特許第6896843号(P6896843)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6896843
(24)【登録日】2021年6月11日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】無線通信装置、及び、無線通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/08 20090101AFI20210621BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20210621BHJP
   H04W 4/40 20180101ALI20210621BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20210621BHJP
【FI】
   H04W72/08 110
   H04W72/04 131
   H04W4/40
   H04W92/18
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-508491(P2019-508491)
(86)(22)【出願日】2017年3月31日
(86)【国際出願番号】JP2017013832
(87)【国際公開番号】WO2018179432
(87)【国際公開日】20181004
【審査請求日】2020年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小原 辰徳
(72)【発明者】
【氏名】工藤 理一
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 NTT DOCOMO, INC.,Evaluation and discussion on resource selection for pedestrian UEs[online],3GPP TSG-RAN WG1#86,3GPP,2016年 8月26日,R1-167886,検索日[2021.01.29],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_1875/Docs/R1-167886.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の無線通信装置に対して送信パケットを送信する無線通信装置であって、
リソース範囲において空きリソースを探索する空きリソース探索部と、
前記リソース範囲内の空きリソースを用いて前記送信パケットを送信する送信処理部と、
前記リソース範囲による前記送信パケットの送信後に、次のリソース範囲の開始を禁止する時間である送信禁止時間を設定する送信禁止タイマ部と、を備え、
前記空きリソース探索部は、前記送信禁止時間の満了後に、次に開始するリソース範囲において空きリソースを探索
前記送信パケットの種別がリアルタイム性を要求するものである場合、前記送信禁止時間の満了前であっても、前記次に開始するリソース範囲とは異なるリソース範囲において空きリソースを探索する、
無線通信装置。
【請求項2】
前記送信禁止時間には、前記送信パケットの送信に用いられたリソース範囲と、次のリソース範囲の開始点とが重複しない時間長が設定される、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記送信禁止タイマ部は、前記送信パケットの種別がリアルタイム性を要求しないものである場合、前記送信禁止時間の設定を長くすることを許可する、
請求項1または2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
他の無線通信装置に対して送信パケットを送信する無線通信方法であって、
第1のリソース範囲において空きリソースを探索し、
前記第1のリソース範囲内の空きリソースを用いて第1の送信パケットを送信し、
前記第1のリソース範囲による前記第1の送信パケットの送信後に、第2のリソース範囲の開始を禁止する時間である送信禁止時間を設定し、
前記送信禁止時間の満了後に、前記第2のリソース範囲において空きリソースを探索し、前記第2のリソース範囲内の空きリソースを用いて第2の送信パケットを送信
前記送信パケットの種別がリアルタイム性を要求するものである場合、前記送信禁止時間の満了前であっても、第3のリソース範囲において空きリソースを探索する、
無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転又は交通事故防止等のITS(Intelligent Transport Systems)サービスの高度化を実現するためにV2X(Vehicle to everything)通信を活用することが検討されている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
V2X通信には、車両(Vehicle)と車両との通信(V2V通信)、車両と、信号機又は標識等に設置される路側装置(Road Side Unit)等のインフラ(Infrastructure)又はセルラネットワーク(Network)との通信(V2I通信/V2N通信)、車両と歩行者(Pedestrian)との通信(V2P通信)等がある。なお、車両と車両との間の直接通信は、Sidelink通信とも呼ばれる。
【0004】
また、V2X通信では、新たな通信方式の導入が検討されている。例えば、V2X通信に用いる通信システムの一例として、IEEE802.11p等の無線LAN、LTE(Long Term Evolution)、又は、5G(5th generation mobile communication system)等のセルラネットワークが挙げられる。
【0005】
Sidelink V2X通信では、各車両(UE(User Equipment))は、共有の無線リソースを利用して、パケットを送信する。具体的には、UEは、送信パケットの生成時に、所定のリソース範囲内においてリソースを予約し、その予約リソースを用いてパケットを送信する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Hanbyul Seo, Ki-Dong Lee, Shinpei Yasukawa, Ying Peng, Philippe Sartori, “LTE evolution for vehicle-to-everything services,” IEEE Communication Magazine, vol. 54, no. 6, pp. 22-28, June 2016.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、UEが、あるリソース範囲が終了する前に、次のリソース範囲を開始すると、2つのリソース範囲の重複部分において、多くのリソースを利用することになる。これにより、無線リソースが逼迫してしまうおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、V2X通信における無線リソースの逼迫を回避する無線通信装置及び無線通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様に係る無線通信装置は、他の無線通信装置に対して送信パケットを送信する無線通信装置であって、リソース範囲において空きリソースを探索する空きリソース探索部と、前記リソース範囲内の空きリソースを用いて前記送信パケットを送信する送信処理部と、前記リソース範囲による前記送信パケットの送信後に、次のリソース範囲の開始を禁止する時間である送信禁止時間を設定する送信禁止タイマ部と、を備え、前記空きリソース探索部は、前記送信禁止時間の満了後に、次に開始するリソース範囲において空きリソースを探索する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、V2X通信における無線リソースの逼迫を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】V2X通信における無線リソースの構成例を示す模式図である。
図2】リソース選択ウィンドウが重複する例を示す模式図である。
図3】実施の形態1に係る無線通信装置の構成例を示すブロック図である。
図4】実施の形態1に係る送信禁止時間を説明するための模式図である。
図5】実施の形態1に係るパケット送信処理の例を示すフローチャートである。
図6】実施の形態2に係る無線通信装置の構成例を示すブロック図である。
図7】実施の形態2に係るパケット種別管理テーブルの例を示すテーブル図である。
図8】実施の形態2に係る送信禁止時間を説明するための模式図である。
図9】実施の形態2に係るパケット送信処理の例を示すフローチャートである。
図10】実施の形態2に係るSidelink V2X通信の適用例を示す模式図である。
図11】実施の形態2に係るSidelink V2X通信の適用例を示す模式図である。
図12】本発明に係るユーザ端末(UE)のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本発明に至った経緯)
以下、Sidelink V2X通信におけるUEのパケット送信処理について説明する。図1は、V2X通信における無線リソースの構成例である。ここで、リソースブロック50は、時間領域tおよび周波数領域fで構成されるリソース割当単位である。UEには、無線リソースにおける所定の時間領域の幅及び周波数領域の幅で構成されるリソース選択ウィンドウ61、62が、予め定義されている。
【0013】
図1に示すように、送信パケットが生成されたタイミング40で、過去の複数のリソース選択ウィンドウ61から構成されているセンシングウィンドウ60をセンシングして、将来のリソース選択ウィンドウ62における空きリソースを予約する。そして、その予約リソース52を用いて、送信パケットを送信する。以下、この予約されたリソースを「予約リソース」という。
【0014】
この場合、図2に示すように、第2の送信パケットが生成されたタイミング41が、第1の送信パケット用の第1のリソース選択ウィンドウ200の範囲内であると、第1のリソース選択ウィンドウ200と、第2の送信パケット用の第2のリソース選択ウィンドウ300とが重複する。換言すると、第1のリソース選択ウィンドウ200における最後の予約リソース202と、第2のリソース選択ウィンドウ300における最初の予約リソース302との時間間隔T1が、リソース選択ウィンドウに設定可能な最小時間T0(例えば20ms)よりも短くなる。これは、所定時間内において、1つのUEが他のUEよりも多くの無線リソースを使用することに相当し、延いては、無線リソースの逼迫につながる。
【0015】
本発明者は、この点に着目し、本発明をするに至った。本発明は、V2X通信において、第1のリソース選択ウィンドウ200による第1の送信パケットの送信後に、次回の第2の送信パケットを送信するための第2のリソース選択ウィンドウ300の設定を禁止する時間である送信禁止時間を設定することにより、このような無線リソースの逼迫を回避することを主たる特徴とする。なお、リソース選択ウィンドウの範囲を、「リソース範囲」と呼んでもよい。
【0016】
以下、幾つかの実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
(実施の形態1)
<UEの構成>
以下、実施の形態1に係る無線通信装置の一例であるUEの機能構成について、図3を用いて説明する。図3は、UEが備える機能の構成例を示すブロック図である。
【0018】
UE10は、受信処理部101、情報保持部102、送信パケット生成部103、送信パケット保持部104、空きリソース探索部105、リソース予約部106、送信処理部107、及び、送信禁止タイマ部108を備える。
【0019】
受信処理部101は、他UEからリソースブロック50を用いて送信される信号をアンテナを介して受信し、その受信信号の受信電力値を情報保持部102に格納する。また、受信処理部101は、その受信信号をデコードしてパケットを抽出し、そのパケットから制御情報を抽出し、制御情報を情報保持部102に格納する。
【0020】
情報保持部102は、所定期間分の受信電力値及び制御情報を保持する。情報保持部102が情報を保持する期間は、例えば、空きリソース探索部105が、空きリソースブロックを探索するセンシングウィンドウ60(図1参照)の時間長に相当する。
【0021】
送信パケット生成部103は、他UEへ送信するパケットを生成し、送信パケット保持部104へ格納する。そして、送信パケット生成部103は、空きリソース探索部105に対して、その生成した送信パケットの送信を指示する。
【0022】
空きリソース探索部105は、送信パケット生成部103から送信の指示を受けると、情報保持部102に保持されている情報に対して、センシングウィンドウ60の範囲内をセンシングし、空きリソースを探索する。そして、空きリソース探索部105は、その探索の結果、検出した空きリソースの情報を、リソース予約部106へ渡す。なお、センシングウィンドウ60の時間幅は、例えば1000ミリ秒である。また、空きリソース探索部105は、センシングウィンドウ60内における受信信号の受信電力に基づいて電力の干渉パターンを分析することにより、各リソースブロック50が、空きリソースブロックであるか、それとも、占有リソースブロック54であるかを判定する。また、空きリソース探索部105は、センシングウィンドウ60内の受信パケットに含まれる制御情報(具体的にはリソース予約情報)に基づいて、占有リソースブロック54を占有している他のUEを識別する。リソース予約情報は、リソースブロック50の予約状況を示す情報である。
【0023】
また、空きリソース探索部105は、空きリソースの探索を開始するときに、送信禁止タイマ部108において送信禁止タイマが稼働中であるか否かを確認し、送信禁止タイマが稼働中(例えば、送信禁止タイマが0になるまで)の間は、送信パケット生成部103から送信の指示を受けたとしても、空きリソースの探索を開始しない。
【0024】
リソース予約部106は、空きリソース探索部105から空きリソースの情報を受け取ると、将来のリソース選択ウィンドウ62内において、それらの受け取った空きリソースの中から少なくとも1つの空きリソースを、送信パケットの送信用に予約する。
【0025】
送信処理部107は、将来のリソース選択ウィンドウ62内における予約リソースを用いて、送信パケットを送信する。送信処理部107は、通信の信頼性を高めるために、同じ送信パケットを複数回(例えば5〜15回)繰り返して送信してもよい。
【0026】
送信禁止タイマ部108は、送信処理部107が送信パケットを送信完了した後、送信禁止タイマを稼働させ、送信禁止時間分をカウントする。以下、送信禁止タイマ部108の詳細を、図4を用いて説明する。図4は、送信禁止時間を説明するための模式図である。
【0027】
<送信禁止タイマ部の詳細>
図4に示すように、送信禁止タイマ部108は、第1のリソース選択ウィンドウ200によって第1の送信パケットを送信した後、第2のリソース選択ウィンドウ300の設定を禁止する送信禁止時間分のタイマを稼働させる。
【0028】
送信禁止時間は、第1のリソース選択ウィンドウ200の最後から、第2のリソース選択ウィンドウ300の最初までの時間T2であってよい。この場合、送信禁止タイマ部108は、リソース予約ウィンドウ200の終了時に、送信禁止時間T2分の送信禁止タイマを稼働させる。空きリソース探索部105は、第2の送信パケットの送信の指示を受けたタイミング43が第1のリソース選択ウィンドウ200の範囲内であったとしても、送信禁止タイマ部108で送信禁止タイマが稼働している間、空きリソース探索を開始せず、その送信禁止タイマの稼働が終了(満了)した後(例えば、送信禁止タイマが0となったとき)、空きリソース探索を開始する。
【0029】
または、送信禁止時間は、第1のリソース選択ウィンドウ200の最後の予約リソース202から、第2のリソース選択ウィンドウ300の最初までの時間T3であってよい。この場合、送信禁止タイマ部108は、最後の予約リソース202による送信処理が完了した時に、送信禁止時間T3分の送信禁止タイマを稼働させる。空きリソース探索部105は、第2の送信パケットの送信の指示を受けたタイミング43が第1のリソース選択ウィンドウ200の範囲内であったとしても、送信禁止タイマ部108で送信禁止タイマが稼働している間、空きリソース探索を開始せず、そのタイマの稼働が終了した後、空きリソース探索を開始する。
【0030】
これにより、第1のリソース選択ウィンドウ200と、第2のリソース選択ウィンドウ300とが重複することを防止することができる。
【0031】
<パケット送信処理のフロー>
次に、送信禁止時間が設けられたパケット送信処理のフローについて、図5を用いて説明する。図5は、実施の形態1に係るパケット送信処理の例を示すフローチャートである。
【0032】
送信パケット生成部103は、送信パケットを生成して送信パケット保持部104に格納し、空きリソース探索部105に対して、その生成した送信パケットの送信を指示する(ST101)。
【0033】
空きリソース探索部105は、その送信の指示を受け取ると、送信禁止タイマが稼働中の間、待機する(ST102:YES)。
【0034】
空きリソース探索部105は、送信禁止タイマの稼働が終了している場合(ST102:NO)、上述で説明したように空きリソース探索処理を開始する(ST103)。
【0035】
リソース予約部106は、空きリソース探索部105から空きリソースの情報を受け取ると、将来のリソース選択ウィンドウ内において、その受け取った空きリソースの中から少なくとも1つの空きリソースを、送信パケットの送信用に予約する(ST104)。
【0036】
送信処理部107は、リソース予約部106から予約リソースの情報を受け取ると、将来のリソース選択ウィンドウ内における予約リソースを用いて、送信パケット保持部104に格納されている送信パケットを送信する(ST105)。
【0037】
送信処理部107は、送信パケットの送信完了後、送信禁止タイマ部108に対して、送信禁止タイマのセットを指示する。送信禁止タイマ部108は、この指示を受けると、送信禁止時間T2(又はT3)をセットした送信禁止タイマを稼働する(ST106)。ここで稼働開始した送信禁止タイマが、次に生成される送信パケットに対するST102の条件となる。
【0038】
以上の処理により、2つのリソース選択ウィンドウが重複することを回避することができる。
【0039】
<実施の形態1の変形例>
上述の説明では、送信パケット生成部103が送信パケットを生成した後、空きリソース探索部105において送信禁止タイマが稼働中か否かを判定しているが、本実施の形態はこれに限られず、送信パケット生成部103において送信禁止タイマが稼働中か否かを判定してもよい。すなわち、送信パケット生成部103が、送信禁止タイマが稼働中か否かを判定し、送信禁止タイマが稼働中である場合、送信パケットの生成を保留し、送信禁止タイマの稼働終了後に送信パケットを生成し、空きリソース探索部105に対して送信を指示する。空きリソース探索部105は、この送信の指示を受けると、すぐに空きリソース探索処理を開始する。これによっても、リソース選択ウィンドウの重複を回避することができる。
【0040】
<実施の形態1の効果>
以上のように、実施の形態1では、UE10は、第1のリソース選択ウィンドウ200による第1の送信パケットの送信後、送信禁止時間の間、次回の第2の送信パケット用の第2のリソース選択ウィンドウ300の設定を禁止する。これにより、V2X通信における無線リソースの逼迫を回避することができる。
【0041】
また、所定時間において1つのUEが他のUEよりも多くのリソースを予約することを防止することができる。これにより、複数のUEがより公平に無線リソースを利用することができる。
【0042】
(実施の形態2)
実施の形態2では、送信パケットの種別に応じて送信禁止を制御する形態について説明する。
【0043】
<UEの構成>
以下、実施の形態2に係る無線通信装置の一例であるUEの機能構成について、図6を用いて説明する。図6は、UE11が備える機能の構成例を示すブロック図である。なお、実施の形態1と同様の機能については同じ参照符号を付し、説明を省略する。
【0044】
実施の形態2に係るUE11は、実施の形態1に係るUE10と比較して、パケット種別管理テーブル111を追加した構成を採る。
【0045】
パケット種別管理テーブル111は、図7に示すように、送信パケットの種別のそれぞれについて、高いリアルタイム性が必要か否か、高い通信信頼性が必要か否かを管理するためのテーブルである。図7の例は、「緊急回避」を通知する送信パケット種別が、高いリアルタイム性を必要とし、高い通信信頼性も必要とすることを示す。また、「本線合流」を通知する送信パケット種別が、高いリアルタイム性は不要であるが、高い通信信頼性を必要とすることを示す。また、「交通情報」を通知する送信パケット種別が、高いリアルタイム性も、高い通信信頼性も不要であることを示す。
【0046】
空きリソース探索部105は、実施の形態1で述べた機能に加えて、次の機能を有する。すなわち、空きリソース探索部105は、送信パケットの種別がリアルタイム性を必要とするものである場合、送信禁止タイマが稼働中であっても、空きリソースの探索を開始する。これにより、リアルタイム性を必要とする送信パケットの送信が、送信禁止タイマによって遅延することを防止することができる。
【0047】
送信処理部107は、実施の形態1で述べた機能に加えて、次の機能を有する。すなわち、送信処理部107は、送信パケットの種別に応じて、当該送信パケットの繰り返し送信回数を変更する。例えば、送信パケットの種別が高い通信信頼性を必要とするものである場合、送信処理部107は、当該送信パケットの繰り返し送信回数を増やす。これにより、送信パケットが他のUEに到達する確率を高めることができる。
【0048】
送信禁止タイマ部108は、実施の形態1で述べた機能に加えて、次の機能を有する。すなわち、送信禁止タイマ部108は、送信パケットの種別に応じて送信禁止時間を決定する。以下、送信禁止タイマ部108の詳細について、図8を用いて説明する。図8は、実施の形態2に係る送信禁止時間を説明するための模式図である。
【0049】
<送信禁止タイマ部108の詳細>
実施の形態2では、送信禁止時間T4の始点を、図8に示すように、第1の送信パケットが生成されたタイミング42とする。この場合、送信禁止タイマ部108は、送信禁止時間T4を、第1のリソース選択ウィンドウ200の時間R1以上とすることによって、第1のリソース選択ウィンドウ200と、第2のリソース選択ウィンド300とが重複することを防止することができる。
【0050】
また、送信禁止時間T4を、第1のリソース選択ウィンドウ200の時間R1未満とすることによって、第1のリソース選択ウィンドウ200と、第2のリソース選択ウィンド300とが、(R1−T4)の範囲で重複することを許容することができる。例えば、センシングウィンドウ60に対するセンシングの結果、無線リソースが十分に空いている場合、送信禁止タイマ部108は、送信禁止時間T4を時間R1よりも短くし、第1のリソース選択ウィンドウ200と、第2のリソース選択ウィンドウ300との重複を許容してもよい。
【0051】
また、送信パケットの種別が、高いリアルタイム性は不要であるが、高い通信信頼性を必要とするものである場合、送信禁止タイマ部108が、送信禁止時間T4を標準よりも長くし(例えば、1秒を超える時間)、送信処理部107が、その送信禁止時間T4の間隔をあけて、同じ送信パケットを繰り返し送信してもよい。これにより、1つのUE11が、無線リソースを占有することなく、送信パケットの通信信頼性を高めることができる。
【0052】
<パケット送信処理のフロー>
次に、送信パケットの種別に応じて送信禁止を制御するパケット送信処理のフローについて、図9を用いて説明する。図9は、実施の形態2に係るパケット送信処理の例を示すフローチャートである。
【0053】
送信パケット生成部103は、送信パケットを生成して送信パケット保持部104に格納し、空きリソース探索部105に対して、その生成した送信パケットの送信を指示する(ST201)。
【0054】
空きリソース探索部105は、その送信の指示を受け取ると、パケット種別管理テーブル111を用いて、送信パケットの種別がリアルタイム性を必要とするものであるか否かを判定する(ST202)。
【0055】
送信パケットの種別がリアルタイム性を必要とするものでない場合(ST202:NO)、空きリソース探索部105は、送信禁止タイマの稼働が終了するまで待機し(ST203:YES)、送信禁止タイマの稼働が終了した後(ST203:NO)、空きリソース探索処理を開始する(ST204)。
【0056】
一方、送信パケットの種別がリアルタイム性を必要とするものである場合(ST202:YES)、空きリソース探索部105は、送信禁止タイマの稼働に関わらず、空きリソース探索処理を開始する(ST204)。これにより、リアルタイム性を必要とする送信パケットの遅延を防止することができる。
【0057】
リソース予約部106は、空きリソース探索部105から空きリソースの情報を受け取ると、将来のリソース選択ウィンドウ内において、その受け取った空きリソースの中から少なくとも1つの空きリソースを、送信パケットの送信用に予約する(ST205)。
【0058】
送信処理部107は、リソース予約部106から予約リソースの情報を受け取ると、送信禁止タイマ部108に対して、送信禁止タイマを稼働するよう指示する。その指示を受けた送信禁止タイマ部108は、パケット種別管理テーブル111を用いて、送信パケットの種別が高い通信信頼性を必要とするものであるか否かを判定する(ST206)。
【0059】
送信パケットの種別が高い通信信頼性を必要するものでない場合(ST206:NO)、送信禁止タイマ部108は、標準の送信禁止時間T4をセットした送信禁止タイマを稼働する(ST207)。
【0060】
一方、送信パケットの種別が高い通信信頼性を必要とするものである場合(ST206:YES)、送信禁止タイマ部108は、標準よりも長い送信禁止時間T4をセットした送信禁止タイマを稼働する(ST208)。ここで、標準よりも長い送信禁止時間をセットしている理由は、上述のとおり、1つのUEが、短時間で繰り返し同じ送信パケットを送信して、リソースを占有してしまうことを回避するためである。
【0061】
送信処理部107は、リソース選択ウィンドウを用いて、送信パケットを送信する(ST209)。なお、送信処理部107は、送信パケットの種別が高い通信信頼性を必要とするものである場合、ST208でセットされた長い送信禁止時間経過後、同じ送信パケットを送信してよい。
【0062】
以上の処理によれば、リアルタイム性を必要とする送信パケットを遅滞なく送信することができる。また、通信信頼性を高めるために同じ送信パケットを繰り返し送信するUEが無線リソースを占有してしまうことを回避することができる。
【0063】
<送信禁止時間の変形例>
送信禁止時間は、UE毎に異なる値であってもよいし、UEに関わらず同一の値であってもよい。また、送信禁止時間は、本実施の形態のように各UEが決定しても良いし、基地局(eNodeB)が決定して各UEへ報知してもよい。
【0064】
<Sidelink V2X通信の適用例>
次に、本実施の形態に係るUE10を備えた車両への適用例を、図10及び図11を用いて説明する。
【0065】
図10に示すように、車両400の前方を走行中のトラック402からの落下物を検知した場合、車両400のUE11は、後続の車両404等のUEに対して、緊急回避行動を通知するためのパケットを送信する。この種別の送信パケットは高いリアルタイム性を必要とするので、図9のST202は「YES」となり、車両400のUE11の空きリソース探索部105は、送信禁止タイマを無視して、ST204で空きリソースの探索を開始する。これにより、高いリアルタイム性を必要とする送信パケットが、送信禁止タイマによって遅延することを防止することができる。
【0066】
また、図11に示すように、合流車線を走行中の車両410のUE11は、本線を走行中の他の車両412等のUEに対して、合流行動を通知するためのパケットを送信する。この種別の送信パケットは、高い通信信頼性を必要とするので、図9のST206は「YES」となり、車両410のUE11の送信禁止タイマ部108は、ST208において、送信禁止タイマに長い送信禁止期間をセットする。これにより、高い通信信頼性を必要とする送信パケットを、より高い確率で他のUEに到達させることができると共に、このUE11が無線リソースを占有してしまうことを回避することができる。
【0067】
<実施の形態2の効果>
以上のように、実施の形態2では、UE11は、送信パケットの種別に応じて送信禁止を制御する。すなわち、UE11は、リアルタイム性を必要とする送信パケットについては、送信禁止タイマを無視して直ちに送信する。また、UE11は、高い通信信頼性を必要とする送信パケットについては、繰り返し送信における送信禁止時間を長くして、無線リソースの占有を防止する。これにより、Sidelink V2X通信において、無線リソースの逼迫の回避と、V2X通信の柔軟な運用との両立を図ることができる。
【0068】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0069】
例えば、本発明の一実施の形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図12は、本発明の一実施の形態に係るユーザ端末(UE)のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のユーザ端末10、11は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0070】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。ユーザ端末10、11のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0071】
ユーザ端末10、11における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0072】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の受信処理部101、送信パケット生成部103、空きリソース探索部105、リソース予約部106、送信処理部107、送信禁止タイマ部108などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0073】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末10、11の各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0074】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0075】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。例えば、上述の情報保持部102、送信パケット保持部104、パケット種別管理テーブル111は、メモリ1002及び/又はストレージ1003によって構成されてもよい。
【0076】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の受信処理部101、送信処理部107などは、通信装置1004で実現されてもよい。
【0077】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0078】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0079】
また、ユーザ端末10、11は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。へ送信されてもよい。
【0080】
(判定方法)
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0081】
(態様のバリエーション等)
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0082】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0083】
(用語の意味、解釈)
【0084】
(ソフトウェア)
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0085】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0086】
(情報、信号)
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0087】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
【0088】
(「システム」、「ネットワーク」)
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0089】
(パラメータ、チャネルの名称)
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
【0090】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
【0091】
(基地局)
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)の(セクタとも呼ばれる)セルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、および/または基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。さらに、「基地局」「eNB」、「セル」、および「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0092】
(移動局)
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0093】
(「接続された」、「結合された」)
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0094】
(参照信号)
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0095】
(「に基づいて」の意味)
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0096】
(「第1の」、「第2の」)
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0097】
(「手段」)
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0098】
(オープン形式)
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0099】
(TTI等の時間単位、無線フレーム構成)
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームで構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つまたは複数のスロットで構成されてもよい。スロットはさらに時間領域において1つまたは複数のシンボル(OFDMシンボル、SC-FDMAシンボル等)で構成されてもよい。無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。
無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびシンボルは、それぞれに対応する別の呼び方であってもよい。
例えば、LTEシステムでは、基地局が各移動局に無線リソース(各移動局において使用することが可能な周波数帯域幅や送信電力等)を割り当てるスケジューリングを行う。スケジューリングの最小時間単位をTTI(Transmission Time Interval)と呼んでもよい。例えば、1サブフレームをTTIと呼んでもよいし、複数の連続したサブフレームをTTIと呼んでもよいし、1スロットをTTIと呼んでもよい。
リソースブロック(RB)は、時間領域および周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域では1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。また、リソースブロックの時間領域では、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックで構成されてもよい。
上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボルおよびリソースブロックの数、および、リソースブロックに含まれるサブキャリアの数は様々に変更することができる。
【0100】
(最大送信電力)
本実施例の中で記載の「最大送信電力」は、送信電力の最大値を意味するが、これのみではなく、例えば、公称最大送信電力(the nominal UE maximum transmit power)、又は、定格最大送信電力(the nominal UE maximum transmit power)であっても良い。
【0101】
(冠詞)
本開示の全体において、例えば、英語でのa, an, 及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【符号の説明】
【0102】
10、11 UE
101 受信処理部
102 情報保持部
103 送信パケット生成部
104 送信パケット保持部
105 空きリソース探索部
106 リソース予約部
107 送信処理部
108 送信禁止タイマ部
111 パケット種別管理テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12