特許第6896835号(P6896835)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6896835ダブルヘッドチューブの成形方法及びその構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6896835
(24)【登録日】2021年6月11日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】ダブルヘッドチューブの成形方法及びその構造
(51)【国際特許分類】
   B29D 23/00 20060101AFI20210621BHJP
   B65D 35/02 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
   B29D23/00
   B65D35/02 G
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-236281(P2019-236281)
(22)【出願日】2019年12月26日
(65)【公開番号】特開2021-30722(P2021-30722A)
(43)【公開日】2021年3月1日
【審査請求日】2019年12月26日
(31)【優先権主張番号】201910756892.0
(32)【優先日】2019年8月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519463813
【氏名又は名称】廈門鵬茂機械設備有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】江志榮
【審査官】 田中 則充
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第207967902(CN,U)
【文献】 特開2017−029895(JP,A)
【文献】 特開2018−071601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00−65/82
B29D 23/00
B65D 35/00−35/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダブルヘッドチューブの成形方法であって、
チューブ体を第1モールド上に被嵌し、第1ヘッドを前記チューブ体の一端部に配置し、前記チューブ体の一端部と前記第1ヘッドをハンダシーリングした後、モールドをはずすステップ1と、
第2モールドを前記第1ヘッドの開口から前記チューブ体の別の一端部に貫入し、環状固定部材を前記第2モールドの端部に係合させて位置を限定し、並びに前記チューブ体の別の一端部の内側に位置させるステップ2と、
第2ヘッドを前記チューブ体の別の一端部に配置し、前記チューブ体の別の一端部、前記環状固定部材、及び前記第2ヘッドの周囲縁をハンダシーリングした後、モールドをはずすステップ3とを含むことを特徴とするダブルヘッドチューブの成形方法。
【請求項2】
前記ステップ1において、前記第1モールドの外径と前記チューブ体の内径とを一致させることを特徴とする請求項1に記載のダブルヘッドチューブの成形方法。
【請求項3】
前記ステップ2において、前記環状固定部材の外径と前記チューブ体の内径とを一致させ、前記環状固定部材の内径と前記第2モールドの外径とを一致させることを特徴とする請求項1に記載のダブルヘッドチューブの成形方法。
【請求項4】
前記第1ヘッドと前記第2ヘッドにはそれぞれ、生産のニーズに応じた機能ヘッドを設けるか、前記機能ヘッドあるいは回転蓋を取り付けるのに用いる接続ヘッドを設けることを特徴とする請求項1に記載のダブルヘッドチューブの成形方法。
【請求項5】
前記第1モールドと第2モールドはいずれも柱状モールドであり、それぞれに位置調節可能な第1位置限定体、第2位置限定体を設けることを特徴とする請求項1に記載のダブルヘッドチューブの成形方法。
【請求項6】
前記柱状モールドの断面は円形、楕円形、或いは正多角形であることを特徴とする請求項5に記載のダブルヘッドチューブの成形方法。
【請求項7】
チューブ体、第1ヘッド、環状固定部材、及び第2ヘッドを備えるダブルヘッドチューブの構造であって、
前記第1ヘッドは前記チューブ体の一つの端部に係合させてハンダシーリングし、前記チューブ体の別の一端部は前記環状固定部材の外周に被嵌し、前記チューブ体の別の一端部、前記環状固定部材、及び前記第2ヘッドを係合させてハンダシーリングし、前記環状固定部材は前記チューブ体と前記第2ヘッドに繋げるものであり
前記第2ヘッドには前記環状固定部材方向に突出した環状突出縁を形成し、前記環状突出縁を貫通孔に挿入し、前記環状突出縁の頂端には前記第2ヘッドの径方向に沿って突出した位置限定部を形成し、前記位置限定部に対応する貫通孔箇所には位置限定段状部を形成し、前記位置限定部と前記位置限定段状部によって位置が限定されることで、それに係合する前記環状突出縁が前記貫通孔から離脱することを防ぐことを特徴とするダブルヘッドチューブの構造。
【請求項8】
前記第1ヘッドと前記第2ヘッドにはそれぞれ、生産ニーズに応じた機能ヘッドを設けるか、前記機能ヘッドまたは回転蓋を取り付けるための接続ヘッドを設けることを特徴とする請求項7に記載のダブルヘッドチューブの構造。
【請求項9】
前記機能ヘッドは押出式機能ヘッド、髪梳き式機能ヘッド、刷毛式機能ヘッド、突出粒式マッサージヘッド、回転軸式マッサージヘッド、回転玉式マッサージヘッド、或いは回転ボール式マッサージヘッドであることを特徴とする請求項8に記載のダブルヘッドチューブの構造。
【請求項10】
チューブ体、第1ヘッド、環状固定部材、及び第2ヘッドを備えるダブルヘッドチューブの構造であって、
前記第1ヘッドは前記チューブ体の一つの端部に係合させてハンダシーリングし、前記チューブ体の別の一端部は前記環状固定部材の外周に被嵌し、前記チューブ体の別の一端部、前記環状固定部材、及び前記第2ヘッドを係合させてハンダシーリングし、前記環状固定部材は前記チューブ体と前記第2ヘッドに繋げるものであり、
前記第2ヘッドには前記環状固定部材方向に突出した環状突出縁を形成し、前記環状突出縁を貫通孔に挿入し、前記環状突出縁の頂端には前記第2ヘッドの径方向に沿って突出した位置限定部を形成し、前記位置限定部に対応する貫通孔箇所には位置限定段状部を形成し、前記位置限定部と前記位置限定段状部によって位置が限定されることで、それに係合する前記環状突出縁が前記貫通孔から離脱することを防ぎ、
前記ダブルヘッドチューブは、第1外蓋と第2外蓋をさらに備え、前記第1外蓋と前記第2外蓋はそれぞれ可動状態で前記第1ヘッドと前記第2ヘッドに被嵌されることを特徴とするダブルヘッドチューブの構造。
【請求項11】
前記第1外蓋は、ねじか嵌着によって、係合する前記第1ヘッドの外周に被嵌されることを特徴とする請求項10に記載のダブルヘッドチューブの構造。
【請求項12】
前記第2外蓋は、ねじか嵌着によって、係合する前記第2ヘッドの外周に被嵌されることを特徴とする請求項10に記載のダブルヘッドチューブの構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装技術分野に関し、特にダブルヘッドチューブの成形方法及びその構造に関する。
【背景技術】
【0002】
チューブ包装は、使用における便利性があり、経済的、衛生的であるがゆえに、化粧品、医薬品、食品での主な包装となっている。現在、化粧品は、チューブ包装の最大ユーザー群であり、チューブ包装業務全体のほぼ60%ないし70%を占める。また、チューブ包装は医薬業界においては主にクリーム状のものや塗り薬等の外用薬品の包装に使われ、その比率はほぼ15%ないし20%を占める。
【0003】
従来のチューブ構造は、機能ヘッドをチューブ体の頭部箇所にハンダシーリングし、チューブ体内に内容物を注入した後、チューブ体の下端箇所に密封処理を施している。従来のチューブの内容物は一回だけの注入式で、内容物を使い切ったときには廃棄処分であるため重複使用が不可能である。しかも化粧品、医薬品分野の一部には特殊作用をそなえた機能ヘッドもあり、その材料には貴金属を含むがゆえに、内容物のコストを上回り、資源の浪費を招く状況を引き起こしている。それと同時に、従来のチューブの構造は単一機能のヘッドであるため、一種類の内容物に異なる機能を有するヘッド(例えば眼部クリームに異なるタイプのマッサージヘッドを組み合わせるなど)を組み合わせることは不可能である。また、チューブ体のヘッド箇所に接続するヘッドを設け、取り外しのできる多機能ヘッドを組み合わせるものもある。だが、その使用においてはチューブ体にはその一つの機能しか持たせられず、その他の機能ヘッドは別に収納しておく必要があり、使用時には取り外しを繰り返さなければならず面倒であり、機能ヘッドを別に収納することで遺失してしまうといったリスクもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ダブルヘッドチューブの成形方法及びその構造を提供することであり、チューブ形状の安定性を確実にするという前提のもと、チューブ体の両端にチューブヘッドをハンダシーリングし、ユーザーの異なるニーズに応じて異なるタイプのチューブヘッドを組み合わせ、多様化する生産ニーズを満足させるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の目的を達成するため、解決方法として提供する本発明のダブルヘッドチューブの成形方法は、下記のステップを含む。
ステップ1において、チューブ体を第1モールド上に被嵌し、第1ヘッドをチューブ体の一端部に配置し、チューブ体の一端部と第1ヘッドをハンダシーリングした後、モールドをはずす。
ステップ2において、第2モールドを第1ヘッドの開口からチューブ体の別の一端部に貫入し、環状固定部材を第2モールドの端部に係合させて位置を限定し、並びにチューブ体の別の一端部の内側に位置させる。
ステップ3において、第2ヘッドをチューブ体の別の一端部に配置し、チューブ体の別の一端部、環状固定部材、及び第2ヘッドの周囲縁をハンダシーリングした後、モールドをはずす。
【0006】
ステップ1において、第1モールドの外径とチューブ体の内径とを一致させる。
ステップ2において、環状固定部材の外径とチューブ体の内径とを一致させ、環状固定部材の内径と第2モールドの外径とを一致させる。
【0007】
第1ヘッドと第2ヘッドはそれぞれ生産のニーズに応じて機能ヘッドを設けるか、機能ヘッドあるいは回転蓋を取り付けるのに用いる接続ヘッドを設ける。
第1モールドと第2モールドはいずれも柱状モールドであり、それぞれに位置調節可能な第1位置限定体、第2位置限定体を設ける。
柱状モールドの断面は円形、楕円形、或いは正多角形である。
【0008】
本発明によるダブルヘッドチューブは、チューブ体、第1ヘッド、環状固定部材、及び第2ヘッドを備える。
第1ヘッドはチューブ体の一つの端部に係合させてハンダシーリングし、チューブ体の別の一端部は環状固定部材の外周に被嵌し、チューブ体の別の一端部、環状固定部材、及び第2ヘッドを係合させてハンダシーリングする。環状固定部材はチューブ体と第2ヘッドに繋がる。
第1ヘッドと第2ヘッドにはそれぞれ、生産ニーズに合わせて機能ヘッドを設けるか、機能ヘッドまたは回転蓋を取り付けるための接続ヘッドを設ける。
機能ヘッドは押出式機能ヘッド、髪梳き式機能ヘッド、刷毛式機能ヘッド、突出粒式マッサージヘッド、回転軸式マッサージヘッド、回転玉式マッサージヘッド、或いは回転ボール式マッサージヘッドである。
第2ヘッドには環状固定部材方向に突出した環状突出縁を形成し、環状突出縁を貫通孔に挿入する。環状突出縁の頂端には第2ヘッドの径方向に沿って突出した位置限定部を形成し、位置限定部に対応する貫通孔箇所には位置限定段状部を形成する。位置限定部と位置限定段状部によって位置が限定されることで、それに係合する環状突出縁が貫通孔から離脱するのを防ぐ。
【0009】
本発明によるダブルヘッドチューブは、第1外蓋と第2外蓋をさらに備え、第1外蓋と第2外蓋は可動状態で第1ヘッドと第2ヘッドに被嵌する。
第1外蓋はねじか嵌着によって、係合する第1ヘッドの外周に被嵌される。
第2外蓋はねじか嵌着によって、係合する第2ヘッドの外周に被嵌される。
【発明の効果】
【0010】
上述の方法及び構造を採用した本発明は、二次成形の製造技術によってチューブ体の両端それぞれに第1ヘッドと第2ヘッドをハンダシーリングする。そのうち、第2ヘッドをハンダシーリングする際、環状固定部材を用いることによりチューブ体の端部の変形を防ぐため、二次成形過程におけるチューブ体の変形がなく、ハンダシーリング効果を高められる。この方法は、ユーザーの異なる要望に応じてチューブ体の両端に異なるタイプのチューブヘッドをハンダシーリングし、生産において多様化するニーズを満足させることができる。並びに、第1モールドと第2モールドの構造はシンプルであり、従来の製造技術の基礎上に過多の生産コストを付加させることはない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に関する第1ヘッドを密閉固着する過程を示した模式図である。
図2】本発明の実施形態に関する環状固定部材を取り付ける過程を示した模式図である。
図3】本発明の実施形態に関する第2ヘッドを密閉固着する過程を示した模式図である。
図4】本発明の第1実施形態に関する構造の分解斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態に関する構造の側断面図である。
図6】本発明の第2実施形態に関する側断面図である。
図7】本発明の第3実施形態に関する分解斜視図である。
図8】本発明の第3実施形態に関する側断面図である。
図9】本発明の第4実施形態に関する分解斜視図である。
図10】本発明の第4実施形態に関する側断面図である。
図11】本発明の第5実施形態に関する分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
さらに本発明に関して、具体的な実施形態を示して詳細な説明を行う。
ダブルヘッドチューブの成形方法は、具体的に下記のステップを含む。
ステップ1において、図1に示す通り、チューブ体1を第1モールド100に被嵌する。第1ヘッド2をチューブ体1の一端部に配置し、チューブ体1の一端部と第1ヘッド2の周囲縁をハンダシーリングした後、モールドをはずす。第1モールド100の外径とチューブ体1の内径とが一致するため、第1モールド100はチューブ体1を完全に支持し、ハンダシーリング時にチューブ体1が変形することはけっしてない。
【0013】
ステップ2は図2に示す通り、第2モールド200を第1ヘッド2の開口からチューブ体1の別の一端部に貫入し、環状固定部材3を第2モールド200の端部に係合させて位置を限定し、並びにチューブ体1の別の一端部の内側に位置させる。そのうち、環状固定部材3の外径とチューブ体1の内径とが一致するため、環状固定部材3はチューブ体1の別の一端部を完全に支持し、後続するハンダシーリング工程においてチューブ体1を変形させないことを確実にする。環状固定部材3の内径と第2モールド200の外径とが一致するため、環状固定部材3は確実に、第2モールド200の端部において係合して位置限定される。
【0014】
ステップ3は図3に示す通り、第2ヘッド4をチューブ体1の別の一端部に配置し、チューブ体1の別の一端部、環状固定部材3、及び第2ヘッド4の周囲縁をハンダシーリングした後、モールドをはずす。
【0015】
前述した第1ヘッド2と第2ヘッド4にはそれぞれ、生産のニーズに応じた機能ヘッドを設けるか、機能ヘッドあるいは回転蓋を取り付けるのに用いる接続ヘッドを配置する。即ち、最終製品の機能ヘッドは、チューブ体1上に直接成形し、取り外しできない形態とするか、接続ヘッドを使って取り外し可能な状態でチューブ体1上に取り付ける形態としてもよい。図1図3に示した通り、前述の第1ヘッド2は大口径の注入口を有する接続ヘッドであり、回転蓋に係合させ、内容物を複数回注入するのに用いられる。第2ヘッド4は小口径の注入口を有する押出式機能ヘッドであり、内容物を押し出すのに用いられる。
【0016】
図1図3に示す通り、第1モールド100と第2モールド200はいずれも柱状モールドであり、それぞれに位置調節可能な第1位置限定体101、第2位置限定体201を設けて、チューブ体1に嵌入させる第1モールド100或いは第2モールド200の位置を限定し、並びに、生産する異なるサイズのチューブ体1に合わせて第1位置限定体101と第2位置限定体201の位置を調節する。柱状モールドの断面は円形、楕円形、或いは正多角形とし、異なるタイプのチューブ体1に係合させることが可能である。
【0017】
上述の方法により、本発明は二次成形の製造技術によってチューブ体1の両端それぞれに第1ヘッド2と第2ヘッド4をハンダシーリングする。そのうち、第2ヘッド4をハンダシーリングする際、環状固定部材3を用いることによりチューブ体1の端部の変形を防ぐため、二次成形過程におけるチューブ体1の変形がなく、ハンダシーリング効果を高められる。この方法は、ユーザーの異なる要望に応じてチューブ体1の両端に異なるタイプのチューブヘッドをハンダシーリングし、生産において多様化するニーズを満足させるものである。並びに、第1モールド100と第2モールド200の構造はシンプルであり、従来の製造技術の基礎上に過多の生産コストを付加させることはない。
【0018】
図4から図11に示す通り、本発明のダブルヘッドチューブは、チューブ体1、第1ヘッド2、環状固定部材3、及び第2ヘッド4を備える。第1ヘッド2はチューブ体1の一つの端部に係合させてハンダシーリングし、チューブ体1の別の一端部は環状固定部材3の外周に被嵌し、チューブ体1の別の一端部、環状固定部材3、及び第2ヘッド4を係合させてハンダシーリングする。環状固定部材3にはチューブ体1と第2ヘッド4に繋がる貫通孔31を備える。
【0019】
第1ヘッド2と第2ヘッド4にはそれぞれ、生産ニーズに応じた機能ヘッドを設けるか、機能ヘッドまたは回転蓋を取り付けるための接続ヘッドを設ける。
【0020】
第2ヘッド4には環状固定部材3方向に突出した環状突出縁41を形成し、環状突出縁41を貫通孔31に挿入する。環状突出縁41の頂端には第2ヘッド4の径方向に沿って突出した位置限定部42を形成し、位置限定部42に対応する貫通孔31箇所には位置限定段状部32を形成する。位置限定部42と位置限定段状部32によって位置が限定されることで、それに係合する環状突出縁41が貫通孔31から離脱するのを防ぎ、第2ヘッド4と環状固定部材3とが係合する構造の安定性を向上させる。
【0021】
本発明のダブルヘッドチューブは、第1外蓋5と第2外蓋6をさらに備え、第1外蓋5は可動状態で第1ヘッド2の外周に被嵌し、第2外蓋6も可動状態で第2ヘッド4の外周に被嵌する。その具体的な構造は、本発明の第1、第2、第3の実施形態に示す通りであり、第1ヘッド2の外周には第1外ねじ21を形成し、第1外蓋5の内側には第1内ねじ51を形成し、第1内ねじ51と第1外ねじ21とを係合させることで、第1ヘッド2上において第1外蓋5を取り外し可能な状態で取り付けることが実現する。第2ヘッド4の外周には第2外ねじ43を形成し、第2外蓋6の内側には第2内ねじ61を形成し、第2内ねじ61と第2外ねじ43とを係合させることで、第2ヘッド4上において第2外蓋6を取り外し可能な状態で取り付けることが実現する。また、対応するチューブ体1は円柱形とする。本発明の第4、第5実施形態に示す通り、第2外蓋6と第2ヘッド4の係合はカチャッと嵌着する方式とし、対応するチューブ体1は楕円柱形あるいはその他の非円柱形である。当然ながら、嵌着方式であっても円柱形のチューブ体1に適用する。
【0022】
図4及び図5に示す通り、本発明の第1実施形態において、第1ヘッド2は接続ヘッドであり、並びに第1ヘッド2の開口内に取り付けるボールマッサージヘッド7は、取り外しできない状態で係合させるものとし、第1ヘッド2を機能ヘッドとして設ける。第2ヘッド4は小口径の注入口を備えた押出式機能ヘッドであり、並びに、その注入口の外端には金屬マッサージヘッド8を取り付ける。第1実施形態は、二種類の機能ヘッドを内容物に組み合わせて使用するユーザーのニーズを実現するものであるが、そのチューブ体1の両端は取り外しが不可能であるため、使用後に再度内容物を注入することはできない。
【0023】
図6に示した本発明の第2実施形態と第1実施形態との相違点は、チューブ体1の内部に分割部11を形成する点にある。その分割部11は、チューブ体1に入れる内容物を二つの部屋に分けるものである。すなわち、一つのチューブ体1に二つの同じか異なる内容物を個別に注入して、異なるタイプの機能ヘッドに対応させ、ユーザーの多様化するニーズに応えることができる。
【0024】
図7及び図8に示す通り、本発明の第3実施形態において、第1ヘッド2は接続ヘッドであり、第1ヘッド2に組み合わせた第1外蓋5は回転蓋である。第2ヘッド4は小口径の注入口を備えた押出式機能ヘッドであり、注入口の外端には金屬マッサージヘッド8を取り付ける。第3実施形態における内容物はただ一種の機能ヘッドを組み合わせて使用するものであるが、第1外蓋5を開いて、複数回、内容物を注入可能である。
【0025】
図9及び図10に示す通り、本発明の第4実施形態において第1ヘッド2は接続ヘッドであり、第1ヘッド2に組み合わせた第1外蓋5は回転蓋である。第2ヘッド4は回転軸9を有する回転軸式マッサージヘッドである。また同様に、第4実施形態における内容物はただ一種の機能ヘッドを組み合わせて使用するものであるが、第1外蓋5を開いて、複数回の内容物を注入することができる。
【0026】
図11に示す通り、本発明の第5実施形態において第1ヘッド2は接続ヘッドであり、第1ヘッド2に組み合わせた第1外蓋5は回転蓋である。第2ヘッド4は若干の回転ボール10を有する回転ボール式マッサージヘッドである。また同様に、第5実施形態における内容物は単に一種の機能ヘッドを組み合わせて使用するものであるが、第1外蓋5を開いて複数回の内容物を注入することができる。
【0027】
以上の実施形態のほか、機能ヘッドは髪梳き式機能ヘッド、刷毛式機能ヘッド、或いは突出粒式マッサージヘッド等の化粧品、医薬品分野に適用する各種機能ヘッドにしてもよく、塗る、拭く等の方式でチューブ体1の内容物を便利に使用することができる。
【0028】
上述構造による本発明は、第2ヘッド4とチューブ体1のハンダシーリング箇所に環状固定部材3を設ける。環状固定部材3によってチューブ体1を支持して形状を保ち、これによってハンダシーリング効果を確実にし、生産時にチューブ体1の形状が変化しないという前提のもと、チューブ体1の両端に第1ヘッド2と第2ヘッド4をハンダシーリングして二次成形を施す。これにより、ユーザーの要望に応じて異なるタイプのチューブヘッドを取り付けるという目的を果たし、多様化生産というニーズも満足させることができる。
【符号の説明】
【0029】
100 第1モールド
101 第1位置限定体
200 第2モールド
201 第2位置限定体
1 チューブ体
11 分割部
2 第1ヘッド
21 第1外ねじ
3 環状固定部材
31 貫通孔
32 位置限定段状部
4 第2ヘッド
41 環状突出縁
42 位置限定部
43 第2外ねじ
5 第1外蓋
51 第1内ねじ
6 第2外蓋
61 第2内ねじ
7 ボールマッサージヘッド
8 金属マッサージヘッド
9 回転軸
10 回転ボール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11