特許第6896359号(P6896359)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6896359
(24)【登録日】2021年6月11日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】プログラムおよび情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   B61L 25/02 20060101AFI20210621BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20210621BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20210621BHJP
【FI】
   B61L25/02 M
   G06Q30/02
   G06Q50/30
【請求項の数】4
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-195972(P2014-195972)
(22)【出願日】2014年9月26日
(65)【公開番号】特開2016-64793(P2016-64793A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2017年9月25日
【審判番号】不服2020-13628(P2020-13628/J1)
【審判請求日】2020年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】松野 知紘
(72)【発明者】
【氏名】松野 優子
【合議体】
【審判長】 金澤 俊郎
【審判官】 佐々木 正章
【審判官】 鈴木 充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−49115(JP,A)
【文献】 特開2004−234370(JP,A)
【文献】 特開2001−283384(JP,A)
【文献】 特開2001−331603(JP,A)
【文献】 特開2006−277126(JP,A)
【文献】 特開2010−72691(JP,A)
【文献】 特開2013−124056(JP,A)
【文献】 特開2012−189438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L 25/02
G06Q 30/02 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器を、
路線図と、出発地から目的地までの経路であって、列車から列車への乗換を含む経路を示す経路情報に含まれる列車と、をディスプレイに表示させる表示制御手段であって、前記経路情報における乗換先列車の現在位置と、前記乗換先列車の後続列車の現在位置と、ユーザが乗車している乗換前列車の現在位置とを前記路線図上に表示させる表示制御手段
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記乗換先列車を他の列車と異なる態様で表示させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、列車の所属会社、種別または混雑具合に応じた態様で前記乗換先列車を表示させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
各列車の位置を示す運行情報を送信する運行情報送信装置と、
前記運行情報を受信する端末装置と、を備える情報提供システムであって、
前記端末装置は、
出発地から目的地までの経路であって、列車から列車への乗換を含む経路を示す経路情報を取得する経路情報取得手段と、
路線図と、前記経路情報に含まれる列車と、をディスプレイに表示させる表示制御手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記運行情報に基づいて、前記経路情報における乗換先列車の現在位置と、前記乗換先列車の後続列車の現在位置と、ユーザが乗車している乗換前列車の現在位置とを前記路線図上に表示させることを特徴とする情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプログラムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道会社から列車の遅延情報を取得し、これを表示するホームページやスマートフォン用アプリが知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】http://www.jorudan.co.jp/unk/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遅延情報よりも詳細な運行情報を取得できれば、さらに便利なアプリを実現できる可能性がある。すなわち、本発明の目的は、詳細な運行情報を活用し、ユーザにとって有用な情報を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、特許請求の範囲に記載されるプログラムなどが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態に係る情報提供システムの概略構成を示すブロック図。
図2】端末装置2の内部構成の一例を示すブロック図。
図3】ディスプレイに表示される画面の一例を示す図。
図4】ディスプレイに表示される画面の別の例を示す図。
図5図2の変形例を示す図。
図6】第2の実施形態に係る情報提供システムの概略構成を示すブロック図。
図7】端末装置A,Bおよびサーバ4の内部構成の一例を示すブロック図。
図8】端末装置Bに表示される画面の一例を示す図。
図9図7の変形例を示す図。
図10】第3の実施形態に係る情報提供システムの概略構成を示すブロック図。
図11】端末装置2c,2dおよびサーバ4の内部構成の一例を示すブロック図。
図12】ディスプレイに表示される画面の一例を示す図。
図13】第4の実施形態に係る端末装置2eの処理部27eの内部構成の一例を示すブロック図。
図14】ディスプレイに表示される画面の一例を示す図。
図15】ディスプレイに表示される画面の別の例を示す図。
図16】ディスプレイに表示される画面の別の例を示す図。
図17図13の変形例を示す図。
図18図13の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。本発明の実施形態として、スマートフォンなどで用いられるアプリやパソコンで用いられるソフトウェアを想定しているが、これに限られるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る情報提供システムの概略構成を示すブロック図である。本システムは、運行情報送信装置1と、端末装置2とから構成される。
運行情報送信装置1は列車の運行などに関する運行情報を送信する。運行情報として、例えば、各列車についての進行方向、列車番号、種別(各停、特急、臨時など)、始発駅および行先駅、所属会社、位置、遅延時間、各駅での乗降人員数などが挙げられる。列車の位置は、在線位置(例えばホームにいるか駅間であるかの2区分や、線路上のどこであるか)でもよいし、緯度および経度で表してもよい。遅延時間は、所定時間(例えば5分)以上の遅延を「遅延」としてもよい。運行情報として、これらの一部の情報を含んでいてもよいし、他の情報を含んでいてもよい。このような運行情報は所定時間(例えば1分)ごとに更新されてもよい。
【0008】
運行情報は、鉄道事業者自身が管理する運行情報送信装置1から送信されてもよいし、鉄道事業者が委託業者に運行情報を提供し当該委託業者が管理する運行情報送信装置1から送信されてもよい。また、運行情報送信装置1は、運行情報に制御情報を付加するなどして、特定の装置のみが運行情報を利用できるようにしてもよい。
【0009】
端末装置2は、ユーザが使用するスマートフォン、タブレット、パソコンなどの電子機器であり、好ましくはモバイル機器である。端末装置2は運行情報送信装置1からの運行情報を(直接または間接的に)受信する。そして、端末装置2は運行情報を利用した処理を行う。
【0010】
図2は、端末装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。端末装置2は、入力インターフェース21と、出力インターフェース22と、GPS受信装置23と、通信部24と、記憶部25と、記録媒体インターフェース26と、処理部27とを備えている。
【0011】
入力インターフェース21はユーザからの操作を受け付けるものであり、例えばスマートフォンやタブレットにおけるタッチパネル、キー、マイクであり、パソコンにおけるタッチパッドやキーボードである。以下では、主に入力インターフェース21がタッチパネルを含む例を示す。
【0012】
出力インターフェース22はユーザに情報を提示するものであり、例えばディスプレイやスピーカである。以下では、主に出力インターフェース22がディスプレイを含む例を示す。
【0013】
GPS受信装置23は、GPS衛星からの信号を受信して、端末装置2のおおよその位置を把握する。端末装置2の位置は緯度および経度で表され得る。ユーザが端末装置2を携帯する場合、端末装置2の位置はユーザの位置とほぼ一致する。そのため、端末装置2の位置はユーザの位置とも言える。
【0014】
通信部24はアンテナや通信用ICなどの総称であり、ネットワークを介して端末装置2と外部装置(運行情報送信装置1など)との間でデータの送受信を行う。
【0015】
記憶部25は、ハードディスク、ROM、RAMなどの総称であり、本実施形態に係る制御プログラム、路線図データ、地図データ、ユーザ情報など種々のデータを記憶している。
【0016】
制御プログラムは運行情報を利用した情報提供アプリを実現するためのものである。この制御プログラムは予め記憶部25に記憶されていてもよいし(いわゆるプリインストール)、ユーザによってダウンロードされて記憶部25に記憶されてもよい。後者の場合、制御プログラムとともに上記路線図データや地図データがダウンロードされてもよい。
【0017】
路線図データおよび地図データはディスプレイに路線図および地図をそれぞれ表示するために必要なデータである。これらは、制御プログラムに付随するものであってもよいし、汎用的なデータ(googleマップなど)を利用してもよい。また、路線図データおよび地図データの一方のみを記憶していてもよい。さらに、路線図データや地図データは、必要に応じて外部から取得して一時的に記憶部25に記憶するようにしてもよい。
【0018】
ユーザ情報は、自宅(住所や緯度・経度)、自宅最寄駅、勤務(通勤)先最寄駅、通勤(通学)時の乗換駅、任意のお気に入り地点・駅・路線などである。これらのデータはユーザ自身が登録してもよいし、アプリの機能によってユーザの検索履歴や行動履歴に基づいて自動的に取得されてもよい。
【0019】
さらに、端末装置2にはSDカードなどの外部記録媒体を挿入できる。そして、記録媒体インターフェース26は外部記録媒体に対してデータの読み書きを行う。なお、記憶部25に記憶されるとした上記データは、外部記録媒体に記憶されてもよいし、ネットワークを介して接続される外部の記憶装置に記憶されてもよい。
【0020】
処理部27は、運行情報取得部271と、位置情報取得部272と、列車特定部273と、表示制御部274とを有する。これら各部の少なくとも一部は、制御プログラムを端末装置2のプロセッサ(不図示)が実行することによって実現される機能であってもよいし、ハードウェアで実装されてもよいし、OSの機能であってもよい。以降の「処理部」も同様である。
運行情報取得部271は、通信部24を介して、運行情報送信装置1から運行情報を取得する。
【0021】
位置情報取得部272は端末装置2の位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得部272は、GPS受信装置23から位置情報を取得してもよいし、他の手法(WiFi測位、接続されている基地局に基づく測位など)で位置情報を取得してもよい。また、位置情報取得部272は複数の手法を組み合わせて位置情報を決定してもよいし、複数の手法のうち最も精度が高い位置情報を採用してもよい。位置は多少の誤差があっても構わない。
以下で、「端末装置2の位置」という場合、端末装置2の位置そのものでもよいし、位置情報取得部272が取得した(誤差を含み得る)位置でもよい。
【0022】
列車特定部273は、例えば運行情報を用いて、端末装置2のユーザが乗っている列車(言い換えると、端末装置2が存在する列車)を特定する。特定手法の具体例は後述する。
表示制御部274は、例えば運行情報を用いて、ディスプレイに所定の画面を表示させる。
【0023】
図3は、ディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。同図(a)に示すように、表示制御部274は、各列車の位置を示す運行情報および路線図データに基づいて、路線図上に列車を表示させてもよい。すなわち、表示制御部274は、運行情報に基づいて、各列車の位置と、路線図上の位置との対応関係を把握できる。そこで、表示制御部274は、各列車を、その列車の位置に対応する路線図上の位置に表示させる。路線図データは、記憶部25に記憶しておいてもよいし、必要に応じて都度外部から取得してもよい。
【0024】
具体例として、表示制御部274は、ホームにいる列車を路線図上の駅の位置に重畳して表示させたり、駅の傍に表示させたりする。また、表示制御部274は駅間にいる列車を路線図上の駅と駅との間に表示させる。運行情報に基づいて列車が「駅間」にいることは分かるが正確な位置が分からない場合、表示制御部274は、駅と駅との中間に列車を表示させてもよいし、駅の発車時刻や時刻表データから推定される位置に表示させてもよい。
【0025】
列車の表示態様に特に制限はないが、表示制御部274は、列車を丸印のような単純なマークで示してもよいし、列車を模したアイコンで示してもよい。また、表示制御部274は、図3に示す画面(特に列車の位置)を自動的に更新してもよいし、ユーザによって指定された時間間隔で更新してもよいし、ユーザの更新指示を受けて更新してもよい。自動的に更新する場合、運行情報の更新間隔に応じた時間間隔、具体的には運行情報の更新間隔以上の時間間隔(例えば、運行情報の更新間隔に同期して、あるいは、更新間隔の整数倍の周期)で更新するのが望ましい。
【0026】
また、表示制御部274は、運行情報に基づいて、列車の進行方向、種別、行先、所属会社および/または遅延時間の情報など、より詳細な情報を合わせて表示させてもよい。例えば、列車の所属会社や種別に応じた色で表示させたり、行先や遅延時間を併記したりしてもよい。これらの情報は、常時表示されてもよいし、ユーザ操作に応じて表示および非表示を切り替えてもよい。さらに、表示制御部274は列車の混雑具合に応じた態様で列車を表示させてもよい。混雑具合は、ユーザによる投稿から取得してもよいし、運行情報に含まれる各駅での乗降人員数に基づくものでもよいし、過去の混雑具合からの推定でもよい。
【0027】
列車の種類や混雑具合などに応じた態様で列車を表示する場合、表示制御部274は表示態様の意味や規則を説明する凡例を表示させてもよい。表示制御部274は、このような凡例をユーザからの指示に応じて表示させてもよいし、デフォルトで凡例を表示させておきユーザからの指示に応じて消去できるようにしてもよい。表示制御部274は、ディスプレイの隅に凡例を表示させるのが望ましく、かつ、後述するように路線図を移動したりリサイズしたりする場合でも凡例を固定して位置や大きさを変更しないのが望ましい。
【0028】
表示制御部274は、全路線の路線図を表示させてもよいが、路線の数が多い場合には特定の路線の路線図のみを表示させてもよい。例えば、本アプリの起動時やユーザから路線図表示指示を受けた時に位置情報取得部272が取得した端末装置2の位置に近い(最も近い、あるいは、所定範囲内にあるいくつかの)路線の路線図を表示させてもよい。また、表示制御部274はユーザ情報に応じた路線図(例えば自宅最寄駅を含む路線の路線図)を表示させてもよい。ある路線を表示する際、その路線と並走する路線(例えば、東海道線と、京浜東北線と、京急線)を合わせて表示するのが望ましい。乗り換えのタイミングを考えるのに好都合だからである。
【0029】
また、表示制御部274はユーザによって指定された路線図を表示させてもよい。路線指定の具体例として、ユーザが路線名をテキストボックスに入力したり、プルダウンから選択したり、ディスプレイに表示された広範な路線図からいくつかの路線図を選択したりすることが考えられる。
【0030】
さらに、表示制御部274は所定の条件を満たす列車のみを路線図上に表示させてもよい。具体例として、表示制御部274は、運行情報に基づいて、特定の進行方向、種別、行先、所属会社の列車のみを表示させてもよい。このような条件は、ユーザによって指定されてもよいし、ユーザ情報、端末装置2の位置、現在時刻などに基づいて設定されてもよい。例えば、ユーザ情報における最寄駅や端末装置2の位置に近い駅に停車する種別の列車のみを表示してもよい。
【0031】
表示制御部274は、タッチパネルに対するスクロールに応答して路線図を移動させたり、ピンチイン・ピンチアウトに応答して路線図を縮小・拡大させたりしてもよい。路線図の移動や縮小によって、新たな路線が現れるようにしてもよい。また、表示制御部274は、端末装置2の位置情報に基づいて、ユーザの位置を路線図上に表示させてもよい。
【0032】
さらに、図3(b)に示すように、表示制御部274は、列車特定部273によって特定されたユーザが乗っている列車を、他の列車とは異なる態様(あるいは区別可能に。以下同様)表示させてもよい。その具体例として、表示制御部274は、両者を色分けしたり、異なる大きさで表示させたり、ユーザが乗っている列車に人や矢印などのマークを付したりしてもよい。ここで、ユーザが乗っている列車の特定手法の例をいくつか挙げる。
【0033】
第1例として、列車特定部273は、位置情報取得部272が取得した端末装置2の位置情報と、運行情報とに基づいて、列車を自動的に特定してもよい。例えば、端末装置2の位置が緯度・経度で表されるとする。この場合、運行情報における列車の位置と緯度・経度との関係を予め記憶部25に記憶しておき、列車特定部273は列車の位置を緯度・経度に変換する。
【0034】
そして、列車特定部273は、端末装置2の位置に最も近い位置にある列車を、ユーザが乗っている列車として特定してもよい。路線がそれほど入り組んでいない場合や、列車の運転間隔が長い場合には、このような手法でよい。
【0035】
あるいは、列車特定部273は、運行情報が何度か更新される所定期間、端末装置2の位置と、ある列車の位置との距離が所定値以内であり続けた場合に、当該列車をユーザが乗っている列車として特定してもよい。端末装置2の位置に誤差がある場合でも、精度よくユーザが乗っている列車を特定できる。
【0036】
また、列車特定部273はユーザ情報も加味して列車を特定してもよい。また、ユーザによる経路検索や乗車券購入の履歴がある場合、列車特定部273はこれらを加味してもよい。例えば、端末装置2と近い位置に路線Aの列車と路線Bの列車があり、ユーザの最寄駅が路線Aに含まれる場合や経路検索結果に路線Aが含まれる場合には、列車特定部273は路線Aの列車をユーザが乗っている列車として特定してもよい。
さらに、列車特定部273は、ユーザから乗っている路線の指定を受け、その路線のいずれの列車に乗っているかを運行情報に基づいて特定してもよい。
【0037】
なお、いったん列車を特定した後は、必ずしも位置情報取得部272が取得した端末装置2の位置情報を利用することなく、運行情報に基づいて図3の画面を更新できる。また、列車特定部273は、定期的に位置情報と運行情報とを比較し、ユーザが列車に乗り続けているか降車したかを確認してもよい。降車が確認された場合、図3の画面を更新する際に、位置情報に基づき、それまで乗っていた列車とは異なる位置(例えば、端末装置2の位置に対応する位置)にユーザの位置を表示させてもよい。
【0038】
第2例として、列車特定部273は、図3(a)のような表示をした状態で、ユーザが1つの列車を選択した(例えば、タッチパネル上の所定の列車をタッチする)ことに基づいて、ユーザが乗っている列車を特定してもよい。また、第1例において端末装置2の近くに複数の列車がある場合、当該複数の列車を路線図上に候補として表示し、その中からユーザが1つの列車を選択するようにしてもよい。
【0039】
第3例として、列車特定部273は、端末装置2の位置情報を用いることなく、経路検索や乗車券購入の履歴に基づいて列車を特定してもよい。すなわち、列車特定部273は、経路検索結果に含まれる列車や、購入した乗車券で乗ることができる列車を、ユーザが乗っている列車として特定してもよい。
【0040】
第4例として、列車内に音波装置を設け、列車番号(あるいは列車番号に対応するIDなど)を含む音波情報を端末装置2のマイクが取得し、列車特定部273はこの音波情報に基づいてユーザが乗っている列車を特定してもよい。この場合、運行情報における列車番号と、特定された列車の列車番号とから、ユーザが乗っている列車の位置が把握される。
その他、種々の特定手法が想到される。
【0041】
ユーザが乗っている列車の特定は、ユーザの指示に応じて実行されてもよいし、本アプリの起動時に応じて実行されてもよい。特に前者の場合には、ユーザが乗っている列車を特定できない場合、表示制御部274はその旨をディスプレイに表示させるのが望ましい。
【0042】
さらに、図3(c)に示すように、表示制御部274はユーザが乗っている列車を表示させ、他の列車を表示させないようにしてもよい。また、表示制御部274は、ユーザからの指示に応じて、図3(b)の表示と図3(c)の表示とを切り替えられるようにしてもよい。
【0043】
図4は、ディスプレイに表示される画面の別の例を示す図である。図示のように、表示制御部274は、路線図上ではなく、地図上に列車を表示させてもよい。すなわち、表示制御部274は、運行情報に基づいて、各列車の位置と、地図上の位置との対応関係を把握できる。そこで、表示制御部274は、各列車を、その列車の位置に対応する地図上の位置に表示させる。また、表示制御部274は地図に駅の位置を明示するのが望ましい。
【0044】
具体例として、表示制御部274は、ホームにいる列車を地図上の駅の位置に重畳して表示させたり、駅の傍に表示させたりする。また、表示制御部274は駅間にいる列車を地図上の駅と駅との間に表示させる。運行情報に基づいて列車が「駅間」にいることは分かるが正確な位置が分からない場合、表示制御部274は、駅と駅との中間に列車を表示させてもよいし、駅の発車時刻から推定される位置に表示させてもよい。
【0045】
列車は地下鉄のものであってもよい。その場合、地下鉄であることが分かるよう、線路、駅、列車を点線で表示させたり、地図上に薄く表示させたりしてもよい。
【0046】
地図は正確な地図であってもよいし、簡略化あるいはデフォルメされた地図であってもよい。地図データは、記憶部25に記憶しておいてもよいし、必要に応じて都度外部から取得してもよい。地図を表示する場合、表示される範囲内の全列車を表示してもよいし、上述のようにある路線の列車のみを表示してもよい。
【0047】
表示制御部274は、タッチパネルに対するスクロールに応答して地図を移動させたり、ピンチイン・ピンチアウトに応答して地図を縮小・拡大させたりしてもよい。
【0048】
また、図3(a)〜(c)における路線図を地図に置き換えてもよい。路線図を地図に置き換えてもよいことは他の実施形態でも同様である。さらに、表示制御部274は、ユーザからの指示に応じて、路線図上の列車表示と地図上の列車表示とを切り替えるようにしてもよい。ユーザが乗っている列車を路線図や地図上に表示する際、タッチパネルに対するダブルタッチなど所定のユーザ操作に応じて、ユーザが乗っている列車がほぼ中央に表示されるようにしてもよい。
【0049】
また、ディスプレイの端に、路線図や地図と重畳して広告を表示させてもよい。広告の内容は特に問わないが、本アプリの提供者が提供する他のアプリの広告や、表示されている路線や地域と関連ある広告であってもよい。アプリとして有料版と無料版とを用意し、後者のみ広告が表示されるようにしてもよい。
【0050】
なお、図2は端末装置2内で主な処理を行う例を示したが、その一部をサーバで行ってもよい。例えば、図5に示すように、図2における端末装置2の機能の一部をサーバ3内に設けてもよい。このサーバ3は運行情報送信装置1と一体であってもよい。なお、図2の端末装置2aは入力インターフェースなどの図示を省略している。
【0051】
図5の端末装置2の処理部27aは、図2と同様の位置情報取得部272および表示制御部274を有し、さらに、情報送信部275および情報受信部276を有する。情報送信部275は端末装置2の位置情報などをサーバに送信する。情報受信部276は、サーバ3によって特定された、ユーザが乗っている列車の情報などを受信する。
【0052】
また、サーバ3は、端末装置2aや運行情報送信装置1との間でデータの送受信を行う通信部31と、処理部32とを有する。処理部32は、図2と同様の運行情報取得部271および列車特定部273を有し、さらに、情報受信部321および情報送信部322を有する。情報受信部321は端末装置2aの位置情報などを端末装置2aから受信する。情報送信部322は、列車特定部273が特定した、ユーザが乗っている列車の情報などを端末装置2aに送信する。
【0053】
その他は図2と同様である。端末装置2aでの処理で運行情報が必要な場合、端末装置2aが直接運行情報を取得してもよいし、サーバを介して運行情報を取得してもよい。以下の実施形態でも、図2で示すように端末装置2で主な処理を行う例を中心に説明するが、その一部をサーバで行ってもよい。
【0054】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係る情報提供システムの概略構成を示すブロック図である。本システムは、運行情報送信装置1と、端末装置(便宜上、端末装置Aと呼ぶ)と、サーバ4と、端末装置(便宜上、端末装置Bと呼ぶ)とから構成される。一例として、端末装置Aは子供が用いるものであり、端末装置Bはその親が用いるものである。そして、本システムは、端末装置Aのユーザが乗っている列車を特定し、これを端末装置Bに伝えるものである。以下、第1の実施形態と同様の構成には同じ符号を付して説明を簡略化し、相違点を中心に説明する。
【0055】
図7は、端末装置A,Bおよびサーバ4の内部構成の一例を示すブロック図である。なお、端末装置A,Bにおいて図2と同様の構成は適宜省略している。
端末装置Aの処理部27bは、少なくとも運行情報取得部271、列車特定部273および列車情報送信部277を有し、さらに必要に応じて位置情報取得部272や表示制御部(不図示)などを有していてもよい。
【0056】
列車特定部273は、望ましくは、上述した第1例によって所定間隔で(あるいは、端末装置Bからサーバを介したリクエストに応じて)端末装置Aのユーザが乗っている列車(言い換えると、端末装置Aが存在する列車)の特定を試みる。また、列車特定部273はユーザが列車から降りたことを特定してもよい。具体的には、列車特定部273は、端末装置Aの位置情報と、運行情報とを定期的に確認し、それまで乗っていた列車の位置と端末装置Aの位置とが所定距離以上離れた場合に、ユーザが列車から降りたと判断してもよい。
【0057】
列車情報送信部277は、端末装置Aのユーザが乗っている列車の情報を、通信部24を介してサーバ4に送信する。また、列車特定部273は、おおよその乗車時刻(例えばユーザが乗っている列車を特定した時刻)や、端末装置Aの位置情報に基づく乗車駅も特定しておくのが望ましい。そして、このような情報もユーザが乗った列車の情報として送信される。また、列車情報送信部277はユーザが列車から降りたという情報を送信してもよい。
【0058】
サーバ4の処理部42は、列車情報受信部421と、列車情報送信部422とを有する。列車情報受信部は421、端末装置Aのユーザが乗っている列車の情報などを端末装置Aから受信する。そして、列車情報送信部422は同情報を端末装置Bに送信する。具体例として、列車情報送信部422は、予め端末装置Bが受信できるメールのアドレスを記憶しておき、そのアドレスにメールで送信してもよい。
【0059】
端末装置Bは、通信部51と、処理部52と、ディスプレイなどの出力インターフェース53とを有する。処理部52は、例えば所定のプログラムを実行することによって実現される列車情報受信部521と、表示制御部522とを有する。列車情報受信部521は、サーバ4から、端末装置Aのユーザが乗っている列車の情報や、列車から降りたという情報など列車情報送信部277からの情報を受信する。表示制御部522は受信した情報を表示させるための制御を行う。
【0060】
図8は、端末装置Bに表示される画面の一例を示す図である。図示のように、端末装置Aのユーザ(Aさん)の乗車時刻、乗車駅、乗った列車の路線や種別、行先を示す情報を端末装置Bに送信して表示させるようにしてもよい。サーバ4はこのような情報をメールとして端末装置Bに送信してもよい。あるは、サーバ4は、端末装置Aのユーザが乗った列車の情報をメールとは異なる形態で送信し、この情報に基づいて端末装置Bで表示制御部522が図8のような画面を生成してもよい。
【0061】
その他、端末装置Bのディスプレイにおいて、図3(b)および図3(c)などに示すように、路線図あるいは地図上に、端末装置Aのユーザが乗った列車を表示させてもよい。
また、サーバ4の列車情報送信部422は、ユーザが列車から降りたことを端末装置Bに送信し、端末装置Bのディスプレイにその旨表示させてもよい。
【0062】
なお、端末装置Aからサーバ4、あるいは、サーバ4から端末装置Bに送信される列車の情報として、列車番号など列車を特定できる情報を送信してもよいし、列車の行先、種別、位置などを直接示す情報を送信してもよい。列車番号などが送信される場合、これを受信したサーバ4や端末装置Bにおいて当該列車の行先などを(運行情報や時刻表データに基づいて)特定してもよい。
【0063】
本実施形態においても、端末装置Aの機能の一部をサーバで行ってもよい。一例として、図9のような構成が考えられる。この構成では、端末装置Aは、少なくとも、端末装置Aの位置情報を取得する位置情報取得部272と、これをサーバ4aに送信する情報送信部275とを有していればよい。そして、サーバ4a内の列車特定部273が、位置情報を利用して端末装置Aが乗っている列車を特定し、その列車の情報を列車情報送信部422が端末装置Bに送信すればよい。
【0064】
なお、詳細な説明は省略するが、表示制御部274などを設けることで端末装置Aおよび/または端末装置Bで、第1の実施形態で説明したような路線図や地図を表示させるようにしてもよい。
【0065】
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態に係る情報提供システムの概略構成を示すブロック図である。本システムは、運行情報送信装置1と、複数の端末装置2c,2dと、サーバ4とから構成される。本システムは、ある端末装置2cのユーザが乗った列車の情報を他のユーザと共有するものであり、例えばSNSなどに応用できる。以下、第1および第2の実施形態との共通点は説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0066】
図11は、端末装置2c,2dおよびサーバ4の内部構成の一例を示すブロック図である。
少なくとも1つの端末装置2cは、運行情報取得部271と、位置情報取得部272と、列車特定部273と、列車情報送信部277と、列車情報受信部278と、表示制御部274とを有する。列車情報送信部277は、本端末装置2cのユーザが乗っている列車の情報をサーバに送信する。送信される情報には、どのユーザなのかを示す情報(ユーザID(例えばSNSにおけるもの)など)を含んでいるのが望ましい。列車情報受信部278は、他の端末装置2c,2dのユーザが乗っている列車の情報をサーバ4から受信する。受信される情報には、やはりどのユーザが乗っている列車の情報なのかを示す情報を含んでいるのが望ましい。表示制御部274は、サーバ4から受信した情報も考慮して、ディスプレイに所定の画面を表示させる。
【0067】
サーバ4の処理部42は列車情報受信部421および列車情報送信部422を有する。列車情報受信部421は、端末装置2cから、当該端末装置2cのユーザが乗っている列車の情報を受信する。列車情報送信部422は、受信した情報を、他の端末装置2c,2dに送信する。送信先の端末装置2c,2dは、例えば予め定めた端末装置2c,2dであり、SNSで事前に関連付けられたユーザの端末装置2c,2dなどである。
【0068】
図12は、端末装置2cのディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。図示のように、表示制御部274は、路線図上に、本端末装置2cのユーザが乗っている列車や他の端末装置2c,2dのユーザが乗っている列車を表示させてもよい。図12(a)に示すように、自身が乗っている列車を表示させ、他の列車を表示させないようにしてもよい。図12(b)に示すように、自身が乗っている列車と、他のユーザが乗っている列車とを表示させ、他の列車を表示させないようにしてもよい。図12(c)に示すように、自身が乗っている列車と、他のユーザが乗っている列車と、他の列車とを表示させてもよい。図12(a)〜図12(c)をユーザの操作に応じて任意に切り替えられるのが望ましい。
【0069】
図12(b)においては、自身が乗っている列車と、他のユーザが乗っている列車とを異なる態様で表示させてもよい。また、ユーザを識別するための情報(ニックネームやアバターなど)が表示されてもよい。このような情報は、サーバ4がユーザIDとニックネームなどを関連付けて記憶しておき、列車情報送信部422によって付されてもよい。
加えて、図12(c)においては、自身が乗っている列車と、他のユーザが乗っている列車と、他の列車とを異なる態様で表示させてもよい。
【0070】
なお、図11における複数の端末装置2c,2dの一部は、列車情報受信部278および表示制御部274を有し、列車特定部273を有しない端末装置2dであってもよい。このような端末装置2dでも、他のユーザが乗っている列車を、他の列車と異なる態様で表示できる。
【0071】
本実施形態で説明した処理部27c,27dは、独立したアプリであってもよいし、他のSNSなどと連携するアプリ(特に、処理部27dの場合)であってもよい。
また、本実施形態においても、列車特定部273など端末装置2c,2dの機能の一部をサーバ4で行ってもよい。
【0072】
(第4の実施形態)
図13は、第4の実施形態に係る端末装置2eの処理部27eの内部構成の一例を示すブロック図である。この端末装置2eはさらに経路情報取得部279を有する。経路情報取得部279は所定の出発地から目的地までの経路を示す経路情報を取得する。端末装置2e内に経路検索に必要なデータ(時刻表データ、経路ネットワークデータ、道路網データなど)を持っておき、経路情報取得部279が経路検索を行って経路情報を取得してもよい。あるいは、出発地および目的地などの検索条件を端末装置2eとは別の経路検索装置(経路検索手段を有するサーバなど、不図示)に送信し、経路検索装置によって得られた経路情報を経路情報取得部279が受信してもよい。
【0073】
本実施形態では、経路情報取得部(あるいは経路検索装置。以下同様)279は、運行情報を考慮し、実際の列車の運行状況を反映させた経路検索を行ってもよい。運行情報を考慮することで、列車の実際の位置や遅延情報をリアルタイムに把握でき、より正確な経路情報をユーザに提供できる。例えば、終電間際など遅延することが多い時間帯での乗換において、急いで乗り換えるべきか、乗換先の列車が遅延していてそれほど急ぐ必要がないのか、などをユーザは知ることができる。
【0074】
また、本実施形態では、経路情報取得部279は、出発地を固定の地点とする通常の経路情報だけでなく、列車特定部273と協働することで端末装置2eのユーザが乗っている列車を出発地とする経路情報を取得できる。
【0075】
例えば、ある目的地に向かう際、とりあえず最寄駅から列車に乗り、列車内でその後の経路を検索することもある。通常の経路検索では、出発地が固定であるため、出発地をどのように設定すればよいか分からないこともあるし、そもそも出発地の設定が手間でもある。
【0076】
これに対し本実施形態では、列車特定部273によってユーザが乗っている列車を特定し、経路情報取得部279はこの列車(移動中であってもよい)に乗っていることを前提とする経路情報を取得する。時刻表データや運行情報を参照することで、乗っている列車がどの駅にいつ到着するかが精度よく分かり、より正確な経路情報をユーザに提示できる。なお、経路検索を経路検索装置で行う場合、ユーザが乗っている列車の情報を検索条件とともに同装置に送信すればよい。
【0077】
図14は、ディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。同図は、ユーザが乗っている列車を出発地とする経路情報の表示画面である。図示のように、ユーザが乗っている列車にマークを付すなど列車に乗っていることが分かるような表示としてもよい。列車の表示位置は運行情報に基づいて定期的(あるいはリアルタイムに。以下同様)に更新されてもよい。ユーザが乗り換えた後には(乗り換えたことは例えば列車特定部273で把握する)、乗換後の列車に乗っていることが分かるような表示に変更してもよい。
【0078】
図15は、ディスプレイに表示される画面の別の例を示す図である。同図は、ユーザが乗っている列車と、経路情報に含まれる列車とを路線図に表示するものである。各列車の表示位置は運行情報に基づく。乗車中の列車は列車特定部273によって特定される。乗り換え先の列車は経路情報に含まれており、その位置は運行情報から把握される。現在時刻に基づいて、乗換駅までの乗車時間を表示してもよい。また、経路情報に含まれる乗換先列車のみならず、その後続列車などその他の列車を表示してもよい。列車の表示位置は、運行情報に基づいて定期的に更新されてもよい。
図14図15とをユーザ操作に応答して切り替えるようにしてもよい。
【0079】
図16は、ディスプレイに表示される画面の別の例を示す図である。図示のように、表示制御部274は、経路情報における乗るべき列車が現在どこにあるかを地図(あるいは路線図)上に表示させてもよい。乗換がある場合、乗換後の列車を表示させてもよい。あるいは、乗るべき列車と、他の列車(特に後続列車)とを異なる態様で表示させてもよい。さらに、位置情報取得部272が取得した端末装置2eの位置情報に基づいて、ユーザの位置を合わせて表示させてもよい(同図の逆三角形)。列車特定部273によってユーザが列車に乗っていることが分かった場合には、ユーザの位置は列車上であってもよい。列車の表示位置は運行情報に基づいてリアルタイムに更新されてもよい。
【0080】
出発地、目的地、乗るべき列車、乗車/降車時刻、所要時間、料金などを示す通常の経路情報表示画面と、図14,15の画面とを切り替えられるようにしてもよい。また、図14〜16の画面とを切り替えられるようにしてもよい。さらに、経路情報取得部279は図14〜16のような画面を所定間隔で更新することで経路案内を行ってもよい。
【0081】
なお、1つのアプリが列車特定機能および経路情報取得機能を有してもよいし、前者の機能を有するアプリと、後者の機能を有するアプリとが連携してもよい。また、両機能を端末装置とサーバとで適宜分担してもよい。
【0082】
例えば図17の構成例では、端末装置2e’の列車特定部273でユーザが乗っている列車を特定し、その列車の情報と検索条件とを情報送信部280がサーバ4bに送信する。そして、端末装置4bの経路検索部425が経路検索を行い、その結果を経路情報送信部426が端末装置2e’に送信する。
【0083】
また、図18の構成例では、端末装置2e’’の情報送信部280が端末装置2e’’の位置情報および検索条件をサーバ4b’に送信する。そして、位置情報および運行情報に基づいて、端末装置4b’の列車特定部273が端末装置2e’’のユーザが乗っている列車を特定し、経路検索部425が経路検索を行う。
このように、機能部のそれぞれは、端末装置内にあってもよいし、サーバ内にあってもよい。端末装置およびサーバはコンピュータであってもよい。
【0084】
また、各実施形態を組み合わせてもよい。例えば、第2の実施形態で示すサーバに経路検索機能を盛り込んでもよい。また、サーバ(端末装置)の機能の一部を端末装置(サーバ)で実行するようにしてもよいし、複数の装置によってサーバの機能を実現するようにしてもよい。
【0085】
上述した実施形態で説明したシステムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0086】
また、システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
以上に説明した実施形態に基づいて、例として以下のような発明が想到される。
【0087】
[A1]
電子機器を、
各列車の位置を示す運行情報を受信する運行情報受信手段と、
当該電子機器の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記運行情報および前記位置情報に基づいて、当該電子機器が存在する列車を特定する列車特定手段と、
路線図または地図と、前記特定された列車と、をディスプレイに表示させる表示制御手段であって、前記運行情報に基づいて、前記特定された列車を該列車の位置に応じた前記路線図または地図上の位置に表示させる表示制御手段と、
として機能させるプログラム。
【0088】
[A2]
電子機器を、
当該電子機器の位置を示す位置情報を列車特定手段に送信する運行情報送信手段と、
各列車の位置を示す運行情報および前記位置情報に基づいて前記列車特定手段によって特定された、当該電子機器が存在する列車を示す情報を受信する情報受信手段と、
路線図または地図と、当該電子機器が存在する列車と、をディスプレイに表示させる出力制御部であって、前記運行情報および前記情報受信手段が受信した情報に基づいて、前記特定された列車を該列車の位置に応じた前記路線図または地図上の位置に表示させる表示制御手段と、
として機能させるプログラム。
【0089】
[A3]
電子機器を、
各列車の位置を示す運行情報に基づいて、路線図または地図と、当該電子機器が存在する列車と、をディスプレイに表示させる表示制御部であって、当該電子機器が存在する列車を該列車の位置に応じた前記路線図または地図上の位置に表示させる表示制御手段
として機能させるプログラム。
【0090】
[A4]
前記表示制御手段は、当該電子機器が存在する列車と、それ以外の列車の少なくとも一部と、をこれら各列車の位置に応じた前記路線図または地図上の位置に、異なる態様で、または、区別可能に表示させる、A1乃至A3のいずれかに記載のプログラム。
【0091】
[A5]
前記表示制御手段は、ユーザの操作に応じて、
当該電子機器が存在する列車を表示させるが、それ以外の列車は表示させない第1モードと、
当該電子機器が存在する列車とそれ以外の列車とを表示させる第2モードと、
を切り替え、
前記第2モードでは、当該電子機器が存在する列車と、それ以外の列車の少なくとも一部と、をこれら各列車の位置に応じた前記路線図または地図上の位置に、異なる態様で、または、区別可能に表示させる、A1乃至A3のいずれかに記載のプログラム。
【0092】
[A6]
前記表示制御手段は、前記運行情報の更新間隔に応じた間隔で、前記列車の表示位置を更新する、A1乃至A5のいずれかに記載のプログラム。
【0093】
[A7]
前記表示制御手段は、前記位置情報を利用することなく、前記運行情報に基づいて、前記列車の表示位置を更新する、A1に記載のプログラム。
【0094】
[A8]
各列車の位置を示す運行情報を運行情報送信装置から送信するステップと、
電子機器の位置を示す位置情報を取得するステップと、
前記運行情報および前記位置情報に基づいて、前記電子機器が存在する列車を特定するステップと、
路線図または地図と、前記特定された列車と、をディスプレイに表示させるステップであって、前記運行情報に基づいて、前記特定された列車を該列車の位置に応じた前記路線図または地図上の位置に表示させるステップと、を備える方法。
【0095】
[A9]
各列車の位置を示す運行情報を運行情報送信装置から送信する運行情報送信装置と、
電子機器の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記運行情報および前記位置情報に基づいて、前記電子機器が存在する列車を特定する列車特定手段と、
路線図または地図と、前記特定された列車と、をディスプレイに表示させる表示制御手段であって、前記運行情報に基づいて、前記特定された列車を該列車の位置に応じた前記路線図または地図上の位置に表示させる表示制御手段と、を備えるシステム。
【0096】
[B1]
電子機器を、
各列車の位置を示す運行情報を受信する運行情報受信手段と、
当該電子機器の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記運行情報および前記位置情報に基づいて、当該電子機器が存在する列車を特定する列車特定手段と、
前記特定された列車の情報を外部装置に送信する情報送信手段と、
として機能させるプログラム。
【0097】
[B2]
前記特定された列車の情報は、前記外部装置によって所定の他の電子機器に送信される、B1に記載のプログラム。
【0098】
[C1]
コンピュータを、各列車の位置を示す運行情報と、第1電子機器の位置を示す位置情報と、に基づいて特定された前記第1電子機器が存在する列車の情報を、第2電子機器に送信する情報送信部として機能させるプログラム。
【0099】
[C2]
前記第1電子機器は、
前記運行情報を取得する運行情報取得手段と、
前記位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記運行情報および前記位置情報に基づいて、前記第1電子機器が存在する列車を特定する列車特定手段と、
前記特定された列車の情報を前記コンピュータに送信する端末側情報送信手段と、
を有し、
前記コンピュータを、さらに、前記第1電子機器から前記特定された列車の情報を取得する情報取得手段として機能させる、C1に記載のプログラム。
【0100】
[C3]
前記コンピュータを、さらに、
前記運行情報を取得する運行情報取得手段と、
前記位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記運行情報および前記位置情報に基づいて、前記第1電子機器が存在する列車を特定する列車特定手段と、
として機能させる、C1に記載のプログラム。
【0101】
[C4]
電子機器を、
他の電子機器が存在する列車の情報を受信する情報受信手段と、
前記他の電子機器が存在する列車の情報を表示させる表示制御手段と、
として機能させるプログラムであって、
前記他の電子機器が存在する列車は、各列車の位置を示す運行情報と、前記他の列車の位置を示す位置情報と、に基づいて特定される、プログラム。
【0102】
[C5]
各列車の位置を示す運行情報を運行情報送信装置から送信するステップと、
第1電子機器の位置を示す位置情報を取得するステップと、
前記運行情報および前記位置情報に基づいて、前記第1電子機器が存在する列車を特定するステップと、
前記第1電子機器が存在する列車の情報を第2電子機器に送信するステップと、を備える方法。
【0103】
[C6]
各列車の位置を示す運行情報を送信する運行情報送信装置と、
第1電子機器の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記運行情報および前記位置情報に基づいて、前記第1電子機器が存在する列車を特定する列車特定手段と、
前記第1電子機器が存在する列車の情報を第2電子機器に表示させる表示制御手段と、を備えるシステム。
【0104】
[C7]
前記第1電子機器が存在する列車の情報を受信する情報受信手段と、
これを前記第2電子機器に送信する情報送信手段と、を備えるC6に記載のシステム。
【0105】
[D1]
電子機器を、
各列車の位置を示す運行情報を受信する運行情報受信手段と、
当該電子機器の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記運行情報および前記位置情報に基づいて、当該電子機器が存在する列車を特定する列車特定手段と、
前記特定された列車の情報と、当該電子機器のユーザを示す情報と、を外部装置に送信する情報送信手段と、
として機能させるプログラム。
【0106】
[D2]
コンピュータを、各列車の位置を示す運行情報と、第1電子機器の位置を示す位置情報と、に基づいて特定された前記第1電子機器が存在する列車の情報、および、前記第1電子機器のユーザを示す情報を、第2電子機器に送信する情報送信部として機能させるプログラム。
【0107】
[D3]
電子機器を、
他の電子機器が存在する列車の情報を受信する情報受信手段と、
前記他の電子機器が存在する列車の情報を表示させる表示制御手段と、
路線図または地図と、前記他の電子機器が存在する列車と、をディスプレイに表示させる表示制御手段であって、前記運行情報に基づいて、前記他の電子機器が存在する列車を該列車の位置に応じた前記路線図または地図上の位置に表示させる表示制御手段と、
として機能させるプログラムであって、
前記他の電子機器が存在する列車は、各列車の位置を示す運行情報と、前記他の列車の位置を示す位置情報と、に基づいて特定される、プログラム。
【0108】
[D4]
当該電子機器を、さらに、
前記運行情報を取得する運行情報取得手段と、
当該電子機器の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記運行情報および前記位置情報に基づいて、当該電子機器が存在する列車を特定する列車特定手段と、
として機能させ、
前記表示制御手段は、
当該電子機器が存在する列車と、
前記他の電子機器が存在する列車と、
それ以外の列車の少なくとも一部と、
をこれら各列車の位置に対応する位置に、異なる態様で、または、区別可能に表示する、D3に記載のプログラム。
【0109】
[D5]
各列車の位置を示す運行情報を送信するステップと、
第1電子機器の位置を示す位置情報を取得するステップと、
前記運行情報および前記位置情報に基づいて、前記第1電子機器が存在する列車を特定するステップと、
路線図または地図と、前記第1電子機器が存在する列車と、を第2電子機器のディスプレイに表示させる表示制御手段であって、前記運行情報に基づいて、前記第1電子機器が存在する列車を該列車の位置に応じた前記路線図または地図上の位置に表示させるステップと、を備える方法。
【0110】
[D6]
各列車の位置を示す運行情報を送信する運行情報送信装置と、
第1電子機器の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記運行情報および前記位置情報に基づいて、前記第1電子機器が存在する列車を特定する列車特定手段と、
路線図または地図と、前記第1電子機器が存在する列車と、を第2電子機器のディスプレイに表示させる表示制御手段であって、前記運行情報に基づいて、前記第1電子機器が存在する列車を該列車の位置に応じた前記路線図または地図上の位置に表示させる表示制御手段と、を備えるシステム。
【0111】
[E1]
電子機器を、
各列車の位置を示す運行情報を受信する運行情報受信手段と、
当該電子機器の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記運行情報および前記位置情報に基づいて、当該電子機器が存在する列車を特定する列車特定手段と、
前記特定された列車を出発地とする経路情報を取得する経路情報取得手段と、として機能させるプログラム。
【0112】
[E2]
電子機器を、
各列車の位置を示す運行情報を受信する運行情報受信手段と、
当該電子機器の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報および検索条件を経路検索手段に送信する情報送信手段と、
各列車の位置を示す運行情報および前記位置情報に基づいて特定された当該電子機器が存在する列車を出発地とする、前記経路検索手段によって検索された経路情報を取得する経路情報取得部と、として機能させるプログラム。
【0113】
[E3]
電子機器を、
各列車の位置を示す運行情報を受信する運行情報受信手段と、
当該電子機器の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記運行情報および前記位置情報に基づいて、当該電子機器が存在する列車を特定する列車特定手段と、
前記特定された列車の情報および検索条件を経路検索手段に送信する情報送信手段と、
前記特定された列車を出発地とする、前記経路検索手段によって検索された経路情報を取得する経路情報取得部と、として機能させるプログラム。
【0114】
[E4]
路線図または地図と、前記特定された列車と、前記経路情報に含まれる列車と、をディスプレイに表示させる表示制御手段であって、前記運行情報に基づいて、前記特定された列車および前記経路情報に含まれる列車をこれら列車の位置に応じた前記路線図または地図上の位置に表示させる表示制御手段として機能させる、E1乃至E3に記載のプログラム。
【0115】
[E5]
各列車の位置を示す運行情報を運行情報送信装置から送信するステップと、
当該電子機器の位置を示す位置情報を取得するステップと、
前記運行情報および前記位置情報に基づいて、当該電子機器が存在する列車を特定するステップと、
検索条件基づいて、前記特定された列車を出発地とする経路を検索するステップと、を備える方法。
【0116】
[E6]
各列車の位置を示す運行情報を送信する運行情報送信装置と、
当該電子機器の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記運行情報および前記位置情報に基づいて、当該電子機器が存在する列車を特定する列車特定手段と、
検索条件基づいて、前記特定された列車を出発地とする経路を検索する経路検索手段と、を備えるシステム。
【0117】
[F1]
電子機器を、各列車の位置を示す運行情報と、当該電子機器の位置を示す位置情報と、に基づいて、当該電子機器が存在する列車を特定する列車特定手段として機能させるプログラム。
【0118】
[F2]
コンピュータを、各列車の位置を示す運行情報と、電子機器の位置を示す位置情報と、に基づいて、前記電子機器が存在する列車を特定する列車特定手段として機能させるプログラム。
【0119】
[F3]
前記列車特定手段は、前記各列車の位置と、前記電子機器の位置と、の距離に基づいて、前記電子機器が存在する列車を特定する、F1またはF2に記載のプログラム。
【0120】
[F4]
各列車の位置を示す運行情報と、電子機器の位置を示す位置情報と、に基づいて、前記電子機器が存在する列車を特定する方法。
【0121】
[G1]
上記プログラム、システムおよび方法のうちの1つにおける運行情報を送信する運行情報送信装置。
【符号の説明】
【0122】
1 運行情報送信装置
2 端末装置
3,4 サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18