(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の輝度分布領域は、低輝度領域である第1輝度分布領域、中輝度領域である第2輝度分布領域、高輝度領域である第3輝度分布領域であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
前記変換式は、前記基準階調値を中心に前記基準階調値より小さい階調を持つ第1データの階調を調整する第1変換式及び前記基準階調値より大きい階調を持つ第1データの階調を調整する第2変換式に区分されることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
各輝度分布領域間におけるデータの階調分布の変化が、第1輝度分布領域から第2輝度分布領域に向かって減少し、前記第2輝度分布領域から第3輝度分布領域に向かって増加する場合、前記基準階調値は、前記第2輝度分布領域内の階調値に設定されることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
各輝度分布領域間におけるデータの階調分布の変化が、第1輝度分布領域から第2輝度分布領域に向かって増加し、前記第2輝度分布領域から第3輝度分布領域に向かって減少する場合、前記基準階調値は、前記第2輝度分布領域内の階調値に設定されることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
各輝度分布領域間におけるデータの階調分布の変化が、第1輝度分布領域から第2輝度分布領域に向かって減少し、前記第2輝度分布領域から第3輝度分布領域に向かって減少する場合、前記基準階調値は最大階調に設定され、
前記基準階調値が最大階調に設定される場合、入力階調の変換は前記第1変換式によってのみ行われ、前記第1変換式の勾配a1は1以上に設定されることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
各輝度分布領域間におけるデータの階調分布の変化が、第1輝度分布領域から第2輝度分布領域に向かって増加し、前記第2輝度分布領域から第3輝度分布領域に向かって増加する場合、前記基準階調値は最小階調に設定され、
前記基準階調値が最小階調に設定される場合、入力階調の変換は前記第2変換式によってのみ行われ、前記第2変換式の勾配a2は1以下に設定されることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例についてより詳しく説明する。
図1は、本発明の実施例による表示装置のブロック図、
図2は、
図1に示した変換部の構成を示したブロック図である。ただし、
図1では、有機電界発光表示装置をその例として説明しているが、本発明の実施例による表示装置はこれに限定されるものではない。
【0019】
図1を参照すれば、本発明の実施例による表示装置は、走査線S1ないしSn、及びデータ線D1ないしDmに接続された複数の画素40を含む画素部30、走査線S1ないしSnを駆動するための走査駆動部10、データ線D1ないしDmを駆動するためのデータ駆動部20、走査駆動部10及びデータ駆動部20を制御するためのタイミング制御部50と前記タイミング制御部50から第1データ(Data)の供給を受けてこれを第2データ(Data')に変換してデータ駆動部20に伝達する変換部70が含まれて構成される。
【0020】
タイミング制御部50は、外部から供給される同期信号に対応してデータ駆動制御信号及び走査駆動制御信号を生成する。タイミング制御部50から生成されたデータ駆動制御信号は、データ駆動部20に供給され、走査駆動制御信号は走査駆動部10に供給される。そして、タイミング制御部50は、外部から供給される第1データを前記変換部70に提供する。
【0021】
走査駆動部10は、タイミング制御部50から走査駆動制御信号の供給を受ける。走査駆動制御信号の供給を受けた走査駆動部10は、走査信号を生成して、生成された走査信号を走査線S1ないしSnに順次に供給する。
【0022】
データ駆動部20は、タイミング制御部50からデータ駆動制御信号の供給を受けて、変換部70から第2データ(Data')の供給を受けてこれを前記走査信号と同期されるようにデータ線D1ないしDmに供給する。
【0023】
画素部30は、外部から第1電源ELVDD及び第2電源ELVSSの供給を受けてそれぞれの画素40に供給する。第1電源ELVDD及び第2電源ELVSSの供給を受けた画素40それぞれは、データ信号に対応して第1電源ELVDDから発光素子を経由して第2電源ELVSSへ流れる電流を制御することで、データ信号に対応する光を生成する。すなわち、それぞれの画素40は、データ信号に対応して所定輝度の光を生成する。
【0024】
前記変換部70は、映像の視認性の向上を具現するために具備されるもので、タイミング制御部50から提供を受けた外部データ信号、すなわち、第1データの輝度成分Yを抽出し、ヒストグラム分析を通じて前記第1データの輝度分布を把握して、これを複数の輝度分布領域に分割し、各輝度分布領域間の変化量に応じてこれに対応する変換式を使って前記第1データ(Data)を第2データ(Data')に変換させる。
【0025】
より具体的には、
図2を参照すれば、前記変換部70は、第1データ変換器72、ヒストグラム分析器74、変換カーブ生成器76、第2データ変換器78を含んで構成することができる。
【0026】
前記第1データ変換器72は、タイミング制御部50から提供を受けた外部データ信号すなわち第1データの輝度成分であるY値を抽出する。一例として、前記第1データ変換器72は、前記第1データであるRGBデータの入力を受けて、これを輝度値及び色差値を含むデータに変換することができる。すなわち、一つの第1データから一つの輝度値Y及び二つの色差値を得ることができ、前記色差値は、青色差値Cb、及び赤色差値Crを含むことができる。RGBデータをYCbCrに変換する具体的な方法は、当技術分野において広く知られているので具体的な説明は省略する。
【0027】
また、前記第1データ変換器72から出力されたYCbCrデータ(またはYCbCrデータのY値)は、ヒストグラム分析器74に入力される。ヒストグラム分析器74は、抽出された第1データの輝度成分であるY値についてのヒストグラム情報を分析する役目を遂行し、これを通じて抽出されたそれぞれの輝度で発光する画素の個数を計算することができる。
【0028】
前記画素に印加されるデータは、対応する各画素の輝度情報を含んでおり、前記輝度は決まった数、例えば、1024=2
10、256=2
8または64=2
6個の階調を持っている。すなわち、前記輝度とデータの階調は、正(+)の相関関係を持っており、これによって高輝度値は高階調データと対応し、低輝度値は低階調データと対応する。
【0029】
以下、本発明の実施例では256個の階調を持った実施例をその例として説明する。また、前記変換カーブ生成器76は、前記ヒストグラム分析を通じて把握された前記第1データの輝度分布情報を利用してこれを複数の輝度分布領域に分割し、各輝度分布領域間の変化量に応じてこれに対応する変換式を使って前記第1データの階調(入力階調)を視認性が向上するように調整する。
【0030】
前記ヒストグラム情報の分析及び各輝度分布領域間の変化量に応じて入力階調を調整する変換式については、以下
図4から
図15に示された第1実施例から第4実施例を通じてより詳しく説明する。
【0031】
以後、前記第2データ変換器78は、前記調整された階調を反映して前記第1データ(Data)を第2データ(Data')に変換し、これを前記データ駆動部20に出力する。この時、前記第2データは、RGBデータであり、前記第1データ変換器72からYCbCrに変換されると前記第2データ変換器78を通じて再びRGBデータの形態に変換される。
【0032】
図3は、ヒストグラム分析された輝度値と前記輝度別画素の個数との関係を示したグラフである。前記第1データ変換器72から出力されたYCbCrデータが一映像フレームを構成するRGBデータを変換したものであると仮定すれば、ヒストグラム分析器74に入力されたすべてのYCbCrデータに対して輝度別個数、すなわち、それぞれの輝度で発光する画素の個数を計算することができる。前記輝度別個数は、対象YCbCrデータの中でY値が同一である画素の個数(データの個数)として計算することができ、これは
図3に示されたようにそれぞれの輝度値によって対応付けることができる。
【0033】
一方、画素の個数は、自然数でカウントすることができ、離散的であり得る。また、輝度値の場合にもデジタル入力値に基づいた場合、離散的であり得る。この場合、輝度値に対してその個数を対応付けると、不連続グラフに図示される。但し、
図3では概略的な関係についての理解を助けるために、便宜上連続した曲線の形態に図示したが、実際のグラフはこれとは違って不連続グラフであり得ることが理解できるだろう。以下のグラフにおいても同様である。
【0034】
以下、
図4から
図15に示された第1から第4実施例は、ヒストグラム分析された輝度値を複数の輝度分布領域に分割してそれぞれグループ化し、前記各輝度分布領域間の変化量に応じて第1データの入力階調を調整して変換する実施例を具体的に説明する。
【0035】
以下の実施例では、前記輝度分布領域が三つのグループに分割される場合をその例として説明するが、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。但し、前記輝度分布領域が三つのグループに分割される場合には、低輝度を示す第1輝度分布領域、中輝度を示す第2輝度分布領域、高輝度を示す第3輝度分布領域に分割されることが好ましく、前記各輝度分布領域は、少なくとも一つの輝度値を含むか、連続的または隣合う二つ以上の輝度値を含むことができる。このとき、前記第2輝度分布領域の最小輝度値は、第1輝度分布領域の最大輝度値より大きいことがあり、第3輝度分布領域の最小輝度値は、前記第2輝度分布領域の最大輝度値より大きいことがある。
【0036】
また、全体輝度値の最小値と最大値との間の区間を全体輝度値区間であると仮定するとき、全体輝度値の最小値は、第1輝度分布領域の最小輝度値で、全体輝度値の最大値は第3輝度分布領域の最大輝度値であり得る。また、前記各輝度分布領域の境界は、全体輝度値区間を実質的に1:1:1に内分する点であり得る。しかし、各輝度分布領域の区別が以上の例示に制限されないことは勿論である。各輝度分布領域に属する輝度値が2つ以上のとき、各輝度分布領域は、該当する複数の輝度値で発光する画素の個数が全部合算された総個数に対応する。
【0037】
図4は、第1実施例による輝度分布領域別の画素個数の関係を示したグラフ、
図5は、
図4の実施例による第1データの入力階調とこれに対応して変換される調整階調との関係を示したグラフ、
図6は、
図5の実施例に対応した変換式に適用される勾配を示したグラフである。
【0038】
まず、
図4は、ヒストグラム分析器74によって出力された情報で、抽出された第1データの輝度成分である輝度値を第1から第3輝度分布領域に分割し、これらをそれぞれグループ化して、各輝度分布領域にあたる輝度値で発光する画素の個数を対応させたグラフである。ここで、前記第1輝度分布領域は、低輝度領域であり、第2輝度分布領域は中輝度領域であり、第3輝度分布領域は、高輝度領域である。したがって、前記第1輝度分布領域にあたるデータは、低階調のデータであり、前記第2輝度分布領域にあたるデータは、中階調のデータであり、前記第3輝度分布領域にあたるデータは、高階調のデータである。
【0039】
本発明の実施例は、256個の階調のデータを対象に説明するところ、一例として前記第1輝度分布領域にあたるデータの階調は、0ないし85階調、前記第2輝度分布領域にあたるデータの階調は、86ないし170階調、前記第3輝度分布領域にあたるデータの階調は、171ないし255階調であり得る。
【0040】
図4に示された実施例は、第2輝度分布領域にあたるデータが最も小さい場合を示したもので、低輝度領域(第1輝度分布領域)から中輝度領域(第2輝度分布領域)にはデータの階調分布が減少し、中輝度領域(第2輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)にはデータの階調分布が増加する変化量を示した。すなわち、
図4は、低階調データ及び高階調データが相対的に中階調データより多い実施例を示しており、これは中輝度で発光する画素の個数が低輝度及び高輝度で発光する画素の個数より少ないことを意味する。
【0041】
本発明の実施例は、このような場合に入力されるデータ、すなわち、第1データの階調(入力階調)を前記各輝度分布領域間の変化量を反映して変換させるもので、前記階調変換のための変換式の勾配を前記入力階調に応じて持続的に変化させる。
【0042】
図5は、変換カーブ生成器76によるデータの階調変換動作を説明する。すなわち、
図5は、
図4の実施例に対応した入力階調及び前記入力階調に対応して変化する調整階調との関係を示したグラフであり、X軸は入力階調であり、Y軸はこれに対応した調整階調を示した。
【0043】
図5を参照すれば、基準階調値refを中心にこれより小さい階調を持つデータに対する変換式(第1変換式)と、これより大きい階調を持つデータに対する変換式(第2変換式)が互いに異なる。前記第1及び第2変換式は、下記のとおりである。
【0044】
[第1変換式]
y=a1x
a1={(1−as1)/ref}×x+as1
ここで、as1、refは、既設定された定数であり、as1は第1勾配基準値で、refは基準階調値である。
【0045】
[第2変換式]
y=a2(x−ref)+ref
a2={(1−as2)/(255−ref)}×(x−255)+1
ここで、as2は、既設定された定数であり、第2勾配基準値である。また、前記第1、第2変換式でyは調整階調であり、xは入力階調である。
【0046】
本実施例の場合、前記基準階調値refは、前記第2輝度分布領域内の階調値に設定することができ、
図5では、前記基準階調値で150階調が設定されることをその例とする。
また、前記as1及びas2は、それぞれ第1勾配a1及び第2勾配a2の基準値であり、これは、各変換式での勾配の開始点を意味する。
【0047】
図6は、前記第1及び第2変換式に適用される勾配a1、a2を示したグラフであり、
図6を参照すれば、本実施例の場合、第1変換式の勾配a1開始点としての第1勾配基準値as1は2で、第2変換式の勾配a2開始点としての第2勾配基準値as2は0.25である。また、
図6に示されたように前記第1変換式の勾配a1は1以上で、前記第2変換式の勾配a2は1以下に設定されることができる。すなわち、
図5を参照すれば、前記第1変換式が適用される区間では入力階調に対する調整階調の変化率を1より大きく、第2変換式が適用される区間では入力階調に対する調整階調の変化率を1より小さくなるように調節することができる。一方、前記第1及び第2変換式の境界である基準階調値refに対応しては第1変換式による調整階調と第2変換式による調整階調とが同一になることがある。
【0048】
図6を参照すれば、本発明の実施例は、ヒストグラム分析を通じてデータの階調分布前後の変化量、すなわち、各輝度分布領域間の変化量を分析し、前記各輝度分布領域間の変化量を反映して勾配が変化することを確認することができる。
【0049】
より具体的には、本実施例のように低輝度領域(第1輝度分布領域)から中輝度領域(第2輝度分布領域)に向かってデータの階調分布が減少すれば、これに対応した第1変換式の勾配a1も下降し、中輝度領域(第2輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)に向かってデータの階調分布が増加すれば、これに対応した第2変換式の勾配a2は上昇する。すなわち、本発明の実施例は、1次線形方程式に具現される前記第1及び第2変換式において、各変換式に適用される勾配a1、a2を入力階調xに対応して持続的に変化させることを特徴とし、これを通じてガンマ変換の時に発生し得るキンクポイント(Kink Point)を除去して映像の視認性を向上させることができる。
【0050】
また、
図5のグラフを参照すれば、第1及び第3輝度分布領域での勾配が第2輝度分布領域での勾配より大きく変化する。これは、相対的に画素の個数の多い第1及び第3輝度分布領域では、階調別差異を相対的に増加させ、画素の個数の少ない第2輝度分布領域では、階調別差異を相対的に減少させることを意味する。したがって、相対的に個数の多い第1及び第3輝度分布領域内に属するデータの相互区分がさらに明確になる。また、表示パネルで消費される電流量を制御して電流の消耗を低減させる自動電流制限駆動方式を適用して、全般的に輝度値のレベルを減少させても、相対的に個数の多い画素の階調区分がさらに容易になり、視認性が改善され得る。これは、各輝度分布領域に属する画素の数と、表示しようとする画像の重要度が比例する場合、重要な表示画像の視認性を選択的に改善する方法として活用することができる。
【0051】
各輝度分布領域での入力階調に対する調整階調の変化率の調節の程度は、前記輝度分布領域別該当画素個数の差、視認性改善の程度、後続する全般的な輝度値の調節可否、及び規模などによって変わることがあり得る。
【0052】
図7は、第2実施例による輝度分布領域別の画素個数の関係を示したグラフ、
図8は、
図7の実施例による第1データの入力階調とこれに対応して変換される調整階調との関係を示したグラフ、
図9は、
図8の実施例に対応した変換式に適用される勾配を示したグラフである。
【0053】
まず、
図4から
図6に示された第1実施例と比べると、第2輝度分布領域にあたるデータが最も大きい場合を示した点で異なる。このため、前述の第1実施例と同じ構成及び動作については詳細な説明を省略する。すなわち、
図7に示された実施例は、ヒストグラム分析器74によって出力された情報で、低輝度領域(第1輝度分布領域)から中輝度領域(第2輝度分布領域)にはデータの階調分布が増加し、中輝度領域(第2輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)にはデータの階調分布が減少する変化量を示した。したがって、
図7は、低階調データ及び高階調データが相対的に中階調データより少ない実施例を示し、これは、中輝度で発光する画素の個数が低輝度及び高輝度で発光する画素の個数より多いことを意味する。
【0054】
本発明の実施例は、このような場合に入力されるデータ、すなわち、第1データの階調(入力階調)を前記各輝度分布領域間の変化量を反映して変換させるもので、前記階調変換のための変換式の勾配を前記入力階調に応じて持続的に変化させる。
【0055】
図8は、変換カーブ生成器76によるデータの階調変換動作を説明する。すなわち、
図8は、
図7の実施例に対応した入力階調及び前記入力階調に対応して変化する調整階調との関係を示したグラフであり、X軸は入力階調で、Y軸はこれに対応された調整階調を示す。
【0056】
図8を参照すれば、基準階調値refを中心にこれより小さい階調を持つデータに対する変換式(第1変換式)と、これより大きい階調を持つデータに対する変換式(第2変換式)が互いに異なる。前記第1及び第2変換式は、下記のとおりである。
【0057】
[第1変換式]
y=a1x
a1={(1−as1)/ref}×x+as1
ここで、as1、refは、既設定された定数であり、as1は第1勾配基準値で、refは基準階調値である。
【0058】
[第2変換式]
y=a2(x−ref)+ref
a2={(1−as2)/(255−ref)}×(x−255)+1
ここで、as2は、既設定された定数であり、第2勾配基準値である。また、前記第1及び第2変換式でyは調整階調であり、xは入力階調である。
【0059】
本実施例の場合、前記基準階調値refは、前記第2輝度分布領域内の階調値に設定することができ、
図8では、前記基準階調値で125階調が設定されることをその例とする。
また、前記as1及びas2は、それぞれ第1及び第2勾配a1、a2基準値であり、これは各変換式での勾配開始点を意味する。
【0060】
図9は、前記第1及び第2変換式に適用される勾配a1、a2を示したグラフで、
図9を参照すれば、本実施例の場合、第1変換式の勾配a1開始点としての第1勾配基準値as1は0.25で、第2変換式の勾配a2開始点としての第2勾配基準値as2は2である。また、
図9に示されたように前記第1変換式の勾配a1は1以下で、前記第2変換式の勾配a2は1以上に設定されることができる。
【0061】
すなわち、
図9を参照すれば、前記第1変換式が適用される区間では入力階調に対する調整階調の変化率を1より小さく、第2変換式が適用される区間では入力階調に対する調整階調の変化率を1より大きく調節することができる。一方、前記第1及び第2変換式の境界である基準階調値に対応しては第1変換式による調整階調と第2変換式による調整階調が同一であることがあり得る。これは、前述した
図5及び
図6の実施例と比べると、前記第1及び第2変換式は同一であるが、前記第1及び第2変換式に適用される第1及び第2勾配a1、a2並びに前記第1及び第2勾配の開始点as1、as2が互いに相反する点からその差がある。
【0062】
図9を参照すれば、本発明の実施例は、ヒストグラム分析を通じてデータの階調分布前後の変化量、すなわち、各輝度分布領域間の変化量を分析し、前記各輝度分布領域間の変化量を反映して勾配が変化することを確認することができる。
【0063】
より具体的には、本実施例のように低輝度領域(第1輝度分布領域)から中輝度領域(第2輝度分布領域)に向かってデータの階調分布が増加すれば、これに対応した第1変換式の勾配も上昇し、中輝度領域(第2輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)に向かってデータの階調分布が減少すれば、これに対応した第2変換式の勾配は下降する。すなわち、本発明の実施例は、1次線形方程式に具現される前記第1及び第2変換式において、各変換式に適用される勾配を入力階調xに対応して持続的に変化させることを特徴とし、これを通じてガンマ変換の時に発生し得るキンクポイントを除去して映像の視認性を向上させることができる。
【0064】
また、
図8のグラフを参照すれば、第2輝度分布領域での勾配が第1及び第3輝度分布領域での勾配より大きく変化する。これは、相対的に画素の個数の多い第2輝度分布領域では階調別差を相対的に増加させ、画素の個数の少ない第1及び第3輝度分布領域では、階調別差を相対的に減少させることを意味する。したがって、相対的に個数の多い第2輝度分布領域内に属するデータの相互区分がさらに明確になる。
【0065】
図10は、第3実施例による輝度分布領域別の画素個数の関係を示したグラフ、
図11は、
図10の実施例による第1データの入力階調とこれに対応して変化する調整階調との関係を示したグラフ、
図12は、
図11の実施例に対応した変換式に適用される勾配を示したグラフである。
【0066】
まず、第1及び第2実施例と比べると、第1輝度分布領域から第3輝度分布領域にあたるデータの数が漸次的に少なくなる点にその差異がある。
図10に示された実施例は、ヒストグラム分析器74によって出力された情報で、低輝度領域(第1輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)に行くほどデータの階調分布が減少する変化量を示す。すなわち、低輝度領域(第1輝度分布領域)から中輝度領域(第2輝度分布領域)にデータの階調分布が減少し、中輝度領域(第2輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)にもデータの階調分布が減少する変化量を示す。したがって、
図10は、低階調データが中階調データより多く、中階調データが高階調データより多い実施例であり、これは低輝度で発光する画素の個数が中輝度及び高輝度で発光する画素の個数より多いことを意味する。
【0067】
本発明の実施例は、このような場合に入力されるデータ、すなわち、第1データの階調(入力階調)を前記各輝度分布領域間の変化量を反映して変換するもので、前記階調変換のための変換式の勾配を前記入力階調に応じて持続的に変化させる。
【0068】
図11は、変換カーブ生成器76によるデータの階調変換動作を説明する。すなわち、
図11は、
図10の実施例に対応した入力階調及び前記入力階調に対応して変化する調整階調との関係を示したグラフであり、X軸は入力階調であり、Y軸はこれに対応させた調整階調を示した。
【0069】
図11を参照すれば、基準階調値refを中心にこれより小さい階調を持つデータに対する変換式(第1変換式)と、これより大きい階調を持つデータに対する変換式(第2変換式)が互いに異なる。前記第1及び第2変換式は、下記のとおりである。
【0070】
[第1変換式]
y=a1x
a1={(1−as1)/ref}×x+as1
ここで、as1、refは、既設定された定数であり、as1は第1勾配基準値で、refは基準階調値である。
【0071】
[第2変換式]
y=a2(x−ref)+ref
a2={(1−as2)/(255−ref)}×(x−255)+1
ここで、as2は、既設定された定数であり、第2勾配基準値である。また、前記第1及び第2変換式でyは調整階調であり、xは入力階調である。
【0072】
但し、本実施例は、
図11に図示されたように前記基準階調値refが最高階調である255階調に設定されることをその例として説明し、この場合、前記基準階調値より大きい階調を持つデータは存在しないため、前記第2変換式は使用しない。すなわち、本実施例のように低輝度領域(第1輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)に行くほどデータの階調分布が減少する変化量を示す場合には、データの階調変換が前記第1変換式によってのみ具現される。したがって、
図12では、第1変換式の勾配a1に対してのみ図示されている。
【0073】
図12は、前記第1変換式に適用される勾配a1を示したグラフであり、
図11を参照すれば、本実施例の場合、第1変換式の勾配a1開始点としての第1勾配基準値as1は1.80である。また、
図12に示されたように前記第1変換式の勾配a1は1以上に設定されることができる。
【0074】
図11を参照すれば、本発明の実施例は、ヒストグラム分析を通じてデータの階調分布前後の変化量、すなわち、各輝度分布領域間の変化量を分析し、前記各輝度分布領域間の変化量を反映して勾配が変化することを確認することができる。
【0075】
より具体的には、本実施例のように、低輝度領域(第1輝度分布領域)から中輝度領域(第2輝度分布領域)に向かって徐々にデータの階調分布が減少すれば、これに対応した第1変換式の勾配a1も下降する。すなわち、本発明の実施例は、1次線形方程式に具現される前記第1及び第2変換式において、各変換式に適用される勾配を入力階調xに対応して持続的に変化させることを特徴とし、これを通じてガンマ変換のときに発生し得るキンクポイントを除去して映像の視認性を向上させることができる。
【0076】
また、
図11のグラフを参照すれば、第1輝度分布領域での勾配が第2及び第3輝度分布領域での勾配より大きく変化する。これは、相対的に画素の個数の多い第1輝度分布領域では、階調別差異を相対的に増加させ、画素の個数の少ない第2及び第3輝度分布領域では、階調別差異を相対的に減少させることを意味する。したがって、相対的に個数の多い第1輝度分布領域内に属するデータの相互区分がさらに明確になる。
【0077】
図13は、第4実施例による輝度分布領域別の画素個数の関係を示したグラフ、
図14は、
図13の実施例による第1データの入力階調とこれに対応して変化する調整階調との関係を示したグラフであり、
図15は、
図14の実施例に対応した変換式に適用される勾配を示したグラフである。
【0078】
まず、第3実施例と比べると、第1輝度分布領域から第3輝度分布領域にあたるデータの数が漸次的に大きくなる点でその差異がある。
【0079】
図13に示された実施例は、ヒストグラム分析器74によって出力された情報で、低輝度領域(第1輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)に行くほどデータの階調分布が増加する変化量を示す。すなわち、低輝度領域(第1輝度分布領域)から中輝度領域(第2輝度分布領域)にデータの階調分布が増加し、中輝度領域(第2輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)にもデータの階調分布が増加する変化量を示す。したがって、
図13は、低階調データが中階調データより少なく、中階調データが高階調データより少ない実施例であり、これは低輝度で発光する画素の個数が中輝度及び高輝度で発光する画素の個数より少ないことを意味する。
【0080】
本発明の実施例は、このような場合に入力されるデータ、すなわち、第1データの階調(入力階調)を前記各輝度分布領域間の変化量を反映して変換するもので、前記階調変換のための変換式の勾配を前記入力階調に応じて持続的に変化させる。
【0081】
図14は、変換カーブ生成器76によるデータの階調変換動作を説明する。すなわち、
図14は、
図13の実施例に対応した入力階調及び前記入力階調に対応して変化する調整階調との関係を示したグラフであり、X軸は入力階調であり、Y軸はこれに対応された調整階調を示した。
【0082】
図14を参照すれば、基準階調値refを中心にこれより小さい階調を持つデータに対する変換式(第1変換式)と、これより大きい階調を持つデータに対する変換式(第2変換式)が互いに異なる。前記第1及び第2変換式は、下記のとおりである。
【0083】
[第1変換式]
y=a1x
a1={(1−as1)/ref}×x+as1
ここで、as1、refは、既設定された定数であり、as1は第1勾配基準値で、refは基準階調値である。
【0084】
[第2変換式]
y=a2(x−ref)+ref
a2={(1−as2)/(255−ref)}×(x−255)+1
ここで、as2は、既設定された定数であり、第2勾配基準値である。また、前記第1及び第2変換式でyは調整階調であり、xは入力階調である。
【0085】
但し、本実施例は、
図14に示されたように前記基準階調値refが最小階調である0階調に設定されることをその例として説明し、この場合、前記基準階調値より小さい階調を持つデータは存在しないため、前記第1変換式は使用しない。すなわち、本実施例のように低輝度領域(第1輝度分布領域)から高輝度領域(第3輝度分布領域)に行くほどデータの階調分布が増加する変化量を示す場合には、データの階調変換が前記第2変換式によってのみ具現される。したがって、
図15では、第2変換式の勾配a2に対してのみ図示されている。
【0086】
図15は、前記第2変換式に適用される勾配a2を示したグラフであり、
図15を参照すれば、本実施例の場合、第2変換式の勾配a2開始点としての第2勾配基準値as2は0.50である。また、
図15に示されたように前記第2変換式の勾配a2は1以下に設定することができる。
【0087】
図14を参照すれば、本発明の実施例は、ヒストグラム分析を通じてデータの階調分布前後の変化量、すなわち、各輝度分布領域間の変化量を分析し、前記各輝度分布領域間の変化量を反映して勾配が変化することを確認することができる。
【0088】
より具体的には、本実施例のように低輝度領域(第1輝度分布領域)から中輝度領域(第3輝度分布領域)に向かって徐々にデータの階調分布が増加すれば、これに対応した第2変換式の勾配a2も上昇する。すなわち、本発明の実施例は、1次線形方程式に具現される前記第2変換式において、前記第2変換式に適用される勾配を入力階調xに対応して持続的に変化させることを特徴とし、これを通じてガンマ変換のときに発生し得るキンクポイントを除去して映像の視認性を向上させることができる。
【0089】
また、
図14のグラフを参照すれば、第3輝度分布領域での勾配が第1及び第2輝度分布領域での勾配より大きく変化する。これは、相対的に画素の個数の多い第3輝度分布領域では、階調別差異を相対的に増加させ、画素の個数の少ない第1及び第2輝度分布領域では、階調別差異を相対的に減少させることを意味する。したがって、相対的に個数の多い第3輝度分布領域内に属するデータの相互区分がさらに明確になる。
【0090】
図16は、本発明の実施例による表示装置の駆動方法を示したフローチャートである。
図16を参照すれば、まず、外部データ信号である第1データの輝度成分であるY値(輝度値)を抽出する(ST10)。
【0091】
一例として、前記第1データであるRGBデータの入力を受けて、これを輝度値及び色差値を含YCbCrデータに変換することができる。すなわち、一つの第1データから一つの輝度値Y及び二つの色差値を得ることができ、前記色差値は青色差値Cb、及び赤色差値Crを含むことができる。
【0092】
次に、前記第1データの輝度値に対するヒストグラム情報を分析して、抽出されたそれぞれの輝度で発光する画素の個数を計算する(ST20)。
【0093】
次に、前記ヒストグラム分析を通じて把握された前記第1データの輝度分布情報を利用して、これを複数の輝度分布領域に分割し、各輝度分布領域間の変化量に応じてこれに対応する変換式を使って前記第1データの階調(入力階調)を視認性が向上するように調整する(ST30)。
【0094】
前記ヒストグラム情報の分析及び各輝度分布領域間の変化量に応じて入力階調を調整する変換式については、前述した
図4から
図15に示された第1から第4実施例を通じてより詳しく説明したため、これに対する説明は省略する。
【0095】
以後、前記調整された階調を反映して前記第1データを第2データに変換し、これを前記データ駆動部20に出力する(ST40)。このとき、前記第2データ(Data')は、RGBデータであり、前記第1データがRGBデータからYCbCrに変換されたら、これは、再びRGBデータの形態に変換される。
【0096】
以上、説明したように、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須的特徴を変更しなくとも他の具体的な形態で実施することができるということを理解できるだろう。よって、以上より記述した実施例等はすべての面から例示的なもので、限定的ではないものとして理解しなければならない。また、本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。