特許第6896842号(P6896842)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ティージェイ スミス アンド ネフュー リミテッドの特許一覧

特許6896842減圧療法システムおよび患者の動作を監視するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6896842
(24)【登録日】2021年6月11日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】減圧療法システムおよび患者の動作を監視するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 27/00 20060101AFI20210621BHJP
【FI】
   A61M27/00
【請求項の数】20
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2019-507162(P2019-507162)
(86)(22)【出願日】2017年8月18日
(65)【公表番号】特表2019-528107(P2019-528107A)
(43)【公表日】2019年10月10日
(86)【国際出願番号】IB2017001162
(87)【国際公開番号】WO2018033794
(87)【国際公開日】20180222
【審査請求日】2020年7月13日
(31)【優先権主張番号】62/377,418
(32)【優先日】2016年8月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/423,441
(32)【優先日】2016年11月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397070118
【氏名又は名称】ティージェイ スミス アンド ネフュー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・グリーナー
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・ヤーベリー・ハートウェル
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス・シー・キンタナル
【審査官】 上石 大
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−540477(JP,A)
【文献】 特表2010−531698(JP,A)
【文献】 特開2015−053955(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/018448(WO,A1)
【文献】 特表2013−526900(JP,A)
【文献】 特表2015−513424(JP,A)
【文献】 特表2011−509160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷に陰圧を加える装置であって、
創傷被覆材に流体流路を介して結合して、前記創傷被覆材に陰圧を与えるように構成される陰圧源と、
前記陰圧源によって生成される前記流体流路内の圧力の大きさを監視するように構成されるセンサと、
コントローラであって、
前記陰圧源が前記流体流路内の前記圧力の大きさを、陰圧閾値を下回って維持する間は、経時的な前記圧力の大きさの変化に基づいて活動分類を決定し、前記活動分類が前記創傷被覆材を着用している間に個人によって従事される活動のタイプを示し、
前記活動分類の表示を出力するよう構成されるコントローラと、を備える装置。
【請求項2】
前記活動分類が、呼吸する、横たわっている間に位置を変える、座る、歩く、立つ、ジャンプする、階段を横断する、脚を伸ばす、脚を曲げる、または椅子スクワットを実施する、のうちの一つ以上を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記創傷被覆材が、個人の膝、踵、肘、肩、臀部、胴部、または腹部のうちの一つ以上の上に位置付けられるように構成される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記コントローラが、
前記活動分類を、前記個人に関連付けられた、割り当てられた分類と比較し、
前記活動分類が前記割り当てられた分類と一致するかどうかの表示を出力するようさらに構成される、請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記コントローラが、前記割り当てられた分類に一致する前記活動分類に応答して、前記陰圧源を起動または動作停止するようにさらに構成される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
ユーザーインターフェースへのユーザー入力として前記割り当てられた分類を受信するように構成されるユーザーインターフェースをさらに備える、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記活動分類が、少なくとも1秒、10秒、30秒、1分、または5分の継続時間にわたる前記圧力の大きさの前記変化に応答する、請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記コントローラが、対応する期間中に前記陰圧源の使用を反映する使用データと関連して、前記活動分類の前記表示を、記憶装置に記憶するようにさらに構成される、請求項1〜7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記流体流路が、少なくとも一つの内腔を備える、請求項1〜8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記流体流路が、複数の内腔を備える、請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記センサが、前記創傷被覆材における前記圧力を、前記流体流路の一つ以上の内腔で、または前記陰圧源の入口で監視するように構成される、請求項1〜10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記流体流路を介して前記創傷被覆材と前記陰圧源とに流体連通するように構成されるキャニスタをさらに備え、前記キャニスタが、前記創傷から吸引される滲出液を収集するよう構成される、請求項1〜11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記陰圧源が、前記圧力の大きさが前記陰圧閾値を下回って維持される場合に陰圧を供給するよう構成される、請求項1〜12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記コントローラが、閾値圧力変化を満たす前記圧力の大きさの変化に応答して、前記個人が横たわっている間に位置を変えているという表示を出力するようさらに構成される、請求項1〜13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記創傷被覆材が踵上に位置付けられるように構成される場合は、前記閾値圧力変化が約5mmHgであり、
前記創傷被覆材が臀部上に位置付けられるように構成される場合は、前記閾値圧力変化が約6mmHgであり、
前記創傷被覆材が肩上に位置付けられるように構成される場合は、前記閾値圧力変化が約10mmHgである、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記コントローラが、前記個人が横たわっている間に位置を変えていない継続時間を検出し、閾値期間を満たす前記検出された期間に応答して別の表示を出力するようさらに構成される、請求項1〜15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記個人が位置を変えていないという前記別の表示が、褥瘡性潰瘍の発生、負傷の発生、意識喪失のうちの少なくとも一つに関連付けられる、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記コントローラが、前記創傷被覆材が胴部に適用された場合に、呼吸をしていることを決定し、かつその表示を提供するようさらに構成される、請求項1〜17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記コントローラが、経時的な前記圧力の大きさの変化に基づいて、心拍数または脈拍数の少なくとも一つを検出し、かつその表示を提供するようにさらに構成される、請求項1〜18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記コントローラが、経時的な前記圧力の大きさのピーク−ピーク変化に基づいて、前記活動分類を決定するようさらに構成される、請求項1〜19のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年8月19日に出願された「Systems And Methods For Pressure Therapy」と題する米国仮特許出願第62/377,418号と、2016年11月17日に出願された、「Systems And Methods For Pressure Therapy」と題する米国仮特許出願第62/423,441号の利益を主張するものであり、それぞれのその全体がすべての目的のために本明細書に援用される。
【0002】
発明の分野
本開示の実施形態は、例えば、陰圧創傷療法または局所陰圧(TNP)療法と組み合わせた被覆材を用いた、創傷を治療するための装置、システム、および方法に関する。具体的には、限定するものではないが、本開示の実施形態は、陰圧療法装置、TNPシステムの動作を制御するための方法、およびTNPシステムの使用方法に関する。方法および装置は、以下に説明する特徴の任意の組み合わせを組み込むか、または実装することができる。
【背景技術】
【0003】
様々な種類の創傷被覆材が、ヒトまたは動物の治癒過程を補助するものとして知られている。様々な種類の創傷被覆材には、様々な種類の材料および層、例えば、ガーゼ、パッド、フォームパッド、または多層創傷被覆材が含まれる。局所陰圧(TNP)療法は、真空補助閉鎖療法、陰圧創傷療法、または減圧創傷療法とも称されることがあり、創傷の治癒率を改善するための有益な機構として広く認識されている。こうした療法は、切開創傷、開放創、および腹部創などの広範な創傷に適用することができる。
【0004】
しかしながら、陰圧創傷療法または他の創傷療法において使用する、従来技術の被覆材によって、被覆材の下方にある創傷部位はほとんど可視化されず、またはその状態に関する情報はほとんど提供されない。このため、臨床医が創傷の治癒および状態を視診することを可能にするために、創傷が所望するレベルまで治癒する前に、または吸収性被覆材の場合は、被覆材の全吸収容量に達する前に、時期を早めて被覆材を交換する必要があり得る。現行の被覆材には、創傷の状態に関する情報を提供する方法または特徴が、限定されているまたは十分でないものがある。
【発明の概要】
【0005】
一般に記載されるように、本開示の実施形態は、陰圧療法装置を用いて患者の動作を監視するためのシステム、方法、または装置を対象とする。一部の実施形態では、陰圧を創傷に加えるための装置は、陰圧源を含み得る。陰圧源は、流体流路を介して創傷被覆材に結合するよう構成され得、さらには、創傷被覆材に陰圧を与えるように構成され得る。陰圧を加えるための装置はさらに、センサおよびコントローラを含み得る。センサは、陰圧源によって生成される流体流路内の圧力の大きさまたは頻度を監視するよう構成され得る。コントローラは、経時的な圧力の大きさまたは頻度の変化に基づいて活動分類を決定し、活動分類の表示を出力するように構成され得る。陰圧源は、圧力の大きさが陰圧閾値を満たすように圧力の大きさを維持するよう構成され得る。一部の場合では、活動分類は、創傷被覆材を着用している間に個人によって従事される活動のタイプを示すことができる。
【0006】
前述の段落の装置はまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴の、任意の組み合わせを含み得る。活動分類は、呼吸する、横たわっている間に位置を変える、座る、歩く、立つ、ジャンプする、階段を横断する、脚を伸ばす、脚を曲げる、椅子スクワットを実施する、うちの一つ以上であり得る。創傷被覆材は、個人の膝、踵、肘、肩、臀部、胴部、または腹部上に位置付けられるように構成され得る。一部の実施形態では、装置はさらに、ユーザーインターフェースへのユーザー入力として割り当てられた分類を受信するか、または、提示するための活動分類の表示を出力するよう構成されるユーザーインターフェースを含み得る。
【0007】
前述の段落のいずれかの装置はまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴の、任意の組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、コントローラはさらに、活動分類を個人と関連付けられた割り当て分類と比較し、活動分類が割り当てられた分類と一致するかどうかの表示を出力するように構成される。コントローラはさらに、表示画面で個人に対して提示するための活動分類の表示を無線で出力するよう構成され得る。コントローラはさらに、通信ネットワークを介して演算装置に活動分類の表示を送信するよう構成され得る。コントローラはさらに、対応する期間中の陰圧源の使用を反映する使用データと関連した活動分類の表示を、記憶装置に記憶するよう構成され得る。一部の実施形態では、コントローラはさらに、創傷被覆材での圧力を、流体流路の一つ以上の内腔で、または陰圧源の入口で監視するように構成される。
【0008】
前述の段落のいずれかの装置はまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴の、任意の組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、活動分類は、少なくとも1秒、10秒、30秒、1分、または5分の間の圧力の大きさの変化に応答している。一部の実施形態では、活動分類は、記憶装置に記憶されるように構成される。一部の実施形態では、流体流路は、少なくとも一つの内腔または複数の内腔を備える。一部の実施形態では、装置はさらに、流体流路を介して創傷被覆材および陰圧源に流体連通するように構成されるキャニスタであって、創傷から吸引された滲出液を収集するように構成されるキャニスタを備える。
【0009】
前述の段落のいずれかの装置はまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴の、任意の組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、コントローラはさらに、割り当てられた分類に対応する活動分類に応答して、陰圧源を起動または動作停止するように構成される。コントローラはさらに、閾値圧力変化を満たす圧力の大きさの変化に応答して、個人が横たわっている間に位置を変えているという表示を出力するよう構成され得る。陰圧源は、圧力の大きさが陰圧閾値を下回って維持されている場合に陰圧創傷療法を実施するよう構成され得る。
【0010】
前述の段落のいずれかの装置はまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴の、任意の組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、被覆材が踵上に位置付けされるように構成される場合は閾値圧力変化が約5mmHgであり、被覆材が臀部上に位置付けられる場合は閾値圧力変化が約6mmHgであり、被覆材が肩上に位置付けられるように構成される場合は閾値圧力変化が約10mmHgである。コントローラはさらに、個人が横たわっている間に位置を変化させていない継続時間を検出し、閾値時間を満たす検出された時間に応答して、別の表示を出力するよう構成され得る。個人が位置を変えていないという表示は、褥瘡性潰瘍の発生、負傷の発生、意識喪失のうちの少なくとも一つに関連付けられ得る。コントローラはさらに、被覆材が胴部に適用された場合、呼吸を決定し、かつその表示を提供するよう構成され得るか、またはさらに、経時的な圧力の大きさの変化に基づいて心拍数または脈拍数の少なくとも一つを検出し、かつその表示を提供するよう構成され得る。コントローラはさらに、経時的な圧力の大きさのピーク−ピークの変化に基づいて、活動分類を決定するよう構成され得る。
【0011】
一部の実施形態では、陰圧創傷療法装置を動作させる方法は、患者の創傷の上に位置付けられた創傷被覆材に流体流路を介して流体結合された陰圧源を動作させることと、センサを介して、流体流路内の圧力の大きさを監視することとを含む。方法はさらに、陰圧源が流体流路内の圧力の大きさを、陰圧閾値を下回って維持する間、経時的な圧力の大きさの変化に基づいて活動分類を決定することを含む。活動分類は、創傷被覆材を着用している間に患者によって従事される活動の種類を示す。方法はさらに、活動分類の表示を出力することを含む。
【0012】
前述の段落の方法はまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴またはステップの、任意の組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、活動分類は、呼吸する、横たわっている間に位置を変える、座る、歩く、立つ、ジャンプする、階段を横断する、脚を伸ばす、脚を曲げる、椅子スクワットを実施する、のうちの一つ以上である。創傷被覆材は、個人の膝、踵、肘、肩、臀部、胴部、または腹部上に位置付けられ得る。方法はさらに、活動分類を患者と関連付けられた分類と比較することと、活動分類が割り当てられた分類と一致するかどうかの表示を出力することとを含み得る。方法はさらに、ユーザーインターフェースへのユーザー入力として割り当てられた分類を受信することを含み得る。方法はさらに、提示するための活動分類の表示を出力することを含み得る。方法はさらに、表示画面上で患者に提示するための活動分類の表示を無線で出力することを含み得る。
【0013】
前述の段落のいずれかの装置はまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴またはステップの、任意の組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、活動分類は、少なくとも1秒、10秒、30秒、1分、または5分の間にわたる圧力の大きさの変化に応答している。方法はさらに、記憶装置に活動分類を記憶することを含み得る。方法はさらに、通信ネットワークを介して活動分類の表示を演算装置に送信することを含み得る。方法はさらに、対応する期間中に陰圧源の使用を反映する使用データと関連して、活動分類の表示を記憶装置に保存することを含み得る。
【0014】
前述の段落のいずれかの方法はまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴またはステップの、任意の組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、流体流路は、少なくとも一つの内腔または複数の内腔を備える。方法はさらに、創傷被覆材における圧力を、流体流路の一つ以上の内腔で、または陰圧源の入口で監視することを含み得る。方法はさらに、流体流路を介して創傷被覆材と陰圧源に流体連通するキャニスタにおいて創傷から吸引された滲出液を収集することを含み得る。方法はさらに、割り当てられた分類に一致する活動分類に応答して、陰圧源を起動または動作停止させることを含み得る。方法はさらに、圧力の大きさが陰圧閾値を下回って維持された場合に陰圧療法を実施することを含み得る。本方法はさらに、閾値圧力変化を満たす圧力の大きさの変化に応答して、患者が横たわっている間に位置を変えていないという表示を出力することを含み得る。
【0015】
前述の段落のいずれかの装置はまた、本明細書の記載の中でも特に、本段落に記載される以下の特徴またはステップの、任意の組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、被覆材が踵上に位置付けされる場合は閾値圧力変化が約5mmHgであり、被覆材が臀部上に位置付けられる場合は閾値圧力変化が約6mmHgであり、被覆材が肩上に位置付けられる場合は閾値圧力変化が約10mmHgである。方法はさらに、患者が横になっている間に位置を変えていない継続時間を検出することと、閾値期間を満たす検出期間に応答して別の表示を出力することとを含み得る。個人が位置を変えていないという表示は、褥瘡性潰瘍の発生、負傷の発生、意識喪失のうちの少なくとも一つに関連付けられ得る。方法はさらに、被覆材が胴部に適用された場合に、呼吸速度を決定し、かつその表示を提供することを含み得る。方法はさらに、経時的な圧力の大きさの変化に基づいて、心拍数または脈拍数のうちの少なくとも一つを検出し、その表示を提供することを含み得る。方法はさらに、経時的な圧力の大きさのピーク−ピークの変化に基づいて、活動分類を決定することを含み得る。
【0016】
以下に開示されるポンプの実施形態のいずれも、および、陰圧創傷療法の実施形態のいずれも含むがこれらに限定しないものとし、本出願に開示された配置または実施形態のいずれかの特徴、構成要素、または詳細のいずれも、新しい配置および実施形態を形成するよう本明細書に開示された配置または実施形態のいずれかのその他の特徴、構成要素、または詳細のいずれとも相互に組み合わせ可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示の実施形態について、添付の図面を参照して、例としてのみ以下に記載する。
【0018】
図1図1は、一部の実施形態による陰圧創傷療法システムを示す。
図2図2は、一部の実施形態によるTNP装置および遠隔データ処理システムを含む陰圧療法システムを示す。
図3図3は、図2のTNP装置のほか、第一の流体流路、創傷被覆材、および創傷を含む、陰圧療法システムの例を示す。
図4図4は、一部の実施形態による創傷被覆材での、およびその近くの圧力を測定するように位置付けられた圧力センサを含む陰圧療法システムを示す。
図5図5は、一部の実施形態による陰圧源での圧力を測定するように位置付けられた圧力センサを含む陰圧療法システムを示す。
図6図6は、第二の流体流路と、差圧センサとすることができるかまたは一部の実施形態による二つの圧力センサを含み得る圧力センサとを含む陰圧療法システムを示す。
図7図7は、一部の実施形態による創傷被覆材での、またはその近くの圧力を測定するように位置付けられたさらなる圧力センサを含む陰圧療法システムを示す。
図8図8は、一部の実施形態による第一の流体流路において陰圧源と創傷被覆材との間に結合されたキャニスタを含む陰圧療法システムを示す。
図9図9は、一部の実施形態による患者活動分類プロセスを示す。
図10図10は、一部の実施形態による患者の生理学的特性を決定するためのプロセスを示す。
図11図11は、創傷被覆材が患者の膝に取り付けられ、流体流路を介してTNP装置に結合される陰圧創傷治療システムを示す。
図12図12は、一部の実施形態による患者の活動分類を決定するために、圧力センサによって測定される圧力の大きさがどのように使用され得るかを示すプロットを提供する。
図13図13は、一部の実施形態による患者の活動分類を決定するために、圧力センサによって測定される圧力の大きさがどのように使用され得るかを示すプロットを提供する。
図14図14は、一部の実施形態による患者の活動分類を決定するために、圧力センサによって測定される圧力の大きさまたは頻度がどのように使用され得るかを示すプロットを提供する。
図15図15は、圧力センサによって測定される圧力の大きさが、一部の実施形態による患者によって異なる着用をどのように変えることができるかを示すプロットを提供する。
図16図16は、圧力センサによって測定される圧力の大きさが、一部の実施形態による患者によって異なる着用をどのように変えることができるかを示すプロットを提供する。
図17図17は、圧力センサによって測定される圧力の大きさが、一部の実施形態による患者によって異なる着用をどのように変えることができるかを示すプロットを提供する。
図18図18は、創傷被覆材が患者の踵に取り付けられ、一部の実施形態による流体流路を介してTNP装置に結合される陰圧創傷治療システムを示す。
図19図19は、一部の実施形態による患者の活動分類を決定するために圧力センサによって測定される圧力の大きさがどのように使用され得るかを示すプロットを提供する。
図20図20は、一部の実施形態による患者の活動分類を決定するために、圧力センサによって測定される圧力の大きさまたは頻度がどのように使用され得るかを示すプロットを提供する。
図21図21は、一部の実施形態による患者が動くにつれ、圧力センサによって測定される圧力の大きさがどのように変化し得るかを示すプロットを提供する。
図22図22は、創傷被覆材が一部の実施形態による自身の踵に位置付けられた状態で患者の活動分類を決定するために、圧力の大きさがどのように使用され得るかを示すプロットを提供する。
図23図23は、創傷被覆材が一部の実施形態による自身の臀部に位置付けられた状態で患者の活動分類を決定するために、圧力の大きさがどのように使用され得るかを示すプロットを提供する。
図24図24は、創傷被覆材が一部の実施形態による自身の肩に位置付けられた状態で患者の活動分類を決定するために、圧力の大きさがどのように使用され得るかを示すプロットを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
概要
一部の実施形態では、TNP装置を使用して、患者の動作または生理学的特性を監視できる。TNP装置は、例えば、患者による動作のタイプを特徴付け、追跡し、報告するために、TNPシステムにおける脈圧の大きさ(例えば、振幅、ピーク−ピーク、ピーク−トラフ、等)または頻度を分析することができる。患者よる様々なタイプの動作は、経時的に圧力の大きさまたは頻度において様々な変化をもたらし得、様々な変化は患者による特定の動作を示すことができる。同様に、経時的な圧力の大きさまたは頻度の様々な変化はまた、患者の生理学的特性を計算、推定、または監視するのに使用され得る。
【0020】
創傷被覆材(例えば、米国特許出願第14/715,527号(以下「527出願」)に記載され、Fluidic Connector for Negative Pressure Wound Therapyと題され、 US2016/0339158として発行された創傷被覆材のうちの一つであり、その全体が参照として本明細書に援用される)は、患者(患者の膝、肘、踵、肩、臀部、胴部、腹部)上に位置付けられ、TNP装置によって陰圧が維持される場合にTNP装置が比較的低圧力漏れ率を達成するようにTNP装置の陰圧源に接続され得る。漏れ率は、TNP装置の陰圧源が、少なくとも一部の期間、30秒、1分、5分、10分、20分、30分、45分、60分、75分、90分、120分、150分、180分、210分、または240分毎よりもより少ない頻度で陰圧を提供し得るのに十分低くなり得る(例えば、毎日約10、20、30、50、75、100、150、200、250、300、400、500、750、または1000ml)が、陰圧は創傷被覆材下ではTNP装置によって、陰圧創傷圧療法を提供するのに十分なレベルに維持され得る。このような低漏れ速度でのTNPシステム内の経時的な圧力の大きさまたは頻度の変化は、陰圧がTNP装置によって維持される物理的な範囲での変化を示すことができ、よって、患者の動作(例えば、膝を曲げる、歩く、呼吸する、運動する、眠る、褥瘡性潰瘍のような負傷を防ぐために動く、立つ、ジャンプする、階段を横断する、脚を伸ばす、および椅子スクワットを実施する)または生理学的特性(呼吸速度、脈拍、および心拍数)を測るのに使用され得ることが望ましい。
【0021】
患者の歩行および可動性は、膝、臀部、または帝王切開の外科手術の24時間以内に推奨され得る。膝、臀部、または帝王切開の外科手術の後、TNP装置はしたがって、有利なことに、特定の実施形態では、遠隔で、および患者が自宅での回復のために帰宅した後といった、患者の回復を監視するために使用され得る。TNP装置は、活動を監視し、運動レジメン(手術した膝を改善するためなど)を決定し、患者または臨床医にフィードバック(患者のリハビリテーションに関与する複数の個人へデータを出力する、等)を提供することができる。
【0022】
本明細書に開示する実施形態は、例えば、陰圧源、ならびに創傷被覆材構成要素および装置を含む、減圧して、もしくは減圧せずに創傷を治療および/または監視する装置および方法に関する。創傷オーバーレイおよびパッキング材料、または、存在する場合には内層を備える、装置および構成要素は、時に総称して被覆材と呼ばれる。一部の実施形態では、創傷被覆材は、減圧せずに利用されるように提供され得る。
【0023】
本明細書に開示する一部の実施形態は、ヒトまたは動物の体に対する創傷療法に関する。そのため、本明細書における創傷へのいかなる言及も、ヒトまたは動物の体上の創傷を指すことができ、本明細書における体へのいかなる言及も、ヒトまたは動物の体を指し得る。本明細書で使用される用語「創傷」は、幅広い通常の意味を有するのに加えて、陰圧を使用して治療されてもよい、患者のいかなる体の一部を含む。創傷という用語は広く解釈され、皮膚が断裂、切開、もしくは穿孔される、または外傷によって挫傷が引き起こされる開放創および閉鎖創、あるいは患者の皮膚における任意の他の表面もしくは他の状態または欠陥、あるいは減圧治療によって利益を得る他のものを包含することを理解されたい。よって、創傷は、流体が生成されることもされないこともある、組織の任意の損傷領域として広く定義される。そのような創傷の例としては、腹部創傷、または手術、外傷、胸骨切開、筋膜切開、あるいは他の状態のいずれかの結果としての他の大規模または切開性の創傷、裂開創傷、急性創傷、慢性創傷、亜急性創傷および裂開創傷、外傷性創傷、フラップおよび皮膚移植片、裂傷、擦傷、挫傷、火傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、ストーマ、術創、外傷性潰瘍および静脈性潰瘍などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0024】
本明細書に開示された実施形態は、減圧により創傷を治療するシステムおよび方法に関する。本明細書に使用する通り、−XmmHgなど、減圧または陰圧レベルは、760mmHg(または1atm、29.93inHg、101.325kPa、14.696psiなど)に相当し得る、平常の周囲気圧に対する圧力レベルを表す。したがって、−XmmHgの陰圧値は、760mmHgよりもXmmHg低い絶対圧力、または、言い換えれば、(760−X)mmHgの絶対圧力を反映する。さらに、XmmHgよりも「低い」または「小さい」陰圧は、大気圧により近い圧力に相当する(例えば、−40mmHgは−60mmHgよりも低くなる)。−XmmHgよりも「高い」または「大きい」陰圧は、大気圧からより遠い圧力に相当する(例えば、−80mmHgは−60mmHgよりも高くなる)。一部の実施形態では、局所的な周囲気圧は基準点として使用され、そのような局所的な気圧は、必ずしも、例えば、760mmHgでなくてもよい。
【0025】
本開示の実施形態は、概して、局所陰圧(TNP)または減圧療法システムで使用するように適用可能である。手短に言えば、陰圧創傷療法は、組織の浮腫を減少させ、血流および顆粒組織形成を促し、過度の滲出液を除去することによって、「治癒が困難な」創傷の多くの形態を閉鎖および治癒するのを支援し、細菌負荷(および、それゆえ感染リスク)を低減することができる。加えて、療法によって、創傷の不安を減らすことが可能になり、より早期の治癒に導く。TNPシステムはまた、流体を除去することによって、外科的に閉じられた創傷の治癒を支援することができる。一部の実施形態では、TNP療法は、閉鎖の反対位置の組織を安定化するのに役立つ。TNP療法のさらなる有益な使用は、過剰な流体を除去することが重要であり、組織の生存度を確保するために移植片が組織に近接していることが求められる、移植片およびフラップにおいて見出すことができる。
【0026】
一部の実施形態では、陰圧創傷治療装置は、創傷の上に配置されるよう構成される被覆材と、被覆材と流体連通するように構成される陰圧源とを含み得る。陰圧源は、陰圧を創傷に与えるように構成される。装置はまた、創傷から除去された浸出液を収集するように構成されるキャニスタを含むことができる。キャニスタは、被覆材および陰圧源と流体連通するように構成され得る。装置はまた、陰圧源およびコントローラによって生成される圧力信号を監視するように構成される圧力センサを含む。コントローラは、監視された圧力信号の一つ以上の特性に少なくとも部分的に基づいて、キャニスタ内(または被覆材内)の滲出液のレベルを決定するように構成され得る。圧力信号の一つ以上の特徴が、キャニスタ内の浸出液のレベルが増加するにつれて変化し得る。
【0027】
様々な実施形態で、陰圧創傷療装置を動作させる方法は、被覆材とキャニスタと流体連通する陰圧源によって生成される圧力信号を監視することを含む。方法はまた、監視された圧力信号の一つ以上の特性に少なくとも部分的に基づいて、キャニスタ内(または被覆材内)の滲出液のレベルを決定することを含む。圧力信号の一つ以上の特性が、キャニスタ内の浸出液のレベルが増加するにつれて変化し得る。
【0028】
一部の実施形態では、陰圧の前方での流量制限または減少容量の量を決定するためのシステムおよび方法は、監視された圧力信号の一つ以上の特性を利用する。例えば、圧力信号の大きさまたは頻度は、圧力増加の制限として増加し得、これが陰圧源の前方の容量を効果的に減少させる。陰圧源の前方の容量は、創傷から除去された滲出液を用いたキャニスタまたは被覆材の充填によって減少し得る。
【0029】
陰圧システム
図1は、創傷カバー120によって封止された創傷くぼみ110の内部に配置された創傷充填材130を備える、陰圧または減圧創傷治療(またはTNP)システム100の実施形態を示す。創傷カバー120と組み合わされた創傷充填材130は、創傷被覆材として言及され得る。単一または複数の内腔管または導管140は、創傷カバー120と、減圧圧力を供給するように構成されるポンプアセンブリ150とを接続する。創傷カバー120は、創傷くぼみ110に流体連通することができる。図1に示される実施形態のように、本明細書で開示されるシステムの実施形態のいずれかにおいて、ポンプアセンブリは、キャニスタレスポンプアセンブリ(滲出液が、創傷被覆材に収集され、別の位置に収集するために管140を介して運ばれることを意味する)であってもよい。しかし、本明細書で開示されるいくつかのポンプアセンブリの実施形態は、キャニスタを含むまたは支持するように構成され得る。追加的に、本明細書で開示されるいくつかのシステムの実施形態において、いくつかのポンプアセンブリの実施形態は、被覆材に取り付けられ、もしくは被覆材によって支持され、または被覆材に隣接することができる。創傷充填材130は、親水性または疎水性発泡体、ガーゼ、膨張可能なバッグ等の任意の好適なタイプであってもよい。創傷充填剤130は、くぼみが大気圧で実質的に満たされるように、創傷くぼみ110に適合可能であり、陰圧下にあるとき、圧縮容量の実質的な減少も有し得る。創傷カバー120は、創傷くぼみ110を覆う実質的に流体不浸透性のシールを提供することができる。一部の実施形態では、創傷カバー120は、上部側面および下部側面を有することができ、下部側面は、創傷くぼみ110を粘着的に(または任意のその他の好適な手法において)封止する。導管140または本明細書で開示されるその他の導管は、ポリウレタン、PVC、ナイロン、ポリエチレン、シリコーン、または任意のその他の好適な材料から形成され得る。
【0030】
創傷カバー120の一部の実施形態は、導管140の端を受けるように構成される、ポート(図示せず)を有し得る。一部の実施形態では、導管140は、別のやり方では、創傷くぼみ内に所望のレベルの減圧圧力を維持するように、減圧圧力を創傷くぼみ110に供給するために創傷カバー120を通るかまたはその下を通過することができる。導管140は、ポンプアセンブリ150によって提供される減圧圧力を創傷くぼみ110に供給するように、ポンプアセンブリ150と創傷カバー120との間に少なくとも実質的に密封された流体流経路を提供するように構成される、任意の好適な物品であることができる。
【0031】
創傷カバー120および創傷充填材130は、単一な物品または一体型の単一なユニットとして提供され得る。一部の実施形態では、創傷充填材が提供されずに、創傷カバーがそれ自体として創傷被覆材とみなされてもよい。ついで、創傷被覆材は、導管140を介して、ポンプアセンブリ150といった陰圧源に接続され得る。一部の実施形態では、ポンプアセンブリ150は小形化され、持ち運び可能とすることができるが、より大きな従来のそのようなポンプがまた使用されてもよい。
【0032】
創傷カバー120は、治療されることになる創傷部位の上に置かれ得る。創傷カバー120は、創傷部位を覆う実質的に密封されたくぼみまたはエンクロージャを形成することができる。一部の実施形態では、創傷カバー120は、過剰流体の蒸発を可能にする高い水蒸気浸透性を持つフィルムを有するように構成されることができ、また創傷滲出液を安全に吸収するためにその中に含まれる超吸収性材料を有することができる。本明細書全体を通して、創傷に関して言及することが理解されるであろう。この点において、創傷という用語は広く解釈され、皮膚が断裂、切開、もしくは穿孔される、または外傷によって挫傷が引き起こされる開放創および閉鎖創、あるいは患者の皮膚における任意の他の表面もしくは他の状態または欠陥、あるいは減圧治療によって利益を得る他のものを包含することを理解されたい。よって、創傷は、流体が生成されることもされないこともある、組織の任意の損傷領域として広く定義される。そのような創傷の例としては、急性創傷、慢性創傷、外科切開およびその他の切開、亜急性創傷および裂開創傷、外傷性創傷、フラップおよび皮膚移植片、裂傷、擦傷、挫傷、火傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、ストーマ、外科創傷、外傷性潰瘍および静脈性潰瘍などが挙げられるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、本明細書に記載のTNPシステムの構成要素は、少量の創傷滲出液を滲出する切開創傷に特に適し得る。
【0033】
システムの一部の実施形態は、滲出液キャニスタを使用することなく動作するように設計される。一部の実施形態は、滲出液キャニスタを支持するように構成され得る。一部の実施形態では、管材料140がポンプアセンブリ150から迅速にかつ容易に取り除かれ得るようにポンプアセンブリ150および管材料140を構成することは、必要な場合、被覆材またはポンプを交換するプロセスを容易にする、または改善することができる。本明細書で開示されるいくつかのポンプの実施形態は、管材料とポンプとの間の任意の好適な接続を有するように構成され得る。
【0034】
一部の実施形態では、ポンプアセンブリ150は、所望の陰圧設定値で陰圧を送達するように構成されてもよく、これはおよそ−80mmHg、または約−20mmHg〜200mmHg(例えば、ユーザーによって選択されるように)を選択またはプログラムすることができる。これらの圧力は、正常な大気圧に対する相対値であり、つまり、−200mmHgは、実際に則した用語において、約560mmHgであり得ることに留意されたい。一部の実施形態では、圧力範囲は、約−40mmHgと−150mmHgとの間であり得る。代替として、最高−75mmHg、最高−80mmHgまたは−80mmHgを超える圧力範囲が使用され得る。また、他の実施形態では、−75mmHgを下回る圧力範囲が使用され得る。代替として、およそ−100mmHgまたはさらに150mmHgより上の圧力範囲が、ポンプアセンブリ150により供給され得る。
【0035】
一部の実施形態では、ポンプアセンブリ150は、連続的または断続的な陰圧療法を提供するように構成される。連続療法は、−25mmHgより上、−25mmHg、−40mmHg、−50mmHg、−60mmHg、−70mmHg、−80mmHg、−90mmHg、−100mmHg、−120mmHg、−140mmHg、−160mmHg、−180mmHg、−200mmHg、または−200mmHgより下で送達され得る。断続的な療法は、低い陰圧設定値と高い陰圧設定値との間で送達され得る。低い設定値は、0mmHgより上、0mmHg、−25mmHg、−40mmHg、−50mmHg、−60mmHg、−70mmHg、−80mmHg、−90mmHg、−100mmHg、−120mmHg、−140mmHg、−160mmHg、−180mmHg、または−180mmHgより下に設定され得る。高い設定値は、−25mmHgより上、−40mmHg、−50mmHg、−60mmHg、−70mmHg、−80mmHg、−90mmHg、−100mmHg、−120mmHg、−140mmHg、−160mmHg、−180mmHg、−200mmHg、または−200mmHgより下に設定できる。断続的治療中、低い設定値での陰圧を第一の継続時間にわたって送達することができ、また第一の継続時間の終了時には、高い設定値での陰圧を第二の継続時間にわたって送達することができる。第二の継続時間の終了時には、低い設定値での陰圧を送達することができる。第一および第二の継続時間は、同一の値または異なる値とすることができる。第一および第二の継続時間は、以下の範囲から選択することができる:2分より短い、2分、3分、4分、6分、8分、10分、または10分よりも長い。一部の実施形態では、低い設定値と高い設定値との間の切り替えを行うことは、ステップ波形、矩形波、正弦波形等に従って実施することができる。
【0036】
動作時に、創傷充填材130は、創傷くぼみ110内に挿入され、創傷カバー120は、創傷くぼみ110を密封するように配置される。ポンプアセンブリ150は、創傷充填材130を介して創傷くぼみ110に送られる陰圧源を創傷カバー120に提供する。流体(例えば、創傷滲出液)は、導管140を通して引き出され、キャニスタ内に貯蔵され得る。一部の実施形態では、流体は、創傷充填材130または一つ以上の吸収性の層(図示せず)によって吸収される。
【0037】
本出願のポンプアセンブリおよびその他の実施形態とともに利用され得る創傷被覆材は、Smith&Nephewから入手可能なRenasys−F、Renasys−G、Renasys ABおよびPico被覆材を含む。本出願のポンプアセンブリおよびその他の実施形態とともに使用され得る陰圧創傷療法システムのこうした創傷被覆材およびその他の構成要素のさらなる説明は、米国特許公開第2012/0116334号、第2011/0213287号、第2011/0282309号、第2012/0136325号および第2013/0110058号において見出され、それらの全体が参照により援用される。その他の実施形態では、その他の好適な創傷被覆材が利用され得る。
【0038】
減圧療法システムおよび方法
図2は、TNP装置202および遠隔データ処理システム204を含む、陰圧療法システム200を示す。TNP装置202は、流体流路を介してTNP装置202と流体連通する創傷被覆材を使用して創傷を治療するように使用され得る。TNP装置202には、相互に電気的通信するように構成される、コントローラ210、記憶装置212、陰圧源214と、ユーザーインターフェース216と、電源218と、圧力センサ220と、トランシーバ222とを含み得る。電源218は、TNP装置202の一つ以上の構成要素に電力を供給することができる。TNP装置202は、527出願または国際出願に記載されているものと、少なくとも部分的には同様の方法で、圧力レベルで動作することができる。第PCT/US2014/050233(以下、「233出願」)は、「Systems and Methods for Applying Reduced Pressure Therapy」と題され、国際特許公開第2015/023515号として公開され、それぞれが参照によりその全体が本明細書に援用される。さらに、装置202は、本明細書に記載されるように、少なくとも一部の場合において、527出願および/または233出願とは異なり得る圧力レベルで動作することができる。
【0039】
コントローラ210は、記憶装置212に格納された命令に少なくとも従って、TNP装置202の一つ以上の他の構成要素の動作を制御することができる。例えば、コントローラ210は、陰圧源214の動作およびそれによる陰圧の供給を制御することができる。陰圧源214には、限定されないが、ロータリーダイヤフラムポンプまたは他のダイヤフラムポンプ、圧電ポンプ、蠕動ポンプ、ピストンポンプ、ロータリーベーンポンプ、液封式ポンプ、スクロールポンプ、圧電変換器によって動作するダイヤフラムポンプ、または他の任意の好適なポンプもしくはマイクロポンプ、あるいは上記のものの任意の組み合わせなどのポンプが含まれ得る。ユーザーインターフェース216は、ユーザー入力を受信するか、またはユーザー出力を患者または介護者に提供する一つ以上の要素を含み得る。ユーザー入力を受信する一つ以上の要素は、ボタン、スイッチ、ダイヤル、またはタッチスクリーンなどを含むことができる。
【0040】
圧力センサ220は、(i)図3に示されるような陰圧源214と創傷被覆材330とに接続している流体流路350の圧力、(ii)図4に示されるような創傷被覆材での圧力、または(iii)図5に示されるような陰圧源214での、または陰圧源214内の圧力などの、創傷被覆材の下側の圧力を監視するために使用され得る。一部の実装では、圧力センサ220は、図8に示されるように、圧力の差異測定を行うことを可能にするよう、流体流路に位置付けられるか、または流体流路に流体接続される少なくとも二つの圧力センサを含み得る。例えば、第一の圧力センサは、創傷の上流に(例えば、陰圧源214の入口に、またはその近くに)位置付けられてもよく、第二の圧力センサは、創傷におけるもしくは創傷の近くの、またはキャニスタにおけるもしくはキャニスタの近くの圧力を検出するように位置付けられてもよい。この構成は、陰圧源214を創傷に接続する第一の流体流路を形成する一つ以上の内腔に加え、TNP装置202を創傷に接続する一つ以上の内腔を含み、第二の圧力センサがそれを通じて創傷におけるもしくは創傷の近くの、またはキャニスタにおけるもしくはキャニスタの近くの圧力を監視することができる、第二の流体流路を組み込むことによって達成され得る。第一および第二の流体流路は、相互に流体的に分離され得る。少なくとも二つの圧力センサが使用される場合、第一および第二の流体流路内の圧力変化のレート(例えば、ピーク−ピーク圧力または最大圧力における)が定められてもよく、第一の圧力センサと第二の圧力センサとの間で検出された圧力差が定められてもよい。これらの値は、例えば、第一の流体流路または第二の流体流路における、漏れ、閉塞、キャニスタ充填状態、血液の存在などの種々の動作状態を検出するために個々に、または一緒に使用され得る。一部の実装では、複数の冗長圧力センサが、圧力センサのうち一つ以上の故障に対して保護するために提供され得る。
【0041】
トランシーバ222は、ネットワーク206を介してデータ処理システム204と通信するように使用され得る。トランシーバ222は、例えば、TNP装置202によって管理された療法プログラムに対するアラーム、測定された圧力、または変化のようなデバイス使用データをデータ処理システム204に送信することができる。ネットワーク206は、セルラー方式通信ネットワークのような無線通信ネットワークなどの通信ネットワークであることができる。記憶装置212は、トランシーバ222によって送信され得るデバイス使用データを記憶するように使用され得る。データ処理システム204は、一部の実装では、トランシーバ222から受信した圧力データを分析して、受信した圧力データが、TNP装置202に関して記載したような分析手法を使用することなどの、所定の運動レジメンへの患者の遵守を示すものであるかどうかを決定することができる。
【0042】
図3は、図2のTNP装置202のほか、第一の流体流路350、創傷被覆材330および創傷340を含む、陰圧療法システム300を示す。TNP装置202は、第一の流体流路350を介して陰圧源214と流体連通する創傷被覆材330を使用して創傷340を治療するように使用され得る。特に、図3は、第一の流体流路350内の圧力を測定するために、圧力センサ220が、例えば、TNP装置202の入口においてまたはその近くにおいて、第一の流体流路350に位置付けられ得ることを図示する。
【0043】
図4は、創傷被覆材330が創傷340に結合された場合に創傷被覆材330の下側の圧力といった、創傷被覆材330における、またはその近くの圧力を測定するように圧力センサ220が代わりに位置付けられ得るという点において、陰圧療法システム300とは異なる陰圧療法システム400を示す。
【0044】
図5は、陰圧源214における圧力を測定するのに圧力センサ220が代わりに位置付けられ得るという点において、陰圧療法システム300とは異なる陰圧療法システム500を示す。いくつかの例では、圧力センサ220は、陰圧源214の一部分であり、かつ陰圧源214内にあり、陰圧源214によって生成された圧力を測定することができる。別の実施例では、圧力センサ220は、陰圧源214から分離され、陰圧源214の入口における、またはその近くの圧力を測定するように位置付けられ得る。
【0045】
図6は、陰圧療法システム600が、第二の流体流路352をさらに含み、また圧力センサ220が、差圧センサであり、または二つの圧力センサを含むことができるという点において、陰圧療法システム300とは異なる陰圧療法システム600を示す。圧力センサ220が二つの圧力センサを含み得る場合、圧力センサ220の二つの圧力センサのうちの一方は、第一の流体流路350に位置付けられて、第一の流体流路350内の圧力を測定することができ、圧力センサ220の二つの圧力センサのうちの他方は、第二の流体流路352に位置付けられて、第二の流体流路352内の圧力を測定することができる。圧力センサ220が差圧センサであり得る場合、圧力センサ220は、第一の流体流路350および第二の流体流路352に流体接続され得る。第一の流体流路350は、したがって、陰圧源214によって使用されて、創傷被覆材330に陰圧を与えることができ、第二の流体流路352は、主として圧力センサ220によって使用されて、創傷被覆材330の下などの創傷被覆材330における、またはその近くの圧力を測定することができる。圧力センサ220は、陰圧源214によって供給される圧力と、創傷被覆材330における、またはその近くの圧力との間の差圧測定を実施するためにTNP装置202により使用され得る。
【0046】
図7は、陰圧療法システム700が、創傷被覆材330が創傷340に結合された場合に創傷被覆材330の下側の圧力といった、創傷被覆材330における、またはその近くの圧力を測定するように位置付けられる追加的な圧力センサ722をさらに含むことができるという点において、陰圧療法システム300とは異なる陰圧療法システム700を示す。追加的な圧力センサ722は、創傷被覆材330で測定された圧力に応答して、信号を生成し、TNP装置202にその信号を出力することができる。圧力センサ220および追加的な圧力センサ722は、したがって、陰圧源214によって供給される圧力と、創傷被覆材330における、またはその近くの圧力との間の差圧測定を実施するためにTNP装置202により使用され得る。本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、圧力センサ220は、単独で、または追加的圧力センサ722と組み合わせて使用され得る。
【0047】
図8は、キャニスタ860が、第一の流体流路350において、陰圧源214と創傷被覆材330との間に結合され得るという点において、陰圧療法システム300と異なる、陰圧療法システム800を示す。キャニスタ860は、創傷340から取り出された滲出液を収集することができる。図2図7の実施例は、一部の実装において、キャニスタ860を含むようにも、同様に変更され得る。
【0048】
図9は、図2〜8のTNP装置202などの装置、527出願の図1の陰圧ユニット150、233出願の図1Aのポンプアセンブリ150、233出願の図2のポンプアセンブリ230、または、527出願または233出願に記載のその他のポンプアセンブリといった、装置によって実施可能な患者活動分類プロセス900を示す。一部の実施形態では、プロセス900は、コントローラ210によって実装され得る。便宜上、患者活動分類プロセス900は、図2〜8のTNP装置202の文脈に記載されているが、代わりに、本明細書に記載のその他のシステム、527出願または233出願で、または図示されていないその他の演算システムによって実施され得る。患者活動分類プロセス900は、有利なことに、特定の実施形態では、TNP装置202が、ある期間にわたって患者の動作に対する活動分類を決定して、提示するための活動分類の指示を患者または臨床医へ出力するか、または、患者による運動レジメンの遵守を決定することを可能にする。
【0049】
ブロック902では、プロセス900は、陰圧源214を創傷被覆材に結合する流体流路で測定された圧力の大きさまたは頻度を示す圧力データを受信することができる。例えば、プロセス900は、一つ以上の脈圧の振幅、大きさ、ピーク−ピーク、またはピーク−トラフ値を示す圧力データを受信することができる。527出願に記載された創傷被覆材の一つなどの創傷被覆材は、患者の膝、踵、肘、肩、臀部、胴部または腹部など、患者に結合され得る。圧力は、233出願に記載されるような測定手法を使用して圧力センサ220によって測定することができる。圧力センサ220は、有線または無線を介してプロセス900に情報を伝達することができる。特定の実装では、圧力センサ220は、創傷にまたはその近くに位置付けられて、無線でプロセス900に情報を伝達することができる。一部の実施形態では、圧力センサデータは、例えば、0.5秒、1秒、3秒などの継続時間にわたって測定された一つ以上の圧力の大きさを含む。
【0050】
ブロック904では、プロセス900は、圧力データを使用して一定期間の間、圧力から活動分類を決定できる。プロセス900は、例えば、期間中(例えば、少なくとも1秒間、10秒間、30秒、1分、または5分間など)の経時的な圧力の大きさの変化を分析することができる。活動分類には、一部の場合において、創傷被覆材を着用している患者による、座る、歩く、立つ、呼吸する、ジャンプする、階段を横断する、脚を伸ばす、脚を曲げる、または椅子スクワットを実施する、のうちの一つ以上が含まれ得る。いくつかの例示的な実施形態では、プロセス900は、経時的な圧力の大きさを、記憶装置212に保存された一つ以上のパターンまたは測定値など、一つ以上の圧力パターンまたは変化の他の手段と比較し、期間中の圧力からの好適な活動分類を決定できる。
【0051】
ブロック906では、プロセス900は、活動分類を示す表示を出力できる。表示は、例えば、記憶装置212への保存のために表示を出力すること、トランシーバ222を介してデータ処理システム204に表示を送信すること、ユーザーインターフェース216を介するユーザーへの提示するための表示を出力すること、または、TNP装置202の装置使用データと関連して表示を記憶すること、のうち一つ以上によって出力され得る。表示を出力することは、例えば、陰圧源214の連続的な動作を可能にするために、TNP装置202の動作を追加的に制御することができる。一部の実施例では、表示を出力することは、TNP装置202が、患者が可動である時を検出することを可能にすることができ、TNP装置はしたがって、陰圧源214を動作停止するか、またはTNP装置202を表示に従ってハバーネーションモードに入力することを可能にすることができる。
【0052】
図10は、図2〜8のTNP装置202などの装置、527出願の図1Aの陰圧ユニット150、233出願の図1のポンプアセンブリ150、233出願の図2のポンプアセンブリ230、または、527出願または233出願に記載のその他のポンプアセンブリといった、装置によって実施可能な患者の生理学的特性を決定するためのプロセス1000を示す。一部の実施形態では、プロセス1000は、コントローラ210によって実装され得る。便宜上、患者の生理学的特性を決定するためのプロセス1000は、図2〜8のTNP装置202の文脈に記載されているが、527出願または233出願、またはその代わりに図示されていない他の演算システムによって実施され得る。患者活動分類プロセス1000は、有利なことに、特定の実施形態では、TNP装置202が、患者の生理学的特性を一定期間にわたり決定し、提示するための生理学的特性の表示を患者または臨床医へ出力可能にし得る。
【0053】
ブロック1002では、プロセス1000は、陰圧源214を創傷被覆材に結合する流体流路で測定された圧力の大きさを示す圧力データを受信することができる。527出願に記載された創傷被覆材の一つなどの創傷被覆材は、患者の膝、踵、肘、肩、臀部、胴部、または腹部といった、患者に結合され得る。圧力は、例えば、233出願に記載される測定手法を使用して圧力センサ220によって測定することができる。圧力センサ220は、有線または無線を介してプロセス1000に情報を伝達することができる。特定の実装では、圧力センサ220は、創傷にまたはその近くに位置付けられて、無線でプロセス1000に情報を伝達することができる。一部の実施形態では、圧力センサデータは、0.5、1、2、3、6、10、30、または60秒、等といった継続時間にわたって測定された圧力の一つ以上の大きさを含む。
【0054】
ブロック1004で、プロセス1000は、圧力データを使用して一定期間の間、圧力から生理学的特性を決定できる。プロセス1000は、例えば、期間中(少なくとも1秒、10秒、30秒、1分、または5分の期間の間、等)の経時的な圧力の大きさの変化を分析することができる。生理学的特性には、一部の場合では、創傷被覆材を着用する患者の呼吸数、脈拍、または心拍数のうちの一つ以上を含み得る。一部の例示的な実施形態では、プロセス1000は、経時的な圧力の大きさを、記憶装置212に記憶された一つ以上のパターンまたは測定値といった、一つ以上の圧力パターンまたは変化のその他の測定値と比較し、患者の平均生理学的特性と比較して期間中の患者の生理学的特性の変化を決定することができる。
【0055】
ブロック1006では、プロセス1000は、生理学的特性を示す表示を出力できる。表示は、例えば、記憶装置212への記憶のために表示を出力すること、トランシーバ222を介してデータ処理システム204に表示を送信すること、ユーザーインターフェース216を介して提示するための表示をユーザーへ出力すること、またはTNP装置202の装置使用データと関連して表示を記憶すること、のうちの一つ以上によって出力され得る。表示の出力は、例えば、陰圧源214の連続的な動作を可能にするかまたは不能にするため、TNP装置202の動作を追加的に制御することができる。一部の実施例では、表示の出力によって、患者が異常な生理学的特性を持つ場合にTNP装置202が検出できるようにし得、よって、TNP装置は陰圧源214を動作停止し、患者または介護者に警報を送り、圧力データのサンプリング速度を増加させること等ができる。
【0056】
図11は、創傷被覆材330の一実装であり得る創傷被覆材1104が患者の膝に取り付けられ、第一の流体流路350の一実装となり得る流体流路1108を介してTNP装置202に結合された、TNPシステム1100の実施例を示す。TNP装置202は、流体流路1108および創傷被覆材1104を介して患者の膝に陰圧創傷治療を提供することができ、TNP装置202が創傷被覆材下の陰圧を、陰圧閾値を下回って維持する間は、患者による動作を監視し、追跡し、および報告することもできる。TNP装置202は、創傷被覆材下の陰圧が陰圧閾値を下回って維持される場合に、陰圧創傷療法を実施することができる。
【0057】
図12〜17は、TNP装置202が創傷被覆材下で陰圧を、陰圧閾値を下回って維持する間、図11のTNPシステム1100での時間の経時的な圧力変化例を示す。例えば、TNPシステムの圧力は、例えば、図示した患者の動作によって約5mmHg〜20mmHg変化することができる。
【0058】
図12および13は、圧力センサ220によって測定される圧力の大きさをが、患者の活動分類を決定するのにどのように使用され得るかを示す、プロット1200およびプロット1300を提供する。一定期間(例えば、1、2、3、5、7、10、または20秒)においてプロット1200に示される完全伸長閾値を上回って上昇する、または、プロット1200に示される完全伸長閾値を上回った状態にある圧力の大きさに応答して、コントローラ210などのコントローラは、患者が膝を完全に伸ばしていることを決定し得る。一定期間(例えば、1、2、3、5、7、10、または20秒)においてプロット1200に示される90°曲げ閾値を下回って降下する、または、プロット1200に示される90°曲げ閾値を下回った状態にある圧力の大きさに応答して、コントローラ210は、患者が90°の角度で膝を曲げていることを決定し得る。一定期間(例えば、1、2、3、5、7、10、または20秒)においてプロット1300に示される完全伸長閾値を上回って上昇する、または、プロット1300に示される完全伸長閾値を上回った状態にある圧力の大きさに応答して、コントローラ210は、患者が膝を完全に伸ばしていることを決定し得る。一定期間(例えば、1、2、3、5、7、10、または20秒)においてプロット1300に示される90°曲げ閾値を下回って降下する、または、プロット1300に示される90°曲げ閾値を下回った状態にある圧力の大きさに応答して、コントローラ210は、患者が90°の角度で膝を曲げていることを決定し得る。
【0059】
図14は、圧力センサ220によって測定される圧力の大きさまたは頻度が、患者の活動分類を決定するのにどのように使用され得るかを示すプロット1400を提供する。
【0060】
コントローラ210などのコントローラは、患者が様々な方法で座っていると決定し得る。例えば、圧力の大きさが、座り閾値(例えば、約625mmHg)であるか、一定期間の間(例えば、1、2、3、5、7、10、または20秒)に座り閾値近くのままであるか、または、経時的に比較的最小限量で変化する場合(プロット1400に図示される座り期間によって示されるように)、コントローラ210は患者が座っていると決定し得る。同様に、コントローラは、ピーク−ピーク圧力値に基づいて患者が座っていると決定し得る。例えば、脈圧のピーク−ピーク値がおよそ0である場合、コントローラは患者が動いていない(例えば、座っている)と決定し得る。
【0061】
さらに、一部の実施形態では、活動分類を決定するための振幅の変化に加えて、またはその代わりに、圧力信号の頻度を使用できる。例えば、図14に示されるように、患者の動きが少なくなる、または、静止が多くなるにつれ、検出された圧力信号の頻度は減少または低下する。検出された圧力信号の頻度は、患者が座っていることを検出するために決定され得る、一つ以上の頻度閾値と比較され得る。
【0062】
コントローラ210は、患者が様々な方法で立っていることを決定し得る。例えば、圧力の大きさが、立ち閾値(例えば、約363mmHg)であるか、一定期間の間(例えば、1、2、3、5、7、10、または20秒)に立ち閾値近くのままであるか、または、プロット1400に図示される立ち期間によって示されるように経時的に比較的最小限量で変化する場合、コントローラ210は患者が立っていると決定し得る。同様に、コントローラは、ピーク−ピーク圧力値に基づいて患者が立っていると決定し得る。例えば、脈圧のピーク−ピーク値がおよそ0である場合、コントローラは患者が動いていない(例えば、立っている)と決定し得る。
【0063】
さらに、一部の実施形態では、活動分類を決定するための振幅の変化に加えて、またはその代わりに、圧力信号の頻度が使用され得る。例えば、図14に示されるように、患者の動きが少なくなる、または、静止が多くなるにつれ、検出された圧力信号の頻度は減少または低下する。検出された圧力信号の頻度は、患者が立っていることを検出するために決定され得る一つ以上の頻度閾値と比較され得る。
【0064】
コントローラ210は、患者が様々な方法で歩いていることを決定し得る。例えば、圧力の大きさが、一定期間の間(例えば、1、2、3、5、7、10、または20秒)に立ち閾値近くであるか、座り閾値近くのままであるか、または、プロット1400に図示される歩行期間によって示されるように経時的に比較的中程度の量で変化する場合、コントローラ210は患者が歩いていると決定し得る。同様に、コントローラは、ピーク−ピーク圧力値に基づいて患者が歩いていると決定し得る。脈圧のピーク−ピーク値が、比較的中程度の量(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10mmHg)を引いた立ち閾値にほぼ等しい場合、コントローラは患者が動いている(例えば、歩いている)と決定し得る。例えば、ピーク−ピーク圧力値が約4、5、6、7、または8mmHgである場合、コントローラは患者が歩いていると決定し得る。
【0065】
さらに、一部の実施形態では、活動分類を決定するための振幅の変化に加えて、またはその代わりに、圧力信号の頻度が使用され得る。例えば、図14に示されるように、患者が動くか、またはより活動的になるにつれて、検出された圧力信号の頻度が増加する。検出された圧力信号の頻度は、患者が歩いていることを検出するために決定され得る、一つ以上の頻度閾値と比較され得る。
【0066】
コントローラ210は、患者が一続きの階段を様々な方法で上っていると決定し得る。例えば、圧力の大きさが、一定期間の間(例えば、1、2、3、5、7、10、または20秒)立ち閾値近くであるか、座り閾値近くのままであるか、または、プロット1400に図示される階段上り期間によって示されるように経時的に比較的有意な量で変化する場合、コントローラ210は患者が階段を歩いて上っていると決定し得る。同様に、コントローラは、ピーク−ピーク圧力値に基づいて、患者が一続きの階段を歩いて上っていると決定し得る。脈圧のピーク−ピーク値が、比較的中程度の量(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10mmHg)だけ、歩行に関連するピーク−ピーク値を超える場合、コントローラは患者が動いている(例えば、一続きの階段を歩いて上っている)と決定し得る。例えば、ピーク−ピーク値圧力値がおよそ6、7、8、9、または10mmHgである場合、コントローラは、患者が一続きの階段を歩いて上っていると決定し得る。
【0067】
さらに、一部の実施形態では、活動分類を決定するための振幅の変化に加えて、またはその代わりに、圧力信号の頻度が使用され得る。例えば、図14に示されるように、患者が動くか、またはより活動的になるにつれて、検出された圧力信号の頻度が増加する。検出された圧力信号の頻度は、患者が階段を歩いて上っていることを検出するために決定され得る、一つ以上の頻度閾値と比較され得る。
【0068】
コントローラ210は、患者が様々な方法で椅子スクワットをしていることを決定し得る。例えば、圧力の大きさが、一定期間の間(例えば、1、2、3、5、7、10、または20秒)立ち閾値近くであるか、座り閾値近くのままであるか、または、プロット1400に図示される椅子スクワット期間によって示されるような経時的に比較的有意な量で変化する場合、コントローラ210は患者が椅子スクワットを実施していることを決定し得る。同様に、コントローラは、ピーク−ピーク圧力値に基づいて患者が椅子スクワットをしていることを決定し得る。脈圧のピーク−ピーク値が、比較的中程度の量(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10mmHg)だけ、歩いているおよび/または一続きの階段を歩いて上っていることに関連するピーク−ピーク値を超える場合、コントローラは患者が動いている(例えば、椅子スクワットをしている)と決定し得る。例えば、ピーク−ピーク圧力値が約8、9、10、11、または12mmHgである場合、コントローラは、患者が椅子スクワットをしていると決定し得る。
【0069】
さらに、一部の実施形態では、活動分類を決定するための振幅の変化に加えて、またはその代わりに、圧力信号の頻度が使用され得る。例えば、図14に示されるように、患者が動くか、またはより活動的になるにつれて、検出された圧力信号の頻度が増加する。検出された圧力信号の頻度は、患者が椅子スクワットをしていることを検出するために決定され得る、一つ以上の頻度閾値と比較され得る。
【0070】
図15〜17は、圧力センサ220によって測定される圧力の大きさが、患者による異なる着用をどのように変えることができるのかを示す、プロット1500、プロット1600、およびプロット1700を提供する。コントローラ210などのコントローラは、例えば、患者が高レベルの歩行を実施したプロット1600に示される圧力の大きさから決定し得、および、患者が低レベルの歩行を実施したプロット1700に示される圧力の大きさから決定し得る。
【0071】
図12〜17または本明細書に開示されるその他の任意の実施形態は、経時的に一定の陰圧閾値(例えば、水平な線によって表される閾値)を示し得るが、一部の実施例では、陰圧閾値は、経時的に増加または減少し得る(例えば、図24〜26参照)。こうした閾値変化は、様々な要因の結果であり得、例えば、陰圧の減少を引き起こすシステム内の圧力漏れによる創傷被覆材下の陰圧の増加または減少を含むが、これに限定されない。
【0072】
図18は、創傷被覆材330の一実装であり得る創傷被覆材1830が患者の踵に取り付けられ、第一の流体流路350の一実装となり得る流体流路1850を介してTNP装置202に結合された、TNPシステム1800の実施例を示す。TNP装置202は、流体流路1850および創傷被覆材1830を介して患者の踵に陰圧創傷治療を提供することができ、TNP装置202が創傷被覆材下の陰圧を、陰圧閾値を下回って維持する間は、患者による動作を監視し、追跡し、および報告することもできる。TNP装置202は、創傷被覆材下の陰圧が陰圧閾値を下回って維持される場合に、陰圧創傷療法を実施することができる。
【0073】
図19〜21は、TNP装置202が創傷被覆材下で陰圧を、陰圧閾値を下回って維持する間、図18のTNPシステム1800での経時的な圧力変化例を示す。例えば、TNPシステムの圧力は、図示した患者の動作により、約5mmHg〜50mmHg変化し得る。
【0074】
図19は、圧力センサ220によって測定される圧力の大きさが、患者の活動分類を決定するのに、どのように使用され得るかを示すプロット1900を提供する。一定期間(例えば、1、2、3、5、7、10、または20秒)においてプロット1900に示される立ち閾値を上回って上昇するか、または、プロット1900に示される立ち閾値を上回った状態にある圧力の大きさに応答して、コントローラ210といったコントローラは、患者が立っていると決定し得る。一定期間(例えば、1、2、3、5、7、10、または20秒)においてプロット1900に示される非立ち閾値を下回って降下する、または、プロット1900に示される非立ち閾値を下回った状態にある圧力の大きさに応答して、コントローラ210は、患者が立っていないと決定し得る。立っていない、とは、例えば、被覆材が取り付けられている踵に体重をかけていないこと、または、踵が部分的にまたは完全に負荷がかかっていないことを意味し得る。患者は、例えば、ベッドで横たわるか、または座った状態から立ち上がる場合といった、立っていない状態から立っている状態に移行する場合がある。
【0075】
図20は、圧力センサ220によって測定される圧力の大きさまたは頻度が患者の活動分類を決定するためにどのように使用され得るかを示すプロット2000を提供する。
【0076】
コントローラ210などのコントローラは、患者が様々な方法で直立していることを決定し得る。例えば、一定期間の間(例えば、1、2、3、5、7、10、または20秒)圧力の大きさが、直立閾値(例えば、約685mmHg)近くであるか、直立閾値近くのままであるか、または、(プロット2000に図示される直立期間によって示されるように)経時的に比較的最小限量で変化する場合、コントローラ210は患者が直立していると決定し得る。同様に、コントローラは、ピーク−ピーク圧力値に基づいて患者が直立していると決定し得る。例えば、脈圧のピーク−ピーク値がおよそ0であるかまたは比較的最小である場合、コントローラは患者が動いていない(例えば、直立している)と決定し得る。
【0077】
さらに、一部の実施形態では、活動分類を決定するための振幅の変化に加えて、またはその代わりに、圧力信号の頻度を使用できる。例えば、図20に示されるように、患者の動きが少なくなる、または、静止が多くなるにつれ、検出された圧力信号の頻度は減少または低下する。検出された圧力信号の頻度は、患者が直立していることを検出するために決定され得る一つ以上の頻度閾値と比較できる。
【0078】
コントローラ210といったコントローラは、患者が様々な方法で歩いていることを決定し得る。例えば、圧力の大きさが、一定期間の間(例えば、1、2、3、5、7、10、または20秒)立ち閾値近くであるか、座り閾値近くのままであるか、または、プロット2000に図示される歩行期間によって示されるように経時的に比較的中程度量(例えば、およそ40mmHg)で変化する場合、コントローラ210は患者が歩いていると決定し得る。同様に、コントローラは、ピーク−ピーク圧力値に基づいて患者が歩いていると決定し得る。脈圧のピーク−ピーク値が、比較的中程度の量(例えば、20、30、40、50、または60mmHg)マイナスだけ、立ち閾値にほぼ等しい場合、コントローラは患者が動いている(例えば、歩いている)と決定し得る。例えば、ピーク−ピーク圧力値がおよそ45mmHgである場合、コントローラは患者が歩いていると決定し得る。
【0079】
図21は、圧力センサ220によって測定される圧力の大きさが、患者が動くにつれてどのように変化し得るかを示すプロット2100を提供する。
【0080】
創傷被覆材330は、患者の踵、臀部、肩、膝、胴部、腹部、または肘に取り付けられ、第一の流体流路350などの流体流路を介してTNP装置202に結合され得る。TNP装置202は、流体流路および創傷被覆材330を介して患者の踵、肘、肩、臀部、膝、胴部、または腹部に陰圧創傷治療を提供することができ、TNP装置202が創傷被覆材下の陰圧を、陰圧閾値を下回って維持する間は、患者による動作を監視し、追跡し、および報告することもできる。TNP装置202は、創傷被覆材下の陰圧が陰圧閾値を下回って維持される場合に、陰圧創傷療法を実施することができる。一部の実施では、TNP装置202は、TNPシステムの圧力変化によって、患者が横たわっているか、横たわっていないか、横たわっている間に位置を変えているかどうかを決定し得る。例えば、こうしたTNPシステムの閾値圧力は、患者のそのような動作により、約5mmHg〜50mmHg変化し得る。
【0081】
図22は、圧力センサ220によって測定される圧力の大きさが、創傷被覆材が自身の踵に位置付けられた患者の活動分類を決定するのに、どのように使用され得るかを示すプロット2200を提供する。例えば、圧力の大きさは、患者が位置を変化させるにつれて、変化し得る。閾値圧力変化は、例えば、被覆材が患者の踵上に位置付けられた場合に約5mmHg変化し得る。その他の場合、閾値圧力は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10mmHg、またはその他の任意の好適な値だけ変化し得る。
【0082】
図示されているように、踵が患者の体重を支える場合といった、踵に完全に負荷がかかる場合、陰圧の大きさが低下する(またはより正になる)。逆に、被覆材が位置付けられている脚が上げられる場合、といった、踵に完全に負荷がかかっていない場合、圧力の大きさは増加する(またはより負になる)。プロット2200は、横たわっている患者が、10秒間またはその他の任意の好適な期間の間、被覆材を着用している脚を上げ(完全に負荷がなくなる)、さらに、10秒間またはその他の任意の好適な期間の間、マットレスに脚を再度位置付ける(完全に負荷がかかる)間にとられる、一連の圧縮測定値を表わすことができる。圧力測定値は、例えば、2分間毎、または2分間またはその他の任意の好適な期間にわたるその他の任意の好適な頻度で取られ得る。一部の実施形態では、経時的に圧力を監視することは、患者が自身の脚を動かしているかどうかを決定すること、といった、ベッドでの患者の配向を監視するために使用され得る。
【0083】
図23は、圧力センサ220によって測定される圧力の大きさが、創傷被覆材が自身の臀部に位置付けられた患者の活動分類を決定するのに、どのように使用され得るかを示すプロット2300を提供する。例えば、圧力の大きさは、患者が位置を変化させるにつれて、変化し得る。閾値圧力変化は、例えば、被覆材が患者の臀部上に位置付けられた場合に約6mmHg変化し得る。その他の場合、閾値圧力は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10mmHg、またはその他の任意の好適な値だけ変化し得る。
【0084】
図示されているように、臀部が患者の体重を支える場合といった、臀部に完全に負荷がかかる場合、陰圧の大きさが低下する(またはより正になる)。逆に、患者が、被覆材が位置付けられている側では横たわっていない場合、といった、臀部に完全に負荷がかかっていない場合、圧力の大きさは増加する(またはより負になる)。プロット2300は、横たわっている患者が、10秒間またはその他の任意の好適な期間の間、被覆材が位置付けられた側に横たわる(完全に負荷がかかる)ことから、10秒間またはその他の任意の好適な期間の間、仰向けまたはうつ伏せに横たわる(完全に負荷がかかっていない)まで移行する間にとられる、一連の圧縮測定値を表わすことができる。圧力測定値は、例えば、2分間毎、または2分間またはその他の任意の好適な期間にわたるその他の任意の好適な頻度で取られ得る。一部の実施形態では、経時的に圧力を監視することは、患者が寝返りをしているかどうかを決定すること、といった、ベッドでの患者の配向を監視するために使用され得る。
【0085】
図24は、圧力センサ220によって測定される圧力の大きさが、創傷被覆材が自身の肩に位置付けられた患者の活動分類を決定するのに、どのように使用され得るかを示すプロット2400を提供する。例えば、圧力の大きさは、患者が位置を変化させるにつれて、変化し得る。閾値圧力変化は、例えば、被覆材が患者の肩上に位置付けられた場合に約10mmHg変化し得る。その他の場合、閾値圧力は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10mmHg、またはその他の任意の好適な値だけ変化し得る。
【0086】
図示されているように、肩が患者の体重を支える場合といった、肩に完全に負荷がかかる場合、陰圧の大きさが低下する(またはより正になる)。逆に、患者が、被覆材が位置付けられている側では横たわっていない場合、といった、肩に完全に負荷がかかっていない場合、圧力の大きさは増加する(またはより負になる)。プロット2400は、横たわっている患者が、10秒間またはその他の任意の好適な期間の間、被覆材が位置付けられた側に横たわる(完全に負荷がかかる)ことから、10秒間またはその他の任意の好適な期間の間、仰向けまたはうつ伏せに横たわる(完全に負荷がかかっていない)まで移行する間にとられる、一連の圧縮測定値を表わすことができる。圧力測定値は、例えば、2分間毎、または2分間またはその他の任意の好適な期間にわたるその他の任意の好適な頻度で取られ得る。一部の実施形態では、経時的に圧力を監視することは、患者が寝返りをしているかどうかを決定すること、といった、ベッドでの患者の配向を監視するために使用され得る。
【0087】
一部の実施形態では、圧力の大きさの変化に応答して、コントローラ210などのコントローラは、患者が横たわっているかまたは別の位置に横たわる間に位置を変えていることを決定するよう構成され得る。例えば、こうしたTNPシステムの閾値圧力は、患者の動作等により、約5mmHg〜50mmHg(またはその他の任意の好適な値)変化し得る。完全負荷閾値と完全無負荷閾値との間で変化する圧力の大きさに応答して(例えば、プロット64〜66に示すように)、コントローラ210は、患者が位置を変えている(寝返りをうつ、横に横たわる、座る、膝または肘を曲げる、等)と決定し得る。一部の場合では、コントローラ210はさらに、閾値圧力変化を満たす圧力の大きさの変化に応答して、個人が横たわっている間に位置を変えているという表示を出力するよう構成される。
【0088】
一部の実施では、コントローラ210などのコントローラは、患者が横たわるか別の位置に横たわる間に位置を変えていない継続期間を検出するよう構成される。患者の動作の検出は、患者の呼吸、心拍数、脈拍数、意識、等を検出することといった、生理学的状態を検出するか、または、負傷の可能性、褥瘡性潰瘍の発生(褥瘡または床ずれとしても知られている)、意識喪失、等を防止または減少させるために使用され得る。被覆材が患者の胴部、胸部、手首、首、または呼吸を検出できるその他任意の領域上に位置付けられた場合、本明細書に記載の手法のいずれかを使用して患者呼吸の検出を実施することができる。一部の場合、被覆材は、胸部の回りに着用するよう構成されるストラップ(例えば、円周方向に膨張可能なストラップ)、および、手首、首、等といった脈が目立つ領域上に配置されることになるアタッチメント(例えば、剛性の半球体に構成される)といった、患者の呼吸を検出するよう設計されたカスタムインターフェースに接続され得る。患者の心拍数または脈拍数の検出は、本明細書に記載される手法(例えば、患者の呼吸の検出と同様)のいずれかを使用して実施され得る。一部の実施形態では、患者の呼吸または脈動血液の結果として、検出された圧力の変化は、呼吸数、心拍数、または脈拍数と関連付けられ得る。
【0089】
例えば、圧力センサ220によって測定された圧力の大きさが、一定期間(例えば、10分、15分、30分、1時間、2時間、3時間、5時間、8時間)の完全無負荷閾値よりを下回って降下する場合、個人が位置を変えていないという表示は、褥瘡性潰瘍の発生、負傷の発生、意識喪失のうちの少なくとも一つに関連付けられ得る。これに応じて、コントローラは、警報をトリガーすることができ、介護者に通知し、より頻繁な圧力測定を開始するか、またはそうでなければ、患者が医療上の注意を必要とし得ると決定する。
【0090】
生理学的特性は、コントローラによって様々な方法で決定され得る。例えば、経時的に(例えば、1、2、3、5、7、10、または20秒間、または任意の他の好適な継続時間)比較的中程度の量だけ変化する圧力の大きさ(例えば、1、2、3、または4mmHg未満または任意の他の好適な圧力)に対応して、コントローラ210といったコントローラは、経時的な大きさの変化に基づいて患者の生理学的特性(呼吸数、脈拍、心拍数)を検出できる。例えば、コントローラ210は、患者の胴部などの身体の領域に被覆材が適用された場合に、患者の呼吸数または呼吸を検出するように構成され得る。同様に、コントローラ210は、患者の踵、臀部、肩、膝、胴部、腹部、または肘などの身体の領域に被覆材が適用された場合に、患者の心拍数または脈拍を検出するように構成され得る。
【0091】
一部の実施例では、一つ以上のまたはセンサが、圧力センサと併せて利用され、患者の生理学的特性を決定し得る。例えば、胸部ストラップは呼吸を測定するように構成され得、首または手首ストラップは脈拍を測定するよう構成され得、心拍数モニタは心拍数を測定するよう構成され得る。圧力センサおよびその他のセンサによって決定される生理学的特性は、推定精度レベルを決定するために比較され得る。推定された精度レベルが閾値を満たすか、満足している場合、生理学的特性はユーザーに出力され得る。
【0092】
一部の実施例では、圧力の大きさは、患者の生理学的特性(呼吸数、脈拍、心拍数、等)を計算、推定、監視、追跡、または報告するため、TNP装置のコントローラによって使用され得る。検出は、例えば、圧力の大きさのリズム変化に応答して実施され得る。
【0093】
さらに別の実施例では、創傷被覆材330は、患者の肘に取り付けられ、第一の流体流路350などの流体流路を介してTNP装置202に結合され得る。TNP装置202は、流体流路および創傷被覆材330を介して患者の肘に陰圧創傷治療を提供することができ、TNP装置202が創傷被覆材下の陰圧を、陰圧閾値を下回って維持する間は、患者による動作を監視し、追跡し、および報告することもできる。TNP装置202は、創傷被覆材下の陰圧が陰圧閾値を下回って維持される場合に、陰圧創傷療法を実施することができる。一部の実施では、TNP装置202は、TNPシステムの圧力変化によって、患者が肘を延ばしているのに対して肘を曲げているかどうかを決定し得る。例えば、こうしたTNPシステムの圧力は、患者の動作等により、約5mmHg〜50mmHg変化し得る。したがって、TNP装置202は、椅子アームなどの圧迫性潰瘍の防止を支援するために使用できる。
【0094】
一部の実施では、TNP装置202の一つ以上の幾何学的形状、流体流路350、および創傷被覆材330の幾何学的形状などのTNPシステムの幾何学的形状は、検出された圧力変化を増幅するように修正または設計され得る。幾何学的形状は、例えば、容量変化を増加させることによって増加させることができ、したがって、異なる四肢位置間で圧力変化をもたらすことができる。
【0095】
一部の実装では、創傷被覆材以外の被覆材(例えば、穿孔または吸収性を持たない創傷の治療には使用されず、三次元空間であり得る被覆材)を、本明細書に開示される実施形態と併用することができる。したがって、TNPシステムは、負の創傷圧力療法を実施することなく、移動検出器として機能することができる。
他の変化形
【0096】
本明細書で提供される閾値、限界値、期間などの値は、絶対的なものであることを意図するものではなく、したがっておおよそのものであり得る。さらに、本明細書で提供される任意の閾値、限界値、期間などは、自動的にまたはユーザーによって、固定されるかまたは変えられ得る。さらに、本明細書で使用される場合、参照値に関連した、超える、超、未満などの相対的な程度を表す用語は、参照値と等しい場合も包含することが意図される。例えば、正の方向に参照値を超えることは、参照値以上であることを包含することができる。その上、本明細書で使用される場合、参照値に関連した、超える、超、未満などの相対的な程度を表す用語は、参照値に関連した、未満である、未満、超などの開示された関係とは逆のものも包含することが意図される。また、種々のプロセスのブロックは、ある値が特定の閾値に達するかまたは達しないかを判定することに関して説明され得るが、ブロックは、例えば、ある値が(i)閾値未満であるかもしくは閾値を超えているか、または(ii)閾値を満たすかもしくは満たしていないかに関しても同様に解釈され得る。
【0097】
特定の態様、実施形態、または実施例に関連して説明される特性、物質、特徴、または群は、本明細書に記載される他の任意の態様、実施形態、または実施例に、これらと両立できないことがない限り、適用可能であることを理解されたい。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面のいずれをも含む)に開示する特徴のすべて、または同様に開示するいずれの方法もしくは過程のステップのすべては、そのような特徴またはステップの少なくとも一部が、互いに排他的である組み合わせを除き、いかなる組み合わせで組み合わせられてもよい。本発明の保護するものは、前述の任意の実施形態の詳細に限定されない。保護するものは、本明細書(添付の任意の特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)において開示される特徴のうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせにおよび、または同様に開示される任意の方法またはプロセスのステップのうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0098】
一定の実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態は、単に例として提示されており、保護範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に記載の新規な方法およびシステムは、様々な他の形態で具現化されてもよい。さらに、本明細書に記載の方法およびシステムの形態において、様々な省略、置換、および変形がなされ得る。一部の実施形態では、図示または開示されたプロセスにおいて実施される実際のステップは、図に示されたステップとは異なり得ることを、当業者は認識するであろう。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。例えば、開示されるプロセスで実施される実際のステップまたはステップの順序は、図で示したものとは異なっていてもよい。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。例えば、図に示した様々な構成要素が、プロセッサ、コントローラ、ASIC、FPGA、または専用ハードウェア上のソフトウェアまたはファームウェアとして実装されてもよい。コントローラ、プロセッサ、ASIC、FPGAおよび類似ものなど、ハードウェア構成要素は論理回路を含み得る。さらに、上記に開示された特定の実施形態の特徴および特性は、様々な方法で組み合わせることができ、さらなる実施形態を形成することができるが、その全てが本開示の範囲内に収まることになる。
【0099】
本開示には、特定の実施形態、実施例、および適用例が含まれるが、本開示は、具体的に開示された実施形態の範囲を超えて、他の代替の実施形態または使用ならびにその明らかな変更形およびその等価物にまでおよび、これには本明細書に記載された特徴および利点の全てを提供しているとは限らない実施形態が含まれることは、当業者に理解されるはずである。したがって、本開示の範囲は、本明細書における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、本明細書に提示されるまたはこの後に提示される特許請求の範囲によって画定され得る。
【0100】
「し得る(can)」、「できる(could)」、「可能性がある(might)」、または「場合がある(may)」などの条件付き言い回しは、別途具体的に記載されない限り、または使用される文脈の範囲内で別途解釈されない限り、一定の実施形態が、特定の特徴、要素、またはステップを含む一方で、他の実施形態は含まないということの伝達を意図するのが通例である。したがって、こうした条件付き言い回しは、特徴、要素、またはステップが一つ以上の実施形態に多少なりとも必要とされるという示唆、またはこれらの特徴、要素、もしくはステップが特定の任意の実施形態に含まれているかどうか、もしくは該実施形態で実施されるべきかどうかを、ユーザー入力または命令の有無にかかわらず決定するためのロジックが、一つ以上の実施形態に必然的に含まれているという示唆を必ずしも意図するものではない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」などの用語は、同義語であり、包含的に非限定様式で用いられ、追加の要素、特徴、行為、および動作などを排除するものではない。また、用語「または(or)」は、包括的な意味で(排他的な意味ではなく)用いられることで、例えば要素の列記をつなぐのに使用される場合、列記の要素のうちの一つ、一部、または全てを意味することになる。さらに、用語「各々」は、本明細書で使用される場合、通常の意味を有するのに加えて、用語「各々」が適用されている一連の要素の任意のサブセットも意味し得る。
【0101】
語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも一つ」などの連言的言い回しは、別途具体的に記載されない限り、ある項目や用語などが、Xか、Yか、Zのいずれかであり得ることを示唆するのに一般的に用いられる文脈によって、別途解釈されるものである。したがって、こうした連言的言い回しは、一定の実施形態が、少なくとも一つのXと、少なくとも一つYと、少なくとも一つのZとを含むことを必要とするという示唆を必ずしも意図するものではない。
【0102】
本明細書で使用される「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語などの、本明細書で使用される程度を表す言い回しは、所望の機能を依然として果たすかまたは所望の結果をもたらす所定の値、量、または特性に近い値、量、または特性を表すものである。例えば、「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語は、所定の量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、および0.01%未満以内の量を意味し得る。別の例として、一定の実施形態において、「概して平行」および「実質的に平行」という用語は、丁度平行である状態から15度以下、10度以下、5度以下、3度以下、1度以下、または0.1度以下ずれている値、量、または特性を意味する。
【0103】
本開示の範囲は、本節におけるまたは本明細書の他の箇所における好ましい実施形態の特定の開示によって制限されることを意図するものではなく、本節においてまたは本明細書の他の箇所において提示されているか、またはこの後に提示される特許請求の範囲によって画定され得る。本特許請求の範囲の言い回しは、本特許請求の範囲で用いられている言い回しに基づいて広い意味で解釈されるべきであり、本明細書で説明されている例または本出願の手続きの間に説明される例に限定されるものではなく、それらの例は非排他的なものとして解釈されるべきである。
[付記項1]
創傷に陰圧を加える装置であって、
創傷被覆材に流体流路を介して結合して、前記創傷被覆材に陰圧を与えるように構成される陰圧源と、
前記陰圧源によって生成される前記流体流路内の圧力の大きさを監視するように構成されるセンサと、
コントローラであって、
前記陰圧源が前記流体流路内の前記圧力の大きさを、陰圧閾値を下回って維持する間は、経時的な前記圧力の大きさの変化に基づいて活動分類を決定し、前記活動分類が前記創傷被覆材を着用している間に個人によって従事される活動のタイプを示し、
前記活動分類の表示を出力するよう構成されるコントローラと、を備える装置。
[付記項2]
前記活動分類が、呼吸する、横たわっている間に位置を変える、座る、歩く、立つ、ジャンプする、階段を横断する、脚を伸ばす、脚を曲げる、または椅子スクワットを実施する、のうちの一つ以上を含む、付記項1に記載の装置。
[付記項3]
前記創傷被覆材が、個人の膝、踵、肘、肩、臀部、胴部、または腹部のうちの一つ以上の上に位置付けられるように構成される、付記項1〜2のいずれかに記載の装置。
[付記項4]
前記コントローラが、
前記活動分類を、前記個人に関連付けられた、割り当てられた分類と比較し、
前記活動分類が前記割り当てられた分類と一致するかどうかの表示を出力するようさらに構成される、付記項1〜3のいずれかに記載の装置。
[付記項5]
前記コントローラが、前記割り当てられた分類に一致する前記活動分類に応答して、前記陰圧源を起動または動作停止するようにさらに構成される、付記項4に記載の装置。
[付記項6]
ユーザーインターフェースへのユーザー入力として前記割り当てられた分類を受信するように構成されるユーザーインターフェースをさらに備える、付記項4に記載の装置。
[付記項7]
提示するための前記活動分類の前記表示を出力するように構成されるユーザーインターフェースをさらに備える、付記項1〜6のいずれかに記載の装置。
[付記項8]
前記コントローラが、表示画面上で前記個人に提示するための前記活動分類の前記表示を無線で出力するようにさらに構成される、付記項1〜7のいずれかに記載の装置。
[付記項9]
前記活動分類が、少なくとも1秒、10秒、30秒、1分、または5分の継続時間にわたる前記圧力の大きさの前記変化に応答する、付記項1〜8のいずれかに記載の装置。
[付記項10]
前記活動分類を記憶するように構成される記憶装置をさらに備える、付記項1〜9のいずれかに記載の装置。
[付記項11]
前記コントローラが、通信ネットワークを介して前記活動分類の前記表示を演算装置に送信するようさらに構成される、付記項1〜10のいずれかに記載の装置。
[付記項12]
前記コントローラが、対応する期間中に前記陰圧源の使用を反映する使用データと関連して、前記活動分類の前記表示を、記憶装置に記憶するようにさらに構成される、付記項1〜11のいずれかに記載の装置。
[付記項13]
前記流体流路が、少なくとも一つの内腔を備える、付記項1〜12のいずれかに記載の装置。
[付記項14]
前記流体流路が、複数の内腔を備える、付記項1〜13のいずれかに記載の装置。
[付記項15]
前記センサが、前記創傷被覆材における前記圧力を、前記流体流路の一つ以上の内腔で、または前記陰圧源の入口で監視するように構成される、付記項1〜14のいずれかに記載の装置。
[付記項16]
前記流体流路を介して前記創傷被覆材と前記陰圧源とに流体連通するようさらに構成されるキャニスタであって、前記創傷から吸引される滲出液を収集するよう構成される、付記項1〜15のいずれかに記載の装置。
[付記項17]
前記陰圧源が、前記圧力の大きさが前記陰圧閾値を下回って維持される場合に陰圧を供給するよう構成される、付記項1〜16のいずれかに記載の装置。
[付記項18]
前記コントローラが、閾値圧力変化を満たす前記圧力の大きさの変化に応答して、前記個人が横たわっている間に位置を変えているという表示を出力するようさらに構成される、付記項1〜17のいずれかに記載の装置。
[付記項19]
前記被覆材が踵上に位置付けられるように構成される場合は、前記閾値圧力変化が約5mmHgであり、
前記被覆材が臀部上に位置付けられるように構成される場合は、前記閾値圧力変化が約6mmHgであり、
前記被覆材が肩上に位置付けられるように構成される場合は、前記閾値圧力変化が約10mmHgである、付記項18に記載の装置。
[付記項20]
前記コントローラが、前記個人が横たわっている間に位置を変えていない継続時間を検出し、閾値期間を満たす前記検出された期間に応答して別の表示を出力するようさらに構成される、付記項1〜19のいずれかに記載の装置。
[付記項21]
前記個人が位置を変えていないという前記別の表示が、褥瘡性潰瘍の発生、負傷の発生、意識喪失のうちの少なくとも一つに関連付けられる、付記項20に記載の装置。
[付記項22]
前記コントローラが、前記被覆材が胴部に適用された場合に、呼吸をしていることを決定し、かつその表示を提供するようさらに構成される、付記項1〜21のいずれかに記載の装置。
[付記項23]
前記コントローラが、経時的な前記圧力の大きさの変化に基づいて、心拍数または脈拍数の少なくとも一つを検出し、かつその表示を提供するようにさらに構成される、付記項1〜21のいずれかに記載の装置。
[付記項24]
前記コントローラが、経時的な前記圧力の大きさのピーク−ピーク変化に基づいて、前記活動分類を決定するようさらに構成される、付記項1〜23のいずれかに記載の装置。
[付記項25]
陰圧創傷療法装置を動作させる方法であって、
患者の創傷の上に位置付けられた創傷被覆材に、流体流路を介して流体結合された陰圧源を操作することと、
前記流体流路内の圧力の大きさを、センサを介して監視することと、
コントローラによって、前記陰圧源が前記流体流路内の前記圧力の大きさを、陰圧閾
値を下回って維持する間は、経時的な前記圧力の大きさの変化に基づいて活動分類を決定することであって、前記活動分類が前記創傷被覆材を着用している間に前記個人によって従事される活動のタイプを示す、決定することと、
前記コントローラによって、前記活動分類の表示を出力することと、を含む、方法。
[付記項26]
前記活動分類が、呼吸する、横たわっている間に位置を変える、座る、歩く、立つ、ジャンプする、階段を横断する、脚を伸ばす、脚を曲げる、または椅子スクワットを実施する、のうちの一つ以上を含む、付記項25に記載の方法。
[付記項27]
前記創傷被覆材が、前記個人の膝、踵、肘、肩、臀部、胴部、または腹部上に位置付けられる、付記項25または26のいずれかに記載の方法。
[付記項28]
前記活動分類を、前記患者に関連付けられた割り当てられた分類と比較することと、
前記活動分類が前記割り当てられた分類と一致するかどうかの表示を出力することと、をさらに含む、付記項25〜27のいずれかに記載の方法。
[付記項29]
前記割り当てられた分類に一致する前記活動分類に応答して、前記陰圧源を作動または動作停止させることをさらに含む、付記項28に記載の方法。
[付記項30]
前記ユーザーインターフェースへのユーザー入力として前記割り当てられた分類を受信することをさらに含む、付記項28に記載の方法。
[付記項31]
提示するための前記活動分類の前記表示を出力することをさらに含む、付記項25〜30のいずれかに記載の方法。
[付記項32]
表示画面上で前記患者に提示するための前記活動分類の前記表示を無線で出力することをさらに含む、付記項25〜31のいずれかに記載の方法。
[付記項33]
前記活動分類が、少なくとも1秒、10秒、30秒、1分、または5分の継続時間にわたる前記圧力の大きさの変化に応答する、付記項25〜32のいずれかに記載の方法。
[付記項34]
前記活動分類を記憶装置に記憶することをさらに含む、付記項25〜33のいずれかに記載の方法。
[付記項35]
前記活動分類の前記表示を、通信ネットワークを介して演算装置に送信することをさらに含む、付記項25〜34のいずれかに記載の方法。
[付記項36]
対応する期間中に前記陰圧源の使用を反映する使用データと関連して、前記活動分類の前記表示を記憶装置に保存することをさらに含む、付記項25〜35のいずれかに記載の方法。
[付記項37]
前記流体流路が少なくとも一つの内腔を備える、付記項25〜36のいずれかに記載の方法。
[付記項38]
前記流体流路が、複数の内腔を備える、付記項25〜37のいずれかに記載の方法。
[付記項39]
前記創傷被覆材における前記圧力を、前記流体流路の一つ以上の内腔で、または前記陰圧源の入口で監視することをさらに含む、付記項25〜38のいずれかに記載の方法。
[付記項40]
前記流体流路を介して前記創傷被覆材と前記陰圧源とに流体連通するキャニスタ内の前記創傷から吸引される滲出液を収集することをさらに含む、付記項25〜39のいずれかに記載の方法。
[付記項41]
前記圧力の大きさが前記陰圧閾値を下回って維持される場合に陰圧を加えることをさらに含む、付記項25〜40のいずれかに記載の方法。
[付記項42]
閾値圧力変化を満たす前記圧力の大きさの変化に応答して、前記患者が横たわっている間に位置を変えているという表示を出力することをさらに含む、付記項25〜41のいずれかに記載の方法。
[付記項43]
前記被覆材が踵上に位置付けられる場合は、前記閾値圧力変化が約5mmHgであり、
前記被覆材が臀部上に位置付けられる場合は、前記閾値圧力変化が約6mmHgであり、
前記被覆材が肩上に位置付けられる場合は、前記閾値圧力変化が約10mmHgである、付記項25〜42のいずれかに記載の方法。
[付記項44]
前記患者が横になっている間に位置を変化させていない継続時間を検出することと、
閾値の期間を満足させる前記検出された期間に応答して別の表示を出力することと、とさらに含む、付記項25〜43のいずれかに記載の方法。
[付記項45]
前記個人が位置を変えていないという前記別の表示が、褥瘡性潰瘍の発生、負傷の発生、意識喪失のうちの少なくとも一つに関連付けられる、付記項44に記載の方法。
[付記項46]
前記被覆材が胴部に適用された場合に、呼吸速度を決定し、かつその表示を提供することをさらに含む、付記項25〜45のいずれかに記載の方法。
[付記項47]
経時的な前記圧力の大きさの変化に基づいて、心拍数または脈拍数の少なくとも一つを検出し、かつその表示を提供することをさらに含む、付記項25〜45のいずれかに記載の方法。
[付記項48]
経時的な前記圧力の大きさのピーク−ピーク変化に基づいて、前記活動分類を決定することをさらに含む、付記項25〜47のいずれかに記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24