【文献】
The World Wide Web Consortium(W3C),Web Audio API W3C Working Draft 10 October 2013,[online],2013年10月10日,[2018年5月14日検索],インターネット<URL:http://www.w3.org/TR/2013/WD-webaudio-20131010/>
【文献】
内田 哉 HAJIME UCHIDA,CRI ADX2で作るゲームサウンド制作ガイド 初版,株式会社翔泳社 佐々木 幹夫,第1版,p. 84-89, 317-320
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
マークアップ言語で記述され、再生環境に関する情報を取得するための記述を含むファイルに基づきウェブページを表示するブラウザを備えたコンピュータ端末において、ウェブページに含まれる複数のコンテンツを再生する実行手段として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータ端末の制御部を、
前記ブラウザが取得したウェブページを構成するマークアップ言語の再生時に、出力する複数のコンテンツについて、主コンテンツ及び副コンテンツを特定する主副特定手段、
前記再生環境に関する情報を取得するための記述に基づいて再生環境を特定し、前記主コンテンツ及び前記副コンテンツが同時に出力される場合に、前記主コンテンツの出力方法と前記副コンテンツの出力方法とを異ならせる出力条件を、前記特定された再生環境に応じて設定する出力条件設定手段、
前記マークアップ言語において、前記主コンテンツ及び前記副コンテンツを同時に出力するイベントを検知した場合に、前記出力条件に基づいて、前記主コンテンツ及び前記副コンテンツを出力する出力調整手段、として機能させることを特徴とする出力制御プログラム。
前記出力調整手段は、周囲環境情報に対応して出力条件を決定するための出力条件決定テーブルに基づいて、前記出力条件を設定する、請求項2に記載の出力制御プログラム。
前記再生環境は、前記コンピュータ端末が使用されている場所の騒音レベル及び明るさの少なくとも一方を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の出力制御プログラム。
マークアップ言語で記述され、再生環境に関する情報を取得するための記述を含むファイルに基づきウェブページを表示するブラウザを備え、ウェブページに含まれる複数のコンテンツを再生する情報処理装置であって、
前記ブラウザが取得したウェブページを構成するマークアップ言語の再生時に、出力する複数のコンテンツについて、主コンテンツ及び副コンテンツを特定する主副特定手段、
前記再生環境に関する情報を取得するための記述に基づいて再生環境を特定し、前記主コンテンツ及び前記副コンテンツが同時に出力される場合に、前記主コンテンツの出力方法と前記副コンテンツの出力方法とを異ならせる出力条件を、前記特定された再生環境に応じて設定する出力条件設定手段、
前記マークアップ言語において、前記主コンテンツ及び前記副コンテンツを同時に出力するイベントを検知した場合に、前記出力条件に基づいて、前記主コンテンツ及び前記副コンテンツを出力する出力調整手段、を備えることを特徴とする情報処理装置。
マークアップ言語で記述され、再生環境に関する情報を取得するための記述を含むファイルに基づきウェブページを表示するブラウザを備えたコンピュータ端末において、ウェブページに含まれる複数のコンテンツを再生する出力制御方法であって、
前記コンピュータ端末の制御部が、
前記ブラウザが取得したウェブページを構成するマークアップ言語の再生時に、出力する複数のコンテンツについて、主コンテンツ及び副コンテンツを特定する主副特定ステップ、
前記再生環境に関する情報を取得するための記述に基づいて再生環境を特定し、前記主コンテンツ及び前記副コンテンツが同時に出力される場合に、前記主コンテンツの出力方法と前記副コンテンツの出力方法とを異ならせる出力条件を、前記特定された再生環境に応じて設定する出力条件設定ステップ、
前記マークアップ言語において、前記主コンテンツ及び前記副コンテンツを同時に出力するイベントを検知した場合に、前記出力条件に基づいて、前記主コンテンツ及び前記副コンテンツを出力する出力調整ステップ、を実行することを特徴とする出力制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
以下、
図1、
図2に従って、出力制御プログラムの一実施形態を説明する。
本実施形態では、
図1に示すように、クライアント端末20が、サーバ10から取得したファイル(マークアップ言語ファイル)に基づいて、複数のコンテンツを再生する場合を想定する。
【0013】
ユーザが利用するクライアント端末20は、ネットワークを介してサーバ10に接続されている。このサーバ10は、ファイル記憶部12を備える。
ファイル記憶部12には、クライアント端末20に提供するファイルを記憶させておく。ここでは、マークアップ言語により記述されたファイルを記録しておく。このファイルには、後述するように、クライアント端末20において、各種手段を実現するための記述(出力制御プログラム)を含めておく。本実施形態では、後述するダッキング管理手段213、主副特定手段214、出力条件設定手段215を実現するための記述を含める。
【0014】
更に、このファイルには、出力時に使用する複数のコンテンツに関する情報(コンテンツ情報)を含んでいる。コンテンツ情報は、オーディオや動画等のコンテンツの取得先に関する情報が含まれる。ここで、取得先は、このアイテムを利用する場合、提供可能なオブジェクトが格納されたアドレス情報(例えば、URL:Uniform Resource Locator)である。
更に、ファイルには、各コンテンツにおいて、主コンテンツ又は副コンテンツのいずれかを特定するための主副設定情報を含める。
【0015】
クライアント端末20は、ファイルを閲覧するユーザが利用するコンピュータ(スマートフォン等の情報処理端末)であり、出力制御装置として機能する。このクライアント端末20は、CPU、メモリ(RAM及びROM)等からなる制御部21、端末記憶部22、入出力部23を備えている。
【0016】
端末記憶部22には、クライアント端末20において用いられる各種設定やプログラムが記録される。本実施形態では、マークアップ言語で記載されたファイルを表示するブラウザ(プログラム)が格納される。
入出力部23は、タッチパネルディスプレイ等により構成され、データの出力や入力を行なう。
【0017】
制御部21は、端末記憶部22に格納されたブラウザプログラムを実行することにより、ブラウザ210を起動させる。このブラウザ210は、ファイル取得手段211、出力処理手段212を備える。
【0018】
ファイル取得手段211は、ファイル(マークアップ言語ファイル)を読み込む。
出力処理手段212は、マークアップ言語ファイルをウェブページとして、入出力部23に出力する。
【0019】
更に、ブラウザ210は、このファイルに含まれる記述を実行する。この記述を実行することにより、制御部21は、ダッキング管理手段213、主副特定手段214、出力条件設定手段215として機能する。具体的には、ブラウザ210のファイル取得手段211によって、サーバ10のファイル記憶部12に格納されたJavaScript(登録商標)を取得する。そして、このJavaScript(登録商標)の記述に基づいて、制御部21が、このダッキング管理手段213、主副特定手段214、出力条件設定手段215を機能させる。
【0020】
ダッキング管理手段213は、ダッキング処理の必要性を検知する。
主副特定手段214は、ファイル再生に利用する複数のコンテンツについて、主コンテンツ又は副コンテンツを特定する。
【0021】
出力条件設定手段215は、主コンテンツ、副コンテンツが同時に出力される場合の出力条件を設定する。この出力条件設定手段215は、主コンテンツ、副コンテンツを同時に出力するときの主コンテンツ、副コンテンツの出力条件(出力レベル)に関する情報を保持させておく。例えば、オーディオに関するコンテンツの場合には、主コンテンツと副コンテンツとの音量比を大きくする設定に関する情報を保持させておく。これにより、副コンテンツに対して、主コンテンツを目立たせることができる。
【0022】
次に、
図2を用いて、クライアント端末20において、ファイルに含まれるコンテンツを出力する場合の処理を説明する。
まず、クライアント端末20の制御部21は、ファイルの読込処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、入出力部23を介して、ブラウザ210に、出力希望のファイルのURLを入力する。この場合、ブラウザ210は、ファイル取得手段211により、サーバ10に対して、URLのコンテンツを要求する。そして、ブラウザ210は、サーバ10から、ファイルを取得する。ここでは、ファイルとして、マークアップ言語ファイルを取得する場合を想定する。このファイルには、ダッキング管理手段213、主副特定手段214、出力条件設定手段215を実現するための記述が含まれる。更に、このファイルには、出力時に使用するコンテンツ(例えば、オーディオ)に関する情報が含まれている。
【0023】
次に、クライアント端末20の制御部21は、ファイルの再生処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21のブラウザ210の出力処理手段は、サーバ10から取得したファイルを出力する。ここで、ファイルに含まれる単独のコンテンツを出力する場合には、そのまま再生する。
【0024】
この場合、クライアント端末20の制御部21は、ダッキング処理を実行する。
このダッキング処理においては、まず、クライアント端末20の制御部21は、イベント待機処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21のブラウザ210は、ダッキング管理手段213により、複数のコンテンツが同時に出力されるイベントを待機する。
【0025】
複数のコンテンツが同時に出力されるイベントを検知した場合、クライアント端末20の制御部21は、ダッキングが必要かどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21のブラウザ210は、ダッキング管理手段213は、ファイルに含まれる複数のコンテンツに対して、主副設定情報の有無を確認する。そして、主副設定情報が含まれる場合には、ダッキングが必要と判定する。
【0026】
ダッキングが必要でないと判定した場合(ステップS2−2において「NO」の場合)、イベント待機処理(ステップS2−1)を継続する。
一方、ダッキングが必要と判定した場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、クライアント端末20の制御部21は、主副コンテンツの特定処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21のブラウザ210は、主副特定手段214により、ファイルに含まれる主副設定情報に基づいて、主コンテンツを特定する。
【0027】
次に、クライアント端末20の制御部21は、主副コンテンツの出力条件の変更処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21のブラウザ210は、出力条件設定手段215により、予め設定された出力条件を取得し、この出力条件に変更する。例えば、オーディオコンテンツの場合、主コンテンツの音量を上げ、副コンテンツの音量を下げる出力条件に変更する。
【0028】
次に、クライアント端末20の制御部21は、ダッキング終了かどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21のブラウザ210は、ダッキング管理手段213により、複数のコンテンツが同時に出力されるイベントの終了を待機する。
【0029】
ダッキング終了でないと判定した場合(ステップS2−5において「NO」の場合)、変更された出力条件を維持する。
一方、ダッキング終了と判定した場合(ステップS2−5において「YES」の場合)、クライアント端末20の制御部21は、出力条件を元に戻す処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御部21のブラウザ210は、出力条件設定手段215は、変更した出力条件を元に戻す。例えば、オーディオコンテンツにおいて、下げた音量を元の音量に戻すように上げる。
【0030】
次に、
図3、
図4を用いて、クライアント端末20に対して、ファイル(マークアップ言語ファイル)に含めて提供するコード(プログラム)の一例を説明する。ここでは、JavaScript(登録商標)を用いて記述されたコードを提供する場合を想定する。このコード例では、オーディオコンテンツにおいてダッキングを行なう場合を想定する。以下、このコードを、2つの第1パート500(
図3)、第2パート510(
図4)に分けて説明する。
【0031】
図3に示す第1パート500においては、記述501〜507を含む。
記述501では、オブジェクト「AudioScene」に基づいて、オブジェクト「scene」を生成する。
【0032】
記述502では、オブジェクト「scene」において、シーンにおいて、環境音(「EnvironmentSound-1」,「EnvironmentSound-2」)とキャラクターの音声(「Speech」)とを追加する。
【0033】
記述503では、環境音を再生する。
記述504では、キャラクターの音声を再生する。なお、キャラクターの音声を再生する場合には、後述するようにダッキングを行なう。
【0034】
記述505では、小さい音量(出力条件)を戻り値として返す小音量決定関数が設定され、記述506では、大きな音量(出力条件)を戻り値として返す大音量決定関数が設定される。
記述507では、記述502において、シーンに音を追加する関数が設定される。
【0035】
図4に示す第2パート510においては、ダッキングのための記述511〜515を含む。
記述511では、プライマリの音(主音声)を決める。ここでは、主音声としてキャラクターの音声(「Speech」)を用いる。
【0036】
記述512では、記述502に基づいて、シーンに含まれるすべての音を操作する。
記述513では、プライマリの音(主音声)を取得した場合には、主音声の長さに応じて、大きな音量を用いて、この音声を再生する。
【0037】
記述514では、プライマリの音(主音声)の再生が終わったときにセカンダリ(副音声)の音量を元に戻す。
一方、記述515では、プライマリ以外の音、すなわちセカンダリの音(副音声)については、小さな音量を用いて再生する。
【0038】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、ファイルに、ダッキング管理手段213を実現させるための記述を含める。ダッキング管理手段213は、ファイルの再生において、複数のコンテンツを同時に出力するイベントを検知する。これにより、コンテンツの再生においてダッキング処理を行なうことができる。
【0039】
(2)本実施形態では、ファイルに、主副特定手段214、出力条件設定手段215を実現させるための記述を含める。この主副特定手段214は、ファイル再生に利用する複数のコンテンツについて、主コンテンツ又は副コンテンツを特定する。また、出力条件設定手段215は、主コンテンツ、副コンテンツが同時に出力される場合の出力条件を設定する。これにより、予め出力条件に応じた主コンテンツ及び副コンテンツを設定したコンテンツ素材を用意する必要はなく、効率的にダッキング処理を行なうことができる。従って、コンテンツの出力状態や再生時間が再生時に決まるアプリケーションにおいても、コンテンツ素材を加工することなく、ダッキングを行なうことができる。
【0040】
<第2の実施形態>
次に、
図5に従って、出力制御プログラムの第2の実施形態を説明する。第1の実施形態では、ダッキング処理において、予め設定された出力条件を用いる。第2の実施形態においては、ダッキング処理において、ファイル(コンテンツ)の再生環境に応じて出力条件を決定する構成であり、同様の部分については説明を省略する。
【0041】
この場合、出力制御プログラムによって機能させる出力条件設定手段215において、再生環境情報を特定する。例えば、クライアント端末20に設けられたセンサ(マイクやCCD等)を用いて、再生環境情報として周囲環境情報を取得する。この周囲環境情報は、例えば、クライアント端末20が利用されている場所の騒音レベルや明るさに関する情報である。そして、出力条件設定手段215は、周囲環境情報に対応して出力条件を決定するための出力条件決定テーブルを保持させておく。この出力条件決定テーブルには、例えば、騒音レベルに応じた出力条件(例えば、主副コンテンツの音量)が記録されている。また、明るさレベルに応じた出力条件(例えば、主副コンテンツの明度やコントラスト)が記録されている。
【0042】
次に、
図5を用いて、本実施形態におけるダッキング処理を説明する。
ここでは、クライアント端末20の制御部21は、ステップS2−1,S2−2と同様に、イベント待機処理(ステップS3−1)、ダッキングが必要かどうかについての判定処理(ステップS3−2)を実行する。
【0043】
ダッキングが必要でないと判定した場合(ステップS3−2において「NO」の場合)、イベント待機処理(ステップS3−1)を継続する。
一方、ダッキングが必要と判定した場合(ステップS3−2において「YES」の場合)、クライアント端末20の制御部21は、ステップS2−3と同様に、主副コンテンツの特定処理を実行する(ステップS3−3)。
【0044】
次に、クライアント端末20の制御部21は、再生環境の特定処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21のブラウザ210は、出力条件設定手段215により、コンテンツを再生するクライアント端末20の再生環境に関する情報を取得する。
【0045】
次に、クライアント端末20の制御部21は、再生環境に応じて、主副コンテンツの出力条件の変更処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21のブラウザ210は、出力条件設定手段215により、出力条件決定テーブルを用いて、再生環境に対応した出力条件を特定する。そして、出力処理手段212における主副コンテンツの再生の出力条件に変更する。
【0046】
次に、クライアント端末20の制御部21は、ステップS2−5と同様に、ダッキング終了かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−6)。ダッキング終了でないと判定した場合(ステップS3−6において「NO」の場合)、クライアント端末20の制御部21は、変更された出力条件を維持する。
【0047】
一方、ダッキング終了と判定した場合(ステップS3−6において「YES」の場合)、ステップS2−6と同様に、クライアント端末20の制御部21は、出力条件を元に戻す処理を実行する(ステップS3−7)。
【0048】
本実施形態では、
図3に示すオブジェクト「AudioScene」において、記述505,506において再生環境に応じて音量を調整する。このために、オブジェクト「AudioScene」において、再生環境に関する情報を取得するための記述を含める。そして、記述505において、再生環境情報を変数とする小音量決定関数を用いて、再生環境に応じた小さい音量(出力条件)を戻り値として返す。また、記述506では、再生環境情報を変数とする大音量決定関数を用いて、再生環境に応じた大きな音量(出力条件)を戻り値として返す。
【0049】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(3)本実施形態では、クライアント端末20の制御部21は、再生環境に応じて主副コンテンツの出力条件の変更処理を実行する(ステップS3−5)。これにより、再生環境に応じたダッキングを行なうことができる。
【0050】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、例えば、オーディオコンテンツを用いたが、コンテンツはオーディオに限定されるものではない。静止画コンテンツや動画コンテンツ等の多様なメディアコンテンツを用いることも可能である。この場合には、オブジェクト「AudioScene」に代えて、例えば、オブジェクト「MediaScene」を用いる。そして、このオブジェクトでは、画像の明度やコントラスト等の出力条件を変更する関数(例えば、「setOutputLevel」)を実行する。例えば、ダッキング処理において、主コンテンツを明るくしたり、コントラストを強調したりする。
【0051】
・上記各実施形態では、ファイルには、ダッキング管理手段213、主副特定手段214、出力条件設定手段215を実現するための記述を含める。この記述は、ファイル内に含める場合に限定されるものではない。ファイル内に取得先を設定しておき、この取得先から記述を取得するようにしてもよい。
【0052】
・上記各実施形態では、ファイルには、各コンテンツにおいて、主コンテンツ又は副コンテンツのいずれかを特定するための主副設定情報を含める。この場合、主コンテンツ又は副コンテンツは固定的である場合に限定されず、状況に応じて主コンテンツ、副コンテンツを変更するようにしてもよい。この場合には、主副設定情報において、主コンテンツとなる主副決定条件を設定しておく。この主副決定条件には、状況に関連付けて、主コンテンツ、副コンテンツを決めるロジックを設定しておく。そして、イベントを検知した場合、主副決定条件を用いて、主コンテンツ、副コンテンツを決定する。これにより、ファイルの再生時に主副の関係を決定することができる。
【0053】
・上記第2の実施形態では、出力条件設定手段215において、再生環境情報を特定する。例えば、クライアント端末20に設けられたセンサ(マイクやCCD等)を用いて周囲環境情報(再生環境情報)を取得する。再生環境情報は、周囲環境情報に限定されるものではない。例えば、イベントが発生したファイル再生シーン(シナリオ上の場面)を、再生環境情報として特定してもよい。この場合には、出力条件設定関数に、イベントが発生したシーン情報に関連付けて出力条件を設定しておく。
【0054】
また、クライアント端末20に実装されたハードウェア構成やソフトウェア構成の構成情報を再生環境情報として利用することも可能である。この場合には、出力条件設定関数に、ハードウェア構成やソフトウェア構成の構成情報に関連付けて出力条件を設定しておく。そして、出力条件設定手段215は、ハードウェア構成やソフトウェア構成の構成情報を取得し、この構成情報に基づいて出力条件を算出する。
【0055】
更に、コンテンツの再生頻度を再生環境情報として利用することも可能である。この場合には、出力条件設定手段215に、コンテンツ毎に再生回数を記録しておく。そして、出力条件設定関数に、再生回数に関連付けて出力条件を設定しておく。例えば、再生回数が多くなった場合には、このコンテンツの音量を下げたり、コントラストを弱めたりする等、出力レベルを下げる。これにより、繰り返しが多いコンテンツを調整することができる。
【0056】
・上記第2の実施形態では、ダッキング終了でないと判定した場合(ステップS3−6において「NO」の場合)、クライアント端末20の制御部21は、変更された出力条件を維持する。これに代えて、ダッキング時の主副コンテンツの出力条件を、逐次変更するようにしてもよい。ここでは、ダッキング終了でないと判定した場合(ステップS3−6において「NO」の場合)、クライアント端末20の制御部21は、再生環境の特定処理(ステップS3−4)に戻る。これにより、出力条件を、時間経過に対して動的に変更することができる。
【0057】
・上記各実施形態では、クライアント端末20において、出力制御プログラムを実行させることにより、制御部21を、ダッキング管理手段213、主副特定手段214、出力条件設定手段215として機能させる。ここで、出力制御プログラムを実行する環境は、クライアント端末20に限定されるものではない。例えば、コンテンツを出力するクライアント端末20に接続された管理サーバにおいて、出力制御プログラムを実行させてもよい。この場合には、管理サーバがクライアント端末20から、コンテンツの出力状況情報や再生環境情報を取得し、これらの情報を用いてコンテンツの出力条件を決定する。そして、クライアント端末20においては、この出力条件に応じて、コンテンツを出力する。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
〔1〕マークアップ言語で記述されたファイルに基づきウェブページを表示する出力制御装置の制御部に、当該ファイルに関連付けられた複数の音声データを再生させるプログラムであって、
前記制御部に、
前記ファイルに含まれる情報であって主音声及び副音声のいずれかであるかを特定するための主副設定情報に基づき、前記ファイルに関連付けられた複数の音声データについて、主音声及び副音声を特定するステップと、
前記ファイルに関連付けられた複数の音声データを取得するステップと、
前記ファイルに含まれる出力条件に基づき、前記主音声の音声データの音量を前記副音声の音声データの音量よりも大きく設定するステップと、
前記主音声である音声データ及び前記副音声である音声データを、設定された音量で同時に再生するステップと、を実行させる出力制御プログラム。
〔2〕前記主音声である音声データ及び前記副音声である音声データを同時に再生するステップが終了した場合には、前記主音声の音声データの音量又は前記副音声の音声データの音量を元に戻すステップをさらに実行させる〔1〕に記載の出力制御プログラム。
〔3〕前記出力条件は、前記音声データの再生回数に応じて音量を調整することを含む〔1〕又は〔2〕に記載の出力制御プログラム。
〔4〕前記主副設定情報は、前記主音声及び前記副音声を固定的に定める情報を含む〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の出力制御プログラム。
〔5〕前記主副設定情報は、再生状況に応じて前記主音声及び前記副音声を決定するための主副決定条件を含む〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の出力制御プログラム。
〔6〕前記出力条件は、前記ウェブページを表示させる前記出力制御装置の周囲環境情報に基づいて音量を設定することを含む〔5〕に記載の出力制御プログラム。
〔7〕前記出力条件は、前記ウェブページを表示させる前記出力制御装置のハードウェア構成の構成情報に基づいて音量を設定することを含む〔6〕に記載の出力制御プログラム。
〔8〕前記出力条件は、前記ウェブページを表示させる前記出力制御装置のソフトウェア構成の構成情報に基づいて音量を設定することを含む〔6〕に記載の出力制御プログラム。
〔9〕前記主音声の音声データ及び前記副音声の音声データを同時に出力するシーンが終了していない場合には、前記出力条件を新たに設定し、当該出力条件に基づき前記主音声の音声データ及び前記副音声の音声データを再生する〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の出力制御プログラム。
〔10〕前記ファイルは、アプリケーションのシーンに対応するものであり、
前記主音声及び前記副音声を特定するステップは、前記ファイルに含まれる前記主副設定情報に基づき、前記アプリケーションに登場するキャラクタの音声及び環境音について、前記主音声及び前記副音声を特定するステップであり、
前記音声データの音量を設定するステップは、前記キャラクタの音声データの音量及び前記環境音の音声データの音量を設定するステップである〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の出力制御プログラム。
〔11〕マークアップ言語で記述されたファイルに基づきウェブページを表示する制御部が、当該ファイルに関連付けられた複数の音声データを再生させる出力制御装置であって、
前記制御部が、
前記ファイルに含まれる情報であって主音声及び副音声のいずれかであるかを特定するための主副設定情報に基づき、前記ファイルに関連付けられた複数の音声データについて、主音声及び副音声を特定し、
前記ファイルに関連付けられた複数の音声データを取得し、
前記ファイルに含まれる出力条件に基づき、前記主音声の音声データの音量を前記副音声の音声データの音量よりも大きく設定し、
前記主音声である音声データ及び前記副音声である音声データを、設定された音量で同時に再生する出力制御装置。
〔12〕マークアップ言語で記述されたファイルに基づきウェブページを表示する出力制御装置の制御部が、当該ファイルに関連付けられた複数の音声データを再生させる方法であって、
前記制御部が、
前記ファイルに含まれる情報であって主音声及び副音声のいずれかであるかを特定するための主副設定情報に基づき、前記ファイルに関連付けられた複数の音声データについて、主音声及び副音声を特定するステップと、
前記ファイルに関連付けられた複数の音声データを取得するステップと、
前記ファイルに含まれる出力条件に基づき、前記主音声の音声データの音量を前記副音声の音声データの音量よりも大きく設定するステップと、
前記主音声である音声データ及び前記副音声である音声データを、設定された音量で同時に再生するステップと、を実行する出力制御方法。