(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取水補正量算出部は、前記水質が濁度である場合、前記濁度の予測値が小さい期間に優先的に前記取水要求量を増加させるように、前記取水補正量を前記施設ごとに算出する、請求項1又は請求項2に記載の取水計画装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の取水計画装置、取水システム及び取水計画方法を、図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、取水システム1の構成の例を示す図である。取水システム1は、取水及び給水を実行するシステムである。取水システム1は、水源の降雨量の実績値と水源の水質の実績値との相関関係に基づいて、水源の降雨量の予測値に応じた水源の水質を予測する。取水システム1は、降雨量に応じた流量の実績値と水源の水質の実績値との相関関係に基づいて、流量の予測値に応じた水源の水質を予測してもよい。
【0009】
水質とは、例えば、水の濁度、水の透明度である。水質の変動因子は、例えば、降雨量、水の流量、水温、水のアルカリ度、カビ臭原因物質である2−MIB(2−メチルイソボルネオール)やジェオスミン等の量、水の放射線量である。以下、水処理に関する施設に要求する取水量を「取水要求量」という。
【0010】
取水システム1は、水源の水質の予測結果に基づいて、取水システム1に関する取水計画情報を生成する。例えば、取水システム1は、取水システム1における取水の需要量(以下「取水需要量」という。)の総量と取水要求量の総量とが一致するように、水質の予測結果に基づいて取水要求量を施設ごとに算出する。取水システム1は、取水計画情報に基づいて水源から取水した水を、複数の需要家に対して複数の施設から供給する。
【0011】
取水システム1は、気象情報システム2と、上流地点測定装置3−1〜3−N(Nは2以上の整数)と、取水地点測定装置4−1〜4−Nと、施設5−1〜5−Nと、接合井6−1〜6−(N−1)と、配水池7−1〜7−Nとを備える。以下、上流地点測定装置3と取水地点測定装置4と施設5とを含むグループを、「施設グループ100」という。
【0012】
気象情報システム2は、気象情報を提供する情報処理装置である。気象情報は、例えば、降雨量情報、気温情報である。気象情報は、時刻及び位置に対応付けられている。気象情報に対応付けられている位置は、例えば、水源の上流地点、水源の取水地点(取水場の位置)である。水源は、例えば、河川又は貯水池等の表流水水源、井戸等の地下水源、海水である。気象情報システム2は、施設5及び取水計画装置8に気象情報を送信する。
【0013】
上流地点測定装置3は、水源200の上流地点における水質を測定する装置である。上流地点測定装置3は、水源200の上流地点における水質情報を、取水計画装置8に送信する。
【0014】
取水地点測定装置4は、水源200の取水地点における水質を測定する装置である。水源200の取水地点(下流地点)では、水源200の上流地点に降雨があった時刻から所定遅延時間後に水質が変化する。取水地点測定装置4は、水源200の取水地点における水質情報を、取水計画装置8に送信する。
【0015】
施設5は、水処理に関する施設(機場)である。施設5は、例えば、浄水場である。施設5は、水処理が施された水を、ポンプを用いて接合井6及び配水池7に送る。施設5は、下水処理場でもよい。施設5が下水処理場である場合、下水処理場の下水管(図示せず)は水源200に相当し、下水処理場の雨水貯留管(図示せず)は接合井6及び配水池7に相当する。
【0016】
接合井6は、異なる施設5を繋ぐ配管を有する貯水槽である。例えば、接合井6−1は、施設5−1と施設5−2とを繋ぐ配管を有する。配水池7は、水処理が施された水を一時的に貯留する貯水槽である。配水池7は、浄水場や配水場に設置される。配水池7のポンプは、水処理が施された水を需要家に送る。異なる配水池7の間には、異なる施設5に水を送るための配管が設置されている。例えば、配水池7−1と配水池7−2との間には、施設5−1と施設5−2との間で水を送るための配管が設置されている。
【0017】
取水計画装置8は、取水計画を生成する情報処理装置である。取水計画装置8は、単体の情報処理装置でもよいし、クラウドコンピューティング技術を用いて動作する複数の情報処理装置(クラウドセンター)でもよい。
【0018】
次に、取水システム1の各構成の詳細を説明する。
図2は、気象情報システム2の構成の例を示す図である。気象情報システム2は、実績値記憶部20と、予測値記憶部21と、送信部22とを備える。実績値記憶部20は、気象情報の実績値を、位置及び時刻に対応付けて記憶する。予測値記憶部21は、気象情報の予測値(予報値)を、位置及び時刻に対応付けて記憶する。送信部22は、施設5及び取水計画装置8に、気象情報の予測値を継続的に送信する。
【0019】
図3は、施設グループ100の構成の例を示す図である。施設グループ100−n(nは、1〜Nのいずれか)は、上流地点測定装置3−nと、取水地点測定装置4−nと、施設5−nとを備える。上流地点測定装置3−nは、送信部30−nを備える。送信部30−nは、水源200−nの上流地点における水質情報を、取水計画装置8に送信する。取水地点測定装置4−nは、送信部40−nを備える。送信部40−nは、水源200−nの取水地点における水質情報を、取水計画装置8に送信する。
【0020】
施設5−nは、データベース50−nと、需要予測システム51−nと、監視制御システム52−nと、水処理システム53−nとを備える。データベース50−nは、例えば、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の不揮発性の記憶媒体(非一時的な記録媒体)を有する記憶装置を用いて構成される。データベース50−nは、施設5−nに関する情報を記憶する。例えば、データベース50−nは、水源200−nの上流地点における水質の実績値(履歴情報)を、時刻に対応付けて記憶する。例えば、データベース50−nは、水源200−nの取水地点における水質の実績値(履歴情報)を、時刻に対応付けて記憶する。例えば、データベース50−nは、施設5−nに関する気象情報の予測値を、時刻に対応付けて記憶する。
【0021】
需要予測システム51−nは、施設5−nに関する水の需要を予測する情報処理装置である。例えば、需要予測システム51−nは、施設5−nに関する気象情報の予測値に基づいて、施設5−nに関する水の需要を予測する。需要予測システム51−nは、施設5−nに関する水の需要に影響する因子の予測結果を、時刻に対応付けてデータベース50−nに記録する。水の需要に影響する因子とは、例えば、平日、休日等の日種別ごとの人の移動に関する情報である。例えば、需要予測システム51−nは、平日に人が都市部に移動した場合、その都市部では水の需要が増加すると予測してもよい。
【0022】
監視制御システム52−nは、水処理システム53−nを監視及び制御する情報処理装置である。監視制御システム52−nは、施設5−nにおける取水需要量を表す情報を、データベース50−nから取得する。監視制御システム52−nは、施設5−nにおける取水需要量を表す情報を、時刻に対応付けて取水計画装置8に送信する。
【0023】
以下、取水要求量に対する取水上限量(取水可能量)の余裕量を「取水余裕量」という。取水余裕量は、取水上限量から取水要求量を減算した結果と等しい。以下、取水要求量に対する取水上限量の不足量を「取水不足量」という。取水不足量は、取水要求量から取水上限量を減算した結果と等しい。
【0024】
監視制御システム52−nは、取水上限量が取水要求量以上である場合、施設5−nにおける取水余裕量を表す情報を、時刻に対応付けて取水計画装置8に送信する。監視制御システム52−nは、取水上限量が取水要求量未満である場合、施設5−nにおける取水不足量を表す情報を、時刻に対応付けて取水計画装置8に送信する。監視制御システム52−nは、水処理システム53−nから配水池7に送られる水の濁度(ろ過池の出口における濁度)を表す情報と、凝集剤等の薬品の注入量を表す情報とを、取水計画装置8に送信してもよい。
【0025】
監視制御システム52−nは、取水開始の予測時刻に基づく予定時刻(以下「取水開始予定時刻」という。)を表す情報を、取水計画装置8から取得する。監視制御システム52−nは、取水停止の予測時刻に基づく予定時刻(以下「取水停止予定時刻」という。)を表す情報を、取水計画装置8から取得する。監視制御システム52−nは、施設5−nに関する水の需要に影響する因子の予測結果(取水可否判定のための支援情報)を、データベース50−n又は取水計画装置8から取得してもよい。
【0026】
監視制御システム52−nは、取水開始予定時刻と取水停止予定時刻とに基づいて、水処理システム53−nの取水動作を制御する。例えば、監視制御システム52−nは、現在時刻が取水開始予定時刻以降となった場合、水処理システム53−nが水源200−nの取水地点から原水を取得するよう、水処理システム53−nを制御する。例えば、監視制御システム52−nは、現在時刻が取水停止予定時刻以降となった場合、次回の取水開始予定時刻になるまで水処理システム53−nが原水の取得を停止するよう、水処理システム53−nを制御する。
【0027】
水処理システム53−nは、原水に水処理を施すシステムである。水処理システム53−nは、例えば、上水処理システム、下水処理システムである。水処理システム53−nは、ポンプ530−nと、水処理部531−nとを備える。ポンプ530−nは、水源200−nの取水地点から原水を取得する。単位時間あたりの取水量は、ポンプ530−nの出力に応じて変化する。水処理部531−nは、原水に凝集剤を注入する処理等の予め定められた処理を水に施す装置である。
【0028】
図4は、取水計画装置8の構成の例を示す図である。取水計画装置8は、通信部80と、取水補正量算出部81と、データベース82と、水質予測部83と、時刻管理部84と、取水要求量算出部85とを備える。
【0029】
通信部80と、取水補正量算出部81、水質予測部83、時刻管理部84及び取水要求量算出部85のうち一部又は全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェアにより実現される。また、これらの機能部のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0030】
通信部80は、取水計画装置8及び気象情報システム2の間の通信を、ネットワークを介して実行する。例えば、通信部80は、気象情報を気象情報システム2から取得する。通信部80は、取水計画装置8及び施設グループ100の間の通信を、ネットワークを介して実行する。例えば、通信部80は、取水開始予定時刻を表す情報と、取水停止予定時刻を表す情報とを、施設5に送信する。例えば、通信部80は、取水要求量を表す情報を、少なくとも一つの施設5に送信する。例えば、通信部80は、施設5に関する水の需要に影響する因子の予測結果(取水可否判定のための支援情報)を、施設5に送信する。
【0031】
例えば、通信部80は、水源200の上流地点における水質情報を、上流地点測定装置3から取得する。例えば、通信部80は、水源200の取水地点における水質情報を、取水地点測定装置4から取得する。例えば、通信部80は、施設5における取水需要量を表す情報を施設5から取得する。通信部80は、施設5における取水余裕量を表す情報を施設5から取得する。通信部80は、施設5における取水不足量を表す情報を施設5から取得する。
【0032】
取水補正量算出部81は、取水余裕量が算出された施設5を、取水余裕量を表す情報に基づいて特定する。これによって、取水補正量算出部81は、取水要求量の追加(上乗せ)が可能である施設5を特定することができる。取水補正量算出部81は、取水不足量が算出された施設5を、取水不足量を表す情報に基づいて特定する。これによって、取水補正量算出部81は、取水要求量の削減が必要である施設5を特定することができる。
【0033】
取水補正量算出部81は、水の濁度の予測値を、施設5ごとに取得する。取水補正量算出部81は、施設5−1〜5−Nの全体(事業者全体)における取水需要量(以下「取水需要総量」という。)を表す情報を取得する。取水補正量算出部81は、施設5−1〜5−Nの全体における取水要求量(以下「取水要求総量」という。)を表す情報を取得する。取水補正量算出部81は、取水需要総量及び取水要求総量の差を算出する。これによって、取水補正量算出部81は、取水需要総量に対する取水要求総量の余裕量(以下「取水余裕総量」という。)又は不足量(以下「取水不足総量」という。)を算出することができる。
【0034】
取水補正量算出部81は、濁度の予測値に基づいて、取水要求量の補正量(以下「取水補正量」という。)を施設5ごとに算出する。例えば、取水補正量算出部81は、濁度の予測値が小さい期間に優先的に取水要求量を増加させるように、取水補正量を施設5ごとに算出する。取水補正量算出部81は、取水補正量だけ取水要求量を増減させて、取水要求量を更新する。
【0035】
データベース82は、例えば、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の不揮発性の記憶媒体(非一時的な記録媒体)を有する記憶装置を用いて構成される。データベース82は、取水需要総量を表す情報を記憶する。
【0036】
データベース82は、水源200の上流地点における水質情報と、水源200の取水地点における水質情報とを、施設5−1〜5−Nについて記憶する。例えば、データベース82は、降雨量の実績値と濁度の実績値とを、時刻ごとに記憶する。データベース82は、降雨量の実績値と濁度の実績値とを、降雨地点や取水地点等の位置ごとに記憶する。
【0037】
図5は、降雨量及び濁度の実績値の相関関係の例を示す図である。
図5に示すグラフ(相関関係データベース)では、水源200の取水地点における降雨量並びに濁度の上昇時及び下降時について、降雨量及び濁度の実績値が時刻ごとに表されている。降雨量の実績値と濁度の実績値とには、相関関係がある。
図5では、降雨量の実績値が大きくなるほど、濁度の実績値は大きくなる。
【0038】
なお、データベース82は、水源200における水の流量の実績値を、時刻ごとに記憶してもよい。降雨量の実績値が大きくなるほど水の流量の実績値が大きくなるので、水源200における水の流量の実績値が大きくなるほど、水源200における水の濁度は高くなる。降雨量と濁度との相関関係は、流量と濁度との相関関係で表されてもよい。
【0039】
図6は、降雨量及び濁度の実績値の第1例を示す図である。横軸は時刻を示す。左の縦軸は、上流地点における降雨量の実績値を示す。右の縦軸は、取水地点における水の濁度の実績値を示す。時刻t10(降雨開始時刻)における降雨量は、0である。遅延時間長(t_rag)だけ時刻t10から経過した時刻t11に、濁度は増加を開始している。時刻t12における降雨量は、K(t12)である。時刻(t1_dh1)における濁度は、D(t1_dh1)である。なお、時刻t10から時刻12までの期間jk1の時間長と、時刻t11から時刻(t1_dh1)までの期間jd1の時間長とは、同じ時間長でなくてもよい。
【0040】
図7は、降雨量及び濁度の実績値の第2例を示す図である。横軸は時刻を示す。左の縦軸は、上流地点における降雨量の実績値を示す。右の縦軸は、取水地点における水の濁度の実績値を示す。時刻t20(降雨開始時刻)における降雨量は、0である。時刻t21に、濁度は増加を開始している。時刻t22に、降雨量の増加の傾き(変化率)(微分値)は緩やかになっている。時刻t23における降雨量は、K1(t23)である。時刻t23に、濁度の増加の傾きは緩やかになっている。時刻t23から時刻t24までの期間jd2において、濁度は増加している。また、少なくとも時刻t23から時刻t25までの期間jk2において、降雨量は増加している。
【0041】
図8は、降雨量及び濁度の実績値の第3例を示す図である。横軸は時刻を示す。左の縦軸は、上流地点における降雨量の実績値を示す。右の縦軸は、取水地点における水の濁度の実績値を示す。
図8に示すグラフと
図7に示すグラフとは、例えば、異なる日の同じ時間帯における同じ場所での水質の実績値を表すグラフである。
【0042】
時刻t20(降雨開始時刻)における降雨量は、0である。時刻t21に、濁度は増加を開始している。時刻t22に、降雨量の増加の傾きは緩やかになっている。時刻t23における降雨量は、K2(t23)である。降雨量K2(t23)の値は、
図7に示す降雨量K1(t23)の値よりも大きい。時刻t23に、濁度の増加の傾きは緩やかになっている。時刻t23における濁度は、D(t23)である。濁度D(t23)は、
図6に示す濁度D(t1_dh1)に許容値εを加算した値である。許容値εを定める方法は、特定の方法に限定されない。例えば、許容値εは、比較される濁度の実績値同士の差の2乗和が所定範囲内になるように予め定められてもよい。時刻t23から時刻t24までの期間jd3において、濁度は増加している。また、少なくとも時刻t23から時刻t25までの期間jk3において、降雨量は増加している。
【0043】
水質予測部83は、
図6から
図8までに例示された時系列の実績値群を、複数のパターンに分類する。水質予測部83は、時系列の実績値群を表す数式のパターン(y=ax、y=定数、y=−bx等、ここでa及びbは係数)で、所定期間の時系列の実績値群を分類してもよい。水質予測部83は、グラフにおける波形のパターン(直線、曲線、長方形、台形、三角形等)で、所定期間の時系列の実績値群を分類してもよい。水質予測部83は、所定期間の時系列の実績値群の分類結果を、データベース82に記録してもよい。
【0044】
水質予測部83は、時系列の降雨量の予測値を、気象情報システム2又はデータベース82から取得する。
【0045】
図9は、降雨量の予測値の例を示す図である。横軸は時刻を示す。縦軸は、上流地点における降雨量の予測値を示す。時刻t10は、降雨開始時刻である。時刻t12は、時刻t10から期間yk1が経過した時刻である。時刻t12における降雨量の予測値は、K(t12)+εである。時刻t13は、時刻t12から期間yk2が経過した時刻である。時刻t13における降雨量の予測値は、K(t13)+εである。なお、
図9において、時刻t13以降の降雨量の予測値が存在してもよい。
【0046】
水質予測部83は、水源200の降雨量の実績値と水源200の水質の実績値との相関関係を表す実績値群を、水源200の降雨量の実績値と水源200の水質の実績値を含む実績値群から抽出する。例えば、水質予測部83は、
図6から
図8までに例示された時系列の降雨量の実績値から、
図9に例示された時系列の降雨量の予測値に類似する実績値群を、所定期間ごとに抽出する。所定期間は、雨の降り方が急激でないと予測された場合には基準期間よりも長い期間に定められ、雨の降り方が急激であると予測された場合には基準期間よりも短い期間に定められる。水質予測部83は、降雨量の予測値に類似する降雨量の実績値群が複数のグラフに存在している場合、降雨開始時刻t10において取水地点における水の濁度の平均値に最も近い濁度を示すグラフから、降雨量の実績値群を抽出(特定)してもよい。
【0047】
水源200の降雨量の実績値と水源200の水質の実績値との相関関係は、水源の降雨量の予測値と水源の水質の予測値との間にも成立すると考えられる。そこで、水質予測部83は、水源200の降雨量の実績値と水源200の水質の実績値との相関関係に基づいて、水源の降雨量の予測値(説明変数、独立変数)に応じた水源の水質(目的変数、従属変数)を時刻ごとに予測する。
【0048】
図10は、降雨量の予測値に基づく濁度の予測途中経過の例を示す図である。横軸は時刻を示す。左の縦軸は、上流地点における降雨量を示す。右の縦軸は、取水地点における水の濁度の予測値を示す。
【0049】
図9及び
図10に例示された期間yk1の降雨量の変化率(グラフの傾き)は、
図6に例示された期間jk1の降雨量の変化率とほぼ等しい。
図9及び
図10に例示された時刻t12の降雨量の予測値K(t12)+εは、
図6に例示された時刻t12の降雨量の実績値K(t12)とほぼ等しい。このように、
図9及び
図10に例示された期間yk1の降雨量の予測値群は、変化率等の点で、
図6に例示された期間jk1の降雨量の実績値群と類似している。そこで、水質予測部83は、
図9及び
図10に例示された期間yk1の降雨量の予測値群に類似する実績値群(近似可能実績値群)として、
図6に例示された期間jk1の降雨量の実績値群を特定する。
【0050】
水質予測部83は、期間yk1の降雨量の予測値群を、
図6に例示された期間jk1の降雨量の実績値群で近似する。時刻t11は、時刻t10から遅延時間長(t_rag)だけ経過した時刻である。水質予測部83は、
図6において期間jk1の降雨量の実績値群と相関関係のある期間jd1の濁度の実績値群を、時刻t11から期間yd1の濁度の予測値群と定める。相関関係のある期間(対応している期間)であるか否かは、例えば、相関関係因子を盛り込んだ帰結(相関関数等)に基づいて定められる。なお、期間yk1と期間yd1とは、同じ時間長でなくてもよい。
【0051】
図11は、降雨量の予測値に基づく濁度の予測結果(相関関係)の例を示す図である。横軸は時刻を示す。左の縦軸は、上流地点における降雨量を示す。右の縦軸は、取水地点における水の濁度の予測値を示す。なお、
図11では、降雨量の予測値が降雨量の実測値で近似されているので、降雨量の予測値を示す細線は、降雨量の実測値を示す太線に隠されている。
【0052】
図9から
図11までに例示された期間yk1の降雨量の積算値は、
図7に例示された時刻t20から時刻t23までの降雨量の積算値とほぼ等しい。直前までの降雨量の積算値がほぼ等しい場合、濁度もほぼ等しくなると考えられる。
図9から
図11までに例示された期間yk2の降雨量の予測値群は、期間の時間長と変化率との点で、
図7に例示された期間jk2の降雨量の実績値群と類似している。そこで、水質予測部83は、
図9から
図11までに例示された期間yk2の降雨量の予測値群に類似する実績値群(近似可能実績値群)として、
図7に例示された期間jk2の降雨量の実績値群を特定する。
【0053】
水質予測部83は、期間yk2の降雨量の予測値群を、
図7に例示された期間jk2の降雨量の実績値群で近似する。期間yk2の時間長と期間jk2の時間長とは、例えば、同じ時間長である。水質予測部83は、
図7において期間jk2の降雨量の実績値群と相関関係のある期間jd2の濁度の実績値群を、時刻t1_dh1から期間yd2の濁度の予測値群と定める。水質予測部83は、時刻t13以降についても、相関関係を同様に推定する。なお、期間yk2の時間長と期間yd2の時間長とは、同じ時間長でなくてもよい。
【0054】
図9から
図11までに例示された時刻t1_dh1の濁度の予測値D(t1_dh1)は、
図8に例示された時刻t23の濁度の実績値D(t23)(=D(t1_dh1)+ε)とほぼ等しい。
図9から
図11までに例示された期間yk2の降雨量の予測値群は、期間の時間長と変化率との点で、
図8に例示された期間jk3の降雨量の実績値群と類似している。そこで、水質予測部83は、
図9から
図11までに例示された期間yk2の降雨量の予測値群に類似する実績値群(近似可能実績値群)として、
図8に例示された期間jk3の降雨量の実績値群を特定してもよい。
【0055】
水質予測部83は、期間yk2の降雨量の予測値群を、
図8に例示された期間jk3の降雨量の実績値群で近似してもよい。期間yk2の時間長と期間jk3の時間長とは、例えば、同じ時間長である。水質予測部83は、
図8において期間jk3の降雨量の実績値群と相関関係のある期間jd3の濁度の実績値群を、時刻t1_dh1から期間yd2の濁度の予測値群と定める。水質予測部83は、時刻t13以降についても、相関関係を同様に推定する。なお、期間yk2の時間長と期間yd3の時間長とは、同じ時間長でなくてもよい。
【0056】
なお、水質予測部83は、降雨量の予測値と実際の降雨量とが異なっている場合、実際の降雨量を降雨量の実績値群で近似してもよい(リアルタイム補正)。
【0057】
時刻管理部84は、施設5ごとの取水開始予定時刻を、取水要求量算出部85に送信する。時刻管理部84は、施設5ごとの取水開始予定時刻を、通信部80を介して施設5に送信する。時刻管理部84は、施設5ごとの取水停止予定時刻を、取水要求量算出部85に送信する。時刻管理部84は、施設5ごとの取水停止予定時刻を、通信部80を介して施設5に送信する。
【0058】
図12は、予測時刻の例を示す図である。横軸は時刻を示す。縦軸は、取水地点における水の濁度の予測値を示す。時刻管理部84は、濁度の予測値が取水停止の基準濁度以上となる時刻を、取水停止の予測時刻と定める。時刻管理部84は、取水停止の予測時刻に基づいて取水停止予定時刻を定める。時刻管理部84は、濁度の予測値が取水開始(再開)の基準濁度以下となる時刻を、取水開始の予測時刻と定める。時刻管理部84は、取水開始の予測時刻に基づいて取水開始予定時刻を定める。
【0059】
取水要求量算出部85は、濁度等の水質の予測値に応じて、施設5ごとの重み付け値を算出する。取水要求量算出部85は、施設5ごとの重み付け値に基づいて、取水需要総量Qを施設5に按分する。すなわち、取水要求量算出部85は、取水需要総量Qと重み付け値とに基づいて、取水要求量を施設5ごとに算出する。なお、取水要求量算出部85は、取水補正量に基づいて、取水補正量算出部81の代わりに取水要求量を更新してもよい。
【0060】
取水要求量の算出方法の一例を説明する。取水システム1の全体(事業者全体)において、一例として、施設5−1の取水地点の水の濁度が2mg/リットルであり、施設5−2の取水地点の水の濁度が濁度3mg/リットルであり、施設5−3の取水地点の水の濁度が4mg/リットルである。
【0061】
取水要求量算出部85は、各濁度の最小公倍数を算出する。例えば、取水要求量算出部85は、濁度「2」、「3」及び「4」の最小公倍数「12」を算出する。取水要求量算出部85は、算出された最小公倍数に基づいて、濁度の逆数の整数比を重み付け値として算出する。例えば、取水要求量算出部85は、最小公倍数「12」を各濁度で除算することによって、濁度の逆数の整数比(6:4:3)(=(12/2):(12/3):(12/4))を重み付け値として算出する。
【0062】
取水要求量算出部85は、濁度の逆数の整数比の成分値の合計を算出する。例えば、取水要求量算出部85は、濁度の逆数の整数比の成分値「6」、「4」及び「3」の合計「13」を算出する。取水要求量算出部85は、濁度の逆数の整数比に応じて、取水需要総量Qを施設5に按分する。例えば、取水要求量算出部85は、施設5−1の取水要求量を((6/13)×Q)と定める。例えば、取水要求量算出部85は、施設5−2の取水要求量を((4/13)×Q)と定める。例えば、取水要求量算出部85は、施設5−3の取水要求量を((3/13)×Q)と定める。
【0063】
取水要求量算出部85は、取水補正量を取水要求量に加算又は減算することによって、取水要求量を更新してもよい。取水要求量算出部85は、取水を継続することが可能である施設5に、更新後の取水要求量を要求する。
【0064】
次に、取水計画装置8の動作を説明する。
図13は、予測値の算出手順の例を示すフローチャートである。水質予測部83は、降雨量の予測値を、気象情報システム2から取得する(ステップS101)。水質予測部83は、ステップS105に処理を進める。
【0065】
水質予測部83は、降雨量の実績値を取得しているか否かを判定する(ステップS102)。水質予測部83が降雨量の実績値を取得していない場合(ステップS102:NO)、水質予測部83は、降雨量の実績値を施設グループ100又はデータベース82から取得する(ステップS103)。
【0066】
水質予測部83は、降雨量の実績値を継続的にデータベース82に蓄積する(ステップS104)。水質予測部83は、水質予測部83が予め推定した相関関係と降雨量の予測値とに基づいて、濁度の予測値を時刻に対応付けて予測する。水質予測部83は、施設5−1〜5−Nについて、濁度の予測値を取水要求量算出部85に送信する(YS)。
【0067】
図14は、取水要求量を算出する手順の例を示すフローチャートである。取水要求量算出部85は、取水需要総量Qを表す情報を、施設5−1〜5−Nから取得する(ステップS201)。取水要求量算出部85は、濁度の予測値と取水補正量とに基づいて、取水要求量を施設5ごとに算出する(ステップS202)。
【0068】
取水要求量算出部85は、取水開始予定時刻を表す情報と取水停止の予定時刻を表す情報とを、施設5ごとに時刻管理部84から取得する。取水要求量算出部85は、取水を継続することが可能である施設5に対して取水不足総量を均等に割り当てた取水要求量を、取水を継続することが可能である施設5に追加要求する。以下、取水を継続することが可能である施設5に対して取水不足総量を均等に割り当てる制御を、「均等割り当て制御」という。取水を継続することが可能である施設5とは、現在時刻が取水停止予定時刻前である施設5である(ステップS203)。取水要求量算出部85は、施設5−nの取水要求量を表す情報と、取水開始予定時刻を表す情報と、取水停止予定時刻を表す情報とを、通信部80を介して施設5−nに送信する(ステップS204)。
【0069】
監視制御システム52は、取水要求量を表す情報と、取水開始予定時刻と、取水停止予定時刻とを、データベース50に記録する(ステップS205)。監視制御システム52は、取水上限量が取水要求量未満であるか否かを判定する(ステップS206)。取水上限量が取水要求量未満である場合(ステップS206:YES)、監視制御システム52は、取水不足量(=取水要求量−取水上限量)を算出する。監視制御システム52は、ステップS210に処理を進める。
【0070】
取水上限量が取水要求量以上である場合(ステップS206:NO)、監視制御システム52は、取水要求量を浄水処理システム53に送信する(ステップS208)。監視制御システム52は、取水余裕量(=取水上限量−取水要求量)を算出する。監視制御システム52は、取水余裕量又は取水不足量を、取水計画装置8に送信する(ステップS209)。取水補正量算出部81は、取水余裕量又は取水不足量を、通信部80を介して取得する(ステップS210)。
【0071】
図15は、取水補正量を算出する手順の例を示すフローチャートである。取水補正量算出部81は、均等割り当て制御が実行されているか否かを判定する(ステップS301)。均等割り当て制御が実行されていない場合(ステップS301:NO)、取水補正量算出部81は、取水余裕量が算出された施設5を特定し(ステップS302)、取水不足量が算出された施設5を特定する(ステップS303)。取水補正量算出部81は、濁度の予測値を施設5ごとに取得する(ステップS304)。
【0072】
取水補正量算出部81は、取水需要総量と取水要求総量との差を算出する(ステップS305)。取水補正量算出部81は、濁度の予測値に基づいて、取水補正量を施設5ごとに算出する。取水補正量算出部81は、取水不足量が算出された施設5から取水不足量を引き取り、取水余裕量が算出された施設5に取水不足量を割り当てるよう、取水補正量を施設5ごとに算出する。
【0073】
取水補正量算出部81は、取水余裕量が算出された施設5のうち濁度の予測値が最も小さい施設5に対して、他の施設5の取水不足量の全てを割り当ててもよい。取水補正量算出部81は、取水余裕量が算出された施設5のうち濁度の予測値が小さい複数の施設5に対して優先的に、他の施設5の取水不足量を割り当ててもよい(ステップS305)。均等割り当て制御が実行されている場合(ステップS301:YES)、取水要求量算出部85は、
図14に示すステップS202を実行する。
【0074】
図16は、予定時刻を送信する手順の例を示すフローチャートである。時刻管理部84は、取水停止の基準濁度をデータベース82から取得する(ステップS401)。時刻管理部84は、時系列の濁度の予測値が基準濁度以上になるか否かを判定する(ステップS402)。時系列の濁度の予測値が基準濁度以上にならない場合(ステップS402:NO)、時刻管理部84は、ステップS402の処理を繰り返す。
【0075】
時系列の濁度の予測値が基準濁度以上になる場合(ステップS402:YES)、時刻管理部84は、時系列の濁度の予測値が基準濁度以上になる時刻を、取水停止予定時刻と定める。時刻管理部84は、取水停止予定時刻以降に取水の開始(再開)が可能であるか否かを判定する(ステップS403)。
【0076】
取水停止予定時刻以降に取水の開始が可能でない場合(ステップS403:NO)、時刻管理部84は、ステップS403の処理を繰り返す。取水停止予定時刻以降に取水の開始が可能である場合(ステップS403:YES)、時刻管理部84は、取水開始予定時刻を表す情報を、通信部80を介して施設5に送信する(ステップS404)。時刻管理部84は、ステップS405に処理を進める。
【0077】
時系列の濁度の予測値が基準濁度以上になる場合(ステップS402:YES)、時刻管理部84は、取水停止予定時刻を表す情報を、通信部80を介して施設5に送信する(ステップS405)。監視制御システム52は、取水停止予定時刻を表す情報と取水開始予定時刻を表す情報とを、データベース50に記録する(ステップS406)。
【0078】
図17は、取水計画装置8がネットワークのトークン(送信権)の巡回を制御する手順(トークンパッシング方式)の例を示すフローチャートである。トークンは、例えば、取水補正量を変更する権利を管理者が得るための送信権である。取水不足総量の解消に貢献しようとする意思がある管理者の監視制御システム52は、監視制御システム52のキーボード等を管理者が操作してトークンを得ることによって、施設5の取水補正量を変更することができる。
【0079】
通信部80は、取水停止予定時刻を表す情報と取水開始予定時刻を表す情報とを、ネットワークを介して施設5に配信する(ステップS501)。通信部80は、複数の施設5の間で、ネットワークを介してトークンを巡回させる。通信部80は、トークンを巡回させる回数の上限を定めてもよい(ステップS502)。
【0080】
監視制御システム52は、トークンを取得したか否かを判定する(ステップS503)。トークンを取得していない場合(ステップS503:NO)、監視制御システム52は、ステップS503を繰り返す。トークンを取得した場合(ステップS503:YES)、監視制御システム52は、キーボード等の操作部に対する手動操作を受け付ける(ステップS504)。通信部80は、トークンの巡回を一時停止させる(ステップS505)。
【0081】
以上のように、実施形態の取水計画装置8は、水質予測部83と、取水要求量算出部85と、通信部80とを持つ。水質予測部83は、降雨量の実績値と水質の実績値との相関関係に基づいて、降雨量の予測値に応じた水質を予測する。取水要求量算出部85は、取水要求量を水質の予測結果に基づいて施設5ごとに算出する。通信部80は、取水要求量を表す情報を少なくとも一つの施設5に送信する。
【0082】
これにより、実施形態の取水計画装置8は、取水システム1の給水能力を向上させることができる。
【0083】
実施形態の取水計画装置8は、異なる水源200の水を異なる施設5の間で融通して、取水システム1の給水能力を向上させることができる。実施形態の取水計画装置8は、取水停止予定時刻と取水開始予定時刻とを、施設5の管理者に通知することができる。施設5の管理者は、取水停止予定時刻と取水開始予定時刻とに基づいて、取水停止及び取水開始のための操作を確実に実行することができる。
【0084】
実施形態の取水計画装置8は、施設5のデータベース50に予め記録されている実績値群に基づいて、施設5に関する水の濁度等を予測することができる。実施形態の取水計画装置8は、施設5の構成に関する情報を取得しなくても、取水システム1の給水能力を向上させることができる。施設5の構成に関する情報とは、例えば、送水管の径に関する情報、ポンプの取水能力を表す情報である。実施形態の取水計画装置8は、施設5の水に関する相関関係を実績値に基づいて機械学習することによって、水源の水質の予測値に関する相関関係を推定することができる。実施形態の取水計画装置8は、取水システム1の運用コストを低減することができる。実施形態の取水計画装置8は、環境負荷を低減することができる。
【0085】
また、人口が減少している日本の社会情勢を考慮すれば、水道事業全体には、解決すべき課題(a)〜(d)がある。
【0086】
(a)給水人口の減少に伴う料金収入の低下の解消
(b)技術者及び現場作業員の退職による人的資源の不足の解消と、技術者及び現場作業員のノウハウ等の技術の継承
(c)高度成長期に急速に整備された施設の改良及び更新と、施設の改良及び更新のピークの平滑化と、施設の改良及び更新の財源の確保
(d)下記(i)〜(iii)に示す課題の解決を踏まえた、施設の統廃合の対応と、広域化運営の推進
【0087】
(i)原水の水質が悪化した非常時における、原水の濁度が上昇することによって浄水処理に障害が発生することを低減
(ii)原水の水質の悪化に伴い取水の停止又は制限が発生して渇水しないよう、非常時における給水能力の向上
(iii)より清浄な原水を優先的に取水することによる、水道事業に伴う費用及び環境負荷を低減
【0088】
重要なライフラインである水道事業の使命は、人口が減少している社会情勢下にあっても、可能な限り給水を継続することである。水道事業の使命は、原水の水質が悪化した非常時であっても、通常時と変わらない。実施形態の取水計画装置8は、原水の水質が悪化した非常時でも給水能力が向上しているので、課題(i)〜(iii)を解決することができる。
【0089】
以上述べた少なくともひとつの実施形態によれば、降雨量の実績値と水質の実績値との相関関係に基づいて、降雨量の予測値に応じた水質を予測する水質予測部と、水処理に関する施設に要求する取水量である取水要求量を水質の予測結果に基づいて施設ごとに算出する取水要求量算出部とを持つことにより、取水システムの給水能力を向上させることができる。
【0090】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。