(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モード選択部材が、複数の位置の間で移動可能であり、前記複数の位置のそれぞれが、対応する別個の動作モードに関連付けられている、請求項1に記載の超音波器具。
前記本体が、操作者の手で把持されるように構成されているグリップ部分を備え、前記モード選択部材が、前記グリップ部分を把持する手の親指でアクセスできるように配置されるよう、前記モード選択部材が、前記グリップ部分に近位に位置する、請求項1に記載の超音波器具。
前記本体が、ハンドルアセンブリを備え、前記ハンドルアセンブリが、ピストルグリップを備え、前記ピストルグリップを把持している手で前記モード選択部材にアクセスできるように、前記モード選択部材が、前記ピストルグリップの上又は近くに配置されている、請求項13に記載の超音波器具。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために用いられてはならない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明より当業者には明らかとなろう。理解されるように、本明細書に述べられる技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、他の異なる明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0010】
本明細書に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものを、本明細書に述べられる他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も更に理解されよう。したがって、以下に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して個別に考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適当な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0011】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科器具を把持する操作者又は他の操作者に対して本明細書で定義される。「近位」という用語は、操作者又は他の操作者により近い要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ操作者又は他の操作者から更に離れた要素の位置を指す。
【0012】
I.例示的な超音波外科システムの概要
図1は、例示的な外科システム(10)の構成要素を図形的ブロック形態で示したものである。示されるように、システム(10)は、超音波発生器(12)及び超音波外科器具(20)を備える。以下でより詳細に記載されるように、器具(20)は、超音波振動エネルギーを使用して、実質的に同時に、組織を切開し、組織(例えば、血管など)を封着又は接合するように動作可能である。発生器(12)及び器具(20)は、ケーブル(14)を介して一緒に連結されている。ケーブル(14)は、複数の導線を備えてもよく、発生器(12)から器具(20)への一方向の電気的導通、及び/又は発生器(12)と器具(20)との間の双方向の電気的導通を与えることができる。あくまで一例として、ケーブル(14)は、外科器具(20)への電力のための「熱」線、アース線、及び外科器具(20)から超音波発生器(12)に信号を送信するための信号線を備えてもよく、シールドが3本の導線を覆っている。いくつかの変形形態において、別個の起動電圧に対して別個の「熱」線が使用される(例えば、第1の起動電圧に対して1本の「熱」線が使用され、第2の起動電圧に対して別の「熱」線が使用されるか、又はこれらの導線間で要求される出力に比例した可変電圧が使用される、など)。当然のことながら、任意のその他の好適な数又は構成の導線が使用されてもよい。ケーブル(14)が単に省略され得るように、システム(10)のいくつかの変形例が、発生器(12)を器具(20)内に組み込むことができることも理解されたい。
【0013】
あくまで一例として、発生器(12)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されているGEN04、GEN11、又はGEN300を備えてもよい。更に又は代替として、発生器(12)は、2011年4月14日公開の「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」と題される米国特許公開第2011/0087212号の教示の少なくともいくつかに従って構築され得、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。代替的に、任意の他の好適な発生器(12)が使用されてもよい。以下でより詳細に記載されるように、発生器(12)は、電力を器具(20)に供給して超音波外科手術を行うように動作可能である。
【0014】
器具(20)は、外科手術中に操作者の片手(又は両手)で握られ、かつ当該操作者の片手(又は両手)で操作されるように構成されたハンドピース(22)を含む。例えば、いくつかの変形例では、ハンドピース(22)は、操作者によって鉛筆のように握られ得る。他のいくつかの変形例では、ハンドピース(22)は、操作者によって鉛筆のように握られ得るハサミグリップを含んでもよい。他のいくつかの変形例では、ハンドピース(22)は、操作者によってピストルのように握られ得るピストルグリップを含んでもよい。ハンドピース(22)が他の任意の好適な握り方で握られるように構成されてもよいことは言うまでもない。更に、器具(20)のいくつかの変形例では、ハンドピース(22)の代わりに、器具を(例えば、遠隔制御などを介して)動作させるように構成されたロボット外科システムに連結された本体を使用することができる。本実施例では、ブレード(24)は、ハンドピース(22)から遠位に延在する。ハンドピース(22)は、超音波トランスデューサ(26)、及び超音波トランスデューサ(26)をブレード(24)と連結する超音波導波管(28)を含む。超音波トランスデューサ(26)は、ケーブル(14)を介して発生器(12)から電力を受け取る。超音波トランスデューサ(26)は、その圧電特性により、かかる電力を超音波振動エネルギーに変換するように動作可能である。
【0015】
超音波導波管(28)は、可撓性、半可撓性、剛性のものであってもよいか、又は任意の他の好適な性質を有してもよい。上述のように、超音波トランスデューサ(26)は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)と一体連結されている。具体的には、超音波トランスデューサ(26)が超音波周波数で振動するように起動している場合、かかる振動は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)に伝達されて、ブレード(24)も超音波周波数で振動することになる。ブレード(24)が起動状態である(すなわち、超音波的に振動している)場合、ブレード(24)は、組織を効果的に切断し、組織を封着するように動作可能である。したがって、超音波トランスデューサ(26)、超音波導波管(28)、及びブレード(24)は、発生器(12)によって電力供給される際に外科手術を行うための超音波エネルギーを供給する音響アセンブリを一緒に形成する。ハンドピース(22)は、トランスデューサ(26)、超音波導波管(28)、及びブレード(24)によって形成される音響アセンブリの振動から操作者を実質的に隔離するように構成されている。
【0016】
いくつかの変形例において、超音波導波管(28)は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)に伝達される機械的振動を増幅してもよい。超音波導波管(28)は、超音波導波管(28)に沿った長手方向振動の利得を制御するための特徴部、及び/又は超音波導波管(28)をシステム(10)の共振周波数と同調させるための特徴部を更に有してもよい。例えば、超音波導波管(28)は、ほぼ均一な断面などの任意の好適な断面寸法/構成を有してもよく、様々な部分で先細になっていてもよく、その全長に沿って先細になっていてもよく、又は任意の他の好適な構成を有してもよい。超音波導波管(28)は、例えば、システムの波長の1/2の整数倍にほぼ等しい長さ(nλ/2)を有してもよい。超音波導波管(28)及びブレード(24)は、チタン合金(すなわち、Ti−6Al−4V)、アルミニウム合金、サファイア、ステンレス鋼、又は任意の他の音響的に適合した材料若しくは材料の組み合わせなどの、超音波エネルギーを効率的に伝搬する材料又は材料の組み合わせから構築されたソリッドコアシャフトから製作されてもよい。
【0017】
本実施例では、ブレード(24)の遠位端は、組織による負荷が音響アセンブリに加えられていないとき、好ましい共振周波数f
oに音響アセンブリを同調させるために、導波管(28)を介して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に(すなわち、音響アンチノードに)位置する。トランスデューサ(26)が通電されると、ブレード(24)の遠位端は、例えば、ピーク間で約10〜500マイクロメートル、場合によっては、例えば、55.5kHzの所定の振動周波数f
oにて約20〜約200マイクロメートルの範囲で長手方向に移動するように構成されている。本実施例のトランスデューサ(26)が起動しているとき、これらの機械的な振動は、ブレード(24)に到達するように導波管(28)を介して伝達され、それにより共振超音波周波数でブレード(24)の振動をもたらす。このため、ブレード(24)の超音波振動が、組織の切断と隣接した組織細胞内のタンパク質の変性とを同時に行い、それにより比較的少ない熱拡散で凝固効果を提供することができる。いくつかの変形例において、組織を焼灼するために、電流もまたブレード(24)を介して提供されてもよい。
【0018】
あくまで一例として、超音波導波管(28)及びブレード(24)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により製品コードSNGHK及びSNGCBとして販売されている構成要素を備えてもよい。あくまで更なる一例として、超音波導波管(28)及び/又はブレード(24)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年7月23日発行の「Ultrasonic Surgical Blade with Improved Cutting and Coagulation Features」と題された米国特許第6,423,082号の教示に従って構築されてもよく、動作可能であり得る。別のあくまで例示的な例として、超音波導波管(28)及び/又はブレード(24)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1994年6月28日発行の「Ultrasonic Scalpel Blade and Methods of Application」と題された米国特許第5,324,299号の教示に従って構築されてもよく、動作可能であり得る。超音波導波管(28)及びブレード(24)の他の好適な特性及び形態が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0019】
本実施例のハンドピース(22)はまた、制御セレクタ(30)及び作動スイッチ(32)も含み、これらはそれぞれ回路基板(34)と通信している。あくまで一例として、回路基板(34)は、従来の回路基板、フレックス回路、リジッドフレックス回路を備えてもよく、又は任意の他の好適な構造を有してもよい。制御セレクタ(30)及び起動スイッチ(32)は、1つ若しくは2つ以上の導線、回路基板若しくはフレックス回路に形成された配線を介して、及び/又は任意の他の好適な方法で、回路基板(34)と連通することができる。回路基板(34)は、ケーブル(14)と連結されており、ケーブル(14)は、次いで、発生器(12)内の制御回路(16)と連結されている。起動スイッチ(32)は、超音波トランスデューサ(26)への電源を選択的に起動するように動作可能である。特に、スイッチ(32)が起動すると、かかる起動によってケーブル(14)を介して超音波トランスデューサ(26)に適切な電力が伝達される。あくまで一例として、起動スイッチ(32)は、本明細書で引用される様々な参照文献の教示のうちのいずれかに従って構築されてもよい。起動スイッチ(32)が採り得る他の様々な形態は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0020】
本実施例では、外科システム(10)は、少なくとも2つの異なるレベル又は種類の超音波エネルギー(例えば、異なる周波数及び/又は振幅など)をブレード(24)において供給するように動作可能である。そのために、制御セレクタ(30)は、操作者が所望のレベル/振幅の超音波エネルギーを選択することができるように動作可能である。あくまで一例として、制御セレクタ(30)は、本明細書で引用される様々な参照文献の教示のうちのいずれかに従って構築されてもよい。制御セレクタ(30)が採り得る他の様々な形態は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。いくつかの変形例において、操作者が制御セレクタ(30)によって選択を行う場合、操作者の選択は、ケーブル(14)を介して発生器(12)の制御回路(16)に戻して伝達され、これに従って、次回操作者が起動スイッチ(32)を作動させるときに、制御回路(16)が発生器(12)から伝達される電力を調節する。
【0021】
ブレード(24)において供給される超音波エネルギーのレベル/振幅は、発生器(12)からケーブル(14)を介して器具(20)に伝達される電力の特性の関数であり得ることを理解されたい。したがって、発生器(12)の制御回路(16)は、制御セレクタ(30)を通じて選択された超音波エネルギーのレベル/振幅又は種類に関連した特性を有する電力を(ケーブル(14)を介して)供給することができる。したがって、発生器(12)は、制御セレクタ(30)を介して操作者によって行われる選択に基づいて異なる種類又は程度の電力を超音波トランスデューサ(26)に伝達するように動作可能であり得る。具体的には、かつあくまで一例として、発生器(12)は、印加される信号の電圧及び/又は電流を増大させて、音響アセンブリの長手方向振幅を増大させることができる。あくまで例示的な一例として、発生器(12)は、それぞれ、約50マイクロメートル及び約90マイクロメートルのブレード(24)の振動共振振幅に対応し得る「レベル1」と「レベル5」との間の選択可能性を提供することができる。制御回路(16)が構成され得る様々な方法は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。制御セレクタ(30)及び起動スイッチ(32)の代わりに、2つ又は3つ以上の起動スイッチ(32)が使用され得ることも理解されたい。いくつかのかかる変形例では、ある起動スイッチ(32)は、ある電力レベル/種類でブレード(24)を起動させるように動作可能である一方で、別の起動スイッチ(32)は、別の電力レベル/種類などでブレード(24)を起動させるように動作可能である。
【0022】
いくつかの代替変形例では、制御回路(16)はハンドピース(22)内に位置する。例えば、いくつかのかかる変形例では、発生器(12)は1つのタイプの電力のみ(例えば、利用可能な1つの電圧及び/又は電流のみ)をハンドピース(22)に送信し、ハンドピース(22)内の制御回路(16)は、電力が超音波トランスデューサ(26)に到達する前に、制御セレクタ(30)を介して操作者によって行われる選択に従って電力(例えば、電力の電圧)を修正するように動作可能である。更に、発生器(12)は、外科システム(10)の他のすべての構成要素と共にハンドピース(22)内に組み込まれてもよい。例えば、1つ又は2つ以上の電池(図示せず)又は他の携帯型電源がハンドピース(22)内に設けられてもよい。
図1に示される構成要素が再配置されるか、又は他の方法で構成若しくは修正され得る更なる他の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0023】
II.例示的な超音波外科用器具の概要
以下の考察は、器具(20)の様々な例示的な構成要素及び構成に関するものである。以下に記載される器具(20)の様々な実施例を、上述の外科システム(10)に容易に組み込むことができることを理解されたい。また、上述の器具(20)の種々の構成要素及び操作性が、後述の器具(110)の例示的な変形例内に容易に組み込まれ得ることも理解されたい。上記及び下記の教示を組み合わせ得る様々な好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。また、以下の教示が、本明細書で引用される参考文献の様々な教示と容易に組み合わせられ得ることも理解されたい。
【0024】
図2は、例示的な超音波外科用器具(110)を示す。器具(110)の少なくとも一部は、米国特許第5,322,055号、同第5,873,873号、同第5,980,510号、同第6,325,811号、同第6,773,444号、同第6,783,524号、同第8,461,744号、米国特許出願公開第2009/0105750号、同第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2010/0069940号、同第2012/0112687号、同第2012/0116265号、同第2014/0005701号、同第2014/0114334号、米国特許出願第14/028,717号、及び/又は同第61/410,603号の教示の少なくとも一部に従って構築され、動作可能であり得る。前述の特許、特許出願公開、及び特許出願の各々の開示が参照により本明細書に組み込まれる。その中に記載され、以下により詳細に記載されるように、器具(120)は、実質的に同時に、組織を切断し、組織を封着又は接合するように動作可能である。また、器具(120)が、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesとの種々の構造的及び機能的な類似性を有し得ることを理解されたい。更に、器具(120)は、本明細書で引用され参照することによって本明細書に組み込まれる他の参考文献のうちのいずれかにおいて教示される装置と、種々の構造的及び機能的な類似性を有し得る。
【0025】
本明細書に引用される参考文献の教示と、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示と、器具(120)に関する以下の教示と、の間に何らかの重複が存在する範囲で、本明細書のいかなる説明も、認められた従来技術と見なす意図はない。本明細書のいくつかの教示は、事実、本明細書に引用した参考文献、並びにHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示の範囲を超えるであろう。
【0026】
本実施例の器具(110)は、ハンドルアセンブリ(120)と、シャフトアセンブリ(130)と、エンドエフェクタ(140)と、を備える。ハンドルアセンブリ(120)は、ピストルグリップ(124)と、一対のボタン(126)と、を含む本体(22)を備える。ハンドルアセンブリ(120)は、ピストルグリップ(124)に向かうように、またそれから離れるように枢動可能なトリガ(128)を更に含む。しかしながら、はさみグリップ構成などが挙げられるがこれに限定されない、種々の他の好適な構成が使用され得ることを理解されたい。エンドエフェクタ(140)は、超音波ブレード(160)と、枢動クランプアーム(144)と、を含む。超音波ブレード(160)は、上述の超音波ブレード(24)と同様に構成され、動作可能であってもよい。
【0027】
クランプアーム(144)はトリガ(128)と連結され、その結果、クランプアーム(144)は、ピストルグリップ(124)に向かうトリガ(128)の枢動に応答して超音波ブレード(160)に向かって枢動可能となり、また、クランプアーム(144)は、ピストルグリップ(124)から離れるようなトリガ(128)の枢動に反応して、超音波ブレード(160)から離れるように枢動可能となる。ゆえに、クランプアーム(144)は、超音波ブレード(160)と協働して組織を把持及び解放するように動作可能であり、クランプアーム(144)は、超音波ブレード(160)に対して組織を圧縮して、超音波ブレード(160)から組織への超音波振動の伝達を高めるように、更に動作可能である。本明細書の教示を考慮すれば、クランプアーム(144)をトリガ(128)と連結させ得る様々な好適な手段が当業者に明らかであろう。いくつかの変形例では、クランプアーム(144)及び/又はトリガ(128)を
図2に示す開放位置に付勢するために、1つ又は2つ以上の弾性部材が使用される。
【0028】
超音波トランスデューサアセンブリ(112)は、ハンドルアセンブリ(120)の本体(122)から近位に延在する。トランスデューサアセンブリ(112)は、上述のトランスデューサ(26)と同様に構成され、動作可能であってもよい。トランスデューサアセンブリ(112)は、ケーブル(114)を介して発生器(116)に連結される。トランスデューサアセンブリ(112)は発生器(116)から電力を受信して、圧電原理によってその電力を超音波振動に変換することを理解されたい。発生器(116)は、上述した発電器(12)と同様に構成され、動作可能であってもよい。ゆえに、発生器(116)は、電源、及びトランスデューサアセンブリ(112)による超音波振動の生成に特に適した電力プロファイルをトランスデューサアセンブリ(112)に提供するように構成されている制御モジュールを含んでもよい。更に、発生器(116)の機能の少なくとも一部がハンドルアセンブリ(120)に組み込まれていてもよく、またハンドルアセンブリ(120)は更に電池又は他の搭載された電源を含んで、その結果ケーブル(114)を省略してよいことも理解されたい。発生器(116)が採り得る更に他の好適な形態、並びに発生器(116)が提供し得る種々の特徴及び動作性は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0029】
例として、
図2に示されているように、組織がクランプアーム(144)とブレード(160)との間にクランプされているときに、ボタン(126)のうちの特定の1つを作動させることで、組織の封止のみを行い、組織の切断はしないよう、ボタン(126)のうちの1つを「封止」モードに関連付けることができる。特に、ボタン(136)のうちの第1のボタンを起動すると、相対的に低い振幅で超音波ブレード(160)の振動が発生し得る。同様に、更なる例として、組織がクランプアーム(44)とブレード(160)との間でクランプされているときに、ボタン(126)のうちの特定のボタンを作動させることで、組織が封止され、切断され得るよう、ボタン(126)のうちの他方のボタンを「切断及び封止」モードに関連付けることができる。特に、ボタン(136)のうちの第2のボタンを起動すると、相対的に高い振幅で超音波ブレード(160)の振動が発生し得る。ボタン(126)に関連付けられ得る他の好適な動作モードは、本明細書の教示を考慮することにより当業者には明らかになるであろう。
【0030】
III.代替の電力レベル選択機構を備えた超音波外科用器具
いくつかの事例では、単一の外科用器具に多様な機能性を含めることが有利であり得る。例えば、超音波外科用器具を使用するとき、いくつかの事例においては、様々なレベルの電力又はエネルギーを組織に送達することが有用であり得る。特に、いくつかの事例は、組織の切断及び封止の両方を必要とし得るが、他の事例は、組織の封止のみを必要とし得る。「封止」モードで、かつ、「切断及び封止」モードで適用され得るエネルギー及び/又は電力のレベルは、本明細書の教示を考慮することにより、当業者には明らかになるであろう。操作者が、組織を切断せずに組織を封止することを望む場合、操作者は、「封止」モードの選択を望み得る。操作者が、組織を切断して封止することを望む場合、操作者は、「切断及び封止」モードの選択を望み得る。多様なモードで動作する外科用器具の機能性を増大させる一方、そうすることが、操作者が理解し、利用しなければならないボタン、スイッチ、及び他の制御機構の数の増大につながり得る。したがって、使用の複雑さを増大させることなく、外科用器具の増大した機能性を提供することが望ましい。以下の実施例は、必要以上に複雑なユーザインターフェースを提供することなく、器具(20、110)の変形形態における電力モードの高度な制御を提供する。
【0031】
A.起動レベルを調節するための摺動可能なスイッチを備えた超音波器具
図3は、外科用器具(110)と実質的に同様に動作するように構成されている、例示的な代替外科用器具(210)を示している。したがって、同一又は類似の構造物には、以下で更に説明することなく、同様の参照番号がラベル付けされている。
図3には、エンドエフェクタは示されていないが、器具(210)は、エンドエフェクタ(140)のようなエンドエフェクタを含むことが理解されるであろう。トランスデューサ(112)は、ケーブル(14)を介して発生器(12、116)と連通し得ることが、更に理解されるであろう。本実施例の外科用器具(210)は、単一の起動ボタン(226)と、摺動可能なスイッチ(228)と、を含む。以下でより詳細に論じられるように、器具(210)は、起動ボタン(226)の作動時に、スイッチ(228)の位置に応じて異なる起動レベルで動作するように構成されている。
【0032】
本実施例では、スイッチ(228)は、起動ボタン(226)の作動に起因するトランスデューサ(112)及びブレード(160)の起動又は電力レベルを増大させるために、遠位方向に摺動可能である。同様に、スイッチ(228)は、起動ボタン(226)の作動に起因するトランスデューサ(112)及びブレード(160)の起動又は電力レベルを減少させるために、近位方向に摺動可能である。しかしながら、トランスデューサ(112)の電力レベルの増加又は減少をもたらす相対的な摺動方向は反転され得ることが理解されるであろう。本実施例では、スイッチ(228)は、スイッチ(228)を遠位方向又は近位方向にそれぞれ移動させるにつれて、電力レベルを直線的かつ連続的にそれぞれ増加又は減少させる、ポテンショメータに関連付けられる。
【0033】
示されている実施例では、スイッチ(228)は、別個の設定(最大、最小など)に制約されることなく、トランスデューサ(112)及びブレード(160)が、モード(例えば、電力レベル)の連続にわたって動作することを可能にする。
図4に示されているように、電力レベルは、「0.0」〜「5.0」の1/10の増分で、発生器(12、116)などの発生器のディスプレイ(229)に表示される。しかしながら、電力レベルは、任意の他の好適な方法で表示されてもよく、そのことは、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。いくつかの実施例では、スイッチ(226)が最も近位の位置にある場合、ボタン(226)を作動しても、トランスデューサ(112)及びブレード(160)は起動し得ない。ゆえに、かかる実施例では、最も近位の位置にあるスイッチ(228)は、「オフ」位置にあると見なされ得る。しかしながら、他の実施例では、スイッチ(228)の最も近位の位置は、「オフ」設定又は「ゼロ」設定に関連付けられ得ず、代わりに、例えば、「最小」電力レベル/起動モードに関連付けられてもよく、同時に、スイッチ(228)が到達し得る最も遠位の位置が、「最大」電力レベル/起動モードに関連付けられてもよい。
【0034】
いくつかの実施例では、スイッチ(228)の特定の位置は、「封止」並びに/又は「切断及び封止」起動モードに関連付けられてもよく、これらのモードは、「最小」及び「最大」起動モードとは異なっていても、異なっていなくてもよい。かかる実施例では、器具(210)は、スイッチ(228)の位置が、トランスデューサ(112)の特定の起動モードに関連付けられていることをユーザに示す適切なラベルを含んでもよい。代替の実施例では、トランスデューサ(112)及びブレード(160)がモードの連続にわたって動作することを可能にするのではなく、スイッチ(228)は、トランスデューサ(112)が、本明細書に記載の起動モードのいずれかのような複数の別個のモードで動作することを可能にし得る。スイッチ(228)及びスイッチ(226)の位置決めに応じた起動モードの他の好適な構成は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明かになるであろう。
【0035】
本実施例では、スイッチ(228)は、シャフトアセンブリ(132)の長手方向軸に平行な経路に沿って並進するように構成されているが、スイッチ(228)は、代わりに、シャフトアセンブリ(132)の長手方向軸に対して直角に又は斜めに角度付けされた経路に沿って並進するように構成されてもよい。
【0036】
B.器具の位置特性を検出するためのセンサを備えた超音波器具
図5〜
図6Cは、外科用器具(110)と実質的に同様に動作するように構成されている、例示的な代替外科用器具(310)を示している。したがって、同一又は類似の構造物には、以下で更に説明することなく、同様の参照番号がラベル付けされている。
図5には、エンドエフェクタは示されていないが、器具(310)は、エンドエフェクタ(140)のようなエンドエフェクタを含むことが理解されるであろう。トランスデューサ(112)は、ケーブル(14)を介して発生器(12、116)と連通し得ることが、更に理解されるであろう。外科用器具(310)は、単一の起動ボタン(326)を含み、ハンドルアセンブリ(120)の向きに応じて異なる起動モードで、トランスデューサ(112)及びブレード(160)を起動させるように構成されている。
【0037】
本実施例では、ハンドルアセンブリ(120)は、ハンドルアセンブリ(120)の向きを感知し、それにより、ハンドルアセンブリ(120)の向きに応じてトランスデューサ(112)及びブレード(160)の起動モードを選択するように構成されている、センサ(328)を含む。示されている実施例では、センサ(328)は、加速度計を備える。しかしながら、他の実施例では、センサ(328)は、ハンドルアセンブリ(120)の向きを感知又は検出することができる任意の他の要素を備えてもよい。示されているように、センサ(328)は、ハンドルアセンブリ(120)のピストルグリップ(124)内に配置される。しかしながら、センサ(328)は、器具(310)の任意の他の好適な部分に配置されてもよい。複数のセンサ(328)を使用して、器具(310)の向きを感知し得ることも理解されたい。
【0038】
本実施例において、トランスデューサ(112)及びブレード(160)は、ハンドルアセンブリ(120)が第1の向きにあるときは(
図6A)、第1の起動モード又は電力レベルで、また、ハンドルアセンブリ(120)が第2及び第3の位置にあるときは(それぞれ
図6B及び
図6C)、第2の起動モード又は電力レベルで起動し得る。ゆえに、センサ(328)は、本質的に、器具(310)の起動モード又は電力レベルの変更を可能にするスイッチとしての役割を果たすが、操作者は、ボタンを押すか、ないしは別の方法で手動によりスイッチを作動させる必要はない。換言すれば、操作者は、
図6A〜
図6Cに示されている向きの間でハンドルアセンブリ(120)を向け直すことにより、起動モード又は電力レベルを簡単に選択することができる。
【0039】
図6A〜
図6Cに提供されている図は、器具(310)の近位端に位置し、器具(310)を遠位に向かって見ている操作者の観点から提供されている。センサ(328)は、後述の向きを検出するように動作し、器具(310)が、感知されたハンドルアセンブリ(120)の向きに基づいて異なる機能性を提供することを可能にすることを、以下の論考の中で理解されたい。
図6Bに示されているような第1の向きでは、ピストルグリップ(124)は、第1の平面(330)に沿って延在する。示されている実施例では、第1の平面(330)は、第1の平面(330)が地面に対して平行になるように、水平である。実際の使用設定では、ピストルグリップ(124)は、器具(310)が第1の方向にあるとき、操作者に対して左側を指している。ピストルグリップ(124)が操作者に対して左側を指している設定であっても、ピストルグリップ(124)は必ずしも地面に対して平行でなくてもよいことを理解されたい。
【0040】
第2の向きでは、ピストルグリップ(124)は、第1の平面(330)に対する角度(θ)で配置される第2の平面(332)に沿って延在する。本実施例では、角度(θ)は約90°であるが、平面(330、332)は、何らかの他の互いに好適な角度関係を有し得ることを理解されたい。示されている実施例では、第2の平面(332)は、第2の平面(332)が地面に対して直角になるように、垂直である。実際の使用設定では、ピストルグリップ(124)は、器具(310)が第2の向きにあるとき、操作者の方を指している。ピストルグリップ(124)が操作者の方に指している設定であっても、ピストルグリップ(124)は必ずしも地面に対して直角でなくてもよいことを理解されたい。
【0041】
第3の向きでは、ピストルグリップ(124)は、再び第1の平面(330)に沿って延在する。しかしながら、第3の向きでは、ピストルグリップ(124)は、器具(310)が第2の方向にあるとき、操作者に対して右を指している。本実施例では、第1及び第3の向きはそれぞれ第2の向きから90°角度(θ)だけ角度的にオフセットされ、第1及び第3の向きはそれぞれ、互いから180°の角度だけ角度的にオフセットされる。いくつかの他の変形例では、第1及び第3の向きはそれぞれ、第2の向きから何らかの他の角度(θ)だけ角度的にオフセットされる。第1の向きは、第2の向きと第3の向きとの間の角度的なオフセットを画定する角度とは異なる角度だけ、第2の向きからオフセットされ得ることも理解されたい。例えば、手の初期角度位置に応じて、人は、異なる角度で手を回内又は回外させ得ることが理解されるであろう。したがって、いくつかの実施例では、このような制限に適応して、センサ(328)は、値θ2及びθ3を変化させることができ得る。更に、利き手の異なる(すなわち、左利き及び右利き)操作者に適応するため、センサ(328)(又は別のセンサ)は、操作者の利き手を検出するように動作可能であってもよく、かかる情報に基づいて角度(θ)を変更してもよい。
【0042】
いくつかの変形例では、器具(310)は、ハンドルアセンブリ(120)が第1の向きにあるときは第1の起動モード、ハンドルアセンブリ(120)が第2の向きにあるときは第2の起動モード、及びハンドルアセンブリ(120)が第3の向きにあるときは第3の起動モードを提供する。いくつかの他の変形例では、器具(310)は、ハンドルアセンブリ(120)が第1の向きにあるときは第1の起動モード、ハンドルアセンブリ(120)が第2の向き又は第3の向きのいずれかにあるときは第2の起動モードを提供する。あくまでも一例として、第1の起動モードは、本明細書に記載の「封止」起動モードに関連付けられてもよく、第2の起動モードは、本明細書に記載の「切断及び封止」起動モードに関連付けられてもよい。しかしながら、他の実施例では、第1及び第2の起動モードは、本明細書に記載の他の起動モード若しくは電力レベル、又は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかになる、他の好適な起動モードと関連付けられてもよい。
【0043】
C.動作モードを選択するためのトグルボタンを備えた超音波器具
図7は、外科用器具(110)と実質的に同様に動作するように構成されている、例示的な代替外科用器具(410)を示している。したがって、同一又は類似の構造物には、以下で更に説明することなく、同様の参照番号がラベル付けされている。
図7には、エンドエフェクタは示されていないが、器具(410)は、エンドエフェクタ(140)のようなエンドエフェクタを含むことが理解されるであろう。トランスデューサ(112)は、ケーブル(14)を介して発生器(12、116)と連通し得ることが、更に理解されるであろう。外科用器具(410)は、単一の起動ボタン(426)と、電力レベル又は起動モードを選択するように作動され得る選択スイッチ(428)と、を含む。したがって、以下に詳細に論じられているように、器具(410)は、起動ボタン(426)の作動時に、スイッチ(428)の作動により選択されたモードに応じて、異なる動作モード又は電力レベルでトランスデューサ(112)及びブレード(160)を起動させるように構成されている。
【0044】
本実施例では、スイッチ(428)は、特定の起動モードに関連付けられた多数の位置の間で移動可能なトグルボタンを備える。例えば、スイッチ(428)は、近位位置と遠位位置との間で切り換えられ、それにより、動作モードを変更し得る。別の単なる例示の実施例として、スイッチ(428)は、非押下状態と完全押下状態との間でスイッチ(428)を切り換えるように、繰り返し押されるボタンを備えてもよい。いくつかの変形例はまた、スイッチ(428)が切り換えられ得る、部分的な押下状態を提供してもよい。あくまでも一例として、スイッチ(428)の初めて作動により、電力レベルがゼロから、前述の「封止」起動モードに関連付けられた電力レベルまで増加してもよい。その後のスイッチ(428)の作動により、電力レベルが前述の「切断及び封止」起動モードに関連付けられた電力レベルまで、又は、ゼロと「封止」との間、「封止」と「切断及び封止」との間、並びに「切断及び封止」より上の、任意の好適な数のモードまで、増加してもよい。機器(410)は、任意の好適な数の起動モードの間で切り替え可能であってもよい。いくつかの実施例では、スイッチ(428)は、スイッチ(428)が押される毎に、スイッチ(428)の位置を特定の位置に維持する戻り止め機構に関連付けられる。
【0045】
いくつかの変形形態では、スイッチ(428)は、回転スクロールホイールを備える。かかる実施例では、スイッチ(428)は、スイッチ(428)を第1の方向又は第2の方向に回転させるにつれて、電力レベルを直線的かつ連続的にそれぞれ増加又は減少させる、ポテンショメータに関連付けられてもよい。しかしながら、いくつかの実施例では、スイッチ(428)の回転により、別個の電力レベル又は動作モードの間の段階的な増加又は減少をもたらし得る。例えば、スイッチ(428)の第1の方向の回転は、電力レベルをゼロから、前述の「封止」起動モードに関連付けられた電力レベルまで、前述の「切断及び封止」起動モードに関連付けられた電力レベルまで、並びにゼロと「封止」との間、「封止」と「切断及び封止」との間、及び「切断及び封止」より上の、任意の好適な数のモードまで、徐々に増加させ得る。同様に、スイッチ(428)の第2の方向の回転は、例えば、「切断及び封止」起動モードに関連付けられた電力レベルから、「封止」起動モードまで、ゼロまで、並びに「切断及び封止」と「封止」との間及び「封止」とゼロとの間の任意の好適な数のモードまで、電力レベルを徐々に減少させ得る。スイッチ(428)の位置決めに応じた他の好適な起動モードは、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0046】
示されているように、スイッチ(428)は、ハンドルアセンブリ(120)の一方の側にのみに配置される。いくつかの他の実施例では、スイッチ(428)は、示されていないハンドルアセンブリ(120)の他方の側に配置されてもよい。更に他の実施例では、利き手の異なる操作者に適応するため、ハンドルアセンブリ(120)のそれぞれの側にスイッチ(428)があってもよい。本例では、スイッチ(428)は、ピストルグリップ(124)を把持する手の親指によってアクセス可能な位置にある。他の実施例では、スイッチ(428)が他の好適な位置にあってもよく、そのことは、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0047】
D.起動モードを選択するための回転ダイアル機構を備えた超音波器具
図8は、外科用器具(110)と実質的に同様に動作するように構成されている、例示的な代替外科用器具(510)を示している。したがって、同一又は類似の構造物には、以下で更に説明することなく、同様の参照番号がラベル付けされている。
図8には、エンドエフェクタは示されていないが、器具(510)は、エンドエフェクタ(140)のようなエンドエフェクタを含むことが理解されるであろう。トランスデューサ(112)は、ケーブル(14)を介して発生器(12、116)と連通し得ることが、更に理解されるであろう。外科用器具(510)は、単一の起動ボタン(526)と、電力レベル又は起動モードの間を選択するように回転され得る回転ダイアル機構(528)と、を含む。したがって、以下に詳細に論じられているように、器具(510)は、起動ボタン(526)の作動時に、ダイアル(528)の回転により選択されたモードに応じて、異なる動作モード又は電力レベルでトランスデューサ(112)及びブレード(160)を起動させるように構成されている。
【0048】
示されている実施例では、ダイアル(528)の回転により、別個の電力レベル又は動作モードの間を段階的に増加又は減少させ得る。示されているように、ダイヤル(428)は、「MAX」(最大)設定、「MIN」(最小)設定、「HEMO」(止血)設定の間で移動可能である。ハンドルアセンブリ(120)は、矢印(530)とそろっているダイアル(528)の部分に応じて、器具(510)が現在設定されている起動モードをユーザに示す矢印(530)を含む。「最小」、「最大」、「止血」、「封止」、及び「切断及び封止」モードで適用され得るエネルギー及び/又は電力のレベルは、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。いくつかの例では、ダイアル(528)は、本明細書で論じられている「封止」並びに「切断及び封止」動作モードなど、他の動作モードに関連付けられている位置を想定することができ得る。ダイアル(528)の位置決めに応じた他の好適な起動モードは、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0049】
示されているように、ダイアル(528)は、ハンドルアセンブリ(120)の一方の側にのみに配置される。他の実施例では、ダイアル(528)は、ハンドルアセンブリ(120)の他方の側に配置されてもよい。更に他の実施例では、利き手の異なる操作者に適応するため、ハンドルアセンブリ(120)のそれぞれの側にダイアル(528)があってもよい。本実施例では、ダイアル(528)は、ピストルグリップ(124)を把持する手の親指によってアクセス可能な位置にある。他の実施例では、ダイアル(528)は他の好適な位置にあってもよく、そのことは、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0050】
E.起動モードを選択するためのマルチスイッチボタンを備えた超音波器具
図9〜
図10は、外科用器具(110)と実質的に同様に動作するように構成されている、例示的な代替外科用器具(610)を示している。したがって、同一又は類似の構造物には、以下で更に説明することなく、同様の参照番号がラベル付けされている。
図9には、エンドエフェクタは示されていないが、器具(610)は、エンドエフェクタ(140)のようなエンドエフェクタを含むことが理解されるであろう。トランスデューサ(112)は、ケーブル(14)を介して発生器(12、116)と連通し得ることが、更に理解されるであろう。示されているように、器具(610)は、単一の起動ボタン(626)と、様々な動作モードに関連付けられた複数のスイッチを有するボタン(628)と、を含む。したがって、以下に詳細に論じられているように、器具(610)は、起動ボタン(626)の作動時に、ボタン(628)の作動により選択されたモードに応じて、異なる動作モード又は電力レベルでトランスデューサ(112)及びブレード(160)を起動させるように構成されている。
【0051】
本実施例では、ボタン(628)は、第1のスイッチ(628a)、第2のスイッチ(628b)、第3のスイッチ(628c)、及び第4のスイッチ(628d)を含む。スイッチ(628a、628b、628c、628d)のうちの1つの作動により、起動ボタン(626)の作動時に、器具(610)が動作するモードが変更される。
図10で最もよく示されているように、第1のスイッチ(628a)は「HEMO」(止血)設定に関連付けられ、第2のスイッチ(628b)は「MAX」(最大)設定に関連付けられ、第3のスイッチ(628c)は「MIN」(最小)設定に関連付けられ、第4のスイッチ(628d)は「OTHER」設定に関連付けられる。いくつかの実施例では、ボタン(628)は、本明細書で論じられる「封止」並びに「切断及び封止」動作モードなどの追加的又は代替的動作モードに関連付けられたスイッチを含んでもよい。スイッチ(628a、628b、628c、628d)を使用して選択でき得る他の好適な起動モードは、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。「最小」、「最大」、「止血」、「封止」、並びに「切断及び封止」モードで適用され得るエネルギー及び/又は電力のレベルも、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0052】
示されているように、ボタン(628)は、「+」記号のような形状であり、4つの動作モードを可能にする4つのスイッチ(628a、628b、628c、628d)を含む。しかしながら、他の例では、ボタン(628)は、任意の他の好適な構成を有してもよく、任意の好適な数の動作モードに関連付けられた任意の好適な数のスイッチを含んでもよい。本実施例では、ボタン(628)は、シャフトアセンブリ(130)の長手方向軸線に平行な平面に沿って延在する。他の変形例では、ボタン(628)は、シャフトアセンブリ(130)の長手方向軸に対して斜めに又は直角に向けられた平面に沿って延在してもよい。
【0053】
図9〜
図10の実施例に示されているように、それぞれのスイッチ(628a、628b、628c、628d)は、同じボタン(628)上に配置される。しかしながら、いくつかの他の実施例では、それぞれのスイッチ(628a、628b、628c、628d)は、別個の独立したボタン上に配置されてもよい。いくつかの実施例では、本明細書で論じられている動作モードのいずれか又は任意の他の動作モードなどの、単一の動作モードに関連付けられた複数のスイッチが存在してもよく(例えば、それにより、可能な動作モードより多数のスイッチが存在する)、そのことは、本明細の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。更に他の実施例では、器具(610)は、等しい数の動作モードに関連付けられた任意の数のスイッチを含んでもよい。更に、いくつかの実施例では、器具(610)は、複数のボタン又はスイッチを含み得るが、それぞれのボタン又はスイッチが同じ動作モードを起動するように、唯一の動作モードで動作可能であってもよい。ボタン及びスイッチ、並びにそれらに関連付けられた動作モードの他の好適な構成は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明かになるであろう。
【0054】
IV.閉鎖制限を介したモード選択を備える超音波外科用器具
前述の実施例は、ブレード(160)を介して組織に送達される電力を変化させることにより、動作モードの変形形態を提供する。動作モードは、クランプアーム(144)がブレード(160)に対して組織を圧縮する程度を変化させることによって、変化し得ることも理解されたい。特に、クランプアーム(144)が相対的に低い圧力量で組織をブレード(160)に対して圧縮すると、エンドエフェクタ(140)は、「封止のみ」モードを提供し得、それにより、エンドエフェクタ(140)は、比較的上手く組織を封止するが、比較的上手くは組織を切断しない。対照的に、クランプアーム(144)が相対的に高い圧力量で組織をブレード(160)に対して圧縮すると、エンドエフェクタ(140)は、「封止及び切断」モードを提供し得、それにより、エンドエフェクタ(140)は、比較的上手く組織を切断し、封止する。後述のように、器具(110)は、クランプアーム(144)がブレード(160)に対して組織を圧縮し得る程度を選択的に制限するように修正されてもよい。例えば、クランプアーム(144)とブレード(160)との間の接触は、組織の切断を示すため、クランプアーム(144)がブレード(160)に接触する距離まで、クランプアーム(144)を枢動させないように、器具(110)を修正することができる。これは、次いで、動作の「封止のみ」モードと「封止及び切断」モードとの間の選択を提供し得る。
【0055】
操作者が別々にボタン(126)を作動させて、トランスデューサ(112)及びブレード(160)を起動させることを必要とせずに、トリガ(128)のピストルグリップ(124)への枢動に応答して、トランスデューサ(112)及びブレード(160)の起動をもたらすことが望ましい場合もある。トリガ(128)のピストルグリップ(124)への枢動に応答して、トランスデューサ(112)及びブレード(160)を起動させ得る様々な方法が、以下により詳細に記載される。
【0056】
図11A〜
図12Cは、外科用器具(110)と実質的に同様に動作するように構成されている、例示的な代替外科用器具(710)を示している。したがって、同一又は類似の構造物には、以下で更に説明することなく、同様の参照番号がラベル付けされている。トランスデューサ(112)は、ケーブル(14)を介して発生器(12、116)と連通し得ることが、更に理解されるであろう。しかしながら、トランスデューサ(112)を起動させるための起動ボタン(126)を含むのではなく、トランスデューサ(112)は、ピストルグリップ(124)に対してトリガ(128)を枢動させることによって起動する。いくつかの実施例では、器具(710)はまた、後述のトリガ起動機構に加えて、起動ボタン(126)を含んでもよい。
【0057】
図11A〜
図11Cに示すように、ハンドルアセンブリ(120)は、第1の位置と第2の位置との間で移動可能な停止アセンブリ(740)を含む。停止アセンブリ(740)は、第1の停止部材(742)及び第2の停止部材(744)を備える。ボタン(750)は、第2の停止部材(744)の上端から近位に突出している。ボタン(750)は、ハンドルアセンブリ(120)の近位端を介して露出しており、それにより、操作者は、ピストルグリップ(124)を把持する手の親指をボタンに掛け、
図11A〜
図11Cに示された位置の間でボタン(750)を上方に及び下方に摺動させることができる。第1の停止部材(742)は、ピストルグリップ(124)の遠位部分に配置され、第2の停止部材(742)の位置に応じて、トリガ(128)による接触に応答し、ピストルグリップ(124)内を近位に移動することができる。第2の停止部材(744)は、第1の停止部材(742)から第1の距離(D1)だけ離れた第1の部分(746)と、第1の停止部材(742)から第2の距離(D2)だけ離れた第2の部分(748)と、を含む。本実施例では、第1の距離(D1)は、第2の距離(D2)より短い。
【0058】
第2の停止部材(744)は、一般に、ピストルグリップ(124)の軸に沿って移動可能である。特に、
図11A〜
図11Bに示されているように、第2の停止部材(744)は、第1の停止部材(742)が第1の部分(746)と一致する第1位置と、
図11Cに示されているように、第1の停止部材(742)が第2の部分(748)と一致する第2の位置と、から移動可能である。
図11A〜11Bに示されているように、第2の停止部材(744)が第1の位置にあるとき、停止アセンブリ(740)は、トリガ(128)のピストルグリップ(124)への枢動を制限する。特に、トリガ(128)は、第1の停止部材(742)に当接し、第1の停止部材(742)は、第1の部分(746)に当接してハードストップを提供する。ゆえに、停止アセンブリ(740)は、第2の停止部材が第1の位置にあるときのみ、トリガ(128)が非作動位置(
図11A)から部分作動位置(
図11B)に移動することを可能にする。トリガ(128)のこの制限された枢動は、クランプアーム(144)の開放位置(
図12A)から部分的な閉鎖位置(
図12B)までのみの枢動をもたらす。この動作モードでは、クランプアーム(144)は部分的な閉鎖のみが可能であり、エンドエフェクタ(140)は、組織に対して相対的に低度の圧縮のみを提供することができる。ゆえに、
図12Bに示されているように、クランプアーム(144)が部分的な閉鎖位置にあるブレード(160)に対して組織を部分的に圧縮する一方、エンドエフェクタ(140)は、ブレード(160)が起動したときに組織を封止するが、組織の切断は行わない。いくつかの変形形態では、クランプアーム(144)は理論的に、この状態でブレード(160)に接触することができるが、ハンドルアセンブリ(120)における力制限機構は、クランプアーム(144)とブレード(160)との間で達成され得る圧縮力を制限する。そのような力制限機構が採り得る様々な好適な形状は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなるであろう。
【0059】
図11Cに示されているように、第2の停止部材(744)が第2の位置にあるときは、停止アセンブリ(740)は、トリガ(128)のピストルグリップ(124)への枢動を制限しない。特に、第2の部分(748)は、第2の停止部材(744)が第2の位置にあるときに、停止部材(742)がピストルグリップ(124)内で近位に移動するためのすきまを提供するように配置される。ゆえに、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって枢動するとき、トリガ(128)が
図12Cに示されている完全な作動位置に達すると、トリガ(128)は最終的に、第2の停止部材(744)に係合し、停止部材(744)をピストルグリップ(124)の中に入れ込む。トリガ(128)のこの妨害のない枢動により、クランプアーム(144)が開放位置(
図12A)から完全な閉鎖位置(
図12C)へ完全に枢動することを可能にする。この動作モードでは、クランプアーム(144)は完全に閉鎖することが可能であり、エンドエフェクタ(140)は、組織に対して相対的に高度の圧縮を提供することができる。ゆえに、
図12Cに示されているような完全な閉鎖位置では、クランプアーム(144)はブレード(160)に対して組織を完全に圧縮する一方、エンドエフェクタ(140)は、ブレード(160)が起動したときに組織を切断し、封止する。
【0060】
本実施例では、第1の停止部材(742)は、トリガ(128)による第1の停止部材(742)の係合に応答して、トランスデューサ(112)及びブレード(160)を起動させるスイッチを提供する。ゆえに、トリガ(128)が部分的な作動位置(
図11B)又は完全な作動位置(
図11C)にあるときに、トランスデューサ(112)及びブレード(160)が起動する。いくつかの変形例では、トランスデューサ(112)及びブレード(160)が起動する電力レベルは、トリガ(128)が部分的な作動位置にあるか(
図11B)又は完全な作動位置にあるか(
図11C)否かに関係なく同一である。かかる変形例では、組織効果の変化は、
図12B及び
図12Cに示されているように、クランプアーム(144)の閉鎖の程度の変化によって提供される。いくつかの他の変形例では、トランスデューサ(112)及びブレード(160)が起動する電力レベルはまた、トリガ(128)が部分的な作動位置にあるか(
図11B)又は完全な作動位置にあるか(
図11C)否かに基づいて変化することになる。例えば、トランスデューサ(112)及びブレード(160)は、
図11Bに示されている状態では相対的に低い電力レベルで、
図11Cに示されている状態では相対的に高い電力レベルで、起動し得る。スイッチ又は複数のスイッチを第1の停止部材(742)内に組み込み得る様々な好適な方法は、本明細書での教示を考慮すれば当業者には明らかとなるであろう。
【0061】
トリガ(128)の枢動に応答して、トランスデューサ(112)及びブレード(160)を起動させるために、スイッチが第2の停止部材(744)に組み込まれてもよいことも理解されたい。例えば、
図11Bに示されている状態で、第1の停止部材(742)が第1のスイッチを作動させるように、第1のスイッチが第1の部分(746)に組み込まれてもよい。同様に、
図11Cに示されている状態で、第1の停止部材(742)が第2のスイッチを作動させるように、第2のスイッチが第2の部分(748)に組み込まれてもよい。追加的に又は代替的に、器具(710)は、例えば、ピストルグリップ(124)のような器具(710)の特定の構成要素に対する、トリガ(128)の角度(又は他の特性(複数の場合あり))を感知するセンサを含んでもよい。かかるセンサは、トリガ(128)の枢動に応答して、トランスデューサ(112)及びブレード(160)を起動させるスイッチとしての役割を果たし得る。
【0062】
図13A〜
図13Cは、ピストルグリップ(124)に対してトリガ(128)を枢動させることによって起動するように更に構成されている、例示的な代替の外科用器具(810)を示している。本実施例の器具(810)は、外科用器具(110、710)と実質的に同様に動作するように構成されている。したがって、同一又は類似の構造物には、以下で更に説明することなく、同様の参照番号がラベル付けされている。トランスデューサ(112)は、ケーブル(14)を介して発生器(12、116)と連通し得ることが、更に理解されるであろう。示されているように、器具(810)は、第1の位置(
図13A〜13B)と第2の位置(
図13C)との間で、ピストルグリップ(124)に沿って摺動可能である代替の停止部材を含む。
図13Bに示されているように、第1の位置では、停止部材(840)は、トリガ(128)が、ピストルグリップ(124)に対して部分的な作動位置のみまで第1の距離を枢動することを可能にする。第1の位置にある停止部材(840)は、トリガ(128)が部分的な作動位置よりも更に枢動することを防止する、障害物を提供する。しかしながら、停止部材(840)が第2の位置にあるとき、停止部材(840)は、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって完全な作動位置まで枢動することを可能にする。
図12A〜
図12Cに関する前述のように、トリガ(128)の部分的な又は完全な作動により、クランプアーム(144)がブレード(160)に対して部分的又は完全に閉鎖することになることを理解されたい。ゆえに、
図13A〜
図13Bに示されているように、停止部材(840)が第1の位置にあるとき、停止部材(840)は、「封止のみ」モードで器具(810)を提供する。
図13Cに示されているように、停止部材(840)が第2の位置にあるとき、停止部材(840)は、「封止及び切断」モードで器具(810)を提供する。
【0063】
停止部材(840)はまた、トリガ(128)による停止部材(840)の係合に応答して、トランスデューサ(112)及びブレード(160)を起動させる1つ又は2つ以上のスイッチを含んでもよい。これにより、トリガ(128)が部分的な作動位置(
図13B)又は完全な作動位置(
図13C)にあるときに、トランスデューサ(112)及びブレード(160)が起動する。いくつかの変形例では、トランスデューサ(112)及びブレード(160)が起動する電力レベルは、トリガ(128)が部分的な作動位置にあるか(
図13B)又は完全な作動位置にあるか(
図13C)否かに関係なく同一である。かかる変形例では、組織効果の変形形態は、
図12B及び
図12Cに関する前述のように、クランプアーム(144)の閉鎖の程度の変化によって提供される。いくつかの他の変形例では、トランスデューサ(112)及びブレード(160)が起動する電力レベルはまた、トリガ(128)が部分的な作動位置にあるか(
図13B)又は完全な作動位置にあるか(
図13C)否かに基づいて変化することになる。例えば、トランスデューサ(112)及びブレード(160)は、
図13Bに示されている状態では相対的に低い電力レベルで、
図13Cに示されている状態では相対的に高い電力レベルで、起動し得る。スイッチ又は複数のスイッチを停止部材(840)内に組み込み得る様々な好適な方法は、本明細書での教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0064】
図14は、ピストルグリップ(124)に対してトリガ(128)を枢動させることによって起動するように更に構成されている、別の例示的な代替の器具(910)のハンドルアセンブリ(120)の特徴を示している。本実施例の器具(910)は、外科用器具(110、710、810)と実質的に同様に動作するように構成されている。したがって、同一又は類似の構造物には、以下で更に説明することなく、同様の参照番号がラベル付けされている。器具(910)は、ケーブル(14)を介して発生器(12、116)と連通し得るトランスデューサ(112)を含むことが、更に理解されるであろう。示されているように、器具(810)は、ユーザが作動するスライダ(941)に応答して、第1、第2、及び第3の位置の間でピストルグリップ(124)に沿って摺動可能である、代替の停止部材(940)を含む。この例では、トリガ(128)は、ピストルグリップ(124)に対する内部の接触部分(942)を含む。接触部分(942)は、第1、第2及び第3の枢動位置の間を枢動するために、停止部材(940)の3つの部分のうちの1つに接触するように構成されている。特に、トリガ(128)は、停止部材(940)が第1の位置にあるときに、接触部分(942)が第1の部分(944)に接触するように枢動してもよい。同様に、トリガ(128)は、停止部材(940)が第2の位置にあるとき、接触部分(942)が第2の部分(946)に接触するように枢動してもよい。更に、トリガ(128)は、停止部材(940)が第3の位置にあるときに、接触部分(942)が第3の部分(944)に接触するように枢動してもよい。
【0065】
部分(944、946、948)は、ピストルグリップ(124)内の停止部材(940)の位置に基づき、接触部部分(942)と係合するように配置される部分(944、946、948)に応じて、トリガ(128)の作動を様々な程度に制限し得ることを理解されたい。また、
図12A〜
図12Cに関する前述のように、トリガ(128)の作動の制限は、クランプアーム(144)の閉鎖の制限を更にもたらすことを理解されたい。ゆえに、停止部材(940)は、エンドエフェクタ(140)によって組織に適用され得る圧縮を変化させるように動作可能であり、それによって、「封止のみ」モード及び「封止及び切断」モードなどの異なる動作モードを提供する。
【0066】
停止部材(940)はまた、トリガ(128)による停止部材(940)の係合に応答して、トランスデューサ(112)及びブレード(160)を起動させる1つ又は2つ以上のスイッチを含んでもよい。ゆえに、トリガ(128)が部分的な作動位置(例えば、係合している部分(944)若しくは部分(946))又は完全な作動位置(例えば、係合している部分(948))にあるときに、トランスデューサ(112)及びブレード(160)が起動する。いくつかの変形例では、トランスデューサ(112)及びブレード(160)が起動する電力レベルは、トリガ(128)が部分的な作動位置にあるか又は完全な作動位置にあるか否かに関係なく同一である。かかる変形例では、組織効果の変形形態は、
図12B及び
図12Cに関する前述のように、クランプアーム(144)の閉鎖の程度の変化によって提供される。いくつかの他の変形例では、トランスデューサ(112)及びブレード(160)が起動される電力レベルはまた、トリガ(128)が部分的な作動位置にあるか又は完全な作動位置にあるか否かに基づいて変化する。例えば、トランスデューサ(112)及びブレード(160)は、トリガ(128)が部分(946)と係合すると、相対的に低い電力レベルで、また、トリガ(128)が部分(948)と係合すると、相対的に高い電力レベルで、起動し得る。スイッチ又は複数のスイッチを停止部材(940)内に組み込み得る様々な好適な方法は、本明細書での教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0067】
V.連続的に可変の起動ボタンを備えた外科用器具
図15は、外科用器具(110)と実質的に同様に動作するように構成されている、例示的な代替外科用器具(1010)を示している。したがって、同一又は類似の構造物には、以下で更に説明することなく、同様の参照番号がラベル付けされている。
図15には、エンドエフェクタは示されていないが、器具(1010)は、エンドエフェクタ(140)のようなエンドエフェクタを含むことが理解されるであろう。トランスデューサ(112)は、ケーブル(14)を介して発生器(12、116)と連通し得ることが、更に理解されるであろう。示されているように、外科用器具(1010)は、ポテンショメータ(1040)に直接連結された回転可能な起動ボタン(1026)を含む。特に、ボタン(1026)は、ポテンショメータ(1040)の中心を通過するピン(1042)を経由して、ポテンショメータ(1040)に枢動可能に連結される。ピン(1042)は、ボタン(1026)が枢動するとピン(1042)が回転するように、ボタン(1026)に固定的に固定される。ピン(1042)はまた、ポテンショメータ(1040)の抵抗が、ボタン(1026)の枢動に直接比例して変化するように、ポテンショメータ(1040)内の回転接触部に固定される。ポテンショメータ(1040)を介して提供されるこの可変の抵抗は、トランスデューサ(112)及びブレード(160)を介した多様な電力出力を提供する。換言すれば、エンドエフェクタ(140)を経由して組織に適用される超音波電力は、ボタン(1026)の枢動位置及び/又は位置変化率に基づいて変化することになる。いくつかの代替の変形例では、ポテンショメータ(1040)は、ボタン(1026)の枢動位置を追跡するように動作可能である、エンコーダアセンブリに置き換えられる。ゆえに、エンコーダアセンブリからのデータを使用して、トランスデューサ(112)及びブレード(160)を介した多様な電力出力が提供されてもよい。
【0068】
図16は、
図15に示される構成の単なる例示的な変形形態を示している。特に、
図16は、湾曲したラック(1030)をボタン(1026)に一元的に固定した構成を示している。湾曲したラック(1030)をピニオン(1028)に係合させ、ピニオン(1028)をポテンショメータ(1050)に直接連結させる。ゆえに、ボタン(1026)がピン(1032)を中心に枢動すると、湾曲したラック(1030)がピニオン(1028)を回転させ、次いで、ピニオン(1028)が、ポテンショメータ(1050)の抵抗値を変化させる。ポテンショメータ(1050)を介して提供されるこの可変の抵抗は、トランスデューサ(112)及びブレード(160)を介した多様な電力出力を提供する。換言すれば、エンドエフェクタ(140)を介して組織に適用される超音波電力は、ボタン(1026)の回動位置(及び/又は位置変化率)に基づいて変化することになる。
図15に示されている構成とは異なり、
図16に示されている構成は、湾曲したラック(1030)とピニオン(1028)との存在により、トリガ(1026)の枢動に応答して、ポテンショメータ(1050)の抵抗値のより大きい変化をもたらすことになる。換言すれば、
図16に示されている構成は、
図15に示されている構成よりも、トリガ(1026)の枢動に対するより大きな感度をもたらすことになる。更に他の好適な構成は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明白であろう。
【0069】
図15〜
図16に示されている実施例のいずれにおいても、ボタン(1026)が近位に枢動すると、別個のモード又は電力レベルで動作するのではなく、連続的な可変の電力レベルが提供される。特に、示されている実施例では、ボタン(1026)の近位作動の角変位が増大すると、トランスデューサ(112)及びブレード(160)の電力レベルが増加する。超音波ブレード(160)の電力設定又は変位とボタン(1026)の深さ又は圧力との間の他の好適な関係は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。いくつかの実施例では、ボタン(1026)の張力又は物理抵抗は、操作者に触覚フィードバックと、ボタン(1026)及び超音波ブレード(160)の運動のより良好な制御性と、を提供するため、到達距離(すなわち、ボタン(1026)の枢動範囲)にわたって変化し得る。連続的な可変の電力レベルのボタン(1026)を提供することにより、操作者が、別個の設定(最大、最小など)に制約されることなく、モード(例えば、電力レベル)の連続にわたって操作することを可能にする。
【0070】
いくつかの他のバリエーションでは、ボタン(1026)が近位方向に枢動すると、電力レベルは、有限数の別個の電力レベルにわたって段階的な方法で徐々に増加される。換言すれば、電力レベルは、ボタン(1026)を組み込むすべての変形例において、必ずしも連続的に可変である必要はない。
【0071】
VI.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得るいずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではないことを理解されたい。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は単なる例証目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、多くの他の方法で配置及び適用され得ることが企図される。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例で言及される特定の特徴を省略してもよいことも企図される。したがって、本発明者によって、又は本発明者の関係者たる継承者によって、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、これらの更なる特徴は、特許性に関連するいずれの理由によって追加されたものとしても仮定されるべきではない。
【実施例】
【0072】
(実施例1)
超音波器具であって、(a)本体と、(b)作動アセンブリであって、モード選択部材と、起動部材と、を備える、作動アセンブリと、(c)本体から遠位に延在するシャフトアセンブリであって、音響導波管を備えるシャフトアセンブリと、(d)超音波ブレードを備えるエンドエフェクタと、を備え、超音波ブレードが、音響導波管と音響通信し、エンドエフェクタが、モード選択部材が第1の位置にあるときに、起動部材の作動に応答して、第1の起動モードで起動するように構成されており、エンドエフェクタが、モード選択部材が第2の位置にあるときに、起動部材の作動に応答して、第2の起動モードで起動するように構成されている、超音波器具。
【0073】
(実施例2)
モード選択部材がセンサを備える、実施例1に記載の超音波器具。
【0074】
(実施例3)
センサが、本体の向きを感知し、それにより、本体の向きに基づいてモード選択を提供するように構成されている、実施例2に記載の超音波器具。
【0075】
(実施例4)
センサが加速度計を備える、実施例3に記載の超音波器具。
【0076】
(実施例5)
モード選択部材が、摺動可能な部材を備える、実施例1〜4のいずれか1つ又は2つ以上に記載の超音波器具。
【0077】
(実施例6)
ポテンショメータを更に含み、ポテンショメータが摺動可能な部材と連通している、実施例5に記載の超音波器具。
【0078】
(実施例7)
モード選択部材がトグルボタンを備える、実施例1〜6のいずれか1つ又は2つ以上に記載の超音波器具。
【0079】
(実施例8)
モード選択部材が回転ダイアルを備える、実施例1〜7のいずれか1つ又は2つ以上に記載の超音波器具。
【0080】
(実施例9)
モード選択部材が複数の位置の間で移動可能であり、複数の位置のそれぞれが対応する個別の動作モードに関連付けられている、実施例1〜8のいずれか1つ又は2つ以上に記載の超音波器具。
【0081】
(実施例10)
トリガを更に備え、エンドエフェクタが、クランプアームを更に備え、クランプアームが、クランプアームと超音波ブレードとの間の組織をクランプするために、トリガの作動に応答して、超音波ブレードに対して枢動するように構成されている、実施例1〜9のいずれか1つ又は2つ以上に記載の超音波器具。
【0082】
(実施例11)
起動部材が、トリガを備える、実施例10に記載の超音波器具。
【0083】
(実施例12)
モード選択部材が、トリガの作動を選択的に制限するように構成されている阻止部材を備える、実施例11に記載の超音波器具。
【0084】
(実施例13)
阻止部材が、第1の位置から第2の位置に移動可能であり、クランプアームが、阻止部材が第1の位置にあるときに、トリガの作動に応答して、超音波ブレードに対して部分的な閉鎖位置まで枢動するように構成されており、クランプアームが、阻止部材が第2の位置にあるときに、トリガの作動に応答して、超音波ブレードに対して完全な閉鎖位置まで枢動するように構成されている、実施例12に記載の超音波器具。
【0085】
(実施例14)
モード選択部材が複数のスイッチを備え、複数のスイッチが単一のボタン上に配置されている、実施例1〜13のいずれか1つ又は2つ以上に記載の超音波器具。
【0086】
(実施例15)
本体が、操作者の手で把持されるように構成されているグリップ部分を備え、モード選択部材が、グリップ部分を把持する手の親指でアクセスできるように配置されるよう、モード選択部材がグリップ部分の近位に位置する、実施例1〜14のいずれか1つ又は2つ以上に記載の超音波器具。
【0087】
(実施例16)
起動部材が、本体の遠位部分にボタンを備える、実施例1〜15のいずれか1つ又は2つ以上に記載の超音波器具。
【0088】
(実施例17)
超音波器具であって、(a)本体と、(b)作動アセンブリであって、モード選択部材と、起動部材と、を備える、作動アセンブリと、(c)本体から遠位に延在するシャフトアセンブリであって、音響導波管を備えるシャフトアセンブリと、(d)超音波ブレードを備えるエンドエフェクタと、を備え、超音波ブレードが、音響導波管と音響通信し、エンドエフェクタが、モード選択部材が第1の位置にあるときに、起動部材の作動に応答して、第1の起動モードで起動するように構成されており、エンドエフェクタが、モード選択部材の異なる位置に応じた複数の動作モードで、起動部材の作動に応答して、起動するように構成されている、超音波器具。
【0089】
(実施例18)
本体が、ハンドルアセンブリを備え、ハンドルアセンブリが、ピストルグリップを備え、ピストルグリップを把持している手でモード選択部材にアクセスできるように、モード選択部材が、ピストルグリップの上又は近くに配置されている、実施例17に記載の超音波器具。
【0090】
(実施例19)
超音波器具であって、(a)本体と、(b)本体に枢動可能に連結されたトリガと、(c)本体から遠位に延在するシャフトアセンブリであって、音響導波管を含む、シャフトアセンブリと、(d)エンドエフェクタであって、(i)超音波ブレードであって、音響導波管と音響通信する、超音波ブレードと、(ii)クランプアームであって、本体に対するトリガの枢動に応答して、超音波ブレードに向かう及びそこから離れる方向に枢動するように構成されている、クランプアームと、を備える、エンドエフェクタと、(e)本体に移動可能に連結されたトリガ阻止部材と、を備え、トリガ阻止部材が、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、トリガ阻止部材が、トリガ阻止部材が第1の位置にあるときに、トリガが非作動位置から部分的な作動位置のみまで枢動することを可能にし、それによって、クランプアームの運動及び/又はクランプ力を制限するように構成されており、トリガ阻止部材が、トリガ阻止部材が第2の位置にあるときに、トリガが非作動位置から完全な作動位置まで枢動することを可能にするように構成されており、トリガ阻止部材が、トリガ阻止部材が第1の位置にあるときに、トリガが部分的な作動位置から完全な作動位置まで枢動することを防止するように構成されている、超音波器具。
【0091】
(実施例20)
本体が、ピストルグリップを備え、トリガが、ピストルグリップに向かう及びそこから離れる方向に枢動可能であり、トリガ阻止部材が、ピストルグリップ内に摺動可能に配設されている、実施例19に記載の超音波器具。
【0092】
(実施例21)
超音波器具であって、(a)本体と、(b)作動アセンブリであって、作動アセンブリが、起動部材を備え、起動部材が、本体に対して移動するように構成されている、作動アセンブリと、(c)本体から遠位に延在するシャフトアセンブリであって、音響導波管を含むシャフトアセンブリと、(d)超音波ブレードを備えるエンドエフェクタと、を備え、超音波ブレードが音響導波管と音響通信し、エンドエフェクタが、起動部材が本体に対して第1の位置にあるときに、起動部材が第1の電力レベルでエンドエフェクタを起動させるように動作可能になるように、また、起動部材が本体に対して第2の位置にあるときに、起動部材が第2の電力レベルでエンドエフェクタを起動させるように動作可能になるように、本体に対する起動部材の位置に基づいて選択された電力レベルで、本体に対する起動部材の運動に応答して起動するように構成されている、超音波器具。
【0093】
(実施例22)
起動部材が、本体に対する起動部材の位置に基づいて、連続的な可変範囲の電力レベルにわたってエンドエフェクタを起動させるように動作可能である、実施例21に記載の超音波器具。
【0094】
(実施例23)
起動部材が、本体に対する起動部材の位置に基づいて、ある範囲の別個の電力レベルにわたってエンドエフェクタを起動させるように動作可能である、実施例21に記載の超音波器具。
【0095】
VII.その他
本明細書で使用されるとき、用語「起動モード」は、様々な異なる意味を含むと理解されたい。例えば、ある起動モードは、ある電力レベルで超音波ブレードを経由して超音波電力を提供し得る一方、別の起動モードは、別の電力レベルで超音波ブレードを経由して超音波電力を提供し得る。別の例として、ある起動モードがある電力プロファイル(例えば、時間及び/又は他の何らかの変数(複数の場合あり)の関数として変化する電力)を用いて、超音波ブレードを経由して超音波電力を提供し得る一方、別の起動モードは、別の電力プロファイル(例えば、時間の関数及び/又は他の何らかの変数(複数の場合あり)の異なる関数として変化する電力)で、超音波ブレードを経由して超音波電力を提供し得る。別の例として、ある電力レベルがある閉鎖したクランプアームの位置及び/又はクランプ力を提供し得る一方、別の電力レベルは、別の閉鎖したクランプアームの位置及び/又はクランプ力を提供し得る。他の異なる種類の起動モードは、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0096】
本明細書に記載される器具のいずれの変形例も、本明細書で上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、様々な他の特徴を含んでもよいことを理解されたい。あくまで一例として、本明細書に記載される器具のいずれもが、本明細書において、参照することにより組み込まれる様々な参考文献のいずれかで開示される様々な特徴のうちの1つ又は2つ以上を含むこともできる。本明細書の教示は、本明細書の引用文献のいずれかの教示と多数の方法で容易に組み合わせ得るため、本明細書の教示は、本明細書の他の引用文献のいずれかに記載される器具のいずれにも容易に適用され得ることが理解されよう。本明細書の教示が組み込まれ得る他の種類の器具が、当業者には明らかであろう。
【0097】
また、本明細書で言及する値の一切の範囲はかかる範囲の上下限を含むと読み取るべきであることを理解されたい。例えば、「約2.5センチメートル(1.0インチ)〜約3.8センチメートル(1.5インチ)」の範囲であると表される範囲は、前述の上下限間の値を含むことに加えて、約2.5センチメートル(1.0インチ)及び約3.8センチメートル(1.5インチ)を含むと読み取るべきである。
【0098】
参照により本明細書に援用されると言及されたいかなる特許、刊行物、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、援用された内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に援用されることを認識されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に援用されるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に援用されるものとするが、既存の定義、記載、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、援用文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ援用されるものとする。
【0099】
上述の装置の変形例は、医療専門家によって行われる従来の治療及び処置での用途だけでなく、ロボット支援された治療及び処置での用途も有することができる。あくまでも一例として、本明細書の様々な教示は、ロボット手術システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれ得る。同様に、当業者には明らかとなることであるが、本明細書の様々な教示は、2004年8月31日公開の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された米国特許第6,783,524号(その開示は、参照により本明細書に組み込まれる)の様々な教示と容易に組み合わされ得る。
【0100】
上述の変形例は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよく、あるいは、それらは、複数回使用されるように設計されてもよい。いずれか又は両方の場合において、様々な変形例は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部分の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置のいくつかの変形例は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部品分又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外してもよい。特定の部分の洗浄及び/又は交換の際、装置のいくつかの変形形態は、再調整用の施設で、又は手術の直前に操作者によって、その後の使用のために再組み立てされてもよい。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを認識するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、すべて本発明の範囲内にある。
【0101】
あくまで一例として、本明細書に記載される変形例は、手術の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌法では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなどの閉鎖及び密封された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置くことができる。放射線は、装置の表面及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管することができる。装置はまた、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の他の任意の技術を用いて滅菌され得る。
【0102】
以上、本発明の様々な実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上述の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解されたい。
【0103】
〔実施の態様〕
(1) 超音波器具であって、
(a)本体と、
(b)作動アセンブリであって、モード選択部材と、起動部材と、を備える、作動アセンブリと、
(c)前記本体から遠位に延在するシャフトアセンブリであって、音響導波管を備える、シャフトアセンブリと、
(d)超音波ブレードを備えるエンドエフェクタと、を備え、前記超音波ブレードが、前記音響導波管と音響通信し、前記エンドエフェクタは、前記モード選択部材が第1の位置にあるときに、前記起動部材の作動に応答して、第1の起動モードで起動するように構成されており、前記エンドエフェクタは、前記モード選択部材が第2の位置にあるときに、前記起動部材の作動に応答して、第2の起動モードで起動するように構成されている、超音波器具。
(2) 前記モード選択部材が、センサを備える、実施態様1に記載の超音波器具。
(3) 前記センサが、前記本体の向きを感知し、それにより、前記本体の前記向きに基づいてモード選択を提供するように構成されている、実施態様2に記載の超音波器具。
(4) 前記センサが、加速度計を備える、実施態様3に記載の超音波器具。
(5) 前記モード選択部材が、摺動可能な部材を備える、実施態様1に記載の超音波器具。
【0104】
(6) ポテンショメータを更に含み、前記ポテンショメータが前記摺動可能な部材と連通している、実施態様5に記載の超音波器具。
(7) 前記モード選択部材が、トグルボタンを備える、実施態様1に記載の超音波器具。
(8) 前記モード選択部材が、回転ダイアルを備える、実施態様1に記載の超音波器具。
(9) 前記モード選択部材が、複数の位置の間で移動可能であり、前記複数の位置のそれぞれが、対応する別個の動作モードに関連付けられている、実施態様1に記載の超音波器具。
(10) トリガを更に備え、前記エンドエフェクタが、クランプアームを更に備え、前記クランプアームが、前記クランプアームと前記超音波ブレードとの間の組織をクランプするために、前記トリガの作動に応答して、前記超音波ブレードに対して枢動するように構成されている、実施態様1に記載の超音波器具。
【0105】
(11) 前記起動部材が、前記トリガを備える、実施態様10に記載の超音波器具。
(12) 前記モード選択部材が、前記トリガの作動を選択的に制限するように構成されている阻止部材を備える、実施態様11に記載の超音波器具。
(13) 前記阻止部材が、第1の位置から第2の位置に移動可能であり、前記クランプアームは、前記阻止部材が前記第1の位置にあるときに、前記トリガの作動に応答して、前記超音波ブレードに対して部分的な閉鎖位置まで枢動するように構成されており、前記クランプアームは、前記阻止部材が前記第2の位置にあるときに、前記トリガの作動に応答して、前記超音波ブレードに対して完全な閉鎖位置まで枢動するように構成されている、実施態様12に記載の超音波器具。
(14) 前記モード選択部材が、複数のスイッチを備え、前記複数のスイッチが単一のボタン上に配置されている、実施態様1に記載の超音波器具。
(15) 前記本体が、操作者の手で把持されるように構成されているグリップ部分を備え、前記モード選択部材が、前記グリップ部分を把持する手の親指でアクセスできるように配置されるよう、前記モード選択部材が、前記グリップ部分に近位に位置する、実施態様1に記載の超音波器具。
【0106】
(16) 前記起動部材が、前記本体の遠位部分にボタンを備える、実施態様1に記載の超音波器具。
(17) 超音波器具であって、
(a)本体と、
(b)作動アセンブリであって、モード選択部材と、起動部材と、を備える、作動アセンブリと、
(c)前記本体から遠位に延在するシャフトアセンブリであって、音響導波管を備える、シャフトアセンブリと、
(d)超音波ブレードを備えるエンドエフェクタと、を備え、前記超音波ブレードが、前記音響導波管と音響通信し、前記エンドエフェクタは、前記モード選択部材が第1の位置にあるときに、前記起動部材の作動に応答して、第1の起動モードで起動するように構成されており、前記エンドエフェクタが、前記モード選択部材の異なる位置に応じた複数の動作モードで、前記起動部材の作動に応答して、起動されるように構成されている、超音波器具。
(18) 前記本体が、ハンドルアセンブリを備え、前記ハンドルアセンブリが、ピストルグリップを備え、前記ピストルグリップを把持している手で前記モード選択部材にアクセスできるように、前記モード選択部材が、前記ピストルグリップの上又は近くに配置されている、実施態様17に記載の超音波器具。
(19) 超音波器具であって、
(a)本体と、
(b)前記本体に枢動可能に連結されたトリガと、
(c)前記本体から遠位に延在するシャフトアセンブリであって、音響導波管を備える、シャフトアセンブリと、
(d)エンドエフェクタであって、
(i)超音波ブレードであって、前記音響導波管と音響通信している、超音波ブレードと、
(ii)クランプアームであって、前記本体に対する前記トリガの枢動に応答して、前記超音波ブレードに向かう及びそこから離れる方向に枢動するように構成されている、クランプアームと、を備える、エンドエフェクタと、
(e)前記本体に移動可能に連結されたトリガ阻止部材であって、第1の位置と第2の位置との間で移動可能である、トリガ阻止部材と、を備え、
前記トリガ阻止部材は、前記トリガ阻止部材が前記第1の位置にあるときに、前記トリガが非作動位置から部分的な作動位置のみまで枢動することを可能にし、それによって、前記クランプアームの運動及び/又はクランプ力を制限するように構成されており、
前記トリガ阻止部材は、前記トリガ阻止部材が前記第2の位置にあるときに、前記トリガが前記非作動位置から完全な作動位置まで枢動することを可能にするように構成されており、
前記トリガ阻止部材は、前記トリガ阻止部材が前記第1の位置にあるときに、前記トリガが前記部分的な作動位置から前記完全な作動位置まで枢動することを防止するように構成されている、超音波器具。
(20) 前記本体が、ピストルグリップを備え、前記トリガが、前記ピストルグリップに向かう及びそこから離れる方向に枢動可能であり、前記トリガ阻止部材が、前記ピストルグリップ内に摺動可能に配設されている、実施態様19に記載の超音波器具。
【0107】
(21) 超音波器具であって、
(a)本体と、
(b)作動アセンブリであって、前記作動アセンブリが起動部材を備え、前記起動部材が、前記本体に対して移動するように構成されている、作動アセンブリと、
(c)前記本体から遠位に延在するシャフトアセンブリであって、音響導波管を備える、シャフトアセンブリと、
(d)超音波ブレードを備えるエンドエフェクタと、を備え、前記超音波ブレードが、前記音響導波管と音響通信し、前記エンドエフェクタは、前記起動部材が前記本体に対して第1の位置にあるときに、前記起動部材が第1の電力レベルで前記エンドエフェクタを起動させるように動作可能になるように、また、前記起動部材が前記本体に対して第2の位置にあるときに、前記起動部材が第2の電力レベルで前記エンドエフェクタを起動させるように動作可能になるように、前記本体に対する前記起動部材の前記位置に基づいて選択された電力レベルで、前記本体に対する前記起動部材の運動に応答して起動するように構成されている、超音波器具。
(22) 前記起動部材が、前記本体に対する前記起動部材の前記位置に基づいて、連続的な可変範囲の電力レベルにわたって前記エンドエフェクタを起動させるように動作可能である、実施態様21に記載の超音波器具。
(23) 前記起動部材が、前記本体に対する前記起動部材の前記位置に基づいて、ある範囲の別個の電力レベルにわたって前記エンドエフェクタを起動させるように動作可能である、実施態様21に記載の超音波器具。