特許第6896324号(P6896324)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6896324
(24)【登録日】2021年6月11日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】光ファイバ収納用トレー
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/46 20060101AFI20210621BHJP
   G02B 6/24 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
   G02B6/46
   G02B6/24
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-236801(P2016-236801)
(22)【出願日】2016年12月6日
(65)【公開番号】特開2018-92068(P2018-92068A)
(43)【公開日】2018年6月14日
【審査請求日】2019年10月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】特許業務法人なじま特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木全 雅美
【審査官】 廣崎 拓登
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−167029(JP,A)
【文献】 特開平08−320418(JP,A)
【文献】 特開平10−232319(JP,A)
【文献】 特開平08−248238(JP,A)
【文献】 特開2006−235272(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0252472(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00 − 6/02
G02B 6/245− 6/25
G02B 6/46 − 6/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一トレー部と、第二トレー部と、第一トレー部と第二トレー部を回動可能に接続するヒンジと、を備えた光ファイバ収納用トレーであって、
第一トレー部は回動軸を中心に回動可能であり、
第二トレー部に、回動軸が上下方向に延びるように配置したときに、第一トレー部の底となる辺を上向きに支持する支持部を備えた光ファイバ収納用トレー。
【請求項2】
第二トレー部の周縁に光ファイバを規制するガイド片を備え、支持部は、ガイド片から垂直方向に延びて形成されている請求項に記載の光ファイバ収納用トレー。
【請求項3】
第二トレー部は、第一トレー部と第二トレー部とを係止したときに第一トレー部と対向する底面を備え、ガイド片は、前記底面から略垂直方向に延びた側面部と、側面部から略垂直に延びた天面部とを備え、支持部を天面部から突出させて形成した請求項に記載の光ファイバ収納用トレー。
【請求項4】
ヒンジが設けられた側面と対向する側面側に形成されたガイド片に支持部が設けられた請求項2又は3に記載の光ファイバ収納用トレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ収納用トレーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、光ファイバ収納用トレーには、トレー部同士をヒンジで接続した構成とすることが知られている。このような光ファイバ収納用トレーは回動によりトレー部を重ねた状態とすることが可能である。また、このような光ファイバ収納用トレーには、ヒンジが備えられた側面とは反対側の側面側に係止爪と係止凹部が設けられており、トレー部が重なった状態を維持することを可能としている。一方、この係止爪をヒンジから離間するように弾性変形させると、係止爪と係止凹部の係止状態が解除されるため、トレー部は回動可能な状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−167029号公報
【0004】
ところで、ヒンジで支えられているトレー部の重みや外力等により、トレーの位置がずれてしまう場合がある。これに起因して係止爪と係止凹部との係止状態が解除されてしまい、トレー部が意図せず回動してしまう虞がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明の課題は、回動軸を中心に回動可能に接続された第一トレー部と、第二トレー部とを係止可能な光ファイバ収納用トレーにおいて、第一トレー部と第二トレー部の位置ずれを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、次のような手段を採用する。第一の手段は、第一トレー部と、第二トレー部と、第一トレー部と第二トレー部を回動可能に接続するヒンジと、を備えた光ファイバ収納用トレーであって、第一トレー部は回動軸を中心に回動可能であり、第二トレー部に、第一トレー部の水平辺と係合する支持部を備えた光ファイバ収納用トレーである。
【0007】
第一の手段において、第二トレー部の周縁に光ファイバを規制するガイド片を備え、支持部は、ガイド片から垂直方向に延びて形成されている構成とすることが好ましい。
【0008】
また、ガイド片は、底面から略垂直方向に延びた側面部と、側面部から略垂直に内方向に延びた天面部とを備え、支持部を天面部から突出させて形成した構成とすることが好ましい。
【0009】
また、ヒンジが設けられた側面と対向する側面側に形成されたガイド片に支持部が設けられた構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、上下方向に延びる回動軸を中心に回動可能に接続された第一トレー部と、第二トレー部とを係止可能な光ファイバ収納用トレーにおいて、第一トレー部と第二トレー部の位置ずれを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第一トレー部が開いた状態における光ファイバ収納用トレーの斜視図である。
図2】第一トレー部が閉じた状態における光ファイバ収納用トレーの斜視図である。
図3】光ファイバ収納用トレーの側面図である。
図4】光ファイバ収納用トレーを備えたスプライスユニットの斜視図である。
図5】支持部周りの部分拡大図である。
図6】第二実施形態における光ファイバ収納用トレーの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に発明を実施するための形態を示す。図1乃至図3に示すことから理解されるように、本実施形態の光ファイバ収納用トレー1は、第一トレー部11と、第二トレー部12を備えている。また、第一トレー部11と第二トレー部12を回動可能に接続するヒンジ13と、を備えている。また、第一トレー部11は回動軸を中心に回動可能であり、第一トレー部11の水平辺16と係合する支持部17を第二トレー部12に備えている。したがって、第一トレー部11と第二トレー部12の位置ずれを抑制することが可能となる。また、係止部14における係止状態の解除を抑制することが可能となる。
【0013】
本実施形態の光ファイバ収納用トレー1は、回動を抑制するために用いられる係止部14を備えている。この係止部14は、第二トレー部12に設けられており、外方に突出した凸状に形成されている。この係止部14は、第一トレー部11に設けられた被係止部18に嵌ることが可能なものであり、凹状に形成された被係止部18に嵌ると第一トレー部11の回動を抑制するように機能する。なお、この係止部14はヒンジ13が設けられた側面と対向する側面側に形成されている。
【0014】
本実施形態の第一トレー部11は、個々の光ファイバ同士を融着した箇所を収める融着トレーである。また、第二トレー部12は光ファイバの曲率を所定の範囲に収めるために使用される複数の巻回部材を備えた余長収納トレーである。融着トレーは、この余長収納トレーに重ねられる。本実施の形態では、図4に示すように、第二トレー部12である余長収納トレーの底面23がスプライスユニット9に対向するように取り付けられている。なお、余長収納トレーには光ケーブルを収納する場合もある。
【0015】
本実施形態の第二トレー部12の周縁には、光ファイバを規制するガイド片21を備えている。水平辺16と係合する支持部17は、このガイド片21から垂直方向に延びて形成されている。したがって、支持部17がガイド空間22に配置された配線と干渉することが無い。また、第二トレー部12内に配線される光ファイバが支持部17と第一トレー部11との間に挟まれることを防ぐことが可能となる。
【0016】
本実施形態のガイド片21は、底面23から略垂直方向に延びた側面部24と、側面部24から略垂直に内方向に延びた天面部25とを備えており、支持部17は、この天面部25から突出させて形成している。このため、側面に設けた配線開口26を狭めることなく支持部17を形成することができる。また、支持部17を水平辺16に近接する箇所から形成することができる。
【0017】
本実施形態の支持部17は、ヒンジ13が設けられた側面と対向する側面側に形成されたガイド片21に設けられている。したがって、収納された光ファイバによりガイド片21が外側に撓んだ場合でも、支持部17の上下方向の位置が変化せず、第一トレー部11の垂れ下がりを抑制することが可能となる。
【0018】
本実施形態の水平辺16は第一トレー部11の下端に設けられ、支持部17は水平辺16の外周側から支えることが可能である。このため、支持部17が第一トレー部11の外側に位置することができる。したがって、第一トレー部11内における光ファイバを収納する空間の狭小化を回避しつつ、支持部17を設けることが可能となる。なお、本実施形態では、第一トレー部11の上端に沿っても天面部25から突出した部位を形成しており、上下逆転して使用した場合には、この部位が支持部17として機能する。
【0019】
なお、図5に示すように、本実施形態の支持部17には水平辺16と当接可能な引掛部27が設けられている。引掛部27は水平辺16が開方向に移動することを抑制可能なように設けられており、支持部17より突出させて形成されている。この引掛部27は、天面部25との間に水平辺16の一部を挟み込むことが可能なように設けられている。また、この引掛部27には傾斜を設けている。この傾斜により、第一トレー部11を保持する側に第一トレー部11が接触することでガイド片21を外側へ撓ませることができる。なお、この傾斜は曲線状とすることも直線状とすることもできる。また、本実施形態では、第一トレー部11の上下双方に引掛部27を設けており、その双方が、第一トレー部11が開くことを抑制するように機能している。
【0020】
次に、第二実施形態について説明する。図6に示すように、本実施形態では第二トレー部12は概略直方体状に形成されており、ヒンジ13が設けられた側面と隣接する側面である下側の側面に形成されたガイド片21に支持部17を設けている。このような形態でも、支持部17が第一トレー部11を支持可能である。
【0021】
以上、二つの例を中心に実施形態を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、融着トレーと余長収納トレーからなるものとする必要は無く、三つ以上のトレー部を組み合わせて構成することができる。また、二つのトレー部からなるものであっても、実施形態で説明した用途と異なる使用方法で使用されるトレー部を組み合わせたものとしても良い。
【符号の説明】
【0022】
1 光ファイバ収納用トレー
11 第一トレー部
12 第二トレー部
13 ヒンジ
14 係止部
15 回動軸
16 水平辺
17 支持部
21 ガイド片
23 底面
24 側面部
25 天面部
図1
図2
図3
図4
図5
図6