(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光感応樹脂を収容するのに適しており、底(2a)を備えているタンク(2)と、 前記底(2a)に直交している移動の方向(Z)に従って自体を移動させるのに適している移動手段(4)に関連している支持ユニット(5)と、
3次元物体を支持するために前記底(2a)に面しておりモデリング表面(3a)を備えているモデリングプレート(3)と、
前記モデリングプレート(3)を前記支持ユニット(5)に接続するのに適しており、
前記モデリングプレート(3)が、前記移動の方向(Z)に従って、前記支持ユニット(5)からより遠くの第1の直線位置と前記支持ユニット(5)により近くの第2の直線位置との間で前記支持ユニット(5)に対して並進できるようにし、前記モデリングプレート(3)が、前記移動の方向(Z)に直交している少なくとも1個の回転の軸線(X)に従って、前記モデリング表面(3a)が前記移動の方向(Z)に直交している第1の角度位置と前記モデリング表面(3a)が前記第1の角度位置に対して回転している第2の角度位置との間で前記支持ユニット(5)に対して回転できるように構成されており、ハウジング(7)と、前記回転の軸線(X)に少なくとも従って回転できるように前記ハウジング(7)内に回転するように配置されている球状の胴体(8)とを有している結合ユニット(6)と、
解除可能な挟み手段(9)と、
を有し、
前記挟み手段(9)は、
前記ハウジング(7)を定めており、前記球状の胴体(8)の周囲に押し付けることが可能なように変形可能な中空の胴体(14)と、
前記並進と前記回転とを防止するように前記モデリングプレ―ト(3)と前記支持ユニット(5)とを一体にするように前記中空の胴体(14)を前記球状の胴体(8)の周囲に押し付けるように操作されるのに適している制御手段(15)と、
を有し、
前記中空の胴体(14)は、前記移動の方向(Z)に従って摺動するように案内胴体(18)によって支持ユニット(5)に関連付けられており、
前記案内胴体(18)は、前記中空の胴体(14)が間に介在している2個のあご(19、20)を有しており、
前記制御手段(15)は、前記2個のあご(19、20)を前記中空の胴体(14)に対して押し付けるように構成されていることを特徴とする、ステレオリソグラフィー機械(1)。
前記結合ユニット(6)は、前記モデリングプレート(3)を前記第2の角度位置でロックするように動作させるのに適している停止手段(10)を有していることを特徴とする、請求項1に記載のステレオリソグラフィー機械。
前記停止手段(10)は、弾性手段の作動によって前記球状の胴体(8)に接触している状態に維持されている停止胴体(11)を有しており、前記球状の胴体(8)には、前記モデリングプレート(3)が前記第2の角度位置に配置されたときに前記停止胴体(11)がパチンと嵌る、前記停止胴体(11)を収容するのに適している凹部(12)が設けられており、前記停止胴体(11)を前記凹部(12)から解放するように動作するのに適している解放手段(13)が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のステレオリソグラフィー機械。
前記中空の胴体(14)は、互いに対向しており、取り外し可能に互いに関連付けられている2個の半分の胴体(16、17)を有しており、前記制御手段(15)は、前記半分の胴体(16、17)の相互距離を変化させるように操作されるのに適していることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のステレオリソグラフィー機械。
前記回転の軸線(X)を通過する基準平面に従った前記球状の胴体(8)の断面は、平坦にされている形状を有しており、前記中空の胴体(14)及び/または前記案内胴体(18)は、前記平坦にされている断面に形状が一致している開口(25、25a)を備えており、前記モデリングプレート(3)が前記第1の角度位置に配置されている時に前記中空の胴体(14)からの及び/または前記案内胴体(18)からの前記球状の胴体(8)の取り出しを防止し、前記モデリングプレートが前記第1の角度位置とは異なり前記第2の角度位置に一致していることが好ましい位置に配置されているときに前記取り出しを可能にするように構成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のステレオリソグラフィー機械。
【背景技術】
【0002】
知られているように、ステレオリソグラフィー機械は、光線によって層となるように重合される感光性樹脂から複雑な3次元物体を作るのに使用される。
【0003】
ステレオリソグラフィー機械は、前述の樹脂を収容しているタンク及びタンクの底に面しており、形成される3次元物体を支持するモデリングプレートを有している。
【0004】
モデリングプレートは、タンクの底に直交している移動の方向に従って移動させることができるように支持ユニットに関連付けられている。
【0005】
物体の各層を作るために、前の層の表面または第1の層の場合はモデリングプレートの表面が、樹脂の対応する層を定めるように、形成される層の厚さに等しいタンクの底からある距離に配置されるまで樹脂に浸される。
【0006】
続いて、光線を照射する目的のために透明の底を有しているタンクの下方から光線を照射することによって樹脂の層が重合される。
【0007】
処理サイクルが開始できるようになる前に、モデリングプレートの表面がタンクの底にできるだけ平行になるように、モデリングプレートが支持ユニットに対して調整される手続きによって機械を初期化する必要がある。
【0008】
初期化の手続きは、底自体から任意の所定の距離に自動的にそして正確に表面が配置できるように機械がタンクの底の実際の位置をさらに保存できるようにする。
【0009】
プラスチック材料で通常作られているタンクの寸法は事前にはわからず、大きさ及び形状の両方において公差があるので、初期化手続きは必要である。
【0010】
実際に、モデリングプレートがタンクの底に対して正しく配置されないと、物体の第1の層の凝固が不完全になって、加工の不合格につながる可能性があるばかりでなく、タンク自体を壊す可能性がある。
【0011】
そのため、初期化手続きは、機械が最初に使用される時及びタンクの取り換えのたびに実行しなければならない。
【0012】
物体の各層の厚さは、一般に十分の数ミリメートル程度であるので、プレートをタンクの底に対して位置決めするときには非常に高い精度が要求される。
【0013】
当該技術で知られている初期化手続きによれば、タンクの底にぴったりと接触するように配置できるように支持ユニットから解放している状態で、モデリングプレートをタンクの底に接触させる。
【0014】
この目的のために、モデリングプレートは、支持ユニットに、移動の方向に従った支持ユニットに対するその相対的な移動と移動の方向に直交する軸線に従ったその限定されている回転との両方を可能にする可動手段を通して関連付けられている。
【0015】
モデリングプレートをタンクの底に接触させて配置した後、オペレータは、支持ユニットからモデリングプレートに向けて突き出している特別な調整可能なスペーサを作動させ、モデリングプレート自体に接触するまで延ばす。
【0016】
最後に、オペレータは、牽引力をモデリングプレートに作用させるねじを作動させ、それをスペーサに対してロックする。
【0017】
このようにして得られた位置は、支持ユニットの制御システムによって保存される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
直前に説明した初期化手続きは、かなり複雑で、そのため、未熟なオペレータによって実行されるのに適していないという欠点がある。
【0020】
その手続きには、様々なスペーサに作用する力が過度であったり互いに異なっていたりする場合、無視できない及び/または一様でない変形をタンクの底に発生させ、モデリングプレート自体の位置決めが相当に不正確になることにつながるという欠点がさらにある。
【0021】
公知の技術によれば、前述の欠点を回避するために、紙のシートがモデリングプレートとタンクの底との間に介在している。モデリングプレートをタンクの底に接触させ配置し、スペーサを締め付けた後、オペレータは、紙のシートが依然としてモデリングプレートの下から取り除くことができることを確認し、過度の局所的な圧力が存在しないことを確認する。
【0022】
その操作が初期化手続きをさらに複雑にし、さらに、反復性の低下によって特徴付けられ、したがって考え得るエラーを招くことを理解することができる。
【0023】
さらなる欠点として、紙のシートの介在によって、紙のシートの厚さ自体のせいで、モデリングプレートがタンクの底に完璧に置かれることが妨害される。
【0024】
一般的に厚さは十分な精度ではわからないため、初期化手続きにある程度の近似が入り込み、得られる精度がさらに限定されるというさらなる欠点がある。
【0025】
前述の内容に加えて、シートの介在によって、タンクに樹脂を満たしままで初期化手続きを実行できないという欠点がある。
【0026】
ステレオリソグラフィー機械の既知の実施形態によると、前述の欠点を少なくとも部分的に克服しようとして、モデリングプレートの移動と同じ方向に何らかの移動を可能にする弾性要素によってタンクは支持されている。
【0027】
この移動によって、初期化手続きの必要がなくなり、それは弾性要素の変形によって、タンクの不正確な寸法を補償することが可能になるからである。
【0028】
しかし、寸法の不正確さは事前には知られていないため、3次元物体の第1の層の生成中に、モデリングプレートは、タンクの底に対して不正確な位置に配置されることになり、したがって、層自体の不完全な構成につながる。
【0029】
その結果、前述の実施形態においては、処理サイクルの最後に連続して取り除かれることになる何らかの「処分可能な」初期層を設ける必要がある。
【0030】
初期層を正確に取り除くために、何らかの容易に分離可能な要素を介在させることが必要になり、それが、層自体と物体との間にさらなる層を占めることになる。
【0031】
処分可能な層とさらなる層の生成によって、全体の処理時間が長くなり、物体を作るのに必要な樹脂の量を増加させることは明らかである。
【0032】
支持ユニットに対してモデリングプレートの位置を調整することができるステレオリソグラフィー機械のさらなる実施形態が、特許文献1および特許文献2に記載されている。
【0033】
本発明は、公知の型のステレオリソグラフィー機械について典型的な前述の全ての欠点を克服することを意図している。
【0034】
特に、本発明の目的は、前述の手続きに比べてより単純な手続きによって初期化可能なステレオリソグラフィー機械を提供することである。
【0035】
本発明の他の目的は、同じ手続きをより複雑にすることなく実行される、より正確な初期化手続きを可能にする機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0036】
前述の目的は、主要な請求項によって作られているステレオリソグラフィー機械によって達成される。さらなる特徴及び詳細は、対応する従属請求項で指定されている。
【0037】
本発明の対象である機械のより簡単な初期化によって、機械を未熟なオペレータによっても使用するのに適したものにできるので有利である。
本発明の対象の機械のより簡単な初期化によって、既知の型の機械に比べて初期化手続きをより素早く実行でき、機械のダウンタイムを短縮できるので、さらに有利である。
【0038】
本発明の対象の機械によって達成可能なより高い初期化精度によって、3次元物体の追加の初期層を設ける必要性がなくなり、物体自体を作るのに必要な時間を短縮し必要な樹脂の量を減少させるのでさらに有利である。
【0039】
前述の目的と利点とは、後で説明する他の目的と利点と併せて、添付の図面を参照して非限定的な例として示す本発明の好ましい実施形態の記述で説明する。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1において全体を1によって示している本発明のステレオリソグラフィー機械は、光感応樹脂を収容しており、底2aを備えているタンク2を支持しているフレーム1aを有している。
【0042】
底2aは、図面では図示していない、しかしそれ自体は既知で、タンク2の下方に配置されており、底2a自体に隣接するように配置されており、樹脂の層を選択的に硬化させるのに適している光源からの光線の通過を可能にするように透明である。
【0043】
さらに、底2aに向いているモデリング表面3aを有しているモデリングプレート3が設けられている。
【0044】
モデリング表面3aは、硬化させた3次元物体の第1の層を支持するのに使用され、今度は、第1の層が第2の層の支持部分となり、続く層についても同様である。
【0045】
モデリングプレート3は、支持ユニット5によって支持されており、それが今度はフレーム1aに支持ユニット5及びその結果プレート3を底2aに直交している移動の方向Zに従って移動させるのに適しているガイド手段及び移動手段4によって関連付けられている。
【0046】
移動手段4は、
図2に示しているステッピングモータなどのサーボモータ30を有していることが好ましいが必要ではない。
【0047】
サーボモータ30は、同様に
図2に示しているウォームねじ27を操作し、ウォームねじ27は、今度は支持ユニット5に動作するように関連付けられている。
【0048】
移動手段4は、モデリング表面3aまたは物体の最後に硬化した層を、得られる連続している層の厚さに対応している底2aから離れている位置で、樹脂に浸されるように配置するようにモデリングプレート3を移動の方向Zに従って移動させることができる。
【0049】
前述の初期化手続きを実行するために、モデリングプレート3は、支持ユニット5に、モデリングプレート3の位置を支持ユニット5に対して変更して、支持ユニット5と一体にプレート3がロックされることを可能にする結合ユニット6によって接続されている。
【0050】
特に、結合ユニット6は、プレート3が支持ユニット5に対して移動の方向Zに従って、支持ユニット5から離れている
図2a及び5に示している第1の直線の位置と、支持ユニット5の近くに位置している
図3a及び6に示している第2の直線の位置との間をモデリングプレート3が並進できるように構成されている。
【0051】
結合ユニット6は、モデリングプレート3を第1の直線の位置に、たとえば図示していないがそれ自体は既知の弾性手段の存在によって、強制的に移動させるように構成されていることが好ましい。
【0052】
弾性手段は、初期化手続きの間に支持ユニット5を下降させたときに、モデリングプレート3をタンク2の底2aに確実に接触したままにするので有利である。
【0053】
本発明の異なる実施形態において、弾性手段が存在せず、モデリングプレート3は、プレート3自体の静的荷重によって強制的に第1の直線位置に配置される。
【0054】
支持ユニット5は、モデリングプレート3の、モデリング表面3aが移動の方向Zに直交している第1の角度位置と第1の角度位置に対してモデリングプレート3aが回転している第2の角度位置との間の、移動の方向Zに直角な回転の軸線Xに従った支持ユニット5に対する回転も可能にするようにさらに構成されている。
【0055】
初期化手続きの間に、タンク2の底2aの移動の方向Zに直交する平面に対する回転の軸線Xを中心にした考え得るずれにも、モデリングプレート3を回転によって適合させるのが有利である。
【0056】
支持ユニット5は、モデリングプレート3の第1の回転の軸線X及び移動の方向Zに直角なさらなる回転の軸線Yに従った支持ユニット5に対する回転もできるようにするように構成されていることが好ましい。
【0057】
前述の前回の移動に組み合わされた回転によって、モデリングプレート3が初期化手続き中にタンク2の底2aに完璧に付着する位置を取ることが有利である。
【0058】
機械1は、前述の並進及び回転の移動を防止するように、モデリングプレート3及び支持ユニット5を一体にするように操作されるのに適しており、移動を可能にするように解放されるのに適している挟み手段9をさらに有している。
【0059】
本発明によれば、
図2a及び3aにおいてより詳細にわかるように、結合ユニット6は、ハウジング7及び回転の軸線X及びYを中心に回転可能なようにハウジング7内に回転するように配置されている球状の胴体8を有している。
【0060】
特に、ハウジング7の形状は、少なくともモデリングプレート3が第1の角度位置に十分に近い角度位置を占めているときに、つまり、モデリング表面3aが移動の方向Zに対して直角とは所定の値未満の値だけ異なる角度にあるときに、球状の胴体8が3個の空間の方向に並進するのを防止するようになっている。
【0061】
ハウジング7は、直径が球状の胴体8の直径と等しい球状の形状を有しており、したがって任意の相互の角度位置での結合の安定性を改善することが好ましいが必要ではない。
【0062】
本発明によれば、さらに、挟み手段9は、ハウジング7及び球状の胴体8を互いに押し付け、それぞれの表面に結果として生じる摩擦がその2個の構成要素間のあらゆる相対移動を防止し、それらの相互位置に関わらず実際に互いに一体になるように構成されている。
【0063】
前述の結合ユニット6は、モデリングプレート3を回転の軸線Xの周囲及び、想定される場合は回転の軸線Yの周囲でも回転させて、所定の角度間隔内で軸線の周囲の任意の角度位置をとることができるようにする球面継手として振る舞うことを理解することができる。
【0064】
そのため、結合ユニット6及び挟み手段9は、機械1が非常に簡単な手続きによって初期化されるようにし、したがって、本発明の目的の1つを達成する。
【0065】
実際、挟み手段9が解放構成にあるときには、球状の胴体8は、ハウジング7内で自由に回転し、したがって、モデリングプレート3が様々な向きをとることができるようにする。
【0066】
そのため、前述の初期化手続きを、挟み手段9を解放し、モデリングプレート3がタンク2の底2a上に置かれるまで支持ユニット5を下降させることによって実行することができる。
【0067】
続いて、球状の胴体8及びハウジング7との間のあらゆる相互移動をロックしてモデリングプレート3の位置を支持ユニット5に対して固定するように挟み手段9を動作させる。
【0068】
球状の胴体8の球状の拘束は、挟み手段9の動作がモデリングプレート3と支持ユニット5との間のあらゆる相対移動を引き起こさないようにされる。
【0069】
実際に、挟み手段9の作動は、底2aに接触した時にモデリングプレート3が自然に取る位置にモデリングプレート3をロックするようにハウジング7と球状の胴体8との間での十分な摩擦の発生に限定されている。
【0070】
そのため、挟み手段9は、モデリングプレート3と底2aとの間の接触圧力の均一性の不足を引き起こすことにならず、そのため、モデリングプレート3の接触圧力の正しい分布を確認することによって手続きを完了する必要はない。
【0071】
したがって、本発明は、機械1の初期化手続きを容易にし、未熟なオペレータによる使用にも適した初期化手続にするという目的を達成する。
【0072】
特に、既知の技術でのように紙のシートをモデリングプレート3と底2aとの間に介在させることさえ必要ではなく、そのため、紙のシートの厚さに関する不確実性によるあらゆる位置決め誤差も回避され、非常に正確な初期化手続きを得るというさらなる目的を達成する。
【0073】
その結果、3次元物体の処理を、「処分可能な」追加の層を作る必要なしに、実施することができる。
【0074】
そのため、物体を処理するのに必要な時間を短縮し、樹脂の消費を減少させることが可能であり、有利である。
【0075】
追加の層が存在しないことで、続く仕上げ作業によってそれらを取り除く必要がなくなるので、機械1の使用がさらに容易になって、さらに有利である。
【0076】
圧力の分配の制御のために紙のシートを使用する必要がないということは、タンク2内に樹脂が存在していても、それを空にする必要なしに、初期化手続きを実行できるというさらなる利点を意味する。
【0077】
さらに、モデリングプレート3が底2aにいったん接触して、支持ユニット5に固定されていると、このようにして得られた位置を処理サイクルの基準位置として支持ユニット5の制御システムによって直接使用することができる。
【0078】
そのため、さらなる準備作業を機械上で実施する必要なしに処理サイクルを開始することが可能で、さらに使用が容易になり、処理期間が短縮される。
【0079】
図4に特に示しているように、球状の胴体8は、接続胴体8aによって接続されているモデリングプレート3と一体であるのに対して、ハウジング7は、支持ユニット5に接続されており、接続胴体8aを収容しており、2個の軸線X及びYに従って球状の胴体8のハウジング7内での回転移動中に接続胴体8aを移動できるようにするスロット7aを定めていることが好ましい。
【0080】
特に、スロット7aは、第1の角度位置が第2の角度位置から離れているのと等しい角度にわたって回転の軸線Xの周囲を延びている。
【0081】
さらに、角度方向の延びに対して直角な方向のスロット7aの幅は、回転の軸線Yに従った球状の胴体8の特定回転が可能なように、接続胴体8aの幅を超えている。
【0082】
図面に示していない本発明の異なる実施形態において、本発明の実質をそのために修正することなく、ハウジング7はモデリングプレート3に接続可能で、球状の胴体8は、支持ユニット5と一体にできることは明らかである。
【0083】
前述の解決策は、必要で明確な修正をすることによって、直前に説明した異なる実施形態にも適合させることができる。
【0084】
図2aに示しているように、結合ユニット6は、モデリングプレート3を第2の角度位置にロックするように操作するのに適している解放可能な停止手段10も有していることが好ましい。
【0085】
このように、3次元物体の処理の最後に、余分な液体樹脂が下に位置しているタンク2内に容易に滴下できるようにし、したがって機械の使用をさらに容易にするように、モデリング表面3aを傾斜させてモデリングプレート3を第2の角度位置にロックすることができる。
【0086】
モデリング表面3aの垂直方向の位置を定め、したがって、余分な樹脂がよりよく滴下することを保証するように、第2の角度位置は第1の角度位置から約90°離れていることが好ましい。
【0087】
停止手段10は、
図2aに詳細を示している弾性手段29の作動によって球状の胴体8に接触している状態に維持されている停止胴体11を有していることが好ましい。
【0088】
さらに、球状の胴体8には、モデリングプレート3が第2の角度位置に配置されたときに停止胴体11がパチンと嵌る、停止胴体11を収容するのに適している凹部12及び、停止胴体11を凹部12から解放するためにユーザが操作可能な解放手段13が設けられている。
【0089】
このように、モデリングプレート3が第2の角度位置に回転すると、停止胴体11は球状の胴体8を保持し、その結果、モデリングプレート3を第2の角度位置に保持するように凹部12に自動的に嵌る。
【0090】
解放手段13は、ユーザがアクセス可能で、シフトされたときに、停止動体11を凹部12から引き出し、その結果、モデリングプレート3を解放し、したがってモデリングプレート3を第1の角度位置とは異なる角度位置に回転できるようにするレバーを有していることが好ましい。
【0091】
モデリングプレート3の回転は、手動で実施するか、より好ましくは自然に発生可能で、それは、たとえば、モデリングプレート3自体をその重心が球状の胴体8によって定められている回転の中心に対して水平方向にシフトしているように構成することによって実現される。
【0092】
これによって、プレート3自体を第1の角度位置に向けて回転させようとするトルクを発生させるように、プレート3の重量を利用することができる。
【0093】
さらに好ましくは、結合ユニット6は、モデリングプレート3の第1の角度位置に向けた下降を制動するように意図されており、球状の胴体8とそのハウジング7との間または接続胴体8aとスロット7aとの間の僅かな干渉の存在を含んでいてもよい摩擦手段を有している。
【0094】
本発明の異なる実施形態においては、停止手段10は、前述とは異なる構成を取ることができる。
【0095】
たとえば、停止手段10の図示しない考え得る変形の実施形態によれば、停止胴体11には、凹部が設けられており、球状の胴体8には、凹部に嵌めるのに適している対応する凸胴体が設けられている。
【0096】
機械1には、モデリングプレート3の角度位置を検出するように構成されている、図示してはいないがそれ自体は既知のセンサも装備されていることが好ましい。
【0097】
機械1には、モデリングプレート3が第2の角度位置にあることをセンサが通知した時に処理サイクルの開始を防止するシステムがさらに装備されている。
【0098】
挟み手段9については、ハウジング7を定めている中空の胴体14を有していることが好ましい。
【0099】
中空の胴体14は、球状の胴体8の周囲に押し付けられるように変形可能であって、変形を起こすように操作されることに適している制御手段15に関連付けられている。
【0100】
中空の胴体14の変形可能性は、
図4の断面図に詳細が示されているように、互いに対向し、互いに取り外し可能な2つの半分の胴体16、17によって構成され、一方、制御手段15は、半分の胴体16、17の間の相互距離を変化させるために操作可能であることが好ましい。
【0101】
半分の胴体16、17は互いに対称であって、各々が、実質的に半球の形状の対応する空洞を定めていることが好ましい。
【0102】
半分の胴体16、17は、球状の胴体8を回転できるが、球状の胴体8がハウジング7に対して並進するのを防止するように、球状の胴体8に接触した状態に維持する弾性手段を通して支持ユニット5に接続されていることがさらに好ましい。
【0103】
中空の胴体14は、中空の胴体14の回転だけではなく、移動の方向Zに直交している方向に従った並進を防止するのが好ましい案内胴体18を通して移動の方向Zに従って支持ユニット5に摺動するように関連していることがさらに好ましい。
【0104】
初期化手続き中に、案内胴体18は、モデリング表面3aがタンク2の底2aに接触するようにモデリングプレート3が支持ユニット5に対して並進できるようにする。
【0105】
実際に、並進移動によって、モデリングプレート3の下降移動はモデリング表面3aの底2aへの実際に接触する瞬間を越えて延長し、プレート3が底2a上に正しく載る時間を得ることができるようになる。
【0106】
このために、モデリングプレート3を第1の直線位置に向けて強制的に実行する強制手段が設けられており、下降移動中のプレート3と底2aとの間の完璧な接触を保証するので有利である。
【0107】
強制手段は、中空の胴体14と案内胴体18との間に、図示されていないがそれ自体は既知の弾性手段を有していることが好ましい。
【0108】
異なる実施形態によれば、強制手段は、モデリングプレート3を、あらゆる考え得る摩擦にうち勝って、下向きに押す傾向のあるモデリングプレート3の静荷重を有している。
【0109】
中空の胴体14は、前述の案内胴体18の内部に収容されていることが好ましく、案内胴体18は、モデリングプレート3を前述のようにロックするように中空の胴体14を球状の胴体8の周囲に押し付けるように変形させることができる。
【0110】
直前に説明した構成によって、案内胴体18の単一の変形により、中空の胴体14の移動の方向Zの並進及びハウジング7内の球状の胴体8の回転の両方を防止し、機械の初期化を促進することができることを理解することができる。
【0111】
直前に説明した状態は、案内胴体18にそれぞれの反対側で中空の胴体14と向き合っている2個のあご19、20を装備することによって得られることが好ましい。
【0112】
あご19、20は、互いに取り外し可能なように連携しており、前述の制御手段15によってあご自体の間の相互距離の調整を操作できる。
【0113】
制御手段15は、操作ノブ22cを備えていることが好ましいねじ22を有していることが好ましい。
【0114】
ねじ22は、ねじ22の一方向への回転によってあご19、20が互いに近づき、そのためあご19、20が中空の胴体14に周囲に押し付けられ、ねじ22の反対方向への回転によって2個のあご19、20が緩められ、中空の胴体14がその結果解放されるように2個のあご19、20を互いに接続している。
【0115】
機械1には、モデリングプレート3が第1の直線位置に配置された時に、ねじ22の操作を防止するのに適しているロック装置が備わっていることが好ましい。
【0116】
ロック手段は、モデリングプレート3がタンク2の底2aから依然として持ち上げられているときに、それゆえに初期化手続きが完了する前に、モデリングプレート3が支持ユニット5上でロックされるのを防止するので有利である。
【0117】
このように、モデリングプレート3の下降移動中に、タンク2の底2aを損傷することを回避することができる。
【0118】
ロック装置は、モデリングプレート3の第1の直線位置から第2の直線位置に向けた移動に続いて、球状の胴体8が支持ユニット5に対して移動した時に、ねじ22をそれに合わせて動かすように、ねじ22を球状の胴体8に移動の方向Zに従って拘束するのに適している手段を有していることが好ましい。
【0119】
ロック装置は、あご19、20の各々に、ねじ22の対応する端部22a、22bを収容し、移動の方向Zに従って摺動できるようになっている移動の方向Zに従った長い形状を有している対応する貫通スロット23、24をさらに有している。
【0120】
ねじ22の少なくとも一方の第1の端部22a及び第1の端部22aが挿入される対応する第1の貫通スロット23が、
図5に示しているモデリングプレート3がその第1の直線位置にある状態に対応している第1の端部22aが第1の貫通スロット23に沿って第1の位置に配置されたときに、ねじ22の回転を防止するように構成されている。
【0121】
同時に、第1の端部22a及び第1の貫通スロット23は、第1の端部22aが、
図6に示しているモデリングプレート3が第2の直線位置にある状態に対応している第1の貫通スロット23に沿って第2の位置に配置されたときに、ねじ22を回転できるように構成されている。
【0122】
図2に示しているように、モデリングプレート3が底2aから持ち上げられており、従って第1の位置にある限り、第1の端部22aは、第1の貫通スロット23内にロックされており、
図2aに示しているように、ねじ22を使用してモデリングプレート3を支持ユニット5にロックできないようにすることを可能にしている。
【0123】
逆に、モデリングプレート3が底2aに接触している時には、
図3に示している第2の位置で、ねじ22は、
図3aからわかるように、その第1の端部22aが自由に回転して、ユーザがモデリングプレート3をロックできるように、スロット23に沿って上向きに移動する。
【0124】
図5及び6からわかるように、前述の状態は、ねじ22の第1の端部22aに正方形の断面を設けるのに対して、第1の貫通スロット23は、幅の異なる2個の部分を有するように構成されていることによって得られることが好ましい。
【0125】
より正確には、第1の位置でねじによって占められている面積に対応している第1の貫通スロット23の下側の端部は、正方形の断面の辺よりも大きく、その対角線よりも小さいのに対して、上側の端部は、対角線よりも大きい。
【0126】
他方、第1の端部22aの断面は、第1の方向では、第1の方向と交差する方向のその最大幅よりも狭く、さらに、第1の位置においてねじ22によって占められている第1の貫通スロット23の断面の幅は、その2個の幅の間に含まれており、第2の位置にあるねじ22によって占められている第1の貫通スロット23の断面の幅は、その最大幅を超えている場合、その状態は第1の端部22a及び第1の貫通スロット23を直前に説明したのとは異なるように構成することによって得られることは明らかである。
【0127】
前述のようにねじ22を球状の胴体8に拘束するために、球状の胴体8には、ねじ22を収容する貫通開口28が備わっていることが好ましい。
【0128】
図示していない本発明の異なる実施形態によれば、前述のものと類似している拘束を得るように、ねじ22は、ハウジング7に関連付けられている。
【0129】
たとえば、
図2aからわかるように、回転の軸線Xを通過する基準平面に従っている球状の胴体8の断面は、平坦にされている形状を有していることが好ましい。
【0130】
同時に、中空の胴体14及び案内胴体18には、形状が球状の胴体8の平坦にされている断面に一致しているそれぞれの開口25、25aが備わっている。
【0131】
特に、開口25及び25aは、モデリングプレート3が第1の角度位置に配置されている時に、球状の胴体8を中空の胴体14及び案内胴体18から取り出すのが不可能になるように、そして、モデリングプレート3が第2の角度位置、またはいずれにしても第1の角度位置とは異なる位置に配置されている時に取り出すことができるように構成されている。
球状の胴体8の平坦にされている断面及び開口25及び25aの存在によって、たとえば、処理サイクルの最後に、物体をモデリングプレート3から取り外す必要なしに、物体を機械から取り外すために、モデリングプレート3が第2の角度位置にあるときに、球状の胴体8をハウジング7から単純で素早い態様で結合解除することが可能になる。
【0132】
これは、ユーザが物体を掃除し仕上げるのをより簡単にするだけでなく、プレートから物体を分離するのをより簡単にするので有利である。
【0133】
平坦にされている断面は、ねじ22に関して対向しており、2個のそれぞれの平面及び球状の胴体8の平行な表面に対応している2個の直線の部分を有していることが好ましい。
【0134】
本明細書では図示していない本発明の異なる実施形態において、平坦にされている断面は、直線の部分のうちの1個だけ、または円形とは異なる形状の1個または2個以上の部分を有することさえができることも明らかである。
【0135】
前述のねじ22を収容する球状の胴体8の貫通開口28については、開いている側を有するように、ねじ22に直交している基準方向に従って球状の胴体8の表面に達するまで延びていることが好ましい。
【0136】
特に、モデリングプレート3が第2の角度位置に配置されたときに、基準方向は球状の胴体8のハウジング7からの取り出しの方向に一致する。
【0137】
直前に説明した構成を備えている貫通開口28によって、
図7及び8に連続して示している態様で、ねじ22を取り外す必要性なしに、球状の胴体8をハウジング7から取り出し、また、球状の胴体8をハウジング7に導入することが可能になる。
【0138】
その結果、球状の胴体8の回転もハウジング7からの球状の胴体8の取り出しも妨げないように、ねじ22は回転の軸線Xに平行になるように配置される。
【0139】
前述のステレオリソグラフィー機械1の初期化手続きは、
図8に示しているようにモデリングプレート3を配置し、
図7に示しているように球状の胴体8をハウジング7内に導入することによって実行されるのが効果的である。
【0140】
続いて、モデリングプレート3を
図2に示している第1の角度位置に到達するまで回転させることができる。
【0141】
直前に説明した構成において、挟み手段9は、解放された位置に維持されている。
【0142】
続いて、オペレータは、
図3からわかるように、モデリングプレート3をタンク2の底2aに接触して置くように支持ユニット5を作動させる。
【0143】
球状の胴体8のハウジング7に対する移動性によって、モデリングプレート3がその方向を底2aの方向に適合させることができるようになる。
【0144】
プレート3が底2aに全体が接触することを確実にするためには、支持ユニット5をさらに下降させ、球状の胴体8及びねじ22を支持ユニット5に対して、それゆえ案内胴体18及びそれぞれのスロット23、24に対して,シフトさせることが好ましい。
【0145】
支持ユニット5を下降させる移動は、ねじ22の第1の端部22aが第1のスロット23から解放されてねじ22自体を作動できるようにするまで進む。
【0146】
前述の処理は、支持ユニット5を反対側のセンサによって検出される基準位置に到達するまでまず上昇させ、続いて、タンク2の底2aの幾何学的な公差を考慮して、解除が発生することを保証するのに適している所定の距離だけ支持ユニット5を下降させる初期化サイクルによって、自動的に発生することが好ましい。
【0147】
この時点で、オペレータは、初期化手続きを完了するように、モデリングプレート3を支持ユニット5に固定するために、挟み手段9を作動させることができる。
【0148】
初期化手続きの最後での支持ユニット5の位置は、ユーザによるさらなる調整の必要なしにすぐに開始可能な処理サイクルの基準位置として機械1の制御システムによって保存される。
【0149】
前述の説明から、前述のステレオリソグラフィー機械は、本発明のすべての目的を達成することを理解することができる。
特に、本発明の対象の機械の結合ユニット及び挟み手段によって、その位置に無関係に、そして位置を修正する必要なしに、モデリングプレートを支持ユニットに固定することができる。
【0150】
これによって、プレート自体の配置に関して発生する公差の原因となるプレートとタンクの底との間のあらゆるスペーサの介在が必要なくなるので、既知の型式の機械の初期化のためにモデリングプレート上で実施する必要のある複雑な一連の処理操作がなくなり、さらに、非常に正確な初期化手続きを実施することが可能になる。