(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
扁平直方体形状を有して石鹸が収納される箱本体と、該箱本体の正面に設けられた正面側フラップと、該箱本体の両側面に設けられたサイドフラップと、を備え、前記正面側フラップと前記サイドフラップとが前記箱本体において同一方向の端部に設けられた石鹸収納箱であって、
前記正面は、前記側面よりも大きい面積を有し、
前記正面側フラップは、該正面側フラップが折り畳まれた状態において前記箱本体の内部で前記石鹸が接触する接触面を有し、該接触面は長手方向両端から長手方向中央へ向けて水切り凹部を備え、
前記サイドフラップは、前記側面から該サイドフラップの端部に向かって略半楕円形状を有するとともにその端部には石鹸を支持するためのサポート凹部が設けられ、
さらに前記サイドフラップには、少なくとも前記サポート凹部よりも側面方向に位置して互いに対抗する2箇所の切り込み部が設けられ、
前記箱本体には、該箱本体を前記接触面と略平行方向に切断するための切断線が設けられ、
当該石鹸収納箱は、前記両サイドフラップが折り畳まれた状態において前記箱本体の内部で該サイドフラップに設けられた前記サポート凹部と前記石鹸との間に前記接触面が位置する場合には石鹸が収納される箱として機能し、
当該石鹸収納箱は、前記両サイドフラップが折り畳まれた状態において前記箱本体の内部で該サイドフラップに設けられた2箇所の切り込み部と前記接触面とが係合して前記サポート凹部と前記石鹸との間に前記接触面が位置しておらず、且つ、前記切断線により前記箱本体が切断された場合には前記接触面に石鹸が載置されるトレーとして機能することを特徴とする石鹸収納箱。
【背景技術】
【0002】
一般的な固形石鹸は白色や単色のものが多く、それらは紙やフィルムなどの包装材で包まれて販売されている。そして昨今では固形石鹸にデザイン性を施すことで石鹸本来の役割にプラスして新たな付加価値を有するものも増えている。
【0003】
例えば石鹸製造業者などは石鹸を透明にしたりあるいは2色以上にしたりすることで、需要者の視覚を意識した様々な工夫を行っている。これらデザイン性を有する石鹸は、従来の紙などの包装材ではなく、視覚性を重視するために石鹸一個に対して個別の収納箱(例えば透明な収納箱)に収納されて販売される場合が多い。
【0004】
しかしながらこれらの収納箱は石鹸の専用箱として作られるものであるため、他の使用用途はほとんどなく、当該石鹸を使用する際には多くの場合処分されてしまう。一方で昨今では、この収納箱を石鹸使用時に石鹸置きや石鹸トレーとして再利用する工夫もなされている。
【0005】
例えば特許文献1には、石鹸収納具において収納部の底面に水切り孔が設けられるとともに側壁の相対向する位置に一組の切欠き部を設け、さらに当該石鹸収納具の底板および店頭販売時の陳列板(石鹸収納具を吊るすための穴を有する板)として機能する所定の係止部材を設けることで、店頭では陳列用包装具として使用でき、且つ、石鹸を使用する際には係止部材を取り外すことで石鹸入れ(石鹸置き)としても使用できる石鹸収納具兼陳列用包装具が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には一枚の透明な合成樹脂シートを折り曲げて形成された石鹸用容器が開示されている。この石鹸用容器は石鹸の表面を覆うとともに中央が膨らんで形成された化粧シート、背面シート、湾曲構造を有する側面被覆シート、及び、背面シートが互いに重ね合わされる箇所で係合するように設けられた係止手段を備える。
【0007】
そして石鹸用容器は、係止手段と化粧シートの構造により石鹸を石鹸用容器の上部に対して若干浮いたように載置することができる。そのため、石鹸用容器は浴室や洗面所等で利用することができ、該石鹸用容器が利用される際には水でぬれた石鹸の雫を下方に集めることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、一般的な石鹸は扁平形状(例えば扁平直方体形状や扁平円柱形状など)を有していることが多い。そのため、石鹸トレーに石鹸を載置する場合には当然のことながら面積が一番大きい面(扁平面)を載置することになる。例えば石鹸の扁平面ではない面を載置しようとすると一般的な石鹸トレーでは安定性を確保することができず、また、安定性を確保しようとすると石鹸トレーの構造が複雑化してしまう。さらには石鹸箱をトレーとして再利用する場合には箱自体の構造がより一層複雑化するおそれがある。
【0010】
そして一般家庭において石鹸トレーは風呂場や洗面所などで利用されることが多い。この場合、石鹸トレーを置くためのスペースを確保しなければならない。つまり、洗面所などでは必ずしもスペースに余裕があるわけではない。
【0011】
上記の通り特許文献1の技術を利用すれば石鹸収納具兼陳列用包装具を実現することができる。しかしながら特許文献1の石鹸収納具兼陳列用包装具では上記スペース確保の問題は解決できない。同様に特許文献2の石鹸用容器についても販売時の容器を再利用することはできるが、当該石鹸用容器は石鹸の扁平面を載置する構造であるためスペース確保の問題は解決できない。
【0012】
本発明は上記従来技術の課題に鑑みて行われたものであって、その目的は販売時においては石鹸を収納するための収納箱として機能し、且つ、その後の簡単な組み換え作業によって省スペース化が実現できる石鹸トレー機能を有する石鹸収納箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係る石鹸収納箱は、
扁平直方体形状を有して石鹸が収納される箱本体と、該箱本体の正面に設けられた正面側フラップと、該箱本体の両側面に設けられたサイドフラップと、を備え、前記正面側フラップと前記サイドフラップとが前記箱本体において同一方向の端部に設けられた石鹸収納箱であって、
前記正面は、前記側面よりも大きい面積を有し、
前記正面側フラップは、該正面側フラップが折り畳まれた状態において前記箱本体の内部で前記石鹸が接触する接触面を有し、該接触面は長手方向両端から長手方向中央へ向けて水切り凹部を備え、
前記サイドフラップは、前記側面から該サイドフラップの端部に向かって略半楕円形状を有するとともにその端部には石鹸を支持するためのサポート凹部が設けられ、
さらに前記サイドフラップには、少なくとも前記サポート凹部よりも側面方向に位置して互いに対抗する2箇所の切り込み部が設けられ、
前記箱本体には、該箱本体を前記接触面と略平行方向に切断するための切断線が設けられ、
当該石鹸収納箱は、前記両サイドフラップが折り畳まれた状態において前記箱本体の内部で該サイドフラップに設けられた前記サポート凹部と前記石鹸との間に前記接触面が位置する場合には石鹸が収納される箱として機能し、
当該石鹸収納箱は、前記両サイドフラップが折り畳まれた状態において前記箱本体の内部で該サイドフラップに設けられた2箇所の切り込み部と前記接触面とが係合して前記サポート凹部と前記石鹸との間に前記接触面が位置しておらず、且つ、前記切断線により前記箱本体が切断された場合には前記接触面に石鹸が載置されるトレーとして機能することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る石鹸収納箱において、
当該石鹸収納箱には前記箱本体の背面に設けられた背面側フラップを備え、該背面側フラップと前記正面側フラップと前記サイドフラップとは該箱本体において同一方向の端部に設けられ、
前記背面側フラップには、前記箱本体における背面から該背面側フラップを切り離すための切り取り線が設けられ、
当該石鹸収納箱は、前記両サイドフラップが折り畳まれた状態において前記箱本体の内部で該サイドフラップに設けられた2箇所の切り込み部と前記接触面とが係合して前記サポート凹部と前記石鹸との間に前記接触面が位置しておらず、且つ、前記切り取り線により前記背面側フラップが切り取られるとともに前記切断線により前記箱本体が切断された場合には前記接触面に石鹸が載置されるトレーとして機能することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る石鹸収納箱において、
前記両側面には、当該石鹸収納箱と該石鹸収納箱が載置される載置面との間に隙間をつくるための水はけ凸部が設けられていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る石鹸収納箱において、
前記正面および背面には、当該石鹸収納箱と前記載置面との間に隙間をつくるための水はけ凸部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、石鹸収納箱に所定形状の正面側フラップ、サイドフラップを設けることで、該サイドフラップの簡単な組み換え作業等によって当該石鹸収納箱を省スペース化が可能な石鹸トレーとして利用できる効果を奏する。
【0018】
つまり本発明に係る石鹸収納箱では、簡単な組み換え作業によって石鹸の扁平面に対して略垂直方向に該石鹸を載置できる石鹸トレー機能が得られるとともに、さらにこの構造では所定位置(石鹸収納箱の内部において箱本体側面の隣)にサイドフラップが設けられるので石鹸の自立を補助して載置された石鹸を安定的に維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の石鹸収納箱について図面を用いて説明するが、本発明の趣旨を超えない限り何ら以下の例に限定されるものではない。
【0021】
図1には本発明の実施形態に係る石鹸収納箱の概略イメージ図を示す。本実施形態に係る石鹸収納箱は、石鹸を収納するための収納箱として機能するとともにその後の簡単な組み換え作業によって石鹸トレーとしても機能するものである。
【0022】
なお、本明細書では石鹸収納箱が石鹸トレーとして機能する際に当該石鹸収納箱がテーブルや洗面台などの載置面に載置される方向を下方(下方向)と表現している。また、本実施形態では、当該石鹸収納箱において蓋に相当する構成(および同等の機能を有する構成)をフラップと表現している。
【0023】
同図に示すように本実施形態に係る石鹸収納箱10は、石鹸が収納される箱本体20と、該箱本体20における正面22の鉛直下方位置に設けられて折り畳まれた正面側フラップ32と、該箱本体20における背面24の鉛直下方位置に設けられて折り畳まれた背面側フラップ34と、該箱本体20における右側面26の鉛直下方位置に設けられて折り畳まれたサイドフラップ36と、同じく左側面28の鉛直下方位置に設けられて折り畳まれたサイドフラップ38と、含んで構成されている。
【0024】
つまり、本実施形態に係る石鹸収納箱10は、正面側フラップ32と背面側フラップ34と両サイドフラップ36、38とが箱本体20において同一方向のそれぞれの端部に設けられている。
【0025】
また、箱本体20は背面24の上方位置に設けられて折り畳まれた上方背面側フラップ44と、右側面26の上方位置に設けられて折り畳まれた上方サイドフラップ46と、同じく左側面28の上方位置に設けられて折り畳まれた上方サイドフラップ48と、を備えている(これらを合わせて上方フラップとも呼ぶ)。
【0026】
本実施形態ではこれら上方フラップ方向から石鹸が箱本体20へ収納される。なお、本実施形態における上方フラップは
図1に示された形状に限定されず、どのような形状でも構わない。
【0027】
また、
図1では当該石鹸収納箱10の特徴を分かりやすく説明するために、収納箱における一般的な形状等については説明を省略し、また、本発明に係る各構成は実際よりも大きく表現されている。さらに箱本体20の内部を分かりやすくするために該箱本体20の内部に位置する両サイドフラップ(36、38)は細点線で表現し、正面側フラップ32は粗点線で表現している。
【0028】
箱本体20は、扁平直方体形状を有している。箱本体20には例えば扁平直方体形状や扁平円柱形状の固形石鹸が収納される。本実施形態における箱本体20では正面22および背面24の形状は略同一である。例えば、正面22および背面24の長手方向における大きさは6cm〜10cm程度である。また、正面22および背面24の短手方向における大きさは4cm〜8cm程度である。
【0029】
同様に右側面26および左側面28の形状は略同一である。例えば、右側面26および左側面28の長手方向における大きさは6cm〜10cm程度である。また、右側面26および左側面28の短手方向における大きさは2cm〜4cm程度である。
図1に示すように本実施形態における正面22および背面24は、右側面26および左側面28よりも大きい面積を有している。
【0030】
箱本体20には、該箱本体20を切断するための切断線20aが設けられている。切断線20aは例えばミシン目などの加工を施したミシン線や切断しやすいように強度が調整された線である。また、
図1では切断線20aは1本線状で表現されているが、例えば切断線20aを2本形成し、幅を持たせて切断しやすいようにすることもできる。
【0031】
本実施形態では、例えば
図2に示すように石鹸収納箱10と該石鹸収納箱10が載置される載置面との間に隙間をつくるための水はけ凸部(22a、24a、26a、28a)を設けることもできる。具体的には、正面22の下端には水はけ凸部22aが設けられ、背面24の下端には水はけ凸部24aが設けられている。同様に、右側面26の下端には水はけ凸部26aが設けられ、左側面28の下端には水はけ凸部28aが設けられている。
【0032】
このように箱本体20に水はけ凸部を設けることで、当該石鹸収納箱10の視認性を向上させる効果が期待できるとともに、後述する石鹸トレー使用時には水はけを向上させることができる。また、箱本体20に水はけ凸部があることで、石鹸収納箱10を載置する際に該石鹸収納箱10の上下を簡単に認識することもできる。
【0033】
図3には、本実施形態に係る石鹸収納箱に石鹸が収納されているイメージ図を示す。
図3に示すように例えば扁平円柱形状の固形石鹸が箱本体20に収納されている場合には、水はけ凸部により石鹸収納箱10においてどちらの面を載置面に載置すれば良いか誰でも直感的に認識することができる。
【0034】
図1に示された正面側フラップ32は、該正面側フラップ32が折り畳まれた状態において箱本体20の内部で石鹸が接触する接触面32aを有する。また、接触面32aには長手方向両端から長手方向中央へ向けて水切り凹部32bが設けられている。
【0035】
正面側フラップ32は折り畳まれていない状態では
図4に示すように正面22の鉛直下方位置に該正面22に一体化するように設けられている。この形状からも分かるように接触面32aは箱本体20の内部で折り畳まれた状態では該箱本体20の下端位置から5mm〜15mm程度空間を有して位置することになる(
図1を参照)。
【0036】
背面側フラップ34は、折り畳まれた状態において箱本体20の最下端に位置している。また、背面側フラップ34には、箱本体20における背面24下端から該背面側フラップ34を切り離すための切り取り線34aが設けられている。つまり、この背面側フラップ34は後述する組み換え作業時に背面24から切り離されることになる。この切り取り線34aは、箱本体20が備える切断線20aと同様に例えばミシン目などの加工を施したミシン線や切断しやすいように強度が調整された線である。
【0037】
背面側フラップ34は折り畳まれていない状態では
図5に示すように背面24の鉛直下方位置に該背面24に一体化するように設けられている。この形状からも分かるように背面側フラップ34は折り畳まれた状態で箱本体20において最下端に位置しているため、箱本体20に石鹸が収納された状態でも背面側フラップ34と石鹸とが接触することはない(
図1を参照)。
【0038】
サイドフラップ36には、右側面26から該サイドフラップ36の端部に向かって略半楕円形状を有するとともにその端部にはトレー使用時において石鹸を支持するためのサポート凹部36aが設けられている。サポート凹部36aは、後述する石鹸トレー使用時において特徴的な機能を発揮することになる。またサイドフラップ36には、少なくともサポート凹部36aよりも側面26方向に位置して互いに対抗する2箇所の切り込み部36b、36cが設けられている。
【0039】
同様にサイドフラップ38には、左側面28から該サイドフラップ38の端部に向かって略半楕円形状を有するとともにその端部にはサポート凹部38aが設けられている。またサイドフラップ38には、少なくともサポート凹部38aよりも側面28方向に位置して互いに対抗して2箇所の切り込み部38b、38cが設けられている。
【0040】
サイドフラップ36は折り畳まれていない状態では
図6に示すように右側面26の鉛直下方位置に該右側面26に一体化するように設けられている。同様にサイドフラップ38は折り畳まれていない状態では左側面28の鉛直下方位置に該左側面26に一体化するように設けられている。
【0041】
また、
図1では両サイドフラップ36、38が折り畳まれた状態において重なっていない大きさで構成されているが、例えば折り畳まれた状態において両サイドフラップ36、38の端部が重なるように構成することもできる。
【0042】
このように本実施形態に係る石鹸収納箱10は、箱本体20の鉛直下方位置にそれぞれ特徴的な形状を有する正面側フラップ22、背面側フラップ34、および両サイドフラップ36、38が設けられている。本実施形態に係る石鹸収納箱10は概略以上のように構成されている。
【0043】
なお、本実施形態では例えば背面側フラップ34を有しない構造の石鹸収容箱10であっても後述する本発明の効果(収納箱として機能するとともにその後の簡単な組み換え作業によって石鹸トレーとしても機能する効果)を得ることができる。
【0044】
石鹸トレーについて
次に本実施形態における石鹸収納箱10の石鹸トレー機能について説明する。上述のとおり本実施形態に係る石鹸収納箱10は、石鹸を収納するための石鹸箱として機能することに加えて、その後の簡単な組み換え作業によって石鹸トレーとしても機能するものである。
【0045】
図7には、本実施形態に係る石鹸トレーの概略イメージ図を示す。同図に示すように本実施形態に係る石鹸トレー100は、箱本体20の上部(上方フラップ側)が切断線20aによって接触面32aと略平行方向に切断されているとともに、背面側フラップ34が切り取り線34aによって切り取られている。つまり、
図7における箱本体20は上端および下端がともに開口した状態となっている。
【0046】
そして、
図7に示すようにサイドフラップ36は箱本体20の内部において右側面26に隣接して略直立状態で設けられ、サイドフラップ38は箱本体20の内部において左側面28に隣接して略直立状態で設けられている。
【0047】
具体的には、サイドフラップ36を直立方向へ移動させて該サイドフラップ36の切り込み部36b、36cに接触面32aの一部が貫通するように(接触面32aが切り込み部36b、36cに入り込むように)組み替える。
【0048】
同様に、サイドフラップ38を直立方向へ移動させて該サイドフラップ38の切り込み部38b、38cに接触面32aの一部が貫通するように(接触面32aが切り込み部38b、38cに入り込むように)組み替える。
【0049】
つまり、本実施形態ではこの簡単な組み換え作業によって切り込み部36b、36c、38b、38cと接触面32aとを係合させているのである。本実施形態では、このような組み換え作業によって石鹸トレー100が完成する。
図7に示される石鹸トレー100では石鹸が接触面32aの上方に載置されることになる。
【0050】
本実施形態ではこのように切り込み部(36b、36c、38b、38c)と接触面32aとが係合することで、石鹸が接触面32aに載置された際の強度を確保することができる。石鹸はこのサイドフラップ36およびサイドフラップ38の間に載置されることになる。
【0051】
ここで
図1と
図7とを比較してみると、石鹸収納箱10は、両サイドフラップ36、38が折り畳まれた状態において箱本体20の内部で該サイドフラップ36、38に設けられたサポート凹部36a、38aと石鹸との間に接触面32aが位置する場合には石鹸が収納される箱として機能する(
図1)。
【0052】
そして石鹸収納箱10は、両サイドフラップ36、38が折り畳まれた状態において箱本体20の内部で該サイドフラップ36、38に設けられたそれぞれ2箇所の切り込み部(36b、36c、38b、38c)と接触面32aとが係合してサポート凹部36a、38aと石鹸との間に接触面32aが位置しておらず、且つ、切り取り線34aにより背面側フラップ34が切り取られるとともに切断線20aにより箱本体20が切断された場合には接触面32aに石鹸が載置されるトレーとして機能するのである(
図7)。
【0053】
図8には、本実施形態に係る石鹸トレーに石鹸が載置されているイメージ図を示す。同図に示すようにサイドフラップ36、38の間に石鹸が位置することで、石鹸の自立を安定的に保持することができる。
【0054】
さらに本実施形態では、サイドフラップ36(およびサイドフラップ38)にはサポート凹部36a(およびサポート凹部38a)が設けられている。このサポート凹部36aは、例えば使用によって石鹸の形状が変形した場合(あるいは石鹸が使用によって小さくなった場合)に当該石鹸の自立をサポートする役割を果たすことができる。
【0055】
このサポート凹部が設けられていない場合、変形した石鹸は石鹸トレー100の正面方向または背面方向に倒れてしまうこととなる。一方で本実施形態ではサポート凹部により、変更した石鹸をしっかりと支持するとともに該サポート凹部は当該石鹸の重心位置を中心へと導く効果も期待できる。
【0056】
図9に示すように、本実施形態ではサイドフラップ36、38にサポート凹部36a、38aを設けることで変形してしまった石鹸もしっかりと支持することができ、その結果、当該石鹸を安定的に自立させることができる。
【0057】
次に本実施形態に係る石鹸トレーの組み立ての流れについて説明する。
図10には本実施形態に係る石けんトレーの組み立てイメージ図を示す。まず、箱本体20(背面24)から切断線34aに沿って背面側フラップ34を切り取るとともに箱本体20の上部を切断線20aに沿って切断する(
図10(a))。
【0058】
そして、サイドフラップ36、38を直立方向に移動させて切り込み部(36b、36c、38b、38c)に接触面32aを差し込むことで、すなわち簡単な組み換え作業によって本実施形態に係る石鹸トレー100が完成する(
図10(b))。
【0059】
さらに
図10(c)に示すように石鹸トレー100を上部から見ると、サイドフラップ36、38は石鹸の大きさに合わせて可動できる構成になっていることが分かる。つまり、石鹸トレー100にサイドフラップを設けていない場合には石鹸は石鹸トレー100内部で隙間を有することから動いてしまうため安定した自立が困難である一方、本実施形態ではこのサイドフラップ36、38(およびサポート凹部36a、38a)によって石鹸がしっかりと固定されるのである。
【0060】
また、本実施形態に係る石鹸収納箱は1枚のシート材料によって製作することができる。このシート材料には例えばプラスチック材料や樹脂材料を利用することができる。
図11には本実施形態に係る石鹸収納箱の展開図を示す。同図に示すように本実施形態に係る特徴的な石鹸収納箱10は、このような展開図を利用することで大量生産することができる。また、石鹸収納箱10は1枚のシート材料から構成されているので、製造ロスも少なく経済的に製作することができる。
【0061】
このように本発明によれば、石鹸収納箱10にそれぞれ特徴的な所定形状の正面側フラップ32、背面側フラップ34、サイドフラップ36、38を設けることで、簡単な組み換え作業によって石鹸の扁平面に対して略垂直方向に該石鹸を載置できる石鹸トレー機能が得られるとともに、さらにこの構造では所定位置(石鹸収納箱の内部において箱本体側面の隣)にサイドフラップ36、38が設けられるので石鹸の自立を補助して石鹸を安定的に保持することができる。その結果、石鹸収納箱の再利用ととともに石鹸トレーの省スペース化を実現することができる。
【0062】
また、本実施形態では石鹸を収納するための石鹸収納箱について説明したが、例えば
図11に示された展開図の大きさを変えることで他の用途に利用できる収納箱を得ることもできる。
【解決手段】石鹸収納箱10は、両サイドフラップ36、38が折り畳まれた状態において箱本体20内部でサイドフラップ36、38に設けたサポート凹部36a、38aと石鹸との間に接触面32aが位置する場合には石鹸が収納される箱として機能する。そして石鹸収納箱10は、両サイドフラップ36、38が折り畳まれた状態において箱本体20内部でサイドフラップ36、38の2箇所の切り込み部36b、36c、38b、38cと接触面32aとが係合してサポート凹部36a、38aと石鹸との間に接触面32aが位置せず、且つ、切断線20aにより箱本体20が切断された場合には接触面32aに石鹸が載置されるトレーとして機能することを特徴とする。