特許第6896895号(P6896895)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6896895
(24)【登録日】2021年6月11日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】駆動装置、カメラ装置及び電子装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20210621BHJP
   G03B 11/00 20210101ALI20210621BHJP
   G03B 17/12 20210101ALI20210621BHJP
【FI】
   H04N5/225 100
   G03B11/00
   G03B17/12 Z
   H04N5/225 400
   H04N5/225 700
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-3177(P2020-3177)
(22)【出願日】2020年1月10日
(65)【公開番号】特開2020-113986(P2020-113986A)
(43)【公開日】2020年7月27日
【審査請求日】2020年1月10日
(31)【優先権主張番号】201910036275.3
(32)【優先日】2019年1月15日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】316006783
【氏名又は名称】新思考電機有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】韋 華
(72)【発明者】
【氏名】周 聚鶴
【審査官】 佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−078755(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3146954(JP,U)
【文献】 特開2007−241291(JP,A)
【文献】 特開2010−191130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
G03B 11/00
G03B 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過孔が設けられたベースと、
一端に第1機能部が設けられ、他端が前記ベースと回動可能に接続される第1可動アームと、
前記ベースと前記第1可動アームの一方に設けられた第1磁石、及び前記ベースと前記第1可動アームの他方に設けられた第1コイルを有する第1駆動構造と、を備え、
前記第1コイルは通電されると、前記第1磁石との間に相互作用力が発生し、前記他端を中心として前記第1可動アームを第1位置から第2位置まで回動させ、前記第1機能部は、前記第2位置で前記光透過孔を露出させ、前記第1位置で前記光透過孔を覆い、
一端に第2機能部が設けられ、他端が前記ベースと回動可能に接続される第2可動アームと、
前記ベースと前記第2可動アームの一方に設けられた第2磁石、及び前記ベースと前記第2可動アームの他方に設けられた第2コイルを有する第2駆動構造と、をさらに備え、
前記第2コイルは通電されると、前記第2磁石との間に相互作用力が発生し、前記第2可動アームを第3位置から第4位置まで回動させ、前記第2機能部は、前記第3位置で前記光透過孔を露出させ、前記第4位置で前記光透過孔を覆い、
前記第1可動アーム及び前記第2可動アームは、前記ベースの2つの対角にそれぞれ接続されることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記第1コイルが設けられたベース又は第1可動アームには、前記第1磁石と対応して導磁体が設けられ、前記第1コイルに通電されていないときには、前記第1可動アームは、導磁体に対する前記第1磁石の磁気引力により第1位置に保持されることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記第2コイルが設けられたベース又は第2可動アームには、前記第2磁石と対応して導磁体が設けられ、前記第2コイルに通電されていないときには、前記第2可動アームは、導磁体に対する前記第2磁石の磁気引力により第3位置に保持されることを特徴とする請求項に記載の駆動装置。
【請求項4】
光透過孔が設けられたベースと、
一端に第1機能部が設けられ、他端が前記ベースと回動可能に接続される第1可動アームと、
前記ベースと前記第1可動アームの一方に設けられた第1磁石、及び前記ベースと前記第1可動アームの他方に設けられた第1コイルを有する第1駆動構造と、を備え、
前記第1コイルは通電されると、前記第1磁石との間に相互作用力が発生し、前記他端を中心として前記第1可動アームを第1位置から第2位置まで回動させ、前記第1機能部は、前記第2位置で前記光透過孔を露出させ、前記第1位置で前記光透過孔を覆い、
前記第1コイルが設けられたベース又は第1可動アームには、前記第1コイル内又は前記第1コイルに近い位置に前記第1磁石と対応して導磁体が設けられ、前記第1磁石と前記第1コイルは、前記第1可動アームの回動中心を中心とした円の円周方向の異なる位置にあり、前記第1コイルへの通電を停止すると、前記第1可動アームは前記第1位置に吸着されるとともに、前記第1コイルに通電されていないときには、前記第1可動アームは、導磁体に対する前記第1磁石の磁気引力により第1位置に保持されることを特徴とする駆動装置。
【請求項5】
一端に第2機能部が設けられ、他端が前記ベースと回動可能に接続される第2可動アームと、
前記ベースと前記第2可動アームの一方に設けられた第2磁石、及び前記ベースと前記第2可動アームの他方に設けられた第2コイルを有する第2駆動構造と、をさらに備え、
前記第2コイルは通電されると、前記第2磁石との間に相互作用力が発生し、前記第2可動アームを第3位置から第4位置まで回動させ、前記第2機能部は、前記第3位置で前記光透過孔を露出させ、前記第4位置で前記光透過孔を覆い、
前記第2コイルが設けられたベース又は第2可動アームには、前記第2コイル内又は前記第2コイルに近い位置に前記第2磁石と対応して導磁体が設けられ、前記第2磁石と前記第2コイルは、前記第2可動アームの回動中心を中心とした円の円周方向の異なる位置にあり、前記第2コイルへの通電を停止すると、前記第2可動アームは前記第3位置に吸着されるとともに、前記第2コイルに通電されていないときには、前記第2可動アームは、導磁体に対する前記第2磁石の磁気引力により第3位置に保持されることを特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記第1機能部は遮蔽部であることを特徴とする請求項1、4又は5のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記第2機能部は赤外線フィルター又はアパーチャーであることを特徴とする請求項1又は5のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記ベースには、前記第1位置で前記第1可動アームが前記第2位置から離れる方向にさらに回動することを制限する第1制限部材、及び前記第2位置で前記第1可動アームが前記第1位置から離れる方向にさらに回動することを制限する第2制限部材がさらに設けられていることを特徴とする請求項1、4又は5のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記ベースには、前記第3位置で前記第2可動アームが前記第4位置から離れる方向にさらに回動することを制限する第3制限部材、及び前記第4位置で前記第2可動アームが前記第3位置から離れる方向にさらに回動することを制限する第4制限部材がさらに設けられていることを特徴とする請求項1又は5の何れか1項に記載の駆動装置。
【請求項10】
レンズと、前記レンズの前に設けられている請求項1乃至9のいずれか1項に記載の駆動装置と、を備えることを特徴とするカメラ装置。
【請求項11】
請求項10に記載のカメラ装置を備えることを特徴とする電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関し、特に、電子装置におけるカメラ装置の駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポータブルデジタルデバイスの普及に伴い、例えば、ノートパソコンや携帯電話等の多くの電子装置は、ほぼ全てにカメラ装置が搭載されている。これらのカメラ装置は、通常外部に露出している状態であるため、ハッカー等の他者がソフトウェアによって製品におけるカメラ装置を制御して、利用者の意思に反する撮影行為を行うことができるので、ユーザのプライバシーを暴露してしまうことになる。
【0003】
特許文献1には、カメラ装置を自動的に遮蔽可能な電磁ドア装置が開示され、スライドレール及びスライドレールに協働する遮蔽ドアを配置することで、遮蔽ドアが磁力の駆動下でスライドレールの方向に沿ってスライドし、カメラ装置のアパーチャーを遮蔽させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願第CN108430185A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、発明者は、従来のカメラ装置におけるレンズアパーチャー遮蔽用の駆動装置は構造が複雑で、体積が大きく、引っ掛かり現象が発生しやすいことを発見した。
【0006】
従って、本発明の目的は、設置空間が小さく、引っ掛かり現象が容易に発生しない駆動装置を提供することである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、上記した駆動装置を備えるカメラ装置を提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、上記したカメラ装置を備える電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の駆動装置は、光透過孔が設けられたベースと、一端に第1機能部が設けられ、他端が前記ベースと回動可能に接続される第1可動アームと、前記ベースと前記第1可動アームの一方に設けられた第1磁石、及び前記ベースと前記第1可動アームの他方に設けられた第1コイルを有する第1駆動構造と、を備える。前記第1コイルは通電されると、前記第1磁石との間に相互作用力が発生し、前記他端を中心として前記第1可動アームを第1位置から第2位置まで回動させ、前記第1機能部は、前記第2位置で前記光透過孔を露出させ、前記第1位置で前記光透過孔を覆う。
【0010】
また、好ましくは、前記第1コイルが設けられたベース又は第1可動アームには、前記第1磁石と対応して導磁体が設けられ、前記第1コイルに通電されていないときには、前記第1可動アームは、導磁体に対する前記第1磁石の磁気引力により第1位置に保持される。
【0011】
また、好ましくは、前記第1機能部は遮蔽部である。
【0012】
また、好ましくは、前記駆動装置は、一端に第2機能部が設けられ、他端が前記ベースと回動可能に接続される第2可動アームと、前記ベースと前記第2可動アームの一方に設けられた第2磁石、及び前記ベースと前記第2可動アームの他方に設けられた第2コイルを有する第2駆動構造と、をさらに備える。前記第2コイルは通電されると、前記第2磁石との間に相互作用力が発生し、前記第2可動アームを第3位置から第4位置まで回動させ、前記第2機能部は、前記第3位置で前記光透過孔を露出させ、前記第4位置で前記光透過孔を覆う。
【0013】
また、好ましくは、前記第2コイルが設けられたベース又は第2可動アームには、前記第2磁石と対応して導磁体が設けられ、前記第2コイルに通電されていないときには、前記第2可動アームは、導磁体に対する前記第2磁石の磁気引力により第3位置に保持される。
【0014】
また、好ましくは、前記第2機能部は赤外線フィルター又はアパーチャーである。
【0015】
また、好ましくは、前記第1可動アーム及び前記第2可動アームは、前記ベースの2つの対角にそれぞれ接続される。
【0016】
また、好ましくは、前記ベースには、前記第1位置で前記第1可動アームが前記第2位置から離れる方向にさらに回動することを制限する第1制限部材、及び前記第2位置で前記第1可動アームが前記第1位置から離れる方向にさらに回動することを制限する第2制限部材がさらに設けられている。
【0017】
また、好ましくは、前記ベースには、前記第3位置で前記第2可動アームが前記第4位置から離れる方向にさらに回動することを制限する第3制限部材、及び前記第4位置で前記第2可動アームが前記第3位置から離れる方向にさらに回動することをそれぞれ制限する第4制限部材がさらに設けられている。
【0018】
さらに、上記の目的を達成するために、本発明のカメラ装置は、レンズと、前記レンズの前に設けられている前述の駆動装置と、を備える。
【0019】
また、上記の目的を達成するために、本発明の電子装置は、前述のカメラ装置を備える。
【発明の効果】
【0020】
駆動装置における第1磁石と通電後の第1コイルとの間の相互作用力によって、第1機能部がカメラ装置のレンズアパーチャーを遮蔽又は露出する位置間で移動できるようにし、アパーチャーを遮蔽状態と露出状態との間で切り替えることができる。また、第1可動アームは回動の方式で運動し、ベースとは接続部のみに接触し、従来の溝やレールの接触方式と比較して、運動時の接触面積がより小さくなり、引っ掛かり現象が発生しにくくなる。同時に、第1可動アームの駆動装置内における運動経路は扇形であり、第1可動アームの長さが等しい条件下では占有面積がより小さくなり、スペースを節約するという役割を果たす。よって、本発明の駆動装置は、設置空間が小さく、引っ掛かり現象が容易に発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の上記の特徴及びその他の特徴、性質及び利点は、以下の図面及び実施例に基づく説明からより明らかになるであろう。
図1】駆動装置の一実施形態を示す模式図である。
図2】駆動装置におけるベースを示す模式図である。
図3】第1可動アームの一実施形態を示す模式図である。
図4】第1可動アームの一実施形態を示す分解模式図である。
図5】外側ケーシングを除いた駆動装置の実施形態を示す模式図である。
図6】第2可動アームの一実施形態を示す分解模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下には、上記主題の技術案を実施する複数の異なる実施形態又は実施例を開示している。なお、開示内容を簡略化するために、各構成要素及び配列の具体的な実施例を以下に説明しているが、これらが例に過ぎず、本発明の保護範囲について限定するものではないことは言うまでもない。例えば、明細書では後述する第1特徴が第2特徴の上方又は上面に形成され、第1及び第2特徴が直接関連する方式で形成された実施形態を含んでもよく、第1及び第2特徴の間に付加的特徴を形成する実施形態を含んで、第1及び第2特徴の間が直接関連しなくもよい。また、これらの開示内容では、異なる例において図面の符号及び/又は文字を繰り返しする可能性がある。この繰り返しは、簡潔さと明瞭さのためであり、それ自体は議論される様々な実施形態及び/又は構造間の関係を表すものではない。さらに、第1構成要素が第2構成要素と関連して、又は組み合わせて説明される場合、この説明には第1及び第2構成要素同士が直接関連する、又は組み合わせる実施形態が含まれ、1つ又は複数の他の介在要素の追加により第1及び第2構成要素同士を間接的に関連させ、又は組み合わせることを含んでもよい。
【0023】
なお、使用する場合、以下の説明で上、下、左、右、前、後、頂、底、正、反、時計回り及び反時計回りは便宜上使用されることであり、特定の固定方向を意味するものではないことに注意すべきである。実際、これらは対象の各部分間の相対的な位置及び/又は方向を反映するために使用される。
【0024】
駆動装置は、カメラ装置におけるレンズの前に設けられ、カメラ装置のレンズに進入する外部光線を遮蔽するためのものである。
【0025】
図1は、駆動装置の一実施形態の模式図を示している。駆動装置は、外側ケーシング100とベース1を備え、その内部に本体部分が形成される。ベース1にはカメラ装置におけるレンズに対応して光透過孔10が設けられ、外側ケーシング100にも光透過孔10に対応して孔が形成されている。外部光線は光透過孔10からレンズに入り、その後の撮影動作が可能になる。
【0026】
図2から図6を用いて、本実施形態の駆動装置を詳しく説明する。図2は駆動装置におけるベース1の模式図、図3は第1可動アーム11の一実施形態を示す模式図、図4は第1可動アーム11の一実施形態を示す分解模式図、図5は外側ケーシング100を除いた駆動装置の実施形態を示す模式図、図6は第2可動アーム12の一実施形態を示す分解模式図である。ベース1には図3又は図4に示すような第1可動アーム11及び図6に示すような第2可動アームが設けられる。第1可動アーム11の一端には第1機能部20が設けられ、他端はベース1と回動可能に接続される。また、第2可動アーム12の一端には第2機能部30が設けられ、他端はベース1と回動可能に接続される。
【0027】
ベース1には凸柱7が設けられ、第1可動アーム11及び第2可動アーム12とベース1との接続端である前記他端には、凸柱7が嵌る孔が設けられている。第1可動アーム11及び第2可動アーム12はこの孔を介して凸柱7と協働して回動可能にベース1に配置される。本実施形態において、第1可動アーム11及び第2可動アーム12と凸柱7との接続部にはカラー(collar)8がさらに設けられ、第1可動アーム11及び第2可動アーム12のベース1上の回動がより円滑であり、引っ掛かり現象が発生しにくい。
【0028】
駆動装置は第1駆動構造3をさらに備え、第1駆動構造3はベース1に設けられた第1磁石31と、第1可動アーム11に設けられた第1コイル32とを備える。図面とは逆に、第1磁石31は、第1可動アーム11に設けられ、対応して第1コイル32はベース1に設けられてもよい。
【0029】
カメラ装置が非作動状態にあるとき、第1コイル32には通電されない。この時、第1可動アーム11は第1磁石31に近い第1位置にあり、第1機能部20は光透過孔10を遮蔽する。
【0030】
カメラ装置が撮影状態になると、第1コイル32には電流が流れる。この時、第1コイル32の周囲に磁場が発生し、第1コイル32の第1磁石31に近い側で第1磁石31に反発する極性が現れ、第1磁石31と第1コイル32との間に相互作用力を生じさせる。この作用力の作用により、第1可動アーム11は、ベース1との接続端を中心としてベース1の上面の平面内で回動運動して、第1位置から第2位置まで回動する。第1可動アーム11が第1磁石31から遠い第2位置にある時、第1機能部20は光透過孔10の上方から取り除かれ、光透過孔10は完全に外部に露出し、外部からの光線はレンズに入射でき、カメラ装置は通常の撮影作業を実行することができる。
【0031】
第1磁石31と通電による第1コイル32との間の相互作用力により、第1機能部20はカメラ装置のレンズアパーチャーを遮蔽又は露出する位置間で移動でき、アパーチャーを遮蔽状態と露出状態との間で切り替えることができる。また、第1可動アーム11は回動の方式で運動し、ベース1とは接続部のみで接触し、従来の溝やレールの接触方式と比較して、運動時の接触面積がより小さくなり、引っ掛かり現象が発生しにくくなる。同時に、第1可動アーム11の駆動装置内における運動経路は扇形であり、第1可動アーム11の長さが等しい条件下では占有面積がより小さくなり、スペースを節約するという役割を果たす。よって、本実施形態の駆動装置は、設置空間が小さく、引っ掛かり現象が容易に発生しない。
【0032】
本駆動装置の一実施例は上記のようであるが、本駆動装置の他の実施例において、駆動装置は多くの点において上記実施例よりももっと多くの詳細を有することができ、且つ、これらの詳細の少なくとも一部は様々な変化を有してもよい。以下、幾つかの実施例に基づいて、この詳細及び幾つかの変化中の少なくとも一部について説明する。
【0033】
図4において、第1可動アーム11には導磁体320がさらに設けられている。導磁体320は、第1コイル32内又は第1コイル32に近い位置に設けられてもよい。導磁体320は第1磁石31に対応して配置され、カメラ装置が非作動状態にあるとき、第1コイル32には通電されない。この時、第1可動アーム11は導磁体320に対する第1磁石31の磁気引力により第1位置に保持される。図4に示すのとは逆に、第1コイル32はベース1に設けられ、同時に、導磁体320もベース1に設けられてもよい。このとき、第1磁石31は、第1可動アーム11に設けられる。
【0034】
本実施形態において、第1機能部20は第1可動アーム11に設けられた遮蔽部であり、光線遮蔽機能を有する遮光部であってもよい。これによって、第1可動アーム11が第1位置に吸着保持されると、遮蔽部は光透過孔10の場所で外部光線を遮蔽することができる。
【0035】
図5において、駆動装置は、第2可動アーム12をさらに備え、第2可動アーム12の一端には第2機能部30が設けられ、この一端とは反対側の他端であるベース1との接続端がベース1に回動可能に接続されている。
【0036】
駆動装置は、第2駆動構造4をさらに備え、第2駆動構造4はベース1に設けられた第2磁石41と、第2可動アーム12に設けられた第2コイル42とを備える。また、第2磁石41も図面に示すものとは逆に第2可動アーム12に設けられ、対応して第2コイル42はベース1に設けられてもよい。
【0037】
第2コイル42に電流が印加されていない時、その周囲に磁場は発生せず、第2可動アーム12は第3位置にある。この時、第2機能部30は光透過孔10の上方で光透過孔10を遮蔽せず、光透過孔10は完全に外部に露出され、外部光線はレンズに入射することができる。
【0038】
第2コイル42に電流が印加されると、その周囲に磁場が発生し、第2磁石41に近い側で第2磁石41に反発する極性が現れ、第2磁石41と第2コイル42との間に反発する相互作用力を生じさせる。この作用力の作用により、第2可動アーム12は、ベース1との接続端を中心としてベース1の上面の平面内で回動運動して、第3位置から第4位置まで回動する。その時、第2機能部30は光透過孔10を覆い、外部光線はレンズに直接入射できず、第2機能部30を介した後にレンズに入射される。
【0039】
図6において、第2可動アーム12にも導磁体420が設けられ、導磁体420は第2コイル42内、又は第2コイル42に近い位置に設けられてもよい。カメラ装置が通常撮影状態である場合、第2コイル42には通電されない。この時、第2可動アーム12は導磁体420に対する第2磁石41の磁気引力により第3位置に保持される。図5に示すのとは逆に、第2コイル42はベース1に設けられ、同時に、導磁体420もベース1に設けられていてもよい。このとき、第2磁石41は、第2可動アーム12に設けられる。
【0040】
本実施形態において、第2機能部30は赤外線フィルターであり、光学ガラスコーティング膜、着色ガラス、プラスチック、シリコン、セレン化亜鉛、サファイア、フッ化カルシウム、石英ガラス等から製造され、外部から照射される光線のうちの赤外線周波数帯域の光線をフィルターすることができるため、撮影時により良い撮影効果を得ることができる。
【0041】
また、他の実施形態において、第2機能部30は、外径が光透過孔10より大きく、内径が光透過孔10の直径より小さいアパーチャー構造であり、アパーチャー構造が光透過孔10の上方を覆う時、外部から照射される光線のうちの一部を遮蔽でき、アパーチャーの大きさを調節する役割を果たす。
【0042】
また、本実施形態において、図示されていないが、駆動装置は制御システムをさらに備える。当該制御システムは、ユーザ命令を受信し、第1コイル32、第2コイル42に対する外部電源の出力電流を調節するための制御チップを有してもよい。また、当該制御チップは、1つ又は複数のハードウェアプロセッサーを含んでもよい。例えば、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサー(例えば、MCUチップ又は51シングルチップマイクロコンピュータ)、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け命令集積プロセッサー(ASIP)、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、物理処理装置(PPU)、マイクロコントローラ装置、デジタル信号プロセッサー(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、高度RISCマシン(ARM)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、1つ又は複数の機能を実行できる任意の回路又はプロセッサー等のうちの1つ又は複数の組み合わせを含む。
【0043】
カメラ装置が撮影状態に入るようなユーザ命令である場合、制御システムは、外部電源が第1コイル32に電流を印加させ、第1可動アーム11が押されて光透過孔10を露出させるように命令を発する。また、撮影状態下のカメラ装置にフィルター機能を実行させるユーザ命令である場合、制御システムは、外部電源が第2コイル42に電流を印加し、第2可動アーム12が押されて光透過孔10を覆うように命令を発する。また、撮影状態を終了するユーザ命令である場合、制御システムは、外部電源が第1コイル32及び第2コイル42のいずれにも電流が流さないようにして、第1可動アーム11が第1位置に吸着され、第2可動アーム12が第3位置に吸着されるように命令を発する。
【0044】
続いて、図5を参照すると、本実施形態において、ベース1には第1制限部材5a及び第2制限部材5bがさらに設けられている。第1可動アーム11が第1位置に引き戻されると、第1制限部材5aは第1可動アーム11の一部と接触し、第1可動アーム11が回動中心を中心として第2位置から離れる方向へさらに回動することを制限する。第1可動アーム11が第2位置まで押されると、第2制限部材5bは第1可動アーム11の一部と接触し、第1可動アーム11が回動中心を中心として前記第1位置から離れる方向へさらに回動することを制限する。従って、第1可動アーム11と第1制限部材5a及び第2制限部材5bとの協働により、第1可動アーム11の回動が制限される。また、本実施形態において、第1制限部材5a及び第2制限部材5bはベース1に設けられた凸台である。
【0045】
また、本実施形態において、ベース1には第3制限部材6a及び第4制限部材6bがさらに設けられている。第2可動アーム12が第3位置に引き戻されると、第3制限部材6aは第2可動アーム12の一部と接触し、第2可動アーム12が回動中心を中心として第4位置から離れる方向へさらに回動することを制限する。第2可動アーム12が第4位置まで押されると、第4制限部材6bは第2可動アーム12の一部と接触し、第2可動アーム12が回動中心を中心として第3位置から離れる方向へさらに回動することを制限する。従って、第2可動アーム12と第3制限部材6a及び第4制限部材6bとの協働により、第2可動アーム12の回動が制限される。また、本実施形態において、第3制限部材6a及び第4制限部材6bはベース1に設けられた凸台である。
【0046】
引き続き図5を参照すると、本実施形態において、第1可動アーム11及び第2可動アーム12はベース1の両側にそれぞれ設けられ、且つ、第1可動アーム11とベース1の接続部、及び第2可動アーム12とベース1の接続部は、ベース1の対角にそれぞれ位置している。これにより、回動時に、第1可動アーム11と第2可動アーム12との干渉がなく、駆動装置内のスペースがさらに節約される。
【0047】
カメラ装置の一実施形態において、上記のカメラ装置はノートパソコンや携帯電話等の電子装置に配置される。
【0048】
本発明は、上記のように好ましい実施例を開示しているが、本発明を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せず、変更や修正がなされ得る。従って、本発明の技術案の内容から逸脱しない限り、本発明の技術に基づいて以上の実施例に対して実質的に行う任意の修正、同等の変更及び修飾は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6