特許第6896314号(P6896314)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6896314エアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6896314
(24)【登録日】2021年6月11日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】エアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具
(51)【国際特許分類】
   F16L 33/26 20060101AFI20210621BHJP
   F16L 33/24 20060101ALI20210621BHJP
   F24F 1/32 20110101ALI20210621BHJP
   F16L 19/05 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
   F16L33/26
   F16L33/24
   F24F1/32
   F16L19/05
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-560442(P2020-560442)
(86)(22)【出願日】2019年4月11日
(65)【公表番号】特表2021-515176(P2021-515176A)
(43)【公表日】2021年6月17日
(86)【国際出願番号】KR2019004325
(87)【国際公開番号】WO2019216558
(87)【国際公開日】20191114
【審査請求日】2020年11月18日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0052875
(32)【優先日】2018年5月9日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0082891
(32)【優先日】2018年7月17日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0034934
(32)【優先日】2019年3月27日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520415443
【氏名又は名称】キム,ファン ヨン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ファン ヨン
【審査官】 竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第105299347(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0175874(US,A1)
【文献】 韓国登録特許第10−1479288(KR,B1)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2009−0004036(KR,U)
【文献】 韓国登録特許第10−1407491(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 33/26
F16L 33/24
F24F 1/32
F16L 19/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部に拡管部(10)が形成されるアルミニウム材の冷媒管(11)と、
端部に第1傾斜面(12)が形成され、外周面に第1ネジ部(13)が形成される連結ポート(14)を含むサービスバルブ(15)と、
前記第1傾斜面(12)に対応する傾斜面(31)の上端に形成される黄銅材の第1圧縮リング(23)と、
前記拡管部(10)に対応する第2−1傾斜面(24a)が内側に形成され、前記第2−1傾斜面(24a)の上部に収容側壁(24c)が延設される黄銅材の第2圧縮リング(24)と、
前記第1ネジ部(13)に対応する第2ネジ部(19)が内周面の入口側に形成され、前記第1及び第2圧縮リング(23、24)が着座する着座部(20)が前記第2ネジ部(19)の下に形成される締結具(22)を、備えるエアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具であって、
前記第1圧縮リング(23)が着座する係止段(30a)が外周面に形成され、前記収容側壁(24c)に下端が収容され、前記サービスバルブ(15)の連結ポート(14)に前記締結具(22)を締結する場合、前記締結具(22)の着座部(20)に着座した黄銅材の第1及び第2圧縮リング(23、24)の接触面が密着することにより、前記拡管部(10)に圧縮力が必要以上に加わって破損することを防止し、前記サービスバルブ(15)と前記第1圧縮リング(23)との接触面の間の隙間、前記拡管部(10)と前記第2圧縮リング(24)との接触面の間の隙間、及び前記第1及び第2圧縮リング(23,24)の間の隙間をシーリング処理し、前記黄銅材のサービスバルブ(15)及び前記第1及び第2圧縮リング(23、24)にアルミニウム材の冷媒管(11)の拡管部(10)の上面が直接接触することを遮断するためのシーリング材(30)を備え、
前記サービスバルブ(15)の第1ネジ部(13)に前記締結具(22)の第2ネジ部(19)を締結する場合、前記第2圧縮リング(24)の内周面の下端部がこれと密着する冷媒管(11)の外周面を半径方向に圧着させることにより、前記締結具(22)から前記冷媒管(11)が離脱することを防止することを特徴とする、エアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書はエアコン室外機用配管連結具に関するもので、より具体的に説明すれば、室外機のサービスバルブに冷媒管(樹脂アルミニウム配管を言う)をワンタッチ方式でシーリング状態で接合連結するためのエアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本明細書で他に表示しない限り、このセクションで説明する内容はこの出願の請求範囲に対する従来技術ではなく、このセクションに含まれると言っても従来技術と認められるものではない。
【0003】
一般的に、エアコンの冷媒配管、ガス配管などの各種の配管を所定の機械装置に連結するためには配管の連結構造が必要である。
【0004】
このような配管の連結構造は基本的に内部流体の漏水又は漏洩を防止しなければならなく、振動や外部衝撃によって弛緩されてはいけないなどの条件を満たさなければならない。
【0005】
一例として、配管の連結構造は配管の端部をラッパ管のように拡管させ、拡管部を挟んだ状態でナットとボルトを互いに結合して締め付けることにより、拡管部がボルトの先端部に密着することによって気密を維持することができる。
【0006】
図面には図示されていないが、配管(エアコンの冷媒配管)の拡管部とボルトとの間に合成樹脂材などから成形されるスリーブを介在して接合連結することになり、配管を接合連結する作業現場で作業者がナットとボルトを互いに結合して締結するとき、必要以上の力を加えて締結することになる。
【0007】
これにより、ボルトの先端部と接触するスリーブが必要以上の外力を受けて形状変形(クラック又は潰れ発生)が発生する場合、形状変形によって隙間が発生し、隙間を通して冷媒が漏出し得る問題点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書の実施例は、サービスバルブと冷媒管を接合連結するために締結させる場合、冷媒管の拡管部及びこれを支持する圧縮リングの破損によって発生する隙間を通して冷媒が漏出することを防止することができるようにした、エアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具に係わる。
【0009】
本明細書の実施例は、冷媒管を接合連結する作業経験の不足な作業者が冷媒管の拡管部及びこれを支持する圧縮リングを破損させずに容易に接合連結することができるようにした、エアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具に係わる。
【0010】
本明細書の実施例は、異種素材の圧縮リングと冷媒管が互いに接触してガルバニック(galvanic)腐食することを防止することができるようにした、エアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具に係わる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記及びその他の本明細書の目的を達成するために、本明細書の一実施例によれば、端部に拡管部が形成されるアルミニウム材の冷媒管と、端部に第1傾斜面が形成され、外周面に第1ネジ部が形成される連結ポートを含むサービスバルブと、前記第1傾斜面に対応する傾斜面の内周面の一端に形成され、内周面の他端に第1係止段が形成される第1圧縮リングと、前記拡管部に対応する第2−1傾斜面が内側に形成され、前記第2−1傾斜面の上部に収容側壁が延設される第2圧縮リングと、前記第1係止段に対応する第2係止段が外周面に形成され、前記収容側壁に下端が収容され、前記第1及び第2圧縮リングの相互密着面の間の隙間をシーリング処理し、前記第1及び第2圧縮リングと冷媒管の拡管部が互いに接触することを遮断するためのシーリング材と、前記第1ネジ部に対応する第2ネジ部が内周面の入口側に形成され、前記第1及び第2圧縮リングが着座する着座部が前記第2ネジ部の下に形成される締結具と、を備えることを特徴とするエアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具を提供する。
【0012】
前記及びその他の本明細書の目的を達成するために、本明細書の他の実施例によれば、アルミニウム材の冷媒管と、中央の貫通ホールの外側に形成される第1係止段と、前記第1係止段の外側端に形成される傾斜面と、前記傾斜面の外側端に形成される第2係止段と、外周面に第1ネジ部が形成される連結ポートとを含むサービスバルブと、前記サービスバルブの傾斜面に対応する傾斜面が外周面の一端に形成され、圧縮時に前記冷媒管と連結ポートとの間の隙間をシーリング処理するための第1圧縮リングと、前記第1圧縮リングが着座するように内周面に形成される係止段と、前記係止段の下に形成され、圧縮時に前記冷媒管の半径方向に弾性変形して冷媒管が離脱することを防止するための加圧片とを含み、前記サービスバルブの第2係止段に上端が着座する第2圧縮リングと、前記第1ネジ部に対応する第2ネジ部が内周面の入口側に形成され、中央に前記冷媒管が貫通するように形成される貫通ホールと、前記貫通ホールの内側端に形成され、前記第2圧縮リングの傾斜面に対応する傾斜面とを含む締結具とを備えることを特徴とするエアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具を提供する。
【発明の効果】
【0013】
前述した構成を有する本明細書の実施例によるエアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具は以下のような利点を有する。
【0014】
サービスバルブと冷媒管を接合連結するために締結具を螺合して締結させる場合、冷媒管の拡管部及びこれを支持する圧縮リングが必要以上の圧力で締結されて破損されることを防止することにより、隙間を通して冷媒が漏出することを防止することができる。
【0015】
また、冷媒管を接合連結する作業経験の不足な素人の場合にも冷媒管の拡管部及びこれを支持する圧縮リングを破損させずに容易に接合連結することができ、作業性を向上させることができる。
【0016】
また、異種素材からなる黄銅材の圧縮リングとアルミニウム材の冷媒管が互いに接触することを遮断することにより、ガルバニック(galvanic)腐食することを防止することができ、使用寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本明細書の好適な一実施例によるエアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具の概略図である。
図2図1に示す配管連結具の断面図である。
図3】本明細書の他の実施例によるエアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具の概略図である。
図4図3に示す配管連結具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面に基づいて本明細書の好適な実施例によるエアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具を詳細に説明する。
【0019】
図1及び図2を参照すると、本明細書の一実施例によるエアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具は、
端部に拡管部10が形成されるアルミニウム(Al)材の冷媒管11(外周面に銅材のコーティング層が形成される)と、
端部に第1傾斜面12が形成され、外周面に第1ネジ部13が形成される連結ポート14を含む室外機用サービスバルブ15と、
第1傾斜面12に対応する傾斜面31が内周面の一端に形成され、内周面の他端に第1係止段23bが形成される第1圧縮リング23と、
拡管部10に対応する第2−1傾斜面24aが内側に形成され、第2−1傾斜面24aの上部に収容側壁24cが延設される第2圧縮リング24と、
第1係止段23bに対応する第2係止段30aが外周面に形成され、収容側壁24cに下端が収容され、第1及び第2圧縮リング23、24の対応密着面間の隙間をシーリング処理し、第1及び第2圧縮リング23、24と冷媒管11の拡管部10が互いに接触することを遮断するためのシーリング材30(一例として、圧縮時に弾性変形するテフロン(登録商標)材から形成されることができる)と、
第1ネジ部13に対応する第2ネジ部19が内周面の入口側に形成され、第1及び第2圧縮リング23、24が着座する着座部20が第2ネジ部19の下に形成される締結具22と、を備える。
【0020】
前述した構成を有する本明細書の一実施例によるエアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具によれば、
図1及び図2のように、拡管部10が端部に形成された冷媒管11を第1及び第2圧縮リング23、24が着座部20に着座した締結具22を用いて室外機用サービスバルブ15に気密状態で接合連結する場合、異種素材から形成されたアルミニウム材の冷媒管11の拡管部10と黄銅材の第1及び第2圧縮リング23、24が互いに接触することによってガルバニック(galvanic)腐食することを防止することができる。
【0021】
これを詳細に説明すれば、拡管部10が端部に形成された冷媒管11を締結具22に貫通させ、拡管部10を第2圧縮リング24の第2−1傾斜面24aに密着させ、第2圧縮リング24を締結具22の着座部20に着座させる。
【0022】
サービスバルブ15の連結ポート14の端部に形成された第1傾斜面12にこれに対応するように形成された第1圧縮リング23の傾斜面31を密着させ、第1圧縮リング23の内周面に形成された第1係止段23bにこれに対応するように形成されたシーリング材30の第2係止段30aを密着させる。
【0023】
シーリング材30が結合された第1圧縮リング23を締結具22の着座部20に着座させる場合、シーリング材30の下端は第2圧縮リング24の収容側壁24cに収容される。
【0024】
したがって、サービスバルブ15の第1ネジ部13にこれに対応するように形成された締結具22の第2ネジ部19を螺合させて締結する場合、テフロン材から形成されたシーリング材30が弾性変形する。
【0025】
前述したように、サービスバルブ15に締結具22を螺合して締結させることにより、サービスバルブ15の連結ポート14に冷媒管11を気密状態で接合連結することができる。
【0026】
すなわち、サービスバルブ15の第1ネジ部13にこれに対応する締結具22の第2ネジ部19を螺合させて締結する場合、連結ポート14の第1傾斜面12に第1圧縮リング23の傾斜面31が密着して隙間を1次にシーリング処理し、冷媒管11の拡管部10に第2圧縮リング24の第2−1傾斜面24aが密着して隙間を2次にシーリング処理し、連結ポート14の底面とシーリング材30の上面が密着して隙間を3次にシーリング処理することができる。
【0027】
また、サービスバルブ15の第1ネジ部13に締結具22の第2ネジ部19を螺合させて締結する場合、冷媒管11の外側面と密着する第2−1傾斜面24aの端部が冷媒管11の半径方向に圧縮されて(図2に仮想線で図示)弾性変形することによって冷媒管11の外周面を圧着させるようになる。これにより、締結具22から冷媒管11が離脱することを防止することができる。
【0028】
また、シーリング材30によって第1及び第2圧縮リング23、24と冷媒管11の拡管部10が互いに接触することを遮断させることにより、黄銅材から形成された第1及び第2圧縮リング23、24とアルミニウム材から形成された冷媒管11の拡管部10が互いに接触する場合、異種素材の接触によってガルバニック腐食することを防止することができる。
【0029】
一方、サービスバルブ15の連結ポート14に締結具22を結合して締結する場合、締結具22の着座部20に着座した黄銅材の第1及び第2圧縮リング23、24が密着するので、テフロン材のシーリング材30に圧縮力が必要以上に加わって破損(必要以上の圧縮力が加わって破裂されることを言う)することを防止することができる。
【0030】
前述したように、本明細書の一実施例によるエアコン用冷媒配管接合装置において、着座部20に第1及び第2圧縮リング23、24が着座した締結具22をサービスバルブ15の連結ポート14に締結する場合、シーリング材30がサービスバルブ15の連結ポート14と冷媒管11の拡管部10との間で弾性変形することにより、第1及び第2圧縮リング23、24の間の隙間をシーリング処理し、第1及び第2圧縮リング23、24と冷媒管11の拡管部10が互いに接触することを遮断し、異種素材の接触によってガルバニック腐食することを防止することができるようになる。
【0031】
図3及び図4に示すように、本明細書の他の実施例によるエアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具によれば、
エアコン用冷媒ガスが移動するアルミニウム材の冷媒管11(外周面に銅材のコーティング層が形成される)と、
中央の貫通ホール14aの外側に形成される第1係止段14bと、第1係止段14bの外側端に形成される傾斜面14dと、傾斜面14dの外側端に形成される第2係止段14cとを含み、外周面に第1ネジ部13が形成される連結ポート14を含む室外機用サービスバルブ15と、
サービスバルブ15の傾斜面14dに対応する傾斜面aが外周面の一端に形成され、圧縮時に弾性変形して冷媒管11と連結ポート14との間の隙間をシーリング処理するための第1圧縮リングA(一例として、圧縮時に弾性変形可能なテフロン材から形成されることができる)と、
第1圧縮リングAが着座する係止段18aが内周面に形成され、圧縮時に容易に弾性変形するように外周面に凹溝18bが形成され、凹溝18bの下端に形成され、圧縮時に冷媒管11の外周面に対して半径方向に弾性変形して締結具22から冷媒管11が離脱することを防止するための加圧片18cが形成され、サービスバルブ15の第2係止段14cに上端が着座する黄銅材の第2圧縮リング18と、
第1ネジ部13に対応する第2ネジ部19が内周面の入口側に形成され、中央に冷媒管11が貫通するように形成される貫通ホール22aと、貫通ホール22aの内側端に形成され、第2圧縮リング18の加圧片18cの傾斜面に対応する傾斜面22bとを含む締結具22と、を備える。
【0032】
前述した構成を有する本明細書の他の実施例によるエアコン室外機用樹脂コーティングアルミニウム配管連結具によれば、
図3及び図4のように、前述した第1及び第2圧縮リングA、18が収容されたエアコン用サービスバルブ15に螺合される締結具22を用いて冷媒管11をサービスバルブ15に気密状態で接合連結することができる。
【0033】
これを詳細に説明すれば、第1圧縮リングAを第2圧縮リング18の内周面に形成された係止段18aに着座させて結合する。ここで、第1圧縮リングAの外周面の一端に形成された傾斜面aがサービスバルブ15の傾斜面14dに密着状態で着座し、第2圧縮リング18の上端がサービスバルブ15の第2係止段14cに着座する。
【0034】
締結具22の貫通ホール22aを貫通する冷媒管11の端部を第2圧縮リング18及び第1圧縮リングAに順次貫通させてサービスバルブ15の第1係止段14bに着座させた後、サービスバルブ15の第1ネジ部13にこれに対応する締結具22の第2ネジ部19を螺合させて締結する。
【0035】
前述した冷媒管11の端部に結合され、内部が空いているシーリング材25(圧縮時に弾性変形するテフロン材から形成される)をさらに備えることにより、サービスバルブ15の連結ポート14に締結具22を締結させる場合、冷媒管11の端部と第1係止段14bとの間で弾性変形したシーリング材25により、冷媒管11の端部とこれに密着する連結ポート14の第1係止段14bとの間の隙間を通して冷媒が漏出することを防止することができるようになる。
【0036】
前述したように、サービスバルブ15の連結ポート14に締結具22を締結する場合、第2圧縮リング18の圧縮によって弾性変形する第1圧縮リングA(圧縮時に弾性変形するテフロン材から形成される)の傾斜面aがサービスバルブ15の傾斜面14dに密着した状態で圧縮される。
【0037】
これにより、テフロン材から形成された第1圧縮リングAの傾斜面aが弾性変形し、傾斜面aの端部が冷媒管11の外周面にコートされたコーティング層を食い込んで圧縮されるので、冷媒管11の外周面とサービスバルブ15の傾斜面14dとの間の隙間を第1圧縮リングAによってシーリング処理して気密状態を維持することができる。
【0038】
また、サービスバルブ15の連結ポート14に締結具22を締結する場合、締結具22の貫通ホール22aの内側端に形成された傾斜面22bにより、これに密着する第2圧縮リング18に形成された加圧片18cを半径方向に圧縮するようになる。
【0039】
よって、加圧片18cの傾斜面の端部が弾性変形して冷媒管11の外周面に半径方向に圧着されることにより(図4に仮想線で図示)、締結具22から冷媒管11が離脱することを防止することができる。
【0040】
ここで、第2圧縮リング18の係止段18aと加圧片18cとの間に形成された円筒部(図面符号なし)の外周面に凹溝18bが形成されることにより、サービスバルブ15の連結ポート14に締結具22を締結するとき、第2圧縮リング18の加圧片18cに半径方向に加わる圧縮力を増大させることができる。
【0041】
したがって、冷媒管11の外周面に加わる第2圧縮リング18の加圧片18cの弾性変形量を増大させることができる。
【0042】
また、前述した凹溝18b及び加圧片18cに軸方向に1ヶ所以上に切開形成されるスロット18dをさらに備えることにより、サービスバルブ15の連結ポート14に対して締結具22を締結する場合、スロット18dによって第2圧縮リング18の加圧片18cで発生する弾性変形量を増大させることができる。
【0043】
ここで、前述した本明細書では好適な実施例を参照して説明したが、当該技術分野で熟練した当業者は下記の請求範囲に記載した本明細書の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本明細書を多様に修正及び変更することができることが理解可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0044】
前述した構成を有する本発明によれば、エアコン室外機のサービスバルブに冷媒管をワンタッチ方式でシーリング状態で接合連結する場合に有用に活用することができる効果がある。
【符号の説明】
【0045】
10 拡管部
11 冷媒管
12 第1傾斜面
13 第1ネジ部
14 連結ポート
15 サービスバルブ
18 第2圧縮リング
22 締結具
23 第1圧縮リング
24 第2圧縮リング
25 シーリング材
図1
図2
図3
図4