(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
推定日時の前記メガソーラの最大出力を前記仮想PV出力とするステップでは、前記仮想PV出力として、前記メガソーラのPV出力が快晴時に期待される快晴時PV出力を算出する請求項1〜3のいずれかに記載の負荷力率推定方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について、
図1〜
図6を参照して具体的に説明する。第1の実施形態は、各ステップをコンピュータが実行することで、メガソーラが連系された配電系統の任意区間の負荷力率を推定する方法である。
第1の実施形態は、各ステップを実行する構成要素を備えた負荷力率推定装置としても捉えることができる。なお、実施形態の態様としては、負荷力率の推定方法及びその装置に加えて、各ステップをコンピュータに実行させる負荷力率推定プログラムや当該プログラムを記録した記録媒体として捉えることも可能である。
【0013】
図1に示すように、負荷力率推定装置10には、潮流データ取得部1と、区間ごとのメガソーラの定格値が格納されたメガソーラデータベース11と、定格出力算出部2と、快晴時PV出力算出部3と、差分算出部4と、線形近似曲線算出部5と、傾き算出部6と、負荷力率算出部7と、が設けられている。
【0014】
潮流データ取得部1が取得する潮流データには、潮流計測値として有効電力及び無効電力が含まれる。これらの潮流計測値は、事故区間上流に設置された開閉器や配電線センサーなどによって測定される。また、潮流データには、任意の区間に付随する区間情報及びデータ取得時の日時データが含まれる。
【0015】
快晴時PV出力算出部3が算出する快晴時PV出力とは、1日が全日快晴であると仮定した時のPV定格出力である。快晴時PV出力は、潮流計測値のみから求めることが可能な仮想的なPV出力すなわち仮想PV出力であって、このような仮想PV出力は任意の推定日時のメガソーラの最大出力である。なお、快晴とは雲量1割以下である空の状態を示す。快晴時PV出力は、1日を通したデータであり、メガソーラが発電せずPV出力が0となる夜間時間帯のPV出力を含む。快晴時PV出力は、メガソーラが発電しない夜間時間帯のPV出力を含むことで、1日を通したデータ全体の一部に、実際のPV出力を必ず持つことになる。
【0016】
差分算出部4が求める差分とは、潮流計測値と快晴時PV出力との差分であり、潮流計測値から快晴時PV出力を差し引くことで得られる任意区間の負荷仮定値である。メガソーラが連系された配電系統では、潮流は負荷とメガソーラ出力との合計値となるので、潮流から負荷を差し引くことでメガソーラ出力を求めることができる。第1の実施形態では、任意区間内のメガソーラの実際のPV出力が快晴時PV出力と同等であるという仮定に立つことにより、潮流計測値だけから任意区間の仮の負荷、すなわち負荷仮定値を求める。なお、「実際のPV出力が快晴時PV出力つまり仮想PV出力と同等であるという仮定に立つ」とは、その日のPV出力が実際にはどのような値であるかは問題とせず、快晴時PV出力つまり仮想PV出力をそのまま、その日のPV出力と見做すことを意味する。また、負荷仮定値とは、この仮定を前提として、その日の負荷が実際にはどのような値なのか問題とせず(つまり負荷真値とは関係なく)、潮流計測値とその日のPV出力と見做した仮想PV出力との差分を、任意区間の負荷として仮定した値である。
【0017】
線形近似曲線算出部5が求める線形近似曲線は、有効電力Pと無効電力Qを座標軸とするPQ平面に対し、複数の負荷仮定値をプロットして、線形近似を行うことで得られるものである。傾き算出部6が求める傾きとは、負荷仮定値の線形近似曲線の傾きtanθである。負荷力率算出部7が求める負荷力率は、傾きtanθを力率cosθに変換することで得られるものである。
【0018】
図2のフローチャートを用いて、第1の実施形態の各ステップについて説明する。ステップS01では、潮流データ取得部1が配電系統の任意の区間の潮流データを取得する。ステップS02では、定格出力算出部2が、メガソーラデータベース11から区間ごとのメガソーラの定格出力を取り出し、ステップS01にて取得した潮流データのうちの区間情報及び日時データを用いて、任意の区間に連系されたメガソーラにおける日時データの時点での定格出力を算出する。
【0019】
ステップS03では、快晴時PV出力算出部3が、定格出力算出部2にて算出された定格出力に基づいて、メガソーラでの快晴時PV出力を算出する。ステップS04では、差分算出部4が、ステップS01で計測した潮流データに含まれる有効電力及び無効電力(潮流計測値)と、ステップS03で算出した快晴時PV出力との差分を算出する。
【0020】
前述したように、メガソーラが連系された配電系統では、潮流は負荷とメガソーラ出力との合計値なので、潮流からメガソーラ出力を差し引いたものが負荷となる。任意区間内におけるメガソーラの実際のPV出力は、潮流計測値からは不明であるが、定格出力算出部2にて算出された定格出力に基づいて、快晴時PV出力算出部3がメガソーラでの快晴時PV出力を算出することができる。すなわち、快晴時PV出力は潮流計測値のみから算出可能である。
【0021】
そこで、第1の実施形態では、実際のPV出力を快晴時PV出力と同等であると仮定して、差分算出部4にて潮流と快晴時PV出力との差分を負荷仮定値とする(
図3参照)。
図3の左上段には、時刻ごとの快晴時PV出力でのPV出力(有効電力)を示し、
図3の左中段には、時刻ごとの潮流を示している。差分算出部4は、潮流と快晴時PV出力との差分つまり負荷仮定値を1日分累積して、1日分の負荷仮定値を求める。以上のステップS01〜S04は、予め設定された潮流計測時間ごとに実施する。
【0022】
図3の左下段には、時刻ごとのメガソーラの実際のPV出力(有効電力)も示している。潮流と実際のPV出力との差分が、実際の負荷である負荷真値となる。
図3の右側には、負荷仮定値及び負荷真値をプロットしたPQ平面を示す。負荷仮定値は濃いドットで、負荷真値は淡いドットで、それぞれ示す。
【0023】
実際のPV出力と快晴時PV出力との関係について
図4のグラフを用いて説明し、負荷真値と負荷仮定値との関係について
図5のグラフを用いて説明する。
図4、
図5では、横軸は1日のうちの0時から24時の時刻、縦軸はPV出力(有効電力)を示す。なお、実際に取得される潮流計測値は、単位時間ごとに計測される離散データであるため、実際のPV出力、快晴時PV出力、負荷真値及び負荷仮定値も、離散データとして算出される。
図4、
図5において、離散データのデータ点は黒丸か白抜きの丸で示される。
【0024】
図4では、実線で実際のPV出力を示し、点線で快晴時PV出力を示している。
図4のグラフにおいて、離散データである黒丸は、快晴時PV出力を示す点線上に位置する実際のPV出力、つまり実際のPV出力=快晴時PV出力となった点である。また、白抜きの丸は快晴時PV出力を示す点線から外れた実際のPV出力、つまり実際のPV出力≠快晴時PV出力となった点である。快晴時PV出力は、仮定上の値であっても、実際のPV出力と異なる値だけではなく、実際のPV出力と同一の値も含む。
【0025】
日没後から日の出までの夜間時間帯(
図4では18時ごろから翌日の6時ごろまで)は、実際のPV出力及び快晴時PV出力が共に0になるので、実際のPV出力=快晴時PV出力となる。なお、夜間時間帯以外でも実際のPV出力=快晴時PV出力となったデータ点もある。これらのデータ点は黒丸で示される。
【0026】
図4に示すように、実際のPV出力は最大でも快晴時PV出力と同等であって、快晴時PV出力を上回ることはない。すなわち、実際のPV出力は、快晴時PV出力と一致するか、あるいはそれ以下であり、実際のPV出力≦快晴時PV出力という関係性を満たしている。
【0027】
次に、負荷真値と負荷仮定値との関係について説明する。
図5では、実線で負荷真値を示し、点線で負荷仮定値を示している。
図5のグラフにおいて、離散データである黒丸は、負荷仮定値を示す点線上に位置する負荷真値、つまり実際のPV出力=快晴時PV出力となった場合の負荷のデータ点である。このデータ点は、負荷仮定値が負荷真値と重なることから、ここでは負荷的中値と呼ぶこととする。
【0028】
負荷的中値とは、メガソーラの実際のPV出力が、潮流計測値のみから算出可能な快晴時PV出力と同等である場合の負荷の値である。代表的な負荷的中値が夜間時間帯のPV出力である。夜間時間帯のPV出力はメガソーラが発電しないので、実際のPV出力も快晴時PV出力の値も共に0だからである。
【0029】
図5のグラフにおいて、白抜きの丸は、負荷仮定値を示す点線から外れた負荷真値、つまり実際のPV出力≠快晴時PV出力となった場合の負荷のデータ点である。すなわち、負荷真値には、実際のPV出力と快晴時PV出力とが相違した場合の負荷だけではなく、実際のPV出力と快晴時PV出力とが同一である負荷的中値も含んでいる。
【0030】
日没後から日の出までの夜間時間帯(
図5では18時ごろから翌日の6時ごろまで)の負荷の値は、実際のPV出力=快晴時PV出力となった場合の負荷的中値なので黒丸で示している。なお、夜間時間帯以外でも、実際のPV出力=快晴時PV出力となった場合の負荷的中値のデータ点に関しては黒丸で示す。
【0031】
図5に示すように、実際の負荷である負荷真値は、最小でも負荷仮定値と同等であり、負荷仮定値を下回ることはない。すなわち、負荷真値は、負荷仮定値と一致するか、あるいはそれ以上であり、負荷真値≧負荷仮定値という関係性を満たしている。従って、単純に考えれば、
図6に示すように、負荷仮定値による線形近似曲線の傾き(実線)は、負荷真値による線形近似曲線の傾き(点線)とは、角度θがずれることが予想される。
【0032】
図2のフローチャートに戻って、第1の実施形態の各ステップの説明を続ける。ステップS05では、線形近似曲線算出部5が、PQ平面に対し、ステップS04で求めた差分つまり負荷仮定値をデータ点としてプロットし、プロットされたデータ点について線形近似を行い、線形近似曲線を求める。ステップS06では、傾き算出部6が、負荷仮定値の線形近似曲線の傾きtanθ(
図6の実線)を算出する。
【0033】
ステップS07では、負荷力率算出部7は、三角関数の関係式より、傾きtanθを力率cosθに変換して、負荷力率cosθを以下の式(1)から求める。
(数1)
【0034】
以上のような第1の実施形態では、配電系統の任意区間の潮流計測値を取得するステップS01と、メガソーラが発電しない夜間時間帯でのPV出力を含み、且つ推定日時のメガソーラの最大出力を求めこの最大出力を快晴時PV出力とするステップS03と、区間内のメガソーラの実際のPV出力が快晴時PV出力と同等であると仮定し、潮流計測値と快晴時PV出力との差分を任意区間の負荷仮定値とするステップS04と、PQ平面に複数の負荷仮定値をプロットして線形近似曲線を求めるステップS05と、線形近似曲線の傾きtanθを算出するステップS06と、傾きtanθをcosθに変換して負荷力率を求めるステップS07と、をコンピュータが実行する。
【0035】
第1の実施形態においては、仮想PV出力である快晴時PV出力の一部に、実際のPV出力である夜間時間帯でのPV出力を含めたので、差分算出部4が求める負荷仮定値には、負荷真値と同一である負荷的中値が必ず含まれることになる。
図6に示したグラフでは、単純に考えれば、負荷仮定値による線形近似曲線の傾き(実線)と、負荷真値による線形近似曲線の傾き(点線)とは角度θがずれるとしたが、実際には、両者のずれは大きいわけではない。なぜなら、本実施形態が求める負荷仮定値には、多くの負荷真値が含まれるからである。
【0036】
図6では、負荷仮定値(白抜きの丸)と負荷真値(黒丸)を同時にPQ平面にプロットしている。負荷仮定値と負荷真値を示す点は、
図6に示すように、互いに異なる場所にプロットされる(実際のPV出力と快晴時PV出力とが相違する)こともあるが、2つのプロット点が重なって表示されることもある。
【0037】
2つのプロット点が重なる場合とは、実際のPV出力が快晴時PV出力と同値になり、負荷真値=負荷仮定値である負荷的中値(
図6ではハッチングを施した白丸)となった場合である。メガソーラが発電しない夜間時間帯は、実際のPV出力が快晴時PV出力と同値になるので、夜間時間帯でのプロット点は2つの値が重なって表示されている。このような負荷的中値は、全て負荷仮定値に組み込まれて負荷仮定値の線形近似曲線が求められるので、負荷仮定値の線形近似曲線を求めるといっても、実際には、負荷仮定値及び負荷真値の線形近似曲線となる。
【0038】
第1の実施形態において、仮想PV出力である快晴時PV出力に含まれる夜間時間帯でのPV出力は、全て実際のPV出力であり、18時から翌日6時までの夜間時間帯とは、1日を通したデータのうちの半分を占める。夜間時間帯でのPV出力以外でも負荷的中値となるデータ点が存在することを考慮すれば、負荷仮定値の半分以上が、実際のPV出力=快晴時PV出力である負荷つまり負荷的中値となる。
【0039】
すなわち、負荷仮定値の線形近似曲線は、負荷的中値=負荷真値を半分以上含む線形近似曲線であって、負荷仮定値による線形近似曲線の角度と、負荷真値による線形近似曲線の角度には、十分に近くなる。その結果、負荷仮定値の線形近似曲線の傾きtanθをcosθに変換することで、実際の負荷の力率に近い値を求めることが可能となる。
【0040】
第1の実施形態によれば、以上のようにして、物理的に取得可能な潮流計測値だけから負荷仮定値を算出して、この負荷仮定値に基づいて負荷力率を推定することができる。そのため、様々な規模のメガソーラが配電系統に大量に連系されていたとしても、メガソーラ出力を高い精度で推定することが可能となる。これにより、配電線事故復旧時の電力供給に際して、過負荷や電圧低下の発生を確実に回避することができ、融通や系統切替を安定して行うことで、信頼性がより向上する。
【0041】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について、
図7〜
図9を参照して具体的に説明する。第2の実施形態の基本的な構成は上記第1の実施形態と同様である。そのため、同一の構成要素に関しては同一符号を付して説明は省略する。
【0042】
図7に示すように、第2の実施形態に係る負荷力率推定装置20には、クラスタリング適用部8と、クラスタ抽出部9と、クラスタリングモデルを格納したクラスタリングモデルデータベース12と、が設けられている。
【0043】
このうち、クラスタリング適用部8は、メガソーラの力率が0.95以下であるか否かによりクラスタリングの可否を判定して、メガソーラの力率が0.95以下であれば、クラスタリングを適用する部分である。一般的にメガソーラの力率が0.95以下となると、有効電力に対する無効電力の割合は30%以上となることが知られている。
【0044】
有効電力に対する無効電力の比率が大きいと、PQ平面上での線形近似曲線の傾きtanθが大きくなって力率cosθが推定し難くなる。そこで、クラスタリング適用部8はメガソーラの力率を0.95以下と判定すれば、PQ平面にプロットした負荷仮定値の分布形状に適したクラスタリングを、クラスタリングモデルデータベース12から選別してこれを適用する。
【0045】
クラスタ抽出部9は、負荷仮定値が負荷真値と同等であると規定可能なデータ点が含まれるクラスタを抽出する部分である。負荷仮定値が負荷真値と同等であると規定可能なデータ点とは、負荷仮定値が負荷真値と重なるので負荷的中値である。
【0046】
図8のフローチャートを用いて、第2の実施形態の各ステップについて説明する。第2の実施形態においてステップS01〜S07は第1の実施形態と同様である。第2の実施形態では、ステップS05に続いてステップS08を実施する。ステップS08では、クラスタリング適用部8がメガソーラの力率を判定し、メガソーラの力率が0.95以下であれば(S08がYes)、ステップS09に移行し、メガソーラの力率が0.95超であれば(S08がNo)、ステップ06に移行する。
【0047】
ステップS09では、クラスタリング適用部8が、PQ平面にプロットされたデータ点の分布形状から、それに適したクラスタリングモデルをクラスタリングモデルデータベース12から取り出して、これを適用する。
図9では、PQ平面にプロットした負荷仮定値に対し、クラスタリング手法の1つであるK-Means法を適用して、2つのクラスタA、Bにクラスタリングした例を示している。
【0048】
ステップS10では、クラスタ抽出部9が、分割したクラスタのうち、夜間時間帯のデータ点を含むクラスタAを抽出する。夜間時間帯のデータ点は、負荷仮定値が負荷真値と同等であると規定可能なデータ点=負荷的中値なので、このようなデータ点を含むクラスタAを抽出することで、負荷仮定値が負荷真値と同等であると規定可能なデータ点=負荷的中値を必ず含むクラスタを抽出することになる。
【0049】
ステップS10からステップS06に移行すると、ステップS06では、傾き算出部6が、抽出したクラスタにおけるPQ平面にて負荷仮定値の線形近似曲線を求める。ステップS07では、負荷力率算出部7は、三角関数の関係式より、傾きtanθを力率cosθに変換して、負荷力率cosθを求める。
【0050】
以上のような第2の実施形態では、クラスタリング適用部8はメガソーラの力率を0.95以下と判定すれば、PQ平面にプロットした負荷仮定値の分布形状にクラスタリングを適用するステップS09と、負荷仮定値が負荷真値と同等であると規定可能なデータ点が含まれるクラスタを抽出するステップS10と、抽出したクラスタにおけるPQ平面にて負荷仮定値の線形近似曲線を求めるステップS06と、をコンピュータが実行する。
【0051】
これにより、PQ平面にプロットした負荷仮定値の分布形状に対してクラスタリングを適用することで、たとえ有効電力に対する無効電力の比率が大きくなり、PQ平面上での線形近似曲線の傾きtanθが大きくなったとしても、力率cosθを正確に推定することが可能である。これにより、メガソーラ出力の推定精度がより向上する。
【0052】
本発明のいくつかの複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0053】
例えば、太陽の高度は季節によって変化するため、メガソーラの快晴時PV出力も季節によって変化する。そのため、1年を数か月ごとに分割し、各期間の快晴時PV出力自体を太陽の高度に応じて変更するようにしてもよい。また、雨季や乾季などで快晴時PV出力の設定値を変更するようにしてよい。
【0054】
上記の実施形態で述べた方法は、晴天時や1日のうち晴天である時間が比較的長い日のデータを想定した方法であるが、それに限らない。例えば、曇天時や雨天時ではメガソーラ出力が快晴時の数割程度か、もしくはそれ以下になることが分かっているので、曇天時や雨天時が継続する期間では、メガソーラの実際のPV出力が快晴時PV出力の1/2〜1/5程度であると設定した仮想PV出力を適用することで、負荷力率を推定するようにしてもよい。
【0055】
また、上記の実施形態で述べた方法は、1日において天候の変化が少ない場合のデータに対して有効な方法であるが、それに限定されない。例えば、1日の途中で晴れから雨に変化するなど、天候が大きく変化する場合には、気象情報や他の警戒情報を用いて、時間帯ごとに適した天候のメガソーラ出力を、仮想PV出力として採用するようにしてもよい。
【0056】
また、第1の実施形態では、メガソーラの力率が0.95以下である場合にクラスタリングを適用したが、クラスタリングを適用する際のメガソーラの力率の値は適宜変更可能である。さらに、クラスタリング手法は特にK-Means法にこだわる必要はなく、実際にプロットされた負荷仮定値の形状に適した手法を適宜適用することが可能である。