【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、燃料集合体を保持するための、請求項1に記載の特徴を有するグリッパによって達成される。好適な実施態様及び発展形態はそれぞれ従請求項に記載したとおりである。
【0010】
燃料集合体を保持するための当該グリッパは、当該グリッパを燃料集合体装填機に固定するためのハウジングと、当該ハウジング内に配置された内側部材とを含み、その際、当該内側部材と当該ハウジングとは、当該内側部材が第一のエンドポジションと第二のエンドポジションとの間を可動するように、軸方向において互いに変位し得るように配置されている。当該グリッパは、当該燃料集合体を保持するために、グリップポジションとレリースポジションとの間を可動する少なくとも一つのツメ部材を含んでいる。さらに、当該グリッパは、軸方向において当該ハウジングと当該内側部材との間に配置されたグリッパばねを含んでいる。当該グリッパばねは、当該ハウジングに対して当該内側部材をプレスストレスして、当該第二のエンドポジション及び/又は軸方向において当該第一と当該第二のエンドポジションとの間に位置する中間ポジションから発して当該第一のエンドポジションへの、当該ハウジング及び/又は当該燃料集合体装填機に対する当該内側部材の相対運動に抗して作用する。当該グリッパ及び/又は当該燃料集合体に生ずる超過荷重を軽減するために、当該グリッパはダンパシステムを含んでいる。当該ダンパシステムは、当該ダンパシステムを当該グリッパの当該ハウジングと結合するための少なくとも一つの結合部材及び当該ダンパシステムを当該グリッパの当該内側部材と結合するための第二の結合部材又は、当該ダンパシステムを当該燃料集合体装填機と結合するための少なくとも一つの第一の結合部材及び当該ダンパシステムを当該グリッパの当該ハウジングと結合するための第二の結合部材又は、当該ダンパシステムを当該燃料集合体装填機と結合するための少なくとも一つの第一の結合部材及び当該ダンパシステムを当該グリッパの当該内側部材と結合するための第二の結合部材を含んでいる。さらに、当該ダンパシステムは少なくとも一つのばね部材を含み、その際、該ばね部材は次のようにして―つまり、該ばね部材が、当該中間ポジションから当該第二のエンドポジションへの、当該ハウジング及び/又は当該燃料集合体装填機に対する当該内側部材の相対運動ないし当該中間ポジションから当該第二のエンドポジションへの当該内側部材の運動に際する当該燃料集合体装填機に対する当該ハウジングの相対運動に抗して作用するようにして―当該第一及び/又は当該第二の結合部材に配置されている。
【0011】
換言すれば次の通りである:つまり、当該ダンパシステムは、当該ダンパシステムを当該ハウジングと結合するための第一の結合部材及び当該ダンパシステムを当該内側部材と結合するための第二の結合部材又は、当該ダンパシステムを当該燃料集合体装填機と結合するための第一の結合部材及び当該ダンパシステムを当該ハウジングと結合するための第二の結合部材又は、当該ダンパシステムを当該燃料集合体装填機と結合するための第一の結合部材及び当該ダンパシステムを当該内側部材と結合するための第二の結合部材を有している。当該ばね部材は次のようにして―つまり、該ばね部材が、当該第一の結合部材が当該ハウジング又は当該燃料集合体装填機と結合され、当該第二の結合部材が当該内側部材と結合されている限りで、当該ハウジング又は当該燃料集合体装填機に対する当該内側部材の相対運動に抗して作用し、当該第一の結合部材が当該燃料集合体装填機と結合され、当該第二の結合部材が当該ハウジングと結合されている限りで、当該中間ポジションから当該第二のエンドポジションへの当該内側部材の運動に際する当該燃料集合体装填機に対する当該ハウジングの相対運動に抗して作用するようにして―当該第一及び/又は第二の結合部材に結合されあるいは該部材に配置されている。
【0012】
当該内側部材と当該ハウジングとは、当該グリッパの運転中において垂直方向に等しい軸方向に、互いに相対変位可能である。一般に、当該内側部材はストッパ部材を有し、該部材は当該ハウジングに設けられた軸方向に延びる窪み内にガイドされ、第一のエンドポジションにおいて当該窪みの第一のストッパ面―当該グリッパの垂直配向時の上側ストッパ面―に密接している。その際、当該第一のエンドポジションは、当該燃料集合体の保持又は降下中に占められるポジションである。当該内側部材は、先ず、当該燃料集合体上に着座し、続いて、当該燃料集合体あるいは当該グリッパの当該ハウジングが固定された当該伸縮式マストの当該重力が当該グリッパばねを圧縮し、こうして、当該ハウジングは当該内側部材に対して相対的に下方へ変位して、当該ストッパ部材は当該窪みの当該第一の上側ストッパ面に密接し、かくて、当該内側部材は当該第一のエンドポジションに位置する。したがって、当該第一のエンドポジションは、当該内側部材が当該ハウジングに対して最大限に取り得るポジションに位置することを特徴としており、その際、当該内側部材と当該ハウジングとの間の軸方向間隔は最小である。当該グリッパばねは、当該第一のエンドポジションへの当該内側部材のこの運動に抗する作用をなす。
【0013】
当該第二のエンドポジションは、当該内側部材が、機械式ストッパないしストッパ部材によって、当該ハウジングに対して最大限に取り得るポジションに位置することを特徴としており、その際、当該内側部材と当該ハウジングとの間の間隔は最大であって、当該グリッパに超過荷重が生ずる際に当該内側部材が最大限に取り得るポジションである。当該グリッパばねの当該力により、当該内側部材は、基本的に、当該ハウジングから離間するように押圧され、その際、当該グリッパばねは当該超過荷重時に生ずる荷重を吸収することはできず若しくは限定的に吸収し得るにすぎない。
【0014】
当該中間ポジションは、通常運転時、したがって、常用荷重による支障のない運転時、燃料集合体の輸送中、燃料集合体の持上げ中又は下降中あるいは、燃料集合体装填機の空運転中に当該内側部材が占めることのできる、当該ハウジングに対する当該内側部材の当該ポジションを特徴づけるものである。この場合にも、当該内側部材は当該グリッパばねの当該力によって当該ハウジングから離間するように押圧される。
【0015】
さて、本発明によれば、ダンパシステムが設けられており、これによって、当該内側部材は、燃料集合体の当該輸送又は垂直方向への当該持上げないし下降中に、機械式ストッパないし当該ストッパ部材によって最大限取り得る当該第二のエンドポジションではなく、軸方向において当該第一と当該第二のエンドポジションの間に位置する当該中間ポジションを占める。その際、当該ダンパシステムは次のように―つまり、該システムが当該超過荷重時に応答し、したがって、当該中間ポジションから当該第二のエンドポジションへの当該内側部材の運動に抗して作用し、これによって、当該中間ポジションを越える当該内側部材の運動を緩和するように―形成されている。当該燃料集合体が、その輸送又は垂直方向への持上げ若しくは下降中に、滑り落ち、当該内側部材に配置された当該ツメ部材中に落下する場合には、当該燃料集合体の当該落下を受けとめて、その際に生ずる衝撃を緩和するために、当該中間ポジションから当該第二のエンドポジションへの当該距離が利用される。これによって、当該燃料集合体の当該担持構造並びに当該グリッパ又は当該燃料集合体装填機の損傷が回避される。
【0016】
こうして、当該グリッパばねは、当該内側部材の垂直方向上方へ向いた運動に抗する作用を果たし、当該ダンパシステムは、当該内側部材ないし当該ハウジングの下方へ向いた運動に抗する作用を果たす。換言すれば次の通りである:つまり、当該グリッパばねによって当該内側部材に及ぼされる当該力は垂直方向下方へ作用し、当該ダンパシステムによって当該内側部材又は当該ハウジングに及ぼされる当該力は垂直方向上方へ作用する。その際、当該グリッパばねは、当該中間ポジションと当該第一のエンドポジションとの間の当該内側部材の運動に際して作用し、当該ダンパシステムは、当該中間ポジションと当該第二のエンドポジションとの間の当該内側部材の運動に際して作用する。
【0017】
その際、当該第一並びに第二の結合部材はいずれも、直接並びに間接に、当該グリッパの当該ハウジング及び/又は当該燃料集合体装填機ないし当該グリッパの当該内側部材及び/又は当該ハウジングに配置され、それらと結合されていてよい。当該ハウジング及び/又は当該燃料集合体装填機に対する当該内側部材の相対変位可能性に基づき、当該第一の結合部材も当該第二の結合部材に対して相対変位可能である。換言すれば次の通りである:つまり、超過荷重時において、したがって、当該中間ポジションから当該第二のエンドポジションへの当該内側部材の運動に際し、当該第一の結合部材は当該第二の結合部材に対して相対運動させられるために、それら相互の間隔は変化する。
【0018】
その際、当該内側部材ないし当該ハウジング及び/又は当該燃料集合体装填機との結合なる用語は、当該内側部材に生ずる超過荷重を当該ダンパシステムに伝達すること及び、場合により、当該荷重を当該ハウジングないし当該燃料集合体装填機を経て逃がすことを可能にする、当該第一ないし第二の結合部材及びそれと共に当該ダンパシステムを当該グリッパに連結することとして理解される。これにより、超過荷重時に、当該内側部材に生ずる超過荷重は、当該第二の結合部材を経て、当該ダンパシステムに伝達され、同所において、少なくとも一つの当該ばね部材によって相殺される。
【0019】
本発明によるグリッパないしダンパシステムの当該利点は、それが純機械式に動作し、したがって、油圧若しくは空気圧部品もエネルギー供給もいずれも不要であるという点にある。これによって、当該ダンパシステムは、加えてさらに時間的遅れなしに、当該内側部材が当該中間ポジションを越えて変位させられるや直ちに応答する。さらに、当該グリッパ自体に当該ダンパシステムを配置することにより、当該グリッパないし当該燃料集合体装填機の機能態様に影響を及ぼすことなく、省スペース的配置が実現される。加えて、当該グリッパに、その既存の構造にコスト高な改修を施す必要なしに、当該ダンパシステムを取り付けることが可能である。
【0020】
当該第一の結合部材は、好ましくは、少なくとも一つの固定手段によって、当該ハウジング又は当該燃料集合体装填機の内周面又は外周面、特に、当該燃料集合体装填機の伸縮式マストに固定され及び/又は当該第一の結合部材は、当該ハウジングの当該内周面又は外周面に設けられた窪み内に、相補嵌合摩擦係止されて支持され及び/又は当該第一の結合部材は、当該燃料集合体装填機又は当該ハウジングの一部として形成され、したがって、当該燃料集合体装填機と一体に形成されている。固定手段としては、極めて多様な、当業者に最もよく知られた固定手段例えばねじが考えられる。当該第一の結合部材を、加えてさらに又は単に相補嵌合摩擦係止によって、当該ハウジングと結合するために、例えば、溝の形の窪みが、当該ハウジング又は当該燃料集合体装填機の当該外周面又は内周面に設けられる。
【0021】
当該第一並びに当該第二の結合部材はいずれも、当該ハウジング及び/又は当該燃料集合体装填機、特に、当該燃料集合体装填機の当該伸縮式マストないし当該内側部材及び/又は当該ハウジングをとりわけ完全に包囲する、好ましくは、リング状プレートを含んでいる。その際、当該リング状プレートは、またも、当該ハウジング及び/又は当該燃料集合体装填機の一部として形成されていてよい。
【0022】
当該グリッパないし当該ダンパシステムの好ましい実施態様において、当該第二の結合部材は、当該内側部材の外周面に設けられた窪み内に支持されあるいは当該内側部材に固定された少なくとも一つの第一の荷重伝達部材を含んでいる。当該荷重伝達部材は、超過荷重時に当該内側部材に生ずる荷重を当該ダンパシステムに伝達するために使用される。好ましくは、既に当該内側部材に固定されている当該ストッパ部材例えば当該フェザーキーが第一の荷重伝達部材として利用される。
【0023】
当該グリッパないし当該ダンパシステムのさらに別の好適な実施形態において、当該第二の結合部材は、少なくとも一つの第一の荷重伝達部材と少なくとも一つの第二の荷重伝達部材を含み、その際、当該第一の荷重伝達部材は当該内側部材の外周面に設けられた窪み内に支持され、その際、当該第一の荷重伝達部材は少なくとも当該中間ポジション及び/又は当該内側部材の当該第二のエンドポジションにおいて第二の荷重伝達部材に密接して、超過荷重時に当該内側部材に生ずる荷重を当該第一の荷重伝達部材を経て当該第二の荷重伝達部材に伝達すると共に、当該ダンパシステムに伝達する。通常運転時において、特にリング状プレートとして形成されている当該第一及び第二の荷重伝達部材は、当該内側部材が当該中間ポジションに位置していれば、接触領域において、互いに面状に密接している。超過荷重時において、当該超過荷重は、当該第一の荷重伝達部材によって当該第二の荷重伝達部材に伝達されると共に、当該中間ポジションから当該第二のエンドポジションへの当該内側部材の当該運動に抗して作用する当該ダンパシステムに伝達される。その際、当該第一の荷重伝達部材は、この場合にも、特に、ストッパ部材によって形成され、該ストッパ部材は、当該ハウジングに設けられた窪み内で軸方向に変位し得るように支持されて、当該内側部材の当該第一のエンドポジションにおいて当該窪みの上側ストッパ面に密接している。通常運転時に、当該第一の荷重伝達部材は、当該中間ポジションにおいて、当該第二の荷重伝達部材に密接している。当該超過荷重時におけると共に当該第二のエンドポジションにおいて、当該第一の荷重伝達部材は、当該窪みの下側ストッパ面に密接している。この場合にも、例えば当該ストッパ部材ないし当該グリッパのフェザーキーが第一の荷重伝達部材として機能する。
【0024】
少なくとも一つの当該ばね部材は、好ましくは、第一の端部で当該第一の結合部材に、第二の端部で当該第二の結合部材に、特に、当該第一又は第二の荷重伝達部材に支保されている。換言すれば次の通りである:つまり、当該第一の結合部材は、当該ばね部材の当該第一の端部のための第一のストッパ面を形成し、当該第二の結合部材は、当該ばね部材の当該第二の端部のための第二のストッパ面を形成する。したがって、少なくとも一つの当該ばね部材は、当該第一と当該第二の結合部材の間に配置されている。これにより、超過荷重時に生ずる荷重は、当該内側部材と連結された当該第二の結合部材によって当該ダンパシステムに伝達され、同所で、少なくとも一つの当該ばね部材の圧縮によって少なくとも一部が吸収されて、前記第一の結合部材を経て当該ハウジング及び/又は当該燃料集合体装填機に逃がされる。その際、少なくとも一つの当該ばね部材は次のようにして―つまり、通常運転時に作用して当該ダンパシステムにかかる荷重は当該ばね部材を圧縮しないようにして―プレストレスされている。超過荷重時において初めて、したがって、垂直方向に作用する当該力が当該プレストレス力を上回る場合に初めて、当該ばね部材は圧縮される。
【0025】
さらに別の好適な実施形態において、少なくとも一つの当該ばね部材は、第二の端部によって、当該第二の結合部材の、当該第一の結合部材とは反対側に位置するストッパ面に支保されている。さらに、当該第一の結合部材と当該第二の結合部材とは、直接又は間接に、互いに着脱式固定されており、その際、当該固定は、当該内側部材が当該中間ポジションから当該第二のポジションへと運動する際に、解除されることができる。この場合にも、少なくとも一つの当該ばね部材は次のようにして―つまり、通常運転時に作用して当該ダンパシステムにかかる荷重は当該ばね部材を圧縮せず、当該超過荷重時に初めて当該ばね部材の圧縮が生ずるようにして―プレストレスされている。
【0026】
当該第一の結合部材及び/又は当該第二の結合部材、特に、当該第二の荷重伝達部材は、凸状に湾曲した表面、したがって、やや球状の表面を有するか又は、当該ハウジングに設けられた当該窪み及び/又は当該第一の荷重伝達部材に密接する平らないし平坦な表面を有しているのが好適である。表面が凸状に湾曲していれば、理想的なケースにおいて、当該ハウジングないし当該第一の荷重伝達部材に、点状ないし線状の当該第一ないし第二の結合部材の接触面が形成され、これによって、当該ダンパシステムへの当該荷重伝達及び当該ダンパシステムから当該グリッパの当該ハウジングへの荷重伝達が改善される。その際、超過荷重時に作用する当該力は、当該表面に対して垂直に、それと共に、当該ダンパシステムないし当該第一又は第二の結合部材ないし当該荷重伝達部材の中心に伝達されるため、生じ得るてこ作用によって惹起される付加荷重が回避される。別法として、当該第一及び/又は第二の結合部材、特に、当該第二の荷重伝達部材は、当該ダンパシステムの当該構造ないし該システムと当該グリッパとの当該結合によって、当該第二の荷重伝達部材と当該第一の荷重伝達部材とが互いに平行をなしあるいは両者の間に平らな接触面が形成されることが保証されている限りで、当該第一の荷重伝達部材に対向する平らな表面を有していてよい。
【0027】
当該ダンパシステムをプレストレスすべく、当該ダンパシステムは、当該第一の結合部材に配置ないし固定されて、当該第二の結合部材に対して可動式に支持されているか又は当該第二の結合部材に固定されて、当該第一の結合部材に対して可動式に支持されている、少なくとも一つの当該ばね部材をプレストレスするための、好ましくは少なくとも一つのプレストレス部材を含んでいる。通常運転時において、少なくとも一つの当該ばね部材は、それが非常に強剛で縮まないようにプレストレスされている。超過荷重時に、したがって、当該ダンパシステムに作用する当該力が少なくとも一つの当該ばね部材の当該プレストレスを上回る場合に、当該内側部材は当該中間ポジションから当該第二のエンドポジションへと運動し、その際、この運動は、当該内側部材に作用する当該付加荷重が当該ダンパシステムに伝達されるために、当該ダンパシステムによって緩和される。当該運動の減速と共に超過荷重が低減された後、当該内側部材は、少なくとも一つの当該ばね部材の当該プレストレスによって、再び当該中間ポジションへと運動する。
【0028】
その際、少なくとも一つの当該プレストレス部材は、構造的に簡易な形で、一本のねじとして形成され、その軸部ないし該軸部の当該自由端は、当該第一又は第二の結合部材に固定されると共に、当該第一又は第二の結合部材に設けられた貫通穴を貫いて延び、こうして、当該ねじによって形成されたストッパ面、特に、当該ねじの頭部は、当該第一又は第二の結合部材に相補嵌合摩擦係止されて密接している。当該ねじは、これによって、例えば、当該第一の結合部材に配置された少なくとも一つの当該ばね部材を当該第二の結合部材に対してプレストレスし又は、当該第二の結合部材に配置された少なくとも一つの当該ばね部材を当該第一の結合部材に対してプレストレスする。
【0029】
その際、当該プレストレス部材ないし当該ねじは、当該プレストレス部材ないし当該ねじのストッパ面―より正確には、当該ねじ頭部―が、当該第一又は第二の結合部材に後方から当接すると共に当該第一又は第二の結合部材のストッパ面ないし後方当接面に相補係合摩擦係止によって密接する一つのストッパ面を形成することによって、当該第一又は第二の結合部材との間に相補係合摩擦係止結合を形成する。別法として、当該ねじ頭部は、少なくとも一つの当該ばね部材自体のための、該ばね部材が第一又は第二の端部で同所に支保されるストッパ面を形成してもよい。当該中間ポジション、当該第一のエンドポジションにおいて及び、当該中間ポジションから当該第一のエンドポジションへの当該内側部材の運動に際し、当該プレストレス部材の当該ストッパ面は、当該第一又は第二の結合部材の当該後方当接面又は少なくとも一つの当該ばね部材の当該第一又は第二の端部に密接している。当該中間ポジションから当該第二のエンドポジションへの当該内側部材の運動に際し、したがって、超過荷重時に、当該プレストレス部材の当該ストッパ面は当該ストッパ面ないし当該第一及び/又は第二の結合部材の当該後方当接面から浮揚し、少なくとも一つの当該ばね部材は圧縮される。
【0030】
当該グリッパのさらに別の好ましい実施態様において、当該ダンパシステムは当該ハウジングの内部に配置され、その際、当該第一の結合部材は、当該ハウジングの内周面に形成された窪み内に支持され、当該第二の結合部材は、当該ハウジング内を軸方向に延びる保持部材を経て、当該内側部材に間接的に連結されている。当該保持部材は、特に、その第一の下端に当該内側部材が、かつ、その第二の上端に当該第二の結合部材が固定されている縦長のロッドである。
【0031】
その際、当該第二の結合部材は、それぞれ当該保持部材を中心として回転対称的に配置された、好ましくは、少なくとも一つの第一の、特に好ましくは、少なくとも一つの第一の荷重伝達部材と一つの第二の荷重伝達部材とを含んでいる。少なくとも一つの当該ばね部材は、またも、第一の端部で当該第一の結合部材に、第二の端部で当該第二の結合部材に、特に、当該第一又は第二の荷重伝達部材に支保されている。少なくとも一つの当該ばね部材の通常運転時におけるプレストレスは、例えば、当該第一又は第二の結合部材を少なくとも一つの当該ばね部材とは反対側の側面で支保する、当該ハウジング内に配置されたストッパ部材によって実現される。
【0032】
当該第一の荷重伝達部材は、好適には、リング状プレートを含み及び/又は当該第二の荷重伝達部材はT形断面を有し、その際、少なくとも一つの当該ばね部材の当該第二の端部は当該T形の荷重伝達部材に支保されている。当該第一の荷重伝達部材は当該T形荷重伝達部材のアームに配置されているため、当該超過荷重時に、当該荷重は、当該中間ポジションから当該第二のエンドポジションへの当該内側部材の当該運動したがって垂直方向下方への運動に従動する当該保持部材を経て、当該第一の荷重伝達部材に、続いて、当該第二の荷重伝達部材に伝達され、少なくとも一つの当該ばね部材が圧縮される。少なくとも一つの当該ばね部材を第一の端部で支保している当該第二の荷重伝達部材は、通常運転時において、少なくとも一つの当該ばね部材をプレストレスすべく、ストッパ部材に密接している。
【0033】
好ましくは、当該ダンパシステムは、当該内側部材及び/又は当該ハウジングを包囲して又は当該ハウジング内部に、特に、等間隔で分散配置された少なくとも二つ、特に、四つのばね部材を含んでいる。
【0034】
別途実施形態において、当該ダンパシステムは、当該内側部材及び/又は当該ハウジングを同心包囲して又は当該ハウジングの内部に当該ハウジング及び/又は当該内側部材の中心縦軸を中心として同心配置されたばね部材を含んでいる。この場合、当該内側部材ないし当該ハウジングは同時に当該ばね部材のためのガイドとして機能する。
【0035】
少なくとも一つの当該ばね部材は、好ましくは、皿ばね又は重ね皿ばね、したがって、少なくとも二枚の、軸方向に積重ねて配置された皿ばねである。当該ばね特性ないし当該ばね力は、重ね皿ばね又は束ね皿ばねに束ねられる当該個々の皿ばねの重ね数及び束ね数によって、調節することが可能である。皿ばねは、同等なばね特性を設定するのに―例えばコイルばねに比して―必要な構造空間が狭小で済むという当該利点を有する。
【0036】
汚染物質の侵入及び、場合により、欠陥ばね部材の破片の逸失を防止すべく、少なくとも一つの当該ばね部材は、好適には、ケースの内部、特に、端面が開放したケースの内部に配置されている。当該運転中、当該グリッパは水面下にある。当該ケースによれば、さらに、超過荷重時において当該ばねの圧縮に際し、当該ケースの開放側の狭い環状隙間を通して水が排除され、これが付加的なダンパ効果をもたらすという利点が得られる。
【0037】
超過荷重の発生を認識すると共に、燃料集合体の落下又は降下時の当該ダンパシステムの応答を検知すべく、当該ダンパシステムは、構造的に簡易な形で、例えば、当該ダンパシステムが活性化するや直ちに電流回路を遮断する開閉器として形成された検出装置を含んでいてよい。
【0038】
以下、実施例の記述に基づき、添付図面を参照して、本発明をその他の特徴及び利点についても詳細に説明する。各図は、それぞれ、以下を概略的に示している。