(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6896934
(24)【登録日】2021年6月11日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】印刷プロセスのための粉末システムリサイクル装置の方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B29C 64/357 20170101AFI20210621BHJP
B29C 64/141 20170101ALI20210621BHJP
B29C 64/223 20170101ALI20210621BHJP
B29C 64/214 20170101ALI20210621BHJP
B29C 64/321 20170101ALI20210621BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20210621BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20210621BHJP
B33Y 40/00 20200101ALI20210621BHJP
B22F 3/105 20060101ALI20210621BHJP
B22F 3/16 20060101ALI20210621BHJP
B22F 10/73 20210101ALI20210621BHJP
B04C 5/185 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
B29C64/357
B29C64/141
B29C64/223
B29C64/214
B29C64/321
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y40/00
B22F3/105
B22F3/16
B22F10/73
B04C5/185
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-500015(P2020-500015)
(86)(22)【出願日】2018年3月15日
(65)【公表番号】特表2020-514144(P2020-514144A)
(43)【公表日】2020年5月21日
(86)【国際出願番号】US2018022640
(87)【国際公開番号】WO2018170268
(87)【国際公開日】20180920
【審査請求日】2021年2月25日
(31)【優先権主張番号】62/473,129
(32)【優先日】2017年3月17日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519337156
【氏名又は名称】インポッシブル オブジェクツ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュバルツ、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ゴア、ユージーン
【審査官】
坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−500218(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/047690(WO,A1)
【文献】
国際公開第2017/194136(WO,A1)
【文献】
米国特許第04592191(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B04C 5/185
B22F 3/105,3/16,10/73
B29C 64/141,64/214,64/223,64/321, 64/357
B33Y 10/00,30/00,40/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷システムに粉末を堆積させ、余分な粉末を除去及びリサイクルするための粉末システム装置であって、
印刷基板上に粉末を下方に堆積させる振動トラフと、
前記振動トラフに粉末を下方に追加する2バルブシステムを含む、前記振動トラフの上方の第1の体積であって、前記2バルブシステムは、第1の頂部フラップと第2の底部フラップを備え、両方の前記頂部のフラップと前記第2の底部フラップは、同時には開かれることが出来ないように構成され、前記頂部フラップは、第1の水平方向で一方の側に開き、前記底部フラップは、第2の水平方向で他方の側に開くようにさらに構成され、前記第1の水平方向と前記第2の水平方向は互いに反対である、第1の体積と、
印刷基板に付着しない余分な粉末を除去するよう構成された真空システムと、
前記第1の体積の上方で、前記真空システムから余分な粉末を受容するように、且つ前記余分な粉末の下方のらせん状の流れを介して、前記2バルブシステムを含む、前記第1の体積に向かって下側に前記余分な粉末を運ぶように接続される、サイクロンシステムと、
を備える装置。
【請求項2】
前記サイクロンの下方、及び前記第1の体積の上方に配置され、粉末が蓄積するコレクタシステムであって、前記コレクタは、粉末の前記らせん状の流れを乱さず、前記コレクタは、前記余分な粉末の前記第1の体積への下方の流入を、さらに可能にする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記サイクロンシステムは、内側サイクロン表面に接する空気流を用いて、らせん状の空気流を生じ、粉末を下方へ移動させる請求項2に記載の装置。
【請求項4】
コンベヤによって基板が前記粉末システム装置に搬送される請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記コンベヤは、前記基板を前記コンベヤと位置合わせするチャネルを含む請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記2バルブシステムは、
フランジとガスケットを有する前記第1の頂部フラップであって、第1のチャンバと、前記第1の頂部フラップが前記一方の側で開くようにする前記第1のヒンジとに接続された第1の頂部フラップと、
前記第1の頂部フラップの下方に位置し、フランジとガスケットを有する第2の底部フラップであって、第2のチャンバと、前記第2の底部フラップが前記一方の側と水平方向に反対の前記他方の側で開くようにする前記第2のヒンジとに接続された第2の底部フラップと、
を備える請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の頂部フラップを開閉し、前記第2の底部フラップを開閉する機構をさらに備える請求項6に記載の装置。
【請求項8】
ばねが、両方のフラップが同時に開かないことを確実にするように前記第1の頂部フラップと前記第2の底部フラップの両方に結合される請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の頂部フラップが開くと、粉末が前記第1のチャンバから下方に伝播し、前記第2のチャンバに蓄積する請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記第2の底部フラップが開くと、粉末が前記振動トラフ内に落ちる請求項7に記載の装置。
【請求項11】
新しい印刷基板のシートが前記粉末システム装置に入るときを検知する工程と、
前記振動トラフの振動をオンにして、前記シートに粉末を分配する工程と、
前記シートが前記粉末システム装置を出る間、前記振動トラフの振動をオフにする工程と、
次のシートが前記粉末システム装置に入るのを待つ工程と、
を含む方法を実施する格納された命令を実行するコンピュータをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記コンピュータにより実施される方法が、3D物体の積層造形中に前記工程を繰り返すことをさらに含む請求項11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年3月17日出願の米国仮出願第62/473,129号の利益を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、特に、積層造形に適用される印刷プロセス用の粉末システムリサイクル装置に関し、特に、3次元複合材料ベースの物体の自動製造装置の粉末システムリサイクル装置構成要素である装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
3次元印刷などの積層造形は、主に、材料科学の問題と見なすことができる。現在の方法の制限の1つとしては、材料パレットが限られていることと、ビルド速度が遅いことである。
【0004】
従来技術のこれら及び他の制限は、複合材料ベースの積層造形(CBAM)として知られる方法論により回避される。CBAMは、2012年11月2日出願の同時係属中の米国特許出願第13/582,939号、2015年8月25日出願の第14/835,690号、2015年8月25日出願の第14/835,635号に全体が記載されており、参照により本明細書に完全に組み込まれている。
【0005】
2017年2月13日出願の国際出願第PCT/US17/17672号及び2017年6月1日出願の米国出願第15/611,320号では、複合材料ベースの積層造形(CBAM)を自動化するための特定の方法と装置について説明している。国際出願第PCT/US17/17672号及び米国出願第15/611,320号は、参照により本明細書に完全に組み込まれている。
【0006】
CBAMプロセスで用いられる元の粉末リサイクル装置のカットオフポイントは50ミクロンであった(つまり、50ミクロン未満の粒子をリサイクルしないことになる)。粉末リサイクル装置は、基板シートに粉末を堆積させるトラフ(粉末がシート上の濡れた領域に付着し、濡れた領域が3次元物体の層画像に対応する)、余分な粉末を除去するための掃除機、放出バルブにより余分な粉末をリサイクルし、トラフに戻すリサイクル装置から構成されている。この装置によれば、50ミクロンのカットオフポイントにより、50ミクロン以上の粒子しかリサイクルされず、50ミクロンより小さい粒子は廃棄されることになる。
【0007】
本願の発明者らがCBAMプロセスで使用した粒子は、典型的な平均粒径が50ミクロンの範囲であり、より大きな粒子とより小さな粒子の分布を有するが、このプロセスはこれらの粒径に限定されず、多くのさまざまな平均粒径と分布でも使用可能である。従って、元の粉末リサイクル装置を使用することで、多くの粒子(つまり、50ミクロン未満の粒子)が廃棄され、無駄になっていた。これに対し、印刷された基板シートに付着する粉末の量を改善することが分かっているため、CBAMプロセスにより小さい粒径を含めることが望ましい。よって、元の粉末リサイクル装置は小さな粒子を廃棄し無駄にしていただけでなく、CBAMプロセス性能も低下させていた。
【0008】
本出願人は、異なるタイプのリサイクル装置の使用することでこの問題を部分的に克服したが、解決を必要とするその後の問題にもつながったことを見出した。本出願人は、元の粉末リサイクル装置をヘリカルサイクロンに置き換えることで、より小さい粒子が廃棄される問題を克服できることを見出した。しかしながら、ヘリカルサイクロンと元の放出バルブを組み合わせることで、サイクロンへの逆流が発生し、粉末がサイクロンからトラフに落下するのを妨げていた。
【発明の概要】
【0009】
本出願人は、サイクロンへの逆流を防ぐ2バルブ(ゲート又はフラップ)システムと小さな粒子を保持するヘリカルサイクロンを組み合わせた設計で、前述の問題の解決策を見出した。この設計によれば、小さいものも含めて、より広い範囲の粒径がリサイクルされる。本願では、印刷プロセスのための機械全体の一部である特定のリサイクル装置(又は粉末システム装置)について説明する。本出願人は、自動化された複合材料ベースの積層造形(CBAM)を改良するという観点から実施形態を展開した。このリサイクル装置によれば、以前のリサイクル装置のカットオフポイントが50ミクロンから3ミクロンへと改良された。従って、ほとんどすべての粉末がリサイクルされ、ほとんど廃棄されなくなった。また、この解決策では、交互に開閉して粉末をトラフ内に放出する2つのバルブ/ゲート/フラップを備えたサブシステムも用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】複合材料ベースの積層造形を行うための装置の例示的な実施形態を示す概略図である。
【
図2】複合材料ベースの積層造形を行うためのロールベースの連続供給装置を示す図である。
【
図3】複合材ベースの積層造形を行うためのロールベースのロールツーシート装置を示す図である。
【
図4A】2バルブリサイクル装置を示す概略図である。
【
図5】例示的なリサイクル装置の背面下部を示す図である。
【
図6A】例示的なリサイクル装置の底部前面を示す図である。
【
図6B】リサイクル中の開いたバルブと閉じたバルブを示す図である。
【
図6C】リサイクル中の閉じたバルブと閉じたバルブを示す図である。
【
図6D】リサイクル中の閉じたバルブと開いたバルブを示す図である。
【
図7A】例示的なリサイクル装置のサイクロンを示す図である。
【
図7B】
図7Aにおいて粉末が渦巻いてトラフにリサイクルされる様子を示す図である。
【
図8】例示的なリサイクル装置の別の実施形態の底部側を示す斜視図である。
【
図9】例示的なリサイクル装置の底部背面を示す斜視図である。
【
図10】例示的なリサイクル装置の底部前面を示す斜視図である。
【
図15】例示的なリサイクル装置の等角正面図である。
【
図16】例示的なリサイクル装置の別の等角正面図である。
【
図17】リサイクル装置システムの下に位置する、粉末をシートに塗布する粉末のトラフを示す図である。
【
図18】リサイクル装置用のコンピュータを示す図である。
【
図19】粉末システムにより処理されようとしているシートを示す図である。
【
図20】粉末システムを出るシートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[出願人により展開された実施形態とそれに関連するサブシステム]
組み込まれた先行出願(米国特許出願第13/582,939号、第14/835,690号、第14/835,635号)に記載されているCBAMプロセスは、協調して動作する多くの構成要素やサブシステムを介して工程を実行することにより自動化が行われる。機械100の例示的な実施形態の主な構成要素を
図1に示す。これらは、材料供給装置102、プリンタ104、粉末アプリケータ530、粉末除去/リサイクル装置532を含む粉末システム500、任意の定着器112、移送システム、各構成要素の接続と制御を行う他の要素が含まれる。
図1には例示的な構成要素が示されているが、さまざまな代替及び任意の構成要素も機械100での使用に適している。
【0012】
材料供給装置102は、積み上げられた炭素繊維シートなどの基板シート101を保持し、一度に1枚のシート101をプリンタプラテン300とプリンタ104に移送できるようにそれらを適切な位置に移動させる。シート101は、移送システムによってプリンタ104に移送され、そこで位置決めが行われる。次いで、プリンタ104は、組み込まれた先行出願(米国特許出願第13/582,939号、第14/835,690号、第14/835,635号)と同様、正確な位置で流体を基板シート101上に堆積させ、シート101の所望の位置に位置合わせ穴を配置するためのパンチ機構を備えている。この位置合わせ穴は、シートに印刷された層画像の位置に対して正確かつ所定の位置に配置されている。これは、印字機構が配置されているのと同じフレームにパンチを取り付けるか、当技術分野でよく知られている他の位置合わせ機構を使用することにより行うことができる。
【0013】
次に、粉末アプリケータ530は、熱可塑性粉末を基板シート101上に堆積させ、その後、粉末は、プリンタ104によって湿らせられたシート101の領域、すなわち、層画像に付着する。通常の用途では、粉末アプリケータは粉末を含むトラフである。このトラフは、その下側にスリット開口部があり、電気機械バイブレータに接続されている。このバイブレータは、作動すると、粉末をスリット開口部から下方に流し、トラフから排出させる。センサ回路(図示せず)がコンベヤ上を通過する際に下にあるシート101の存在を検知すると、バイブレータが作動する。シートが完全に通過すると、バイブレータが動作を停止し、粉末がトラフから下方に流れなくなる。
【0014】
粉末除去装置532は、シート101に付着しなかった粉末を除去する。これは、通常の用途では、(後述する)サイクロンに連結された真空システムである。スターホイールアセンブリ(図示せず)は、シートが粉末除去器532の近くを通過するときにシート101の端部を押さえ付けて、シートが真空力によってコンベヤから持ち上げられるのを防ぐ。このスターホイール(金属の薄いディスク)は、コンベヤと同じ速度で回転する。任意の定着器112は、粉末を溶融させてシート101に付着させることができるように基板シート101上の粉末を加熱し、その結果、プリンタ104からの下層の流体が乾燥した場合、粉末がシート101上にとどまる。このサイクルは、特定の3次元(3D)部品又は物体を作成するのに必要なだけの追加の基板シート101に対して繰り返され、各シート101は、通常、3D部品又は物体の層を表す。また、この装置には、前述のパンチ穴に基づいてシートを位置合わせして積み重ねるスタッカーサブシステム400も含まれる。
【0015】
図1に示す機械の実施形態では、距離センサ138、コアンダ(Coanda)又はフェルト材料グリッパ118、XYZポジショナ116、Xポジショナ126、Yポジショナ128、プリントヘッド105、ニードル又はフェルト材料グリッパ120、レール114、コンベヤ152、サイクロン154、エアナイフ160が示されている。これらの構成要素については、国際出願第PCT/US17/1772号及び米国出願第15/611,320号に詳しく記載されている。
【0016】
CBAMプロセス及び自動機械では、基板シートを使用する代わりに、ロール状の基板材料を使用してもよい。
図2は、連続供給ロールの実施形態190を示し、
図3は、ロールツーシートの実施形態195を示す。これらの実施形態では、ロール状の基板材料102が取り付けられ、プリンタ104の前方に位置している。張力システム103と供給ローラ106によって、システムを介して供給されるロール材料の長さによって定められるウェブが保持されて前進する。このウェブ102は、
図2に示すように、システムのすべての構成要素、すなわち、プリンタ104、粉末アプリケータ530及び粉末除去/リサイクル装置532を含む粉末システム500、もしあれば定着器112を通った後、スタッカーサブシステム400によって積み重ねられる前に、カッター130によって単一のシート101に切断される。あるいは、
図3に示すように、ウェブ102は、カッター130によって、プロセスにおける前のどの時点で単一のシート101に切断されてもよい。例えば、ウェブ102は、得られたシート101をプリンタプラテン300上で前進させる前に単一のシート101に変換されてもよい。また、ウェブ102は、その前縁がプラテン300に配置された後に単一のシートに変換されてもよい。さらに、ウェブ102は、印刷動作が完了した後、得られたシートが粉末アプリケータ530に供給される前などに単一のシートに変換されてもよい。
【0017】
リサイクル装置サブシステム
本発明のリサイクル装置532は、3ミクロンのカットオフを有する(3ミクロンより小さい粒子はリサイクル装置でリサイクルされずに廃棄される)。本発明に開示されたリサイクル装置532の3ミクロンのカットオフは、50ミクロンのカットオフしかなかった以前のリサイクル装置よりも小さい。従って、3ミクロンのカットオフを有する機械では、ほとんどの粒子がリサイクルされるが、50ミクロンのカットオフを有する機械では、かなりの割合の粒子がリサイクルされなかった。
【0018】
従来のシステムでは、放出バルブシリンダ(国際出願第PCT/US17/17672号及び米国出願第15/611,320号に開示‐
図18〜23及び明細書の対応する説明を参照)は、粉末をトラフに配置した最終的なサブシステムであった。放出バルブシリンダは、上部穴と下部穴を有するケーシング内にある。このシリンダが回転すると、古いサイクロンで凝縮した粉末がケーシングの上部穴からシリンダ内へと落下する。そして、シリンダは、180度回転すると、サイクロン内のバキュームを閉じる。その後、粉末は、シリンダの外に出てケーシングの底部の穴からトラフに落下する。この放出バルブの設計の問題点は、より重い特定の粉末(より大きな粒子)でしか機能しないことである。円筒形のバルブが機能するためには、サイクロンへの逆流を許容する必要がある。この設計は、空気の逆流により粒子が(逆流に逆らって)落下し続け、バルブを通過してトラフに到達するのを妨げないよう粒子が十分に重い(十分に大きい)場合に機能する。この特徴は、空気の逆流により、粒子がバルブを通過してトラフに入るのを妨げるため、より小さな/より軽い粒子がトラフに向かって移動するのに成功した場合に問題に発展する。
【0019】
図4Aは、上記問題を解決する2つのバルブを備えたリサイクル装置バルブシステム532bの一部を示す概略図である。好適な実施形態では、サイクロン又は他の容器79上のフランジ70を有する凹部が採用される。本発明は、垂直に対して傾斜して軸76に接続されたゴムガスケット72とバルブ56を有する。チャンバ78には2つのバルブ56、54が存在する。他のサイクロン容器/バルブは、反対の水平方向を有する(70a、72a、54、76aを参照)。一方の軸76は、バルブ56が一方の側に開くようにし、他方の軸76aは、バルブ54が他方の側に開くようにする。この設計は、エアロダイン式バルブと呼ばれ、産業環境での灰の回収において既存の用途がある。
【0020】
その使用は、印刷プロセスや積層造形ではまだ知られていない。両方のバルブ(56、54)が閉じている場合、サイクロン79の上部の体積(部分70、72、56、76に対向する体積、
図4Aでは図示せず)は外部から絶縁されている。粉末77は、(リサイクル装置部からノズル532aで吸引された)サイクロン79の上部に流入すると落下し、(図示のように)サイクロン79の底部に集まる。そして、バルブ56が開き、収集された粉末が下方のバルブ容積79aへと伝播する。その後、バルブ56が閉じる。そして、バルブ54が開き、粉末77aが粉末アプリケータトラフ530に降りてから、(センサ作動振動が発生している場合)基板シートへと落下する。この構成により、気流がサイクロンに流入するのが防止される。底部から空気を噴射すると、内側サイクロン表面に沿って接線方向に有利に流れて粉末の下方移動を引き起こすことを目的とするらせん状の空気流の動作が停止又は低下し得る。
【0021】
図4Bは、
図4Aに示す2バルブシステムの上方にあるコレクタシステムの概略図である。(アイテム80で)空気が吹き込まれたサイクロン26が「I」方向88にらせん状の渦36を形成し、粉末がシステムを出る際に「I」方向88の流れを乱さないようにする必要があるため、コレクタ23が必要である。従って、粉末77が86で蓄積できるように、渦36の点84の向こう側に常に収集領域がなければならない。
【0022】
図5は、粉末真空ノズル532aとバルブシステム532bを含む例示的なリサイクル装置システム532の底部後方の実施形態を示す。バルブシステム532bは、リサイクルされた粉末を粉末アプリケータトラフ530に戻す(
図17参照)。アイテム26のリサイクル装置サイクロンは、Dust Deputyという商品名でOneida(登録商標)から購入可能である。
【0023】
ただし、粒子がリサイクルされる方法のため、サイクロンだけでは機能しない。従って、粒子がリサイクルされるように、設計全体(サイクロンを含む)が必要である。アイテム532b(バルブシステム)により、
図4A及び
図4Bで既に説明したように、粉末がトラフに確実に落ちるようになる。相当量の粉末が蓄積した後、(空気ではなく)粉末が逆流することなく放出される。バルブ56が閉じ、別のバルブ54が開くことで、粉末のみがトラフに流れ落ち、空気がサイクロンに流れないようにする。
【0024】
図6Aは、例示的なリサイクル装置システム532の底部前面を示している。リサイクルプロセスは以下のように行われる。バルブ54が開き、バルブ56が閉じ、その逆も同様である。いずれかのバルブが閉じている限り(常に当てはまる)、粉末は常に粉末コレクタ23に蓄積される。ほとんどの場合、バルブ56は閉じ、粉末はバルブ56のすぐ上にある第1の容器に蓄積される(例えば、
図4Aの容器79参照)。その後、バルブ54も閉じられます。続いて、バルブ56が開き、粉末が第1の容器からバルブ56、54の間のチャンバに流れ込む(例えば、
図4Aのチャンバ78参照)(バルブ54によってブロックされているため、空気の逆流はない)、その後、バルブ56が閉じる。そして、バルブ54が開いて粉末を通過させ(バルブ56によりブロックされているため空気の逆流はない)、トラフ530に流れ込む。その後、バルブ54が閉じる。続いて、サイクルが再び開始される。メカニズムにより、バルブ54と56が交互に開閉する。バルブ54、56の開閉を
図6B〜
図6Dに示す。
図6Bでは、バルブ56は開いており、バルブ54は閉じている。
図6Cでは、バルブ56が閉じられ、バルブ54が閉じられている。
図6Dでは、バルブ56が閉じられ、バルブ54が開いている。これを実行する機械的システムは、
図5〜
図17に見られる。これらは、バネ、カム、モータ、ギア、その他のコンポーネントから構成され、必要な機械的動作を実行する。
【0025】
図7Aは、例示的なリサイクル装置532の実施形態のサイクロン26を示す。この実施形態では、PCT/US17/17672号及び米国出願第15/611,320号に開示されたサイクロン154に代わって、Oneida(登録商標)のDust Deputyサイクロン26が採用される。このタイプのサイクロンの動作では、装置の上部で粉末の渦巻きが発生する。
図7B(通常の真空モーターを使用)は、サイクロン26内で渦巻く粉末36を示している。
【0026】
図8〜
図16は、リサイクル装置532の別の実施形態を示している。
図8は、例示的なリサイクル装置532の別の実施形態の底面を示す斜視図である。
図9は、例示的なリサイクル装置532の底部背面を示す斜視図である。
図10は、例示的なリサイクル装置532の底部前面を示す斜視図である。
図11は、例示的なリサイクル装置532を示す背面図である。真空モータ27は、真空ノズル532aと連通している上部に示されている。
図12は、例示的なリサイクル装置532の上面図である。
図13は、例示的なリサイクル装置532の正面図である。
【0027】
図14は、例示的なリサイクル装置532の側面図である。
【0028】
図15は、リサイクル装置システム532の等角正面図である。
図16は、リサイクル装置532の別の等角正面図である。
図17は、リサイクル装置532の下の粉末の粉末アプリケータトラフ530を示す。
【0029】
図18は、リサイクル装置532用のコンピュータ34を示す。動作時、基板シートは、粉末システムのトラフ530の下のコンベヤベルト上で印刷され、その後搬送される。このコンピュータ34は、各基板シートがトラフ530に近づくとセンサを介して読み取りを行い、粉末アプリケータトラフ530の振動をオンにして、粉末がトラフを流れて搬送中の基板シートに分配されやすくする。分配された粉末の一部は、基板シートの濡れた(前の工程の印刷により濡れた)領域に付着する。このリサイクル装置によって、シートの湿った領域に付着しなかった粉末を吸引して回収し、次のシートを待つ。シートがリサイクル装置から出ると、コンピュータ34は振動を止めて、トラフから流出する粉末を停止又は最小限に抑える。このようにして、トラフ内でリサイクルされた粉末の維持が最大化される。
【0030】
図19は、粉末システム500に入る直前のシート101を示す。
図20は、粉末システム500を出るシート101を示す。
【0031】
図21〜25は、チャネル153を備えたコンベヤ152の例を示す。このコンベヤは、粉末システム500から基板シートを搬送する。チャネル153は、シート101を整列させる(例えば、長方形のシートがコンベヤ152に対して直線でない場合)。
【0032】
本発明について上記の明細書及び実施例により説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明の多くの実施形態が可能である。上記実施形態は、例示にすぎず、本発明の範囲を限定又は定義しないことを理解されたい。他のさまざまな実施形態も特許請求の範囲内に含まれる。