(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取付部材が取り付けられる前記連結管により互いに接続される前記第1の伝熱管と前記第2の伝熱管とは、前記燃焼装置の燃焼状態において常に燃焼する燃焼領域の真上に配置されている、請求項16に記載の温水装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の取付部材には、正確な温度検知のために温度センサを所望の位置に正しく取り付けられることが求められる。
【0005】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされてものであり、その目的は、温度センサを連結管の所望の位置に正確に取り付け可能な取付部材を有する熱交換器および温水装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の熱交換器は、ケースと、複数の伝熱管と、連結管と、取付部材とを備えている。複数の伝熱管は、ケースの内部に配置され、かつ少なくとも第1の伝熱管および第2の伝熱管を有している。連結管は、第1の伝熱管および第2の伝熱管同士をケースの外部において接続している。取付部材は、連結管の外表面に取り付けられ、連結管内を流通する被加熱流体の温度を検出するための温度センサを取り付けるためのものである。取付部材は、延設壁部と、温度検出壁部と、挿入片部とを含んでいる。延設壁部は、第1の方向に延在し、かつ第1の方向における一方端部と他方端部とを有している。温度検出壁部は、延設壁部の一方端部から第1の方向と交差する第2の方向に延び、かつ温度センサの温度検出面が接触する部分である。挿入片部は、延設壁部の他方端部から第2の方向に延びている。温度検出壁部と挿入片部とが連結管の外表面を挟むことができるように構成されている。
【0007】
本発明の熱交換器によれば、挿入片部とともに連結管の外表面を挟む温度検出壁部に温度センサが取り付けられる。このため、温度センサを連結管の所望の位置に正確に取り付けることが可能となる。
【0008】
上記の熱交換器において、温度検出壁部と連結管との間にろう材が介在している。これにより温度センサの温度検出面と連結管との間には温度検出壁部とろう材とが配置され、隙間がない、あるいはほとんどない。このため、温度センサにより熱交換器の内部を流通する被加熱流体の温度を正確に測定することができる。
【0009】
上記の熱交換器において、連結管は、円弧形状に湾曲した湾曲部を有している。挿入片部は、湾曲部の内周側に挿し込まれている。このように挿入片部を湾曲部の内周側に挿し込むことにより、挿入片部を湾曲部にしっかり位置決めして固定することができる。これにより、熱交換器の内部を流通する被加熱流体の温度をより正確に測定することができる。
【0010】
上記の熱交換器において、取付部材は、挿入片部に接続された1対の屈曲部をさらに含んでいる。1対の屈曲部の各々は、湾曲部の内周側にて連結管に当接している。これにより取付部材を連結管に対して容易に位置決めすることができる。
【0011】
上記の熱交換器において、取付部材は、延設壁部と連結管との間に隙間を保持するために延設壁部に接続された支持脚部をさらに含んでいる。これにより延設壁部と連結管との間の隙間にろう材を流し込むことが容易となり、連結管に取付部材を接続することが容易となる。
【0012】
上記の熱交換器において、延設壁部には、延設壁部を貫通する開口部が形成されている。これにより取付部材を連結管に位置決めした後に、開口部を通じてろう材を取付部材と連結管との間に流し込むことができる。
【0013】
上記の熱交換器において、開口部は、延設壁部の一方端部に達している。これにより開口部から流し込まれたろう材が、取付部材の温度検出壁部と連結管との間にも流れ込みやすくなる。このため、温度検出壁部と連結管との間をろう材で接合することが容易となる。
【0014】
上記の熱交換器において、開口部は、温度検出壁部に設けられた1対の凹部に繋がっている。温度検出壁部は、1対の凹部に挟まれた突出部を有している。この突出部により、開口部から流し込まれたろう材が、開口部から漏れ出して、温度検出壁部における温度センサの取付面側に付着することが防止できる。
【0015】
上記の熱交換器において、開口部は、他方端部側から一方端部に向かうにつれて幅が大きくなるように構成されている。これにより他方端部側から一方端部に向けて順にろう材を開口部へ流し込む際に、そのろう材の開口部への流し込みをスムーズに行うことができる。
【0016】
上記の熱交換器において、取付部材は、温度検出壁部に接続された折り曲げ部をさらに含んでいる。折り曲げ部は、連結管の外表面に沿うように温度検出壁部に対して折り曲げられた部分を含んでいる。このように折り曲げ部が連結管の外表面に沿うように折り曲げられているため、折り曲げ部と連結管の外表面との間にろう材が適切に流れ込むようになり、さらに強固に取付部材を連結管に取り付けることができる。
【0017】
上記の熱交換器において、温度検出壁部は、延設壁部との接続部から第2の方向と交差する第3の方向へ延びるオフセット壁部を有している。オフセット壁部には、温度検出壁部に温度センサを取り付けるための孔が設けられている。これにより温度センサを温度検出壁部に取り付けることが容易となる。
【0018】
上記の熱交換器において、温度検出壁部は、温度センサの一部を挿し込むための開口を構成する切り起こしポケット部を有している。このように温度センサの一部を切り起こしポケット部の開口に挿し込むことにより、切り起こしポケット部に挿し込んだ温度センサの部分をネジなどで温度検出壁部に締結する必要がなくなる。このため温度センサの取り付け作業が容易になるとともに、部品点数を減らすことができる。
【0019】
上記の熱交換器において、温度検出壁部は、温度センサの温度検出面が接触する面において、開口に隣接する凹状部を有する。これにより連結管に取付部材をろう材により接合する際に、ろう材が開口を通じて取付部材の温度検出面側に流れ出しても、凹状部によりろう材が温度検出壁部と温度センサの温度検出面との間に滞留することが抑制される。
【0020】
上記の熱交換器において、凹状部は、温度検出壁部の下端に達している。これにより開口を通じて取付部材の温度検出面側に流れてきたろう材を凹状部によりスムーズに温度検出壁部の下端に導くことができる。このため、ろう材が温度検出壁部と温度センサの温度検出面との間に滞留することがより一層抑制される。
【0021】
上記の熱交換器において、温度検出壁部は、開口から温度検出壁部の下端まで延びる溝状部を有する。これにより連結管に取付部材をろう材により接合する際に、ろう材が開口を通じて取付部材の温度検出面側に流れ出しても、ろう材を溝状部によりスムーズに温度検出壁部の下端に導くことができる。このため、ろう材が温度検出壁部と温度センサの温度検出面との間に滞留することが抑制される。
【0022】
上記の熱交換器において、溝状部は、開口から温度検出壁部の下端に向かうほど幅が広くなるように構成されている。これによりろう材が溝状部から漏れ出しにくくなるとともに、開口から下端に向かうほどスムーズにろう材を下方へ導くことが可能となる。
【0023】
本発明の温水装置は、上記の熱交換器と、その熱交換器に与える加熱用気体を発生させるための燃焼装置とを備えている。
【0024】
本発明の温水装置によれば、温度センサを連結管の所望の位置に正確に取り付けることが可能となる。
【0025】
上記の温水装置において、取付部材が取り付けられる連結管により互いに接続される第1の伝熱管と第2の伝熱管とは、燃焼装置の燃焼状態において常に燃焼する燃焼領域の真上に配置されている。これにより、どのような燃焼条件においても、連結管の温度を検出することが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように本発明によれば、温度センサを連結管の所望の位置に正確に取り付け可能な取付部材を有する熱交換器および温水装置を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
図1に示されるように、本実施の形態の熱交換器40は、取付部材10と、温度センサ20と、固定部材30と、複数の伝熱管41と、複数の連結管42と、複数の接続配管43と、複数のフィン44と、ケース45とを有している。
【0029】
ケース45は、たとえば矩形の枠状を有する壁部から構成されている。ケース45は、加熱用気体の上流側と下流側とに開口を有している。ケース45は、加熱用気体を上流側開口を通じて外部から内部に導入し、下流側開口を通じて内部から外部へ排出できるように構成されている。
【0030】
複数のフィン44の各々は、板状の部材からなっており、ケース45の内部にて互いに積層されている。
【0031】
複数の伝熱管41の各々は、ケース45の内部を貫通し、これにより複数のフィン44の各々を貫通している。複数の伝熱管41の各々は、その伝熱管41が貫通するフィン44と接続されている。また複数の伝熱管41の各々は、ケース45の互いに対向する1対の壁部の各々も貫通している。
【0032】
複数の伝熱管41の各々は、ケース45内にて、たとえば1段となるように配置されている。ただし複数の伝熱管41は、ケース45内で、2段以上となるように配置されていてもよい。
【0033】
連結管42は、複数の伝熱管41のうち2つの伝熱管(第1の伝熱管41と第2の伝熱管41)同士をケース45の外部において接続している。複数の連結管42の各々は、円弧形状に湾曲した湾曲部を有している。複数の連結管42の各々は、たとえばU字形状を有している。
【0034】
複数の伝熱管41が複数の連結管42により上記のごとく接続されることにより、複数の伝熱管41と複数の連結管42とにより被加熱流体を通すための流路が構成されている。本実施の形態においては、
図1中の右側の第1流路と、左側の第2流路とが構成されている。第1流路と第2の流路とは互いに分離されている。第1流路は第1熱交換部40Aを構成しており、第2流路は第2熱交換部40Bを構成している。
【0035】
第1熱交換部40Aを構成する伝熱管41に接続される複数のフィン44と、第2熱交換部40Bを構成する伝熱管41に接続される複数のフィン44とは、互いに分離されている。
【0036】
第1熱交換部40Aにおける第1流路の両端に位置する伝熱管41の各々には接続配管43が接続されている。また第2熱交換部40Bにおける第2流路の両端に位置する伝熱管41の各々にも接続配管43が接続されている。
【0037】
次に、取付部材10、温度センサ20および固定部材30の構成について
図2〜
図4を用いて説明する。
【0038】
図2および
図3に示されるように、上記連結管42には、取付部材10を介在して温度センサ20が取り付けられている。取付部材10は、連結管42の湾曲部の外表面に取り付けられている。温度センサ20は、連結管42内を流通する被加熱流体の温度を検出するためのものである。より具体的には、温度センサ20は、連結管42内を流通する被加熱流体の異常高温を検出するためのものである。
【0039】
取付部材10は、1枚の板材が折り曲げられることにより構成されている。取付部材10は、延設壁部1と、温度検出壁部2と、挿入片部3と、1対の支持脚部4と、1対の屈曲部5と、折り曲げ部6とを有している。
【0040】
温度センサ20は、温度センサ本体11と、取付部12とを有している。取付部12は温度センサ本体11の端部から両側に延びている。取付部12の両側の各々には、貫通孔12aが設けられている。貫通孔12aは、固定部材30の一部を通すことができるように構成されている。
【0041】
固定部材30は、たとえばボルトなどの締結部材である。固定部材30は、軸部31と、頭部32とを有している。頭部32は、ネジ溝を有しており、雄ネジを構成している。ただし固定部材30はピンなどであってもよい。
【0042】
固定部材30の軸部31は、温度センサ20の貫通孔12aに通された後に取付部材10の孔2bに螺合などされている。これにより温度センサ20は、固定部材30により取付部材10の温度検出壁部2に取り付け固定されている。この状態において、温度センサ20の温度検出面11a(
図3)は温度検出壁部2に接触している。
【0043】
図4(A)〜
図4(C)に示されるように、取付部材10の延設壁部1は、第1の方向D1に延在しており、その第1の方向D1における一方端部1aと他方端部1bとを有している。
【0044】
温度検出壁部2は、延設壁部1の一方端部1aから第1の方向D1と交差する第2の方向D2に延びている。温度検出壁部2は、延設壁部1に対して略直角に折り曲げられている。温度検出壁部2は、上記のとおり温度センサ20の温度検出面11a(
図3)が接触する部分である。
【0045】
挿入片部3は、延設壁部1の他方端部1bから第2の方向D2に延びている。つまり挿入片部3は、延設壁部1から温度検出壁部2と同じ方向D2に延びている。挿入片部3は、延設壁部1に対して略直角に折り曲げられている。温度検出壁部2と挿入片部3とは、連結管42の外表面を挟むことができるように構成されている。
【0046】
延設壁部1には延設壁部1を貫通する開口部1cが形成されている。開口部1cは、延設壁部1の一方端部1aに達している。開口部1cは、他方端部1b側から一方端部1aに向かうにつれて幅Wが大きくなるように構成されている。
【0047】
開口部1cは、温度検出壁部2に設けられた1対の凹部2dに繋がっている。温度検出壁部2は、1対の凹部2dに挟まれた突出部2cを有している。この突出部2cは、延設壁部1の上面よりも高さH(
図4(C))だけ上方へ突き出している。また突出部2cは、
図9に示されるように温度検出壁部2に対して傾斜して上方へ突き出していてもよい。この場合、突出部2cは、温度検出壁部2に対して、上方へ向かうほど挿入片部3から離れる方向に傾斜していることが好ましい。
【0048】
温度検出壁部2は、オフセット壁部2aを有している。オフセット壁部2aは、延設壁部1との接続部から第1の方向D1および第2の方向D2と交差する第3の方向D3へ延びている。つまりオフセット壁部2aは、延設壁部1とは直接的に接続されていない箇所である。
【0049】
このオフセット壁部2aには、上記のとおり温度検出壁部2に温度センサ20を取り付けるための孔2bが設けられている。この孔2bは、たとえば雌ネジ部である。また温度検出壁部2は、切り起こしポケット部2eを有している。
【0050】
この切り起こしポケット部2eは、温度センサ20の一部を挿し込むための開口2fを構成する部分である。切り起こしポケット部2eは、切り起こしポケット部2e以外の温度検出壁部2の部分から切り起こされた形状を有している。これにより切り起こしポケット部2e以外の温度検出壁部2の部分と切り起こしポケット部2eとの間に開口2fが形成されている。温度センサ20の一部は、この開口2fへ挿し込むことが可能である。
【0051】
1対の支持脚部4の各々は、延設壁部1の両側端の各々に接続されている。1対の支持脚部4の各々は、延設壁部1に対して所定の角度で折り曲げられている。1対の支持脚部4は、連結管42に取付部材10を取り付けた状態で延設壁部1と連結管42との間に隙間S(
図6)を保持するための部分である。
【0052】
1対の屈曲部5の各々は、挿入片部3の両側部に接続されている。1対の屈曲部5の各々は、挿入片部3に対して所定の角度を有するように温度検出壁部2とは反対側に折り曲げられている。1対の屈曲部5の各々は、連結管42の湾曲部の内周側にて連結管42に当接する部分である。
【0053】
折り曲げ部6は、温度検出壁部2の延設壁部1側の端部とは反対側の端部に接続されている。折り曲げ部6は、温度検出壁部2から挿入片部3側に向かうように折り曲げられている。折り曲げ部6は、
図4(C)に示す側面視において略V字形状を有している。この折り曲げ部6は、連結管42の外表面に沿うように温度検出壁部2に対して折り曲げられた部分を含むように構成されている。
【0054】
次に、取付部材10が連結管42に取り付けられた状態について
図5〜
図8を用いて説明する。
【0055】
図5および
図6に示されるように、取付部材10が連結管42に取り付けられた状態において、取付部材10の挿入片部3は連結管42の湾曲部の内周側に挿入されている。また上記取付状態において、取付部材10の温度検出壁部2は連結管42の湾曲部の外周側に位置している。温度検出壁部2と挿入片部3とは、連結管42の湾曲部を、その外周側と内周側とから挟み込んでいる。
【0056】
図7に示されるように、上記取付状態において、1対の支持脚部4は、連結管42に当接している。これにより1対の支持脚部4は、上記取付状態において延設壁部1と連結管42との間に隙間S(
図6)を構成している。
【0057】
図8に示されるように、上記取付状態において、1対の屈曲部5の各々は、連結管42の湾曲部の内周側にて連結管42に当接している。これにより、取付部材10を連結管42に取り付ける際の位置決めが容易になるともに、取付部材10を連結管42にしっかりと固定することが可能となる。
【0058】
図6に示されるように、上記取付状態において、延設壁部1と連結管42との間、温度検出壁部2と連結管42との間、および折り曲げ部6と連結管42との間の各々は、ろう材110により接合されている。
【0059】
このろう材110は、たとえばディスペンサーを用いて塗布され、延設壁部1の開口部1cから取付部材10と連結管42との間に流し込まれる。ディスペンサーは延設壁部1の他方端部1b側から一方端部1a側に向かう方向(図中矢印DR)に移動しながら、ろう材を塗布する。
図9に示されるように、突出部2cが傾斜していると、作業者が正面からディスペンサーでろう材を塗布する際に他方端部1b側が見やすくなるので、作業性が向上する。
【0060】
開口部1cから流し込まれたろう材は、まず延設壁部1と連結管42との間の隙間S内に濡れ広がって延設壁部1と連結管42とを接続する。またろう材は、開口部1cから下方に流れて温度検出壁部2と連結管42との間の隙間内に濡れ広がって温度検出壁部2と連結管42とを接続する。さらにろう材は、温度検出壁部2と連結管42との間からさらに下方に流れて、折り曲げ部6と連結管42との間の隙間内に濡れ広がって折り曲げ部6と連結管42とを接続する。
【0061】
次に、取付部材の他の変形例について
図10〜
図14を用いて説明する。
図10〜
図12に示されるように、この取付部材10の変形例の構成は、
図9に示される取付部材10の構成と比較して、凹状部2gが追加されている点、補強用折り曲げ部2hが追加されている点、および支持脚部4が省略されている点において異なっている。
【0062】
図10に示されるように、本変形例においては、温度検出壁部2は、凹状部2gを有している。凹状部2gは、温度センサ20の温度検出面11a(
図12)が接触する温度検出壁部2の面SAに形成されている。この凹状部2gは、開口2fに隣接している。開口2fは、上記のとおり切り起こしポケット部2eにより構成されている。また凹状部2gは、第3の方向D3に沿って切り起こしポケット部2eと隣り合っている。
【0063】
図11に示されるように、凹状部2gは、温度センサ20の温度検出面11aが接触する温度検出壁部2の面SAに対して、その面SAの裏面SBの側に窪んでいる。このため温度センサ20を取り付ける側の凹状部2gの表面SCと、温度検出壁部2の面SAとの間には、段差ST1が存在する。
【0064】
図12に示されるように、取付部材10に温度センサ20が取り付けられた状態において、温度検出壁部2の面SAに対して垂直な方向から見て、凹状部2gは、温度センサ20の温度検出面11aと重ならないように、温度検出面11aを避けて配置されている。これにより温度センサ20の温度検出面11aが接触する温度検出壁部2の面SAは平坦である。
【0065】
図10および
図11に示されるように、本変形例においては、オフセット壁部2aの第3の方向D3の端部には、補強用折り曲げ部2hが接続されている。この補強用折り曲げ部2hは、オフセット壁部2aに対して温度センサ20の取り付け側に折れ曲がっている。補強用折り曲げ部2hは、オフセット壁部2aに対してたとえば直角に折れ曲がっている。
【0066】
図13に示されるように、仮に上記の補強用折り曲げ部2hが設けられていない場合、温度センサ20を固定部材30により取付部材10に取り付ける際に、固定部材30のねじ込みにより、破線で示すように温度検出壁部2が厚み方向に変形する可能性がある。このように温度検出壁部2が変形すると、温度検出壁部2に温度センサ20の温度検出面11aを密着させることが困難となる。このため、温度センサ20による正確な温度測定が困難となる。
【0067】
これに対して本変形例では、補強用折り曲げ部2hが温度検出壁部2に設けられている。この補強用折り曲げ部2hにより温度検出壁部2の厚み方向の強度が向上する。このため、温度センサ20を固定部材30により取付部材10に取り付ける際に、温度検出壁部2が厚み方向に変形することが抑制される。
【0068】
図12に示されるように、取付部材10に温度センサ20が取り付けられた状態において、温度センサ20における取付部12の第3の方向D3の端部が補強用折り曲げ部2hに接している。このように取付部12の端部が補強用折り曲げ部2hに接することにより、温度センサ20を取付部材10に取り付ける際に、取付部材10に対して温度センサ20を位置決めすることが容易となる。
【0069】
なお
図10〜
図12に示す取付部材10の上記以外の構成は、
図9に示される取付部材10の構成とほぼ同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0070】
図10〜
図12に示す変形例においては、凹状部2gは、温度検出壁部2の下端に達していない。しかし、
図14に示されるように、凹状部2gは、温度検出壁部2の下端に達していてもよい。
【0071】
次に、取付部材のさらに他の変形例について
図15〜
図17を用いて説明する。
図15に示されるように、この取付部材10の変形例の構成は、
図10〜
図12に示される取付部材10の構成と比較して、溝状部2iが追加されている点において異なっている。本変形例においては、温度検出壁部2は、溝状部2iを有している。溝状部2iは、開口2fから温度検出壁部2の下端まで延びている。
【0072】
図16に示されるように、溝状部2iは、温度センサ20の温度検出面11a(
図12)が接触する温度検出壁部2の面SAに対して、その面SAの裏面SBの側に窪んでいる。このため温度センサ20を取り付ける側の溝状部2iの表面SDと、温度検出壁部2の面SAとの間には、段差ST2が存在する。
【0073】
図15に示す変形例においては、溝状部2iは、開口2fとの接続部から温度検出壁部2の下端まで同じ幅を維持している。しかし、
図17に示されるように、溝状部2iは、開口2fから温度検出壁部2の下端に向かうほど幅WAが広くなるように構成されていてもよい。
【0074】
なお
図15および
図17に示される取付部材10の上記以外の構成は、
図10〜
図12に示される取付部材10の構成とほぼ同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0075】
次に、
図1〜
図8に示す本実施の形態の熱交換器40を1次熱交換器40A、40Bとして有する温水装置の一例として風呂給湯器100の構成について
図18および
図19を用いて説明する。
【0076】
図18に示されるように、風呂給湯器100は、給湯経路と、風呂循環経路と、注湯経路と、ドレン排出経路とを主に有している。
【0077】
上記風呂給湯器100の給湯経路は、上水を加熱する経路である。この給湯経路は、1次熱交換器40A、2次熱交換器50A、燃焼装置60A、配管71〜73、分配弁74などにより構成されている。
【0078】
配管71の一方端は、入水口を有している。入水口は、上水道に接続されている。配管71の他方端は、2次熱交換器50Aの一方端に接続されている。2次熱交換器50Aの他方端は、1次熱交換器40Aの一方端に接続されている。1次熱交換器40Aの他方端は、配管72の一方端に接続されている。配管72の他方端は、風呂給湯器100の外部のカランなどに接続されている。分配弁74は、配管71に接続されている。分配弁74と配管72とが配管73により接続されている。
【0079】
熱交換器40Aの近傍には、燃焼装置60Aが配置されている。燃焼装置60Aは、複数の燃焼管61を有している。
【0080】
また上記風呂給湯器100の風呂循環経路は、浴槽90中の湯水を加熱する経路である。この風呂循環経路は、1次熱交換器40B、2次熱交換器50B、燃焼装置60B、配管82、83、循環ポンプ84などにより構成されている。
【0081】
配管82の一方端は2次熱交換器50Bの一方端に接続されている。2次熱交換器50Bの他方端は、1次熱交換器40Bの一方端に接続されている。1次熱交換器40Bの他方端は、配管83の一方端に接続されている。配管82の他方端および配管83の他方端の各々は、浴槽90に配置された循環アダプタ91に接続されている。配管82には循環ポンプ84が設けられている。
【0082】
熱交換器40Bの近傍には、燃焼装置60Bが配置されている。燃焼装置60Bは、複数の燃焼管61を有している。
【0083】
また上記風呂給湯器100の注湯経路は、上記給湯経路から風呂循環経路に湯水を流入させる経路である。この注湯経路は、注湯電磁弁76、逆止弁77、78、大気開放弁79、配管75、80、81などにより構成されている。
【0084】
給湯経路の配管72から分岐された配管81は、風呂循環経路の循環ポンプ84に接続されている。この配管81には、注湯電磁弁76、逆止弁77および逆止弁78が、この順番で配置されている。逆止弁77と逆止弁78との間の配管81の経路には、大気開放弁79が接続されている。
【0085】
大気開放弁79は、配管75を通じて与えられる配管71中の流体の圧力に応動して開閉可能である。そして大気開放弁79が開動作した場合、大気開放弁79は、逆止弁77と逆止弁78との間の配管81の経路から流体を配管80を通じて風呂給湯器100の外部へ排出可能である。
【0086】
また上記風呂給湯器100のドレン排出経路は、2次熱交換器50A、50Bで生じたドレンを風呂給湯器100の外部へ排出するための経路である。このドレン排出経路は、ドレンタンク86、配管85、87などにより構成されている。2次熱交換器50A、50Bで生じたドレンは配管85を通じてドレンタンク86に貯留可能である。ドレンタンク86内のドレンは、配管87を通じて風呂給湯器100の外部へ排出可能である。
【0087】
なお上記燃焼装置60Aは、複数の燃焼領域BR1、BR2、BR3を有している。これらの燃焼領域BR1、BR2、BR3は、それぞれ互いに異なるタイミングあるいは、同時に燃焼動作を行なうことが可能である。
【0088】
具体的には、燃焼領域BR2は、燃焼領域BR1と異なるタイミングで燃焼動作が可能である。また燃焼領域BR3は、燃焼領域BR1、BR2の各々と異なるタイミングで燃焼動作が可能である。
【0089】
また燃焼装置60Bは、たとえば単一の燃焼領域BR4よりなっている。ただし燃焼装置60Bは、燃焼装置60Aと同様、複数の燃焼領域よりなっていてもよい。
【0090】
燃焼装置60A、60Bの各々には、ガス管65が接続されている。ガス管65は、燃焼装置60A、60Bの各々に燃料ガスを供給するためのものである。ガス管65には、元ガス電磁弁64およびガス比例弁63が接続されている。
【0091】
またガス管65は、たとえば4経路に分岐している。4経路の分岐したガス管65の各々は、燃焼領域BR1、BR2、BR3、BR4の各々に接続されている。分岐したガス管65の各々には、電磁弁62a〜62dの各々が接続されている。この電磁弁62a〜62dの各々の開閉動作によって、分岐したガス管65の各々への燃料ガスの供給を制御することができる。このように電磁弁62a〜62dの各々の開閉状態を独立に制御することで、燃焼領域BR1〜BR4の各々の燃焼状態を独立に調節することが可能である。
【0092】
図19に示されるように、たとえば燃焼領域BR1は、燃焼装置60Aの燃焼状態において常に燃焼する燃焼領域として設定されている。この場合、取付部材10が取り付けられる連結管42により互いに接続される第1の伝熱管41および第2の伝熱管41は、燃焼領域BR1の真上に配置されていることが好ましい。
【0093】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態によれば、
図5および
図6に示されるように、挿入片部3とともに連結管42の外表面を挟む温度検出壁部2に温度センサ20が取り付けられる。このため、温度センサ20を連結管42の所望の位置に正確に取り付けることが可能となる。
【0094】
また
図6に示されるように、温度検出壁部と連結管とがろう材110により接合されている。これにより温度センサ20の温度検出面11a(
図3)と連結管42との間には温度検出壁部2とろう材110とが配置され、隙間がない。このため、温度センサ20により熱交換器40の内部を流通する被加熱流体の温度を正確に検出することが可能となる。
【0095】
また
図5に示されるように、挿入片部3は、連結管42の湾曲部の内周側に挿し込まれている。このように挿入片部3を湾曲部の内周側に挿し込むことにより、挿入片部3を湾曲部にしっかり位置決めして固定することができる。これにより、熱交換器40の内部を流通する被加熱流体の温度をより正確に検出することが可能となる。
【0096】
また
図5および
図8に示されるように、1対の屈曲部5の各々は、連結管42の湾曲部の内周側にて連結管42に当接している。これにより取付部材10を連結管42に対して容易に位置決めすることができる。
【0097】
また
図6および
図7に示されるように、1対の支持脚部4により、延設壁部1と連結管42との間に隙間Sが保持されている。これにより
図6に示されるように、延設壁部1と連結管42との間の隙間Sにろう材110を流し込むことが容易となり、連結管42に取付部材10を接続することが容易となる。
【0098】
また
図5および
図6に示されるように、延設壁部1には、延設壁部1を貫通する開口部1cが形成されている。これにより取付部材10を連結管42に位置決めした後に、開口部1cを通じてろう材110を取付部材10と連結管42との間に流し込むことができる。このため、取付部材10と連結管42との接合が容易となる。
【0099】
また
図5に示されるように、開口部1cは、延設壁部1の一方端部1aに達している。これにより開口部1cから流し込まれたろう材110が、取付部材10の温度検出壁部2と連結管42との間にも流れ込みやすくなる。このため、温度検出壁部2と連結管42との間をろう材110で接合することが容易となる。
【0100】
また開口部1cは、温度検出壁部2に設けられた1対の凹部2dに繋がっている。温度検出壁部2は、1対の凹部2dに挟まれた突出部2cを有している。この突出部2cにより、開口部1cから流し込まれたろう材110が、開口部1cから漏れ出して、温度検出壁部2における温度センサ20の取付面側に付着することが防止できる。
【0101】
また開口部1cは、他方端部1b側から一方端部1aに向かうにつれて幅Wが大きくなるように構成されている。これにより他方端部1b側から一方端部1aに向けて順にろう材110を開口部1cへ流し込む際に、そのろう材110の開口部1cへの流し込みをスムーズに行うことができる。
【0102】
また
図6に示されるように、折り曲げ部6は、連結管42の外表面に沿うように前記温度検出壁部に対して折り曲げられた部分を含んでいる。このように折り曲げ部6が連結管42の外表面に沿うように折り曲げられているため、折り曲げ部と連結管の外表面との間にろう材が適切に流れ込むようになり、さらに強固に取付部材10を連結管42に取り付けることができる。
【0103】
また
図2および
図4(B)に示されるように、温度検出壁部2は、延設壁部1との接続部から第3の方向D3へ延びるオフセット壁部2aを有している。オフセット壁部2aには、温度検出壁部2に温度センサ20を取り付けるための孔2bが設けられている。これにより温度センサ20を温度検出壁部2に取り付けることが容易となる。
【0104】
つまりオフセット壁部2aの位置においては、連結管42の湾曲部はオフセット壁部2aから離れる方向に湾曲している。これによりオフセット壁部2aと連結管42との間の距離は大きくなる。このため、固定部材30が連結管42と干渉しにくくなり、温度センサ20を温度検出壁部2に取り付けることが容易となる。
【0105】
また温度検出壁部2は、温度センサ20の一部を挿し込むための切り起こしポケット部2eを有している。このように温度センサ20の一部を切り起こしポケット部2eに挿し込むことにより、切り起こしポケット部2eに挿し込んだ温度センサ20の部分をネジなどで締結する必要がなくなる。このため温度センサ20の取り付け作業が容易になるとともに、部品点数を減らすことができる。
【0106】
また、たとえば
図6において、ろう材110の塗布量が適正でない場合には、ろう材110が塗布される際に、このろう材110が
図2に示される開口2fを通じて温度センサ20の取り付け側に流れ出す可能性がある。仮にろう材110が温度検出壁部2と温度センサ20の温度検出面11a(
図3)との間に滞留すると、温度センサ20による正確な温度の測定ができないおそれがある。
【0107】
そこで、
図10〜
図12に示される取付部材10において、温度検出壁部2は、温度センサ20の温度検出面11a(
図12)が接触する面において、開口2fに隣接する凹状部2gを有している。これにより連結管42(
図2)に取付部材10をろう材110(
図6)により接合する際に、ろう材110が開口2fを通じて取付部材10の温度検出面11a側に流れ出してきても、ろう材110は凹状部2gに溜まる。このため、ろう材110が温度検出壁部2と温度センサ20の温度検出面11aとの間に滞留することが抑制される。これにより、ろう材110の塗布量の管理条件も緩和することが可能となる。
【0108】
また
図14に示されるように、凹状部2gは、温度検出壁部2の下端に達している。これにより開口2fを通じて取付部材10の温度センサ20の取り付け側に流れてきたろう材110を凹状部2gによりスムーズに温度検出壁部2の下端に導くことができる。これにより、ろう材110が温度検出壁部2と温度センサ20の温度検出面11aとの間に滞留することがより一層抑制される。
【0109】
また
図15に示されるように、温度検出壁部2は、開口2fから温度検出壁部2の下端まで延びる溝状部2iを有する。これにより連結管42(
図2)に取付部材10をろう材110(
図6)により接合する際に、ろう材110が開口2fを通じて取付部材10の温度センサ20の取り付け側に流れてきても、溝状部2iによりろう材110が温度検出壁部2の下端に導かれる。このため、ろう材110が温度検出壁部2と温度センサ20の温度検出面11aとの間に滞留することが抑制される。
【0110】
また
図16に示されるように、溝状部2iは、開口2fから温度検出壁部2の下端に向かうほど幅WAが広くなるように構成されている。これにより、ろう材110(
図6)が溝状部2iから漏れ出しにくくなるとともに、開口2fから下端に向かうほどスムーズにろう材110を下方へ導くことが可能となる。
【0111】
また
図19に示されるように、取付部材10が取り付けられる連結管42により互いに接続される第1の伝熱管41と第2の伝熱管41とは、燃焼装置60Aの燃焼状態において常に燃焼する燃焼領域BR1の真上に配置されている。これにより、どのような燃焼条件においても、連結管42の温度を検出することが可能となる。
【0112】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。