(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
来客者が初めてオフィスを訪問する前に来客者情報を事前に登録する際に、前記顔認証システムが受け付ける来客者情報には来客者がオフィスを訪問する日時に係る情報も含まれ、
前記顔認証システムが来客者の認証を行う際に、前記撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報と記録されている来客者の顔画像に関する情報とを比較するとともに前記撮像装置により来客者の顔画像が撮像された日時と事前に登録されている来客者がオフィスを訪問する日時とを比較することにより来客者の認証を行う、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の顔認証方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
来客者がオフィスのオフィス社員を訪問する際に、来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、この情報を管理しておくことが望ましい。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、顔認証を活用して来客者がオフィスに到達したことをオフィス社員に自動的に通知することができるため利便性が高く、しかも来客者の体温が予め設定された値以上である場合にこの情報を管理することができる顔認証方法、顔認証システム、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の顔認証方法は、
顔認証システムにより行われる顔認証方法であって、
来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、受け付けた来客者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
オフィスのエントランスに設置された撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報および前記オフィスの前記エントランスに設置された体温検知装置により検知された来客者の体温に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報と記録されている来客者の顔画像に関する情報とを比較することにより来客者の認証を行う工程と、
前記顔認証システムにおいて来客者の認証が行われると前記顔認証システムが来客通知情報をオフィス社員のユーザ端末に送信する工程と、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、前記顔認証システムが体温異常通知をオフィス管理システムに送信する工程と、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、来客者の認証により得られる来客者の識別情報を前記オフィス管理システムに送信し、前記オフィス管理システムにより来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報を紐づけて管理させる工程と、
を備え
、
来客者が初めてオフィスを訪問する前に来客者情報を事前に登録する際に、少なくとも来客者の氏名および来客者のメールアドレスに係る情報を含む来客者情報を前記顔認証システムが受け付けると、この来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに、初回登録設定情報が記載されたメールを前記顔認証システムが送信する工程を更に備え、
来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに初回登録設定情報が記載されたメールを前記顔認証システムが送信する際に、メールに記載される初回登録設定情報には、携帯端末への顔認証アプリのインストールに必要な情報が含まれ、前記顔認証アプリにより来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報が前記顔認証システムに送られ、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には前記顔認証システムが体温異常通知を前記顔認証アプリがインストールされた前記携帯端末に送信することによって前記顔認証アプリにより来客者に対する体温異常通知を行わせることを特徴とする。
また、本発明の顔認証方法は、
顔認証システムにより行われる顔認証方法であって、
来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、受け付けた来客者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
オフィスのエントランスに設置された撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報および前記オフィスの前記エントランスに設置された体温検知装置により検知された来客者の体温に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報と記録されている来客者の顔画像に関する情報とを比較することにより来客者の認証を行う工程と、
前記顔認証システムにおいて来客者の認証が行われると前記顔認証システムが来客通知情報をオフィス社員のユーザ端末に送信する工程と、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、前記顔認証システムが体温異常通知をオフィス管理システムに送信する工程と、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、前記顔認証システムにおいて来客者の認証により得られる来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報を紐づけて管理する工程と、
を備え、
来客者が初めてオフィスを訪問する前に来客者情報を事前に登録する際に、少なくとも来客者の氏名および来客者のメールアドレスに係る情報を含む来客者情報を前記顔認証システムが受け付けると、この来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに、初回登録設定情報が記載されたメールを前記顔認証システムが送信する工程を更に備え、
来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに初回登録設定情報が記載されたメールを前記顔認証システムが送信する際に、メールに記載される初回登録設定情報には、携帯端末への顔認証アプリのインストールに必要な情報が含まれ、前記顔認証アプリにより来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報が前記顔認証システムに送られ、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には前記顔認証システムが体温異常通知を前記顔認証アプリがインストールされた前記携帯端末に送信することによって前記顔認証アプリにより来客者に対する体温異常通知を行わせることを特徴とする。
また、本発明の顔認証方法は、
顔認証システムにより行われる顔認証方法であって、
来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、受け付けた来客者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
オフィスのエントランスに設置された撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報および前記オフィスの前記エントランスに設置された体温検知装置により検知された来客者の体温に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報と記録されている来客者の顔画像に関する情報とを比較することにより来客者の認証を行う工程と、
前記顔認証システムにおいて来客者の認証が行われると前記顔認証システムが来客通知情報をオフィス社員のユーザ端末に送信する工程と、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、前記顔認証システムが体温異常通知をオフィス管理システムに送信する工程と、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、来客者の認証により得られる来客者の識別情報を前記オフィス管理システムに送信し、前記オフィス管理システムにより来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報を紐づけて管理させる工程と、
を備え、
来客者が初めてオフィスを訪問する前に来客者情報を事前に登録する際に、少なくとも来客者の氏名および来客者のメールアドレスに係る情報を含む来客者情報を前記顔認証システムが受け付けると、この来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに、初回登録設定情報が記載されたメールを前記顔認証システムが送信する工程を更に備え、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には前記顔認証システムが体温異常通知を来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに送信する、顔認証方法。
また、本発明の顔認証方法は、
顔認証システムにより行われる顔認証方法であって、
来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、受け付けた来客者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
オフィスのエントランスに設置された撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報および前記オフィスの前記エントランスに設置された体温検知装置により検知された来客者の体温に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報と記録されている来客者の顔画像に関する情報とを比較することにより来客者の認証を行う工程と、
前記顔認証システムにおいて来客者の認証が行われると前記顔認証システムが来客通知情報をオフィス社員のユーザ端末に送信する工程と、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、前記顔認証システムが体温異常通知をオフィス管理システムに送信する工程と、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、前記顔認証システムにおいて来客者の認証により得られる来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報を紐づけて管理する工程と、
を備え、
来客者が初めてオフィスを訪問する前に来客者情報を事前に登録する際に、少なくとも来客者の氏名および来客者のメールアドレスに係る情報を含む来客者情報を前記顔認証システムが受け付けると、この来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに、初回登録設定情報が記載されたメールを前記顔認証システムが送信する工程を更に備え、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には前記顔認証システムが体温異常通知を来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに送信することを特徴とする。
【0008】
本発明の顔認証方法は、
顔認証システムにより行われる顔認証方法であって、
来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、受け付けた来客者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
オフィスのエントランスに設置された撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報および前記オフィスの前記エントランスに設置された体温検知装置により検知された来客者の体温に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報と記録されている来客者の顔画像に関する情報とを比較することにより来客者の認証を行う工程と、
前記顔認証システムにおいて来客者の認証が行われると前記顔認証システムが来客通知情報をオフィス社員のユーザ端末に送信する工程と、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、
来客者の認証により得られる来客者の識別情報を前記オフィス管理システムに送信し、前記オフィス管理システムにより来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報を紐づけて管理させる工程と、
を備え
、
来客者が初めてオフィスを訪問する前に来客者情報を事前に登録する際に、少なくとも来客者の氏名および来客者のメールアドレスに係る情報を含む来客者情報を前記顔認証システムが受け付けると、この来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに、初回登録設定情報が記載されたメールを前記顔認証システムが送信する工程を更に備え、
来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに初回登録設定情報が記載されたメールを前記顔認証システムが送信する際に、メールに記載される初回登録設定情報には、携帯端末への顔認証アプリのインストールに必要な情報が含まれ、前記顔認証アプリにより来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報が前記顔認証システムに送られ、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には前記顔認証システムが体温異常通知を前記顔認証アプリがインストールされた前記携帯端末に送信することによって前記顔認証アプリにより来客者に対する体温異常通知を行わせることを特徴とする。
【0009】
本発明の顔認証システムは、
来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報を受け付ける来客者登録情報受付手段と、
前記来客者登録情報受付手段により受け付けた来客者の登録情報を記録する顔認証クラウドと、
オフィスのエントランスに設置された撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報および前記オフィスの前記エントランスに設置された体温検知装置により検知された来客者の体温に関する情報を受け付けると、前記撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報と記録されている来客者の顔画像に関する情報とを比較することにより来客者の認証を行う認証手段と、
来客者の認証が行われると、来客通知情報をオフィス社員のユーザ端末に送信する来客通知情報送信手段と、
受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、体温異常通知をオフィス管理システムに送信する体温異常通知送信手段と、
を備え、
受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、来客者の認証により得られる来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報が紐づけて管理され
、
来客者が初めてオフィスを訪問する前に来客者情報を事前に登録する際に、少なくとも来客者の氏名および来客者のメールアドレスに係る情報を含む来客者情報を前記顔認証システムが受け付けると、この来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに、初回登録設定情報が記載されたメールを前記顔認証システムが送信し、
来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに初回登録設定情報が記載されたメールを前記顔認証システムが送信する際に、メールに記載される初回登録設定情報には、携帯端末への顔認証アプリのインストールに必要な情報が含まれ、前記顔認証アプリにより来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報が前記顔認証システムに送られ、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には前記顔認証システムが体温異常通知を前記顔認証アプリがインストールされた前記携帯端末に送信することによって前記顔認証アプリにより来客者に対する体温異常通知を行わせることを特徴とする。
【0010】
本発明のプログラムは、
顔認証システムのプロセッサにより実行されるプログラムであって、
前記プロセッサが前記プログラムを実行することにより、
来客者が初めてオフィスを訪問する前に来客者情報を事前に登録する際に、少なくとも来客者の氏名および来客者のメールアドレスに係る情報を含む来客者情報を前記顔認証システムが受け付けると、この来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに、初回登録設定情報が記載されたメールを前記顔認証システムが送信する工程と、
来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、受け付けた来客者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
オフィスのエントランスに設置された撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報および前記オフィスの前記エントランスに設置された体温検知装置により検知された来客者の体温に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報と記録されている来客者の顔画像に関する情報とを比較することにより来客者の認証を行う工程と、
前記顔認証システムにおいて来客者の認証が行われると前記顔認証システムが来客通知情報をオフィス社員のユーザ端末に送信する工程と、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、前記顔認証システムが体温異常通知をオフィス管理システムに送信する工程と、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、前記顔認証システムにおいて来客者の認証により得られる来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報を紐づけて管理する工程と、
が行われ
、
来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに初回登録設定情報が記載されたメールを前記顔認証システムが送信する際に、メールに記載される初回登録設定情報には、携帯端末への顔認証アプリのインストールに必要な情報が含まれ、前記顔認証アプリにより来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報が前記顔認証システムに送られ、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には前記顔認証システムが体温異常通知を前記顔認証アプリがインストールされた前記携帯端末に送信することによって前記顔認証アプリにより来客者に対する体温異常通知を行わせることを特徴とする。
【0011】
本発明の記録媒体は、
顔認証システムのプロセッサにより実行されるプログラムが記録される記録媒体であって、
前記プロセッサが前記プログラムを実行することにより、
来客者が初めてオフィスを訪問する前に来客者情報を事前に登録する際に、少なくとも来客者の氏名および来客者のメールアドレスに係る情報を含む来客者情報を前記顔認証システムが受け付けると、この来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに、初回登録設定情報が記載されたメールを前記顔認証システムが送信する工程と、
来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、受け付けた来客者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
オフィスのエントランスに設置された撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報および前記オフィスの前記エントランスに設置された体温検知装置により検知された来客者の体温に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された来客者の顔画像に関する情報と記録されている来客者の顔画像に関する情報とを比較することにより来客者の認証を行う工程と、
前記顔認証システムにおいて来客者の認証が行われると前記顔認証システムが来客通知情報をオフィス社員のユーザ端末に送信する工程と、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、前記顔認証システムが体温異常通知をオフィス管理システムに送信する工程と、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、前記顔認証システムにおいて来客者の認証により得られる来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報を紐づけて管理する工程と、
が行われ
、
来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに初回登録設定情報が記載されたメールを前記顔認証システムが送信する際に、メールに記載される初回登録設定情報には、携帯端末への顔認証アプリのインストールに必要な情報が含まれ、前記顔認証アプリにより来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報が前記顔認証システムに送られ、
前記顔認証システムが受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には前記顔認証システムが体温異常通知を前記顔認証アプリがインストールされた前記携帯端末に送信することによって前記顔認証アプリにより来客者に対する体温異常通知を行わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の顔認証方法、顔認証システム、プログラムおよび記録媒体によれば、顔認証を活用して来客者がオフィスに到達したことをオフィス社員に自動的に通知することができるため利便性が高く、しかも来客者の体温が予め設定された値以上である場合にこの情報を管理することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至
図5は、本実施の形態に係る顔認証システムおよびこのような顔認証システムを用いた顔認証方法を示す図である。
【0015】
本実施の形態による顔認証システム10および顔認証方法は、来客者がオフィスを訪問する際に当該来客者の顔認証を行うことにより来客者がオフィスのエントランスに到達したことをオフィス社員に自動的に通知するものである。なお、本発明では、オフィスのエントランスとは、ビルの各フロアにあるオフィス自体のエントランスに限定されることはなく、オフィスが入居しているビルの総合受付(概ね、ビルの1階または低層階に設けられている受付)を含む概念である。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態による顔認証システム10は、オフィス受付システム12および顔認証クラウド14を有している。また、オフィスのエントランスには撮像装置40および体温検知装置42が設置されている。撮像装置40は、来客者の顔画像を撮像するようになっており、体温検知装置42は、来客者の体温を検知するようになっている。これらの撮像装置40および体温検知装置42の構成の詳細については後述する。
【0017】
オフィス受付システム12は、撮像装置40により撮像された来客者の顔画像を用いて認証を行うことにより、来客者がオフィスに到達したことをオフィス社員に通知するようになっている。また、顔認証クラウド14は、事前に登録された来客者の顔画像の特徴量に係る情報を含む来客者の登録情報を記憶するようになっている。顔認証システム10および撮像装置40はインターネット回線等のネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0018】
より詳細に説明すると、オフィス受付システム12は例えばコンピュータ等から構成されており、当該オフィス受付システム12はCPU等のプロセッサ12aと、プログラムを記憶するメモリ12b(記録媒体)とを有している。そして、プロセッサ12aは、メモリ12bに記憶されているプログラムを実行することにより、後述する様々な処理を行うようになっている。なお、プロセッサ12aにより実行されるプログラムはメモリ12bに記憶されているものに限定されることはない。外部装置から顔認証システム10に送信されたプログラムや、顔認証システム10に着脱自在に装着される記録媒体に記憶されているプログラムをプロセッサ12aが実行することにより、後述する様々な処理が行われてもよい。
【0019】
また、来客者が所持するスマートフォン等のユーザ端末30(携帯端末)およびオフィス社員が所持するスマートフォン等のユーザ端末20(携帯端末)はそれぞれインターネット回線等のネットワークを介して顔認証システム10に通信可能に接続されている。なお、
図1ではオフィス社員のユーザ端末20および来客者のユーザ端末30としてスマートフォンを示しているが、このような例に限られることはない。オフィス社員のユーザ端末20や来客者のユーザ端末30としてノートパソコンやデスクトップパソコン等の他の装置が用いられてもよい。また、オフィス社員のユーザ端末20および来客者のユーザ端末30は、個人の所有物であるスマートフォン等であってもよし、あるいは会社から貸与されたスマートフォン等であってもよい。
【0020】
また、
図1に示すように、顔認証システム10にはインターネット回線等のネットワークを介してオフィス管理システム18が通信可能に接続されている。オフィス管理システム18は、オフィスへの来客者の入退室の履歴等を管理するようになっている。
【0021】
次に、撮像装置40および体温検知装置42の構成について
図2を用いて説明する。撮像装置40は例えばオフィスのエントランスの受付に設置されているPCタブレット等から構成されており、カメラアプリにより来客者の顔を撮像することにより来客者の顔画像を取得することができるようになっている。また、体温検知装置42は来客者の熱を検知することができるカメラ(例えばサーモカメラ)を有しており、この体温検知装置42は撮像装置40の縁部に取り付けられている。具体的には、体温検知装置42のカメラは、人や物から発せられる目に見えない遠赤外線を検知することにより、直接人や物に触れなくても温度を検知することができるようになっている。なお、本実施の形態では体温検知装置42は撮像装置40の縁部に取り付けられることに限定されることはなく、体温検知装置42が撮像装置40から離れた状態でオフィスのエントランスの受付に設置されていてもよい。また、体温検知装置42はLightning端子により撮像装置40に接続されている。このことにより、撮像装置40から体温検知装置42に電力を供給したり、体温検知装置42により検知された来客者の体温に係る情報を撮像装置40に送ったりすることができる。また、体温検知装置42のフローサービス開発キット(SDK)が公開されている場合は、撮像装置40のPCタブレット等のアプリ組み込み方式で体温検知装置42は熱検知を行うことができる。
【0022】
次に、このような構成からなる顔認証システム10により来客者の認証を行う際の処理内容について
図3乃至
図5を用いて説明する。
【0023】
まず、本実施の形態による顔認証システム10において来客者が初めてオフィスを訪問する前に来客者情報を事前に登録する際の処理内容について
図3を用いて説明する。オフィス社員は、事前にユーザ端末20にオフィス受付サービスのプログラムやアプリケーションをインストールしておく。このようなプログラムやアプリケーションによりオフィス社員は来客者の登録を行うことができる。具体的には、オフィス社員と来客者との間で電話やメール、チャットや会話アプリ等により来客者がオフィスを訪問する日時や人数等が確定すると、オフィス社員は自分のユーザ端末20においてオフィス受付サービスのプログラムやアプリケーションを実行し、来客者情報を入力する。なお、オフィス社員は、インストールしたオフィス受付サービスのプログラムやアプリケーションではなく、会社の会議室予約システムを使って会議室を予約する際に来客者の登録を行うようになっていてもよい。具体的には、来客者の訪問の受付、社内同席者の登録および会議室予約の機能を、Microsoft Office(登録商標)等のシステムで使用されている予定表ツールと連携させる。予定表ツールとしては、Outlook(登録商標)やGmail(登録商標)等が考えられる。オフィス社員によってユーザ端末20に入力される来客者情報は、来客者がオフィスを訪問する日時、来客者の会社名、来客者の氏名、来客者のメールアドレス、オフィスを訪問する人数等の情報を含む。
【0024】
オフィス社員によってユーザ端末20に来客者情報が入力されると、この入力された来客者情報はユーザ端末20から顔認証システム10のオフィス受付システム12に送信される(
図3の(1))。オフィス受付システム12のプロセッサ12aは、ユーザ端末20から来客者情報を来客者情報受付手段50により受け付け、メールアドレス等をキーにした識別情報を保持する。そして、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは、この来客者情報に含まれる来客者のメールアドレス宛に、初回登録設定情報が記載されたメールを初回登録設定情報送信手段52により自動送信する(
図3の(2))。メールに記載される初回登録設定情報には、顔認証アプリのダウンロード用のURL情報または二次元バーコード等のダウンロード用情報が含まれる。また、オフィス受付システム12のプロセッサ12aにより自動送信されるメールには、オフィス訪問当日までの流れの説明文が記載されていてもよい。また、オフィス社員が会社の会議室予約システムを使って会議室を予約する場合は、来客者にメールを送信する際に、自身および社内同席者にもメール等により予定を通知するとともに会議室予約システムで会議室を予約する。
【0025】
来客者は、オフィス受付システム12のプロセッサ12aにより自動送信されたメールをユーザ端末30により受け付けると、このメールに記載された初回登録設定情報、具体的には顔認証アプリのダウンロード用のURL情報に基づいて、顔認証アプリをユーザ端末30にインストールする。あるいは、メールにダウンロード用の二次元バーコードが記載されている場合には、来客者はパソコンの画面に表示される二次元バーコードをスマートフォンのカメラで読み取ることにより顔認証アプリをユーザ端末30にインストールする。このような顔認証アプリをユーザ端末30にインストールすると、来客者は顔認証アプリで登録情報を入力することができる。具体的には、顔認証アプリを用いることによりオフィス受付サービスを使用することを設定することができる。オフィス受付サービスの使用を設定する際に、来客者はユーザ端末30により登録情報として自分の氏名、生年月日、性別、メールアドレス、電話番号、パスワード等を入力する。また、来客者がオフィス受付サービスを使用することを設定する際に、オフィス受付サービスの利用規約に同意する旨の情報を入力する。なお、上述したオフィス受付サービスの使用の設定は、顔認証アプリで行うことができるようになっていてもよく、あるいは顔認証アプリとは別に行うことができるようになっていてもよい。また、来客者は顔認証アプリにより自分の顔をユーザ端末30のカメラにより撮像する。このことにより、来客者の顔画像データがユーザ端末30により得られる。
【0026】
来客者がユーザ端末30によりオフィス受付サービスの登録を行うと、来客者により入力された登録情報がユーザ端末30から顔認証システム10の顔認証クラウド14に送信される(
図3の(3))。なお、この際に登録情報に識別情報が紐づいている。具体的には、来客者により入力された氏名、生年月日、性別、メールアドレス、電話番号、パスワード、および来客者の顔画像データ等に係る情報がユーザ端末30から顔認証システム10の顔認証クラウド14に送信される。顔認証クラウド14は、ユーザ端末30から送信された顔画像データに基づいて、所定のハッシュ関数によりハッシュ値を抽出する。このようなハッシュ値は来客者の顔画像の特徴量として用いられる。また、顔認証クラウド14は、来客者の識別情報(例えば、識別番号)の割り当てを行う。そして、来客者の氏名、生年月日、性別、メールアドレス、電話番号、パスワード等の情報、および来客者の顔画像の特徴量に係る情報が、来客者の識別情報に関連付けられて顔認証クラウド14に記録される。
【0027】
また、顔認証クラウド14により割り当てられた来客者の識別情報および来客者の氏名に係る情報等がオフィス受付システム12に送られる(
図3の(4))。この際に、識別情報をキーにして、
図3の(1)で送信された来客者情報とマッチングされて更新される。オフィス受付システム12のメモリ12bには、登録を行ったオフィス社員の氏名、来客者の氏名、来客者がオフィスを訪問する日時等の情報が来客者の識別情報に関連付けられて記録手段56により記録される。その後、オフィス受付システム12からオフィス社員のユーザ端末20には登録完了情報が登録完了情報送信手段58により送信される(
図3の(5))。このことにより、オフィス社員のユーザ端末20には来客者の顔登録が完了した旨の情報が表示される(例えば、ユーザ端末20がスマートフォンの場合はプッシュ通知が行われる)。
【0028】
その後、オフィス社員がユーザ端末20においてオフィス受付サービスのプログラムやアプリケーションを実行し、自分が登録した来客者がオフィスを訪問する日時をタップすると、来客者の氏名がユーザ端末20に表示される。そして、オフィス社員がユーザ端末20に表示されている来客者の氏名を更にタップすると、オフィス社員のユーザ端末20からオフィス受付システム12に確認情報が送信される(
図3の(6))。オフィス受付システム12のプロセッサ12aは、オフィス社員のユーザ端末20から確認情報を確認情報受付手段60により受け取ける。そして、プロセッサ12aは、予約完了情報を予約完了情報送信手段62により来客者のユーザ端末30に送信する(
図3の(7))。このことにより、来客者のユーザ端末30には、予約完了メッセージおよび来客者がオフィスに訪問する日時に係る情報がプッシュ通知される。このようにして、来客者が初めてオフィスを訪問する前に来客者情報を事前に登録する際の処理が完了する。なお、来客者のユーザ端末30に、予約完了メッセージおよび来客者がオフィスに訪問する日時に係る情報がプッシュ通知された後、来客者はユーザ端末30で顔認証アプリを実行することにより予約完了メッセージの受信確認を入力することができるようになっていてもよい。この場合には、予約完了メッセージの受信確認に係る情報が来客者のユーザ端末30から顔認証システム10に送信される。そして、顔認証システム10のオフィス受付システム12のプロセッサ12aは、来客者が予約完了メッセージの受信確認を行った旨の情報をオフィス社員のユーザ端末20に送信する。このことにより、オフィス社員は、来客者が予約完了メッセージを受け取ったことを確認することができる。
【0029】
次に、本実施の形態による顔認証システム10において来客者が初めてオフィスを訪問する際の処理内容について
図4を用いて説明する。来客者がオフィスのエントランスに到達すると、来客者はエントランスにあるPCタブレット等の撮像装置40の画面で顔認証ボタンをタップする。そして、この撮像装置40に顔をかざすと、撮像装置40のカメラにより来客者の顔が撮像される。なお、来客者は撮像装置40を操作しなくても顔をかざすだけで撮像装置40のカメラにより来客者の顔が撮像されるようになっていてもよい。撮像装置40は、カメラにより撮像された来客者の顔画像データに基づいて、所定のハッシュ関数によりハッシュ値を抽出する。このようなハッシュ値は来客者の顔画像の特徴量として用いられる。また、撮像装置40に取り付けられている体温検知装置42(具体的には、例えばサーモカメラ)により来客者の体温が検知される。
【0030】
来客者の顔が撮像装置40のカメラにより撮像されると、この来客者の顔画像の特徴量に係る情報が撮像装置40から顔認証システム10の顔認証クラウド14に送信される(
図4の(1))。また、来客者の顔画像が撮像装置40により撮像された日時(以下、撮像日時ともいう)に関する情報も撮像装置40から顔認証システム10の顔認証クラウド14に送信される。また、体温検知装置42により非接触で検知された来客者の体温に関する情報が体温検知装置42から撮像装置40を介して顔認証システム10のオフィス受付システム12に送信される(
図4の(2))。
【0031】
顔認証システム10の顔認証クラウド14は、撮像装置40から来客者の顔画像の特徴量に係る情報を受け付けると、撮像装置40から受け取った来客者の顔画像の特徴量と、顔認証クラウド14に記録されている来客者の顔画像の特徴量とを比較することにより来客者の認証を行う。そして、撮像装置40から受け取った来客者の顔画像の特徴量が、顔認証クラウド14に記録されている来客者の顔画像の特徴量に略一致すれば、この来客者の氏名、来客者の識別情報および撮像日時に関する情報が顔認証クラウド14からオフィス受付システム12に送信される(
図4の(3))。なお、撮像装置40から受け取った来客者の顔画像の特徴量が、顔認証クラウド14に記録されている来客者の顔画像の特徴量と略一致しない場合には、その後の処理は行われない。また、撮像装置40により来客者の顔画像を一定回数撮像してもこの来客者の顔画像の特徴量が顔認証クラウド14に記録されている来客者の顔画像の特徴量と略一致しない場合には、会社の指定された部署(例えば、総務課)等に通知が行われたり、エントランスに設置された呼び出し電話等により通常の呼び出し動作を行ったりすることができるようになっていてもよい。また、撮像装置40として用いられるPCタブレットにおいて社員名の検索機能を実行することができるようになっており、来客者がこのPCタブレットで社員名の検索機能を実行することにより当該PCタブレットで選択されたオフィス社員の呼び出し動作が行われるようになっていてもよい。このことにより、採用時の面接で来客者がオフィスを訪問したり配送員がオフィスを訪問したりする場合にも対応することができる。
【0032】
オフィス受付システム12のプロセッサ12aは、顔認証クラウド14から送られた来客者の氏名および来客者の識別情報と、メモリ12bに記録されている来客者の氏名および来客者の識別情報とを比較する。そして、顔認証クラウド14から送られた来客者の氏名および来客者の識別情報が、メモリ12bに記録されている来客者の氏名および来客者の識別情報に略一致する場合には、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは来客者の認証を認証手段64により行う。認証手段64により来客者の認証が行われると、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは来客通知情報を来客通知情報送信手段66によりオフィス社員のユーザ端末20に送信する(
図4の(4))。また、認証手段64により来客者の認証が行われると、撮像装置40のモニタに来客者の氏名および「いらっしゃいませ ○○様」というメッセージ等が表示されてもよい。なお、来客者の顔画像の特徴量が略一致するとは、例えば、撮像装置40から受け取った来客者の顔画像の特徴量と、顔認証クラウド14に記録されている来客者の顔画像の特徴量との一致率が所定の閾値(例えば、80%)を超える場合のことをいう。
【0033】
また、本実施の形態では、認証手段64は、顔認証クラウド14から送られた来客者の氏名および来客者の識別情報が、メモリ12bに記録されている来客者の氏名および来客者の識別情報に略一致することに加えて、顔認証クラウド14から送られた撮像装置40による撮像日時が、メモリ12bに記録されている来客者がオフィスを訪問する日時に略一致する場合にのみ来客者の認証を行うようになっていてもよい。ここで、撮像装置40による撮像日時が、来客者がオフィスを訪問する日時と略一致するとは、撮像装置40により来客者の顔画像が撮像された日時と、オフィス受付システム12のメモリ12bに記録されている、来客者がオフィスを訪問する日時との誤差が所定の時間(例えば3時間)以内であることをいう。
【0034】
オフィス受付システム12のプロセッサ12aが来客通知情報を来客通知情報送信手段66によりオフィス社員のユーザ端末20に送信する際に、来客通知情報が記載されたメールがオフィス社員のユーザ端末20に送信されてもよい。あるいは、オフィス社員のユーザ端末20にインストールされているオフィス受付サービスのプログラムやアプリケーションにより来客通知情報が表示されてもよい。オフィス社員は、来客通知情報をオフィス受付システム12から受け付けると、来客者をオフィスのエントランスまで迎えに行く。このようにして、顔認証システム10において来客者が初めてオフィスを訪問する際の処理が完了する。なお、オフィス社員が来客者との打ち合わせのためにオフィス内の会議室を予約している場合には、指定の時刻(具体的には、オフィス受付システム12のメモリ12bに記録されている、来客者がオフィスを訪問する時刻から所定の範囲内の時刻)においてオフィス社員または来客者の顔認証を行うことにより会議室への入室が可能となってもよい。
【0035】
また、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは、体温検知装置42から撮像装置40を介して送信された来客者の体温が予め設定された値以上であるか否かを判定する。そして、来客者の体温が予め設定された値以上である場合は、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは体温異常通知送信手段68により来客者の識別情報および体温異常通知をオフィス管理システム18に送信する(
図4の(5))。この際に、オフィス受付システム12は来客者の氏名等の情報もオフィス管理システム18に送信してもよい。そして、オフィス受付システム12において、来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報が紐づけられて管理される。また、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは体温異常通知送信手段68により来客者の体温異常通知に関するメールをオフィス管理者のメールアドレス宛てに送信してもよい。
【0036】
また、来客者の体温が予め設定された値以上である場合は、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは体温異常通知送信手段68により来客通知情報を来客通知情報送信手段66によりオフィス社員のユーザ端末20に送信する際に(
図4の(4))、体温異常通知もオフィス社員のユーザ端末20に送信する。例えば、オフィス社員のユーザ端末20がスマートフォンである場合は体温異常通知がプッシュ通知で行われる。このことにより、オフィス社員は来客者の体温が予め設定された値以上であることを知ることができる。また、来客者の体温が予め設定された値以上である場合は、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは体温異常通知送信手段68により体温異常通知を来客者のユーザ端末30に送信し(
図4の(6))、このユーザ端末30の顔認証アプリの画面に体温が高い旨のメッセージを表示させる。例えば、来客者のユーザ端末30がスマートフォンである場合は体温異常通知がプッシュ通知で行われる。このことにより、来客者に対する体温異常通知を行わせることができる。
【0037】
次に、本実施の形態による顔認証システム10において来客者が2回目以降にオフィスを訪問する際の処理内容について
図5を用いて説明する。
【0038】
オフィス社員と来客者との間で電話やメール、チャットや会話アプリ等により来客者がオフィスを訪問する日時や人数等が確定すると、オフィス社員は自分のユーザ端末20においてオフィス受付サービスのプログラムやアプリケーションを実行し、来客者情報を入力する。オフィス社員によってユーザ端末20に入力される来客者情報は、来客者がオフィスを訪問する日時、来客者の会社名、来客者の氏名、オフィスを訪問する人数、以前に設定された来客者の識別情報等の情報を含む。なお、オフィス社員が初回に来客者情報を登録している場合は、登録された来客者については会社名や氏名を入力しなくても呼び出し機能で呼び出せるようにしてもよい。具体的には、過去に登録された来客者情報のうち来客者の氏名の一覧が表示されることにより、この氏名をタップして選択することができる。また、オフィス社員が来客者の氏名の一部を入力するとサジェスト機能により過去に登録された来客者の氏名が表示されるようにしてもよい。
【0039】
オフィス社員によってユーザ端末20に来客者情報が入力されると、この入力された来客者情報はユーザ端末20から顔認証システム10のオフィス受付システム12に送信される(
図5の(1))。オフィス受付システム12のプロセッサ12aは、オフィス社員のユーザ端末20から来客者情報を来客者情報受付手段50により受け付ける。この受け付けられた来客者情報はオフィス受付システム12のメモリ12bに記録される。そして、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは、予約完了情報を予約完了情報送信手段62により来客者のユーザ端末30に送信する(
図5の(2))。このことにより、来客者のユーザ端末30には、予約完了メッセージおよび来客者がオフィスに訪問する日時に係る情報がプッシュ通知される。
【0040】
その後、来客者がオフィスのエントランスに到達すると、来客者はエントランスにあるPCタブレット等の撮像装置40の画面で顔認証ボタンをタップする。そして、この撮像装置40に顔をかざすと、撮像装置40のカメラにより来客者の顔が撮像される。なお、上述したように、来客者は撮像装置40を操作しなくても顔をかざすだけで撮像装置40のカメラにより来客者の顔が撮像されるようになっていてもよい。撮像装置40は、カメラにより撮像された来客者の顔画像データに基づいて、所定のハッシュ関数によりハッシュ値を抽出する。このようなハッシュ値は来客者の顔画像の特徴量として用いられる。また、撮像装置40に取り付けられている体温検知装置42(具体的には、例えばサーモカメラ)により来客者の体温が検知される。
【0041】
来客者の顔が撮像装置40のカメラにより撮像されると、この来客者の顔画像の特徴量に係る情報が撮像装置40から顔認証システム10の顔認証クラウド14に送信される(
図5の(3))。また、来客者の顔画像が撮像装置40により撮像された日時(以下、撮像日時ともいう)に関する情報も撮像装置40から顔認証システム10の顔認証クラウド14に送信される。また、体温検知装置42により非接触で検知された来客者の体温に関する情報が体温検知装置42から撮像装置40を介して顔認証システム10のオフィス受付システム12に送信される(
図5の(4))。
【0042】
顔認証システム10の顔認証クラウド14は、撮像装置40から来客者の顔画像の特徴量に係る情報を受け付けると、撮像装置40から受け取った来客者の顔画像の特徴量と、顔認証クラウド14に記録されている来客者の顔画像の特徴量とを比較することにより来客者の認証を行う。そして、撮像装置40から受け取った来客者の顔画像の特徴量が、顔認証クラウド14に記録されている来客者の顔画像の特徴量に略一致すれば、この来客者の氏名、来客者の識別情報および撮像日時に関する情報が顔認証クラウド14からオフィス受付システム12に送信される(
図5の(5))。
【0043】
オフィス受付システム12のプロセッサ12aは、顔認証クラウド14から送られた来客者の氏名および来客者の識別情報と、メモリ12bに記録されている来客者の氏名および来客者の識別情報とを比較する。そして、顔認証クラウド14から送られた来客者の氏名および来客者の識別情報が、メモリ12bに記録されている来客者の氏名および来客者の識別情報に略一致する場合には、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは来客者の認証を認証手段64により行う。認証手段64により来客者の認証が行われると、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは来客通知情報を来客通知情報送信手段66によりオフィス社員のユーザ端末20に送信する(
図5の(6))。また、認証手段64により来客者の認証が行われると、撮像装置40のモニタに来客者の氏名および「いらっしゃいませ ○○様」というメッセージ等が表示されてもよい。
【0044】
オフィス受付システム12のプロセッサ12aが来客通知情報を来客通知情報送信手段66によりオフィス社員のユーザ端末20に送信する際に、来客通知情報が記載されたメールがオフィス社員のユーザ端末20に送信されてもよい。あるいは、オフィス社員のユーザ端末20にインストールされているオフィス受付サービスのプログラムやアプリケーションにより来客通知情報が表示されてもよい。オフィス社員は、来客通知情報をオフィス受付システム12から受け付けると、来客者をオフィスのエントランスまで迎えに行く。このようにして、顔認証システム10において来客者が2回目以降にオフィスを訪問する際の処理が完了する。
【0045】
また、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは、体温検知装置42から撮像装置40を介して送信された来客者の体温が予め設定された値以上であるか否かを判定する。そして、来客者の体温が予め設定された値以上である場合は、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは体温異常通知送信手段68により来客者の識別情報および体温異常通知をオフィス管理システム18に送信する(
図5の(7))。この際に、オフィス受付システム12は来客者の氏名等の情報もオフィス管理システム18に送信してもよい。そして、オフィス受付システム12において、来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報が紐づけられて管理される。また、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは体温異常通知送信手段68により来客者の体温異常通知に関するメールをオフィス管理者のメールアドレス宛てに送信してもよい。
【0046】
また、来客者の体温が予め設定された値以上である場合は、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは来客通知情報を来客通知情報送信手段66によりオフィス社員のユーザ端末20に送信する際に(
図5の(6))、体温異常通知もオフィス社員のユーザ端末20に送信する。例えば、オフィス社員のユーザ端末20がスマートフォンである場合は体温異常通知がプッシュ通知で行われる。このことにより、オフィス社員は来客者の体温が予め設定された値以上であることを知ることができる。また、来客者の体温が予め設定された値以上である場合は、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは体温異常通知送信手段68により体温異常通知を来客者のユーザ端末30に送信し(
図5の(8))、このユーザ端末30の顔認証アプリの画面に体温が高い旨のメッセージを表示させる。例えば、来客者のユーザ端末30がスマートフォンである場合は体温異常通知がプッシュ通知で行われる。このことにより、来客者に対する体温異常通知を行わせることができる。
【0047】
以上のような構成からなる、本実施の形態に係る、顔認証システム10により行われる顔認証方法によれば、来客者が初めてオフィスを訪問する前に来客者情報を事前に登録する際に、来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報を顔認証システム10が受け付けると、受け付けた来客者の登録情報を顔認証システム10に記録する。また、オフィスのエントランスに設置された撮像装置40により撮像された来客者の顔画像に関する情報を顔認証システム10が受け付けると、顔認証システム10が、撮像装置40により撮像された来客者の顔画像に関する情報と記録されている来客者の顔画像に関する情報とを比較することにより来客者の認証を行い、顔認証システム10において来客者の認証が行われると、顔認証システム10が来客通知情報をオフィス社員のユーザ端末20に送信する。さらに、オフィスのエントランスに設置された体温検知装置42により検知された来客者の体温に関する情報を顔認証システム10が受け付け、この受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、顔認証システム10が体温異常通知をオフィス管理システム18に送信する。このような顔認証方法によれば、顔認証を活用して来客者がオフィスに到達したことをオフィス社員に自動的に通知することができるため利便性を高めることができる。また、来客者の体温が予め設定された値以上である場合にはこの情報を管理することができる。具体的には、来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、例えば来客者が保持するウイルスによりオフィスで感染拡大が生じてしまうおそれがあるが、体温異常通知をオフィス管理システム18に送信することによって来客者の体温異常状態をオフィス管理システム18で管理することができるため、来客者がウイルスを保持している可能性がある場合にこの情報を管理することができる。
【0048】
また、本実施の形態に係る顔認証方法によれば、顔認証システム10が受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、来客者の認証により得られる来客者の識別情報をオフィス管理システム18に送信し、オフィス管理システム18により来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報を紐づけて管理させる。この場合には、例えばウイルス感染症のクラスターがオフィスで発生した場合に、オフィス管理システム18により管理されている来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報に基づいて、感染元や濃厚接触者等の情報を追跡することができるようになる。
【0049】
また、本実施の形態に係る顔認証方法によれば、来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに初回登録設定情報が記載されたメールを顔認証システム10が送信する際に、メールに記載される初回登録設定情報には、来客者のユーザ端末30への顔認証アプリのインストールに必要な情報が含まれ、顔認証アプリにより来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報が顔認証システム10に送られるようになっている。また、顔認証システム10が受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には顔認証システム10が体温異常通知を顔認証アプリがインストールされた来客者のユーザ端末30に送信することによって顔認証アプリにより来客者に対する体温異常通知を行わせる。この場合には、来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、ユーザ端末30の顔認証アプリによって来客者は自分の体温が予め設定された値以上であることを知ることができる。
【0050】
また、本実施の形態に係る顔認証システム10は、来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報を受け付ける来客者登録情報受付手段54と、来客者登録情報受付手段54により受け付けた来客者の登録情報を記録する顔認証クラウド14と、オフィスのエントランスに設置された撮像装置40により撮像された来客者の顔画像に関する情報およびオフィスのエントランスに設置された体温検知装置42により検知された来客者の体温に関する情報を受け付けると、撮像装置40により撮像された来客者の顔画像に関する情報と記録されている来客者の顔画像に関する情報とを比較することにより来客者の認証を行う認証手段64と、来客者の認証が行われると、来客通知情報をオフィス社員のユーザ端末20に送信する来客通知情報送信手段66と、受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、体温異常通知をオフィス管理システム18に送信する体温異常通知送信手段68とを備えている。このような顔認証システム10によれば、顔認証を活用して来客者がオフィスに到達したことをオフィス社員に自動的に通知することができるため利便性を高めることができる。また、来客者の体温が予め設定された値以上である場合にはこの情報を管理することができる。具体的には、来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、例えば来客者が保持するウイルスによりオフィスで感染拡大が生じてしまうおそれがあるが、体温異常通知をオフィス管理システム18に送信することによって来客者の体温異常状態をオフィス管理システム18で管理することができるため、来客者がウイルスを保持している可能性がある場合にこの情報を管理することができる。
【0051】
また、本実施の形態では、プロセッサ12aにより実行される、顔認証システム10により顔認証方法を行うためのプログラムおよびこのプログラムが記録された記録媒体が用いられる。ここで、プロセッサ12aがプログラムを実行することにより、来客者が初めてオフィスを訪問する前に来客者情報を事前に登録する際に、来客者の顔画像に関する情報を含む来客者の登録情報を顔認証システム10が受け付けると、受け付けた来客者の登録情報を顔認証システム10に記録する。また、オフィスのエントランスに設置された撮像装置40により撮像された来客者の顔画像に関する情報を顔認証システム10が受け付けると、顔認証システム10が、撮像装置40により撮像された来客者の顔画像に関する情報と記録されている来客者の顔画像に関する情報とを比較することにより来客者の認証を行い、顔認証システム10において来客者の認証が行われると、顔認証システム10が来客通知情報をオフィス社員のユーザ端末20に送信する。さらに、オフィスのエントランスに設置された体温検知装置42により検知された来客者の体温に関する情報を顔認証システム10が受け付け、この受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、顔認証システム10が体温異常通知をオフィス管理システム18に送信する。このようなプログラムおよび記録媒体によれば、顔認証を活用して来客者がオフィスに到達したことをオフィス社員に自動的に通知することができるため利便性を高めることができる。また、来客者の体温が予め設定された値以上である場合にはこの情報を管理することができる。具体的には、来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、例えば来客者が保持するウイルスによりオフィスで感染拡大が生じてしまうおそれがあるが、体温異常通知をオフィス管理システム18に送信することによって来客者の体温異常状態をオフィス管理システム18で管理することができるため、来客者がウイルスを保持している可能性がある場合にこの情報を管理することができる。
【0052】
なお、本発明による顔認証方法や顔認証システムは、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0053】
例えば、上記の説明では、撮像装置40は、カメラにより撮像された来客者の顔画像データに基づいて、所定のハッシュ関数によりハッシュ値を抽出し、このようなハッシュ値を来客者の顔画像の特徴量として用いている。そして、来客者の顔画像の特徴量が撮像装置40から顔認証システム10の顔認証クラウド14に送信されるようになっている。しかしながら、他の態様では、撮像装置40により撮像された来客者の顔画像データがそのまま撮像装置40から顔認証システム10の顔認証クラウド14に送信されてもよい。この場合は、顔認証クラウド14は、撮像装置40から送信された来客者の顔画像データに基づいて、所定のハッシュ関数によりハッシュ値を抽出し、このようなハッシュ値を来客者の顔画像の特徴量として用いる。
【0054】
また、別の態様として、来客者のユーザ端末30において用いられる顔認証アプリは、ユーザ端末30のカメラにより撮像された来客者の顔画像データそのものを顔認証システム10の顔認証クラウド14に送信にする代わりに、ユーザ端末30のカメラにより撮像された来客者の顔画像データに基づいて、所定のハッシュ関数によりハッシュ値を特徴量として抽出し、抽出された来客者の顔画像の特徴量を顔認証システム10の顔認証クラウド14に送信してもよい。この場合は、顔認証クラウド14は、ユーザ端末30から来客者の顔画像の特徴量を含む登録情報を受け付けると、来客者の識別情報(例えば、識別番号)の割り当てを行う。そして、来客者の氏名、生年月日、性別、メールアドレス、電話番号、パスワード等の情報、および来客者の顔画像の特徴量に係る情報が、来客者の識別情報に関連付けられて顔認証クラウド14に記録される。
【0055】
また、更に別の態様として、撮像装置40により撮像された来客者の顔画像データがそのまま撮像装置40から顔認証クラウド14に送信される場合に、顔認証クラウド14は、撮像装置40から送信された来客者の顔画像データと、顔認証クラウド14に記録されている来客者の顔画像データとを比較してもよい。この場合には、顔認証クラウド14は、撮像装置40から受け取った来客者の顔画像データが、顔認証クラウド14に記録されている来客者の顔画像データに略一致すれば、この来客者の氏名、来客者の識別情報および撮像日時に関する情報が顔認証クラウド14からオフィス受付システム12に送信される。
【0056】
また、体温検知装置42により来客者の体温が検知され、この来客者の体温に係る情報が体温検知装置42から撮像装置40を介して顔認証システム10に送信されたときに、顔認証システム10が受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、来客者の認証により得られる来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報が顔認証システム10からオフィス管理システム18に送信されることに加えて、あるいは来客者の認証により得られる来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報が顔認証システム10からオフィス管理システム18に送信される代わりに、顔認証システム10において来客者の認証により得られる来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報を紐づけて管理してもよい。具体的には、顔認証システム10が受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、来客者の認証により得られる来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報がオフィス受付システム12のメモリ12bに記録されてもよい。この場合でも、例えばウイルス感染症のクラスターがオフィスで発生した場合に、顔認証システム10により管理されている来客者の識別情報および来客者の体温に関する情報に基づいて、感染元や濃厚接触者等の情報を追跡することができるようになる。
【0057】
また、来客者の体温が予め設定された値以上である場合に、ユーザ端末30の顔認証アプリの画面に体温が高い旨のメッセージを表示させる代わりに、オフィス受付システム12のプロセッサ12aは体温異常通知を来客者情報に含まれる来客者のメールアドレスに送信するようにしてもよい。この場合にも、来客者に対する体温異常通知を行わせることができる。
【課題】顔認証を活用して来客者がオフィスに到達したことをオフィス社員に自動的に通知することができるため利便性が高く、しかも来客者の体温が予め設定された値以上である場合にこの情報を管理することができる顔認証方法、顔認証システム、プログラムおよび記録媒体を提供する。
【解決手段】オフィスのエントランスに設置された撮像装置40により撮像された来客者の顔画像に関する情報を顔認証システム10が受け付け、顔認証システム10において来客者の認証が行われると、顔認証システム10が来客通知情報をオフィス社員のユーザ端末20に送信する。また、体温検知装置42により検知された来客者の体温に関する情報を顔認証システム10が受け付け、受け付けた来客者の体温が予め設定された値以上である場合には、顔認証システム10が体温異常通知をオフィス管理システム18に送信する。