(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
従来は、多段階の構成を対象にした所要量計算において、通常個別手配が必要な階層までの計算を行い、個別手配数が確定した後に以下の階層の計算を行う、という運用を行わざるを得なかった。仮に、最下層までの所要量計算を行って、最下層までの手配数を得たとしても、中間品の個別手配数が決定(先の計算結果とは通常変わる)した際に、中間品以下の計算済みの手配の取消を行う必要があるため、現実的ではなかった。すなわち、従来は、手配を確定させないと必要な数量を把握することができなかったため、手配業務と切り離して数量を確認することができなかった。また、従来は、手配に対する所要量計算に対して、後から人が必要数を修正する処理を行っていた。
【0017】
そこで、本実施形態においては、多段階所要量計算において、個別手配階層を含む確定および仮の手配数算出方法と、仮の手配数結果を管理することのできる仕組みを実現している。特に、本実施形態においては、製造業などにおける所要量計算の仕組みであって、商品に対する必要な原料(品目)と所要数を階層で管理することにより、上位の品目の必要数がわかることから下位の品目の必要数もわかる仕組みを実現している。
【0018】
すなわち、本実施形態においては、多段階の部品・材料で構成される製品の所要量計算において、中間品に人の判断による手配数の決定が必要(個別手配)な部品・材料が存在したとしても、最下層の部品・材料の所要量まで計算を行う仕組み(シミュレーション)を実現している。同時に、本実施形態においては、中間品の手配数の確定後の所要量計算において、先のシミュレーションで生成された中間品以下の層の部品・材料の手配情報を取り消し、中間品の確定手配情報を元に確定必要量を再計算することができる。また、従来、個別手配が必要な中間品は、通常、その製造工程直前に手配判断が可能なケースが多く、この中間品より下層の部品・材料のリードタイムの都合で、早めにそれらの手配が必要な場合、担当の判断による手配を行わざるをえなかったが、本実施形態における仕組みを導入することで、定義された所要量ベースの正確な候補値を得ることができ、無駄な発注や、必要量に満たない誤発注の防止、または、中間品以下の手計算による手配計画策定工数の削減につなげることができる。
【0019】
[2.構成]
本実施形態に係る所要量計算装置の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、所要量計算装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
所要量計算装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、所要量計算装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0021】
所要量計算装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。所要量計算装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、所要量計算装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、所要量計算装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、所要量マスタ106aを備えている。
【0024】
所要量マスタ106aは、部品および/または材料から多段階の中間品を経て製造される製品の数量に対する、部品、材料および/または中間品の所要量が設定されたマスタである。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0026】
制御部102は、所要量計算装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、製品手配数取得部102aと、予定所要量計算部102bと、下位品目手配数取得部102cと、発注所要量計算部102dと、確定所要量計算部102eと、所要量表示部102fとを備えている。
【0027】
製品手配数取得部102aは、製品の発注の製品手配数を取得する。ここで、製品手配数取得部102aは、ユーザにより製品手配数が入力された場合、製品の発注の製品手配数を取得してもよい。
【0028】
予定所要量計算部102bは、所要量マスタ106a、および、製品の製品手配数に基づいて、製品の下位品目となる中間品、部品および/または材料の所要量である予定所要量を計算する。ここで、予定所要量計算部102bは、更に、中間品、部品および/または材料の現在庫数、ならびに、予定所要量に基づいて、中間品、部品および/または材料の予定在庫数を計算してもよい。
【0029】
下位品目手配数取得部102cは、中間品、部品および/または材料の発注の下位品目手配数を取得する。ここで、下位品目手配数取得部102cは、更に、確定所要量に基づいて、発注所要量計算部102dにより発注所要量が計算された中間品の下位品目となる中間品(部品および/または材料)の下位品目手配数を計算(取得)してもよい。また、下位品目手配数取得部102cは、ユーザにより下位品目手配数が入力された場合、下位品目手配数を取得してもよい。また、下位品目手配数取得部102cは、発注等のカスタマイズが可能と設定されている中間品、部品および/または材料に対して、ユーザにより下位品目手配数が入力された場合、下位品目手配数を取得してもよい。
【0030】
発注所要量計算部102dは、所要量マスタ106a、および、中間品の下位品目手配数に基づいて、当該中間品の(下の階層を構成する)下位品目となる中間品、部品および/または材料の所要量である発注所要量を計算する。ここで、発注所要量計算部102dは、所要量マスタ106a、および、中間品の下位品目手配数に基づいて、当該中間品の一つ下の階層を構成する下位品目となる中間品、部品および/または材料の所要量である発注所要量を計算してもよい。
【0031】
確定所要量計算部102eは、予定所要量と発注所要量との重複を相殺することで、発注所要量計算部102dにより発注所要量が計算された中間品の下位品目となる中間品、部品および/または材料の確定所要量を計算する。ここで、確定所要量計算部102eは、更に、中間品、部品および/または材料の現在庫数、ならびに、確定所要量に基づいて、中間品、部品および/または材料の予定在庫数を計算してもよい。
【0032】
所要量表示部102fは、予定所要量を表示させる。ここで、所要量表示部102fは、確定所要量を表示させてもよい。また、所要量表示部102fは、更に、下位品目手配数を表示させてもよい。また、所要量表示部102fは、更に、予定所要量計算部102bにより計算された予定在庫数を表示させてもよい。また、所要量表示部102fは、更に、確定所要量計算部102eにより計算された予定在庫数を表示させてもよい。また、所要量表示部102fは、製品の予定在庫数を表示させてもよい。また、所要量表示部102fは、製品、中間品、部品および/または材料の現在庫数を表示させてもよい。
【0033】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図2から
図12を参照して説明する。
【0034】
[所要量計算処理]
ここで、
図2を参照して、本実施形態における所要量計算処理の一例について説明する。
図2は、本実施形態における所要量計算装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0035】
図2に示すように、製品手配数取得部102aは、ユーザにより入力装置112を介して、部品および/または材料から多段階の中間品を経て製造される製品の発注の製品手配数が入力された場合、製品手配数を取得する(ステップSA−1)。
【0036】
そして、予定所要量計算部102bは、所要量マスタ106a、および、製品の発注の製品手配数に基づいて、製品の下位品目となる中間品、部品および/もしくは材料の所要量である予定所要量を計算し、中間品、部品および/もしくは材料の現在庫数、ならびに、予定所要量に基づいて、中間品、部品および/または材料の予定在庫数を計算する(ステップSA−2)。
【0037】
そして、所要量表示部102fは、入出庫予定日、予定所要量計算部102bにより計算された予定所要量(出庫予定)、現在庫数、および、予定所要量計算部102bにより計算された予定在庫数を出力装置114に表示させる(ステップSA−3)。
【0038】
そして、下位品目手配数取得部102cは、発注のカスタマイズ(発注のユーザ設定)が可能と設定されている中間品に対して、ユーザにより入力装置112を介して発注の下位品目手配数が入力された場合、当該中間品の下位品目手配数(入庫予定)を取得する(ステップSA−4)。
【0039】
そして、発注所要量計算部102dは、所要量マスタ106a、および、中間品の下位品目手配数に基づいて、当該中間品の一つ下の階層を構成する下位品目となる中間品、部品または材料の所要量である発注所要量(出庫予定)を計算する(ステップSA−5)。
【0040】
そして、確定所要量計算部102eは、予定所要量と発注所要量との重複を相殺することで、発注所要量計算部102dにより発注所要量が計算された中間品の下位品目となる中間品、部品または材料の確定所要量を計算し、中間品、部品もしくは材料の現在庫数、ならびに、確定所要量に基づいて、中間品、部品または材料の予定在庫数を計算する(ステップSA−6)。
【0041】
そして、所要量表示部102fは、入出庫予定日、下位品目手配数取得部102cにより取得された下位品目手配数(入庫予定)、確定所要量計算部102eにより計算された確定所要量(出庫予定)、現在庫数、ならびに、確定所要量計算部102eにより計算された予定在庫数を出力装置114に表示させる(ステップSA−7)。
【0042】
そして、制御部102は、確定所要量計算部102eにより中間品の確定所要量が計算されたか否かを判定する(ステップSA−8)。
【0043】
そして、制御部102は、中間品の確定所要量が計算されなかった(最下層の部品または材料の確定所要量が計算された)と判定した場合(ステップSA−8:No)、ステップSA−9に移行させる。
【0044】
そして、下位品目手配数取得部102cは、発注のカスタマイズ(発注のユーザ設定)が可能と設定されている部品または材料に対して、ユーザにより入力装置112を介して発注の下位品目手配数が入力された場合、部品または材料の下位品目手配数(入庫予定)を取得し(ステップSA−9)、処理を終了する。
【0045】
一方、制御部102は、中間品の確定所要量が計算されたと判定した場合(ステップSA−8:Yes)、処理をステップSA−10に移行させる。
【0046】
そして、制御部102は、確定所要量が計算された中間品が発注のカスタマイズ(発注のユーザ設定)が可能と設定されたものか否かを判定する(ステップSA−10)。
【0047】
そして、制御部102は、確定所要量が計算された中間品が発注のカスタマイズが可能と設定されたものであると判定した場合(ステップSA−10:Yes)、処理をステップSA−4に移行させる。
【0048】
一方、制御部102は、確定所要量が計算された中間品が発注のカスタマイズが可能と設定されたものではないと判定した場合(ステップSA−10:No)、処理をステップSA−11に移行させる。
【0049】
そして、下位品目手配数取得部102cは、確定所要量に基づいて、中間品の下位品目手配数(入庫予定)を計算(取得)し(ステップSA−11)、処理をステップSA−5に移行させる。
【0050】
ここで、
図3を参照して、本実施形態に係るマスタ設定の一例について説明する。
図3は、マスタ設定画面の一例を示す図である。
【0051】
図3に示すマスタ設定画面には、構成マスタメンテ画面と手配条件マスタメンテ画面が示されている。構成マスタメンテ画面は、多段階所要量計算において、商品に対する必要な原料(品目)と所要数を階層構造で管理している。ここでは、例えば、構成マスタメンテにおけるポテトサラダベースの手配方式が、手配条件マスタメンテによりマスタ設定が可能である。この手配条件マスタメンテでは、手配方式区分により、手配方式が「製番(自動手配)」か「カスタマイズ手配」の何れかを指定することができる。
【0052】
また、
図4および
図5を参照して、本実施形態における所要量計算シミュレーションの一例を説明する。
図4および
図5は、所要量計算シミュレーションの一例を示す図である。
【0053】
ここで、
図4および
図5では、本実施形態におけるポテトサラダ製造工程における所要量計算シミュレーションの処理の流れを示しており、製品(最上位品目)を「Rポテトサラダ大」とし、
図4(3)において、中間品である「ポテトサラダベース」の下位品目手配数(入庫予定)がユーザにより入力された場合のシミュレーションを示している。
【0054】
また、
図6および
図7を参照して、本実施形態における手配漏れに対する確認方法の一例について説明する。
図6は、手配漏れに対する対応方法(確認方法)についての処理の一例を示す図である。
図7は、予定在庫一覧表の一例を示す図である。
【0055】
図6に示すように、本実施形態においては、手配漏れに対する確認方法として、確認帳票としての予定在庫一覧を印刷出力、あるいは、画面出力することで、手配漏れの有無を確認するようにしている。例えば、
図6に示す印刷された予定在庫一覧には、現在庫と翌日以降の予定在庫数が日別に確認可能となっている。このため、予定在庫数のところがマイナスになっている箇所については、在庫が足りなくなることから、これに基づいて手配漏れに気づくことができる。また、
図7に示すように、本実施形態においては、具体的な予定在庫数を表示した予定在庫一覧を表示することで、予定在庫一覧の上方において、予定在庫数がマイナスになっているため、手配漏れであることが確認でき、これに基づいて手配をかけることがわかり、予定在庫一覧の下方において、予定在庫数がプラスになっているため、在庫が足りており、手配が不要であることがわかる。
【0056】
また、
図8から
図12を参照して、本実施形態における所要量計算シミュレーションの具体例について説明する。
図8は、所要量計算のシミュレーション例を示す図である。
図9は、予定在庫一覧での見え方の一例を示す図である。
図10は、予定在庫一覧での見え方の一例を示す図である。
図11は、予定在庫一覧での見え方の一例を示す図である。
図12は、予定在庫一覧での見え方の一例を示す図である。
【0057】
図8に示すように、本実施形態における所要量計算のシミュレーションにおいては、TRポテトサラダ大およびRポテトサラダ大の受注から生産計画(
図8の1))を作成し、1回目の所要量計算処理の実行後、手配方式がカスタマイズ手配の場合であって、その品目の所要で全ての下位品目の所要を作成する。ここで、
図8に示すように、本実施形態においては、(1)〜(5)までの階層の所要を作成してもよい。
【0058】
ここで、
図9から
図12を参照して、
図8に示す生産計画において、入出庫予定日を8/3から8/5までとした際の予定在庫一覧の表示の一例について説明する。
【0059】
まず、
図9には、1回目の所要量計算処理実行後(8/3の生産調整を行う前)における予定在庫一覧が示してある。ここで、
図9に示すように、本実施形態においては、カスタマイズ手配の場合、下位品目の所要を作成し、カスタマイズ手配の下が製番の場合、下位品目の所要は作成するが、製番の手配は作成しない。
【0060】
そして、
図10の3)には、今日が8/3で、ポテトサラダベースの生産調整を行った後(8/3の生産調整後)における予定在庫一覧が示してある。ここで、
図10の3)に示すように、この時点においては、(3)のポテトサラダベースの手配(手配日=8/3、手配数=3,000)がユーザにより入力された場合、(3)の入庫予定が増え、(4)の出庫予定が増えるが、このタイミングで(5)に変化はない。そして、
図10の4)には、2回目の所要量計算処理実行後(8/3時点)における予定在庫一覧が示してある。ここで、
図10の4)に示すように、この時点において、(4)および(5)の階層の所要を作成している。なお、本実施形態においては、構成マスタのカスタマイズ手配の階層分、所要量計算を実行してもよく、一番最下層がカスタマイズ手配の場合、一番最下層の所要量計算を実行しなくてもよい。
【0061】
そして、
図11の5)には、今日が8/4でポテトサラダベースの生産調整を行った後(8/4の生産調整後)における予定在庫一覧が示してある。ここで、
図11の5)に示すように、(3)のポテトサラダベースの手配(手配日=8/4、手配数=2,500)がユーザにより入力された場合、(3)の入庫予定が増え、(4)の出庫予定が増えるが、このタイミングで(5)に変化はない。なお、本実施形態においては、運用として、生産調整を行う際、8/3の予定在庫(例:755)を確認しながら、当日の生産調整を行うことを想定している。そして、
図11の6)には、2回目の所要量計算処理実行後(8/4時点)における予定在庫一覧が示してある。ここで、
図11の6)に示すように、この時点において、(4)および(5)の階層の所要を作成している。
【0062】
そして、
図12の7)には、8/3の生産実績の取込後における予定在庫一覧が示してある。ここで、
図12の7)に示すように、この時点で、入庫予定のまま取込したとみなして、8/3の入出庫予定を帳票上から消している。すなわち、
図12の7)においては、8/3の生産実績が取り込まれた結果、8/3の入庫予定および出庫予定が明細上から消え、現在庫に反映される。そして、
図12の8)には、残の取込後における予定在庫一覧が示してある。ここで、
図12の8)においては、8/3の残として取込した数量で現在庫数が上書きされている。なお、本実施形態においては、運用上、残取込後に、精算実績を取込むと現在在庫が合わなくなり、生産調整の指示数の精度に影響が出るため、処理順序に注意が必要である。
【0063】
また、本実施形態において、手配方式がカスタマイズ手配の場合、その品目の所要で全ての下位品目の所要を作成してもよい。従来は、下位品目の所要量を計算するために、下位品目単位に手配作業が必要であった。ここで、本実施形態においては、手配方式が製番の場合、従来通り、手配に対する所要数を計算する仕組みとして動作してもよい。また、本実施形態の仕組みは、下位品目の所要量を自動で計算するため、下位品目に対する手配を行うと、重複した所要数を計算してしまう。そこで、本実施形態においては、予め全ての下位品目の所要数を計算する仕組みと、実手配時に重複した所要量を相殺して、必要数のみを残す仕組みとを合わせ持つ機能を備えている。このように、本実施形態では、上記した所要量計算と、従来の手配に対する所要量計算とを使い分けることを可能としている。
【0064】
また、本実施形態において、下位の品目に対する手配方式は、上位に紐付いたものではなく、個別に指定することができるため、正常な予定在庫の見える化を可能としている。従来は、予め全ての下位品目の所要数を計算する仕組みは実現できていなかったが、本実施形態においては、実手配時に重複した所要量を相殺して必要数のみを残す仕組みを実現している。また、本実施形態において、手配方式における製番(製造番号)は、製造指示が出たタイミングで番号が振られてもよい。また、本実施形態においては、手配方式において手配漏れが発生した場合、確認帳票を用意することによって手配漏れを防止するようにしている。また、本実施形態においては、手配に対する自動的な所要量計算と、手配に紐付かないシミュレーションによる所要量計算とを合わせて管理できるようにしている。
【0065】
このように、本実施形態においては、多段階の部品や材料で構成された製品の所要量を計算する際に、正常な予定在庫の見える化を可能としている。
【0066】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0067】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0068】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0069】
また、所要量計算装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0070】
例えば、所要量計算装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて所要量計算装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0071】
また、このコンピュータプログラムは、所要量計算装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0072】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0073】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0074】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0075】
また、所要量計算装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、所要量計算装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0076】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。