(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6896857
(24)【登録日】2021年6月11日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】圧電気センサ装置及び応用
(51)【国際特許分類】
H01L 41/047 20060101AFI20210621BHJP
H01L 41/113 20060101ALI20210621BHJP
H01L 41/187 20060101ALI20210621BHJP
H01L 41/193 20060101ALI20210621BHJP
H01L 41/083 20060101ALI20210621BHJP
H01L 41/04 20060101ALI20210621BHJP
G01L 1/14 20060101ALI20210621BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
H01L41/047
H01L41/113
H01L41/187
H01L41/193
H01L41/083
H01L41/04
G01L1/14 J
G06F3/041 602
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-527415(P2019-527415)
(86)(22)【出願日】2017年11月14日
(65)【公表番号】特表2019-537844(P2019-537844A)
(43)【公表日】2019年12月26日
(86)【国際出願番号】CN2017110800
(87)【国際公開番号】WO2018090892
(87)【国際公開日】20180524
【審査請求日】2019年6月4日
(31)【優先権主張番号】201611011803.2
(32)【優先日】2016年11月17日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519217973
【氏名又は名称】北京▲タイ▼方科技有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】杜朝亮
(72)【発明者】
【氏名】郭洪峰
(72)【発明者】
【氏名】趙慶雨
【審査官】
加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−070492(JP,A)
【文献】
特表2007−515073(JP,A)
【文献】
特開2015−212982(JP,A)
【文献】
特開2013−149124(JP,A)
【文献】
特開2016−129015(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/175848(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 41/047
G01L 1/14
G06F 3/041
H01L 41/04
H01L 41/083
H01L 41/113
H01L 41/187
H01L 41/193
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電センサ装置であって、複数の圧電領域を含み、圧電領域当たりに圧電体と、正極表面と負極表面とが含まれており、中でも、前記複数の圧電領域における第1圧電領域から最後の圧電領域を順に隣接する圧電領域が同極表面と同極表面とが接続する方式(即ち正極表面と正極表面とが接続するか、又は負極表面と負極表面とが接続する)で接続し、前記圧電体は圧電効果を持つ材料であり、
圧電センサ装置が稼働する際に、圧電効果のため、圧電領域の二つの表面にそれぞれ同じ数且つ逆極性の電荷が積もることを特徴とする圧電センサ装置。
【請求項2】
それぞれ第1圧電領域と最後の圧電領域との隣接する圧電領域との非接続端部に結合する第1引出電極と第2引出電極をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の圧電センサ装置。
【請求項3】
第1引出電極と第2引出電極を除く接続電極をさらに含み、前記接続電極は、前記隣接する圧電領域における同極表面を互いに電気的に接続し、前記接続電極は剛性接続又はフレキシブルな接続を含むことを特徴とする請求項1に記載の圧電センサ装置。
【請求項4】
前記複数の圧電領域は同一の圧電体の異なる部分に存在することを特徴とする請求項1に記載の圧電センサ装置。
【請求項5】
前記複数の圧電領域は異なり且つ相互に独立する圧電体に存在することを特徴とする請求項1に記載の圧電センサ装置。
【請求項6】
前記複数の圧電領域は並列の形で並べられるか、又は前記複数の圧電領域は直列の形で並べられるか、又は前記複数の圧電領域は二次元配列の形で並べられるか、又は前記複数の圧電領域は階層の形で並べられるか、又は前記複数の圧電領域は三次元配列の形で並べられることを特徴とする請求項1に記載の圧電センサ装置。
【請求項7】
前記複数の圧電領域の間に充填された絶縁材料が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の圧電センサ装置。
【請求項8】
前記複数の圧電領域間の距離は調節しうるものであることを特徴とする請求項1に記載の圧電センサ装置。
【請求項9】
前記複数の圧電領域における圧電体の形状は方形又は円形であることを特徴とする請求項1に記載の圧電センサ装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の圧電センサ装置を含むタッチ受信装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧電効果を利用して機械的エネルギーと電気的エネルギーを相互に転換する装置に関し、具体的には圧電センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電センサは振動又は力の強さを測定するための公知のセンサであり、何等かの誘電体の圧電効果に基づくものである。中でも、正圧電効果は、外力がその表面に印加される場合、該誘電体の表面に電荷が生じ、非電気的な量への測定が実現することを指す。圧電逆効果は、誘電体に交番電界を印加して機械的変形を引き起こす現象を指し、電歪効果とも呼ばれる。圧電逆効果により製造される発信器は電気音響及び超音波工学に用いられる。
【0003】
圧電センサは、機械工学、生医学、石油開拓、音波検層、電気音響学などの技術分野において幅広く用いられている。
【0004】
実用においては、取り付けの都合と信号の忠実な収集のために圧電センサは通常センサモジュールに設計される。一般的に、圧電センサモジュールを設計する際には、リード、前処理回路、実装方式及び複数の圧電センサの接続方式を考慮に入れる必要がある。
【0005】
圧電センサの設計において、単一なセンサ信号は実用的強度を達せなかったり出力された信号は収集と認識に役立たなかったりすることがある。複数の圧電センサを組みわせて用いられる場合、位相が異なるため、収集する際に信号の波山と波谷はある程度で相殺又は重畳することによって異性の信号が生じる。目下のところ、特許CN200480038012.8に開示の組み合わせ方法のように、伝統的な組み合わせ方法はセンサを直列接続で接続し、接続する際に一つのセンサの正極をもう一つのセンサの負極と接続するものであり、低周波信号を有効に増大させるとともに、高周波信号を弱めることが可能である。しかしながら、機械波(または弾性波)により位置付けるという応用について、高周波信号はより高い解像度を持つため、より高い位置付け精度を提供することができる。しかし、特許CN200480038012.8に開示の組み合わせ方法は高周波信号を弱めるため、正確に位置付けるには不利である。本発明は、高周波信号を有効に増大させるとともに低周波信号を弱め、出力された波形信号が位置付け精度の向上に一層役立つ組み合わせ方式を提供する。本発明に係る効果は実験で検証されたものである。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、高周波信号を有効に増大させるとともに、低周波信号を弱めることが可能な圧電センサ装置を提供し、具体的な発明は以下のとおりである。
複数の圧電領域を含み、圧電領域当たりには正極表面と負極表面が含まれており、複数の圧電領域における1圧電領域目から最後の圧電領域を順に隣接する圧電領域が同極表面と同極表面とが接続する方式で接続し、即ち正極表面と正極表面とが接続するか、又は負極表面と負極表面とが接続することを特徴とする圧電センサ装置である。前記圧電領域とは、圧電効果を持つ独立部であり、例えば圧電セラミック、圧電結晶又は圧電フィルムなどである。
【0007】
さらに、それぞれ第1圧電領域と最後の圧電領域の隣接する圧電領域との非接続端部に結合する第1引出電極と第2引出電極を含む。第1圧電領域の正極表面が隣接する圧電領域の正極表面に電気的に接続する場合、第1引出電極が第1圧電領域の負極表面に結合する。第1圧電領域の負極表面が隣接する圧電領域の負極表面に電気的に接続する場合、第1引出電極が第1圧電領域の正極表面に結合する。最後の圧電領域の正極表面が隣接する圧電領域の正極表面に電気的に接続する場合、第2引出電極が最後の圧電領域の負極表面に結合する。最後の圧電領域の負極表面が隣接する圧電領域の負極表面に電気的に接続する場合、第2引出電極が最後の圧電領域の正極表面に結合する。
【0008】
さらに、第1引出電極と第2引出電極を除く接続電極を含み、前記接続電極は分割された複数の圧電領域の接続に用いられ、前記接続電極は剛性のもの又はフレキシブルなものを含み、剛性のものは例えば印刷電極が挙げられ、フレキシブルなものは例えば、フレキシブルな導電体により前記分割された複数の圧電領域に接続するものが挙げられる。
【0009】
さらに、前記複数の圧電領域は単一な圧電構造に存在する。
【0010】
さらに、前記複数の圧電領域はそれぞれ異なる圧電構造に存在する。
【0011】
さらに、前記複数の圧電領域は並列の形で並べられる。
【0012】
さらに、前記複数の圧電領域は直列の形で並べられる。
【0013】
さらに、前記複数の圧電領域は二次元配列の形で並べられる。
【0014】
さらに、前記複数の圧電領域は階層の形で並べられるか、又は前記複数の圧電領域は三次元配列の形で並べられる。
【0015】
さらに、前記複数の圧電領域の間に充填された絶縁材料が含まれている。
【0016】
さらに、前記複数の圧電領域間の距離は調節しうるものである。
【0017】
さらに、前記複数の圧電領域における圧電体の形状は方形に拘らず、円形であっても他の形状であってもよい。
【0018】
本発明は、高周波信号を有効に増大させるとともに低周波信号を弱め、出力された波形信号が位置付け精度の向上に一層役立つ組み合わせ方式を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は本発明の実施例1の第1構造の模式図である。
【
図2】
図2は本発明の実施例1の第2構造の模式図である。
【
図3】
図3は本発明の実施例1の第3接続の模式図である。
【
図4】
図4は本発明の実施例1の第4接続の模式図である。
【
図5】
図5は本発明の実施例2の第1接続の模式図である。
【
図6(a)】
図6(a)は本発明の実施例2の第2接続の模式
図1である。
【
図6(b)】
図6(b)は本発明の実施例2の第2接続の模式
図2である。
【
図7】
図7は本発明の実施例2の第3接続の模式図である。
【
図8】
図8は本発明の実施例2の第4接続の模式図である。
【
図9】
図9は本発明の実施例2の第5接続の模式図である。
【
図10】
図10は本発明の実施例2の第6接続の模式図である。
【
図12】
図12は本発明と先行技術との実験効果比較図である。
【
図14】
図14は本発明の実施例5の第1方法の流れ図である。
【
図15】
図15は本発明の実施例5の第2方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面及び実施例に基づき、本発明に係る発明を詳しく説明する。図面に示される各部品は制限的ではなく、模式的なものであり、実際の比率で描かれたものではないと理解すべきである。
【0021】
本発明については、性能が同一な二つのセンサ装置を例としてその原理を説明する。
本発明は高周波信号を増大させるとともに低周波信号を弱めるものであり、前記高周波信号と低周波信号は具体的な使用条件に基づいて定義されたものである。f(周波数)=v(波速)/λ(波長)であるため、本発明における高周波と低周波の境界点は下記式(1)で定義される。
f=v/(6*d) (1)
中でも、vは測定される物体における機械波の伝搬速度であり、dは図中に示される両圧電領域の等価距離であり、一般的に両圧電領域の中心の間の距離を指す。なお、シート状構造における波については、上式におけるvは固定値ではなく、fの関数である。周波数が上式におけるf=v/(6*d)よりも大きい場合、高周波信号と定義されるのに対して、周波数が上式におけるf=v/(6*d)よりも小さい場合、低周波信号と定義される。式(1)からすれば、高周波と低周波との境界点は材料と両圧電領域の位置によって異なるため、ここでの高周波と低周波は材料と圧電領域の位置によるものである。本発明において、材料と圧電領域の位置を一定にすることを前提に高周波信号を増大させるとともに低周波信号を弱めるという有利な効果を得ることができる。
【0022】
本発明に係る原理は以下のとおりである。
構造中の波信号をS
0=A
0*sin(a*t+θ
0) (2)とし、
第1センサ装置が出力する波信号は下式(3)で示され、
第2センサ装置が出力する波信号は下式(4)で示され、
本発明における組み合わせにより出力する波信号は下式(5)で示される。
中でも、
は出力される波信号Sの振幅である。シート状構造における零階非対称波については、周波数fが増大すると、波長λが減少する。両センサの等価距離dが変わらなく、位相差が|θ
1−θ
2|=2*π*d/λである。したがって、|θ
1−θ
2|<π(即ちd/λ<1/2)の場合、fが増大し、振幅Sが増大する。したがって、本発明における組み合わせは高周波信号を増大させる(最大で元信号の2倍に達する)役割を果たすとともに、低周波信号を弱める(最小で0に近い役割を果たしている。また、dを調節することにより信号の拡大倍数を調整できることが分かる。
【0023】
これに対して、先行技術において組み合わせにより出力する信号は
であり、本発明に正に反する。fが増大すると、振幅Sが減少する。
【0024】
図12は本発明と先行技術との実験効果の比較図である。本実験において、2枚の圧電セラミックを使用し、それぞれ先行技術での方法及び本発明での方法により接続し、媒体であるガラスの上で、同一の振動波形を同時に収集する。最初の高周波段階において、本発明に係る波形は振幅が比較発明での振幅よりも著しく高く、波形の振幅が低くなった後、両者は振幅が顕著な差がない。これによって、本発明に係る接続方式のほうが高周波信号の拡大の役割を果たすことができることを証明した。具体的な応用において、測定される周波数が本発明に係る周波数の境界点を超える場合、本発明に係る方法により有効な信号を有効に向上させることができる。
【0025】
[実施例1]
図1は実施例1の第1構造の模式図である。当該構造は第1引出電極1001、第2引出電極1002、第1圧電領域1005、第2圧電領域1006及び電極1004を含む。中でも、第1圧電領域1005と第2圧電領域1006は同じ圧電材料1003に存在する。圧電材料1003は圧電効果を持つ材料であり、無機圧電材料と有機圧電材料を含む。無機圧電材料は圧電結晶を含み、例えば水晶(石英結晶)、リチウムガレート、ゲルマニウム酸リチウム、ゲルマニウム酸チタン、フェロトランジスターニオブ酸リチウム及びタンタル酸リチウムなどが挙げられ、その他、圧電セラミックをも含み、例えばチタン酸バリウムBT、チタン酸ジルゴン酸鉛PZT、変性チタン酸ジルゴン酸鉛PZT、メタニオブ酸鉛、ニオブ酸鉛バリウムリチウムPBLN、変性チタン酸鉛などが挙げられる。有機圧電材料は圧電高分子とも呼ばれ、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)(フィルム)及びそれに代表される他の有機圧電(フィルム)材料が挙げられる。本発明の実施例では圧電セラミックが用いられる。本発明の実施例では、第1圧電領域1005と第2圧電領域1006は同じ圧電材料1003に存在し、即ち二つの圧電領域は同じ圧電構造に存在し、二つの圧電領域はいずれも上面が負極表面であり、下面が正極表面である。正極表面に電極1004が結合し、二つの圧電領域の電気的な接続が実現し、それぞれ二つの圧電領域の負極表面に電極が結合し、圧電センサ装置と外部回路との電気的接続に用いられる第1引出電極1001と第2引出電極1002を形成する。本発明において、電極は金属蒸着フィルムであり、圧電センサ装置が稼働する際に、圧電効果のため、圧電領域の二つの表面にそれぞれ同じ数且つ逆極性の電荷が積もる。中でも、正電荷が積もる電極は正極表面であるのに対して、負電荷が積もる電極は負極表面である。正極表面に結合する電極は正電極であるのに対して、負極表面に結合する電極は負電極である。電位差が比較的小さく生じることを確保したまま、電極の抵抗による出力電流の顕著な減少を引き起こさないために、電極については、導電性が良い材料が用いられ、例えばアルミニウム、金、銀などの金属材料、又はAg−Ni−Sn、Ag−Ni−Au、Cu−Ni−Sn(BME)などの三層の構造からなる積層電極が挙げられる。
図1において、電極1004は正電極であり、第1引出電極1001と第2引出電極1002は負電極であり、第1圧電領域1005と第2圧電領域1006の分極方向は正極表面から負極表面へ指すものであり、電極1004は第1圧電領域の正極表面と第2圧電領域の正極表面に電気的に接続し、第1引出電極1001と第2引出電極1002はそれぞれ引出線に接続するか、又は伝導路により外部回路に接続し、はんだ材料、導電ペースト又は導電粘着剤などの電気的な接続に適する材料を用いて引出電極と外部回路を接続することを含む。
【0026】
使用する際に、電極1004を測定される振動物体と溶接又は粘着剤などの形で機械的に接続する。機械的に接続する際に、電極における複数の点又は線のみを振動物体と接続してもよい。本発明の実施例において、圧電センサ装置と測定される振動物体との接触面積を増大させ、検測の正確性を向上させるために、電極の表面のすべてを粘着剤で測定される振動物体と接続する。振動が発生する際に、電極1004の表面は圧力を受け、当該圧力は圧電材料1003にまで伝送され、圧電効果により二つの負電極、即ち引出電極1001と引出電極1002に電位差が生じ、引出線又は伝導路は当該電位差の作用の下で小電流出力を生じ、当該小電流は測定される電気的信号である。
【0027】
図2は実施例1の第2構造の模式図である。当該構造は第1引出電極2001、第2引出電極2002、第1圧電領域2005、第2圧電領域2006及び電極2004を含む。中でも、第1圧電領域2005と第2圧電領域2006は同じ圧電材料2003に存在し、即ち二つの圧電領域は同じ圧電構造に存在し、二つの圧電領域はいずれも上面が負極表面であり、下面が正極表面であり、分極方向は負極表面から正極表面へ指すものである。それぞれ二つの圧電領域の正極表面と負極表面に電極が結合し、中でも、電極2004は正電極であり、第1引出電極2001と第2引出電極2002は負電極であり、電極2004は第1圧電領域の正極表面と第2圧電領域の正極表面に接続し、第1引出電極1001と第2引出電極1002は圧電センサ装置と外部回路との電気的接続に用いられる。使用する際に、第1引出電極2001と第2引出電極2002はそれぞれ引出線に接続するか、又は伝導路により外部回路に接続し、電極2004を測定される振動物体と機械的に接続する。
【0028】
図3は実施例1の第3構造の模式図である。当該構造は第1引出電極3004、第2引出電極3005、第1圧電領域3007、第2圧電領域3008、電極3001、電極3002及び接続線3006を含む。中でも、第1圧電領域3007と第2圧電領域3008は同じ圧電材料3003に存在し、即ち二つの圧電領域は同じ圧電構造に存在し、二つの圧電領域はいずれも上面が正極表面であり、下面が負極表面であり、分極方向は正極表面から負極表面へ指すものである。それぞれ二つの圧電領域の正極表面と負極表面に電極が結合し、電極3001と電極3002は正電極であり、第1引出電極3004と第2引出電極3005は負電極であり、接続線3006は二つの正電極(即ち電極3001と電極3002)に接続し、二つの圧電領域の正極表面の電気的接続が実現し、第1引出電極3004と第2引出電極3005は圧電センサ装置と外部回路との電気的接続に用いられる。使用する際に、第1引出電極3004と第2引出電極3005はそれぞれ引出線に接続するか、又は伝導路により外部回路に接続し、使用する際に、電極3001又は電極3002のみを測定される振動物体と機械的に接続してもよいが、圧電センサ装置と測定される振動物体との接触面積を増大させ、検測の正確性を向上させるために、本発明の実施例において、電極3001と電極3002を同時に測定される振動物体と機械的に接続する。以下の実施例に係る構造において、圧電センサ装置と測定される振動物体との接触面積を増大させるためにいずれもこのような形で接続する。
【0029】
図4は実施例1の第4構造の模式図である。当該構造は第1引出電極4001、第2引出電極4003、電極4004、第1圧電領域4007、第2圧電領域4008、第3圧電領域4009、第4圧電領域4010及び電極4006を含む。中でも、第1圧電領域4007、第2圧電領域4008、第3圧電領域4009及び第4圧電領域4010は同じ圧電材料4005に存在し、即ち四つの圧電領域は同じ圧電構造に存在し、四つの圧電領域はいずれも上面が正極表面であり、下面が負極表面であり、四つの圧電領域の分極方向は正極表面から負極表面へ指すものである。それぞれ四つの圧電領域の正極表面と負極表面に電極が結合し、第1引出電極4001、電極4002及び第2引出電極4003は正電極であり、電極4004と電極4006は負電極である。電極4004は第1圧電領域の負極表面と第2圧電領域の負極表面に接続し、電極4002は第2圧電領域の正極表面と第3圧電領域の正極表面に接続し、電極4006は第3圧電領域の負極表面と第4圧電領域の負極表面に接続し、第1引出電極4001と第2引出電極4003は圧電センサ装置と外部回路との電気的接続に用いられる。使用する際に、第1引出電極4001と第2引出電極4003はそれぞれ引出線に接続するか、又は伝導路により外部回路に接続し、電極4004と電極4006は測定される振動物体と機械的に接続する。
【0030】
[実施例2]
図5〜
図8は実施例2における四つの異なる構造である。本実施例と実施例1との相違点は、実施例1においては同じ圧電領域の正極表面と負極表面に複数の電極が置かれ、一つの圧電構造に複数の圧電領域を有する圧電センサ装置を形成するのに対して、本実施例においては異なる圧電領域の正極表面と負極表面に電極が置かれ、圧電領域当たりがそれぞれ異なる圧電構造に存在する圧電センサ装置を形成する。中でも、異なる圧電領域の間には絶縁材料で接続してもよく、何ら材料を使わずに接続してもよい。前記絶縁材料は一定の強度(例えばプラスチック、絶縁セラミック、アクリルなど)を持つ必要がある。前記絶縁材料は構造を強化する役割を果たし、前記圧電センサ装置は取付及び使用においてより固く且つ耐用になるため、壊れにくい。また、複数の圧電領域間の距離は調節しうるものである。複数の圧電領域間の距離は固定することなく、具体的な使用状況に基づいて調節してもよい。例えば、測定される物体の形状又は厚みに基づいて調節してもよい。圧電領域の間に充填された絶縁材料が含まれる場合、充填された絶縁材料は圧電領域の配列方向に長さが固定することなく、具体的な使用状況に基づいて調節してもよく、例えば測定される物体の形状又は厚みに基づいて調節してもよい。具体的に以下のとおりである。
【0031】
図5は実施例2の第1構造の模式図である。当該構造は第1引出電極5004、第2引出電極5005、第1圧電領域5003、電極5001、電極5002、第2圧電領域5006及び接続線5007を含む。中でも、第1圧電領域5003と第2圧電領域5006はそれぞれ二つの異なる圧電材料に存在し、即ち二つの圧電領域はそれぞれ二つの異なる圧電構造に存在する。二つの圧電領域はいずれも上面が正極表面であり、下面が負極表面であり、分極方向はいずれも正極表面から負極表面へ指すものである。それぞれ第1圧電領域5003と第2圧電領域5006の正極表面と負極表面に電極が結合し、電極5001と電極5002は正電極であり、第1引出電極5004と第2引出電極5005は負電極である。電極5001、第1圧電領域5003及び第1引出電極5004は第1圧電構造を形成し、電極5002、第2圧電領域5006及び第2引出電極5005は第2圧電構造を形成し、且つ、二つの圧電構造の分極方向はいずれも正電極から負電極へ指すものである。接続線5007は第1圧電構造と第2圧電構造の二つの正電極(即ち電極5001と電極5002)に接続し、第1引出電極5004と第2引出電極5005は圧電センサ装置と外部回路との電気的接続に用いられる。使用する際に、第1引出電極5004と第2引出電極5005はそれぞれ引出線に接続するか、又は伝導路により外部回路に接続し、電極5001と電極5002は測定される振動物体に機械的に接続する。
【0032】
図6は実施例2の第2構造の模式図であり、(a)と(b)との二つの構造を含む。
図6(a)は第1引出電極6001、第2引出電極6002、第1圧電領域6003、電極6004及び第2引出電極6005を含む。中でも、第1圧電領域6003と第2圧電領域6005はそれぞれ二つの異なる圧電材料に存在し、即ち二つの圧電領域はそれぞれ二つの異なる圧電構造に存在する。二つの圧電領域はいずれも下面が正極表面であり、上面が負極表面であり、分極方向はいずれも正極表面から負極表面へ指すものである。それぞれ第1圧電領域6003と第2圧電領域6005の正極表面と負極表面に電極が結合し、電極6004は正電極であり、第1引出電極6001と第2引出電極6002は負電極である。電極6004、第1圧電領域6003及び第1引出電極6001は第1圧電構造を形成し、電極6004、第2圧電領域6005及び第2引出電極6002は第2圧電構造を形成し、且つ、二つの圧電構造の分極方向はいずれも正電極から負電極へ指すものである。電極6004は第1圧電構造の正電極と第2圧電構造の正電極に接続し、第1引出電極6001と第2引出電極6002は圧電センサ装置と外部回路との電気的接続に用いられる。使用する際に、第1引出電極6001と第2引出電極6002はそれぞれ引出線に接続するか、又は伝導路により外部回路に接続し、電極6004は測定される振動物体に接続する。
図6(a)における構造に比べて、
図6(b)における構造はさらに絶縁接続シート6006を含み、当該絶縁接続シートは構造を強化する役割を果たし、前記圧電センサ装置は取付及び使用においてより固く且つ耐用になるため、壊れにくい。
【0033】
図7は実施例2の第3構造の模式図であり、当該構造は第1引出電極7001、電極7002、第2引出電極7007、第1圧電領域7003、電極7004、第2圧電領域7005及び第3圧電領域7006を含む。中でも、第1圧電領域7003、第2圧電領域7005及び第3圧電領域7007はそれぞれ三つの異なる圧電材料に存在し、即ち三つの圧電領域はそれぞれ三つの異なる圧電構造に存在する。三つの圧電領域はいずれも上面が正極表面であり、下面が負極表面であり、分極方向はいずれも正極表面から負極表面へ指すものである。それぞれ第1圧電領域7003、第2圧電領域7005及び第3圧電領域7007の正極表面と負極表面に電極が結合し、第1引出電極7001、電極7002は正電極であり、電極7004と電極7007は負電極であり、第1圧電領域7003、第2圧電領域7005及び第3圧電領域7006の分極方向は正電極から負電極へ指すものである。第1引出電極7001、第1圧電領域7003及び電極7004は第1圧電構造を形成し、電極7002、第2圧電領域7005及び電極7004は第2圧電構造を形成し、電極7002、第3圧電領域7006及び第2引出電極7007は第3圧電構造を形成し、且つ三つの圧電構造の分極方向はいずれも正電極から負電極へ指すものである。電極7004は第1圧電構造の負電極と第2圧電構造の負電極に接続し、電極7002は第2圧電構造の正電極と第3圧電構造の正電極に接続し、第1引出電極7001と第2引出電極7007は圧電センサ装置と外部回路との電気的接続に用いられる。使用する際に、第1引出電極7001と第2引出電極7007はそれぞれ引出線に接続するか、又は伝導路により外部回路に接続する。しかしながら、本構造において、第1引出電極7001と第2引出電極7002は同じ平面に存在しないため、使用する際に、電極7002と電極7004を同時に測定される振動物体に機械的接続することができず、使用に不都合が起こる。したがって、本構造を改善することにより実施例2の第4構造を得る。
【0034】
図8は実施例2の第4構造の模式図であり、当該構造は第1引出電極8001、電極8002、第2引出電極8003、第1圧電領域8004、電極8005、第2圧電領域8006、第3圧電領域8007、電極8008及び第4圧電領域8009を含む。中でも、第1圧電領域8004、第2圧電領域8006、第3圧電領域8007及び第4圧電領域8009はそれぞれ四つの異なる圧電材料に存在し、即ち四つの圧電領域はそれぞれ四つの異なる圧電構造に存在する。四つの圧電領域はいずれも上面が正極表面であり、下面が負極表面であり、分極方向はいずれも正極表面から負極表面へ指すものである。それぞれ第1圧電領域8004、第2圧電領域8006、第3圧電領域8007及び第4圧電領域8009の正極表面と負極表面に電極が結合し、第1引出電極8001、電極8002及び第2引出電極8003は正電極であり、電極8005と電極8008は負電極であり、第1圧電領域8004、第2圧電領域8006、第3圧電領域8007及び第4圧電領域8009の分極方向は正電極から負電極へ指すものである。第1引出電極8001、第1圧電領域8004及び電極8005は第1圧電構造を形成し、電極8002、第2圧電領域8006及び電極8005は第2圧電構造を形成し、電極8002、第3圧電領域8007及び電極8008は第3圧電構造を形成し、第2引出電極8003、第4圧電領域8009及び電極8008は第4圧電構造を形成し、且つ四つの圧電構造の分極方向はいずれも正電極から負電極へ指すものである。電極8005は第1圧電構造の負電極と第2圧電構造の負電極に接続し、電極8002は第2圧電構造の正電極と第3圧電構造の正電極に接続し、電極8008は第3圧電構造と第4圧電構造に接続し、第1引出電極8001と第2引出電極8003は圧電センサ装置と外部回路との電気的接続に用いられる。使用する際に、第1引出電極8001と第2引出電極8003はそれぞれ引出線に接続するか、又は伝導路により外部回路に接続する。そして、二つの引出電極は同じ平面に存在するため、使用する際に電極8005と電極8008を測定される振動物体に機械的接続して用いられてもよい。
【0035】
図9は実施例2の第5構造の模式図であり、第1引出電極9001、電極9002、電極9003、電極9004、第2引出電極9005、第1圧電領域9006、第2圧電領域9007、第3圧電領域9008、第4圧電領域9009を含む。中でも、第1圧電領域9006、第2圧電領域9007、第3圧電領域9008及び第4圧電領域9009はそれぞれ四つの異なる圧電材料に存在し、即ち四つの圧電領域はそれぞれ四つの異なる圧電構造に存在する。四つの圧電領域はいずれも上面が正極表面であり、下面が負極表面であり、分極方向はいずれも正極表面から負極表面へ指すものである。それぞれ第1圧電領域9006、第2圧電領域9007、第3圧電領域9008及び第4圧電領域9009の正極表面と負極表面に電極が結合し、第1引出電極9001、電極9003及び第2引出電極9005は正電極であり、電極9002と電極9004は負電極であり、第1圧電領域9006、第2圧電領域9007、第3圧電領域9008及び第4圧電領域9009の分極方向は正電極から負電極へ指すものである。第1引出電極9001、第1圧電領域9006及び電極9002は第1圧電構造を形成し、電極9002、第2圧電領域9007及び電極9003は第2圧電構造を形成し、電極9003、第3圧電領域9008及び電極9004は第3圧電構造を形成し、第2引出電極9005、第4圧電領域9009及び電極9004は第4圧電構造を形成し、且つ四つの圧電構造の分極方向はいずれも正電極から負電極へ指すものである。電極9002は第1圧電構造の負電極と第2圧電構造の負電極に接続し、電極9003は第2圧電構造の正電極と第3圧電構造の正電極に接続し、電極9004は第3圧電構造と第4圧電構造に接続し、第1引出電極9001と第2引出電極9005は圧電センサ装置と外部回路との電気的接続に用いられる。使用する際に、第1引出電極9001と第2引出電極9005はそれぞれ引出線に接続するか、又は伝導路により外部回路に接続する。電極9002と電極9004は測定される振動物体に機械的接続する。
【0036】
図10は実施例2の第6構造の模式図であり、第1引出電極10001、電極10002、電極10003、電極10004、電極10005、電極10006、電極10007、電極10008、第2引出電極10009、第1圧電領域10010、第2圧電領域10011、第3圧電領域10012、第4圧電領域10013、第5圧電領域10014、第6圧電領域10015、第7圧電領域10016及び第8圧電領域10017を含む。中でも、第1圧電領域10010、第2圧電領域10011、第3圧電領域10012、第4圧電領域10013、第5圧電領域10014、第6圧電領域10015、第7圧電領域10016及び第8圧電領域10017はそれぞれ八つの異なる圧電材料に存在し、即ち八つの圧電領域はそれぞれ八つの異なる圧電構造に存在する。八つの圧電領域はいずれも上面が正極表面であり、下面が負極表面であり、分極方向はいずれも正極表面から負極表面へ指すものである。それぞれ第1圧電領域10010、第2圧電領域10011、第3圧電領域10012、第4圧電領域10013、第5圧電領域10014、第6圧電領域10015、第7圧電領域10016及び第8圧電領域10017の正極表面と負極表面に電極が結合し、電極10002、電極10004、電極10006及び電極10008は正電極であり、電極10001、電極10003、電極10005、電極10007及び電極10009は負電極である。第1引出電極10001、第1圧電領域10010及び電極10002は第1圧電構造を形成し、電極10002、第2圧電領域10011及び電極10003は第2圧電構造を形成し、電極10005、第3圧電領域10012及び電極10004は第3圧電構造を形成し、電極10004、第4圧電領域10013及び電極10003は第4圧電構造を形成し、電極10005、第5圧電領域10014及び電極10006は第5圧電構造を形成し、電極10006、第6圧電領域10015及び電極10007は第6圧電構造を形成し、第2引出電極10009、第7圧電領域10016及び電極10008は第7圧電構造を形成し、電極10008、第8圧電領域10017及び電極10007は第8圧電構造を形成し、且つ八つの圧電構造の分極方向はいずれも正電極から負電極へ指すものである。電極10002は第1圧電構造の正電極と第2圧電構造の正電極に接続し、電極10004は第3圧電構造の正電極と第4圧電構造の正電極に接続し、電極10003は第2圧電構造の負電極と第4圧電構造の負電極に接続し、電極1005は第3圧電構造の負電極と第5圧電構造の負電極に接続し、電極10006は第5圧電構造の正電極と第6圧電構造の正電極に接続し、電極1007は第5圧電構造の負電極と第8圧電構造の負電極に接続し、電極10008は第7圧電構造の正電極と第8圧電構造の正電極に接続し、第1引出電極10001と第2引出電極10009は圧電センサ装置と外部回路との電気的接続に用いられる。使用する際に、第1引出電極10001と第2引出電極10009はそれぞれ引出線に接続するか、又は伝導路により外部回路に接続する。電極10003と電極10007は測定される振動物体に機械的接続する。本構造において、圧電構造は積層の形で接続され、三次元配列を形成する。本実施例には三次元配列で分布する構造の一つのみが記載され、即ち2X2X2の三次元配列である。本実施例に示される三次元配列以外に、2X2X3、3X3X3、3X3X4、5X5X5などの多種の三次元配列が用いられてもよい。
【0037】
[実施例3]
図11は実施例3の構造の模式図である。本実施例が前述した実施例と違うのは第1引出電極11001、第2引出電極11002、圧電体11003及び接続電極11005を含む円形の圧電体が用いられる点にある。図中において、第1引出電極11001と第2引出電極11002とがそれらに対応する圧電体の負極に結合し、接続電極11004は前記圧電体の正極に結合する。当該実施例において、用いられる円形の圧電体11003は方形の圧電体に比べて取り付け易いため、特定の取り付けの場面に適する。
【0038】
[実施例4]
図13は本発明に係るタッチ検出装置の構造の模式図の一種であり、タッチ受信装置、圧電センサ装置、信号検出装置及び信号処理装置を含む。中でも、タッチ受信装置はタッチ動作を受信するに用いられる。圧電センサ装置はタッチ受信装置に対するタッチ動作を圧電信号に転換するに用いられる。信号検出装置は圧電センサ装置から出力された圧電信号を検出するに用いられる。信号処理装置は検出された信号を分析するに用いられ、タッチ位置の情報を得る。本実施例において、タッチ受信装置はLEDスクリーンである。圧電センサ装置は少なくとも二つである。圧電センサ装置が二つである場合、タッチ受信装置における一対角線の二つの端点に分布する。圧電センサ装置が三つである場合、それぞれタッチ受信装置の四角における三つの角に分布するか、又はそれぞれタッチ受信装置の境界位置に分布する。圧電センサ装置が四つである場合、それぞれタッチ受信装置の四角に分布するか、又はタッチ受信装置の境界位置に分布する。圧電センサ装置が四つ以上である場合、そのうち四つはタッチ受信装置の四角に分布し、他の圧電センサ装置は境界位置に分布する。タッチ受信装置の面積に基づいて、複数の圧電センサ(即ち実施例1又は実施例2に記載の圧電センサ装置)を二次元マトリックスの形で配列してもよい。例えば、タッチ受信装置の境界、角及び中間位置に分布する3X3、5X5又は7X7のマトリックスである。圧電センサ装置が3X3のマトリックスである場合、九つの圧電センサ装置のうち四つは角に分布し、四つはタッチ受信装置の四つの辺の中間位置に分布し、一つはタッチ受信装置の中心点に分布する。
【0039】
[実施例5]
図14に示されるように、本発明はタッチ検出方法を提供するものであり、具体的に以下の工程を含む。
タッチ受信装置はタッチ動作を受信する。タッチ受信装置は振動を検出するに適すれば何でもよい。例えば、ガラス板、プラスチック板、金属板などであってもよく、表示画面(例えば投射表示画面、液晶表示画面、LED表示画面、LCD表示画面又はCRT表示画面など)であってもよい。本実施例において、タッチ受信装置はLED表示画面であり、タッチ動作はタッチ受信装置に圧力を生じる可能なタッチ(クリックタッチ、スライドタッチなどを含む)を含む。
【0040】
圧電センサ装置はタッチ動作による圧力変化を検出する。本実施例において、圧電センサ装置は実施例1又は実施例2に記載の圧電センサ装置で且つ数が四つであり、それぞれLED表示画面の四つの角に分布する。使用者はタッチ受信装置をクリックし、即ちLEDである場合、四つの圧電センサ装置はそれぞれタッチ受信装置における圧力の変化を検出する。
【0041】
圧電センサ装置は圧電効果により検出された圧力変化を電気的信号に転換する。圧電効果のため、圧電センサ装置は圧力変化を電荷変化に転換することによりそれを電気的信号に転換し、且つ二つの引出電極により当該電気的信号が出力される。
【0042】
図15に示されるように、上記タッチ検出方法をもとに更なる改善することにより2種目のタッチ検出方法を得ることができる。本方法は1種目のタッチ検出方法をもとにさらに以下のような工程を含む。
【0043】
信号検出装置は当該圧電信号を受信し、且つ当該信号を前処理する。中でも、前処理は信号検出の正確性と信頼性を確保するための必要な処理(例えばノイズ除去処理又は信号拡大など)を含む。
信号処理装置は検出された圧電信号を分析することにより、タッチ動作のタッチ位置及び/又はタッチ軌跡を得る。つまり、四つの圧電センサ装置がそれぞれ検出した電気信号を処理することによりタッチ位置を得る。連続でタッチする場合、例えばスライドタッチ、タッチ位置の変化を対比して分析し、タッチ軌跡を得ることができる。
【0044】
本実施例において、タッチ受信装置の面積に基づいて複数の圧電センサ装置(つまり実施例1又は実施例2に記載の圧電センサ装置)を二次元マトリックスで配列してもよい。例えば、3X3、5X5又は7X7のマトリックスで配列し、タッチ受信装置の境界、角及び中間位置に分布する。
【0045】
好ましい実施例により本発明への説明は制限的ではなく、模式的なものであると理解すべきである。当業者は上記実施例をもとに各実施例に記載の発明を修正してもよいか、又はその構成要件の一部を同一に取り替えてもよい。これらの修正と取り替えのいずれは本発明の範囲に含まれるべきである。したがって、本発明の範囲は請求項の範囲に準じるものである。
【符号の説明】
【0046】
1001 第1引出電極
1002 第2引出電極
1003 圧電材料
1004 電極
1005 第1圧電領域
1006 第2圧電領域
2001 第1引出電極
2002 第2引出電極
2003 圧電材料
2004 電極
2005 第1圧電領域
2006 第2圧電領域
3001 電極
3002 電極
3003 圧電材料
3004 第1引出電極
3005 第2引出電極
3006 接続線
3007 第1圧電領域
3008 第2圧電領域
4001 第1引出電極
4002 電極
4003 第2引出電極
4004 電極
4005 圧電材料
4006 電極
4007 第1圧電領域
4008 第2圧電領域
4009 第3圧電領域
4010 第4圧電領域
5001 電極
5002 電極
5003 第1圧電領域
5004 第1引出電極
5005 第2引出電極
5006 第2圧電領域
5007 接続線
6001 第1引出電極
6002 第2引出電極
6003 第1圧電領域
6004 電極
6005 第2圧電領域
6006 絶縁接続シート
7001 第1引出電極
7002 電極
7003 第1圧電領域
7004 電極
7005 第2圧電領域
7006 第3圧電領域
7007 第2引出電極
8001 第1引出電極
8002 電極
8003 第2引出電極
8004 第1圧電領域
8005 電極
8006 第2圧電領域
8007 第3圧電領域
8008 電極
8009 第4圧電領域
9001 第1引出電極
9002 電極
9003 電極
9004 電極
9005 第2引出電極
9006 第1圧電領域
9007 第2圧電領域
9008 第3圧電領域
9009 第4圧電領域
10001 第1引出電極
10002 電極
10003 電極
10004 電極
10005 電極
10006 電極
10007 電極
10008 電極
10009 第2引出電極
10010 第1圧電領域
10011 第2圧電領域
10012 第3圧電領域
10013 第4圧電領域
10014 第5圧電領域
10015 第6圧電領域
10016 第7圧電領域
10017 第8圧電領域
11001 第1引出電極
11002 第2引出電極
11003 圧電材料
11004 接続電極