提供する。
【0061】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の
図1〜4を参照して、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0063】
(発明の詳細な説明)
簡略化のため、説明の続きはアクリル酸の製造に言及するが、メタクリル酸の製造にも同様にあてはまる。
【0064】
本発明は、高純度のアクリル酸を製造することを目的としており、外部有機溶媒を使用しない方法に従って得られる工業用アクリル酸に依然として存在する特定の不純物を非常に徹底的なレベル(最大でも数ppm)まで除去することを目的とする化学剤を用いた処理の使用に基づいている。それらは特にアルデヒドであり、その存在は微量の形態でさえ高分子量のアクリルポリマーの達成に有害である。
【0065】
本発明の説明の続きにおいて、「化学処理」という用語は、アルデヒドの化学処理のための薬剤を用いて行われる処理を意味すると理解される。
【0066】
本発明の第1の態様によれば、化学処理は、工業用アクリル酸の回収方法に組み込まれ、したがってポリマーグレードのアクリル酸の品質を直接もたらす。好ましい実施形態を
図1及び
図2に示す。
【0067】
あるいは、本発明の第2の態様によれば、工業用アクリル酸は、
図3及び
図4に示すように、1つ又は2つの蒸留塔を使用する蒸留による追加の処理の間に化学処理に供される。
【0068】
図1に示す本発明の第1の実施形態によれば、アクリル酸前駆体の気相酸化によって得られたアクリル酸を含むガス状反応混合物1は第1の蒸留塔10に供給される。一般に0.3〜2の水/アクリル酸重量比を含むガス状反応混合物は、脱水塔と呼ばれる塔10において、本発明による方法の段階i)に従って脱水に供される前に予冷することができる。
【0069】
反応混合物は、水及びアクリル酸に加えて、窒素、酸素、一酸化炭素及び二酸化炭素のような非凝縮性軽質生成物、並びに軽質アルデヒド、例えば、アクロレイン、ホルムアルデヒド又はアセトアルデヒド、重質アルデヒド、例えば、フルフルアルデヒド又はベンズアルデヒド、軽質酸、例えば、ギ酸、酢酸又はプロピオン酸、又は重質酸、例えば、マレイン酸、安息香酸又は2−ブテン酸であることができる異なる化学特性の様々な軽質又は重質副生成物を含む。
【0070】
脱水塔は頂部流2を生じ、その少なくとも一部は凝縮器13で凝縮され、アクリル酸を吸収するために還流7の形態で脱水塔に戻され、非凝集性軽質化合物を含む残りの部分14/15は、部分的に又は完全に精製装置に送られるか、又は好ましくは反応混合物1の製造のために反応器の上流に位置する段階で、アクリル酸の製造のための方法の他の段階に部分的に再循環される。
【0071】
一実施形態によれば、脱水塔からの頂部流2の全てが頂部凝縮器13に送られる。
【0072】
脱水段階i)の目的は、反応混合物中に存在する大部分の水だけでなく、非凝縮性の軽質化合物及び凝縮性の軽質化合物を頂部流において除去することである。脱水塔は、少なくとも部分的に蒸留塔として機能する。それには反応混合物1がその下部で供給される。それは、大部分の水及び軽質化合物、並びにアクリル酸及びごく少量の重質化合物を含む頂部流2を生成し、重質副生成物と共に大部分のアクリル酸を含む、軽質化合物が枯渇した底部流を生成する。
【0073】
脱水塔は、一般に、5〜50の理論段、好ましくは20〜30の理論段を含む。それは熱交換器を備えており、その主な役割は、
図1に示す構成において、還流として脱水塔の下部に戻す前に、塔に流入するガス1の温度に応じて、塔底から抽出された液体流20を冷却又は加熱することである。
図1には示されていない別の考えられる構成では、ガス状流1は、脱水塔に再流入する前に外部交換器で予冷され、及び/又はこの塔に導入される前に、ガス状流1が脱水塔の外側に位置する熱交換器内で液体流16の一部のための還流で冷却される。
【0074】
有利には、脱水塔は、大気圧又は1.5×10
5Paの絶対圧までの僅かに高い圧力で作動する。
【0075】
有利には、脱水塔の上部の温度は、少なくとも40℃、好ましくは40℃〜80℃の間である。脱水塔からの底部流の温度は、好ましくは120℃を超えない。
【0076】
本発明によれば、アクリル酸を含むガス状反応混合物中に存在する水の大部分は、頂部流14/15中のアクリル酸の過剰な損失なしに段階i)の間に除去される。
【0078】
脱水塔からの底部流における水の重量含有率は、一般に10%未満、好ましくは7%未満である。脱水塔からの底部流の典型的な重量組成は、アクリル酸(84〜90%)、酢酸(5〜10%)及び水(3〜6%)を本質的に含む。
【0079】
本発明による方法の段階ii)によれば、脱水塔からの底部流16は、少なくとも部分的に(流れ3)、精製塔又は仕上げ塔と呼ばれる第2の蒸留塔17の頂部に送られ、そこでは超部流8と底部流9とが分離される。
【0080】
一実施形態によれば、脱水塔からの底部液体流16の一部20は、加熱器又は冷却器である熱交換器12に送られ、底部ループを構成するために脱水塔に再注入される。好ましくは、底部ループの一部11は、ガス状反応混合物の供給口と脱水塔頂部との間で再注入される。液体流16の残りの部分(流れ3)は仕上げ塔17の供給物として送られる。
【0081】
この実施形態の任意の別の形態によれば、流れ3を仕上げ塔17の供給物として送る前に中間タンク38に貯蔵することができる。この選択肢では、中間タンクの前に配置した熱交換器で、又はこのタンク内のループ再循環回路上に配置された交換器で流3を冷却することが有利であり得、冷却された流れは、その後、精製塔17に導入される前に、交換器を通して加熱することができる。
【0082】
精製塔からのガス状頂部流8は、凝縮器19に送られる。流出液体流4は、塔の底部と頂部との間で、好ましくはガス状反応混合物の供給口の上方で脱水塔に戻される。一実施形態によれば、
図1に示すように、それは脱水塔の底部ループからの流れと混合される。
【0083】
仕上げ塔17により、水及び凝縮性の軽質副生成物を含む頂部流8、重質副生成物の大部分、特にマイケル付加生成物、例えば、3−アクリロイルオキシプロピオン酸、無水マレイン酸/マレイン酸、安息香酸及び重合防止剤を含む底部流9、及び液体又は蒸気形態、好ましくはガス状形態の精製されたアクリル酸を含む側流5を分離することが可能になる。
【0084】
仕上げ塔17は、一般に5〜30の理論段、好ましくは8〜20の理論段を含む慣用の蒸留塔であることができる。この蒸留塔は、少なくとも1つのリボイラー及び1つの凝縮器と組み合わされる。
【0085】
塔17の温度及び圧力は重要ではなく、最先端の既知の蒸留方法に従って決定することができる。しかし、好ましくは、仕上げ塔17は大気圧より低い圧力で作動し、比較的低温で作動することができ、したがって、存在する不飽和生成物の重合を防止し、重質副生成物の形成を最小限にする。
【0086】
有利には、仕上げ塔は、5kPa〜約60kPaの範囲の絶対圧下で作動し、頂部流の温度は有利には40℃〜約90℃の間であり、底部流の温度は60℃〜120℃の間である。
【0087】
本発明による化学処理がない場合、仕上げ塔からの側流として抜き取られた精製されたアクリル酸の流れ5は、工業グレードのアクリル酸に相当する。
【0088】
本発明の好ましい構成によれば、ポリマーグレードのアクリル酸を直接製造するために、
図1に示すプラントに化学剤22が導入される。導入は様々な方法で行うことができる。
【0089】
図1に記載された第1の実施形態によれば、化学処理剤22は、塔の供給口の高さと側流を抜き取るための段の高さとの間に位置するセクションの高さ、又は好ましくは塔の供給流3を介してのいずれかで仕上げ塔17に導入される。
【0090】
他の実施形態によれば、高温の反応ガスを冷却し、部分的に凝縮させる目的で、塔に戻される液体流11の回路の任意の点で、脱水塔の下部に化学処理剤が導入される。添加は、熱交換器12の上流又は下流で行うことができる。また、考えられる別の選択肢は、化学処理剤を脱水塔に再循環される塔17の頂部流4に送ることである。
【0091】
化学処理剤と脱水塔に供給される流れ中に存在するアルデヒドとの反応の間に生成された重質生成物は、最初に脱水塔からの底部流3において除去され、最後に残りの重質副生成物と共に仕上げ塔からの底部流9において除去される。これらの重質生成物の生成のための反応によって生成された水は、部分的に脱水塔の頂部で及び部分的に仕上げ塔の頂部で除去される。
【0092】
化学処理剤は、仕上げ塔に供給される流れ中に存在するアルデヒドと共に、アクリル酸からより容易に分離することができる重質反応生成物を形成する反応物である。これらの重質生成物の形成のための反応は水を生成し、これは仕上げ塔の頂部で直接除去され、形成された重質生成物は残りの重質副生成物と共に仕上げ塔からの底部流9において除去される。
【0093】
その結果、ガス状流5は仕上げ塔からの側流として抜き取られ、これは交換器37での凝縮の後、アルデヒド、重質化合物及び非フェノール系重合禁止剤のない、また水を含まない精製されたアクリル酸の液体流を形成する。したがって、それは特に分別晶出による追加の精製を必要とすることなく、不純物に最も敏感なポリマーのグレード、例えば、超吸収剤を生成するために使用することができるポリマーグレード又は氷グレードのアクリル酸の品質に直接相当する、その後の重合にとって厄介な不純物を含まないアクリル酸の流れである。続いて、重合禁止剤をこの流れに添加することができる。
【0094】
仕上げ塔17からの底部流9は、リボイラー18を通ってこの塔に部分的に戻される。残りの部分6は、流れ6中に存在する残留アクリル酸モノマーを回収する目的で濃縮セクション(
図1には示されていない)に送ることができ、及び/又は3−アクリロイルオキシプロピオン酸型の重質マイケル付加化合物からアクリル酸を再生する目的で分解セクションに送ることができ、及び/又はアクリルエステルの生成ユニットの出発物質として使用することができる。
【0095】
別の形態では、任意選択的に、第2の側流が、精製ポリマーグレードのアクリル酸の側流の抜き取りの下方に位置する地点で仕上げ塔17(
図1には示されていない)上の気相中に抜き取られる。大部分の重質生成物及び化学剤とアルデヒドとの反応生成物を含まないアクリル酸中に濃縮されたこの流れは、有利には、例えば、選択を限定することなくメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート又は2−エチルヘキシルアクリレートを生成するためのエステル化方法の出発物質として経済的に使用することができる。
【0096】
この別の形態では、側流として抜き取られる第2の流れは、仕上げ塔からの底部流9に濃縮された、重質副産物のない、特にエステルグレードの中間品質のアクリル酸に相当する。
【0097】
本発明の好ましい実施形態(
図1に示す)によれば、アルデヒドの化学処理のための薬剤と処理すべき流れとの混合は、流れ中のアルデヒドの化学処理のための薬剤の最も効果的な分散を可能にする混合装置38内で仕上げ塔の上流で実施される。この装置は、特に、最適温度及び最適滞留時間で処理を行うために、1つ以上のタンク及び1つ以上の混合又は熱交換設備のアイテムを連続で含むことができる。混合設備のアイテムは、撹拌された容器又は再循環された容器又はスタチックミキサーのような液体を混合するために当業者によって一般に使用される装置を含むことができるだけでなく、処理されるべき流れ中での化学処理剤の迅速な分散を可能にする全ての種類の設備のアイテム、例えば、軸方向ジェットミキサー、ロータリージェットミキサー、液体ジェットエジェクター、ハイドロジェクター、ポンプ、フィルター等を含むことができる。
【0098】
この実施形態によれば、脱水塔からの底部流は、アルデヒドの化学処理のための薬剤の導入の前又は同時に、60〜120℃から30〜80℃に冷却されることが好ましい。1つの考えられる配置は、脱水塔からの底部流が冷却され、ポンプを介して攪拌又は再循環されるタンクに中間様式で貯蔵され、アルデヒドの化学処理のための薬剤の導入がこのタンク内で行われることである。この中間タンク中の滞留時間は、一般に5〜120分である。この中間タンクから生じる液体混合物を仕上げ塔に供給する前に、この流れは、必要に応じて、インライン交換器又は加熱された中間タンク内で70〜90℃の温度に加熱されることが好ましい。
【0099】
これらの様々な実施形態、特に混合配置を組み合わせることは、処理剤の反応性を最適化することによって及び除去されるべきアルデヒドに対する過剰量を減少させることによって、必要とされるアルデヒドの化学処理のための薬剤の量を減少させ、装置のアイテムの汚染を低減することを可能にするので、特に有利である。
【0100】
本発明において使用することができるアルデヒドの化学処理のための薬剤は、蒸留による精製及び工業用アクリル酸中に存在するアルデヒドの化学処理を組み合わせた方法について従来技術に記載されたものであり得る。それらは、単独で又は全ての割合の混合物として使用される化学剤であることができる。
【0101】
特に、以下を挙げることができる。
・ アミン、例えば、限定されないが、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、グリシン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、並びにオルト−、パラ−及びメタ−フェニレンジアミン;
・ アニリンファミリーの化合物、例えば、限定されないが、アニリン、並びにオルト−、パラ−及びメタ−メチルアニリン;
・ ヒドラジンのファミリーの化合物、例えば、限定されないが、ヒドラジン及びその塩、ヒドラジン水和物、ヒドラジン硫酸塩、ヒドラジンカルボン酸塩、ヒドラジン塩酸塩、フェニルヒドラジン、4−ニトロフェニルヒドラジン及び2,4−ジニトロフェニルヒドラジン、又はアミノグアニジン及びその塩、例えば、アミノグアニジン炭酸水素塩;
・ ヒドラジドのファミリーの化合物、例えば、限定されないが、カルボン酸及びその塩のヒドラジド、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸及びマレイン酸のヒドラジド、並びにアジピン酸及びコハク酸のジヒドラジド、尿素又は尿素の誘導体及びヒドラジンの誘導体、例えば、セミカルバジド又はカルボヒドラジド、及びそれらの塩;
・ 単独又は全ての割合のそれらの混合物。
【0102】
化学剤は、処理されるべき流れに、又は溶媒中の溶液中、例えば、アクリル酸の溶液中にそのまま導入される。
【0103】
化学剤は、クライアントの要求を満たすためにアルデヒド不純物(特にアクロレイン、フルフルアルデヒド及びベンズアルデヒド)が十分に除去された氷アクリル酸の品質を得るために、最小限の量で導入される。一般に、化学剤は、処理されるべき媒体中に存在する全アルデヒドに対して0.5〜10、好ましくは1〜5のモル比で添加される。
【0104】
本発明の別の形態を示す
図2を参照すると、仕上げ塔17は2つのセクション35及び36を含む分離壁を有する塔で置き換えられ、セクション35には脱水塔からの底部流3が供給され、ポリマーグレードのアクリル酸の流れ5はセクション36から側流として抜き取られる。
【0105】
特に、分離壁は塔の頂部と連続しない。したがって、流れ3によって導入された軽質化合物は、凝縮器19内のガス状流8の凝縮後に、塔の頂部で流れ4中に容易に排出されることができる。
【0106】
これらの分離塔は、特にスルザー(Sulzer)及びモンツ(Montz)によって販売されている。
【0107】
この実施形態によれば、化学処理剤22は、前記塔の供給流3を介して、又は従来の塔に関連して上述した様々な方法に従って、セクション35内の塔の供給口の高さとこのセクションの底部との間に位置するセクションの高さのいずれかで仕上げ塔のセクション35に導入される。
【0108】
この仕上げ塔からの頂部流8は、凝縮器19で凝縮され、側流の抜き取りを含む分離壁によって区切られたセクション36内で液体還流を確保するために仕上げ塔の頂部に、部分的に戻され、残りの部分4は脱水塔の底ループに再循環される。この構成によれば、ポリマーグレードの(メタ)アクリル酸の流れの側流の抜き取りは、気相中で行われ、次いで交換器37で凝縮され、ヒドロキノンメチルエーテル(HQME)等の重合禁止剤が200±20ppmの含有量で添加される。好都合なことに、1つ以上の重合禁止剤が、塔頂部で還流として戻される液体混合物中に導入される。別の形態では、ポリマーグレードのアクリル酸の流れの側流の抜き取りを液相で実施し、精製流を交換器37で冷却することができる。この場合、HQMEは、ポリマーグレードのアクリル酸の流れ中のこの禁止剤の濃度が220ppmを超えないような量で、塔頂部で還流として戻される液体混合物に導入される。
【0109】
本発明の第2の態様によれば、アルデヒドの化学処理のための薬剤は、脱水塔10及び仕上げ塔17を含む精製セクションに導入されず、液体又はガス状の形態で仕上げ塔からの側流として抜き取られ、次いで交換器37において冷却又は凝縮される流れ5は、工業品質に相当する精製されたアクリル酸の流れである。
【0110】
いくつかの実施形態が
図3及び4に示されている本発明のこの態様によれば、ポリマーグレードのアクリル酸を得るための工業用アクリル酸の精製は、底部にリボイラー及び頂部に凝縮器を備えた追加の精製塔21(
図3)、又は底部にリボイラー及び頂部に凝縮器を備えた2つの精製塔29及び21(
図4)のいずれかを含む追加の精製セクションで行われる。
【0111】
図3の構成では、化学処理剤22は、精製塔21に供給される工業用アクリル酸5の流れに導入される。塔21はボイラー27を備え(このボイラー27を通って底部流の一部が塔に戻される)及び頂部凝縮器24を備える。精製された頂部流の一部は還流として塔21に戻される。この塔は好ましくは減圧下で操作される。
【0112】
化学処理剤は、流れ5中に存在するアルデヒドと共に、アクリル酸からより容易に分離することができ、塔21から底部流28において除去される重質反応生成物を形成する。これらの重質生成物の形成のための反応によって生成される水は、精製塔21からの頂部流中のアクリル酸に同伴される。したがって、頂部流25は、水が厄介な不純物でない用途に意図されたポリマーの製造に要求される品質基準を満たす氷(又はポリマーグレードの)アクリル酸の品質に相当する。これは、例えば、部分中和及び重合の前に水中での希釈の前段階を使用する超吸収剤の製造の場合、あてはまる。
【0113】
図4の構成では、水の残留濃度が低いポリマーグレードのアクリル酸の品質を得るために、2つの連続する塔から出発して追加の精製が行われる。
【0114】
工業用アクリル酸5の凝縮流は、塔頂部と塔底部との間に位置する地点、好ましくは塔29の上半部に位置する段の高さにある第1の中間蒸留塔29に導入される。
【0115】
化学剤22の導入は、この中間塔29に供給される工業用アクリル酸5の流れの中に、又は前記塔の供給と塔の底部の間に位置する地点で実施される。アルデヒドの処理のための反応によって生成された水は、塔29からのガス状の頂部流30に同伴され、その後部分的に抜き取られ(流れ32)、部分的に還流として塔に戻される前に交換器31で凝縮される。
【0116】
流れ32は本質的にアクリル酸から構成され、低濃度の水を含有する。それは方法の上流に戻すことができ、例えば、エステルの製造に使用することができる。
【0117】
塔29の底部で得られた流れ33は、部分的に、ボイラー34を通って塔に戻され、残りの部分は、第2の精製塔21に供給される。水を含まないポリマーグレードのアクリル酸の液体流25は、この精製塔21の頂部で得られ、交換器24での凝縮の後、この液体流の一部が還流として塔21に戻される。形成された重質生成物及び重質禁止剤は塔21からの底部流28において除去される。
【0118】
2つの精製塔29及び21は、好ましくは減圧下で操作される。
【0119】
精製塔21及び29は、様々な構成のものであることができる。
【0120】
図3及び
図4に示される2つの実施形態の塔21は、一般に5〜30の理論段、好ましくは8〜20の理論段を含む従来の蒸留塔である。この蒸留塔は、リボイラー及び凝縮器と組み合わされる。
【0121】
図4に示す実施形態の精製塔29は、一般に1〜20の理論段、好ましくは5〜15の理論段を含む従来の蒸留塔である。この蒸留塔は、リボイラー及び凝縮器と組み合わされる。
【0122】
脱水塔及び仕上げ塔を含む精製セクションに化学処理剤22が導入される実施形態と同様に、処理されるべき流れと化学剤との混合は、塔21(
図3)又は塔29(
図4)に導入される前に、任意選択的に、中間タンク又は連続の一連の中間タンクで実施することができる。
【0123】
同様に、2つの連続した脱水塔及び仕上げ塔のみを含む群で実施される精製の特定の実施形態の実施例に続いて、精製された(工業用の)アクリル酸の側流の抜き取りの下方に位置する地点で、仕上げ塔17の気相の側流から第2の抜き取りを行うことが可能である。この流れは重質副産物(仕上げ塔の底部流9に濃縮される)のないエステルグレードのアクリル酸に相当する。有利には、それは異なるアクリル酸エステルを製造するためのエステル化方法の出発物質として経済的に使用することができる。
【0124】
驚くべきことに、化学処理剤が導入されたアクリル酸流中に存在するアクロレインに対するフルフラールの重量濃度の比は、特許EP1110940号に示されているものとは異なり、これは固体ポリマーの生成を回避することを可能にする一方で、本発明による方法では固体の生成の問題が現れないことは明らかである。この説明に拘束されることなく、本発明者らは、アルデヒドの化学処理のための薬剤が、反応副生成物の溶解により適した組成を有する粗製アクリル酸の流れ(ただ2つの蒸留塔を含むプラント内で実施される好ましい実施形態)、又は従来技術の従来の方法に従って利用可能な工業用グレードよりも品質の良い工業用アクリル酸の流れ(追加のセクションにおける工業用アクリル酸の化学処理を有する実施系チア)に最適に導入されると考えている。
【0125】
全てのその別の形態における本発明による方法により、アクリル酸>99%、好ましくは>99.5%の含有率を有し、好ましくは総アルデヒド含量<10ppm、実際<3ppmでさえある氷アクリル酸又はポリマーグレードのアクリル酸を製造することが可能になる。
【0126】
本発明の方法により得られるポリマーグレードのアクリル酸は、同様に好ましくは以下の不純物の含有量を有する。
プロトアネモニン<5ppm、特に<3ppm
無水マレイン酸<100ppm、特に<50ppm
非フェノール系重合禁止剤<10ppm、特に<3ppm。
【0127】
上記のようなポリマーグレードの(メタ)アクリル酸の回収方法を実施するために適合された本発明によるプラントは、少なくとも
a) 1つの脱水塔;
b) 脱水塔の底部に流体的に接続された1つの仕上げ塔;
c) 任意選択的に仕上げ塔に横方向に流体的に接続された少なくとも1つの蒸留塔;
d) 任意選択的に中間タンクを含む、仕上げ塔に供給される脱水塔底部流中の化学処理剤の導入、混合及び反応の最適条件を保証する混合装置;
e) 仕上げ塔の側流を抜き取るための少なくとも1つのシステム
を含む。
【0128】
使用できる混合装置として、任意選択的に中間貯蔵タンクと組み合わされる撹拌又は再循環された容器又はインラインミキサーを挙げることができる。混合装置により、固体の沈着を引き起こすことなく、化学処理剤と不純物、特にアルデヒド型の不純物との反応が最も効果的であるために、一般に5分〜120分の最小の滞留時間を確保し、一般に30℃〜80℃の最適温度を設定することが可能になる。
【0129】
本発明の他の主題は、少なくとも以下の段階
A) (メタ)アクリル酸を含むガス状反応混合物を形成するために、少なくとも1つの(メタ)アクリル酸前駆体が気相酸化される段階;
B) ガス状反応混合物が冷却される段階;
C) 冷却されたガス状反応混合物が、上記で規定された(メタ)アクリル酸の回収方法に供される段階
を含むポリマーグレードの(メタ)アクリル酸の製造方法に関する。
【0130】
(メタ)アクリル酸の前駆体は、アクロレイン又はメタクロレインであることができ、再生可能な出発材料から誘導され、バイオベースの(メタ)アクリル酸を生成することができる。
【0131】
好ましくは、(メタ)アクリル酸はアクリル酸であり、アクリル酸の前駆体はプロピレンの接触酸化によって得られるアクロレインである。
【0132】
当該技術分野の知識に従って行われる段階A)の酸化反応は、一般に、280℃を超える温度で過熱されたガス状反応混合物を提供する。
【0133】
この混合物は有利には、段階C)、即ち、共沸溶媒を使用せずに、アルデヒドの除去のための化学処理を含む、(メタ)アクリル酸の回収方法に付されるように、段階B)に従って、250℃未満、好ましくは190℃未満の温度まで冷却される。それは脱水塔で直接冷却するか、脱水塔の上流に位置する熱交換器を使用して冷却することができる。
【0134】
本発明による方法は、衛生若しくはケーブル製造の分野に意図されたアクリル系超吸収剤、又は高純度アクリル酸エステル、又は揮発性有機化合物の含有率の低いアクリル系分散剤又は凝集剤を調製するために使用することができるポリマーグレードの(メタ)アクリル(又はGAA)を提供する。
【0135】
以下の実施例によって本発明を説明するが、これらの実施例は添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を限定することを目的とするものではない。
【実施例】
【0136】
実験部
パーセンテージは、重量パーセンテージとして表される。
【0137】
以下の実施例では、以下の分析方法を使用した。
− UV検出及び外部較正、即ち、マレイン酸、酢酸及びフェノチアジンの形態でアッセイされたフルフラール、ベンズアルデヒド、無水マレイン酸を含む、ウォーターズ(Waters)によって供給されるAtlantis DC18カラムでの高速液体クロマトグラフィー、
− エタノール/トリクロロ酢酸媒体中でのアクロレインと4−ヘキシルレゾルシノールとの反応後、塩化水銀によって触媒された紫外−可視分光分析、及び603nmで最大吸光度を示す青色の発色:アクロレイン。
【0138】
[例1(比較例)]
ASPENソフトウェアを用いたシミュレーションは、従来技術による方法を説明するために使用されてきた。それは、特に、塔17からの側流を抜き取ることによって、
図3に示すような精製されたアクリル酸の流れ5を提供する特許EP2066613B1号に記載された方法である。
【0139】
流れの主な化合物における流速、温度、圧力及び組成は、以下の表に示される。
【0140】
【表1】
【0141】
この表では、アクロレインに対するフルフラールの重量濃度の比が流れ3において3より十分に低く、そして塔17から側流(流れ5)を抜き取ることにより得られる精製されたアクリル酸の品質は、ポリマーグレードのアクリル酸の品質を必要とする用途に使用するのに十分な品質ではない。特に、フルフラール及びベンズアルデヒド及びマレイン酸/無水物の濃度は、アプリケータの希望に応じて高分子量を有するポリマーを製造するには大きすぎる。
【0142】
[例2(参考)]
外部有機溶媒を使用しないアクリル酸の精製方法の脱水塔の底部で得られた媒体を代表する合成混合物を調製する。この合成流は以下の組成、即ち、アクリル酸(85.20%)、酢酸(10%)、水(4.4%)、アクロレイン(0.03%)、フルフラール(0.011%)、ベンズアルデヒド(0.015%)、無水マレイン酸(0.2%)、フェノチアジン(0.1%)及びヒドロキノン(0.05%)を有する。
【0143】
この混合物250gを丸底ガラスフラスコに導入し、90℃の温度で30ミリバールの圧力下でロータリーエバポレーターで混合物を蒸留して、蒸留画分の約80%を回収する。
【0144】
蒸発後、0.01%のフルフラール、0.01%のベンズアルデヒド、0.03%のアクロレイン及び0.15%マレイン酸/無水物という含有率を示す無色透明の留出物201gを回収する。
【0145】
この試験の結果は、フラッシュ蒸留条件下で、分離段なしでの不純物の分布を反映する。それは、アルデヒドの処理のための化学剤の存在下で行われる以下の試験の参考となる。
【0146】
[実施例3(本発明による)]
同一の合成混合物200gから出発して試験2と同じ処理を繰り返すが、今回は0.35gのヒドラジン水和物を添加する。さらに、混合物を最初に大気圧で60分間40℃にし、次いでロータリーエバポレーターで90℃の温度、30ミリバールの圧力で蒸留する。
【0147】
<1ppmのフルフラール、<1ppmのベンズアルデヒド、<1ppmのアクロレイン及び<1ppmのマレイン酸/無水物という含有率を示す無色透明の留出物154g(77%)を回収する。
【0148】
蒸発後に回収された非蒸留残渣は透明であり、固体沈殿物はない。
【0149】
[実施例4(本発明による)]
試験2に記載された合成混合物200gから出発して試験3と同じ処理を繰り返すが、今回は0.31gの重炭酸アミノグアニジンを添加する。
【0150】
蒸発後、<1ppmのフルフラール、<1ppmのベンズアルデヒド、<1ppmのアクロレイン及び48ppmのマレイン酸/無水物という含有率を示す無色透明の留出物152g(76%)を回収する。
【0151】
蒸発後に回収された非蒸留残渣は透明であり、固体沈殿物はない。
【0152】
[実施例5(本発明による)]
試験2に記載された合成混合物200gから出発して試験3と同じ処理を繰り返すが、今回は0.47gのメタ−フェニレンジアミンを添加する。
【0153】
蒸発後、<1ppmのフルフラール、3ppmのベンズアルデヒド、<1ppmのアクロレイン及び7ppmのマレイン酸/無水物という含有率を示す無色透明の留出物157g(78%)を回収する。
【0154】
蒸発後に回収された非蒸留残渣は透明であり、固体沈殿物はない。
【0155】
実施例3、4及び5は、溶媒を添加しない回収/精製方法に従って得られた脱水塔底部生成物を代表する流れから出発して、化学剤による処理のために、追加の蒸留段階なしでポリマーグレードのアクリル酸の品質を得ることが可能であることを示す。
【0156】
[例6(参考)]
有機溶媒を使用しないアクリル酸の精製方法の脱水塔の底部で得られた媒体を代表する合成混合物を調製する。この合成流は、以下の組成、即ち、アクリル酸(84.6%)、酢酸(9.7%)、ギ酸(0.1%)、水(4.3%)、アクロレイン(0.027%)、フルフラール(0.010%)、ベンズアルデヒド(0.015%)、無水マレイン酸(0.20%)及びフェノチアジン(0.1%)を有する。
【0157】
この合成混合物を一定のレベルに維持した500mlのガラス製反応器に289g/時の流速で連続的に導入し、一定かつ激しく攪拌しながら50℃に加熱する。反応器で調整される温度は50℃であり、この攪拌タンク内の混合物の滞留時間は1時間である。
【0158】
反応器から出た反応混合物は、電気抵抗によって加熱された熱サイフォンリボイラーに供給される。
【0159】
リボイラー内で操作されるフラッシュ蒸留条件下で、345hPaの圧力下、101℃の温度で、供給流の90%に相当する頂部流を蒸留する。
【0160】
頂部流の分析は、フルフラールの濃度が113ppmであることを示し、底部流は163ppmのフルフラールを含む。明らかな汚れは観察されない。
【0161】
この例は、アルデヒドと反応する化学添加剤が存在しない場合、フルフラールが頂部流と底部流れとの間で分割され、頂部流の品質が満足できるものではないことを示す。
【0162】
[実施例7(本発明による)]
例6に記載された実験を、同じ条件下で、ただしアルデヒドを除去するための処理剤の存在下で再び行う。
【0163】
例6の組成と同じ組成の合成混合物を、50℃に加熱した反応器に235g/時の流速で連続的に導入する。0.78g/時のヒドラジン水和物もこの反応器に導入する。反応器中の混合物の滞留時間は1時間に等しい。添加された化学剤の量は、処理されるべき媒体中に存在するアルデヒドの合計に対して2のモル比に相当する。
【0164】
反応器から出た反応混合物を、276hPaの圧力下で熱サイフォンリボイラーに供給する。フラッシュ蒸留に続いて、凝縮後、219g/時の液体留出物(ボイラーに供給される流れの93%)及び16g/時の底部流が得られる。
【0165】
頂部流の分析後、フルフラール(沸点の点でアクリル酸に最も近いために分離するのが最も困難な不純物)の濃度は1ppmである。
【0166】
この混合物では、供給流中のフルフラール/アクロレインの濃度の比は0.4である。この比は明らかに最適であるとして特許EP1110940号に記載された3〜100の範囲外にあるが、この例はフルフラールの除去が有効であることを示す。さらに、装置中に目立った汚れは観察されない。
【0167】
[実施例8(本発明による)]
実施例7に記載の実験を同じ条件下で再度行うが、反応器に導入される化学処理剤は、氷アクリル酸(アルデヒド不純物を含まない)中で調製した重炭酸アミノグアニジンの20%溶液である。
【0168】
実施例7の組成と同じ組成を有する合成混合物(235g/時)及びアルデヒドの処理のための化学剤溶液(11.8g/時)を、50℃に維持された反応器中に激しく撹拌しながら1時間の滞留時間で導入する。添加される化学剤の量は、処理されるべき媒体中に存在するアルデヒドの合計に対して2.2のモル比に相当する。反応器から抽出された反応混合物は、315hPaで101℃の温度で操作されるリボイラーへの供給物として送られる。供給流の84%に対応する頂部流を蒸留する。
【0169】
分析後、頂部流は1ppmのフルフラールを含む。設備のアイテムの目立った汚れは観察されない。