【文献】
雨雪判別マップの見方,2016年 5月14日,URL,https://web.archive.org/web/20160514115049/http://weather-gpv.info/sjd.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0010】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。
【0011】
図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置2と、サーバ3とを備えている。端末装置2とサーバ3とは、インターネット等のネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク4は、有線回線と無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。なお、端末装置2およびサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。
【0012】
端末装置2は、ユーザが使用するものであり、たとえば、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末、ノートブックコンピュータ、またはデスクトップコンピュータなどの電子機器である。
【0013】
図1に示すように、端末装置2は、端末通信部21と、端末制御部22と、端末記憶部23と、端末入力部24と、表示手段の一例である端末表示部25とを有している。各部は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。まず、端末装置2の構成要素のうち、端末制御部22以外の構成要素、すなわち、端末通信部21、端末記憶部23、端末入力部24および端末表示部25について説明する。
【0014】
端末通信部21は、端末装置2とネットワーク4との間の通信インターフェースである。端末通信部21は、ネットワーク4を介して端末装置2とサーバ3との間で情報を送受信する。
【0015】
端末記憶部23は、たとえば内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。端末記憶部23には、端末制御部22が取り扱う各種データが記憶される。端末記憶部23は、必ずしも端末装置2内に設けられていなくてもよく、ネットワーク4を介して端末装置2と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0016】
端末入力部24は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、たとえばモバイル端末におけるタッチパネル、ノートブックコンピュータにおけるタッチパッド、キーボードまたはマウスなどである。
【0017】
端末表示部25は、端末装置2からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり、たとえば液晶ディスプレイ等の映像表示手段である。具体的には、たとえば、端末表示部25は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。
【0018】
次に、端末制御部22について説明する。端末制御部22は、
図1に示すように、表示すべき地域を特定する位置取得部22aを有している。位置取得部22aは、端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよい。
【0019】
位置取得部22aは、表示すべき地域として、端末装置2のユーザの現在位置情報を取得する。位置取得部22aは、たとえば、GPS、ビーコンなどの電波航法手段による測位情報に基づいて現在位置を所定周期ごと(たとえば、1秒ごとなど)に測位して取得してもよい。また、位置取得部22aは、ユーザにより端末入力部24を介して入力された現在位置についての位置座標やアドレスなどを、端末装置2のユーザの現在位置情報として取得してもよい。ここで、ユーザにより端末入力部24を介して入力された現在位置は、ユーザが現実に存在する位置であってもよく、ユーザにより任意に選択された仮想の現在位置(一例として、東京にいるユーザにより選択された大阪の駅や空港などの任意の地点)であってもよい。具体的には、位置取得部22aは、端末表示部25に表示された地図データの表示画面上で端末入力部24を介してユーザに指定(たとえば、タッチパネル式の表示部でのタッチ操作など)させた座標を、端末装置2のユーザの現在位置情報として取得してもよい。ここで、位置取得部22aは、ユーザの現在位置情報とともに、当該現在位置情報を取得した日時情報を取得してもよい。
【0020】
端末制御部22は、位置取得部22aにより取得されたユーザの現在位置情報を、端末通信部21を通じてサーバ3に送信する。端末装置2から送信されたユーザの現在位置情報は、サーバ3に記憶される。
【0021】
次に、サーバ3について説明する。
図1に示すように、サーバ3は、サーバ通信部31と、サーバ制御部32と、サーバ記憶部33とを有している。各部は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0022】
このうちサーバ通信部31は、サーバ3とネットワーク4との間の通信インターフェースである。サーバ通信部31は、ネットワーク4を介して端末装置2とサーバ3との間で情報を送受信する。なお、
図1に示すように、外部システム5がネットワーク4に接続されている場合には、サーバ通信部31は、ネットワーク4を介して外部システム5とサーバとの間で情報を送受信してもよい。
【0023】
サーバ制御部32は、地図取得手段の一例である地図取得部32aと、気象情報取得手段の一例である気象情報取得部32bと、表示制御手段の一例である表示制御部32cとを有している。これらの各部は、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよい。これらの各部については、後述する。
【0024】
サーバ記憶部33は、たとえばハードディスク等の固定型データストレージである。サーバ記憶部33には、サーバ制御部32が取り扱う各種データが記憶される。たとえば、サーバ記憶部33には、地図データベースと気象情報データベースとが記憶される。
【0025】
地図データベースは、地図データを記憶する地図データ記憶手段である。地図データベースに記憶される地図データは、全国および各地方の道路地図や路線図等の地図データであってもよい。たとえば、地図データベースに記憶される地図データは、地図上に表示される地物(たとえば、ビルや住宅や駅など建造物、道路、線路、橋、トンネル、等高線、海岸線や湖岸線などの水涯線、海、河川、湖、池、沼、公園や屋外施設等の地、行政界、行政区画、および、街区など)の形状についての形状データ、地図上に表示される注記(たとえば、地名、住所、電話番号、店や公園や駅などの施設名称、名所や旧跡や河川や湖や湾や山や森林などの俗称を含む名称、道路や橋やトンネルなどの名称、路線名称、地点情報、および、口コミ情報など)についての注記データ、および、地図上に表示される記号(たとえば、山、史跡、寺社、学校、病院、工場および墓地などの地図機構、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、レストラン、銀行および郵便局などの店舗記号、道路上の信号、有料道路の出入口、料金所、サービスエリア、パーキングエリアおよびインターチェンジなどの記号、駐車場、駅、ホテル、美術館および博物館などの施設器具、ならびに口コミ地点記号など)の記号データなどのデータを含んでいてもよい。
【0026】
ここで、地図データは、縮尺に従ってメッシュ化された地図データ(たとえば、JIS規格の第1〜3次地域区画メッシュデータ、および、100mメッシュデータなど)であってもよい。メッシュの形状は正方形や長方形(矩形)に限らず、三角形や五角形、六角形などの多角形などでもよい。また、地図データは、ラスタ形式、ベクタ形式などの地図描画用の画像データであってもよい。これらの地図データは、地図データベースに予め記憶されており、サーバ制御部32は、ネットワーク4を介して最新のデータを、外部システム5(地図データを提供する地図提供サーバなどの外部機器など)から定期的にダウンロードして、地図データベースに記憶された地図データをアップデートしてもよい。
【0027】
気象情報データベースは、各地域および各時間帯の降水量情報および降水タイプ(雨または雪)を含む気象情報を記憶する気象情報記憶手段である。ここで、気象情報データベースに記憶される降水量情報および降水タイプは、地域および時間帯に対応付けて降水量および降水タイプを格納した情報であり、現在値、実績値および予測値のうち1つまたは2つ以上を含んでいてもよい。たとえば、予測値としての降水量情報および降水タイプは、将来の時間の経過により変化する地域ごとの降水量および降水タイプの情報である。このほか、気象情報データベースに記憶される気象情報は、天気、気温、体感温度、湿度、降水確率、風、紫外線、光化学スモッグおよび黄砂飛散量などの大気汚染、花粉飛散量、気象注意報、ならびに、気象警報についての情報を含んでいてもよい。
【0028】
これらの気象情報は、気象情報データベースに予め記憶されており、サーバ制御部32は、ネットワーク4を介して最新のデータを、外部システム5(たとえば、気象庁や民間気象サービス等のサーバなど)から定期的にダウンロードして、気象データベースに記憶された気象情報をアップデートしてもよい。
【0029】
なお、一例として、気象庁や民間気象サービス等のサーバなどの外部システム5が提供する降水量および降水タイプに関するデータは、各地域と各時間帯における降水量および降水タイプを示す表形式のデータや、文章形式のデータや、グラフ化されたデータ、グラフ元のデータなどであるが、サーバ制御部32は、これらのデータを外部システム5からダウンロードして加工し、メッシュ単位やエリア単位での降水量および降水タイプに換算したものを、降水量および降水タイプの情報として気象情報データベースに格納してもよい。また、外部システム5が提供する降水量および降水タイプのデータが、代表地点(観測地点のある場所など)における降水量情報のデータである場合に、公知のデータ補完手法や内挿法によって算出して、気象情報データベースに記憶してもよい。
【0030】
また、
図1に示すように、サーバ記憶部33には、降水量領域表示情報33aと、雨雪判別領域表示情報33bとが予め記憶されている。
【0031】
降水量領域表示情報33aとは、地図の各メッシュに降水量領域を表示するための情報であり、たとえば、降水量と配色との対応関係を規定する表である。具体的には、たとえば、降水量が1mm未満の場合には「水色」、1mm〜5mmの場合には「青」、5mm〜15mmの場合には「濃紺」、15mm〜30mmの場合には「黄色」、30mm〜50mmの場合には「オレンジ」、50mmより大きい場合には「赤」の色がそれぞれ対応付けられる。なお、同系色であって階調(濃淡)が異なる色は、ユーザが見て直ちに判別できる色であれば、互いに異なる色として対応付けに利用されてもよい。
【0032】
雨雪判別領域表示情報33bとは、地図の各メッシュに雨雪判別領域を表示するための情報であり、たとえば、降水タイプが雪の場合にはメッシュに雨雪判別領域を表示するが、降水タイプが雨の場合にはメッシュに雨雪判別領域を表示しないという条件を表す情報である。
【0033】
なお、サーバ記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられなくてもよく、ネットワーク4を介してサーバ3と通信可能に接続された別の装置内に設けられてもよい。
(動作の一例)
【0034】
次に、このような構成からなる情報処理システム1の動作の一例について、
図2〜
図12を参照して説明する。
図2は、情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0035】
まず、
図2に示すように、サーバ制御部32は、端末装置2の位置取得部22aにより取得されるユーザの現在位置情報を、端末装置2から取得する(ステップS10)。
【0036】
地図取得部32aは、サーバ記憶部33に記憶された地図データベースに基づいて、端末装置2から取得した現在位置情報に係る地図データを取得する(ステップS11)。たとえば、地図取得部32aは、
図3に示すように、端末装置2から取得した現在位置の位置座標を中心とする、所定の大きさの区画(メッシュ)10で区切られた地図データを取得する。
【0037】
気象情報取得部32bは、サーバ記憶部33に記憶された気象情報データベースに基づいて、地図取得部32aにより取得された地図に係る気象情報を取得する(ステップS12)。気象情報には、降水量および降水量に紐づいている降水タイプが含まれる。気象情報は、現在値、実績値および予測値のうち1つまたは2つ以上を含んでいてもよい。気象情報取得部32bは、メッシュ10ごとに気象情報を取得してもよいし、まとめて取得した気象情報をメッシュ10ごとに整理してもよい。
【0038】
表示制御部32cは、地図取得部32aにより取得された地図の中に、気象情報との対応付けを未だ試みられていないメッシュ10(後述するステップS14で抽出されていないメッシュ10)があるか否かを判断する(ステップS13)。
【0039】
気象情報との対応付けを未だ試みられていないメッシュ10があると判断された場合には(ステップS13:YES)、表示制御部33cは、気象情報との対応付けを未だ試みられていないメッシュ10を1つ新たに抽出する(ステップS14)。
【0040】
そして、表示制御部32cは、気象情報取得部32bにより取得された気象情報に基づいて、サーバ記憶部33に記憶された降水量領域表示情報33aに従って、抽出されたメッシュ10に対して降水量に応じた配色で、降水量領域11を表示する(ステップS15)。
図4に示す例では、表示制御部32cは、メッシュ10の全面を降水量に応じた配色で塗りつぶすことにより、降水量領域11を表示する。降水量領域11および後述する雨雪判別領域12の形状は、メッシュ10の形状と同様に、正方形や長方形(矩形)であってもよいし、三角形や五角形、六角形などの多角形などであってもよい。なお、抽出されたメッシュ10の気象情報が気象情報取得部32bにより取得されなかった場合には、表示制御部32cは、当該メッシュ10には何も表示しない。
【0041】
次に、表示制御部32cは、抽出されたメッシュ10について、気象情報取得部32bにより取得された降水タイプが雪であるか否かを判断する(ステップS16)。
【0042】
降水タイプが雪であると判断された場合には(ステップS16:YES)、表示制御部32cは、サーバ記憶部33に記憶された雨雪判別領域表示情報33bに従って、抽出されたメッシュ10に対して雨雪判別領域12を表示する(ステップS16)。
図5に示す例では、表示制御部32cは、降水量領域11の少なくとも一部を取り囲むように、メッシュ10の内側および外側の両方に、降水量領域11とは異なる予め定められた配色で雨雪判別領域12を表示する。その後、表示制御部32cは、ステップS13に処理を戻す。
【0043】
一方、降水タイプが雨であると判断された場合には(ステップS16:NO)、表示制御部32cは、サーバ記憶部33に記憶された雨雪判別領域表示情報33bに従って、抽出されたメッシュ10に対して雨雪判別領域12を表示せずに、ステップS13に処理を戻す。降水タイプが雨であると判断された場合(ステップS16:NO)の他のバリエーションとして、表示制御部32cは、サーバ記憶部33に記憶された雨雪判別領域表示情報33bに従って、(1)雨雪判別領域12を配色せずに、抽出されたメッシュ10に重ねて表示してもよいし、(2)雨雪判別領域12を降水量に応じた配色(すなわち降水量領域11と同じ配色)で、抽出されたメッシュ10に重ねて表示してもよい。
【0044】
図6は、降水タイプが雨であるメッシュ10が隣り合って配置された状態、降水タイプが雪であるメッシュ10が隣り合って配置された状態、降水タイプが雨であるメッシュ10と雪であるメッシュ10とが隣り合って配置された状態をそれぞれ示している。
【0045】
なお、雨雪判別領域12は、メッシュ10の内側および外側の両方に設けられる態様に限定されない。雨雪判別領域12は、降水量領域11の外側、縁、外周に設けられてもよい。たとえば、
図7に示すように、雨雪判別領域12は、降水量領域11の少なくとも一部を取り囲むように、メッシュ10の内側のみに設けられてもよいし、
図8に示すように、雨雪判別領域12は、降水量領域11の全面を取り囲むように、メッシュ10の外側のみに設けられてもよい。
【0046】
雨雪判別領域12がメッシュ10の内側のみに設けられる場合には、
図9Aに示すように、メッシュ10の全面が降水量に応じた配色で塗りつぶされることにより、降水量領域11が設けられた後で、降水量領域11の一部に重なるようにメッシュ10の内側のみに、全面が配色された雨雪判別領域12が設けられてもよいし、
図9Bに示すように、メッシュ10の中央部分が降水量に応じた配色で塗りつぶされることにより、降水量領域11が設けられた後で、降水量領域11に重なることなくメッシュ10の内側のみに、全面が配色された雨雪判別領域12が設けられてもよい。あるいは、
図10Aに示すように、メッシュ10の全面が降水量に応じた配色で塗りつぶされることにより、降水量領域11が設けられた後で、降水量領域11の一部に重なるようにメッシュ10の内側および外側に、一部分(メッシュ10の内側部分)のみが配色された雨雪判別領域12が設けられてもよいし、
図10Bに示すように、メッシュ10の中央部分が降水量に応じた配色で塗りつぶされることにより、降水量領域11が設けられた後で、降水量領域11に重なることなくメッシュ10の内側および外側に、一部分(メッシュ10の内側部分)のみが配色された雨雪判別領域12が設けられてもよい。なお、
図9Aおよび
図10Aに示す態様では、メッシュ10と降水量領域11とが等しいが、
図9Bおよび
図10Bに示す態様では、メッシュ10の中央部分のみが降水量領域である。
【0047】
また、雨雪判別領域12がメッシュ10の外側のみに設けられる場合には、
図11に示すように、メッシュ10の全面が降水量に応じた配色で塗りつぶされることにより、降水量領域11が設けられた後で、降水量領域11の一部に重なるようにメッシュ10の内側のみに雨雪判別領域12が設けられてもよい。
【0048】
気象情報との対応付けを未だ試みられていない各メッシュ10についてステップS14〜S16の処理が実施されることにより、
図12に示すように、端末装置2の端末表示部25において、降水量領域11と雨雪判別領域12とが設けられたメッシュ10を地図上に重ねて表示する画面が表示される。
【0049】
なお、サーバ制御部32が、ユーザにより端末入力部24(たとえば、端末表示部25に表示されるGUIのスライダ)を介して入力された時刻情報を、端末装置2から取得する場合には、表示制御部32cは、端末装置2から取得した時刻情報に基づいて、降水量および降水タイプの現在値に応じた降水量領域11および雨雪判別領域12を表示してもよいし、降水量および降水タイプの実績値に応じた降水量領域11および雨雪判別領域12を表示してもよいし、降水量および降水タイプの予測値に応じた降水量領域11および雨雪判別領域12を表示してもよい。
【0050】
ステップS13に戻って、気象情報との対応付けを未だ試みられていないメッシュ10が無いと判断された場合には(ステップS13:NO)、サーバ制御部32は、処理を終了する。
【0051】
ところで、発明が解決しようとする課題の欄でも言及したように、従来の技術では、気象の区別を配色で表現していることから、色の種類が多く、どの色がどの気象を表しているのかを判断するためには、たとえば地図とは別に表示される凡例の中の色と照らし合わせる必要があり、直感的に判断することはできない。
【0052】
これに対し、本実施の形態によれば、表示制御部32cが降水量を示す領域11と雨雪判別領域12の両方が設けられたメッシュ10を地図に重ねて表示するため、ユーザは、各メッシュ10が雨または雪のどちらを表しているのかを、凡例を参照することなく直感的に判別できる。
【0053】
(第1の変形例)
第1の変形例について、
図13および
図14を参照して説明する。
図13は、第1の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
図14は、第1の変形例に係る情報処理システム1により表示される画面の一例を示す図である。表示制御部32cが、抽出されたメッシュ10に対して降水量に応じた配色で降水量領域11を表示するまでの工程(ステップS10〜S15)は、上述の実施の形態と同様であり、説明を省略する。
【0054】
第1の変形例では、サーバ記憶部33には、降水タイプが雪の場合にはメッシュ10に降雪用の配色で雨雪判別領域12を表示し、降水タイプが雨の場合にはメッシュ10に降雪用の配色とは異なる降雨用の配色で雨雪判別領域12を表示するという条件を表す情報が、雨雪判別領域表示情報33bとして記憶されている。
【0055】
図13に示すように、第1の変形例では、抽出されたメッシュ10に対して降水量に応じた配色で降水量領域11を表示した後、表示制御部32cは、当該抽出されたメッシュ10について、気象情報取得部32bにより取得された降水タイプが雪であるか否かを判断する(ステップS16)。
【0056】
降水タイプが雪であると判断された場合には(ステップS16:YES)、表示制御部32cは、サーバ記憶部33に記憶された雨雪判別領域表示情報33bに従って、抽出されたメッシュ10に対して降雪用の配色で雨雪判別領域12を表示する(ステップS16)。表示制御部32cは、
図5に示すように、メッシュ10の内側および外側の両方に、降雪用の配色で雨雪判別領域12を表示してもよいし、
図7に示すように、メッシュ10の内側のみに、降雪用の配色で雨雪判別領域12を表示してもよいし、
図8に示すように、メッシュ10の外側のみに、降雪用の配色で雨雪判別領域12を表示してもよい。その後、表示制御部32cは、ステップS13に処理を戻す。
【0057】
一方、降水タイプが雨であると判断された場合には(ステップS16:NO)、表示制御部32cは、サーバ記憶部33に記憶された雨雪判別領域表示情報33bに従って、抽出されたメッシュ10に対して降雨用の配色で雨雪判別領域12を表示する(ステップS17)。表示制御部32cは、
図5に示すように、メッシュ10の内側および外側の両方に、降雨用の配色で雨雪判別領域12を表示してもよいし、
図7に示すように、メッシュ10の内側のみに、降雨用の配色で雨雪判別領域12を表示してもよいし、
図8に示すように、メッシュ10の外側のみに、降雨用の配色で雨雪判別領域12を表示してもよい。その後、表示制御部32cは、ステップS13に処理を戻す。
【0058】
気象情報との対応付けを未だ試みられていない各メッシュ10についてステップS14〜S17の処理が実施されることにより、
図14に示すように、端末装置2の端末表示部25において、降水量領域11と雨雪判別領域12とが設けられたメッシュ10を地図上に重ねて表示する画面が表示される。
【0059】
以上のような第1の変形例によっても、上述の実施の形態と同様に、表示制御部32cが降水量を示す領域11と雨雪判別領域12の両方が設けられたメッシュ10を地図に重ねて表示するため、ユーザは、各メッシュ10が雨または雪のどちらを表しているのかを、凡例を参照することなく直感的に判別できる。
【0060】
なお、第1の変形例では、降水タイプが雪の場合と雨の場合とで雨雪判別領域12が異なる配色で表示されたが、これに限定されない。たとえば、降水タイプが雪の場合と雨の場合とで雨雪判別領域12が異なる形状(たとえば、雨雪判別領域12の幅)で表示されてもよいし、降水タイプが雪の場合と雨の場合とで雨雪判別領域12が異なる動作(たとえば、雪の場合のみ点滅表示)で表示されてもよい。
【0061】
(第2の変形例)
第2の変形例について、
図15〜
図18を参照して説明する。
図15は、第2の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
図16〜
図18は、第2の変形例に係る情報処理システム1により表示される画面の一例を示す図である。
【0062】
まず、
図15に示すように、サーバ制御部32は、端末装置2の位置取得部22aにより取得されるユーザの現在位置情報を、端末装置2から取得する(ステップS20)。ここで、サーバ制御部32は、ユーザにより端末入力部24を介して入力された鳥瞰図表示命令を、端末装置2から取得してもよい。
【0063】
地図取得部32aは、サーバ記憶部33に記憶された地図データベースに基づいて、端末装置2から取得した現在位置情報に係る鳥瞰図表示の地図データを取得する(ステップS21)。たとえば、地図取得部32aは、端末装置2から取得した現在位置の位置座標を中心とする、所定の大きさの区画(メッシュ)10で区切られた鳥瞰図表示の地図データを取得する。
【0064】
気象情報取得部32bは、サーバ記憶部33に記憶された気象情報データベースに基づいて、地図取得部32aにより取得された地図に係る気象情報を取得する(ステップS22)。気象情報には、降水量、降水量に紐づいている降水タイプ、降水タイプが雪の場合の積雪量が含まれる。気象情報取得部32bは、メッシュ10ごとに気象情報を取得してもよいし、まとめて取得した気象情報をメッシュ10ごとに整理してもよい。
【0065】
表示制御部32cは、地図取得部32aにより取得された地図の中に、気象情報との対応付けを未だ試みられていないメッシュ10(後述するステップS24で抽出されていないメッシュ10)があるか否かを判断する(ステップS23)。
【0066】
気象情報との対応付けを未だ試みられていないメッシュ10があると判断された場合には(ステップS23:YES)、表示制御部33cは、気象情報との対応付けを未だ試みられていないメッシュ10を1つ新たに抽出する(ステップS24)。
【0067】
そして、表示制御部32cは、気象情報取得部32bにより取得された気象情報に基づいて、サーバ記憶部33に記憶された降水量領域表示情報33aに従って、抽出されたメッシュ10に対して降水量に応じた配色で、降水量領域11を表示する(ステップS25)。たとえば、表示制御部32cは、メッシュ10の全面を降水量に応じた配色で塗りつぶすことにより、降水量領域11を表示する。なお、抽出されたメッシュ10の気象情報が気象情報取得部32bにより取得されなかった場合には、表示制御部32cは、当該メッシュ10には何も表示しない。
【0068】
次に、表示制御部32cは、抽出されたメッシュ10について、気象情報取得部32bにより取得された降水タイプが雪であるか否かを判断する(ステップS26)。
【0069】
降水タイプが雪であった場合には(ステップS26:YES)、表示制御部32cは、サーバ記憶部33に記憶された雨雪判別領域表示情報33bに従って、抽出されたメッシュ10に対して雨雪判別領域12を表示する(ステップS26)。たとえば、表示制御部32cは、抽出された3次元メッシュ10の上面および側面の両方の内側に、降水量領域11とは異なる予め定められた配色で雨雪判別領域12を表示する。
【0070】
次に、表示制御部32cは、気象情報取得部32bにより取得された気象情報に基づいて、雨雪判別領域12が設けられた3次元メッシュ10を、積雪量に応じた高さで表示する(ステップS27)。その後、表示制御部32cは、ステップS23に処理を戻す。
【0071】
一方、降水タイプが雨であった場合には(ステップS26:NO)、表示制御部32cは、サーバ記憶部33に記憶された雨雪判別領域表示情報33bに従って、抽出されたメッシュ10に対して雨雪判別領域12を表示せずに、ステップS23に処理を戻す。
【0072】
気象情報との対応付けを未だ試みられていない各メッシュ10についてステップS24〜S27の処理が実施されることにより、
図16に示すように、端末装置2の端末表示部25において、降水量領域11と雨雪判別領域12とが設けられたメッシュ10を地図上に重ねて表示する画面が表示される。
【0073】
ステップS23に戻って、気象情報との対応付けを未だ試みられていないメッシュ10が無いと判断された場合には(ステップS23:NO)、サーバ制御部32は、処理を終了する。
【0074】
第2の変形例によれば、表示制御部32cが、雪に係る3次元メッシュ10を積雪量に応じた高さで表示するため、ユーザは、各メッシュ10が雨または雪のどちらを表しているのかを、雨は積もらないが雪は積もるという事実からの連想に基づいて、より直感的に判別することができる。
【0075】
なお、第2の変形例において、サーバ制御部32が、ユーザにより端末入力部24を介して入力されたアニメーション表示命令を、端末装置2から取得する場合には、
図16〜
図18に示すように、表示制御部32cは、時間の経過に従って、雪に係る3次元メッシュ10のみ順に積み重なっていくように表示してもよい。このような態様によれば、ユーザは、各メッシュ10が雨または雪のどちらを表しているのかを、雨は積もらないが雪は積もるという事実からの連想に基づいて、極めて直感的に判別することができる。
【0076】
(第3の変形例)
第3の変形例について、
図19および
図20を参照して説明する。
図19は、第3の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
図20は、雪用タイル10aと雨用タイル10bの一例を示す図である。
図2に示す実施の形態ならびに第1および第2の変形例では、降水量領域11とは別個の雨雪判別領域12が降水量領域11に重ねて表示されるのに対し、第3の変形例では、降水量領域11と雨雪判別領域12とが一体型のタイル10a、10bが表示されることを特徴とする。
図19において、表示制御部32cが、気象情報との対応付けを未だ試みられていないメッシュ10を1つ新たに抽出するまでの工程(ステップS10〜S14)は、
図2に示す実施の形態と同様であり、説明を省略する。
【0077】
第3の変形例では、サーバ記憶部33には、
図20に示すように、雪用タイル10aと雨用タイル10bとが記憶されている。雪用タイル10aは、降水量を示す降水量領域11および雨雪を判別する雨雪判別領域12の両方を有しており、雨用タイル10bは、降水量領域11のみを有している。そして、サーバ記憶部33には、降水タイプが雪の場合にはメッシュ10に雪用タイル10aを表示し、降水タイプが雨の場合にはメッシュ10に雨用タイル10bを表示するという条件を表す情報が、雨雪判別領域表示情報33bとして記憶されている。
【0078】
図19に示すように、第3の変形例では、気象情報との対応付けを未だ試みられていないメッシュ10を1つ新たに抽出した後、表示制御部32cは、当該抽出されたメッシュ10について、気象情報取得部32bにより取得された降水タイプが雪であるか否かを判断する(ステップS35)。
【0079】
降水タイプが雪であると判断された場合には(ステップS35:YES)、表示制御部32cは、サーバ記憶部33に記憶された雨雪判別領域表示情報33bに従って、抽出されたメッシュ10に対して雪用タイル10aを表示する(ステップS36a)。
【0080】
次いで、表示制御部32cは、気象情報取得部32bにより取得された気象情報に基づいて、サーバ記憶部33に記憶された降水量領域表示情報33aに従って、雪用タイル10aが有する降水量領域11を降水量に応じた配色で塗りつぶす(ステップS37a)。降水タイプが雪であると判断された場合(ステップS35:YES)の他のバリエーションとして、予め降水量領域11が降水量に応じた配色で塗りつぶされた複数種類の雪用タイル10aが用意されて、サーバ記憶部33に記憶されており、表示制御部33cは、気象情報取得部32bにより取得された気象情報に基づいて、取得した降水量に応じた雪用タイル10aをサーバ記憶部33から取得してメッシュ10に表示してもよい。その後、表示制御部32cは、ステップS13に処理を戻す。
【0081】
一方、降水タイプが雨であると判断された場合には(ステップS35:NO)、表示制御部32cは、サーバ記憶部33に記憶された雨雪判別領域表示情報33bに従って、抽出されたメッシュ10に対して雨用タイル10bを表示する(ステップS37a)。
【0082】
次いで、表示制御部32cは、気象情報取得部32bにより取得された気象情報に基づいて、サーバ記憶部33に記憶された降水量領域表示情報33aに従って、雨用タイル10bが有する降水量領域11を降水量に応じた配色で塗りつぶす(ステップS37b)。降水タイプが雨であると判断された場合(ステップS35:NO)の他のバリエーションとして、予め降水量領域11が降水量に応じた配色で塗りつぶされた複数種類の雨用タイル10bが用意されて、サーバ記憶部33に記憶されており、表示制御部33cは、気象情報取得部32bにより取得された気象情報に基づいて、取得した降水量に応じた雪用タイル10bをサーバ記憶部33から取得してメッシュ10に表示してもよい。その後、表示制御部32cは、ステップS13に処理を戻す。
【0083】
気象情報との対応付けを未だ試みられていない各メッシュ10についてステップS14〜S37aまたはS14〜S37bの処理が実施されることにより、端末装置2の端末表示部25において、降水量領域11と雨雪判別領域12とが設けられたメッシュ10を地図上に重ねて表示する画面が表示される(
図12参照)。
【0084】
以上のような第3の変形例によっても、
図2に示す実施の形態と同様に、表示制御部32cが降水量を示す領域11と雨雪判別領域12の両方が設けられたメッシュ10を地図に重ねて表示するため、ユーザは、各メッシュ10が雨または雪のどちらを表しているのかを、凡例を参照することなく直感的に判別できる。
【0085】
なお、上述した実施形態で説明した情報処理システム1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ハードウェアで構成する場合には、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0086】
また、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0087】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システム1を機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システム1の少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0088】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実現するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0089】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や様々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。