【課題を解決するための手段】
【0011】
現行のワクチンの欠陥を克服するために本発明は、例えばウイルスワクチン等の、生の
弱毒化ワクチンの新規で安定な乾燥製剤を提供し、該製剤は、その対応する免疫原性組成
物と同様に、室温で輸送および/または保存され得る。これらの乾燥製剤は、例えば12
か月、18か月またはそれ以上(例えば、1.5ないし3年間)等の長期間、27℃で有
効である。
【0012】
特定の実施形態において、生の弱毒化ワクチンは、鳥類用ワクチンである。このタイプ
の特定の実施形態において、生の、弱毒化鳥類用ワクチンは生の、弱毒化家禽ウイルスを
含む家禽用ワクチンである。このタイプのさらなる特定の実施形態において、生の、弱毒
化家禽用ワクチンは、生の、弱毒化トリウイルスを含むニワトリ用ワクチンである。この
タイプの別の特定の実施形態において、生の、弱毒化家禽用ワクチンは、生の、弱毒化シ
チメンチョウウイルスを含むシチメンチョウ用ワクチンである。
【0013】
特定の実施形態において生の、弱毒化ワクチンは、哺乳動物用ワクチンである。このタ
イプの特定の実施形態において、生の、弱毒化哺乳動物用ワクチンは、生の、弱毒化ヒト
ウイルスを含むヒト用ワクチンである。他の該実施形態において生の、弱毒化哺乳動物用
ワクチンは、生の、弱毒化ウシウイルスを含むウシ用ワクチンである。さらなる他の実施
形態において生の、弱毒化哺乳動物用ワクチンは、生の、弱毒化ブタウイルスを含む豚用
ワクチンである。
【0014】
さらなる他の実施形態において生の、弱毒化哺乳動物用ワクチンは、伴侶動物用ワクチ
ンである。このタイプの特定の実施形態において生の、弱毒化伴侶動物用ワクチンは、犬
用ワクチンである。このタイプの他の実施形態において生の、弱毒化伴侶動物用ワクチン
は、ネコ用ワクチンである。さらなる他の実施形態において生の、弱毒化伴侶動物用ワク
チンは、ウマ用ワクチンである。従って特定の実施形態において、生の弱毒化イヌ用ワク
チンは、生の弱毒化イヌウイルスを含む。他の実施形態において、生の弱毒化ネコ用ワク
チンは、生の弱毒化ネコウイルスを含む。さらなる他の実施形態において、生の弱毒化ウ
マ用ワクチンは、生の弱毒化されたウマウイルスを含む。
【0015】
他の実施形態において生の弱毒化ワクチンは、組換えウイルスを含む。このタイプの特
定の実施形態において組換えウイルスは、異種タンパク質をコードする組換えベクターと
して用いられる。このタイプのさらなる特定の実施形態において異種タンパク質は、ウイ
ルス性または細菌性抗原である。本発明は、本発明の安定な乾燥製剤を作成する方法をさ
らに提供する。本発明は、使用の前に本発明のワクチンを安定な乾燥製剤として27℃で
、12か月またはそれ以上(例えば、1.5ないし3年)等の長期間保存する方法をさら
に提供する。
【0016】
本発明はまた、本発明の安定な乾燥製剤を動物に投与する方法も提供する。特定の実施
形態において安定な乾燥製剤は、投与の前に液体ワクチンへ再構成される。本発明は、本
発明の乾燥製剤(例えば、粉末の形態)および/または再構成液体ワクチンを投与するこ
とによって動物(すなわちヒト、伴侶動物または家畜動物)における疾患を予防する方法
をさらに提供する。特定の実施形態において伴侶動物はイヌである。関連する実施形態に
おいて伴侶動物はネコである。さらなる他の実施形態において伴侶動物はウマである。さ
らなる他の実施形態において家畜動物はウシである。さらなる他の実施形態において家畜
動物はブタである。さらなる他の実施形態において家畜動物はニワトリである。さらなる
他の実施形態において家畜動物はシチメンチョウである。
【0017】
従って本発明は、弱毒化生ウイルスを含む、室温安定であるワクチンの乾燥製剤を提供
する。特定の実施形態においてワクチンの乾燥製剤は、糖安定剤を含む。このタイプの関
連する実施形態においてワクチンは、15%ないし80%(w/w)の糖安定剤を含む。
特定の実施形態においてワクチンの乾燥製剤は、30%ないし80%(w/w)の糖安定
剤を含む。他の特定の実施形態においてワクチンは、40%ないし80%(w/w)の糖
安定剤を含む。特定の実施形態においてワクチンは、25%ないし50%(w/w)の糖
安定剤を含む。関連する実施形態においてワクチンは、30%ないし70%(w/2)の
糖安定剤を含む。より特定の実施形態においてワクチンは、40%ないし60%(w/w
)の糖安定剤を含む。
【0018】
特定の実施形態において糖安定剤は、非還元オリゴ糖である。このタイプの特定の実施
形態において非還元オリゴ糖は、ショ糖である。さらなる他の実施形態において非還元オ
リゴ糖は、トレハロースである。さらなる他の実施形態において非還元オリゴ糖は、ラフ
ィノースである。他の実施形態において糖安定剤は、糖アルコールである。このタイプの
特定の実施形態において糖アルコールは、ソルビトールである。他の実施形態において糖
アルコールは、キリリトールである。さらなる他の実施形態において糖アルコールは、マ
ルチトールである。
【0019】
別の実施形態において糖安定剤は、実際には二以上の糖安定剤の組み合せである。この
タイプの特定の実施形態において糖安定剤は、ショ糖とソルビトールの組み合せである。
特定の実施形態において糖安定剤は、ショ糖とトレハロースの組み合せである。さらなる
他の実施形態において糖安定剤は、トレハロースとソルビトールの組み合せである。さら
なる実施形態において糖安定剤は、ショ糖、トレハロースとソルビトールの組み合せであ
る。
【0020】
本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、さらに一または複数のバルキング安定剤を含
み得る。特定の実施形態においてワクチン中のバルキング安定剤の量は、ワクチンの液剤
形で1%ないし6%(w/v)および乾燥製剤で2%ないし25%(w/w)である。特
定の実施形態においてバルキング安定剤は、マンニトールである。関連する実施形態にお
いてバルキング安定剤は、グリシンである。特定の実施形態においてバルキング安定剤は
、デキストランである。特定の実施形態においてバルキング安定剤は、マルトデキストリ
ンである。特定の実施形態においてバルキング安定剤はブドウ糖である。他の実施形態に
おいてバルキング安定剤は、ポリビニルピロリドンである。さらなる他の実施形態におい
てバルキング安定剤は、ヒドロキシエチルデンプンである。さらなる他の実施形態におい
てワクチンは、バルキング安定剤の組み合わせを含む。特定の実施形態においてバルキン
グ安定剤は、以下:デキストラン、マンニトール、グリシン、マルトデキストリン、ポリ
ビニルピロリドンおよびヒドロキシエチルデンプンの二以上を含む。このタイプの特定の
実施形態においてバルキング安定剤は、マンニトールおよびグリシンを含む。関連する実
施形態においてバルキング安定剤は、デキストランおよびグリシンを含む。さらにこのタ
イプの他の実施形態においてバルキング安定剤は、マンニトール、デキストランおよびグ
リシンを含む。
【0021】
特定の実施形態においてタンパク質安定剤は、ゼラチンである。他の実施形態において
タンパク質安定剤は、全カゼインの加水分解物である。特定の実施形態において全カゼイ
ンの加水分解物は、全カゼインのタンパク分解性加水分解物である。さらなる他の実施形
態においてタンパク質安定剤は、ゼラチンと全カゼインのタンパク分解性加水分解物の双
方の組み合せである。
【0022】
本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、pH5.5からpH8.5までのpHをとり
得る。特定の実施形態においてpH範囲は、pH6.0からpH8.0である。特定の実
施形態においてpH範囲は、pH6.5からpH7.8である。特定の実施形態において
pH範囲は、pH6.8からpH7.5である。他の実施形態においてpH範囲は、pH
6.0からpH7.6である。さらなる他の実施形態においてpH範囲は、pH6.0か
らpH6.8である。さらなる他の特定の実施形態においてpH範囲は、pH7.0から
pH7.4である。より特定の実施形態においてpHは、pH7.2である。他のより特
定の実施形態においてpHは、pH6.5である。
【0023】
本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、緩衝剤を含み得る。このタイプの特定の実施
形態において緩衝剤は、0.1%ないし2%(w/w)のヒスチジン(乾燥前、2.5な
いし50mM)を含む。関連する実施形態において緩衝剤は、0.2%ないし1%(w/
w)のヒスチジンを含む。特定の実施形態において緩衝剤は、0.25%ないし0.75
%(w/w)のヒスチジンを含む。より特定の実施形態において緩衝剤は、0.5%(w
/w)のヒスチジンを含む。
【0024】
他の実施形態において緩衝剤は、0.1%ないし2%(w/w)のリン酸塩(リン酸ナ
トリウム、リン酸カリウムまたはその二つの混合物のいずれか;乾燥前、2.5ないし5
0mM)を含む。関連する実施形態において緩衝剤は、0.2%ないし1%(w/w)の
リン酸塩を含む。特定の実施形態において緩衝剤は、0.25%ないし0.75%(w/
w)のリン酸塩を含む。より特定の実施形態において緩衝剤は、0.5%(w/w)のリ
ン酸塩を含む。
【0025】
さらなる他の実施形態において緩衝剤は、2.5ないし50mM Trisを含み得る
。特定の実施形態において緩衝剤は、2.5ないし50mM Trisおよび2.5ない
し50mMヒスチジンを含む。より特定の実施形態において緩衝剤は、5ないし20mM
Trisおよび5ないし20mMヒスチジンを含む。さらなるより特定の実施形態にお
いて緩衝剤は、7.5ないし15mM Trisおよび7.5ないし15mMヒスチジン
を含む。
【0026】
本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤はまた、アミノ酸安定剤も含み得る。特定の実施
形態においてアミノ酸安定剤は、アルギニンである。さらなる他の実施形態においてアミ
ノ酸安定剤は、グルタミン酸である。さらなる他の実施形態にいてアミノ酸安定剤は、ア
スパラギン酸である。さらなる他の実施形態においてアミノ酸安定剤はリジンである。関
連する実施形態において本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、二以上のアミノ酸安定
剤を含む。このタイプの特定の実施形態においてアミノン酸安定剤は、アルギニンおよび
グルタミン酸塩である。
【0027】
特定の実施形態においてワクチン中のアミノ酸安定剤の濃度は、液体製剤において0.
1〜0.4Mである[乾燥製剤において10%〜40%(w/w)]。特定の実施形態に
おいてワクチン中のアミノ酸安定剤の濃度は、液体製剤において0.25〜0.35Mで
ある。より特定の実施形態においてワクチン中のアミノ酸安定剤の濃度は、液体製剤にお
いて0.25〜0.35Mである。さらにより特定の実施形態においてアミノ酸安定剤は
、液体製剤において0.3Mアルギニンである。
【0028】
本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤はまた、タンパク質安定剤も含み得る。タンパク
質安定剤は、インタクトなタンパク質および/またはタンパク質加水分解物であり得る。
特定の実施形態において安定化剤タンパク質は、ゼラチンである。別の実施形態において
タンパク質安定剤は、全カゼインの加水分解物である。特定の実施形態において全カゼイ
ンの加水分解物は、全カゼインのタンパク分解性加水分解物である。特定の実施形態にお
いて乾燥製剤は、タンパク質安定剤の2%ないし20%(w/w)を含む。他の特定の実
施形態においてタンパク質安定剤は、1%ないし10%(w/w)のゼラチンを含む。さ
らなる他の特定の実施形態においてタンパク質安定剤は、1%ないし10%(w/w)の
全カゼイン加水分解物を含む。
【0029】
本発明ワクチンの乾燥製剤はまた、ゼラチンおよび全カゼイン加水分解物の双方を含む
タンパク質安定剤を含み得る。このタイプの特定の実施形態においてタンパク質安定剤は
、1%ないし10%(w/w)のゼラチンおよび1%ないし10%(w/w)の全カゼイ
ン加水分解物を含む。より特定の実施形態においてタンパク質安定剤は、2%ないし5%
(w/w)のゼラチンおよび2%ないし6%(w/w)の全カゼイン加水分解物を含む。
他の特定の実施形態においてタンパク質安定剤は、0.4%ないし3.0%のゼラチン(
w/w)および0.5%ないし0.3%(w/w)の全カゼイン加水分解物を含む。特定
の実施形態においてタンパク質安定剤は、2.3%(w/w)のゼラチンおよび2.8%
(w/w)の全カゼイン加水分解物を含む。他の特定の実施形態においてタンパク質安定
剤は、3.3%(w/w)のゼラチンおよび4.2%(w/w)の全カゼイン加水分解物
を含む。
【0030】
いかなる本発明の乾燥製剤も、さらに0.02%ないし1%(w/w)の二価カチオン
の塩を含み得る。特定の実施形態において二価カチオンは、液体剤形において1mM〜5
mMおよび乾燥製剤において0.1%〜0.5%(w/w)である。特定の実施形態にお
いて二価カチオンは、マグネシウム(Mg
++)である。他の実施形態において二価カチ
オンは、カルシウム(Ca
++)である。さらなる他の実施形態において二価カチオンは
、亜鉛(Zn
++)である。さらなる他の実施形態において二価カチオンは、Mg
++、
および/またはCa
++、および/またはZn
++の混合液である。
【0031】
いかなる本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤も、さらに一または複数の浸透圧調製剤
を含み得る。特定の実施形態において浸透圧調整剤は、エクトインである。他の特定の実
施形態において浸透圧調整剤は、ヒドロキシエクトインである。さらなる他の実施形態に
おいて浸透圧調整剤は、エクトインとヒドロキシエクトインの組み合せである。特定の実
施形態において製剤中の浸透圧調整剤のパーセンテージは、0.2%ないし7.5%(w
/w)である。より特定の実施形態において製剤中の浸透圧調整剤のパーセンテージは、
0.5%ないし5%(w/w)である。さらなるより特定の実施形態において製剤中の浸
透圧調整剤のパーセンテージは、1%ないし3%(w/w)である。
【0032】
本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、弱毒化生ウイルスを含み得る。本発明の一態
様において弱毒化生ウイルスは、イヌウイルスである。関連する実施形態において弱毒化
生ウイルスは、ネコウイルスである。他の実施形態において弱毒化生ウイルスは、ウマウ
イルスである。
【0033】
本発明のさらなるもう一つの態様において弱毒化生ウイルスは、家畜動物ウイルス、例
えば、食用動物ウイルスである。一つの該実施形態において弱毒化生ウイルスは、家禽ウ
イルスである。このタイプの特定の実施形態において家禽ウイルスは、ニワトリウイルス
である。このタイプの他の実施形態において家禽ウイルスは、シチメンチョウウイルスで
ある。他の該実施形態において弱毒化生ウイルスは、ウシウイルスである。さらなる他の
実施形態において弱毒化生ウイルスは、ブタウイルスである。
【0034】
特定の実施形態において弱毒化生ウイルスは、ジステンパーウイルス(CDV)である
。他の実施形態において弱毒化生ワクチンは、アデノウイルスである。さらなる他の実施
形態において弱毒化生ウイルスは、パルボウイルスである。さらなる他の実施形態におい
て弱毒化生ウイルスは、パラインフルエンザウイルス(CPI)である。さらなる他の実
施形態において弱毒化生ウイルスは、インフルエンザウイルスである。
【0035】
本発明のさらなる他の態様において弱毒化生ウイルスは、イヌウイルスである。特定の
実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、イヌジステンパーウイルス(CDV)である
。他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、イヌアデノウイルス2型(CAV2)
である。さらなる他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、イヌパルボウイルス(
CPV)である。このタイプの一つの特定の実施形態において、イヌパルボウイルスは、
イヌパルボウイルス2(CPV‐2)である。このタイプの他の特定の実施形態において
、イヌパルボウイルスは、イヌパルボウイルス2a(CPV‐2a)である。このタイプ
のさらなる他の特定の実施形態において、イヌパルボウイルスは、イヌパルボウイルス2
b(CPV‐2b)である。このタイプのさらなる他の特定の実施形態において、イヌパ
ルボウイルスは、イヌパルボウイルス2c(CPV‐2c)である。このタイプの特定の
実施形態において、CPV‐2cは、ATCC寄託番号PTA‐13492株である。さ
らなる他の実施形態においてイヌパルボウイルスは、異種CPV‐2c/CPV‐2ゲノ
ム、すなわちカプシドタンパク質をコードする領域がCPV‐2c単離株由来であり、お
よび非構造タンパク質をコードする領域がCPV‐2単離株由来であるゲノムを含むよう
に構築された組換えイヌパルボウイルスである[U.S.2012/0328652 A
1を参照されたい。その内容は参照することによりその全体が本明細書において援用され
、それにおいてはCPV‐2ゲノム内のカプシドをコードするヌクレオチド配列が、CP
V‐2cのカプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列によって置換されており、
それによって異種CPV‐2c/CPV‐2ゲノムをもたらしている]。さらなる他の実
施形態において弱毒化生イヌウイルスは、イヌパラインフルエンザウイルス(CPI)で
ある。
【0036】
本発明はまた、組換えウイルスベクターも含む。特定の実施形態において組換えウイル
スベクターは、組換えパラインフルエンザウイルスベクターである。特定の実施形態にお
いて組換えパラインフルエンザウイルスベクターは、組換えイヌパラインフルエンザウイ
ルスベクターである。特定の実施形態において組換えパラインフルエンザウイルス(例え
ば、組換えイヌパラインフルエンザウイルスベクター)は、異種タンパク質をコードし発
現する。このタイプの特定の実施形態において異種タンパク質は、非イヌ抗原である。よ
り特定の実施形態において非イヌ抗原は、家禽ウイルス抗原または家禽細菌抗原である。
他の実施形態において非イヌ抗原は、ブタウイルス抗原またはブタ細菌抗原である。さら
なる他の実施形態において非イヌ抗原は、ウシウイルス抗原またはウシ細菌抗原である。
さらなる他の実施形態において非イヌ抗原は、ネコウイルス抗原またはイヌ細菌抗原であ
る。特定の実施形態において組換えパラインフルエンザウイルスは、組換えパラインフル
エンザウイルス5である。
【0037】
さらなる他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、イヌコロナウイルスである。
さらなる他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、イヌニューモウイルスである。
さらなる他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、伝染性イヌ肝炎ウイルスである
。さらなる他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、イヌヘルペスウイルスである
。さらなる他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、狂犬病ウイルスである。さら
なる他の実施形態において弱毒化生イヌウイルスはイヌ微少ウイルスである。さらなる他
の実施形態において弱毒化生イヌウイルスは、イヌインフルエンザウイルスである。別の
実施形態において弱毒化生ウイルスは、仮性狂犬病ウイルスである。
【0038】
本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤は、弱毒化生ネコウイルスを含み得る。特定の実
施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネコヘルペスウイルス(FHV)である。他の
実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネコカリシウイルス(FCV)である。さら
なる他の実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネコニューモウイルス(FPN)で
ある。さらなる他の実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネコパルボウイルス(F
PV)である。さらなる他の実施形態において弱毒化ネコウイルスは、ネコ白血病ウイル
ス(FeLV)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネコ伝
染性腹膜炎ウイルス(FIPV)である。さらなる他の実施形態において弱毒化生ネコウ
イルスは、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)である。さらなる他の実施形態において弱毒
化生ネコウイルスは、ボルナ病ウイルス(BDV)である。さらなる他の実施形態におい
て弱毒化生ネコウイルスは、ネコインフルエンザウイルスである。さらなる他の実施形態
において弱毒化生ネコウイルスは、ネコ汎白血球減少症ウイルス(FPLV)である。さ
らなる他の実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネココロナウイルス(FCoV)
である。さらなる他の実施形態において弱毒化生ネコウイルスは、ネコ鼻腔気管炎ウイル
ス(FVR)である。
【0039】
さらに本発明は、多価ワクチンであるワクチンの室温安定な乾燥製剤を提供する。特定
の実施形態において本発明の多価ワクチンは、弱毒化生ウイルスワクチンのみを含む。該
多価ワクチンは、弱毒化生ウイルスのいかなる組み合わせも含み得る。このタイプの特定
の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイルスおよび弱毒化生
イヌパルボウイルスを含む。関連する実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌジ
ステンパーウイルスおよび弱毒化生イヌアデノウイルス2型を含む。他の実施形態におい
て多価ワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイルスおよび弱毒化生イヌパラインフル
エンザウイルスを含む。さらなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌジ
ステンパーウイルス、弱毒化生イヌパルボウイルスおよび弱毒化生イヌパラインフルエン
ザウイルスを含む。さらなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌジステ
ンパーウイルス、弱毒化生イヌパルボウイルスおよび弱毒化生イヌアデノウイルス2型を
含む。さらなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイル
ス、弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスおよび弱毒化生イヌアデノウイルス2型を
含む。さらなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイル
ス、弱毒化生イヌパルボウイルス、弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスおよび弱毒
化生イヌアデノウイルス2型を含む。特定の実施形態において多価ワクチンは、弱毒生イ
ヌジステンパーウイルス、弱毒化生イヌパルボウイルス、弱毒化生イヌパラインフルエン
ザウイルス、弱毒化生イヌアデノウイルス2型および弱毒化生イヌコロナウイルスを含む
。関連する実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイルス、弱毒
化生イヌパルボウイルス、弱毒化生パラインフルエンザウイルス、弱毒化生イヌアデノウ
イルス2型および弱毒化生ネココロナウイルスを含む。このタイプの特定の実施形態にお
いて多価ウイルスは、弱毒化生イヌジステンパーウイルス、弱毒化生イヌアデノウイルス
2型、弱毒化生イヌパルボウイルス、弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスおよび弱
毒化生イヌインフルエンザウイルスを含む。
【0040】
他の実施形態において本発明は、弱毒化生アデノウイルス2型および弱毒化生イヌパラ
インフルエンザウイルスを含む、多価ワクチンの室温安定な乾燥製剤を提供する。さらな
る他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌアデノウイルス2型および弱毒化
生イヌパルボウイルスを含む。さらなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生
イヌパルボウイルスおよび弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスを含む。さらなる他
の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌアデノウイルス2型、弱毒化生イヌパ
ルボウイルスおよび弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスを含む。このタイプの特定
の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌアデノウイルス2型、弱毒化生イヌパ
ルボウイルス、弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスおよび弱毒化生イヌインフルエ
ンザウイルスを含む。
【0041】
他の実施形態において本発明は、弱毒化生イヌアデノウイルス2型および弱毒化生イヌ
パラインフルエンザウイルスを含む、多価ワクチンの室温安定な乾燥製剤を提供する。さ
らなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌアデノウイルス2型および弱
毒化生イヌパルボウイルスを含む。さらなる他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒
化生イヌパルボウイルスおよび弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスを含む。さらな
る他の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌアデノウイルス2型、弱毒化生イ
ヌパルボウイルスおよび弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスを含む。このタイプの
特定の実施形態において多価ワクチンは、弱毒化生イヌアデノウイルス2型、弱毒化生イ
ヌパルボウイルス、弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスおよび弱毒化生イヌインフ
ルエンザウイルスを含む。
【0042】
前記の実施形態のいずれにおいても弱毒化生イヌウイルスは、組換えウイルスベクター
であり得る。特定の実施形態において組換えウイルスベクターは、組換えイヌパラインフ
ルエンザウイルスベクターである。このタイプの特定の実施形態において組換えイヌパラ
インフルエンザウイルスベクターは、異種抗原をコードし発現する。
【0043】
他の特定の実施形態においてイヌパルボウイルス(CPV)を含む多価ワクチンの乾燥
製剤は、さらに0.5%ないし5%(w/w)のソルビトールを含み得る。
【0044】
特定の実施形態において、本発明ワクチン(または多価ワクチン中の各ウイルス)の乾
燥製剤中の弱毒化生ウイルスの力価は、1×10
3ないし1×10
10である。より特定
の実施形態において力価は、1×10
4ないし1×10
9である。さらなるより特定の実
施形態において力価は、5×10
4ないし1×10
8である。
【0045】
従って本発明は、弱毒化生ウイルス(例えば、イヌウイルス、またはネコウイルス、ま
たはウマウイルス、またはブタウイルス、またはウシウイルス、または家禽ウイルス)、
30%ないし80%(w/w)の非還元オリゴ糖、6%ないし40%(w/w)のアミノ
酸安定剤、2%ないし20%(w/w)のタンパク質安定剤および6.0ないし8.0の
pHを有する緩衝剤を含む、ワクチンの乾燥製剤を提供する。特定の実施形態において乾
燥製剤は、27℃で少なくとも18か月間有効である。関連する実施形態において乾燥製
剤は、さらに2%ないし25%(w/w)のバルキング安定剤を含む。このタイプの特定
の実施形態において、非還元オリゴ糖および/または糖アルコールに対するバルキング安
定剤の比は、0.025ないし0.60である。より特定の実施形態において、非還元オ
リゴ糖および/または糖アルコールに対するバルキング安定剤の比は、0.05ないし0
.40である。さらなるより特定の実施形態において、非還元オリゴ糖および/または糖
アルコールに対するバルキング安定剤の比は、0.075ないし0.30である。さらな
るより特定の実施形態において、非還元オリゴ糖および/または糖アルコールに対するバ
ルキング安定剤の比は、0.1ないし0.25である。
【0046】
特定の実施形態において、本発明ワクチンの乾燥製剤の非還元オリゴ糖は、ショ糖およ
び/またはトレハロース、および/またはラフィノースを含む。このタイプの特定の実施
形態において乾燥製剤のpHは、pH6.0ないし7.6である。本発明の特定の実施形
態において、バルキング安定剤はマンニトールである。関連する実施形態においてアミノ
酸安定剤は、アルギニンである。このタイプの特定の実施形態においてアミノ酸安定剤は
、さらにグルタミン酸塩を含む。
【0047】
特定の実施形態において本発明ワクチンの乾燥製剤は、非還元オリゴ糖として20%な
いし80%(w/w)のショ糖および18%ないし66%(w/w)のトレハロースの組
み合せ、バルキング安定剤として5%ないし20%(w/w)のマンニトール、9%ない
し34%(w/w)のアミノ酸安定剤、タンパク質安定剤として2%ないし5%(w/w
)のゼラチン、および2%ないし6%(w/w)の全カゼインのタンパク分解性加水分解
物の組み合せおよびpH6.2ないし7.5の緩衝剤を含む。このタイプの特定の実施形
態において、非還元オリゴ糖に対するバルキング安定剤の比は、0.08ないし0.37
である。
【0048】
より特定の実施形態において、非還元オリゴ糖は、45%ないし60%(w/w)のシ
ョ糖および15%ないし25%(w/w)のトレハロースの組み合せであり、バルキング
安定剤は、5%ないし17%(w/w)のマンニトールであり、アミノ酸安定剤は、10
%ないし25%(w/w)のアルギニンであり;タンパク質安定剤は、1.5%ないし3
.5%(w/w)のゼラチンおよび2%ないし4%(w/w)の全カゼインのタンパク分
解性加水分解物、およびpH6.2ないし7.5の緩衝剤を含む。このタイプの特定の実
施形態において、非還元オリゴ糖に対するバルキング剤の比は、0.1ないし0.3であ
る。
【0049】
特定の実施形態において本発明のイヌ用ワクチンの乾燥製剤は、弱毒化生イヌジステン
パーウイルス(CDV)、イヌアデノウイルス2型(CAV2)およびイヌパラインフル
エンザウイルス(CPI);ショ糖およびトレハロースの合計量が30%ないし80%(
w/w)である、非還元オリゴ糖として15%ないし80%(w/w)のショ糖および1
5%ないし80%(w/w)のトレハロースの組み合せ;合計非還元オリゴ糖に対する合
計バルキング安定剤の比が0.05ないし0.4である、バルキング安定剤として2%な
いし25%(w/w)のマンニトール;1%ないし10%(w/w)の全カゼインのタン
パク分解性加水分解物と1%ないし10%(w/w)のゼラチンとの組み合せであるタン
パク質安定剤;アミノ酸安定剤として6%ないし40%(w/w)のアルギニン;および
pH6.2ないし7.5の緩衝剤を含む。このタイプの特定の実施形態において、乾燥製
剤は、以下:(i)0.5%ないし5.0%のエクトイン、(ii)5%ないし15%の
グルタミン酸塩、(iii)0.02%ないし1%のMgSO
4、および(iv)2%な
いし5%のソルビトールを有する弱毒化生イヌパルボウイルス(CPV)、のさらに一ま
たは複数、またはすべてを含む。より特定の実施形態において緩衝剤は、pH6.2ない
し7.5の0.1%ないし2%のリン酸カリウムまたはリン酸ナトリウムである。
【0050】
特定の実施形態において本発明のイヌ用ワクチンの乾燥製剤は、CDV、CAV2およ
びCPI;ショ糖およびトレハロースの合計量が45%ないし79%(w/w)である、
非還元オリゴ糖として20%ないし80%(w/w)のショ糖および18%ないし66%
(w/w)のトレハロースの組み合せ;合計非還元オリゴ糖に対する合計バルキング安定
剤の比が0.08ないし0.37である、バルキング安定剤として5%ないし17%(w
/w)のマンニトール;2%ないし6%(w/w)の全カゼインのタンパク分解性加水分
解物と2%ないし5%(w/w)のゼラチンとの組み合せであるタンパク質安定剤;9%
ないし34%(w/w)のアルギニンであるアミノ酸安定剤、およびpH6.5ないし7
.2の緩衝剤、を含む。このタイプの特定の実施形態において、乾燥製剤は、以下:(i
)1%ないし3%のエクトイン、(ii)7%ないし12%のグルタミン酸塩、(iii
)0.05%ないし0.5%のMgSO
4、および(iv)3%ないし4%のソルビトー
ルを有する弱毒化生CPV、のさらに一または複数、またはすべてを含む。より特定の実
施形態において緩衝剤は、pH6.5ないし7.2の0.2%ないし1%のリン酸カリウ
ムまたはリン酸ナトリウムである。これらのタイプの特定の実施形態において、ワクチン
の乾燥製剤は、27℃で少なくとも18か月間有効である。
【0051】
別の態様において、本発明は、弱毒化生パルボウイルス、例えばイヌパルボウイルス(
CPV)、10%ないし80%(w/w)の糖アルコール、10%ないし70%(w/w
)のバルキング安定剤、4%ないし50%(w/w)のタンパク質安定剤、および6.8
ないし8.0のpHを有する緩衝剤を含む、ワクチンの乾燥製剤を提供する。このタイプ
の特定の実施形態において乾燥製剤は、さらに10%ないし50%(w/w)のアミノ酸
安定剤を含む。特定の実施形態においてワクチンの乾燥製剤は、27℃で少なくとも18
か月間有効である。
【0052】
より特定の実施形態において本発明は、弱毒化生パルボウイルス、例えば、CPV,2
3%ないし49%(w/w)の糖アルコール、16%ないし50%(w/w)のバルキン
グ安定剤、7%ないし36%(w/w)のタンパク質安定剤、および7.0ないし7.4
のpHを有する緩衝剤を含む、ワクチンの乾燥製剤を提供する。このタイプのさらなるよ
り特定の実施形態において乾燥製剤は、さらに25%ないし36%(w/w)のアミノ酸
安定剤を含む。特定の実施形態においてワクチンの乾燥製剤は、27℃で少なくとも18
か月間有効である。
【0053】
これらの一価パルボウイルスワクチン、例えば、一価CPVワクチンの乾燥製剤の糖ア
ルコールは、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトールおよびその組み
合せであり得て、バルキング安定剤は、デキストラン、マルトデキストリン、ポリビニル
ピロリドン、ヒドロキシエチルデンプン、グリシンまたはそのいずれかの組み合せであり
得る。タンパク質安定剤は、ゼラチン、全カゼイン加水分解物またはその二つの組み合せ
であり得る。このタイプの特定の実施形態において、全カゼインの加水分解物は、全カゼ
インのタンパク分解性加水分解物である。特定の実施形態において糖アルコールは、ソル
ビトールであり、バルキング安定剤は、デキストランおよびグリシンの組み合せであり、
ならびにタンパク質安定剤は、ゼラチンおよび全カゼインのタンパク分解性加水分解物の
組み合せである。
【0054】
より特定の実施形態において本発明は、弱毒化生パルボウイルス、例えば、CPV、糖
アルコールとして10%ないし80%(w/w)のソルビトール、バルキング安定剤とし
て5%ないし30%(w/w)のグリシンおよび5%ないし40%(w/w)のデキスト
ランの組み合せ、タンパク質安定剤として2%ないし25%(w/w)の全カゼインのタ
ンパク分解性加水分解物と2%ないし25%(w/w)のゼラチンの組み合せ;および6
.5ないし7.8のpHを有する緩衝剤を含む、ワクチンの乾燥製剤を提供する。このタ
イプの特定の実施形態において、アミノ酸安定剤として10%ないし50%(w/w)の
アルギニンが含まれる。特定の実施形態において、緩衝剤は、pH6.5ないし7.8の
0.2%ないし5%(w/w)のリン酸カリウムまたはリン酸ナトリウムである。特定の
実施形態においてワクチンの乾燥製剤は、27℃で少なくとも18か月間有効である。
【0055】
さらなるより特定の実施形態において本発明は、弱毒化生パルボウイルス、例えば、C
PV、糖アルコールとして23%ないし49%(w/w)のソルビトール、バルキング安
定剤として8%ないし17%(w/w)のグリシンおよび8%ないし33%(w/w)の
デキストランの組み合せ、タンパク質安定剤として4%ないし18%(w/w)の全カゼ
インのタンパク分解性加水分解物との3%ないし18%(w/w)のゼラチンの組み合せ
;および7.0ないし7.4のpHを有する緩衝剤を含む、乾燥ワクチン製剤を提供する
。このタイプの特定の実施形態において、25%ないし36%(w/w)のアルギニンが
アミノ酸安定剤として含まれる。特定の実施形態において、緩衝剤は、pH7.0ないし
7.4の、0.5%ないし2%(w/w)のリン酸カリウムまたはリン酸ナトリウムであ
る。特定の実施形態においてワクチンの乾燥製剤は、27℃で少なくとも18か月間有効
である。
【0056】
特定の実施形態においてイヌパルボウイルス(CPV)は、イヌパルボウイルス2(C
PV‐2)である。このタイプの他の特定の実施形態においてイヌパルボウイルスは、イ
ヌパルボウイルス2a(CPV‐2a)である。このタイプのさらなる他の特定の実施形
態において、イヌパルボウイルスは、イヌパルボウイルス2b(CPV‐2b)である。
このタイプのさらなる他の実施形態において、イヌパルボウイルスは、イヌパルボウイル
ス2c(CPV‐2c)である。このタイプの特定の実施形態においてCPV‐2cは、
ATCC寄託番号PTA‐13492株である。さらなる他の実施形態においてイヌパル
ボウイルスは、異種CPV‐2c/CPV‐2ゲノム、すなわちカプシドタンパク質をコ
ードする領域がCPV‐2c単離株由来であり、および非構造タンパク質をコードする領
域がCPV‐2単離株由来である該ゲノム、を含むように構築された組換えイヌパルボウ
イルスである[U.S.2012/0328652 A1を参照されたい。その内容は参
照することによりその全体が本明細書において援用され、それにおいてはCPV‐2ゲノ
ム内のカプシドをコードするヌクレオチド配列は、CPV‐2cのカプシドタンパク質を
コードするヌクレオチド配列によって置換されており、それによって異種CPV‐2c/
CPV‐2ゲノムをもたらしている]。
【0057】
本発明の弱毒化生ワクチンの、室温安定な乾燥製剤を作成するためのプロセスの一部と
して、対応する液体ワクチン製剤を膜に適用し、および/またはビーズの中に凍結し、お
よび/またはバイアル等の容器に凍結し、および/または噴霧乾燥し、および/または噴
霧凍結乾燥し、および/または泡への誘発し、および/または遅延放出性インプラントに
設置し得る。
【0058】
本発明は、本発明の再構成ワクチンを動物に投与することを含む、感染(例えば、ネコ
ウイルスまたはイヌウイルスによる感染)に起因する臨床疾患に対する動物の保護を促進
する方法をさらに提供する。特定の実施形態において投与は、粘膜に実施される。他の実
施形態において投与は、非経口的に実施される。さらなる他の実施形態において投与は、
皮内に実施される。さらなる他の実施形態において投与は、経皮的に実施される。より特
定の実施形態において、本発明のワクチンは、動物の皮下に投与される。他の特定の実施
形態において、本発明のワクチンは、動物に筋肉内に投与される。本発明はまた、一次ワ
クチンおよび/またはブースターワクチンの使用も含む。
【0059】
特定の実施形態において弱毒化生ウイルスの治療的有効量(therapeutica
lly effective amount)は、弱毒化生イヌウイルスの治療的有効量
である。このタイプの特定の実施形態において弱毒化生イヌウイルスの治療的有効量は、
弱毒化生イヌジステンパーウイルス、および/または弱毒化生アデノウイルス2型、およ
び/または弱毒化生イヌパルボウイルス、および/または弱毒化生イヌパラインフルエン
ザウイルスの治療的有効量を含む。
【0060】
特定の実施形態において動物の被験体はイヌであり、ならびに方法は、弱毒化生ウイル
スを含む、本発明の再構成した室温安定なワクチンをイヌに投与することを含む。特定の
実施形態において室温安定なワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイルス、弱毒化生
イヌアデノウイルス2型および弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルスを含む。このタ
イプの特定の実施形態において室温安定なワクチンは、弱毒化生イヌジステンパーウイル
ス、弱毒化生イヌアデノウイルス2型、弱毒化生イヌパラインフルエンザウイルス、およ
び弱毒化生イヌインフルエンザウイルスまたは弱毒化生イヌパルボウイルスまたは代わり
に、弱毒化生イヌインフルエンザウイルスおよび弱毒化生イヌパルボウイルスの双方を含
む。
【0061】
それ故に本発明は、本明細書で提供される乾燥製剤の一または複数のいずれか、および
薬剤的に許容可能な担体からなる再構成されたワクチンをさらに提供する。特定の実施形
態において本発明は、別々になった一価のCPVワクチンの乾燥製剤と三価のCDV、C
AV2およびCPIワクチンの乾燥製剤との組み合せ、および薬剤的に許容可能な担体か
ら作成される多価ワクチンを提供する。
【0062】
あらゆる本発明ワクチンの室温安定な乾燥製剤を製造する、および/または室温(例え
ば、22〜27℃)に保存する方法もまた提供される。特定の実施形態において該方法は
、治療的有効量の弱毒化生ネコまたはイヌウイルスを8%ないし30%(w/v)の非還
元オリゴ糖、0.1Mないし0.5Mのアミノン酸安定剤、0.9%ないし10%(w/
v)のタンパク質安定剤、および6.0ないし8.0のpHを有する緩衝剤と組み合わせ
ることによってワクチン製剤を調製することを含む。一般的に次に、必ずしもではないが
ワクチン製剤は、凍結され、それから真空下で乾燥され、室温安定な乾燥製剤を作成する
。凍結乾燥器内部の温度は、水分の除去を加速させるためにこのプロセスの間に上昇され
得る。好ましくは、ワクチンの乾燥製剤は、27℃で保存されるとき少なくとも18か月
間有効である。
【0063】
このタイプの特定の実施形態においてワクチン製剤は、さらに1%ないし6%(w/v
)のバルキング安定剤を含む。このタイプのより特定の実施形態において非還元オリゴ糖
に対するバルキング安定剤の比は、0.05ないし0.40である。特定の実施形態にお
いて0.5%ないし5%(w/v)のソルビトールもまた含まれる。特定の実施形態にお
いてバルキング安定剤は、マンニトールである。特定の実施形態においてアミノ酸安定剤
は、アルギニンである。他の実施形態おいてアミノ酸安定剤は、グルタミン酸塩である。
さらなる他の実施形態においてアミノ酸安定剤は、アルギニンとグルタミン酸塩の組み合
せである。
【0064】
本発明ワクチンのあらゆる室温安定な乾燥製剤を作成する方法は、乾燥前に液体ワクチ
ン製剤を膜に適用し、および/またはそれをビーズの中に凍結し、および/またはそれを
バイアル中に凍結し、および/または噴霧乾燥し、および/または噴霧凍結乾燥し、およ
び/またはそれを泡への誘発することを含み得る。
【0065】
室温安定なワクチンを作成する方法の特定の実施形態において該方法は、治療的有効量
の弱毒化生ウイルスを、5%ないし18%(w/v)のショ糖、および5%ないし18%
(w/v)のトレハロース、2%ないし4%(w/v)のブルキング安定剤、0.1Mな
いし0.3Mアミノ酸安定剤、および1.5%ないし6%(w/v)のタンパク質安定剤
の組み合せである非還元オリゴ糖と組み合わせることを含む。より特定の実施形態におい
て非還元オリゴ糖に対するバルキング安定剤の比は、0.08ないし0.37である。特
定の実施形態において弱毒化生ウイルスは、弱毒化生イヌウイルスである。関連する実施
形態において弱毒化生ウイルスは、弱毒化生ネコウイルスである。
【0066】
本発明のこれらのおよび他の態様は、以下の詳細な説明を参照することによりいっそう
良く理解されるであろう。