特許第6896039号(P6896039)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6896039
(24)【登録日】2021年6月10日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】捲揚装置に設置されるワイヤー診断装置
(51)【国際特許分類】
   B66D 1/54 20060101AFI20210621BHJP
   B66C 15/00 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
   B66D1/54 C
   B66C15/00 A
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-183829(P2019-183829)
(22)【出願日】2019年10月4日
(65)【公開番号】特開2020-169096(P2020-169096A)
(43)【公開日】2020年10月15日
【審査請求日】2019年10月4日
(31)【優先権主張番号】10-2019-0037919
(32)【優先日】2019年4月1日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519360017
【氏名又は名称】エンキア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ソン ス
(72)【発明者】
【氏名】シン、ギ フン
(72)【発明者】
【氏名】ナム、サン フン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、イン ス
(72)【発明者】
【氏名】クォン、テ ヨプ
【審査官】 三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0325970(US,A1)
【文献】 特開平08−169688(JP,A)
【文献】 特開平02−056397(JP,A)
【文献】 特開2000−351575(JP,A)
【文献】 特開2019−015656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66D 1/00− 5/34
B66C 1/00− 3/20
B66C 13/00−15/06
G01N 27/72−27/9093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を持ち上げるために下側にフック(111)が配備された昇降台(110)を有する捲揚装置(100)の昇降台(110)のワイヤーが出入りする入口と出口のどちらか一方に設置されてワイヤーをセンシングするワイヤー診断装置において、
第1のホルダー胴体部(310)と、
第2のホルダー胴体部(320)と、
前記第1のホルダー胴体部(310)と第2のホルダー胴体部(320)に着脱自在に結合されて前記第1のホルダー胴体部(310)と第2のホルダー胴体部(320)とを中央の穿孔された円筒状に締結させるホルダー締結部(330)と、を備え
前記第1のホルダー胴体部(310)及び第2のホルダー胴体部(320)は、
ひづめ状に形成される上カバー(311、321)と、
バッテリー部(312、322)と、
前記上カバー(311、321)とバッテリー部(312、322)との間に形成され、ワイヤーをセンシングする複数のセンサー部(313、323)と、を備え、
前記バッテリー部(312、322)は、前記第1のホルダー胴体部(310)及び第2のホルダー胴体部(320)の下端部に位置してワイヤーへの巻き込まれを防ぐと共に、前記センサー部(313、323)へ電力供給し、
前記センサー部(313、323)は、測定結果をリアルタイムでユーザー端末に伝送する
ことを特徴とする捲揚装置に設置されるワイヤー診断装置。
【請求項2】
前記センサー部(313、323)は、
前記センサー部(313、323)の上部と下部に形成されてワイヤーの摩擦を低減させるローラー部(313a、323a)と、
前記センサー部(313、323)の一方の側に形成されて磁石を有する第1の磁石部(313b、323b)と、
前記センサー部(313、323)の他方の側に形成されて磁石を有する第2の磁石部(313c、323c)と、
前記第1の磁石部(313b、323b)と第2の磁石部(313c、323c)との間の途中に形成されてワイヤーをセンシングする磁場センサー部(313d、323d)と、を備える
請求項1に記載の捲揚装置に設置されるワイヤー診断装置。
【請求項3】
前記磁場センサー部(313d、323d)は、
前記第1の磁石部(313b、323b)と第2の磁石部(313c、323c)の磁石が生成する漏れ磁速を測定して診断結果を生成してユーザー端末に伝送する
請求項2に記載の捲揚装置に設置されるワイヤー診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、捲揚装置に設置されるワイヤー診断装置に係り、さらに詳しくは、対象物が持ち上げ可能な捲揚装置において、前記捲揚装置のワイヤーをリアルタイムにて診断することのできる捲揚装置に設置されるワイヤー診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ワイヤーを用いて対象物を持ち上げるようになっている捲揚装置は、支持台と、前記支持台に回転自在に結合され、周面にはワイヤーが巻き取られる巻取りドラムと、前記巻取りドラムを駆動する駆動モーターと、前記支持台に回転自在に結合された複数の上シーブと、前記支持台の下側に配設された昇降台と、前記昇降台に結合された複数の下シーブと、を備え、前記ワイヤーは、前記上シーブと下シーブの周部を順次に経由して先端部が前記支持台または昇降台に固定される。
【0003】
このとき、昇降台の下側にはフックが配設されて、前記フックに対象物を引っ掛けて御持ち上げるように構成される。なお、前記上シーブと下シーブは、周面に凹溝が形成されたホイール状に形成される。したがって、前記フックに対象物を引っ掛けた状態で前記駆動モーターで巻取りドラムを正逆転させてワイヤーを巻き上げたり繰り出したりすれば、前記上シーブと下シーブの作用により、昇降台が昇降しながら対象物を持ち上げたり下ろしたりすることができる。
【0004】
しかしながら、上述した捲揚装置の場合、対象物を巻き上げるためのワイヤーが損傷されてワイヤーが途切れる場合、大事故につながる虞があるため、ワイヤーの状態をリアルタイムにて診断できる装置が望まれるのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10−1590627号公報(登録日:2016年01月26日、「クレーン」)
【特許文献2】韓国公開実用新案登録第20−2014−0002823号公報(公開日:2014年05月14日、「クレーンの昇降滑車」)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題を解消するために案出されたものであり、本発明の目的は、対象物が持ち上げ可能な捲揚装置において、前記捲揚装置のワイヤーをリアルタイムにて診断することができ、しかも、装置を構成する部分がモジュール化していることから、故障が生じた場合に取り替え易い、捲揚装置に設置されるワイヤー診断装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような目的を達成するための本発明に係る、捲揚装置に設置されるワイヤー診断装置は、対象物を持ち上げるために下側にフック111が配備された昇降台110を有する捲揚装置100に設置されるワイヤー診断装置において、前記昇降台110のワイヤーが出入りする入口と出口のどちらか一方に着脱自在に結合される据え置き部1100と、
【0008】
円筒状に中央が穿孔されてワイヤーが貫通できるように形成され、前記据え置き部1100の据え置き結合部1120に着脱自在に結合されてワイヤーをセンシングするセンシング・ホルダー部1200と、前記センシング・ホルダー部1200を据え置き部1100の据え置き結合部1120に着脱自在に結合させる締結部1300と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記据え置き部1100は、昇降台110のワイヤーが出入りする入口と出口のどちらか一方に着脱自在に結合される据え置き胴体部1110と、前記据え置き胴体部1110の上部に形成されて、摺動を導く摺動ガイド部1121と、前記摺動ガイド部1121により摺動され、センシング・ホルダー部1200の結合部1212a、1222aと前記締結部1300により着脱自在に結合される摺動部1122と、を有する据え置き結合部1120と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記センシング・ホルダー部1200は、第1のホルダー胴体部1210と、第2のホルダー胴体部1220と、前記第1のホルダー胴体部1210と第2のホルダー胴体部1220とを中央の穿孔された円筒状に締結させるホルダー締結部1230と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記第1のホルダー胴体部1210及び第2のホルダー胴体部1220は、ひづめ状に形成される上カバー1211、1221と、ひづめ状に形成され、締結部1300により据え置き結合部1120の摺動部1122と着脱自在に結合される結合部1212a、1222aを有する下カバー1212、1222と、前記上カバー1211、1221と下カバー1211、1221との間に奇数個に形成されてワイヤーをセンシングするセンサー部1213、1223と、前記上カバー1211、1221と下カバー1211、1221との間に奇数個に形成されてワイヤーから発生する摩擦を低減させるローラー部1214、1224と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記センサー部1213、1223は、前記センサー部1213、1223の一方の側に形成されて磁石を有する第1の磁石部1213a、1223aと、前記センサー部1213、1223の他方の側に形成されて磁石を有する第2の磁石部1213b、1223bと、前記第1の磁石部1213a、1223aと第2の磁石部1213b、1223bとの間の途中に形成されてワイヤーをセンシングする磁場センサー部1213c、1223cと、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記磁場センサー部1213c、1223cは、前記第1の磁石部1213a、1223aと第2の磁石部1213b、1223bの磁石が生成する漏れ磁速を測定して診断結果を生成してユーザー端末に伝送することを特徴とする。
【0014】
本発明の好適な実施の形態によれば、対象物を持ち上げるために下側にフック111が配備された昇降台110を有する捲揚装置100の昇降台110のワイヤーが出入りする入口と出口のどちらか一方に設置されてワイヤーをセンシングするワイヤー診断装置において、第1のホルダー胴体部310と、第2のホルダー胴体部320と、前記第1のホルダー胴体部310と第2のホルダー胴体部320に着脱自在に結合されて前記第1のホルダー胴体部310と第2のホルダー胴体部320とを中央の穿孔された円筒状に締結させるホルダー締結部330と、を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記第1のホルダー胴体部310及び第2のホルダー胴体部320は、ひづめ状に形成される上カバー311、321と、バッテリー部312、322と、前記上カバー311、321とバッテリー部312、322との間に形成され、ワイヤーをセンシングする複数のセンサー部313、323と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記センサー部313、323は、前記センサー部313、323の上部と下部に形成されてワイヤーの摩擦を低減させるローラー部313a、323aと、前記センサー部313、323の一方の側に形成されて磁石を有する第1の磁石部313b、323bと、前記センサー部313、323の他方の側に形成されて磁石を有する第2の磁石部313c、323cと、前記第1の磁石部313b、323bと第2の磁石部313c、323cとの間の途中に形成されてワイヤーをセンシングする磁場センサー部313d、323dと、を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記磁場センサー部313d、323dは、前記第1の磁石部313b、323bと第2の磁石部313c、323cの磁石が生成する漏れ磁速を測定して診断結果を生成してユーザー端末に伝送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る捲揚装置に設置されるワイヤー診断装置は、対象物が持ち上げ可能な捲揚装置において、前記捲揚装置のワイヤーをリアルタイムにて診断してワイヤーの異常有無を確認することができるという効果がある。
また、装置を構成する部分がモジュール化していることから、故障が生じた場合に取り替え易いという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来の捲揚装置を示す例示説明図
図2a】本発明の一実施の形態に係る診断装置の側面図
図2b】本発明の一実施の形態に係る診断装置の斜視図
図3a】本発明の一実施の形態に係る据え置き部の分解斜視図
図3b】本発明の一実施の形態に係る据え置き部の組立状態の斜視図
図4a】本発明の一実施の形態に係るセンシング・ホルダー部の分解斜視図
図4b】本発明の一実施の形態に係るセンシング・ホルダー部の組立状態の例示説明図
図5】本発明の一実施の形態に係る診断装置の組立状態の例示説明図
図6】本発明の一実施の形態に係る診断装置の実施の例示説明図
図7】本発明の一実施の形態に係る診断装置のワイヤー診断の実施の例示説明図
図8】本発明の一実施の形態に係る診断装置の他の実施の例示説明図1
図9】本発明の一実施の形態に係る診断装置の他の実施の例示説明図2
図10】本発明の一実施の形態に係る診断装置の他の実施の形態の分解斜視図
図11】本発明の一実施の形態に係る診断装置の他の実施の例示説明図3
図12】本発明の一実施の形態に係る診断装置の他の実施の例示説明図4
図13】本発明の一実施の形態に係る診断装置の他の実施の例示説明図5
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、添付図面に基づいて、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施の形態について詳しく説明する。本発明は、種々の異なる形態に具体化可能であり、ここで説明する実施の形態に限定されるものではない。なお、図中、本発明を明確に説明するために、説明とは無関係な部分は省略し、明細書の全般に亘って、類似の部分には類似の図面符号を付している。
【0021】
明細書の全般に亘って、ある部分が他の部分と「連結」されているとしたとき、これは、「直接的に連結」されている場合のみならず、これらの間に他の部材を挟んで「間接的に連結」されている場合も含む。なお、ある部分がある構成要素を「備える」としたとき、これは、特に断りのない限り、他の構成要素を除外するわけではなく、他の構成要素をさらに備えていてもよいことを意味する。
以下、添付図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0022】
図1は、従来の捲揚装置を示す例示図である。図1に示すように、従来の捲揚装置100は、支持台と、前記支持台に回転自在に結合され、周面には複数のワイヤーが巻き取られる巻取りドラムと、前記巻取りドラムを駆動する駆動モーターと、前記支持台に回転自在に結合された複数の上シーブと、前記支持台の下側に配設され、フック111を有する昇降台110と、前記昇降台110に上側の一部が外部に露出されるように結合された複数の下シーブと、を備え、前記ワイヤーは、前記上シーブと下シーブの周面を経由するようになっている。
【0023】
図2aは、本発明の一実施の形態に係る診断装置の側面図であり、図2bは、本発明の一実施の形態に係る診断装置の斜視図である。図2a及び図2bに示すように、本発明に係るワイヤー診断装置1000は、図1のA部分である前記昇降台110のワイヤーが出入りする入口と出口のどちらか一方に着脱自在に結合される据え置き部1100及び円筒状に中央が穿孔されてワイヤーが貫通できるように形成され、前記据え置き部1100の据え置き結合部1120に着脱自在に結合されてワイヤーをセンシングするセンシング・ホルダー部1200及び前記センシング・ホルダー部1200を据え置き部1100の据え置き結合部1120に着脱自在に結合させる締結部1300を備えてなる。
【0024】
図3aは、本発明の一実施の形態に係る据え置き部の分解斜視図であり、図3bは、本発明の一実施の形態に係る据え置き部の結合斜視図である。図3a及び3bに示すように、前記据え置き部1100は、昇降台110のワイヤーが出入りする入口と出口のどちらか一方に着脱自在に結合される据え置き胴体部1110及び前記据え置き胴体部1110の上部に形成されて前記センシング・ホルダー部1200が着脱自在に結合される据え置き結合部1120を備えてなる。また、前記据え置き部1100を螺合を通じて一つに締結させる据え置き締結部1130をさらに備えていてもよい。さらに、前記据え置き結合部1120は、左右への摺動を導く摺動ガイド部1121と、前記摺動ガイド部1121に導かれて左右に摺動する摺動部1122と、をさらに備えてなるが、前記摺動部1122は、前記締結部1300と螺合されて前記センシング・ホルダー部1200を固定する。
【0025】
前記据え置き部1100の据え置き胴体部1110は、前記昇降台110のワイヤーが出入りする入口と出口のどちらか一方に着脱自在に結合されるが、好ましくは、据え置き胴体部1110の下部に形成される結合部材1111を介して前記昇降台110の入口と出口のどちらか一方に簡単に嵌着できるように構成される。さらにまた、前記据え置き部1100は、前記昇降台110のワイヤーが出入りする入口と出口のどちらか一方に嵌着できるように前記昇降台110の入口と出口の大きさを考慮して作製されなければならない。
【0026】
図4aは、本発明の一実施の形態に係るセンシング・ホルダー部の分解斜視図であり、図4bは、本発明の一実施の形態に係るセンシング・ホルダー部の組立状態の例示図である。図4a及び図4bに示すように、前記センシング・ホルダー部1200は、第1のホルダー胴体部1210と、第2のホルダー胴体部1220、及び前記第1のホルダー胴体部1210と第2のホルダー胴体部1220とを中央の穿孔された円筒状に締結させるホルダー締結部1230を備えてなる。
【0027】
前記ホルダー締結部1230は、螺合を通じて前記第1のホルダー胴体部1210と第2のホルダー胴体部1220とが一つに合わせられて中央の穿孔された円筒状をなすようにする。したがって、前記第1のホルダー胴体部1210と第2のホルダー胴体部1220のどちらか一方に故障が生じる場合、ユーザーは、前記ホルダー締結部1230の螺合を解放して故障の生じた部分を手軽に取り替えることができるという効果がある。
【0028】
また、前記第1のホルダー胴体部1210と第2のホルダー胴体部1220は、ひづめ状に形成される上カバー1211、1221と、ひづめ状に形成される下カバー1212、1222と、前記上カバー1211、1221と下カバー1212、1222との間に偶数個に形成されてワイヤーをセンシングするセンサー部1213、1223と、前記上カバー1211、1221と下カバー1212、1222との間に奇数個に形成されてワイヤーから発生する摩擦を低減させるローラー部1214、1224と、を備えてなる。また、前記下カバー1212、1222の一方の側には、結合部1212a、1222aが形成されるが、前記結合部1212a、1222aは、前記締結部1300と螺合されて、前記据え置き部1100の据え置き結合部1120の摺動部1122に固定される。前記センサー部1213、1223は、好ましくは、第1のホルダー胴体部1210と第2のホルダー胴体部1220にそれぞれ4個ずつ形成されてもよく、前記ローラー部1214、1224は、好ましくは、第1のホルダー胴体部1210と第2のホルダー胴体部1220にそれぞれ3個ずつ形成されてもよい。
【0029】
さらに、前記センサー部1213、1223は、前記センサー部1213、1223の一方の側に形成されて磁石を有する第1の磁石部1213a、1223aと、前記センサー部1213、1223の他方の側に形成されて磁石を有する第2の磁石部1213b、1223b及び前記第1の磁石部1213a、1223aと第2の磁石部1213b、1223bとの間の途中に形成されてワイヤーをセンシングする磁場センサー部1213c、1223cを備えてなる。
【0030】
前術したように、本発明に係るワイヤー診断装置1000は、据え置き部1100と、センシング・ホルダー部1200と、を備えるが、前記据え置き部1100とセンシング・ホルダー部1200との結合は、簡単に、前記据え置き部1100の据え置き結合部1120の摺動部1122と、前記センシング・ホルダー部1200の下カバー1212、1222の結合部1212a、1222aとの螺合を前記締結部1300を介して締結することにより行われる。
【0031】
図5は、本発明の一実施の形態に係る診断装置の結合例示図である。図5に示すように、前記据え置き部1100とセンシング・ホルダー部1200との結合は、上述した方法とは異なる形態により行われてもよいが、前記ワイヤー診断装置1000のセンシング・ホルダー部1200の下カバーを図示の如く形成して、前記下カバー1212、1222を前記据え置き部1000の据え置き結合部1120に簡単に嵌め込んだ後、ホルダー締結部1230を介して螺合させて前記センシング・ホルダー部1200が据え置き部1100と結合されて固定されるように行われてもよい。
【0032】
図6は、本発明の一実施の形態に係る診断装置の実施の例示図である。図6に示すように、ユーザーは、前術したように構成される本発明に係るワイヤー診断装置1000の据え置き部1100の据え置き胴体部1110を前記捲揚装置100の昇降台110のワイヤーが出入りする入口と出口のどちらか一方に結合部材1111を介して嵌着させた後、据え置き締結部1130を介して前記据え置き部1100を螺合させて一つに締結させ、前記センシング・ホルダー部1200の第1のホルダー胴体部1210と、第2のホルダー胴体部1220と、をホルダー締結部1230を介して螺合させて一つに締結させ、前記据え置き部1100の据え置き結合部1120の摺動部1122と、センシング・ホルダー部1200の結合部1212a、1222aと、を締結部1300を介して螺合させて、前記捲揚装置100のワイヤーを前記ホルダー胴体部1210の磁場センサー部1213c、1223cを介してセンシングしてワイヤーを診断することができる。
【0033】
図7は、本発明の一実施の形態に係る診断装置のワイヤー診断実施の例示図である。図7に示すように、前記磁場センサー部1213c、1223cは、ワイヤーをセンシングして診断結果を生成するが、前記磁場センサー部1213c、1223cは、前記第1の磁石部1213a、1223aと第2の磁石部1213b、1223bの磁石が生成する漏れ磁速を測定して診断結果を生成する。
【0034】
診断結果は、正常、腐食、キンク及び断線などのタイプにて表示してもよい。なお、前記磁場センサー部1213c、1223cは、診断結果をユーザー端末にリアルタイムにて伝送するが、これを通して、ユーザーは、捲揚装置100のワイヤーの状態をリアルタイムにて確認することができて、事故の発生を未然に防止することができるという効果がある。
【0035】
図8は、本発明の一実施の形態に係る診断装置の他の実施の例示図1であり、図9は、本発明の一実施の形態に係る診断装置の他の実施の例示図2である。図8及び図9に示すように、本発明に係る、対象物を持ち上げるために下側にフック111が配備された昇降台110を有する捲揚装置100の昇降台110のワイヤーが出入りする入口と出口のどちらか一方に設置されてワイヤーをセンシングするワイヤー診断装置300は、第1のホルダー胴体部310と、第2のホルダー胴体部320及び前記第1のホルダー胴体部310と第2のホルダー胴体部320とを中央の穿孔された円筒状に締結させるホルダー締結部330を備えてなる。さらにまた、前記ホルダー締結部330は、前記第1のホルダー胴体部310と第2のホルダー胴体部320に着脱自在に結合された後、第1のホルダー胴体部310と第2のホルダー胴体部320とを円筒状に締結させる。
【0036】
図10は、本発明の一実施の形態に係る診断装置の他の実施の形態の分解斜視図である。図10に示すように、前記第1のホルダー胴体部310及び第2のホルダー胴体部320は、ひづめ状に形成される上カバー311、321と、半円錐状に形成されるバッテリー部312、322及び前記上カバー311、321とバッテリー部312、322との間に形成され、ワイヤーをセンシングする複数のセンサー部313、323を備えてなる。前記バッテリー部312、322は、前記センサー部313、323がワイヤーをセンシングできるように電源を供給し、ワイヤー診断装置300が前記昇降台110にワイヤーにより巻き込まれることを防止する役割を果たす。なお、前記センサー部313、323は、好ましくは、前記上カバー311、321とバッテリー部312、322との間にそれぞれ4個ずつ設けられてもよい。
【0037】
また、前記センサー部313、323は、前記センサー部313、323の上部と下部に形成されてワイヤーの摩擦を低減させるローラー部313a、323aと、前記センサー部313、323の一方の側に形成されて磁石を有する第1の磁石部313b、323bと、前記センサー部313、323の他方の側に形成されて磁石を有する第2の磁石部313c、323c及び前記第1の磁石部313b、323bと第2の磁石部313c、323cとの間の途中に形成されてワイヤーをセンシングする磁場センサー部313d、323dを備えてなってもよい。
【0038】
本発明に係るワイヤー診断装置300の第1のホルダー胴体部310と第2のホルダー胴体部320は、前記ホルダー締結部330により組み合わせられて前記捲揚装置100の前記昇降台110のワイヤーが出入りする入口と出口のどちらか一方に設置されて、前記磁場センサー部313d、323dを介して捲揚装置100のワイヤーをリアルタイムにて診断して、図7に示すように診断結果を生成して、診断結果をユーザー端末にリアルタイムにて伝送する。
【0039】
前記ユーザー端末は、好ましくは、携帯電話、スマートフォン(smart phone)、タブレット・パソコン(tablet computer)、ノート型パソコン(notebook computer)、デジタル放送用の端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)、ポータブル・マルチメディア・プレーヤー(PMP:Portable Multimedia Player)などの端末であってもよい。
【0040】
前記ワイヤー診断装置1000、300とユーザー端末との間の通信方式としては、好ましくは、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、無線周波数識別技術(RFID:Radio Frequency Identification)、赤外線通信(IrDA:infrared Data Association)、超広帯域(UWB:Ultra Wideband)無線システム、ジグビー(ZigBee)、ワイヤレスLAN(WLAN:Wireless LAN)(Wi−Fi)などの近距離通信方式を採用してもよい。
【0041】
さらに、本発明に係るワイヤー診断装置300は、図8から図10に示す診断装置300とは他の構成は全く同様であるが、バッテリー部の形状のみが異なるように構成されてもよい。これは、図11から図13の通りである。図11は、本発明の一実施の形態に係る診断装置の他の実施の例示図3であり、図12は、本発明の一実施の形態に係る診断装置の他の実施の例示図4であり、図13は、本発明の一実施の形態に係る診断装置の他の実施の例示図5である。先ず、第1のホルダー胴体部310と第2のホルダー胴体部320とが組み合わせられる場合、バッテリー部312’、322’が、図11に示すような形状をなすように構成されてもよい。次いで、第1のホルダー胴体部310と第2のホルダー胴体部320とが組み合わせられる場合、バッテリー部312”、322”が図12に示すような形状をなすように構成されてもよく、最後に、第1のホルダー胴体部310と第2のホルダー胴体部320とが組み合わせられる場合、バッテリー部312”’、322”’が図13に示すような形状をなすように構成されてもよい。
【0042】
前術したように、バッテリー部を様々な形状に構成する理由は、捲揚装置の種類が多岐に亘るため、バッテリー部の形状もまた捲揚装置に合わせて様々に構成せねばならないためである。すなわち、本発明のワイヤー診断装置300は、バッテリー部を図8図11図12及び図13に示すように捲揚装置の種類に応じて様々な形状に形成してもよく、これを通して、ワイヤー診断装置300が捲揚装置のワイヤーに巻き込まれて破損されることを防止することができる。
【0043】
したがって、ユーザーは、前術したような本発明に係るワイヤー診断装置1000、300をエレベーター、水門またはクレーンなどに設置される捲揚装置100の昇降台110のワイヤーが出入りする入口と出口のどちらか一方に設置して、前記捲揚装置100のワイヤーをリアルタイムにて診断して診断結果をユーザー端末を介して確認することができて、ワイヤーが腐食して起こり得る事故を未然に防止することができる。さらにまた、前記ワイヤー診断装置1000、300は、それぞれの構成要素がモジュール化していることから、取り付け及び取り外しが容易に行われて、診断装置1000、300のいずれか一つの構成要素に故障が生じる場合、故障の生じた構成要素を手軽に取り替えることが可能になるという効果がある。
【0044】
本発明は、図示の実施の形態を参考として説明されたが、これは単なる例示的なものに過ぎず、この技術分野において通常の知識を有する者であれば、これより様々な変形が行われることができ、上述した実施の形態の全部または一部が選択的に組み合わせられて構成され得るという点を理解することができる。よって、本発明の真の技術的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的な思想により定められる。
【符号の説明】
【0045】
100 捲揚装置
110 昇降台
111 フック
300 診断装置
310 第1のホルダー胴体部
311 上カバー
312、312’、312”、312”’ バッテリー部
313 センサー部
313a ローラー部
313b 第1の磁石部
313c 第2の磁石部
313d 磁場センサー部
320 第2のホルダー胴体部
321 上カバー
322、322’、322”、322”’ バッテリー部
323 センサー部
323a ローラー部
323b 第1の磁石部
323c 第2の磁石部
323d 磁場センサー部
330 ホルダー締結部
1000 診断装置
1100 据え置き部
1110 据え置き胴体部
1120 据え置き結合部
1121 摺動ガイド部
1122 摺動部
1130 据え置き締結部
1200 センシング・ホルダー部
1210 第1のホルダー胴体部
1211 上カバー
1212 下カバー
1212a 結合部
1213 センサー部
1213a 第1の磁石部
1213b 第2の磁石部
1213c 磁場センサー部
1214 ローラー部
1220 第2のホルダー胴体部
1221 上カバー
1222 下カバー
1222a 結合部
1223 センサー部
1223a 第1の磁石部
1223b 第2の磁石部
1223c 磁場センサー部
1224 ローラー部
1230 ホルダー締結部
1300 締結部
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13