【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様においては、人間の乳首から母乳を出すための搾乳器のための搾り出し具であって、
前記搾り出し具は、第1の圧力室及び第2の圧力室を有する搾乳器本体を有し、
前記第1の圧力室は、前記第1の圧力室において圧力を生成するための圧力ユニットに接続されるよう構成され、
前記第2の圧力室は、胸部受容漏斗と、母乳出口と、前記胸部受容漏斗から前記母乳出口への母乳経路と、を有し、
前記第1の圧力室と前記第2の圧力室とは、気体透過性であり液体非透過性である通気性膜により離隔され、前記通気性膜は、疎水性膜である、搾り出し具が提示される。
【0013】
本発明の更なる態様においては、人間の乳首から母乳を出すための搾乳器であって、
以上に説明された搾り出し具と、
圧力を生成するための圧力ユニットと、
を有する搾乳器が提示される。
【0014】
本発明の好適な実施例は、従属請求項において定義される。本発明の搾乳器は、本発明の搾り出し具及び従属請求項において定義されたものと同様の及び/又は同一の好適な実施例を持つことは、理解されるべきである。
【0015】
先行技術による非透過性のシリコーン隔膜を用いる代わりに、母乳経路から第1の圧力室を離隔するため、気体透過性であり液体非透過性である通気性膜を用いることが提案される。本発明者はこれにより、気体及び液体に対して非透過性である隔膜により胸部と圧力ユニットとを厳重に離隔する確立された概念を破る。
【0016】
女性の胸部が胸部受容漏斗のなかに位置させられると、第2の圧力室の開口が封止され閉じられる。従って、哺乳瓶のような母乳受容器が母乳出口に接続されると、第2の圧力室の開口が封止され閉じられる。当業者は、本文脈において「封止される」との語は、密閉されて封止されることに限定されるものではなく、母乳が搾り出され得る限り少しの漏れは許容されることを、理解するであろう。胸部受容漏斗は、母乳経路を介して母乳出口と流体連通している。
【0017】
動作時において、圧力ユニットは、第1の圧力室において、例えば負圧又は真空のような圧力を生成しても良い。第1の圧力室と第2の圧力室との間の通気性膜のため、該圧力は、乳首から母乳を搾り出すための第2の圧力室における対応する真空を引き起こす。第1の圧力室における負圧が解放されると、このことは第2の圧力室における対応する圧力を引き起こす。例えば、真空と周囲圧力とのシーケンスは、乳児の吸引運動を模倣し、授乳を促進し得る。該通気性膜は空気に対して透過性であるため、隔膜を動かす必要なく第2の真空室において負圧が生成されることができる。それ故、空間要件が著しく軽減される。
【0018】
換言すれば、弾力性のある隔膜の動きのための搾乳器本体における空気の容積を提供する必要がない。弾力性のある隔膜の動きのための該容積は、死容積とも呼ばれる。それ故、柔軟なシリコーンの膜を変位させるための死容積は、省略されることができる。第1の利点として、このことは設計の自由度を増大させ、低減されたサイズを持ち改善された取り扱いを実現した搾乳器を可能とする。第2の利点として、圧力ユニットにより変位させられる必要がある空気の容積が低減され、従ってより小さく安価な圧力ユニットが利用されることができる。
【0019】
更に、弾力性のあるシリコーンの隔膜が曲げられる必要がある、即ちシリコーンの隔膜のばね力に打ち克つためにかなりのポンプのパワーが必要とされる、従来の搾乳器とは異なり、通気性膜は、圧力ユニットに対する、より小さな抵抗をもたらすことができる。このことは、より小さく安価な圧力ユニットの利用を更に支持する。
【0020】
従来の搾乳器のためのシリコーンの隔膜は、種々の硬さ及び形状でつくられ得ることは、留意されるべきである。これらは全て異なる弾性挙動を持つが、いずれの設計も小さな圧力降下を可能とするための設計の最適化を必要とする。大面積の膜は、隔膜に亘って比較的小さな圧力降下を可能とするが、製品のどこかに大きな直径を必要とし、製品の設計を制限する。小さな面積は、より大きな設計の自由度に導くが、より大きな圧力降下に導いてしまう。当該圧力降下は、より強力な真空ポンプを要求することとなる。しかしながら、より強力な真空ポンプは、より大きい及び/又は高価なものとなる。先行技術とは異なり、本発明の一態様による方法は、非常に小さな圧力降下を可能とし、より小型で且つより安価な搾り出し具及び搾乳器を実現する。
【0021】
更に、本発明の一態様による通気性膜は、単一の又は二重の曲線状の面のような、あらゆる種類の形状に装着されることができ、一方、先行技術による可動隔膜は、効率良く動作するためには特定の形状を必要とする。
【0022】
更なる利点として、柔軟で曲がる隔膜が省略されるため、搾乳器本体の洗浄可能性が改善され得る。このことは、従来波型の又は折り畳まれた隔膜が利用されている、小型の搾り出し具について、特に有利である。換言すれば、従来の搾乳器における弾力性のあるシリコーンの隔膜は、該弾力性のある隔膜がポンピング工程において上下に動かされたときに変形させられる蛇腹部を含み得る。隔膜の十分な曲がる能力を提供するため、蛇腹部が必須となり得る。本発明の一態様による通気性膜の利点は、該通気性膜が、変形される必要がないことである。このことは、蛇腹部又は波型部の必要を回避し、膜の洗浄工程を簡単化する。換言すれば、該通気性膜は、平坦な、部分的に平坦な、又は略平坦な膜であっても良く、従って洗浄工程を簡単化する。
【0023】
更に有利にも、前記搾り出し具は、前記第1の圧力室及び前記第2の圧力室と、前記圧力室の間における前記通気性膜と、を1つのエンティティとして備えた搾乳器を有する。これにより、エンティティの数が減少させられ、該搾乳器の取り扱いが簡素化されることができる。
【0024】
ここで使用される「通気性膜」なる語は、気体は通過するが液体は通過しない、通気性である膜に関する。該通気性膜は、半透過性膜とも呼ばれ得る。例えば、該膜は、空気を通すが、ミルク及び/又は水を通さない。通気性膜を選択するための主なパラメータは例えば、必要とされる流量、膜における必要とされる圧力降下(膜空気制限)、生体適合性、衛生/洗浄特性、レーザ加工、接着、超音波溶接等のような担体への装着を有する。
【0025】
本発明の一態様による通気性膜は、疎水性膜である。疎水性膜の利点は、水及び母乳をはじく点である。水及び/又は母乳の小滴は、自動的に該膜から離れる。このことは、第1の圧力室と第2の圧力室との間のガス交換のために、該通気性膜の十分な領域が利用可能となることを確実にする。それ故、該通気性膜のサイズは、非疎水性又は親水性の通気性膜と比較して、低減されることができる。湿されられ得る膜とは異なり、幾分かの安全余裕を持つ大きな表面積を備える必要がない。十分なガスの体積流量を提供するため、表面積の幾分かが小滴により遮断される場合には、安全余裕が必要とされる。斯くして、水及び/又は母乳が該通気性膜に到達したときでも、所与の表面積の膜における低い圧力降下がもたらされ得る。有利にも、該通気性膜は、空気が通過することを許容するが、水又は母乳が通過することを許容しない、疎水性の多孔質膜である。それ故、小滴が第1の圧力室に到達しない。
【0026】
更に、本発明者は、疎水性であることは、細菌保持に好適な影響を及ぼし、真空の管及びポンプに細菌が転送されることを防ぐことができることを見出した。それ故、特にレンタル利用又は病院での利用のため、衛生機能が改善され得る。疎水性の特性、及び従って疎水性の通気性膜の母乳をはじく挙動のため、母乳と通気性膜との間の接触時間が低減され得る。これにより、母乳に担持されている菌及び細菌を、該通気性膜並びに更にはポンプ及び真空ラインに転送する可能性が、更に低減され得る。
【0027】
更なる利点として、疎水性の通気性膜は、液体浸透挙動に好適な影響を及ぼす。疎水性の特性及び液体をはじく挙動のため、液体非透過性に関する要件は低減される。それ故例えば、搾乳器の典型的な圧力における全体的な液体非透過性の挙動を維持しつつ、より薄い膜又はより大きな孔の径を持つ膜が利用されることができる。これにより、膜における小さな圧力降下が実現されることができ、これにより、より小さな領域及び従ってより小型な膜が利用されることができ、及び/又は、より小さなポンプのパワーしか必要とされなくなる。
【0028】
有利にも、該疎水性の挙動は、用途に調整される。
【0029】
有利にも、該通気性膜は、細菌保持性の疎水性通気性膜である。細菌保持を決定するために利用される方法は、ASTM規格に記載されている。液体の濾過のために用いられるフィルタにおける細菌保持は、ASTM F838−05(2013)規格「Standard Test Method for Determining Bacterial Retention of Membrane Filters Utilized for Liquid Filtration」に記載されたように決定されても良い。
【0030】
更なる改善例においては、該疎水性の通気性膜は、エアロゾル環境において細菌保持性である。エアロゾルは、空気又はその他の気体中の、微小な固体粒子又は液体の小滴の混合物、特にコロイドとみなされ得る。先行技術は、液体としての母乳が真空ポンプに到達することを防ぐことに重点を置くが、本発明者は、エアロゾル成分もが考慮されるべきであることを認識した。真空圧力のため液相から気相への転移が助長され、通気性膜が液体非透過性であるにもかかわらず、この状態において、望ましくない成分が該膜を通過できるようにする。特に、細菌のような菌が潜在的に、液体非透過性であるが気体透過性である膜を通過して輸送されることができる。それ故、細菌保持性の膜であって、エアロゾル環境において細菌保持性である、疎水性の通気性膜を使用することが提案される。エアロゾル環境における細菌保持は、ASTM F2101−14規格「Standard Test Method for Evaluating the Bacterial Filtration Efficiency (BFE) of Medical Face Mask Material, Using a Biological Aerosol of Staphylococcus Aureus」に記載されたようなBFE(bacterial filtration efficiency)試験により決定されても良い。
【0031】
一実施例においては、該通気性膜(50)は、織布及び不織布膜構造の両方を有する混合型の膜構造を有する。当該実施例の利点は、織布材料及び不織布材料の利点が組み合わせられることである。例えば、織布層が、不織布層の上に配置されても良い。織布層は、第2の圧力室に面しても良い。不織布層は、第1の圧力室に面しても良い。織布層は、液体非透過性であっても良く、そのため第1の膜段階として該通気性膜を母乳が通過することを防止しても良い。織布層の利点は、該層の摩擦電気特性であり得る。第2の膜段階として、不織布層が、エアロゾル環境において細菌保持性であっても良い。不織布層の利点は、不織布層が高い効率で低い抵抗をもたらし得ることである。
【0032】
一実施例においては、該通気性膜は、疎水性の裏地を有する。裏地は、該通気性膜の支持層、特に堅固な支持層に関連する。有利にも、該疎水性の裏地は、第2の圧力室に面する。疎水性の裏地の使用は、該通気性膜の更なる層に液体が接触することを防止し得る。それ故、疎水性の裏地は有利にも、1つ以上の更なる特に高い効率の膜層と組み合わせられることができ、ここで該更なる層は非疎水性であっても良い。
【0033】
一実施例においては、該通気性膜は、両方の方向において、気体透過性であり液体非透過性である。換言すれば、気体は第1の圧力室から第2の圧力室へと及び第2の圧力室から第1の圧力室へと通過することができ、液体はいずれの方向においても遮断される。一方向型の透過性膜と異なり、斯かる双方向通気性膜は、ユーザに不快感をもたらし得る、胸部及び乳首における真空圧力の継続的な構築を回避する。
【0034】
一実施例においては、該通気性膜は、母乳出口に対して或る角度で配置される。有利にも、該通気性膜はこれにより、搾り出し具が人間の乳首に当てられたときに、水平面に対して或る角度で配置される。換言すれば、該通気性膜は、搾り出し具の典型的な使用の間、非水平方向にあることとなる。該角度は、母乳出口の平面に対して決定されても良く、該母乳出口平面は、母乳容器が搾乳器本体に接続されたときに該母乳容器の縁部が位置する平面に対応しても良い。本実施例の利点は、母乳及び/又は水の小滴が、重力に引かれるために自動的に膜から離れることができる点である。更なる改善例においては、該通気性膜は幾つかの小部分を有し、該通気性膜のこれら小部分は互いに対して或る角度で配置される。このことは、該搾乳器が使用されるときに、該通気性膜の少なくとも1つの小部分が、非水平方向に配置されることを確実にする。例えば、四角錐形状又は部分的に非水平な自由形状が利用されても良い。
【0035】
一実施例においては、該通気性膜は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリテトラフルオロエチレン又は発泡ポリテトラフルオロエチレンのうち1つ以上を有する。更なる実施例においては、該通気性膜は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリテトラフルオロエチレン及び/又は発泡ポリテトラフルオロエチレンから成る。斯かる物質からつくられた通気性膜の利点は、それほど高くないコストで製造されることができる点である。更に、材料は、洗剤を使うものであっても使わないものであっても、手による洗浄、食器洗い機及び温水を含む、予測される洗浄工程に耐えるよう設計されても良いが、ガンマ線、ETO、オートクレーブ減菌及び消毒方法のような、病院で用いられる種類の洗浄手法に耐えることが可能であっても良い。
【0036】
該通気性膜は、衛生的な遮蔽として構成される。有利にも、該通気性膜の特性は、単に気体透過性であり液体非透過性であることを超えて、更に衛生的な遮蔽機能を実現する。このことは例えば、孔の開口の構造及びサイズが細菌のような望ましくない成分が通過することを防ぐような、多孔質材料を選択することによって実装され得る。代替として、又はこれに加えて、膜の厚さがこれに応じて選択される。
【0037】
一実施例においては、該搾り出し具は更に、該通気性膜を支持するための支持構造を有する。該支持構造は、該膜の一体部分として、別個の専用の要素として、又は該搾乳器の一部として、実装されても良い。換言すれば、該支持構造は、該通気性膜のための担体として機能する。該支持構造は、特にかけられる圧力により過度に該膜が曲がることを防止するため、力学的な安定をもたらすよう構成されても良い。例えば、該支持構造は、メッシュ構造のような堅固な構造であっても良い。有利にも、該支持構造は、該支持構造が母乳経路と接触しないよう、第1の圧力室に面する該通気性膜の側に実装される。これにより、該支持構造は、洗浄が容易である。更に有利にも、該支持構造は、該通気性膜の好適な取り扱いを可能とする。更に有利にも、該支持構造はまた、該膜をユーザによる損傷から保護する。
【0038】
一実施例においては、該搾り出し具は更に、該通気性膜と該搾乳器本体との間に配置された封止部を有する。例えば、該封止部は、第1の真空室と第2の真空室との間の漏れ、特に液体の漏れを防止するよう構成された、該通気性膜のまわりの封止環である。一実施例においては、該通気性膜は、封止用のシリコーンの封止部、及び支持構造として硬質プラスチック環を備えた、封止環を有する。本実施例の利点は、封止部及び支持構造を含む該通気性膜が、容易な洗浄のために搾乳器本体から離隔され得る点である。代替の実施例においては、該通気性膜は、該搾乳器本体に直接に固定され、それにより漏れを防止する。この実施例の利点は、非常に少ない量の材料しか利用されず、そのため製造コストが低減される点である。
【0039】
一実施例においては、該搾り出し具は更に、該搾り出し具の摩耗、特に該通気性膜の摩耗を示す、摩耗インジケータを有する。この利点は、該摩耗インジケータが、該装置がどれだけ頻繁に利用されたかを示唆する点である。従って、該摩耗インジケータは、例えば該通気性膜又は封止部が交換されるべき時はいつかを示し得る。該摩耗インジケータは、手で操作されるカウンタ、又は例えば青色インジケータのような時間経過とともに色褪せる色としてのカウンタのような、カウンタとして実装されても良い。
【0040】
一実施例においては、該搾り出し具は更に、該通気性膜の表面積を減少させるための制限器を有する。換言すれば、例えば該通気性膜の表面積を減少させることによって、該通気性膜によりもたらされる抵抗が調整されることができる。斯くして、該制限器は、該通気性膜の有効表面積を調整するために利用され得る。該通気性膜の小さな表面積は、第2の圧力室における圧力の、より遅い構築に導き得る。それ故、圧力ユニットを制御する代わりに、機械的な制限器が利用されても良い。これにより、より簡素で、より効高価ではない、圧力ユニットが利用されることができる。制限器の使用はまた、単に適切な制限器を選択することによって、女性により要求されるように胸部における種々の圧力条件を提供するために同一のポンピング機構が利用されることができる、手動の搾乳器に有利である。代替としては、該制限器は、第1の圧力室から第2の圧力室への又は第2の圧力室から第1の圧力室へのガス体積流に該膜がかける抵抗を定義する、該膜の一体部分である。
【0041】
一実施例においては、該搾り出し具は更に、母乳経路と通気性膜との間に配置された、飛沫保護部を有する。本実施例の利点は、該飛沫保護部が、母乳が該通気性膜に到達することを防ぐための、更なる遮蔽して機能する点である。それ故、該飛沫保護部は、該通気性膜のかなりの部分が液体によって被覆され、十分な量の空気を通せなくなってしまうことを防止する。
【0042】
一実施例においては、前記第1の圧力室及び前記第2の圧力室のうち少なくとも一方が、該通気性膜にアクセス可能となるよう構成される。この実施例の利点は、洗浄の目的のための容易なアクセスを提供する点である。例えば、該搾乳器本体の第2の圧力室は、該通気性膜の洗浄及び/又は交換のため、開けられることができ該通気性膜へのアクセスを提供する蓋を有しても良い。代替として、又はこれに加えて、第2の圧力室からのアクセスが提供されても良い。任意の飛沫保護部は、洗浄のために取り外され、よけておくことができる、柔軟な要素として実装されても良い。
【0043】
一実施例においては、該搾り出し具は更に、前記母乳出口へ接続される母乳容器を有する。該搾り出し具は、協働する取り付け具を持つ母乳集め瓶のような容器が搾乳器本体に結合されることを可能とする取り付け具を有しても良い。代替としては、該母乳容器は、搾乳器本体の一部を形成する。有利にも、母乳は重力によって該容器又は保存容器へと流れる。第2の真空室は、該母乳容器によって封止されても良い。代替として、又はこれに加えて、該母乳出口は更に、搾り出された母乳が、第2の圧力室を出ることを許容しつつ、空気が該母乳出口を通って該第2の圧力室に入ることを防止する、一方向弁を有する。
【0044】
前記圧力ユニットは、該搾り出し具において直接に配置された、又はリモートの位置に配置された、手動ポンピング又は電動ポンプであっても良い。該圧力ユニットは、第1の圧力室に接続されるよう構成される。リモートの圧力ユニットは、管システムによって第1の圧力室に接続されても良い。それ故、該搾り出し具は任意に、リモートの真空ユニットへの接続のための管システムを有しても良い。
【0045】
ここで用いられる「負圧」又は「真空」なる用語は、周囲の圧力に対して小さな圧力を示す。
【0046】
以上に説明された搾り出し具は、胸部において真空を生成するためのストロークを為すための隔膜のための大きな空間がもはや必要とされなくなるため、より小型の搾り出し具の設計を可能とする。より小型の搾り出し具、及びより小さな加圧されるべき空間は、低減されたパワーを持つ、より小さな圧力ユニットの機器を実現する。より小さな圧力ユニットは、一般にあまり高価ではない。更に、膜の機器により、通気性膜が母乳に対して非透過性であり、それにより胸部受容漏斗と母乳出口との間の母乳経路から圧力ユニットが離隔されるため、衛生機能が維持される。
【0047】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施例を参照しながら説明され明らかとなるであろう。