特許第6896953号(P6896953)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6896953
(24)【登録日】2021年6月14日
(45)【発行日】2021年6月30日
(54)【発明の名称】魚をおろすための調理技術取得方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/24 20060101AFI20210621BHJP
   G09B 25/00 20060101ALI20210621BHJP
【FI】
   G09B19/24 Z
   G09B25/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-88897(P2017-88897)
(22)【出願日】2017年4月12日
(65)【公開番号】特開2018-180499(P2018-180499A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2019年10月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】517150663
【氏名又は名称】稲葉 裕士
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 裕士
【審査官】 西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−32253(JP,A)
【文献】 特開2005−102522(JP,A)
【文献】 特開平11−57229(JP,A)
【文献】 特開平10−43426(JP,A)
【文献】 実開昭52−29253(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00− 9/56,
17/00−19/26,
G09B23/00−29/14,
A63H 1/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚の骨格を模擬した部材と魚の身を模擬した部材と、
魚の腹骨の骨格を模擬した部材と、
魚の頭部を模擬した部材と、
前記魚の骨格を模擬した部材と前記魚の身を模擬した部材を付けるための型を備えたキットを用いて魚をおろす調理技術取得方法であり、
前記各部材と前記型とを用いて魚の模型を成形する工程と、
前記模型から前記魚の頭部を模擬した部材を外す工程を備え、
前記魚の身を模擬した部材を使用して魚をさばく練習を可能とすることを特長とする魚をおろすための調理技術取得方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本物の魚を使わずに魚をおろす練習が出来る道具である。
【背景技術】
【0002】
魚をおろす練習をするにあたり、本物の魚をさばくことでその順序、感覚を身につけるのだが、本物の魚を使わなければならない上に大量の魚と時間を要する。
練習は容易でなく、処理の仕方を間違えたり失敗することで無駄にしてしまう、お店の場合はお客様に提供出来なくなるなどの問題点を抱えていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、技術習得用の発明としては動物の体の構造を知るための模型として特許文献1が存在し、魚をおろす調理器具として特許文献2などが発明されているが、魚をおろす練習をするための道具は発明されていない。
調理の場において、技術を習得することは非常に重要なスキルの1つであるのだが、それを行うには実物の魚を用意して練習しなければならない。そのため、なかなか回数をこなすことが出来ないうえ、練習した魚が失敗してしまうと食べる部分が少なく、お店においては商品として使えなくなってしまう。また天然の資源の枯渇が問題視されている現在において、練習のためだけに魚を使ってしまうのは問題でもある。
魚をさばくにあたり、一般的に三枚おろし、二枚おろし、大名おろし、五枚おろしといわれる技術を短期間でかつ資源を無駄にしないように取得することはお店にとって必要なことであり、実社会においても有益なことである。
上記より効率的に技術習得を目指すことが出来、かつ資源の節約に繋がる練習用の魚の骨型の模型を新たに発明し、提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−032253
【0005】
【特許文献2】特開2005−102522
【課題を解決するための手段】
【0006】
魚の骨格を模擬した部材と魚の身を模擬した部材、魚の骨格を模擬した部材と魚の身を模擬した部材を付けるための型を備えた調理技術取得用キットを使用することで、魚をさばくための手順はもちろんのこと、おろすときに必要な感覚(包丁と骨が実際に当たった感触や背骨のゴツゴツ感、切っている身の感覚)を感じることが出来、本物の魚をさばいたときと似たような体験を実感し、魚をさばく技術を取得することが出来る。
【0007】
魚の腹骨の骨格を模擬した部材を備えた請求項1に記載の調理技術取得用キットを使用することで、上記の効果の他に腹骨を切るという他の部位とは違う感覚を体験出来、技術を習得出来る。
【0008】
魚の頭部を模擬した部材を備えた請求項1ないし請求項2に記載の調理技術取得用キットを使用することで、上記2つの効果の他に魚の頭を外してから調理をするという調理の手順を学ぶことが出来る。
【0009】
さらにお店での技術の習得のみならず、当発明を一般家庭で使うことで魚をさばくという技術を広く一般に広めることが出来、子供におしえることで魚に関する食育も行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】魚をおろすための調理技術取得用キットの実施方法を示した説明図である。
図2】魚をおろすための調理技術取得用キットの実施方法を示した説明図である。
図3】魚をおろすための調理技術取得用キットの実施方法を示した説明図である。
図4】魚をおろすための調理技術取得用キットの実施方法を示した説明図である。
図5】魚をおろすための調理技術取得用キットの実施方法を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この道具の実施例について説明する。
調理技術取得キットは以下の通りである。
・魚の骨格を模擬した部材
・魚の身を模擬した部材
・魚の骨格を模擬した部材と魚の身を模擬した部材を付けるための型
・魚の腹骨の骨格を模擬した部材(左)
・魚の腹骨の骨格を模擬した部材(右)
・魚の頭部を模擬した部材
・まな板
・ナイフ
【実施例】
【0012】
調理技術習得用キットの使い方を図2から図5を用いて説明する。
【0013】
図2の通り、魚の骨格を模擬した部材と魚の身を模擬した部材を付けるための型3に魚の身を模擬した部材2を満遍なく押し付ける。
【0014】
図3の通り、図2で用意した魚の骨格を模擬した部材と魚の身を模擬した部材を付けるための型3に魚の頭部を模擬した部材6、魚の腹骨の骨格を模擬した部材(左)4、魚の腹骨の骨格を模擬した部材(右)5、魚の骨格を模擬した部材1を魚の身を模擬した部材2にくっつける。
【0015】
図4の通り、魚の骨格を模擬した部材と魚の身を模擬した部材を付けるための型3を合わせ、魚の身を模擬した部材2同士がくっつくように押し付ける
【0016】
図5の通り、魚の骨格を模擬した部材と魚の身を模擬した部材を付けるための型3から外しまな板7に乗せ、魚の頭部を模擬した部材6を外す。
【0017】
以降は実際に魚をさばく順序と同じように作業を行う
【0018】
魚の骨格を模擬した部材とは、プラスチックないし、金属、木材を材料とするものである。
魚の身を模擬した部材とは、油粘土ないし寒天をベースとした粘液質で凝固し型を取れるものである。
魚の骨格を模擬した部材と魚の身を模擬した部材を付けるための型とは、プラスチックないし、金属、木材を材料とし、左右対称となる魚の身を模擬した型である。蝶番で繋ぎ合わせることで開閉して成形することが出来る。
魚の腹骨の骨格を模擬した部材とは、プラスチックないし、金属、木材を材料とするものである。
魚の頭部を模擬した部材とは、プラスチックないし、金属、木材を材料とするものである。
【0019】
魚の骨格を模擬した部材と魚の身を模擬した部材、魚の骨格を模擬した部材と魚の身を模擬した部材を付けるための型を備えた調理技術取得用キットは鯵、鯖、鯛、イワシ、他など、2枚おろし、3枚おろし、大名おろしといわれる調理技術を要する魚に適応して作られたものである。
【0020】
また、上記と異なる調理技術を要する左右非対称の体をもつヒラメ、カレイ、その他カレイ亜目に属する魚も魚の骨格を模擬した部材と魚の身を模擬した部材、魚の骨格を模擬した部材と魚の身を模擬した部材を付けるための型をヒラメ、カレイ、その他カレイ亜目の骨格や型を模擬することで5枚おろしといわれる調理技術を身につけることが出来る。
【発明の効果】
【0021】
当発明により魚をさばくという練習を本物の魚を使わずに反復することが出来、資源の無駄遣いをすることもなく、魚をさばくという技術を習得することが可能となる。また、職場や調理場のみならず、自宅のテーブルでも出来るため、やりたいときにいつでも練習して技術を習得することが出来、家庭や学校などで使うことにより魚の構造と調理を知るという食育も出来る。
【符号の説明】
【0022】
1 魚の骨格を模擬した部材
2 魚の身を模擬した部材
3 魚の骨格を模擬した部材と魚の身を模擬した部材を付けるための型
4 魚の腹骨の骨格を模擬した部材(左)
5 魚の腹骨の骨格を模擬した部材(右)
6 魚の頭部を模擬した部材
7 まな板
8 ナイフ
図1
図2
図3
図4
図5