特許第6896360号(P6896360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6896360
(24)【登録日】2021年6月11日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/30 20060101AFI20210621BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20210621BHJP
   H04N 5/202 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
   G09G3/30 K
   G09G3/20 611A
   G09G3/20 612U
   G09G3/20 641P
   G09G3/20 641Q
   H04N5/202
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-3898(P2015-3898)
(22)【出願日】2015年1月13日
(65)【公開番号】特開2015-152921(P2015-152921A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2017年12月6日
【審判番号】不服2020-3090(P2020-3090/J1)
【審判請求日】2020年3月5日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0016683
(32)【優先日】2014年2月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】特許業務法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】朴 鐘 雄
(72)【発明者】
【氏名】梁 銅 ▲或▼
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲元▼ 宇
(72)【発明者】
【氏名】全 丙 起
(72)【発明者】
【氏名】崔 溶 錫
【合議体】
【審判長】 中塚 直樹
【審判官】 濱野 隆
【審判官】 濱本 禎広
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−81436(JP,A)
【文献】 特開2013−33202(JP,A)
【文献】 特開2005−346052(JP,A)
【文献】 特開2008−42448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査線及びデータ線に接続された複数の画素を含む画素部と、
外部から提供される第1データを供給するタイミング制御部と、
前記タイミング制御部から前記第1データの供給を受けて前記第1データの輝度成分を抽出して輝度分布を把握し、該輝度成分を複数の輝度分布領域に分割し、各輝度分布領域間におけるデータの階調分布の変化に対応した変換式を通じて前記第1データの入力階調を調整して第2データに変換する変換部と、
前記変換部から前記第2データの供給を受けて前記データ線に提供するデータ駆動部と、を含み、
前記変換部は、各輝度分布領域間におけるデータの階調分布の変化にそれぞれ予め対応付けられた異なる複数の基準階調値と、当該複数の基準階調値のそれぞれを定数として含む、互いに異なる複数の変換式とを有し、前記複数の基準階調値のうち、前記第1データに対応する輝度分布領域間におけるデータの階調分布の変化に予め対応付けられた基準階調値と前記第1データの入力階調との比較結果に基づいて比較に用いた基準階調値を定数として含む変換式を選択し、当該選択された変換式を通じて前記第1データの入力階調を調整することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記変換部は、前記第1データの輝度成分を抽出する第1データ変換器と、
前記抽出された輝度成分についてのヒストグラム情報を分析して抽出したそれぞれの輝度で発光する画素の個数を計算するヒストグラム分析器と、
前記ヒストグラムの分析を通じて把握された第1データの輝度分布情報を利用して前記輝度成分を複数の輝度分布領域に分割し、各輝度分布領域間におけるデータの階調分布の変化に応じた変換式を使って前記第1データの入力階調を調整する変換カーブ生成器と、
前記調整された階調を反映して前記第1データを第2データに変換する第2データ変換器と、を含み、
前記入力階調の調整のための変換式の勾配は、前記第1データの入力階調に応じて変化することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の輝度分布領域は、低輝度領域である第1輝度分布領域、中輝度領域である第2輝度分布領域、高輝度領域である第3輝度分布領域であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数の輝度分布領域の中で前記第1輝度分布領域から前記第2輝度分布領域に向かって前記データの階調分布が増加すれば、前記変換式の勾配は上昇し、
前記第1輝度分布領域から前記第2輝度分布領域に向かって前記データの階調分布が減少すれば、前記変換式の勾配は下降することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記変換式は、前記基準階調値を中心に前記基準階調値より小さい階調を持つ第1データの階調を調整する第1変換式及び前記基準階調値より大きい階調を持つ第1データの階調を調整する第2変換式に区分されることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1変換式は、
調整階調y=第1勾配a1×入力階調xで、
前記第1勾配a1は、
a1={(1−第1勾配基準値as1)/基準階調値ref}×入力階調x+第1勾配基準値as1で、
前記第2変換式は、
調整階調y=第2勾配a2×(入力階調x−基準階調値ref)+基準階調値refで、前記第2勾配a2は、
a2={(1−第2勾配基準値as2)/(最大階調−基準階調値ref)}×(入力階調x−最大階調)+1であり、
前記第1勾配基準値as1、及び第2勾配基準値as2は、既設定された定数であることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
各輝度分布領域間におけるデータの階調分布の変化が、第1輝度分布領域から第2輝度分布領域に向かって減少し、前記第2輝度分布領域から第3輝度分布領域に向かって増加する場合、前記基準階調値は、前記第2輝度分布領域内の階調値に設定されることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
各輝度分布領域間におけるデータの階調分布の変化が、第1輝度分布領域から第2輝度分布領域に向かって増加し、前記第2輝度分布領域から第3輝度分布領域に向かって減少する場合、前記基準階調値は、前記第2輝度分布領域内の階調値に設定されることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
各輝度分布領域間におけるデータの階調分布の変化が、第1輝度分布領域から第2輝度分布領域に向かって減少し、前記第2輝度分布領域から第3輝度分布領域に向かって減少する場合、前記基準階調値は最大階調に設定され、
前記基準階調値が最大階調に設定される場合、入力階調の変換は前記第1変換式によってのみ行われ、前記第1変換式の勾配a1は1以上に設定されることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項10】
各輝度分布領域間におけるデータの階調分布の変化が、第1輝度分布領域から第2輝度分布領域に向かって増加し、前記第2輝度分布領域から第3輝度分布領域に向かって増加する場合、前記基準階調値は最小階調に設定され、
前記基準階調値が最小階調に設定される場合、入力階調の変換は前記第2変換式によってのみ行われ、前記第2変換式の勾配a2は1以下に設定されることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に、視認性を向上させることができる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、陰極線管(Cathode Ray Tube)の短所である重さと体積を減らすことができる各種フラットパネルディスプレイが開発されている。フラットパネルディスプレイとしては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)、プラズマ表示パネル(Plasma Display Panel:PDP)、及び有機電界発光表示装置(Organic Light Emitting Display:OLED)などがある。
【0003】
前記フラットパネルディスプレイは、TVのみならず、スマートホン、ノートブック、デジタルカメラなどのような個人用携帯端末のディスプレイとして使われている。このような個人用携帯端末のディスプレイは、バッテリーの容量が制限的であるため、低電力化が必須である。一例として、フラットパネルディスプレイのうち、有機電界発光表示装置は、電流量の変化に応じて発光をするため、明るい光を発光する時には電流の消耗が多く、多様なディスプレイとして用いるためには低電力化を具現するための駆動方法が必要である。このため、入力される映像によって表示パネルで消費される電流量を制御し、電流の消耗を低減させる自動電流制限(Automatic Current Limit)駆動についての研究が進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題を解決するために案出されたもので、その目的は、入力される映像データに対して輝度成分を抽出し、ヒストグラム分析を通じて前記映像データの輝度分布を把握し、これを複数の輝度分布領域に分割し、各輝度分布領域間の変化量に応じてこれに対応する変換式を使って前記映像データを変換することで、映像の視認性を向上させる表示装置、及びその駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を果たすための本発明の一実施例による表示装置は、走査線及びデータ線に接続された複数の画素を含む画素部と、外部から提供される第1データを供給するタイミング制御部と、前記タイミング制御部から前記第1データの供給を受けて前記第1データの輝度成分を抽出して輝度分布を把握し、前記輝度成分を複数の輝度分布領域に分割し、各輝度分布領域間の変化量に対応した変換式を通じて前記第1データの入力階調を調整して第2データに変換する変換部と、前記変換部から前記第2データの供給を受けて前記データ線に提供するデータ駆動部と、が含まれる。
【0006】
また、前記変換部は、前記第1データの輝度成分を抽出する第1データ変換器と、前記抽出された輝度成分についてのヒストグラム情報を分析して抽出したそれぞれの輝度で発光する画素の個数を計算するヒストグラム分析器と、前記ヒストグラムの分析を通じて把握された第1データの輝度分布情報を利用して前記輝度成分を複数の輝度分布領域に分割し、各輝度分布領域間の変化量に応じた変換式を使って前記第1データの入力階調を調整する変換カーブ生成器と、前記調整された階調を反映して前記第1データを第2データに変換する第2データ変換器と、を含む。
【0007】
また、前記複数の輝度分布領域は、低輝度領域である第1輝度分布領域、中輝度領域である第2輝度分布領域、高輝度領域である第3輝度分布領域で分けることができ、前記第1輝度分布領域にあたるデータは、低階調のデータであり、前記第2輝度分布領域にあたるデータは、中階調のデータであり、前記第3輝度分布領域にあたるデータは、高階調のデータである。
【0008】
このとき、前記第1輝度分布領域にあたるデータの階調は、0ないし85階調、前記第2輝度分布領域にあたるデータの階調は、86ないし170階調、前記第3輝度分布領域にあたるデータの階調は171ないし255階調としてもよい。
【0009】
また、前記入力階調の調整のための変換式の勾配は、前記第1データの入力階調に応じて変化するもので、前記複数の輝度分布領域の中で第1輝度分布領域から第2輝度分布領域に向かってデータの階調分布が増加すれば、前記変換式の勾配は上昇し、前記第1輝度分布領域から第2輝度分布領域に向かってデータの階調分布が減少すれば、前記変換式の勾配は下降する。
【0010】
また、前記変換式は、既設定された基準階調値refを中心に前記基準階調値より小さい階調を持つ第1データの階調を調整する第1変換式、及び前記基準階調値より大きい階調を持つ第1データの階調を調整する第2変換式に区分することができる。
【0011】
このとき、前記第1変換式は、調整階調y=第1勾配a1×入力階調xで、前記第1勾配a1は、a1={(1−第1勾配基準値as1)/基準階調値ref}×入力階調x+第1勾配基準値as1で、前記第2変換式は、調整階調y=第2勾配a2×入力階調x−基準階調値ref+基準階調値refで、前記第2勾配a2は、a2={(1−第2勾配基準値as2)/(最大階調−基準階調値ref)}×(入力階調x−最大階調)+1であり、前記第1勾配基準値as1、及び第2勾配基準値as2は、既設定された定数である。
【0012】
また、各輝度分布領域間の変化量が第1輝度分布領域から第2輝度分布領域に向かってデータの階調分布が減少し、前記第2輝度分布領域から第3輝度分布領域に向かってデータの階調分布が増加する場合、前記基準階調値refは、前記第2輝度分布領域内の階調値に設定することができる。このとき、前記基準階調値は150階調、前記第1勾配基準値as1は2、前記第2勾配基準値as2は0.25に設定し、前記第1変換式の勾配a1は1以上で、前記第2変換式の勾配a2は1以下に設定することができる。
【0013】
また、各輝度分布領域間の変化量が第1輝度分布領域から第2輝度分布領域に向かってデータの階調分布が増加し、前記第2輝度分布領域から第3輝度分布領域に向かってデータの階調分布が減少する場合、前記基準階調値refは、前記第2輝度分布領域内の階調値に設定することができる。この時、前記基準階調値は125階調、前記第1勾配基準値as1は0.25、前記第2勾配基準値as2は2に設定し、前記第1変換式の勾配a1は1以下で、前記第2変換式の勾配a2は1以上に設定することができる。
【0014】
また、各輝度分布領域間の変化量が第1輝度分布領域から第2輝度分布領域に向かってデータの階調分布が減少し、前記第2輝度分布領域から第3輝度分布領域に向かってデータの階調分布が減少する場合、前記基準階調値refは最大階調に設定することができる。このとき、前記基準階調値が最大階調に設定される場合、入力階調の変換は前記第1変換式によってのみ行われ、前記第1勾配基準値as1は1.80で、前記第1変換式の勾配a1は1以上に設定することができる。
【0015】
また、各輝度分布領域間の変化量が第1輝度分布領域から第2輝度分布領域に向かってデータの階調分布が増加し、前記第2輝度分布領域から第3輝度分布領域に向かってデータの階調分布が増加する場合、前記基準階調値refは最小階調に設定することができる。このとき、前記基準階調値が最小階調に設定される場合、入力階調の変換は前記第2変換式によってのみ行われ、前記第2勾配基準値as2は0.50で、前記第2変換式の勾配a2は1以下に設定することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように本発明の実施例によれば、入力される映像データに対して輝度成分を抽出し、ヒストグラム分析を通じて前記映像データの輝度分布を把握し、該輝度分布を複数の輝度分布領域に分割し、各輝度分布領域間の変化量に応じてこれに対応する変換式を使って前記映像データを変換するので、映像の視認性を向上させられるという効果を奏する。また、上記の変換式に適用される勾配を前記映像データの階調に対応して持続的に変化させることで、ガンマ変換の時に発生し得るキンクポイントを除去して映像の視認性を向上させられるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例による表示装置のブロック図。
図2図1に示した変換部の構成を示したブロック図。
図3】ヒストグラム分析された輝度値と前記輝度別画素の個数との関係を示したグラフ。
図4】第1実施例による輝度分布領域別の画素個数の関係を示したグラフ。
図5図4の実施例による第1データの入力階調とこれに対応して変換される調整階調との関係を示したグラフ。
図6図5の実施例に対応した変換式に適用される勾配を示したグラフ。
図7】第2実施例による輝度分布領域別の画素個数の関係を示したグラフ。
図8図7の実施例による第1データの入力階調とこれに対応して変換される調整階調との関係を示したグラフ。
図9図8の実施例に対応した変換式に適用される勾配を示したグラフ。
図10】第3実施例による輝度分布領域別の画素個数の関係を示したグラフ。
図11図10の実施例による第1データの入力階調とこれに対応して変換される調整階調との関係を示したグラフ。
図12図11の実施例に対応した変換式に適用される勾配を示したグラフ。
図13】第4実施例による輝度分布領域別の画素個数の関係を示したグラフ。
図14図13の実施例による第1データの入力階調とこれに対応して変換される調整階調との関係を示したグラフ。
図15図14の実施例に対応した変換式に適用される勾配を示したグラフ。
図16】本発明の実施例による表示装置の駆動方法を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例についてより詳しく説明する。図1は、本発明の実施例による表示装置のブロック図、図2は、図1に示した変換部の構成を示したブロック図である。ただし、図1では、有機電界発光表示装置をその例として説明しているが、本発明の実施例による表示装置はこれに限定されるものではない。
【0019】
図1を参照すれば、本発明の実施例による表示装置は、走査線S1ないしSn、及びデータ線D1ないしDmに接続された複数の画素40を含む画素部30、走査線S1ないしSnを駆動するための走査駆動部10、データ線D1ないしDmを駆動するためのデータ駆動部20、走査駆動部10及びデータ駆動部20を制御するためのタイミング制御部50と前記タイミング制御部50から第1データ(Data)の供給を受けてこれを第2データ(Data')に変換してデータ駆動部20に伝達する変換部70が含まれて構成される。
【0020】
タイミング制御部50は、外部から供給される同期信号に対応してデータ駆動制御信号及び走査駆動制御信号を生成する。タイミング制御部50から生成されたデータ駆動制御信号は、データ駆動部20に供給され、走査駆動制御信号は走査駆動部10に供給される。そして、タイミング制御部50は、外部から供給される第1データを前記変換部70に提供する。
【0021】
走査駆動部10は、タイミング制御部50から走査駆動制御信号の供給を受ける。走査駆動制御信号の供給を受けた走査駆動部10は、走査信号を生成して、生成された走査信号を走査線S1ないしSnに順次に供給する。
【0022】
データ駆動部20は、タイミング制御部50からデータ駆動制御信号の供給を受けて、変換部70から第2データ(Data')の供給を受けてこれを前記走査信号と同期されるようにデータ線D1ないしDmに供給する。
【0023】
画素部30は、外部から第1電源ELVDD及び第2電源ELVSSの供給を受けてそれぞれの画素40に供給する。第1電源ELVDD及び第2電源ELVSSの供給を受けた画素40それぞれは、データ信号に対応して第1電源ELVDDから発光素子を経由して第2電源ELVSSへ流れる電流を制御することで、データ信号に対応する光を生成する。すなわち、それぞれの画素40は、データ信号に対応して所定輝度の光を生成する。
【0024】
前記変換部70は、映像の視認性の向上を具現するために具備されるもので、タイミング制御部50から提供を受けた外部データ信号、すなわち、第1データの輝度成分Yを抽出し、ヒストグラム分析を通じて前記第1データの輝度分布を把握して、これを複数の輝度分布領域に分割し、各輝度分布領域間の変化量に応じてこれに対応する変換式を使って前記第1データ(Data)を第2データ(Data')に変換させる。
【0025】
より具体的には、図2を参照すれば、前記変換部70は、第1データ変換器72、ヒストグラム分析器74、変換カーブ生成器76、第2データ変換器78を含んで構成することができる。
【0026】
前記第1データ変換器72は、タイミング制御部50から提供を受けた外部データ信号すなわち第1データの輝度成分であるY値を抽出する。一例として、前記第1データ変換器72は、前記第1データであるRGBデータの入力を受けて、これを輝度値及び色差値を含むデータに変換することができる。すなわち、一つの第1データから一つの輝度値Y及び二つの色差値を得ることができ、前記色差値は、青色差値Cb、及び赤色差値Crを含むことができる。RGBデータをYCbCrに変換する具体的な方法は、当技術分野において広く知られているので具体的な説明は省略する。
【0027】
また、前記第1データ変換器72から出力されたYCbCrデータ(またはYCbCrデータのY値)は、ヒストグラム分析器74に入力される。ヒストグラム分析器74は、抽出された第1データの輝度成分であるY値についてのヒストグラム情報を分析する役目を遂行し、これを通じて抽出されたそれぞれの輝度で発光する画素の個数を計算することができる。
【0028】
前記画素に印加されるデータは、対応する各画素の輝度情報を含んでおり、前記輝度は決まった数、例えば、1024=210、256=2または64=2個の階調を持っている。すなわち、前記輝度とデータの階調は、正(+)の相関関係を持っており、これによって高輝度値は高階調データと対応し、低輝度値は低階調データと対応する。
【0029】
以下、本発明の実施例では256個の階調を持った実施例をその例として説明する。また、前記変換カーブ生成器76は、前記ヒストグラム分析を通じて把握された前記第1データの輝度分布情報を利用してこれを複数の輝度分布領域に分割し、各輝度分布領域間の変化量に応じてこれに対応する変換式を使って前記第1データの階調(入力階調)を視認性が向上するように調整する。
【0030】
前記ヒストグラム情報の分析及び各輝度分布領域間の変化量に応じて入力階調を調整する変換式については、以下図4から図15に示された第1実施例から第4実施例を通じてより詳しく説明する。
【0031】
以後、前記第2データ変換器78は、前記調整された階調を反映して前記第1データ(Data)を第2データ(Data')に変換し、これを前記データ駆動部20に出力する。この時、前記第2データは、RGBデータであり、前記第1データ変換器72からYCbCrに変換されると前記第2データ変換器78を通じて再びRGBデータの形態に変換される。
【0032】
図3は、ヒストグラム分析された輝度値と前記輝度別画素の個数との関係を示したグラフである。前記第1データ変換器72から出力されたYCbCrデータが一映像フレームを構成するRGBデータを変換したものであると仮定すれば、ヒストグラム分析器74に入力されたすべてのYCbCrデータに対して輝度別個数、すなわち、それぞれの輝度で発光する画素の個数を計算することができる。前記輝度別個数は、対象YCbCrデータの中でY値が同一である画素の個数(データの個数)として計算することができ、これは図3に示されたようにそれぞれの輝度値によって対応付けることができる。
【0033】
一方、画素の個数は、自然数でカウントすることができ、離散的であり得る。また、輝度値の場合にもデジタル入力値に基づいた場合、離散的であり得る。この場合、輝度値に対してその個数を対応付けると、不連続グラフに図示される。但し、図3では概略的な関係についての理解を助けるために、便宜上連続した曲線の形態に図示したが、実際のグラフはこれとは違って不連続グラフであり得ることが理解できるだろう。以下のグラフにおいても同様である。
【0034】
以下、図4から図15に示された第1から第4実施例は、ヒストグラム分析された輝度値を複数の輝度分布領域に分割してそれぞれグループ化し、前記各輝度分布領域間の変化量に応じて第1データの入力階調を調整して変換する実施例を具体的に説明する。
【0035】
以下の実施例では、前記輝度分布領域が三つのグループに分割される場合をその例として説明するが、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。但し、前記輝度分布領域が三つのグループに分割される場合には、低輝度を示す第1輝度分布領域、中輝度を示す第2輝度分布領域、高輝度を示す第3輝度分布領域に分割されることが好ましく、前記各輝度分布領域は、少なくとも一つの輝度値を含むか、連続的または隣合う二つ以上の輝度値を含むことができる。このとき、前記第2輝度分布領域の最小輝度値は、第1輝度分布領域の最大輝度値より大きいことがあり、第3輝度分布領域の最小輝度値は、前記第2輝度分布領域の最大輝度値より大きいことがある。
【0036】
また、全体輝度値の最小値と最大値との間の区間を全体輝度値区間であると仮定するとき、全体輝度値の最小値は、第1輝度分布領域の最小輝度値で、全体輝度値の最大値は第3輝度分布領域の最大輝度値であり得る。また、前記各輝度分布領域の境界は、全体輝度値区間を実質的に1:1:1に内分する点であり得る。しかし、各輝度分布領域の区別が以上の例示に制限されないことは勿論である。各輝度分布領域に属する輝度値が2つ以上のとき、各輝度分布領域は、該当する複数の輝度値で発光する画素の個数が全部合算された総個数に対応する。
【0037】
図4は、第1実施例による輝度分布領域別の画素個数の関係を示したグラフ、図5は、図4の実施例による第1データの入力階調とこれに対応して変換される調整階調との関係を示したグラフ、図6は、図5の実施例に対応した変換式に適用される勾配を示したグラフである。
【0038】
まず、図4は、ヒストグラム分析器74によって出力された情報で、抽出された第1データの輝度成分である輝度値を第1から第3輝度分布領域に分割し、これらをそれぞれグループ化して、各輝度分布領域にあたる輝度値で発光する画素の個数を対応させたグラフである。ここで、前記第1輝度分布領域は、低輝度領域であり、第2輝度分布領域は中輝度領域であり、第3輝度分布領域は、高輝度領域である。したがって、前記第1輝度分布領域にあたるデータは、低階調のデータであり、前記第2輝度分布領域にあたるデータは、中階調のデータであり、前記第3輝度分布領域にあたるデータは、高階調のデータである。
【0039】
本発明の実施例は、256個の階調のデータを対象に説明するところ、一例として前記第1輝度分布領域にあたるデータの階調は、0ないし85階調、前記第2輝度分布領域にあたるデータの階調は、86ないし170階調、前記第3輝度分布領域にあたるデータの階調は、171ないし255階調であり得る。
【0040】
図4に示された実施例は、第2輝度分布領域にあたるデータが最も小さい場合を示したもので、低輝度領域(第1輝度分布領域)から中輝度領域(第2輝度分布領域)にはデータの階調分布が減少し、中輝度領域(第2輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)にはデータの階調分布が増加する変化量を示した。すなわち、図4は、低階調データ及び高階調データが相対的に中階調データより多い実施例を示しており、これは中輝度で発光する画素の個数が低輝度及び高輝度で発光する画素の個数より少ないことを意味する。
【0041】
本発明の実施例は、このような場合に入力されるデータ、すなわち、第1データの階調(入力階調)を前記各輝度分布領域間の変化量を反映して変換させるもので、前記階調変換のための変換式の勾配を前記入力階調に応じて持続的に変化させる。
【0042】
図5は、変換カーブ生成器76によるデータの階調変換動作を説明する。すなわち、図5は、図4の実施例に対応した入力階調及び前記入力階調に対応して変化する調整階調との関係を示したグラフであり、X軸は入力階調であり、Y軸はこれに対応した調整階調を示した。
【0043】
図5を参照すれば、基準階調値refを中心にこれより小さい階調を持つデータに対する変換式(第1変換式)と、これより大きい階調を持つデータに対する変換式(第2変換式)が互いに異なる。前記第1及び第2変換式は、下記のとおりである。
【0044】
[第1変換式]
y=a1x
a1={(1−as1)/ref}×x+as1
ここで、as1、refは、既設定された定数であり、as1は第1勾配基準値で、refは基準階調値である。
【0045】
[第2変換式]
y=a2(x−ref)+ref
a2={(1−as2)/(255−ref)}×(x−255)+1
ここで、as2は、既設定された定数であり、第2勾配基準値である。また、前記第1、第2変換式でyは調整階調であり、xは入力階調である。
【0046】
本実施例の場合、前記基準階調値refは、前記第2輝度分布領域内の階調値に設定することができ、図5では、前記基準階調値で150階調が設定されることをその例とする。
また、前記as1及びas2は、それぞれ第1勾配a1及び第2勾配a2の基準値であり、これは、各変換式での勾配の開始点を意味する。
【0047】
図6は、前記第1及び第2変換式に適用される勾配a1、a2を示したグラフであり、図6を参照すれば、本実施例の場合、第1変換式の勾配a1開始点としての第1勾配基準値as1は2で、第2変換式の勾配a2開始点としての第2勾配基準値as2は0.25である。また、図6に示されたように前記第1変換式の勾配a1は1以上で、前記第2変換式の勾配a2は1以下に設定されることができる。すなわち、図5を参照すれば、前記第1変換式が適用される区間では入力階調に対する調整階調の変化率を1より大きく、第2変換式が適用される区間では入力階調に対する調整階調の変化率を1より小さくなるように調節することができる。一方、前記第1及び第2変換式の境界である基準階調値refに対応しては第1変換式による調整階調と第2変換式による調整階調とが同一になることがある。
【0048】
図6を参照すれば、本発明の実施例は、ヒストグラム分析を通じてデータの階調分布前後の変化量、すなわち、各輝度分布領域間の変化量を分析し、前記各輝度分布領域間の変化量を反映して勾配が変化することを確認することができる。
【0049】
より具体的には、本実施例のように低輝度領域(第1輝度分布領域)から中輝度領域(第2輝度分布領域)に向かってデータの階調分布が減少すれば、これに対応した第1変換式の勾配a1も下降し、中輝度領域(第2輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)に向かってデータの階調分布が増加すれば、これに対応した第2変換式の勾配a2は上昇する。すなわち、本発明の実施例は、1次線形方程式に具現される前記第1及び第2変換式において、各変換式に適用される勾配a1、a2を入力階調xに対応して持続的に変化させることを特徴とし、これを通じてガンマ変換の時に発生し得るキンクポイント(Kink Point)を除去して映像の視認性を向上させることができる。
【0050】
また、図5のグラフを参照すれば、第1及び第3輝度分布領域での勾配が第2輝度分布領域での勾配より大きく変化する。これは、相対的に画素の個数の多い第1及び第3輝度分布領域では、階調別差異を相対的に増加させ、画素の個数の少ない第2輝度分布領域では、階調別差異を相対的に減少させることを意味する。したがって、相対的に個数の多い第1及び第3輝度分布領域内に属するデータの相互区分がさらに明確になる。また、表示パネルで消費される電流量を制御して電流の消耗を低減させる自動電流制限駆動方式を適用して、全般的に輝度値のレベルを減少させても、相対的に個数の多い画素の階調区分がさらに容易になり、視認性が改善され得る。これは、各輝度分布領域に属する画素の数と、表示しようとする画像の重要度が比例する場合、重要な表示画像の視認性を選択的に改善する方法として活用することができる。
【0051】
各輝度分布領域での入力階調に対する調整階調の変化率の調節の程度は、前記輝度分布領域別該当画素個数の差、視認性改善の程度、後続する全般的な輝度値の調節可否、及び規模などによって変わることがあり得る。
【0052】
図7は、第2実施例による輝度分布領域別の画素個数の関係を示したグラフ、図8は、図7の実施例による第1データの入力階調とこれに対応して変換される調整階調との関係を示したグラフ、図9は、図8の実施例に対応した変換式に適用される勾配を示したグラフである。
【0053】
まず、図4から図6に示された第1実施例と比べると、第2輝度分布領域にあたるデータが最も大きい場合を示した点で異なる。このため、前述の第1実施例と同じ構成及び動作については詳細な説明を省略する。すなわち、図7に示された実施例は、ヒストグラム分析器74によって出力された情報で、低輝度領域(第1輝度分布領域)から中輝度領域(第2輝度分布領域)にはデータの階調分布が増加し、中輝度領域(第2輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)にはデータの階調分布が減少する変化量を示した。したがって、図7は、低階調データ及び高階調データが相対的に中階調データより少ない実施例を示し、これは、中輝度で発光する画素の個数が低輝度及び高輝度で発光する画素の個数より多いことを意味する。
【0054】
本発明の実施例は、このような場合に入力されるデータ、すなわち、第1データの階調(入力階調)を前記各輝度分布領域間の変化量を反映して変換させるもので、前記階調変換のための変換式の勾配を前記入力階調に応じて持続的に変化させる。
【0055】
図8は、変換カーブ生成器76によるデータの階調変換動作を説明する。すなわち、図8は、図7の実施例に対応した入力階調及び前記入力階調に対応して変化する調整階調との関係を示したグラフであり、X軸は入力階調で、Y軸はこれに対応された調整階調を示す。
【0056】
図8を参照すれば、基準階調値refを中心にこれより小さい階調を持つデータに対する変換式(第1変換式)と、これより大きい階調を持つデータに対する変換式(第2変換式)が互いに異なる。前記第1及び第2変換式は、下記のとおりである。
【0057】
[第1変換式]
y=a1x
a1={(1−as1)/ref}×x+as1
ここで、as1、refは、既設定された定数であり、as1は第1勾配基準値で、refは基準階調値である。
【0058】
[第2変換式]
y=a2(x−ref)+ref
a2={(1−as2)/(255−ref)}×(x−255)+1
ここで、as2は、既設定された定数であり、第2勾配基準値である。また、前記第1及び第2変換式でyは調整階調であり、xは入力階調である。
【0059】
本実施例の場合、前記基準階調値refは、前記第2輝度分布領域内の階調値に設定することができ、図8では、前記基準階調値で125階調が設定されることをその例とする。
また、前記as1及びas2は、それぞれ第1及び第2勾配a1、a2基準値であり、これは各変換式での勾配開始点を意味する。
【0060】
図9は、前記第1及び第2変換式に適用される勾配a1、a2を示したグラフで、図9を参照すれば、本実施例の場合、第1変換式の勾配a1開始点としての第1勾配基準値as1は0.25で、第2変換式の勾配a2開始点としての第2勾配基準値as2は2である。また、図9に示されたように前記第1変換式の勾配a1は1以下で、前記第2変換式の勾配a2は1以上に設定されることができる。
【0061】
すなわち、図9を参照すれば、前記第1変換式が適用される区間では入力階調に対する調整階調の変化率を1より小さく、第2変換式が適用される区間では入力階調に対する調整階調の変化率を1より大きく調節することができる。一方、前記第1及び第2変換式の境界である基準階調値に対応しては第1変換式による調整階調と第2変換式による調整階調が同一であることがあり得る。これは、前述した図5及び図6の実施例と比べると、前記第1及び第2変換式は同一であるが、前記第1及び第2変換式に適用される第1及び第2勾配a1、a2並びに前記第1及び第2勾配の開始点as1、as2が互いに相反する点からその差がある。
【0062】
図9を参照すれば、本発明の実施例は、ヒストグラム分析を通じてデータの階調分布前後の変化量、すなわち、各輝度分布領域間の変化量を分析し、前記各輝度分布領域間の変化量を反映して勾配が変化することを確認することができる。
【0063】
より具体的には、本実施例のように低輝度領域(第1輝度分布領域)から中輝度領域(第2輝度分布領域)に向かってデータの階調分布が増加すれば、これに対応した第1変換式の勾配も上昇し、中輝度領域(第2輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)に向かってデータの階調分布が減少すれば、これに対応した第2変換式の勾配は下降する。すなわち、本発明の実施例は、1次線形方程式に具現される前記第1及び第2変換式において、各変換式に適用される勾配を入力階調xに対応して持続的に変化させることを特徴とし、これを通じてガンマ変換の時に発生し得るキンクポイントを除去して映像の視認性を向上させることができる。
【0064】
また、図8のグラフを参照すれば、第2輝度分布領域での勾配が第1及び第3輝度分布領域での勾配より大きく変化する。これは、相対的に画素の個数の多い第2輝度分布領域では階調別差を相対的に増加させ、画素の個数の少ない第1及び第3輝度分布領域では、階調別差を相対的に減少させることを意味する。したがって、相対的に個数の多い第2輝度分布領域内に属するデータの相互区分がさらに明確になる。
【0065】
図10は、第3実施例による輝度分布領域別の画素個数の関係を示したグラフ、図11は、図10の実施例による第1データの入力階調とこれに対応して変化する調整階調との関係を示したグラフ、図12は、図11の実施例に対応した変換式に適用される勾配を示したグラフである。
【0066】
まず、第1及び第2実施例と比べると、第1輝度分布領域から第3輝度分布領域にあたるデータの数が漸次的に少なくなる点にその差異がある。図10に示された実施例は、ヒストグラム分析器74によって出力された情報で、低輝度領域(第1輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)に行くほどデータの階調分布が減少する変化量を示す。すなわち、低輝度領域(第1輝度分布領域)から中輝度領域(第2輝度分布領域)にデータの階調分布が減少し、中輝度領域(第2輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)にもデータの階調分布が減少する変化量を示す。したがって、図10は、低階調データが中階調データより多く、中階調データが高階調データより多い実施例であり、これは低輝度で発光する画素の個数が中輝度及び高輝度で発光する画素の個数より多いことを意味する。
【0067】
本発明の実施例は、このような場合に入力されるデータ、すなわち、第1データの階調(入力階調)を前記各輝度分布領域間の変化量を反映して変換するもので、前記階調変換のための変換式の勾配を前記入力階調に応じて持続的に変化させる。
【0068】
図11は、変換カーブ生成器76によるデータの階調変換動作を説明する。すなわち、図11は、図10の実施例に対応した入力階調及び前記入力階調に対応して変化する調整階調との関係を示したグラフであり、X軸は入力階調であり、Y軸はこれに対応させた調整階調を示した。
【0069】
図11を参照すれば、基準階調値refを中心にこれより小さい階調を持つデータに対する変換式(第1変換式)と、これより大きい階調を持つデータに対する変換式(第2変換式)が互いに異なる。前記第1及び第2変換式は、下記のとおりである。
【0070】
[第1変換式]
y=a1x
a1={(1−as1)/ref}×x+as1
ここで、as1、refは、既設定された定数であり、as1は第1勾配基準値で、refは基準階調値である。
【0071】
[第2変換式]
y=a2(x−ref)+ref
a2={(1−as2)/(255−ref)}×(x−255)+1
ここで、as2は、既設定された定数であり、第2勾配基準値である。また、前記第1及び第2変換式でyは調整階調であり、xは入力階調である。
【0072】
但し、本実施例は、図11に図示されたように前記基準階調値refが最高階調である255階調に設定されることをその例として説明し、この場合、前記基準階調値より大きい階調を持つデータは存在しないため、前記第2変換式は使用しない。すなわち、本実施例のように低輝度領域(第1輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)に行くほどデータの階調分布が減少する変化量を示す場合には、データの階調変換が前記第1変換式によってのみ具現される。したがって、図12では、第1変換式の勾配a1に対してのみ図示されている。
【0073】
図12は、前記第1変換式に適用される勾配a1を示したグラフであり、図11を参照すれば、本実施例の場合、第1変換式の勾配a1開始点としての第1勾配基準値as1は1.80である。また、図12に示されたように前記第1変換式の勾配a1は1以上に設定されることができる。
【0074】
図11を参照すれば、本発明の実施例は、ヒストグラム分析を通じてデータの階調分布前後の変化量、すなわち、各輝度分布領域間の変化量を分析し、前記各輝度分布領域間の変化量を反映して勾配が変化することを確認することができる。
【0075】
より具体的には、本実施例のように、低輝度領域(第1輝度分布領域)から中輝度領域(第2輝度分布領域)に向かって徐々にデータの階調分布が減少すれば、これに対応した第1変換式の勾配a1も下降する。すなわち、本発明の実施例は、1次線形方程式に具現される前記第1及び第2変換式において、各変換式に適用される勾配を入力階調xに対応して持続的に変化させることを特徴とし、これを通じてガンマ変換のときに発生し得るキンクポイントを除去して映像の視認性を向上させることができる。
【0076】
また、図11のグラフを参照すれば、第1輝度分布領域での勾配が第2及び第3輝度分布領域での勾配より大きく変化する。これは、相対的に画素の個数の多い第1輝度分布領域では、階調別差異を相対的に増加させ、画素の個数の少ない第2及び第3輝度分布領域では、階調別差異を相対的に減少させることを意味する。したがって、相対的に個数の多い第1輝度分布領域内に属するデータの相互区分がさらに明確になる。
【0077】
図13は、第4実施例による輝度分布領域別の画素個数の関係を示したグラフ、図14は、図13の実施例による第1データの入力階調とこれに対応して変化する調整階調との関係を示したグラフであり、図15は、図14の実施例に対応した変換式に適用される勾配を示したグラフである。
【0078】
まず、第3実施例と比べると、第1輝度分布領域から第3輝度分布領域にあたるデータの数が漸次的に大きくなる点でその差異がある。
【0079】
図13に示された実施例は、ヒストグラム分析器74によって出力された情報で、低輝度領域(第1輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)に行くほどデータの階調分布が増加する変化量を示す。すなわち、低輝度領域(第1輝度分布領域)から中輝度領域(第2輝度分布領域)にデータの階調分布が増加し、中輝度領域(第2輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)にもデータの階調分布が増加する変化量を示す。したがって、図13は、低階調データが中階調データより少なく、中階調データが高階調データより少ない実施例であり、これは低輝度で発光する画素の個数が中輝度及び高輝度で発光する画素の個数より少ないことを意味する。
【0080】
本発明の実施例は、このような場合に入力されるデータ、すなわち、第1データの階調(入力階調)を前記各輝度分布領域間の変化量を反映して変換するもので、前記階調変換のための変換式の勾配を前記入力階調に応じて持続的に変化させる。
【0081】
図14は、変換カーブ生成器76によるデータの階調変換動作を説明する。すなわち、図14は、図13の実施例に対応した入力階調及び前記入力階調に対応して変化する調整階調との関係を示したグラフであり、X軸は入力階調であり、Y軸はこれに対応された調整階調を示した。
【0082】
図14を参照すれば、基準階調値refを中心にこれより小さい階調を持つデータに対する変換式(第1変換式)と、これより大きい階調を持つデータに対する変換式(第2変換式)が互いに異なる。前記第1及び第2変換式は、下記のとおりである。
【0083】
[第1変換式]
y=a1x
a1={(1−as1)/ref}×x+as1
ここで、as1、refは、既設定された定数であり、as1は第1勾配基準値で、refは基準階調値である。
【0084】
[第2変換式]
y=a2(x−ref)+ref
a2={(1−as2)/(255−ref)}×(x−255)+1
ここで、as2は、既設定された定数であり、第2勾配基準値である。また、前記第1及び第2変換式でyは調整階調であり、xは入力階調である。
【0085】
但し、本実施例は、図14に示されたように前記基準階調値refが最小階調である0階調に設定されることをその例として説明し、この場合、前記基準階調値より小さい階調を持つデータは存在しないため、前記第1変換式は使用しない。すなわち、本実施例のように低輝度領域(第1輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)に行くほどデータの階調分布が増加する変化量を示す場合には、データの階調変換が前記第2変換式によってのみ具現される。したがって、図15では、第2変換式の勾配a2に対してのみ図示されている。
【0086】
図15は、前記第2変換式に適用される勾配a2を示したグラフであり、図15を参照すれば、本実施例の場合、第2変換式の勾配a2開始点としての第2勾配基準値as2は0.50である。また、図15に示されたように前記第2変換式の勾配a2は1以下に設定することができる。
【0087】
図14を参照すれば、本発明の実施例は、ヒストグラム分析を通じてデータの階調分布前後の変化量、すなわち、各輝度分布領域間の変化量を分析し、前記各輝度分布領域間の変化量を反映して勾配が変化することを確認することができる。
【0088】
より具体的には、本実施例のように低輝度領域(第1輝度分布領域)から中輝度領域(第3輝度分布領域)に向かって徐々にデータの階調分布が増加すれば、これに対応した第2変換式の勾配a2も上昇する。すなわち、本発明の実施例は、1次線形方程式に具現される前記第2変換式において、前記第2変換式に適用される勾配を入力階調xに対応して持続的に変化させることを特徴とし、これを通じてガンマ変換のときに発生し得るキンクポイントを除去して映像の視認性を向上させることができる。
【0089】
また、図14のグラフを参照すれば、第3輝度分布領域での勾配が第1及び第2輝度分布領域での勾配より大きく変化する。これは、相対的に画素の個数の多い第3輝度分布領域では、階調別差異を相対的に増加させ、画素の個数の少ない第1及び第2輝度分布領域では、階調別差異を相対的に減少させることを意味する。したがって、相対的に個数の多い第3輝度分布領域内に属するデータの相互区分がさらに明確になる。
【0090】
図16は、本発明の実施例による表示装置の駆動方法を示したフローチャートである。図16を参照すれば、まず、外部データ信号である第1データの輝度成分であるY値(輝度値)を抽出する(ST10)。
【0091】
一例として、前記第1データであるRGBデータの入力を受けて、これを輝度値及び色差値を含YCbCrデータに変換することができる。すなわち、一つの第1データから一つの輝度値Y及び二つの色差値を得ることができ、前記色差値は青色差値Cb、及び赤色差値Crを含むことができる。
【0092】
次に、前記第1データの輝度値に対するヒストグラム情報を分析して、抽出されたそれぞれの輝度で発光する画素の個数を計算する(ST20)。
【0093】
次に、前記ヒストグラム分析を通じて把握された前記第1データの輝度分布情報を利用して、これを複数の輝度分布領域に分割し、各輝度分布領域間の変化量に応じてこれに対応する変換式を使って前記第1データの階調(入力階調)を視認性が向上するように調整する(ST30)。
【0094】
前記ヒストグラム情報の分析及び各輝度分布領域間の変化量に応じて入力階調を調整する変換式については、前述した図4から図15に示された第1から第4実施例を通じてより詳しく説明したため、これに対する説明は省略する。
【0095】
以後、前記調整された階調を反映して前記第1データを第2データに変換し、これを前記データ駆動部20に出力する(ST40)。このとき、前記第2データ(Data')は、RGBデータであり、前記第1データがRGBデータからYCbCrに変換されたら、これは、再びRGBデータの形態に変換される。
【0096】
以上、説明したように、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須的特徴を変更しなくとも他の具体的な形態で実施することができるということを理解できるだろう。よって、以上より記述した実施例等はすべての面から例示的なもので、限定的ではないものとして理解しなければならない。また、本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0097】
10 走査駆動部
20 データ駆動部
30 画素部
40 画素
50 タイミング制御部
70 変換部
72 第1データ変換器
74 ヒストグラム分析器
76 変換カーブ生成器
78 第2データ変換器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16