【文献】
島村潤,外2名,設備保守支援向けARのための部分テンプレート検出とvSLAMの併用によるオブジェクト座標系へのレジストレーション,画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2011),2011年 7月,pp.1370-1376
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<第1の実施形態>
(全体構成)
第1の実施形態に係るコンテンツ付加システム1の全体構成及びこのコンテンツ付加システムが運用される作業現場について説明する。
図1は、本実施形態に係るコンテンツ付加システムの全体構成を示す概略図である。
図2は、本実施形態に係るコンテンツ付加システムが運用される作業現場を示す概略平面図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係るコンテンツ付加システムは、サーバ装置10と、管理者端末20と、少なくとも1つ以上の位置算出装置30を備える。位置算出装置30は、携帯可能な装置であり、本実施形態においてコンテンツ付加システムが運用される作業現場において作業者により使用される。また、サーバ装置10と管理者端末20は、作業現場とは異なる場所にある管理センターに設置される。
【0015】
位置算出装置30は、作業現場に設置された無線LAN(Local Area Network)を介してネットワークに接続し、ネットワークを介してサーバ装置10と通信する。また、管理者端末20は、管理センターに設置された有線LANを介してサーバ装置10と通信する。なお、位置算出装置30は、ネットワークに常時接続されていなくとも良く、送受信すべきデータを位置算出装置30内に一時記憶し、ネットワークに接続された際に、データの送受信を行うようにしても良い。
【0016】
本実施形態において、作業現場は、コンテンツ付加システムが運用される建屋であり、例えば、原子力発電所などにおける1区画とする。この作業現場は、
図2に示すように、壁部で囲まれた複数の部屋がある1区画であり、区画内に複数の設備が配されているものとする。
【0017】
この作業現場においては、位置算出装置30をそれぞれ有した作業者が従事し、以下に詳述するコンテンツ付加システムを用いることによって、壁部または設備における特定箇所に対して、この箇所に対応付けられたコンテンツが存在することを示す仮想オブジェクトを付加する。この仮想オブジェクトは、位置算出装置30のタッチパネル34(
図4参照)を介して作業者が視認可能な仮想の目印である。
【0018】
また、作業現場の入口付近の壁部には、正方形内に所定のパターンが描画された2次元画像であるマーカーが貼着される。このマーカーは所謂ARマーカーであり、後に詳述するように、位置算出装置30の位置及び仮想オブジェクトの位置を示す座標の原点として機能する。このマーカーは、位置算出装置30とマーカーとの位置関係を推定するのに適したものであれば、どのような画像であっても良い。
【0019】
(ハードウェア構成)
サーバ装置及び位置算出装置のハードウェア構成について説明する。
図3は、サーバ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4は、位置算出装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0020】
サーバ装置10は、
図3に示すように、ハードウェアとして、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、記憶装置13、入出力I/F(Interface)14、ネットワークI/F15を備える。CPU11及びRAM12は協働して各種機能を実行し、記憶装置13は各種機能により実行される処理に用いられる各種データを記憶する。入出力I/F14は、サーバ装置10に接続されるキーボードなどの入力装置やディスプレイなどの出力装置とのデータの入出力を行う。ネットワークI/F15は、管理者端末20や位置算出装置30などの他の装置との有線通信及び無線通信を行う。本実施形態においては、管理者端末20はサーバ装置10と同様のハードウェア構成であるものとし、よって説明を省略する。
【0021】
位置算出装置30は、タブレット型端末であり、
図4に示すように、ハードウェアとして、CPU31、RAM32、記憶装置33、タッチパネル34、ネットワークI/F35、カメラ36、深度センサ37を備える。CPU31及びRAM32は協働して各種機能を実行し、記憶装置33は各種機能により実行される処理に用いられる各種データを記憶する。タッチパネル34は、ディスプレイとタッチセンサとを有し、位置算出装置30の正面側に備えられた入出力装置である。ネットワークI/F35は、サーバ装置10との無線通信を行う。
【0022】
カメラ36は、位置算出装置30の背面側に備えられ、可視光による2次元画像及び映像を撮像する撮像装置である。深度センサ37は、位置算出装置30の背面側に備えられ、レーザを投光してその反射光を受光素子により受光することにより、位置算出装置30から周囲の物体までの距離を測定するセンサである。この深度センサ37は、本実施形態においては、投光パルスに対する受光パルスの遅れ時間を距離に換算するToF(Time of Flight)方式を用いて、位置算出装置30から周囲の物体までの距離を測定して3次元点群化するセンサとする。なお、カメラ36による撮像方向と深度センサ37による測定方向は一致しているものとする。
【0023】
(位置算出装置の機能構成)
位置算出装置の機能構成について説明する。
図5は、位置算出装置の機能構成を示すブロック図である。
【0024】
図5に示すように、位置算出装置30は、機能として、パラメータ算出部301、パラメータ更新部302、付加処理部303、表示部(提示部)304、ユーザ情報送信部305、コンテンツ情報受信部306、位置送信部307、映像送信部308を備える。
【0025】
パラメータ算出部301は、カメラ36による撮像画像におけるマーカーを認識し、認識したマーカーに基づいて、貼着されたマーカーを原点としたマーカー座標における位置算出装置30の初期位置及び初期姿勢をパラメータとして算出する。パラメータ更新部302は、深度センサ37により取得される3次元点群の前後のフレーム間の変位に基づいて、位置算出装置30の位置及び姿勢の変位をフレーム毎に算出し、この変位に基づいて、パラメータ算出部301により算出された初期位置及び初期姿勢を起点とした位置算出装置30の位置及び姿勢を更新する。なお、位置算出装置30の位置及び姿勢は、それぞれ算出、更新された時点の時刻と対応付けられるものとする。
【0026】
付加処理部303は、位置算出装置30の現在位置及び現在姿勢と、深度センサ37により測定された、位置算出装置30からコンテンツを付加する対象物としての設備または壁部上の指定箇所までの距離とに基づいてマーカー座標上における指定箇所の位置を算出し、指定箇所とコンテンツとを対応付けることによりコンテンツを付加する。また、付加処理部303は、付加したコンテンツをサーバ装置10へ送信し、付加コンテンツとして、マーカー座標系における所定の座標、及びこの座標を指し示す仮想オブジェクトの向きと対応付けられたコンテンツをサーバ装置10へ送信する。ここでコンテンツは、例えば、テキスト、URL、音声、画像などの出力装置を介して、直接的または間接的にユーザに提示可能なあらゆるデータを含む。
【0027】
表示部304は、カメラ36により撮像された画像に仮想オブジェクトを重畳してタッチパネル34に表示する。なお、表示部304は、複数の仮想オブジェクトをタッチパネル34に表示する際、位置算出装置30の現在位置及び現在姿勢に基づいて、複数の仮想オブジェクトまたは実在の物体との前後関係を算出し、手前に位置する仮想オブジェクトまたは実在の物体を奥に位置する仮想オブジェクトまたは実在の物体上に重畳して表示する。
【0028】
ユーザ情報送信部305は、ユーザとして作業者を一意に示すユーザIDとこのユーザIDに対応する認証情報とを認証要求としてサーバ装置10へ送信する。コンテンツ情報受信部306は、ユーザ情報送信部305による認証要求に対する応答としてサーバ装置10により送信されたコンテンツ情報を受信する。位置送信部307は、パラメータ算出部301により算出された初期位置とパラメータ更新部302により逐次算出された後続位置とをサーバ装置10へ送信する。映像送信部308は、表示部304によりタッチパネル34に表示された表示画面をその時点における位置算出装置30の位置と対応付けて、表示画面が時系列に連なる表示画面映像としてサーバ装置10へ送信する。
【0029】
(サーバ装置の機能構成)
サーバ装置の機能構成について説明する。
図6は、サーバ装置の機能構成を示すブロック図である。
【0030】
図6に示すように、サーバ装置10は、機能として、ユーザ情報管理部101、ユーザ認証部102、付加コンテンツ受信部103、コンテンツ情報管理部104、コンテンツ情報送信部105、位置受信部106、経路管理部107、経路送信部108、映像受信部109、映像管理部110、映像送信部111を備える。
【0031】
ユーザ情報管理部101は、ユーザIDと認証情報とを対応付けてユーザ情報として管理する。ユーザ認証部102は、位置算出装置30により送信されたユーザ情報とユーザ情報管理部101により管理されたユーザ情報とを照合して位置算出装置30の認証を行う。なお、ユーザIDは、管理者端末20のユーザにも割り当てられており、ユーザ認証部102は、位置算出装置30と同様に管理者端末20に対する認証を行う。
【0032】
付加コンテンツ受信部103は、付加コンテンツを位置算出装置30より受信する。コンテンツ情報管理部104は、付加コンテンツ受信部103により受信されたコンテンツをこのコンテンツを一意に示す識別子であるコンテンツIDを付してコンテンツ情報として管理する。ここで、コンテンツ情報は、付加コンテンツと、閲覧制限の可否と、閲覧を許可されたユーザのユーザIDとが対応付けられたものである。コンテンツ情報には、全てのユーザが取得可能に閲覧制限がなされていないものと一部のユーザのみが取得可能に閲覧制限されたものとがあり、後者のコンテンツ情報のみに閲覧が許可されたユーザのユーザIDが設定されるものとする。コンテンツ情報送信部105は、ユーザ認証部102により認証されたユーザについて、このユーザが閲覧を制限されていないコンテンツ情報のみを位置算出装置30へ送信する。
【0033】
位置受信部106は、位置算出装置30より送信された位置を受信する。経路管理部107は、ユーザ認証部102によりユーザが認証される毎に、作業現場における位置算出装置30の経路を一意に示す経路IDを生成し、経路IDとユーザIDと経路情報とを対応付けて管理する。ここで経路情報は、認証されたユーザが使用する位置算出装置30より送信された初期位置及び更新された位置とこれらの算出時刻とを含む。経路送信部108は、管理者端末20による所定の経路の取得要求に応じて、該当する経路情報を管理者端末20へ送信する。
【0034】
映像受信部109は、位置算出装置30により送信された表示画面映像を受信する。映像管理部110は、映像受信部109により受信された表示画面映像とユーザIDとを対応付け、表示画面映像を一意に示す映像IDを付して管理する。映像送信部111は、管理者端末20による所定の表示画面映像の取得要求に応じて、該当する表示画面映像を管理者端末20へ送信する。この表示画面映像は、管理者端末20により閲覧可能とすることにより、作業者としてのユーザの状況を管理センターから確認することができる。なお、表示画面映像を構成する一連の表示画面には、位置算出装置30の位置が対応付けられているため、
図2に示したように、作業現場の一部領域をマスクエリアとして予め設定することによって、このマスクエリア内における撮像画像に基づく表示画面は黒塗りにするなどのマスクを施しても良い。これによって、作業現場におけるマスクエリア内の設備を外部から閲覧不能に秘匿することができる。
【0035】
(位置算出装置の動作)
コンテンツの付加に係る位置算出装置の動作について説明する。
図7は、コンテンツの付加に係る位置算出装置の全体動作を示すフローチャートである。
図8は、初期位置及び初期姿勢の算出を説明する概略図である。
図9は、初期位置から現位置までの経路を示す概略平面図である。なお、
図7においては、カメラによる撮像画像がパラメータ算出部により予め取得されているものとする。
【0036】
図7に示すように、パラメータ算出部301は、カメラ36による撮像画像において、マーカーが認識されたか否かを判定する(S101)。
【0037】
マーカーが認識された場合(S101,YES)、パラメータ算出部301は、マーカーを原点とする位置算出装置30の初期位置及び初期姿勢をパラメータとして算出する(S102)。
【0038】
ここで、初期位置及び初期姿勢の算出について説明する。
図8に示すように、作業現場における壁部Wに対して、水平面に垂直する壁面に貼着されたマーカーMを含む撮像範囲Sがカメラ36により撮像されると、マーカーMと位置算出装置30との位置関係によって、撮像画像上のマーカーmに拡縮、変形が生じる。パラメータ算出部301は、基準となるマーカーの形状及び大きさを示すマーカー情報に基づいて、マーカーmの大きさ及び形状から、マーカーMに対する位置算出装置30の相対位置及び相対姿勢を算出する。更にパラメータ算出部301は、この相対位置及び相対姿勢からマーカーMを原点とした3軸上(図中x,y,z)の位置算出装置30の位置及び、これら3軸に平行する回転軸(x1,y1,z1)周りの位置算出装置30の回転を算出することによって、位置算出装置30の初期位置及び初期姿勢を算出する。なお、本実施形態において、マーカーMの中心点を原点Oとし、カメラ36の中心、具体的にはイメージセンサの中心点を回転軸の原点Iとする。
【0039】
初期位置及び初期姿勢の算出後、ユーザ情報送信部305は、認証要求として、サーバ装置10へユーザ情報を送信する(S103)。次に、コンテンツ情報受信部306は、認証要求に対するサーバ装置10の応答により、認証が許可されたか否かを判定する(S104)。
【0040】
認証が許可された場合(S104,YES)、コンテンツ情報受信部306が、サーバ装置10から送信されたコンテンツ情報を受信し(S105)、位置送信部307が位置算出装置30の現在位置、即ち直近に算出された位置座標を、その算出または更新時刻とともにサーバ装置10へ送信し(S106)、パラメータ更新部302が深度センサ37により検出される3次元特徴点群の変位に基づいて位置算出装置30の現在位置及び現在姿勢を更新する(S107)。
【0041】
ここで、現在位置及び現在姿勢の更新について説明する。パラメータ更新部302は、時系列に前後する3次元特徴点群の変位に基づいて、位置算出装置30の位置及び姿勢の変位を算出し、この変位を初期位置及び初期姿勢または前回更新した位置及び姿勢に積算することによって、位置算出装置30の現在位置及び現在姿勢を逐次更新する。このように現在位置及び現在姿勢を更新することによって、
図9に示すように、時系列に得られる一連の位置及び姿勢から、現在位置及び現在姿勢Cに先立つ位置算出装置30の経路Rが得られる。なお、3次元特徴点群の変位に基づく自位置及び自姿勢の変位の算出については、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)法やSfM(Structure from Motion)法など既知の手法を用いるものとする。また、VSLAM(Visual SLAM)法を用いて、カメラ36により撮像された撮像画像に基づいて位置算出装置30の位置及び姿勢の変位を算出するようにしても良い。
【0042】
現在位置及び現在姿勢の更新後、付加処理部303は、タッチパネル34を介して所定箇所にコンテンツを付加する付加指示がなされたか否かを判定する(S108)。
【0043】
付加指示がなされた場合(S108,YES)、付加処理部303は、後述するコンテンツ付加処理を実行する(S109)。次に、付加処理部303は、タッチパネル34を介して、コンテンツの付加に係る処理を終了する終了指示がなされたか否かを判定する(S110)。
【0044】
終了指示がなされた場合(S110,YES)、コンテンツの付加に係る処理が終了される。
【0045】
一方、終了指示がなされない場合(S110,NO)、位置送信部307が更新された位置算出装置30の位置をサーバ装置10へ送信する(S106)。
【0046】
また、ステップS108において、付加指示がなされなかった場合(S108,NO)、位置送信部307が更新された位置算出装置30の位置をサーバ装置10へ送信する(S106)。
【0047】
また、ステップS104において、認証が拒否された場合(S104,NO)、コンテンツの付加に係る処理が終了される。
【0048】
また、ステップS101において、マーカーが認識されない場合(S101,NO)、パラメータ算出部301は、再度、カメラ36による撮像画像において、マーカーが認識されたか否かを判定する(S101)。
【0049】
(コンテンツ付加処理)
コンテンツ付加処理について説明する。
図10は、コンテンツ付加処理の動作を示すフローチャートである。
図11は、コンテンツ付加位置と仮想オブジェクトとを示す概略図である。
【0050】
図10に示すように、付加処理部303は、タッチパネル34を介して、コンテンツの付加位置が指定されたか否かを判定する(S201)。ここで、付加位置の指定は、タッチパネル34に表示されたカメラ36による撮像画像上をタップすることによりなされるものとする。
【0051】
コンテンツの付加位置が指定された場合(S201,YES)、付加処理部303は、撮像画像上の指定箇所に対応する壁部または設備上の所定箇所について、深度センサ37により検出された位置算出装置30との離間距離を取得し(S202)、この離間距離と位置算出装置30の現在位置及び現在姿勢とに基づいて、付加位置を算出する(S203)。
【0052】
ここで、付加位置の座標の算出について説明する。
図11に示すように、作業現場における設備Fについて、まず、所定箇所にコンテンツが付加される場合、タッチパネル34においてカメラ36による撮像画像として表示される設備F上の撮像範囲Pにおいて、所望の位置がタッチパネル34に対するタップにより指定される。付加処理部303は、タッチパネル34上の指定箇所に対応する設備F上の指定箇所Aと深度センサ37により検出される位置算出装置30との離間距離Dを取得し、この離間距離Dとこの際の位置算出装置30の位置及び姿勢とに基づいて、マーカーを原点とする座標系における指定箇所Aの位置座標を算出する。
【0053】
指定箇所Aの位置座標にコンテンツが付加されると、この指定箇所Aが撮像範囲Pに含まれるようにカメラ36により撮像した際、タッチパネル34において撮像画像に指定箇所Aを示す仮想オブジェクトVが重畳されて表示される。ここで仮想オブジェクトVは、指定箇所Aを指し示す矢印上の3次元モデルまたは画像により表現され、この3次元モデルまたは画像は、その指し示す方向が、指定箇所Aとコンテンツを付加した際の位置算出装置30の位置Cとを結ぶ線分の延在方向を向くようになっている。
【0054】
このように付加位置Aの座標が算出された後、付加処理部303は、この付加位置の座標と、この座標を指し示す仮想オブジェクトVの向きと、コンテンツとを、付加コンテンツとしてサーバ装置10へ送信する(S204)。
【0055】
また、ステップS201において、コンテンツの付加位置が指定されない場合(S201,NO)、付加処理部303は、再度、タッチパネル34を介して、コンテンツの付加位置が指定されたか否かを判定する(S201)。
【0056】
このように、マーカー位置を原点とした座標における自位置を算出することによって、地下にある建屋のようなGNSS信号の利用が困難な場所においても他の装置と同様の基準において自位置を得ることができる。
【0057】
(サーバ装置の動作)
図12は、コンテンツの付加に係るサーバ装置の全体動作を示すフローチャートである。なお、
図12は、所定の1ユーザを対象とした場合の動作を示すものとする。
【0058】
図12に示すように、ユーザ情報管理部101は、位置算出装置30からユーザ情報を受信したか否かを判定する(S301)。
【0059】
ユーザ情報を受信した場合(S301,YES)、ユーザ認証部102は、ユーザ情報に含まれるユーザIDにより示されるユーザが正当なユーザであるかを判定する(S302)。ここで、ユーザ認証部102は、ユーザ情報管理部101において、認証対象とするユーザIDに対応付けられた認証情報と、受信されたユーザ情報に含まれる認証情報との比較により認証を行い、これらの一致を以ってユーザを正当と判定する。
【0060】
ユーザが正当なユーザである場合(S302,YES)、コンテンツ情報送信部105は、コンテンツ情報管理部104に管理されるコンテンツ情報のうち、対象とするユーザにより取得可能とされた全てのコンテンツ情報を位置算出装置30へ送信する(S303)。
【0061】
次に、位置受信部106は、位置算出装置30より送信された現在位置を受信したか否かを判定する(S304)。
【0062】
現在位置を受信した場合(S304,YES)、経路管理部107が、経路IDと現在位置及びこれに付された算出または更新時刻とを対応付けて記録し(S305)、付加コンテンツ受信部103が位置算出装置30より付加コンテンツを受信したか否かを判定する(S306)。
【0063】
付加コンテンツを受信した場合(S306,YES)、コンテンツ情報管理部104が、付加コンテンツ受信部103により受信された付加コンテンツにコンテンツIDを付して記録し、コンテンツ情報として管理し(S307)、位置受信部106が、再度、位置算出装置30より送信された現在位置を受信したか否かを判定する(S304)。なお、コンテンツ情報は、このコンテンツを付加したユーザが使用する位置算出装置30または管理者端末20により、閲覧制限の可否、閲覧を許可するユーザIDを設定可能となっている。
【0064】
一方、付加コンテンツを受信しない場合(S306,NO)、位置受信部106が、再度、位置算出装置30より送信された現在位置を受信したか否かを判定する(S304)。
【0065】
また、ステップS304において、現在位置を受信しない場合(S304,NO)、位置受信部106が、再度、位置算出装置30より送信された現在位置を受信したか否かを判定する(S304)。
【0066】
また、ステップS302において、ユーザが正当なユーザではない場合(S302,NO)、ユーザ情報管理部101は、再度、位置算出装置30からユーザ情報を受信したか否かを判定する(S301)。
【0067】
また、ステップS301において、ユーザ情報を受信しない場合(S301,NO)、ユーザ情報管理部101は、再度、位置算出装置30からユーザ情報を受信したか否かを判定する(S301)。
【0068】
(付加コンテンツの重畳表示)
付加コンテンツの重畳表示について説明する。
図13は、撮像画像に対して重畳表示された付加コンテンツを示す概略図である。
図14は、カテゴリと対応付けられた付加コンテンツを示す概略図である。
【0069】
図13に示すように、位置算出装置30のタッチパネル34には、付加コンテンツV1,V2が、カメラ36による撮像画像に重畳表示される。これらの付加コンテンツV1,V2は、タッチパネル34に表示された仮想オブジェクトVをタップすることで表示される。ここで、付加コンテンツV1,V2は、それぞれ、作業手順、注意事項を示すテキストである。
【0070】
このように、マーカー位置を原点とした座標に位置付けられたコンテンツを複数の装置により共有可能とすることによって、GNSS信号を利用することなく、特定の位置に対応付けられたコンテンツを複数の装置間で共有して閲覧する、所謂ロケーションベースARを達成することができる。
【0071】
また、
図14に示すように、付加コンテンツと付加コンテンツの内容に応じて分類されたカテゴリとを対応付け、付加コンテンツを分類しても良い。
図14においては、作業現場内の3つの設備のそれぞれにコンテンツが付加コンテンツV3〜V5として付加されている。ここで、付加コンテンツV3は、そのカテゴリがノウハウや慣例を含む「伝承」に設定されており、扉の開け方を説明するテキストを含む。また、付加コンテンツV4は、そのカテゴリが期限を設定された他の作業者への要求である「即時対応要求」に設定されており、盤の扉が施錠されていなかった原因の説明と今後の対策を要求するテキストを含む。また、付加コンテンツV5は、そのカテゴリが他の作業者へ注意を催す「警告」に設定されており、液晶パネルにドット抜けが発生しているため、状態の更なる悪化を確認することを催すテキストを含む
【0072】
このように、付加コンテンツをカテゴリと対応付けることによって、例えば、作業現場において付加コンテンツが多数あるような場合において、所定のカテゴリが設定された付加コンテンツのみを表示することが可能となり、作業者の目的に応じた付加コンテンツを容易に見出すことができる。
【0073】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係るコンテンツ付加システムについて説明する。
図15は、本実施形態に係るコンテンツ付加システムが運用される製造工場を示す概略平面図である。
図16、
図17は、それぞれ、建物における一方、他方の付加コンテンツの出力を示す概略図である。
【0074】
本実施形態に係るコンテンツ付加システム1は、位置算出装置30が音声を出力するスピーカ(不図示)を更に備える点と、マーカーとして所定の対象物を用いる点と、運用される環境と提示されるコンテンツの種類とが第1の実施形態とは異なる。以下、第1の実施形態と異なる点のみについて説明する。
【0075】
本実施形態において、コンテンツ付加システム1は、
図15に示すような、建物や設備を複数有する製造工場として敷地全体において運用される。この敷地内には、3つの工場と3つの設備とがあり、第1の実施形態における作業現場と同様に、位置算出装置30をそれぞれ有した作業者が従事しているものとする。また、敷地内部と敷地外部とは壁などによって隔てられ、作業者は、門を介して敷地内部に出入りすることができる。
【0076】
本実施形態においては、貼着された二次元画像の代わりに門がマーカーとして用いられる。具体的には、敷地外側からカメラ36により撮像された門が、パラメータ算出部301によりマーカーとして認識される。ここで、パラメータ算出部301は、真正面から撮像された門の形状及び大きさを示すマーカー情報に基づいて、マーカーとしての門の大きさ及び形状から、門に対する位置算出装置30の相対位置及び相対姿勢を算出し、この相対位置及び相対姿勢から門を原点とした3軸上の位置算出装置30の位置及び、これら3軸に平行する回転軸周りの位置算出装置30の回転を算出することによって、位置算出装置30の初期位置及び初期姿勢を算出する。本実施形態において、門の中心点を原点Oとし、第1の実施形態と同様に、カメラ36におけるイメージセンサの中心点を回転軸の原点Iとする。
【0077】
このように、本実施形態に係るコンテンツ付加システム1によれば、門のような所定の対象物を、位置算出装置30の位置及び仮想オブジェクトの位置を示す座標の原点として機能させることができる。このマーカーとして用いる対象物は、位置算出装置30との位置関係を推定するのに適したものであれば、どのような物体であっても良い。
【0078】
パラメータ更新部302は、撮像された門に基づいて算出された初期位置及び初期姿勢を起点とする点のみが第1の実施形態とは異なり、位置算出装置30の位置及び姿勢の変位をフレーム毎に算出し、初期位置及び初期姿勢を起点とした位置算出装置30の現在位置及び現在姿勢Cを逐次更新する点については第1の実施形態と同様である。
【0079】
付加処理部303によるコンテンツの付加方法は、第1の実施形態と同様であるが、テキストと音声が指定箇所に付加される点が第1の実施形態とは異なる。
図15に示すように、敷地内における建物B1には、2つのコンテンツが付加され、
図16及び
図17に示すように、これらのコンテンツの付加位置が仮想オブジェクトV6,V7として、位置算出装置30のタッチパネル34に表示される。ここで、仮想オブジェクトV6により示されるコンテンツは建物B1における一方の出入口近傍に付加され、仮想オブジェクトV7により示されるコンテンツは建物B1における他方の出入口近傍に付加される。
【0080】
図16に示すように、タッチパネル34に表示される仮想オブジェクトV6がタップされると、仮想オブジェクトV6近傍のドアから建物B1内に立ち入ることが可能である旨のメッセージを含むコンテンツが位置算出装置30を有する作業者に提示される。ここで、このコンテンツは、テキストTXT1、音声SND1、画像IMG1を含み、作業者に提示される際、位置算出装置30の表示部304が、テキストTXT1及び画像IMG1をカメラ36による撮像画像に重畳してタッチパネル34に表示し、音声SND1をスピーカに出力させる。
【0081】
また、
図17に示すように、タッチパネル34に表示される仮想オブジェクトV7がタップされると、仮想オブジェクトV7近傍のドアから建物B1内に立ち入ることを禁じる旨のメッセージを含むコンテンツが位置算出装置30を有する作業者に提示される。ここで、このコンテンツは、テキストTXT2、音声SND2、画像IMG2を含み、作業者に提示される際、表示部304がテキストTXT2及び画像IMG2の表示と、音声SND2の出力を行う。
【0082】
このように、本実施形態に係るコンテンツ付加システム1は、屋外で運用され、音声がコンテンツとして付加される。なお、出力される音声は、コンテンツとして予め付加されたものに限らず、例えば、音声合成によってコンテンツに含まれるテキストが読み上げられたものであっても良い。
【0083】
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係るコンテンツ付加システムについて説明する。
図18は、本実施形態に係るコンテンツ付加システムが運用される観光地を示す概略平面図である。
図19は、モニュメントにおける付加コンテンツの出力を示す概略図である。
【0084】
本実施形態に係るコンテンツ付加システム1は、運用される環境のみが第2の実施形態とは異なり、
図18に示すような、観光資源としての建物やモニュメントを有する観光地において運用される。この観光地には、3つの建物と2つのモニュメントとがあり、位置算出装置30をそれぞれ有した観光客が訪れているものとする。また、観光地における所定位置、例えば、観光地において、最寄りにあるバス停や駅から近接する位置には、観光地を案内する標識があり、本実施形態においては、この標識がマーカーとして用いられる。なお、この標識に基づく原点Oの算出については、第2の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。また、本実施形態においては、第1及び第2の実施形態と同様に、カメラ36におけるイメージセンサの中心点を回転軸の原点Iとする。
【0085】
観光地におけるモニュメントM1には、2つのコンテンツが付加される。
図19に示すように、モニュメントM1は、歴史的価値を有する仏像であり、2つのコンテンツの付加位置が仮想オブジェクトV8,V9として、位置算出装置30のタッチパネル34に表示される。ここで、仮想オブジェクトV8により示されるコンテンツはモニュメントM1における頭部に付加され、仮想オブジェクトV9により示されるコンテンツはモニュメントM1における胴部に付加される。
【0086】
タッチパネル34に表示される仮想オブジェクトV8がタップされると、モニュメントM1の頭部について解説するメッセージを含むコンテンツが位置算出装置30を有する観光客に提示される。ここで、このコンテンツは、テキストTXT3及び音声SND3を含み、観光客に提示される際、位置算出装置30の表示部304が、テキストTXT3をタッチパネル34に表示し、音声SND3をスピーカに出力させる。
【0087】
また、タッチパネル34に表示される仮想オブジェクトV9がタップされると、モニュメントM1の胴部について解説するメッセージを含むコンテンツが位置算出装置30を有する観光客に提示される。ここで、このコンテンツは、テキストTXT4、音声SND4を含み、観光客に提示される際、表示部304がテキストTXT4の表示と、音声SND4の出力を行う。
【0088】
本実施形態に示したように、コンテンツ付加システム1は、作業者が従事する場所に限らず、観光地のような環境においても運用可能である。
【0089】
本実施の形態において、位置算出プログラムは上述した位置算出装置の内部に予めインストールされているものとして記載したが、本発明における位置算出プログラムは記憶媒体に記憶されたものも含まれる。ここで記憶媒体とは、磁気テープ、磁気ディスク(ハードディスクドライブ等)、光ディスク(CD−ROM、DVDディスク等)、光磁気ディスク(MO等)、フラッシュメモリ等、位置算出装置に対し脱着可能な媒体や、さらにネットワークを介することで伝送可能な媒体等、上述した位置算出装置としてのコンピュータで読み取りや実行が可能な全ての媒体をいう。
【0090】
発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。